JP4315859B2 - 超伝導フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号を扱う超伝導フィルタに関する。
数GHz以下の周波数領域の信号を扱う移動通信基地局等には、種々の高周波フィルタが用いられている。移動通信基地局等に用いられる高周波フィルタのうち受信用フィルタとしては、同軸共振器型、誘電体共振器型、超伝導共振器型等が知られている。このような受信用フィルタには、小型化、より高い周波数選択性の実現が要請されている。
回路導体として酸化物高温超伝導体等の超伝導体を用いた超伝導型の受信用フィルタは、高無負荷Qを得ることができ、高い周波数選択性を有する点で有利である。一方、扱う電力の大きい送信用フィルタは、超伝導体型の場合、小型化と耐電力性等の良好な電力特性の実現との両立が容易ではなく、これらの両立が大きな課題となっている。
小型化の点では、平面回路型のフィルタは、誘電体共振器型、同軸共振器型等のフィルタと比較して優れている。さらには、移動通信が比較的有利な数GHz以下の周波数領域において、良質なYBCO等の超伝導体膜を用いて平面回路型のフィルタを構成した場合、金、銀、銅等の常伝導体膜を用いた通常の共振器に比べて桁違いに高い無負荷Qが得ることができ、高い周波数選択性を確保することができる。
平面回路型の超伝導フィルタの小型化に対する試みとしては、これまで次のような方法について検討が進められてきた。例えば、超伝導体膜ライン状パターンを屈曲変形させることにより、共振器パターンを形成する領域の面積を低減する方法が検討されてきた。また、共振器パターン導体を配する基板として高い誘電率を有するものを用い、実効誘電率を増す方法が検討されてきた。
また、平面回路型の超伝導フィルタについて、電力応用として、小型化、電力特性の向上を図る試みとしては、次のような方法について検討が進められてきた。例えば、共振器回路の超伝導導体パターンを円形、多角形などのパッチ形状にして、TMモード等で電流密度集中を緩和する方法が検討されてきた。また、酸化物高温超伝導体膜における粒界、不純物等の制御を試み、より良質な酸化物高温超伝導体膜を開発し、回路導体として用いる方法が検討されてきた。
さらには、平面回路型と基板以外の誘電体との混成構造ではあるが、超伝導体への電流密度の集中を緩和する方法も検討が進められてきた。
なお、非特許文献1〜3には、銅酸化物高温超伝導体膜等の酸化物高温超伝導体膜を用いて、マイクロストリップライン型回路、コプレーナ型回路等の平面型回路を形成し、高周波フィルタ等の受動回路を構成する技術が開示されている。
特開2002− 57506号公報 特開2003−332812号公報 特開2000−269704号公報 特開平11−261307号公報 特開2002−141706号公報 特開2001−267806号公報 特開2000−212000号公報 特開平10−224110号公報 M.Hein, High-Temperature-superconductor Thin films at Microwave Frequencies, Springer,1999 Alan M Portis, Electrodynamics of High-Temperature Superconductors, World Scientific, 1992 Zhi-Yuan She, High-Temperature Superconducting Microwave Circuits, Artech House, 1994
酸化物超伝導体を用いた超伝導フィルタのうち、受信用高周波フィルタでは、極力小型化することが重要な課題となっている。また、大きな電力を扱う送信用高周波フィルタでは、小型化することに加え、極力電力特性の向上を図ることが重要な課題となっている。
本発明の目的は、電力特性の向上を再現性よく実現し、ないしは容易に小型化しうる超伝導フィルタを提供することにある。
本発明の一観点によれば、誘電体基板と、前記誘電体基板の一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、高周波信号を入力する第1の入出力フィーダ線路と、前記誘電体基板の前記一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、前記第1の入出力フィーダ線路から入力される高周波信号をフィルタリングする共振素子パターンと、前記誘電体基板の前記一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、前記共振素子パターンによりフィルタリングされた高周波信号が出力される第2の入出力フィーダ線路と、前記誘電体基板の前記一の面上に、間隙の幅を所望の値に調整可能な複数のスペーサを介して載置された誘電体とを有し、前記誘電体は、前記共振素子パターンを含む領域と、前記第1の入出力フィーダ線路のうち前記共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分と、前記第2の入出力フィーダ線路のうち前記共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分とを覆っており、前記間隙の幅を所望の値に調整可能な複数のスペーサは、前記誘電体基板の前記一の面上に載置された前記誘電体を固定する塑性変形が可能な第1のスペーサと、前記誘電体基板と前記誘電体との間の間隙の幅を規定する第2のスペーサであり、前記第1のスペーサが有する粘着性により、前記誘電体基板の前記一の面上に前記誘電体が固定されていることを特徴とする超伝導フィルタが提供される。
以上の通り、本発明によれば、誘電体基板と、誘電体基板の一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、高周波信号を入力する第1の入出力フィーダ線路と、誘電体基板の一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、第1の入出力フィーダ線路から入力される高周波信号をフィルタリングする共振素子パターンと、誘電体基板の一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、共振素子パターンによりフィルタリングされた高周波信号が出力される第2の入出力フィーダ線路と、誘電体基板の一の面上に複数のスペーサを介して載置された誘電体とを有する超伝導フィルタにおいて、誘電体が、共振素子パターンを含む領域と、第1の入出力フィーダ線路のうち共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分と、第2の入出力フィーダ線路のうち共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分とを覆っているので、超伝導フィルタの小型化を図ることができる。また、高周波信号の反射を抑制することができ、回路パターン間のインピーダンス整合を容易に取ることができる。したがって、超伝導フィルタに入出力される高周波信号の無効電力を低減することができ、電力特性を向上することができる。
