JP4317801B2 - 脂質代謝改善用の食品組成物およびこれを含有する食品 - Google Patents

脂質代謝改善用の食品組成物およびこれを含有する食品 Download PDF

Info

Publication number
JP4317801B2
JP4317801B2 JP2004233289A JP2004233289A JP4317801B2 JP 4317801 B2 JP4317801 B2 JP 4317801B2 JP 2004233289 A JP2004233289 A JP 2004233289A JP 2004233289 A JP2004233289 A JP 2004233289A JP 4317801 B2 JP4317801 B2 JP 4317801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
okara
food composition
mass
lipid metabolism
dha
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004233289A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006050910A (ja
Inventor
滿 福田
弘明 浅尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mukogawa Gakuin Educational Institution
Original Assignee
Mukogawa Gakuin Educational Institution
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mukogawa Gakuin Educational Institution filed Critical Mukogawa Gakuin Educational Institution
Priority to JP2004233289A priority Critical patent/JP4317801B2/ja
Publication of JP2006050910A publication Critical patent/JP2006050910A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4317801B2 publication Critical patent/JP4317801B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

本発明は、血漿コレステロール濃度低下等の脂質代謝改善作用を顕著に有する脂質代謝改善用の食品組成物、およびこれを含有する食品に関する。
高齢化社会を迎えた今日において、生活習慣病の予防は重要な課題となっている。生活習慣病の1つである心疾患等の循環器系疾患を予防するためには、血漿コレステロール濃度低下等の脂質代謝の改善が必要であることは周知の事実であり、脂質代謝改善作用を示す機能性食品が既に多数報告されている。
たとえば特許文献1には、ホエイタンパク質および/または該ホエイタンパク質加水分解物とリン脂質とを組み合わせることによって、これらを単独で用いるよりも、血清および肝臓の総コレステロールおよび肝臓中性脂肪を低下させることが可能な脂質代謝改善組成物が開示される。
また特許文献2には、大豆タンパク質、乳タンパク質、カルシウムおよびイソフラボンを有効成分として含有し、脂質代謝改善効果、血圧降下効果および骨強化効果を有し、しかも風味の良好な栄養組成物が開示される。しかし上記の効果、特に脂質代謝改善効果については未だ改善の余地がある。
わが国においては大豆の豆腐、豆乳等への加工後に大量のオカラが排出されており、オカラを大豆タンパク質含有食品の原料として再利用したいというニーズが存在する。また大豆には、大豆タンパク質、食物繊維の他、イソフラボン、サポニン等の生理活性成分が含まれるが、オカラ中にも上記の成分は豊富に含まれるため、オカラの健康改善用食品としての利用も検討されている。しかしオカラは栄養価が豊富である一方で腐敗が早いという欠点を有し、保存安定性を確保する工夫が必要となる。また、オカラを食品として再利用する場合、オカラ中に多量に含まれる食物繊維に由来するオカラ特有のざらつき感が食味上の欠点となる。
たとえば特許文献3には、おからと油とを、最終的に得られるおから(脱水状態)中の粗脂肪が20〜85w%となるような割合で水性溶媒中に分散した後、溶媒を除去することを特徴とする油含有おからが提案されている。特許文献3おいては、該油含有おからが、製麺、製パン、製菓、ソーセージ、蒲鉾等の他、健康食品、医薬品用の組成物として有用である旨が開示される。しかし特許文献3はおからを食品組成物として再利用する際の食味の向上を課題としているため健康改善作用については殆ど考慮されておらず、十分な健康改善作用が得られるとは言えない。
特開2002−226394号公報 特開2003−26571号公報 特開平5−336915号公報
本発明は、上記の課題を解決し、豆腐、豆乳等の製造において生成する副産物または搾油後において生成する油糧残渣であるオカラを有効利用することによって廃棄物の再利用に寄与するとともに、たとえば血漿コレステロール濃度低下作用等の、より顕著な脂質代謝改善作用を発揮することが可能な脂質代謝改善用の食品組成物、およびこれを含有する食品を提供することを目的とする。
本発明の脂質代謝改善用の食品組成物は、乾燥オカラと、EPA(エイコサペンタエン酸)および/またはDHA(ドコサヘキサエン酸)を含有する魚油とを組み合わせて用いることを特徴とする。乾燥オカラは単独でも血漿コレステロール濃度低下作用等の脂質代謝改善作用を有するが、脂質代謝改善用の食品組成物としての効果には未だ向上の余地があった。本発明においては、所定量のEPAおよび/またはDHAを乾燥オカラと組み合わせて用いることにより、該組み合わせによる相乗効果が生じ、さらに顕著な脂質代謝改善効果を有する食品組成物を得ることができる。
すなわち本発明は、乾燥オカラの10〜50質量%と魚油とを含有する食品組成物であって、該魚油中のEPAおよび/またはDHAの含有量が、該乾燥オカラに対して0.5〜5.0質量%の範囲内である脂質代謝改善用の食品組成物に関する。
本発明の食品組成物における魚油は、乾燥オカラに対して1〜20質量%の範囲内で含有されることが好ましい。また魚油は、EPAおよび/またはDHAを合計で30〜50質量%含有する魚油であることが好ましい。
本発明の食品組成物にはデンプンおよび/または小麦粉が好ましく含有される。
本発明において配合される乾燥オカラは、イソフラボンとタンパク質とを含有し、該乾燥オカラ中の該イソフラボンのアグリコン換算含有量が40mg/100g以上であり、かつ該乾燥オカラ中の該タンパク質の含有量が20〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明はまた、上記の脂質代謝改善用の食品組成物を含有してなる食品に関する。
本発明によれば、乾燥オカラと、所定量のEPAおよび/またはDHAを含有する魚油とを組み合わせて用いることにより、通常廃棄物として処理されるオカラの有効利用が可能であるとともに、より顕著な脂質代謝改善作用を有する食品組成物およびこれを含有する食品の提供が可能となる。
本発明の脂質代謝改善用の食品組成物においては、乾燥オカラと、所定量のEPAおよび/またはDHAを含有する魚油との組み合わせにより脂質代謝改善作用が付与される。本発明におけるオカラとは、大豆を原料として豆乳または豆腐を製造する工程において、水に浸して膨潤させた吸水大豆を加熱、磨砕して生成させた「呉(ゴ)」をろ過し、固液分離して得られる固形状の副産物、または大豆の搾油後の油糧残渣を指す。また、本発明における乾燥オカラとは、上記で得られる固形状の副産物または油糧残渣を乾燥させたものであって、特に水分の含有量が12質量%以下であるものを指す。
大豆の成分のうち、水溶性タンパク質、脂質、水溶性食物繊維、ミネラルの多くは豆乳または豆腐に移行するが、オカラ中にも多量の栄養成分が残留し、特に不溶性タンパク質、不溶性食物繊維は豊富に存在する他、生理活性作用を有するイソフラボン、サポニン等の成分も含まれる。
生オカラには、通常、水分が約75〜80質量%、タンパク質が約5〜6質量%、脂質が約4質量%、炭水化物が約10〜14質量%、ミネラルが約1質量%含まれる。ここで炭水化物の大部分は食物繊維である。一方、乾燥オカラに通常含まれる水分は約10質量%以下であり、タンパク質が約25質量%、炭水化物が約50質量%(食物繊維としては約40質量%)含まれる。すなわち、乾燥オカラには、原料である大豆由来のタンパク質、食物繊維が高濃度で含まれる。本発明の食品組成物においては、乾燥オカラを用いることによって、加工性を向上させるとともに、食品組成物中にタンパク質、食物繊維等の有用成分を高濃度で含有させることができる。
本発明の食品組成物は、乾燥オカラの10〜50質量%と魚油とを含有し、該魚油中のEPA(エイコサペンタエン酸)および/またはDHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量が、該乾燥オカラの0.5〜5.0質量%の範囲内とされる。食品組成物中の乾燥オカラの含有量が10質量%以上であれば、血漿コレステロール濃度低下作用等の脂質代謝改善作用が所望の程度得られるため好ましく、50質量%以下、さらに30質量%以下、さらに20質量%以下であれば、ざらつき感等の食味の低下を防止するとともに、吸水等による加工性または保存安定性の低下も防止できる点で好ましい。また、EPAおよび/またはDHAの含有量が乾燥オカラの0.5質量%以上であれば、脂質代謝改善作用が所望の程度得られるため好ましい。なお、EPAおよび/またはDHAの含有量が乾燥オカラの5.0質量%程度であれば、脂質代謝改善作用は十分得られ、5.0質量%よりEPAおよび/またはDHAの含有量を多くしても脂質代謝改善作用はあまり変化しないことから、製造コストの観点では5.0質量%以下、さらに3.0質量%以下、さらに2.0質量%以下とされることが好ましい。