また、本発明によれば、誘電体基板の一の面上に載置された誘電体を固定する塑性変形が可能な第1のスペーサと、誘電体基板と誘電体との間の間隙の幅を規定する第2のスペーサを介して誘電体基板の一の面上に誘電体が載置されているので、高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による超伝導フィルタについて図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態による超伝導フィルタの構造を示す斜視図、図2は本実施形態による超伝導フィルタにおけるスペーサ付近の構造を示す拡大断面図である。
本実施形態による超伝導フィルタは、マイクロストリップライン伝送線路構造を有する平面回路型のバンドパスフィルタであり、動作温度が例えば100K以下のものである。
図1に示すように、酸化マグネシウム(100)単結晶よりなる誘電体基板10の下面には、例えばエピタキシャル成長法により堆積されたYBaCu7−δ(YBCO)超伝導体膜よりなるグランドプレーン12が形成されている。
誘電体基板10の上面には、一方に高周波信号が入力され、他方からフィルタリングされた高周波信号が出力される入出力フィーダ線路14a、14bが形成されている。また、誘電体基板10の上面には、入出力フィーダ線路14a、14bの一方から入力された高周波信号をフィルタリングして入出力フィーダ線路14a、14bの他方に出力する矩形状の1/2波長型の共振素子パターン16a〜16eが形成されている。入出力フィーダ線路14a、14b及び共振素子パターン16a〜16eは、例えばエピタキシャル成長法により堆積された例えば膜厚0.4〜1μmのYBCO超伝導体膜により構成されている。
入出力フィーダ線路14a、14bは、所定の方向に沿って、誘電体基板10上面の対向する端辺近傍にそれぞれ形成されている。入出力フィーダ線路14a、14bの誘電体基板10周縁部側の端部には、それぞれ銀膜よりなる電極18a、18bが形成されている。
超伝導フィルタにおける伝送線路での高周波信号の実効的な波長である実効波長の1/2(1/2実効波長)の長さを有する共振素子パターン16a〜16eは、入出力フィーダ線路14a、14bの方向に沿って、超伝導フィルタにおける伝送線路での高周波信号の実効的な波長である実効波長の1/4(1/4実効波長)の長さずつずれながら階段状に配列されている。共振素子パターン16a〜16eのうち配列両端の共振素子パターン16a、16eは、1/4実効波長の長さの部分がそれぞれ入出力フィーダ線路14a、14bに対向している。
こうして、誘電体基板10に、YBCO超伝導体を回路導体として用いたマイクロストリップ伝送線路構造を有する共振回路が形成されている。
入出力フィーダ線路14a、14b及び共振素子パターン16a〜16eが形成された誘電体基板10の上面上には、ポリイミドよりなるスペーサ20及びインジウムバンプよりなるスペーサ22を介して、酸化マグネシウムよりなる誘電体板24が載置されている。ポリイミドよりなるスペーサ20は、誘電体板24の4つの角部近傍の位置に設けられている。インジウムバンプよりなるスペーサ22は、誘電体板24の4つの角部近傍の位置及び誘電体板24の対向する一対の端辺の中点付近の位置に設けられている。
スペーサ22を構成するインジウムバンプは、室温のみならず例えば100K以下の低温においても容易に塑性変形しうるとともに粘着性を有している。このようなインジウムバンプよりなるスペーサ22により、誘電体板24は、誘電体基板10の上面に固定されている。
誘電体基板10と誘電体板24との間には、図2に示すように、ポリイミドよりなるスペーサ20及びインジウムバンプよりなるスペーサ22により、例えば幅0.5〜4μmの間隙23が設けられている。間隙23の幅は、ポリイミドよりなるスペーサ20の厚さにより規定されている。
スペーサ20、22を介して誘電体基板10上に載置された誘電体板24は、図1に示すように、共振素子パターン16a〜16eを含む領域を覆っている。さらに、誘電体板24は、入出力フィーダ線路14aに沿って、入出力フィーダ線路14aのうち共振素子パターン16a側から1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分を覆っている。同様に、誘電体板24は、入出力フィーダ線路14bに沿って、入出力フィーダ線路14bのうち共振素子パターン16e側から1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分を覆っている。
本実施形態による超伝導フィルタは、YBCO超伝導体膜よりなる平面回路型の共振回路が形成された誘電体基板10の上面上に、スペーサ20、22を介して誘電体板24が載置されており、誘電体板24により、共振素子パターン16a〜16eを含む領域と、入出力フィーダ線路14a、14bのうち共振素子パターン16a、16e側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分とが覆われていることに特徴がある。
誘電体板24により共振素子パターン16a〜16eを含む領域が覆われているため、誘電体板24により覆われていない場合と比較して、共振素子パターン16a〜16eの周囲の実効誘電率が大きくなっている。したがって、共振器パターン16a〜16eのサイズを小さくすることができ、超伝導フィルタの小型化を図ることができる。例えば、誘電体基板24を載置しない場合と比較して共振回路が形成される領域の面積を例えば約2割削減することができる。
また、誘電体板24により入出力フィーダ線路14a、14bのうち共振素子パターン16a、16e側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分が覆われているため、高周波信号の反射を抑制することができ、回路パターン間のインピーダンス整合を容易に取ることができる。したがって、超伝導フィルタに入出力される高周波信号の無効電力を低減することができ、電力特性を向上することができる。
入出力フィーダ線路14a、14bのうち誘電体板24により覆われる部分の長さを規定する実効波長は、誘電体基板10の厚さ、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23の幅、誘電体板24の厚さ、誘電体基板10の比誘電率、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23(空気)の比誘電率、及び誘電体板24の比誘電率により決定される。
ここで、通過中心周波数が4GHzのバンドパスフィルタを本実施形態による超伝導フィルタにより構成する場合について、誘電体板24により入出力フィーダ線路14a、14bが覆われる部分の長さである1/4実効波長は、次のように見積もることができる。数十Kの動作温度において、誘電体基板10及び誘電体板24を構成する酸化マグネシウムの比誘電率は約9.7である。したがって、4GHzの周波数では、誘電体基板10と誘電体板24とに挟まれた空間では、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23の幅を0.5〜4μmとした場合、この間隙23の幅に依存して、1/2実効波長は、約1.1〜1.2cmとなる。したがって、この場合、入出力フィーダ線路14a、14bのうち誘電体板24により覆われている部分の長さは、1/4実効波長である約0.55〜0.6cmとする。一方、誘電体基板10と誘電体板24とに挟まれていない空間では、1/2実効波長は、約1.5cmとなる。