本発明の食品組成物においては、EPA、DHAのいずれを用いても同様の脂質代謝改善作用を発現させることができる。よって、EPAおよび/またはDHAの含有量は両者の合計によって制御されれば良く、EPA、DHAそれぞれの配合量は限定されないが、たとえば、乾燥オカラに対してEPAが0.5質量%以上5.0質量%以下、DHAが0.5質量%以上5.0質量%以下とされることが好ましい。
EPAおよびDHAはいずれも一般に魚油中に豊富に含有される。本発明においては、食品組成物中に魚油を配合することにより、EPAおよび/DHAの含有量が所定の範囲内となるよう制御する。特に、魚油としては、EPAおよび/またはDHAの濃度の合計が30質量%以上、さらに35質量%以上、また50質量%以下、さらに40質量%以下となるようにEPAおよび/またはDHAを含有する精製魚油を用いることが好ましい。
本発明においては、EPAおよび/またはDHAの含有量を所定の範囲内に調整する際、魚油を乾燥オカラに対して1質量%以上となるように配合することが好ましく、また20質量%以下、さらに15質量%以下、さらに10質量%以下となるように配合することが好ましい。このような魚油にはEPAおよび/またはDHAが比較的高濃度で含まれることとなるため、魚油中の脂質代謝改善作用に寄与しない成分による食品組成物の製品安定性や加工性の低下の危険性を回避できる。
本発明において好ましく配合される魚油としては、たとえば、アジ、アンコウ、イカナゴ、イサキ、イトヨリ、イワシ、カツオ、カマス、カレイ、キス、サケ、サバ、サワラ、サンマ、シタビラメ、スズキ、タラ、トビウオ、ニシン、ハタハタ、ハマチ、ハモ、ヒラマサ、ヒラメ、フグ、ブリ、マグロ、マス、マダイ、マナガツオ、メバル等から採取される魚油が挙げられる。これらの魚から採取される魚油を、EPAとDHAとの濃度の合計が30〜50質量%の範囲内となるように精製することが好ましい。
なお、精製魚油を得る方法としては、たとえば脱ガム、脱水処理、脱酸処理、脱色処理、脱ろう処理、脱臭処理、ろ過処理等の工程によって魚油を精製する方法等が好ましく採用され得る。
本発明の食品組成物には、乾燥オカラ、EPAおよび/またはDHAを含む魚油、の他に、デンプン、小麦粉等のつなぎ材料、さらに、ビタミンEをはじめとして、香辛料、糖アルコール、茶カテキン、ごま種子成分、トマト成分等に例示される抗酸化物質、等を配合することができる。
食品組成物にデンプンおよび/または小麦粉が配合される場合、乾燥オカラとEPAおよび/またはDHAとを混合する際にデンプンや小麦粉がつなぎ材料として作用することによって食品組成物の製造が容易になるとともに、たとえば動物用の栄養組成物としてそのまま使用できるため好ましい。また、たとえばビタミンEを配合することによりEPAおよび/またはDHAの酸化が防止されるため食品組成物の保存安定性が向上する。
乾燥オカラに含まれるイソフラボン、サポニン、大豆タンパク質は、油脂の酸化防止作用を有するため、不飽和脂肪酸であるEPAおよびDHAの酸化を抑制するという役割にも寄与する。
さらに、本発明において乾燥オカラは魚油が有する魚油臭をマスキングするという役割にも寄与する。よって、本発明の食品組成物は日常食品に対して適用される場合にも食品そのものの食味をほとんど損なわないという利点を有する。
本発明の食品組成物は、血漿コレステロール濃度低下効果等の脂質代謝改善作用を有することを特徴とする。血漿コレステロールは、LDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールとに大きく分類される。血漿LDLコレステロール濃度が高くなると虚血性心疾患等の進行が促進されることが多くの疫学的調査から分かっている。一方、HDLコレステロールは血管壁に蓄積したコレステロールを除去し、血管へコレステロールを運び込むLDLコレステロールと拮抗するため、虚血性心疾患等の予防効果を有することが分かっている。
本発明の食品組成物は、血漿HDLコレステロール濃度を低下させる作用は殆ど有しないが、後述する機構により血漿LDLコレステロール濃度を選択的に低下させることができる。すなわち、本発明の食品組成物は、血漿総コレステロール濃度の低下効果を有するとともに、LDL(悪玉)コレステロール/HDL(善玉)コレステロールの存在比を改善する効果を有する。
乾燥オカラに含まれる大豆タンパク質、イソフラボン、食物繊維、サポニン等は、本発明において生理活性成分として作用する。本発明においては、食品組成物中に乾燥オカラを所定濃度となるように配合し、これらの生理活性成分の寄与によって、血漿総コレステロール濃度低下効果、LDL(悪玉)コレステロール/HDL(善玉)コレステロールの存在比の改善効果、に代表される脂質代謝改善効果を得ることを特徴とする。
βコングリシニン等の大豆タンパク質、および食物繊維は、コレステロールおよびその代謝物である胆汁酸と結合し、該コレステロールおよび該胆汁酸の吸収を抑制し、体外への排出を促進する作用を有する。これにより、肝臓へのコレステロールおよび胆汁酸の輸送量が減少し、血漿コレステロール濃度が低下する。また、βコングリシニンの分解物のペプチドとイソフラボンは、組織のLDLレセプターを活性化するため、血漿LDLコレステロール濃度を低下させ、脂質代謝を改善する作用を有する。
一方、EPAおよびDHAもまた脂質代謝改善作用を有する生理活性成分であって、血漿総コレステロール濃度低下、LDL(悪玉)コレステロール/HDL(善玉)コレステロールの存在比の改善に寄与する。すなわち、魚油に含まれるn−3系多価不飽和脂肪酸であるEPAおよびDHAは、転写調節因子SREBP−1の作用を抑制し、脂肪酸合成を抑制するため、肝臓からのリポタンパク質の分泌量を低下させ、血漿コレステロール濃度を低下させ、脂質代謝を改善する作用を有する。
上記のように、乾燥オカラ中の生理活性成分と、EPAおよび/またはDHAとは、異なる機構によって血漿コレステロール濃度を低下させる作用を有する。本発明の食品組成物においては、乾燥オカラ中の生理活性成分と、EPAおよび/またはDHAとの共存によって相乗効果が生じる。これにより、EPAおよび/またはDHAの含有量が比較的低濃度であっても、乾燥オカラと、EPAおよび/またはDHAとをそれぞれ単独で用いた場合の生理活性作用の単なる和ではなく、両者の相乗効果による著しい脂質代謝改善作用の向上が実現される。
本発明において配合される乾燥オカラの形状は限定されず、配合される食品組成物の種類や形状によって適宜選択され得るが、たとえば粉末状を有する場合食品組成物の製造が容易であるため好ましい。粉末の粒子径は、50μm以上、さらに60μm以上とされることが好ましく、この場合、製造コストの上昇を防止できる。また、粒子径は125μm以下、さらに80μm以下とされることが好ましく、この場合、加工性に優れるとともに、ざらつき感による食味の低下が防止できる。
乾燥オカラの粒子径は、乾燥オカラの粉砕回数、粉砕時間等の制御により所望の範囲内に調整することができる。本品の食品組成物がたとえば麺類等の食味の滑らかさが重視される用途に適用される場合には、粒子径が比較的小さく調整されることが好ましい。通常粒子径が125μm以下であれば、デンプンや小麦粉等の他の配合成分と均一かつ容易に混合することができる。なお平均粒子径の調整は、粉砕した乾燥オカラをメッシュにより分級する方法等により行なうことができる。
乾燥オカラは通常イソフラボンを豊富に含有するが、本発明においては、イソフラボンのアグリコン換算含有量がたとえば40mg/100g以上、さらに50mg/100g以上、さらに60mg/100g以上である場合、血漿コレステロール濃度低下作用等の脂質代謝改善作用に優れる食品組成物が得られるため好ましい。またイソフラボンのアグリコン換算含有量がたとえば80mg/100g以下、さらに70mg/100g以下である場合、製造コストが安価である点で好ましい。
乾燥オカラ中の大豆タンパク質の含有量が、たとえば20質量%以上、さらに25質量%以上とされる場合、血漿コレステロール濃度低下作用等の脂質代謝改善作用に優れる食品組成物が得られるため好ましい。また、大豆タンパク質の含有量が35質量%以下、さらに30質量%以下とされる場合、製造コストが安価である点で好ましい。
本発明で配合される乾燥オカラ中の大豆タンパク質のうち、80〜100質量%のタンパク質が加熱により変性凝固していることが好ましい。この場合加工性および保存安定性に優れる食品組成物が得られる。
本発明で配合される乾燥オカラの吸水率は、3ml/g以上、さらに4ml/g以上とされることが好ましく、この場合、乾燥オカラが比較的安価に製造できる。また吸水率は6ml/g以下、さらに5ml/g以下であることが好ましく、この場合、食品組成物の吸水による物理的特性の変化が生じる危険性が少ない。
本発明において乾燥オカラを得る工程の例について以下に説明する。本発明の乾燥オカラは、生オカラまたは搾油大豆を乾燥させる工程を経て製造することができるが、生オカラの乾燥によって得られた未調整乾燥オカラ中のイソフラボンのアグリコン換算含有量を測定する工程、および、該未調整乾燥オカラ中のイソフラボンのアグリコン換算含有量を調整する工程、を含むことが好ましい。なおイソフラボンのアグリコン換算含有量の測定は、たとえば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により行なわれることができる。