なお、入出力フィーダ線路14a、14bのうち誘電体板24により覆われている部分の長さは、必ずしも正確に1/4実効波長の正の整数倍である必要はなく、例えば、1/4実効波長の正の整数倍の±20%以内であればよい。
また、本実施形態による超伝導フィルタは、室温のみならず例えば100K以下の低温においても容易に塑性変形しうるインジウムバンプよりなるスペーサ22を介して誘電体板24が誘電体基板10上面に固定されていることにも特徴がある。
これにより、室温から動作温度への冷却等に起因する温度変化による応力や機械的な応力が超伝導フィルタに加わった場合に、インジウムバンプよりなるスペーサ22が塑性変形して応力が緩和される。
さらに、塑性変形することにより応力を緩和するインジウムバンプよりなるスペーサ22とともに、ポリイミドよりなるスペーサ20を介して誘電体基板10上面上に誘電体板24が載置されている。このため、温度変化による応力や機械的な応力が超伝導フィルタに加わった場合に、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23の幅をほぼ一定に維持することができる。また、ポリイミドよりなるスペーサ20の厚さを適宜設定することにより、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23の幅を所望の値に容易に調整することができる。
このように、本実施形態による超伝導フィルタでは、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23の幅を規定するスペーサ20と、誘電体基板10の上面上に載置された誘電体板10を固定する塑性変形が可能なスペーサ22との2種類のスペーサを介して誘電体基板10の上面上に誘電体板24が載置されている。このため、誘電体基板10と誘電体板24との相互間のずれや、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23の幅の変化を抑制することができる。例えば、誘電体基板10と誘電体板24との間の間隙23の幅を2μmに設定した場合、間隙23の幅の変化を0.02μm以下に抑制することができる。したがって、高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。例えば、入出力フィーダ線路14a、14b、共振素子パターン16a〜16eの端部における電流密度の集中を緩和する効果を安定して得ることができる。また、入出力フィーダ線路14aと共振素子パターン16aとの間、及び入出力フィーダ線路14bと共振素子パターン16eとの間の電磁界結合を強化し、入出力フィーダ線路14a、14bと外部回路との電磁界結合を強化する効果も安定して得ることができる。
誘電体基板10と誘電体板24との間に配置されるスペーサ20、22は、以下のように形成される。
ポリイミドよりなるスペーサ20は、誘電体基板10の上面上に誘電体板24を載置するに先立って、フォトリソグラフィー、電子線を用いたリソグラフィー等により、誘電体基板10上面又は誘電体板24の誘電体基板10に対向する面の所定の位置に形成される。ポリイミドよりなるスペーサ20の厚さは、入出力フィーダ線路14a、14b及び共振素子パターン16a〜16bを構成するYBCO超伝導体膜の膜厚と同等又はそれ以上とし、具体的には、例えば0.5〜10μmとする。
インジウムバンプよりなるスペーサ22は、誘電体基板10の上面上に誘電体板24を載置するに先立って、マスクを用いた蒸着法により、誘電体基板10上面又は誘電体板24の誘電体基板10に対向する面の所定の位置に形成される。或いは、誘電体基板10上面又は誘電体板24の誘電体基板10に対向する面の所定の位置にインジウムボールを加熱融着することにより形成される。インジウムバンプよりなるスペーサ22の厚さは、ポリイミドよりなるスペーサ20の厚さよりも厚くしておく。
なお、ポリイミドよりなるスペーサ20及びインジウムバンプよりなるスペーサ22を予め形成しておくのは、誘電体基板10及び誘電体板24のいずれでもよい。但し、これらスペーサ20、22を誘電体基板10に形成する場合には、スペーサ20、22を形成するためのプロセスにより誘電体基板10の上面に形成された共振回路がダメージを受けてしまう虞がある。このため、スペーサ20、22は、誘電体板24に予め形成しておくことが望ましい。
こうしてスペーサ20、22が所定の位置に形成された状態で、誘電体基板10の上面上に誘電体板24を載置することにより、誘電体基板10と誘電体板24との間に所定の幅の間隙23が設けられる。このとき、ポリイミドよりなるスペーサ20の厚さよりも厚く形成されたインジウムバンプよりなるスペーサ22は、ポリイミドよりなるスペーサ20の厚さと同程度の厚さになるまで塑性変形する。このインジウムバンプよりなるスペーサ22の粘着性により、誘電体基板10の上面に、誘電体板24が固定される。
なお、誘電体基板10の上面でのスペーサ22の寸法が大きすぎると、共振回路と干渉してしまう場合がある。このため、誘電体基板10上面でのスペーサ22の最大寸法は、1mm以下であることが望ましい。
また、スペーサ20、22を配置する位置、配置するスペーサ20、22の数は、誘電体板24の大きさ等に応じて、適宜設計変更することができる。
このように、本実施形態によれば、誘電体基板10上にポリイミドよりなるスペーサ20及びインジウムバンプよりなるスペーサ22を介して載置された誘電体板24により、共振素子パターン16a〜16eを含む領域と、入出力フィーダ線路14a、14bのうち共振素子パターン16a、16e側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分とが覆われているので、超伝導フィルタの小型化を実現することができるとともに、高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による超伝導フィルタについて図3を用いて説明する。図3は本実施形態による超伝導フィルタにおけるスペーサ付近の構造を示す拡大断面図である。なお、第1実施形態による超伝導フィルタと同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し或いは簡略にする。
本実施形態による超伝導フィルタの基本的構造は、第1実施形態による超伝導フィルタとほぼ同様である。本実施形態による超伝導フィルタは、誘電体基板10上面及び誘電体板24の誘電体基板10に対向する面のそれぞれに形成された金属パッドにより、インジウムバンプよりなるスペーサ22が挟まれている点で、第1実施形態による超伝導フィルタと異なっている。
図3に示すように、互いに対向する誘電体基板10上面及び誘電体板24下面のそれぞれにおいて、インジウムバンプよりなるスペーサ22が配置される位置に金属パッド26a、26bが形成されている。金属パッド26a、26b間には、インジウムバンプよりなるスペーサ22が挟まれている。
金属パッド26a、26bは、例えば、下地金属層28と、下地金属層28上に形成され、インジウムバンプよりなるスペーサ22が接する金属層30との積層構造を有している。この場合、下地金属層28の材料としては、例えばニッケル、チタン等を用いることができる。また、スペーサ22が接する金属層30の材料としては、例えば金、銀、銅等を用いることができる。なお、電極18a、18bを構成する金属膜と同じ金属膜を用いて金属パッド26a、26bを構成してもよい。
このように、本実施形態による超伝導フィルタは、互いに対向する誘電体基板10上面及び誘電体板24下面のそれぞれに形成された金属パッド26a、26bによりインジウムバンプよりなるスペーサ22が挟まれていることに特徴がある。互いに対向する誘電体基板10上面及び誘電体板24下面のそれぞれにおいて、インジウムバンプよりなるスペーサ22が配置される位置に金属パッド26a、26bが形成されているため、誘電体基板10上に誘電体板24を高い位置精度で載置することができる。また、本実施形態による超伝導フィルタでは、金属であるインジウムバンプよりなるスペーサ22が金属面に接触しているため、インジウムバンプよりなるスペーサ22が誘電体基板10及び誘電体板24に直接接触する場合と比較して、より確実に誘電体基板10と誘電体板24との間を固定することができる。これにより、更に高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。
本実施形態による超伝導フィルタでは、互いに対向する誘電体基板10上面及び誘電体板24下面のそれぞれにおいて所定の位置に金属パッド26a、26bを形成した後、誘電体板24を誘電体基板10の上面上に載置するに先立ち、金属パッド26a、26bのいずれかに、インジウムバンプよりなるスペーサ22を加熱融着しておく。なお、ポリイミドよりなるスペーサ20は、第1実施形態による超伝導フィルタの場合と同様にして形成しておく。この状態で、誘電体基板10上面の金属パッド26aの位置と誘電体板24下面の金属パッド26bの位置とを合わせて、誘電体基板10の上面上に誘電体板24を載置する。
なお、本実施形態では、互いに対向する誘電体基板10上面及び誘電体板24下面のそれぞれに金属パッド26a、26bを形成したが、必ずしも金属パッド26a、26bの両方を形成する必要はなく、誘電体基板10上面及び誘電体板24下面のいずれかに金属パッドを形成してもよい。この場合、誘電体板24を誘電体基板10の上面上に載置するに先立ち、誘電体基板10上面及び誘電体板24下面のいずれかに形成された金属パッドにインジウムバンプよりなるスペーサ22を加熱融着しておく。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による超伝導フィルタについて図4及び図5を用いて説明する。図4は本実施形態による超伝導フィルタの構造を示す斜視図、図5は本実施形態による超伝導フィルタにおけるスペーサ付近の構造を示す拡大断面図である。
本実施形態による超伝導フィルタは、コプレーナ伝送線路構造を有する平面回路型のバンドパスフィルタであり、動作温度が例えば100K以下のものである。
図4に示すように、酸化マグネシウムよりなる誘電体基板40の上面には、一対のグランドプレーン42a、42bが所定の間隔を空けて形成されている。グランドプレーン42a、42bは、例えばエピタキシャル成長法により堆積されたDyBaCu7−δ(DyBCO)超伝導体膜により構成されている。
誘電体基板40の上面のグランドプレーン42a、42b間の領域には、一方に高周波信号が入力され、他方からフィルタリングされた高周波信号が出力される入出力フィーダ線路44a、44bが形成されている。また、誘電体基板40の上面のグランドプレーン42a、42b間の領域には、入出力フィーダ線路44a、44bの一方から入力された高周波信号をフィルタリングして入出力フィーダ線路44a、44bの他方に出力する矩形状の1/2波長型の共振素子パターン46a〜46eが形成されている。入出力フィーダ線路44a、44b及び共振素子パターン46a〜46eは、例えばエピタキシャル成長法により堆積された例えば膜厚0.4〜1μmのDyBCO超伝導体膜により構成されている。
入出力フィーダ線路44a、44bは、所定の方向に沿って、誘電体基板40上面の対向する端辺近傍にそれぞれ形成されている。入出力フィーダ線路44a、44bの誘電体基板40周縁部側の端部には、それぞれニッケル膜よりなる電極48a、48bが形成されている。
共振素子パターン46a〜46eは、誘電体基板10上面の入出力フィーダ線路44a、44bに挟まれた領域に形成されている。共振素子パターン46a〜46eは、入出力フィーダ線路44a、44bと同様の方向に沿って、等間隔に配置されている。
こうして、誘電体基板40に、DyBCO超伝導体を回路導体として用いたコプレーナ伝送線路構造を有する共振回路が形成されている。
グランドプレーン42a、42b、入出力フィーダ線路44a、44b及び共振素子パターン46a〜46eが形成された誘電体基板40の上面上には、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50及びインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52を介して、ルチル型酸化チタンよりなる誘電体板54が載置されている。スペーサ52を構成するインジウム−銀合金バンプの銀の含有率は、例えば1wt%である。環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50は、誘電体板54の4つの角部近傍の位置に設けられている。インジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52は、誘電体板54の対向する一対の端辺近傍の位置にほぼ等間隔に設けられている。
スペーサ52を構成するインジウム−銀合金バンプは、インジウムバンプと同様に、室温のみならず例えば100K以下の低温においても容易に塑性変形しうるとともに粘着性を有している。このようなインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52により、誘電体板54は、誘電体基板40の上面に固定されている。
誘電体基板40と誘電体板54との間には、図5に示すように、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50及びインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52により、例えば幅0.7〜10μmの間隙53が設けられている。間隙53の幅は、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ20の厚さにより規定されている。
誘電体板54は、図4に示すように、共振素子パターン46a〜46eを含む領域を覆っている。さらに、誘電体板54は、入出力フィーダ線路44aに沿って、入出力フィーダ線路44aのうち共振素子パターン46a側から1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分を覆っている。同様に、誘電体板54は、入出力フィーダ線路44bに沿って、入出力フィーダ線路44bのうち共振素子パターン46e側から1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分を覆っている。