生オカラまたは搾油大豆から未調整乾燥オカラを得る工程における乾燥は、熱風乾燥によって行なわれることが好ましい。搾汁直後に熱風乾燥することにより、生オカラ中の有効成分の変性を低減することができ、微生物が繁殖する危険性も効果的に抑制される。
未調整乾燥オカラを得る工程においては、乾燥温度および加熱時間を調整することにより、用途に応じて未調整乾燥オカラの吸水量を調整する工程を含むことが好ましい。この場合製造ラインに特別な装置を増設することなく比較的容易に未調整乾燥オカラの吸水量を調整できる。
未調整オカラ中のイソフラボンのアグリコン換算含有量を調整する工程は、あらかじめ生オカラまたは乾燥オカラから食品添加可能な有機溶媒により抽出された有機溶媒溶解成分を、未調整乾燥オカラに添加する工程を含むことが好ましい。有機溶媒溶解成分にはイソフラボンが含まれるため、上記の方法によれば、比較的簡便な操作で未調整オカラ中のイソフラボンの含有量を所望の濃度に調整することができる。
上記の方法により得られた乾燥オカラの平均粒子径を適宜所望の範囲内に調整した後、たとえば小麦粉、デンプン等と混合し、EPAおよび/またはDHAを含有する魚油を配合し、さらにビタミンE等の添加剤を加え、加熱等の加工処理を行なうことにより、本発明の食品組成物とすることができる。
なお、本発明において食品組成物を調製する際には、乾燥オカラを直接他の配合成分と混合しても良いが、あらかじめ水分を添加して生オカラの状態に近づけた後に他の成分と混合しても良い。この場合、乾燥オカラの特に食物繊維の分散不均一が防止されることにより、食品としての食味がより良好となる。
本発明の食品組成物を日常食品に適用する場合、製造工程における大豆の磨砕時に発生するリポキシゲナーゼ活性を熱失活させることによって、乾燥オカラの有する大豆特有の臭いを低減させることができる。また調理操作や食品組成物の種類、配合量等の選択によっても大豆特有の臭いは低減され得る。
本発明の食品組成物は、麺類、パン、ケーキ、お好み焼き、から揚げ、マッシュポテト、スイートポテト、白玉、ニョッキ等の食品類に練り込んで使用できる他、スープ類、ジュース類等に混合することも好ましい。また、上記の日常食品以外にも、たとえばデンプンと混合すること等によって動物飼料としても好適に使用できる。さらに、本発明の食品組成物は、粉末状、顆粒状、ペレット状、シート状等に成形された健康食品としても好適に提供され得る。
<実施例>
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
乾燥オカラ(イソフラボンのアグリコン換算含有量60mg/100g、タンパク質含有量25質量%)、EPAおよび/またはDHA、コレステロールをそれぞれ表1に示す濃度で含有するカゼイン・デンプン飼料を、脂質代謝改善用食品組成物、および比較の食品組成物として5週齢のSD系雄ラットに1週間習慣的に摂取させた。
摂取前と1週間摂取後との血漿総コレステロール濃度を測定し、摂取前に対する1週間摂取後の血漿総コレステロール濃度低下率(%)を求めた。結果を表1に示す。なお実施例1〜3および比較例1〜3において、飼料の摂取量およびラットの体重変化挙動はほぼ同様であり、上記実施例および比較例においては十分量の飼料が摂取されていることが確認された。
Figure 0004317801
EPA、DHAを含有しない比較例2、3において血漿総コレステロール濃度低下効果が認められなかったのに対し、乾燥オカラ含有率を10質量%以上、EDAとDHAとを合計で0.2質量%含有する実施例1〜3では、良好な血漿総コレステロール濃度低下効果が見られた。乾燥オカラ含有率が5質量%の比較例1は、実施例1〜3と比べて血漿総コレステロール濃度低下効果が劣っていた。
(実施例4、比較例4〜6)
乾燥オカラ(イソフラボンのアグリコン換算含有量60mg/100g、タンパク質含有量25質量%)、EPAおよび/またはDHA、コレステロールをそれぞれ表2に示す濃度で含有するカゼイン・デンプン飼料を、脂質代謝改善用食品組成物、および比較の食品組成物として5週齢のSD系雄ラットに8週間習慣的に摂取させ、血漿HDLコレステロール濃度を1週間ごとに測定した。なお実施例4および比較例4〜6において、飼料の摂取量およびラットの体重変化挙動はほぼ同様であり、上記実施例および比較例においては十分量の飼料が摂取されていることが確認された。
Figure 0004317801
図1は、ラットの血漿総コレステロール値の変化を示す図であり、図2は、ラットの血漿HDL−コレステロール値の変化を示す図である。図2から分かるように、実施例4および比較例4〜6における血漿HDL−コレステロール値は4週間摂取後を除いて大きな差は見られなかった。一方、図1から分かるように、実施例4および比較例4〜6における血漿総コレステロール値には顕著な差が見られた。乾燥オカラ、EPAおよび/またはDHAのいずれも含まない比較例6と比べて、乾燥オカラを含む比較例4、EPAおよび/またはDHAを含む比較例5で血漿総コレステロール値の上昇量が少なく、乾燥オカラ、EPAおよび/またはDHAをともに含む実施例4では、比較例4および比較例5と比べてさらに血漿総コレステロール値の上昇量が少なかった。