本実施形態による超伝導フィルタは、DyBCO超伝導体膜よりなる平面回路型の共振回路が形成された誘電体基板40の上面上に、スペーサ50、52を介して誘電体板54が載置されており、誘電体板54により、共振素子パターン46a〜46eを含む領域と、入出力フィーダ線路44a、44bのうち共振素子パターン46a、46e側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分とが覆われていることに特徴がある。
誘電体板54により共振素子パターン46a〜46eを含む領域が覆われているため、誘電体板54により覆われていない場合と比較して、共振素子パターン46a〜46eの周囲の実効誘電率が大きくなっている。したがって、共振器パターン46a〜46eのサイズを小さくすることができ、超伝導フィルタの小型化を図ることができる。例えば、誘電体基板54を載置しない場合と比較して共振回路が形成される領域の面積を例えば約6割削減することができる。
また、誘電体板54により入出力フィーダ線路44a、44bのうち共振素子パターン46a、46e側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分が覆われているため、高周波信号の反射を抑制することができ、回路パターン間のインピーダンス整合を容易に取ることができる。したがって、超伝導フィルタに入出力される高周波信号の無効電力を低減することができ、電力特性を向上することができる。
入出力フィーダ線路44a、44bのうち誘電体板54により覆われる部分の長さを規定する実効波長は、誘電体基板40の厚さ、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53の幅、誘電体板54の厚さ、誘電体基板40の比誘電率、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53(空気)の比誘電率、及び誘電体板54の比誘電率により決定される。
ここで、通過中心周波数が4GHzのバンドパスフィルタを本実施形態による超伝導フィルタにより構成する場合について、誘電体板54により入出力フィーダ線路44a、44bが覆われる部分の長さである1/4実効波長は、次のように見積もることができる。なお、誘電体基板40の厚さを1.0mm、誘電体板54の厚さを1.0mm、グランドプレーン42aとグランドプレーン42bとの間隔の幅を0.4mmとする。数十Kの動作温度において、誘電体基板40を構成する酸化マグネシウムの比誘電率は約9.7あり、誘電体板54を構成するルチル型酸化チタンの比誘電率は約100である。したがって、4GHzの周波数では、誘電体基板40と誘電体板54とに挟まれた空間では、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53の幅を0.7〜10μmとした場合、この間隙53の幅に依存して、1/2実効波長は、約0.4〜0.6cmとなる。したがって、この場合、入出力フィーダ線路44a、44bのうち誘電体板54により覆われている部分の長さは、1/4実効波長である約0.2〜0.3cmとする。一方、誘電体基板40と誘電体板54とに挟まれていない空間では、1/2実効波長は、約1.6cmとなる。
なお、入出力フィーダ線路44a、44bのうち誘電体板54により覆われている部分の長さは、必ずしも正確に1/4実効波長の正の整数倍である必要はなく、1/4実効波長の正の整数倍の±20%以内であればよい。
また、本実施形態による超伝導フィルタは、室温のみならず例えば100K以下の低温においても容易に塑性変形しうるインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52を介して誘電体板54が誘電体基板40上面に固定されていることにも特徴がある。
これにより、室温から動作温度への冷却等に起因する温度変化による応力や機械的な応力が超伝導フィルタに加わった場合に、インジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52が塑性変形して応力が緩和される。
さらに、塑性変形しうることにより応力を緩和するインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52とともに、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50を介して誘電体基板40の上面上に誘電体板54が載置されている。このため、温度変化による応力や機械的な応力が超伝導フィルタに加わった場合に、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53の幅をほぼ一定に維持することができる。また、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50の厚さを適宜設定することにより、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53の幅を所望の値に容易に調整することができる。
このように、本実施形態による超伝導フィルタでは、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53の幅を規定するスペーサ50と、誘電体基板40の上面上に載置された誘電体板54を固定する塑性変形が可能なスペーサ52との2種類のスペーサを介して誘電体基板40の上面上に誘電体板54が載置されている。このため、誘電体基板40と誘電体板54との相互間のずれや、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53の幅の変化を抑制することができる。例えば、誘電体基板40と誘電体板54との間の間隙53の幅を2μmに設定した場合、間隙53の幅の変化を0.02μm以下に抑制することができる。したがって、高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。例えば、入出力フィーダ線路44a、44b、共振素子パターン46a〜46eの端部における電流密度の集中を緩和する効果を安定して得ることができる。また、入出力フィーダ線路44aと共振素子パターン46aとの間、及び入出力フィーダ線路44bと共振素子パターン46eとの間の電磁界結合を強化し、入出力フィーダ線路44a、44bと外部回路との電磁界結合を強化する効果も安定して得ることができる。
誘電体基板40と誘電体板54との間に設けられるスペーサ50、52は、第1実施形態による超伝導フィルタにおけるスペーサ20、22と同様に、以下のように形成される。
環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50は、誘電体基板40の上面上に誘電体板24を載置するに先立って、フォトリソグラフィー、電子線を用いたリソグラフィー等により、誘電体基板10上面又は誘電体板24の誘電体基板40に対向する面の所定の位置に形成される。環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50の厚さは、グランドプレーン42a、42b、入出力フィーダ線路44a、44b及び共振素子パターン46a〜46bを構成するDyBCO超伝導体膜の膜厚と同等又はそれ以上とし、具体的には、例えば0.5〜10μmとする。
インジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ22は、誘電体基板40の上面上に誘電体板54を載置するに先立って、マスクを用いた蒸着法により、誘電体基板40上面又は誘電体板54の誘電体基板40に対向する面の所定の位置に形成される。或いは、誘電体基板40上面又は誘電体板54の誘電体基板40に対向する面の所定の位置にインジウム−銀合金ボールを加熱融着することにより形成される。インジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52の厚さは、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50の厚さよりも厚くしておく。
なお、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50及びインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52を予め形成しておくのは、誘電体基板40及び誘電体板54のいずれでもよい。但し、これらスペーサ50、52を誘電体基板40に形成する場合には、スペーサ50、52を形成するためのプロセスにより誘電体基板40の上面に形成された共振回路がダメージを受けてしまう虞がある。このため、スペーサ50、52は、誘電体板54に予め形成しておくことが望ましい。
こうしてスペーサ50、52が所定の位置に形成された状態で、誘電体基板40の上面上に誘電体板54を載置することにより、誘電体基板40と誘電体板54との間に所定の幅の間隙53が設けられる。このとき、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50の厚さよりも厚く形成されたインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52は、環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ50の厚さと同程度の厚さになるまで塑性変形する。このインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52の粘着性により、誘電体基板40の上面に、誘電体板54が固定される。
なお、誘電体基板40の上面でのスペーサ52の寸法が大きすぎると、共振回路と干渉してしまう場合がある。このため、誘電体基板40上面でのスペーサ52の最大寸法は、1mm以下であることが望ましい。
また、スペーサ50、52を配置する位置、配置するスペーサ50、52の数は、誘電体板24の大きさ等に応じて、適宜設計変更することができる。
このように、本実施形態によれば、誘電体基板40上に環化ゴム系樹脂よりなるスペーサ40及びインジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ42を介して載置された誘電体板54により、共振素子パターン46a〜46eを含む領域と、入出力フィーダ線路44a、44bのうち共振素子パターン46a、46e側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分とが覆われているので、超伝導フィルタの小型化を実現することができるとともに、高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。
なお、本実施形態による超伝導フィルタについても、第2実施形態による超伝導フィルタの場合と同様にして、誘電体基板40上面、誘電体板24下面において、インジウム−銀合金バンプよりなるスペーサ52が配置される位置に金属パッドを形成してもよい。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による超伝導フィルタについて図6乃至8を用いて説明する。図6は本実施形態による超伝導フィルタの構造を示す平面図、図7は本実施形態による超伝導フィルタの特性を示すグラフ、図8はスペーサを介さずに誘電体板が誘電体基板上に直接載置された超伝導フィルタの特性を示すグラフである。
本実施形態による超伝導フィルタは、ディスクパターンを共振素子パターンとして用い、通過域の共振点を4個有するバンドパスフィルタである。通過域の中心周波数は、例えば約4GHzである。また、帯域は、例えば約0.1GHzである。
図6に示すように、酸化マグネシウム(100)単結晶よりなる誘電体基板56の上面には、円形のディスクパターンよりなる共振素子パターン60a、60bが形成されている。共振素子パターン60bの周縁部には、切り欠き凹状パターン61が形成されている。共振素子パターン60aの近傍には、高周波信号が入力される入力フィーダ線路58a、及びフィルタリングされた高周波信号が出力される出力フィーダ線路58bが形成されている。誘電体基板56の下面には、グランドプレーン(図示せず)が形成されている。こうして、マイクロストリップ型の伝送線路構造が誘電体基板56に形成されている。入力フィーダ線路58a、出力フィーダ線路58b、共振素子パターン60a、60b、及びグランドプレーンは、例えばエピタキシャル成長法により堆積されたYBCO超伝導体膜により構成されている。また、誘電体基板56の厚さは、例えば0.5mmである。入力フィーダ線路58aの幅は、例えば0.5mmである。共振素子パターン60a、60bの直径は、例えば12.8mmである。
入力フィーダ線路58a、出力フィーダ線路58b、及び共振素子パターン60a、60bが形成された誘電体基板56の上面上には、ランタンアルミネート(LaAlO)よりなる誘電体板62が、第1乃至第3実施形態による超伝導フィルタと同様に2種類のスペーサ(図示せず)を介して載置されている。誘電体板62の厚さは、例えば0.5mmである。
誘電体板62は、第1乃至第3実施形態による超伝導フィルタと同様に、入力フィーダ線路58aに沿って、入力フィーダ線路58aのうち共振素子パターン60a側から1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分を覆っている。同様に、誘電体板62は、出力フィーダ線路58bに沿って、出力フィーダ線路58bのうち共振素子パターン60a側から1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分を覆っている。
本実施形態による超伝導フィルタは、平面回路型の共振回路が形成された誘電体基板56の上面上に、2種類のスペーサを介して誘電体板62が載置されており、誘電体板62により、共振素子パターン60a、60bを含む領域と、入力フィーダ線路58a及び出力フィーダ線路58bのうち共振素子パターン60a側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分とが覆われていることに特徴がある。これにより、第1乃至第3実施形態による超伝導フィルタと同様に、高周波信号の反射を抑制することができ、回路パターン間のインピーダンス整合を容易に取ることができる。したがって、超伝導フィルタに入出力される高周波信号の無効電力を低減することができ、電力特性を向上することができる。
なお、入力フィーダ線路58a及び出力フィーダ線路58bのうち誘電体板62により覆われている部分の長さは、必ずしも正確に1/4実効波長の正の整数倍である必要はなく、1/4実効波長の正の整数倍の±20%以内であればよい。