以上の結果より、乾燥オカラと、EPAおよび/またはDHAを含有する魚油とを所定の濃度で含有させることにより、優れた脂質代謝改善作用を有する脂質代謝改善用の食品組成物を得ることが可能であることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の食品組成物は、乾燥オカラと、EPAおよび/またはDHAを所定の濃度で含有する魚油とを配合することによって、該乾燥オカラと、EPAおよび/またはDHAとの相乗効果により、顕著な脂質代謝改善作用を有する食品組成物、およびこれを含有する食品の提供が可能となる。また通常廃棄物として処理されるオカラの有効利用に寄与できる。
ラットの血漿総コレステロール値の変化を示す図である。 ラットの血漿HDL−コレステロール値の変化を示す図である。

Claims (4)

  1. 乾燥オカラの10〜50質量%と魚油とを含有する食品組成物であって、前記魚油中のエイコサペンタエン酸および/またはドコサヘキサエン酸の含有量が、前記乾燥オカラの0.5〜5.0質量%の範囲内であり、前記魚油が、前記乾燥オカラに対して1〜10質量%の範囲内で含有され、前記乾燥オカラは、豆腐または豆乳の製造において生成したオカラからなり、
    前記魚油が、前記エイコサペンタエン酸および/または前記ドコサヘキサエン酸を合計で30〜50質量%含有する魚油である、脂質代謝改善用の食品組成物。
  2. デンプンおよび/または小麦粉が配合されてなる、請求項1に記載の食品組成物。
  3. 前記乾燥オカラがイソフラボンとタンパク質とを含有し、前記乾燥オカラ中の前記イソフラボンのアグリコン換算含有量が40〜80mg/100gの範囲内であり、かつ前記乾燥オカラ中の前記タンパク質の含有量が20〜30質量%の範囲内である、請求項1に記載の食品組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の食品組成物を含有してなる食品。
JP2004233289A 2004-08-10 2004-08-10 脂質代謝改善用の食品組成物およびこれを含有する食品 Active JP4317801B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004233289A JP4317801B2 (ja) 2004-08-10 2004-08-10 脂質代謝改善用の食品組成物およびこれを含有する食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004233289A JP4317801B2 (ja) 2004-08-10 2004-08-10 脂質代謝改善用の食品組成物およびこれを含有する食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006050910A JP2006050910A (ja) 2006-02-23
JP4317801B2 true JP4317801B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=36028776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004233289A Active JP4317801B2 (ja) 2004-08-10 2004-08-10 脂質代謝改善用の食品組成物およびこれを含有する食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4317801B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4816730B2 (ja) 2006-10-31 2011-11-16 不二製油株式会社 高度不飽和脂肪酸含有飲食品及びその製造法
CN102170792A (zh) * 2008-07-18 2011-08-31 希尔氏宠物营养品公司 提高老龄动物生活质量的方法
CN117860801B (zh) * 2024-03-07 2024-05-28 南方海洋科学与工程广东省实验室(湛江) 一种具有综合调节血脂作用的鱼油中药复合物及其制备方法和应用

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS602162A (ja) * 1983-06-17 1985-01-08 Sanyuu Shoji Kk 栄養食品の製造法
JPS60160840A (ja) * 1983-12-28 1985-08-22 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 健康食品