また、本実施形態による超伝導フィルタは、誘電体基板56の上面上に、第1乃至第3実施形態による超伝導フィルタと同様に、誘電体基板56と誘電体板62との間の間隙の幅を規定するスペーサと、誘電体基板56の上面上に載置された誘電体板62を固定する塑性変形可能なスペーサとの2種類のスペーサを介して誘電体板62が載置されていることに特徴がある。これにより、第1乃至第3実施形態による超伝導フィルタと同様に、誘電体基板56と誘電体板62との相互間のずれや、誘電体基板56と誘電体板62との間の間隙の幅の変化を抑制することができる。したがって、高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。
本実施形態による超伝導フィルタにおいて、入力フィーダ線路58aに入力された高周波信号は、共振素子パターン60aで共振を起こす。高周波信号のエネルギーの一部は、共振素子パターン60bに伝達されて同様に共振を起こす。この共振状態は、共振素子パターン60aにより共振している信号と重畳され、出力フィーダ線路58bから取り出すことができる。ここで、共振素子パターン60bにおける切り欠き凹状パターン61により2重共振モードを発生させることができ、例えば、図6に示す切り欠き凹状パターン61の幅a及び深さbの寸法を適宜設定することにより2重共振点の周波数間隔を変更することができる。また、図6に示す入力フィーダ線路58aが誘電体板62により覆われた部分の長さLaを通過域周波数に対応した実効波長の1/4付近の長さに設定することにより、誘電体板62を積層したことによる高周波信号の反射を抑制することができる。出力フィーダ線路58bが誘電体板62により覆われた部分の長さについても同様に設定することにより、誘電体板62を積層したことによる高周波信号の反射を抑制することができる。こうして、誘電体板62を載置することにより、超伝導体膜よりなるパターンの端部等において発生しやすい電界集中を緩和することができ、大電力動作にも有利な超伝導フィルタを実現することができる。
図7は、本実施形態による超伝導フィルタの特性を示すグラフである。一方、図8はスペーサを介さずに誘電体板が誘電体基板上に直接載置された超伝導フィルタの特性を示すグラフである。両グラフでは、伝送特性(S21)及び反射特性(S11)を示している。なお、図7は、本実施形態による超伝導フィルタにおいて誘電体基板56と誘電体板62との間の間隙を4μmに設定した場合に得られた特性を示している。図8に示す特性が得られた超伝導フィルタは、2種類のスペーサを介さずに誘電体板が誘電体基板上に直接載置されている点を除いては、本実施形態による超伝導フィルタと同様の構造を有している。
図8に示すように、スペーサを介さずに誘電体板が誘電体基板上に直接載置されている場合には、通過中心周波数付近において、入力された高周波信号のほぼすべてが反射されてしまい、フィルタとして機能していないことが分かる。これに対し、図7に示すように、本実施形態による超伝導フィルタは、スペーサを介さずに誘電体板を載置した場合と比較して、優れたフィルタ特性を有していることが分かる。
このように、本実施形態によれば、第1乃至第3実施形態による超伝導フィルタと同様に2種類のスペーサを介して誘電体基板56上に載置された誘電体板54により、共振素子パターン60a、60bを含む領域と、入力フィーダ線路58a及び出力フィーダ線路58bのうち共振素子パターン60a側の1/4実効波長の正の整数倍の長さの部分とが覆われているので、超伝導フィルタの小型化を実現することができるとともに、高い再現性で電力特性の向上を実現することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態による超伝導フィルタは、電気導体パッケージ内に収容してもよい。これにより、外来電磁による高周波信号への干渉を遮蔽することができる。
また、上記実施形態では、誘電体基板に形成された共振回路の回路導体材料として、YBCO超伝導体、DyBCO超伝導体を用いる場合について説明したが、回路導体材料は、これらに限定されるものではなく、種々の超伝導体材料を用いることができる。共振回路の回路導体材料としては、例えば、Bin1Srn2Can3Cun4n5(但し、1.8≦n1≦2.2、1.8≦n2≦2.2、0.9≦n3≦1.2、1.8≦n4≦2.2、7.8≦n5≦8.4)で示されるBSCCO系、Pbk1Bik2Srk3Cak4Cuk5k6(但し、1.8≦k1+k2≦2.2、0≦k1≦0.6、1.8≦k3≦2.2、1.8≦k4≦2.2、1.8≦k5≦2.2、9.5≦k6≦10.8)で示されるPBSCCO系、RBaCu7−δ(但し、Rは、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Eu、Sm、Ndのいずれかであり、0.5≦p≦1.2、1.8≦q≦2.2、2.5≦r≦3.5、0≦δ≦0.4)で示されるRBCO系等の酸化物高温超伝導体を用いることができる。RBCO系酸化物高温超伝導体において、R=Y、p=1、q=2、r=3の場合は第1及び第2実施形態による超伝導フィルタの回路導体材料に相当し、R=Dy、p=1、q=2、r=3の場合は第3実施形態による超伝導フィルタの回路導体材料に相当する。なお、RBCO系酸化物高温超伝導体については、δの値が0.1以下と小さくなっている組成の方が高い臨界温度Tcを有する。したがって、δの値は、0.1以下であることが望ましい。また、共振回路の回路導体材料として、例えば、MgB、Nb、Nb−Ti合金(Tiの含有率が例えば50at%程度)等の超伝導体材料を用いることができる。
また、上記実施形態では、誘電体基板材料、誘電体板材料として、酸化マグネシウム、ルチル型酸化チタンを用いる場合について説明したが、誘電体基板材料、誘電体板材料は、これらに限定されるものではない。誘電体基板材料、誘電体板材料としては、例えば、酸化マグネシウム、ルチル型酸化チタンのほか、アルミナ、サファイア、ランタンアルミネート等の誘電体材料を用いることができる。
また、上記実施形態では、スペーサ20、50の材料として、ポリイミド、環化ゴム系樹脂を用いる場合に付いて説明したが、スペーサ20、50の材料は、これらに限定されるものではない。スペーサ20、50の材料としては、ポリイミド、環化ゴム系樹脂のほか、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ノボラック樹脂等の樹脂を用いることができる。
また、上記実施形態では、スペーサ22、52の材料として、インジウム、インジウム−銀合金を用いる場合について説明したが、スペーサ22、52の材料は、これらに限定されるものではない。スペーサ22、52の材料としては、インジウム、インジウム−銀合金のほか、インジウム−錫合金、インジウム−亜鉛合金、インジウム−ビスマス合金等の合金を用いることができる。なお、インジウムと合金を構成する金属の合金中の割合は、例えば10at%(原子百分率)以下とする。
また、上記実施形態では、5つの共振素子パターンを有する共振回路の場合について説明したが、共振素子パターンの数はこれに限定されるものではない。必要とされる周波数特性等に応じて、共振素子パターンの数は、適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、入出力フィーダ線路14a、14b、44a、44b、共振素子パターン16a〜16e、46a〜46eの回路導体パターンとして、ライン形状の分布定数型(波長共振型)パターンを用いる場合について説明したが、回路導体パターンは、これに限定されるものではない。回路導体パターンとしては、ライン形状の分布定数型パターンのほか、例えば、ライン形状のパターンを分岐又は屈曲させた変形ライン形状、円形等のパッチ形状の分布定数型パターンを用いることができる。