JPS6274257A (ja) * 1985-09-25 1987-04-06 Fuji Oil Co Ltd オカラ食品の製造法
JPH04169525A (ja) * 1990-11-01 1992-06-17 Nissei Marine Kogyo Kk 血清脂質改善機能を有する組成物
JPH05336915A (ja) * 1992-03-17 1993-12-21 Mori Chitoshi 油含有おからの製造方法
JP3997043B2 (ja) * 2000-02-18 2007-10-24 日清オイリオグループ株式会社 油脂組成物および油脂加工品
US20040052925A1 (en) * 2000-11-13 2004-03-18 Shuji Nakajima Soybean milks containing epa at high concentration and process for producing the same
JP2002253158A (ja) * 2001-03-02 2002-09-10 Mitsuhisa Suzuki 大豆粉組成物及び牛乳用添加剤
JP5060691B2 (ja) * 2001-07-09 2012-10-31 雪印メグミルク株式会社 栄養組成物
JP2004147532A (ja) * 2002-10-29 2004-05-27 Mukogawa Gakuin 高濃度にイソフラボンを含有する乾燥オカラ、その乾燥オカラを含有する食品原料組成物および食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006050910A (ja) 2006-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009529094A (ja) 非大豆植物原料からの脂肪の分離方法および該方法によって製造した組成物
CN102239977B (zh) 应用包含长链高不饱和脂肪酸和/或其酯的醇香味改良剂的方法
TWI746733B (zh) 不良氣味抑制劑
KR101182027B1 (ko) 유지 조성물 및 상기 유지 조성물을 함유하는 음식물
AU763067B2 (en) Fortification of food products with olive fruit ingredients
JP5264056B2 (ja) 脱臭米糠の製造方法及びそれを配合した食品
JP2000279092A (ja) レシチンを含む食用油およびその利用
WO2019031035A1 (ja) 加熱調理食品の油っぽさ低減剤及び加熱調理食品の油っぽさ低減方法
JP4317801B2 (ja) 脂質代謝改善用の食品組成物およびこれを含有する食品
TW200402268A (en) Viscosity food contains the soybean, tofu-like basic food, and those production methods
JP7143280B2 (ja) 食用油脂組成物の製造方法及び食材の不快な風味のマスキング方法
Álvarez et al. Chemical characteristics and sensory properties of novel snacks produced with okara fortified with omega-3 from fish oil
JP2012135280A (ja) 改良固体大豆蛋白素材及びその製造方法
JP5901136B2 (ja) ルウ用油脂及びそれを用いたルウ
JP6516940B1 (ja) 油脂組成物の製造方法
JP2004059848A (ja) 大豆単細胞が分散されてなる加工大豆と改質不飽和脂肪酸含有油脂との混合物、および同加工大豆と改質不飽和脂肪酸含有油脂とを使用して製造される食品
JP3285843B2 (ja) 風味を向上させた魚肉食品、並びにその製造方法
JP5744089B2 (ja) 脱臭米糠の製造方法及びそれを配合した食品
JP2005270099A (ja) 大豆含有調味料の製造方法
JP2018153145A (ja) 米飯食品
JP5700391B2 (ja) ドレッシングの製造方法
WO2023166684A1 (ja) 植物性たん白用風味改善剤ならびに植物性たん白用物性改善剤およびこれを含有する飲食品
KR20100033718A (ko) 조리빵용 콩고기 제조방법
WO2023238866A1 (ja) 加工油脂
JP2004041155A (ja) パスタ類及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4317801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140529

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250