また、上記実施形態では、誘電体基板10、40の上面上に誘電体板24、54を載置する場合について説明したが、誘電体基板10、40上には誘電体を載置すればよく、その形状は必ずしも板状である必要はない。
以上詳述したとおり、本発明の特徴をまとめると以下の通りとなる。
(付記1) 誘電体基板と、
前記誘電体基板の一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、高周波信号を入力する第1の入出力フィーダ線路と、
前記誘電体基板の前記一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、前記第1の入出力フィーダ線路から入力される高周波信号をフィルタリングする共振素子パターンと、
前記誘電体基板の前記一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、前記共振素子パターンによりフィルタリングされた高周波信号が出力される第2の入出力フィーダ線路と、
前記誘電体基板の前記一の面上に複数のスペーサを介して載置された誘電体とを有し、
前記誘電体は、前記共振素子パターンを含む領域と、前記第1の入出力フィーダ線路のうち前記共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分と、前記第2の入出力フィーダ線路のうち前記共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分とを覆っている
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記2) 付記1記載の超伝導フィルタにおいて、
前記複数のスペーサは、前記誘電体基板の前記一の面上に載置された前記誘電体を固定する塑性変形が可能な第1のスペーサと、前記誘電体基板と前記誘電体との間の間隙の幅を規定する第2のスペーサである
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記3) 付記2記載の超伝導フィルタにおいて、
前記第1のスペーサは、インジウム、インジウム−銀合金、インジウム−錫合金、インジウム−亜鉛合金、又はインジウム−ビスマス合金よりなる
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記4) 付記2記載の超伝導フィルタにおいて、
前記第1のスペーサは、前記誘電体基板の前記一の面に形成された第1の金属パッドと、前記誘電体の前記誘電体基板に対向する面に形成された第2の金属パッドと、前記第1の金属パッドと前記第2の金属パッドとにより挟まれ、インジウム、インジウム−銀合金、インジウム−錫合金、インジウム−亜鉛合金、又はインジウム−ビスマス合金よりなるバンプとを有する
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記5) 付記2記載の超伝導フィルタにおいて、
前記第1のスペーサは、前記誘電体基板の前記一の面又は前記誘電体の前記誘電体基板に対向する面に形成された金属パッドと、前記金属パッドに接触し、インジウム、インジウム−銀合金、インジウム−錫合金、インジウム−亜鉛合金、又はインジウム−ビスマス合金よりなるバンプとを有する
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記6) 付記4又は5記載の超伝導フィルタにおいて、
前記金属パッドは、ニッケル又はチタンよりなる下地金属層と、前記下地金属層上に形成され、金、銀、又は銅よりなる金属層とを有する
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記7) 付記2乃至6のいずれかに記載の超伝導フィルタにおいて、
前記第2のスペーサは、ポリイミド、PMMA、ノボラック樹脂、環化ゴム系樹脂よりなる
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記8) 付記1乃至7のいずれかに記載の超伝導フィルタにおいて、
前記誘電体基板の他の面に形成されたグランドプレーンを更に有し、
前記第1の入出力フィーダ線路、前記第2の入出力フィーダ線路、前記共振素子パターン、及び前記グランドプレーンを有するマイクロストリップ型の平面回路が構成されている
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記9) 付記1乃至7のいずれかに記載の超伝導フィルタにおいて、
前記誘電体基板の前記一の面に形成されたグランドプレーンを更に有し、
前記第1の入出力フィーダ線路、前記第2の入出力フィーダ線路、前記共振素子パターン、及び前記グランドプレーンを有するコプレーナ型の平面回路が構成されている
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記10) 付記1乃至9のいずれかに記載の超伝導フィルタにおいて、
前記超伝導体膜は、酸化物高温超伝導体膜である
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記11) 付記1乃至9のいずれかに記載の超伝導フィルタにおいて、
前記誘電体は、アルミナ、サファイア、酸化マグネシウム、ランタンアルミネート、又はルチル型酸化チタンよりなる
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記12) 付記1乃至11のいずれかに記載の超伝導フィルタにおいて、
前記入出力フィーダ線路及び/又は共振素子パターンの回路導体パターンは、ライン形状、変形ライン形状、又はパッチ形状である
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
(付記13) 付記1乃至12のいずれかに記載の超伝導フィルタにおいて、
前記誘電体が載置された前記誘電体基板を収容する電気導体パッケージを更に有する
ことを特徴とする超伝導フィルタ。
本発明の第1実施形態による超伝導フィルタの構造を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による超伝導フィルタにおけるスペーサ付近の構造を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による超伝導フィルタにおけるスペーサ付近の構造を示す拡大断面図である。 本発明の第3実施形態による超伝導フィルタの構造を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態による超伝導フィルタにおけるスペーサ付近の構造を示す拡大断面図である。 本発明の第4実施形態による超伝導フィルタの構造を示す平面図である。 本発明の第4実施形態による超伝導フィルタの特性を示すグラフである。 スペーサを介さずに誘電体板が誘電体基板上に直接載置された超伝導フィルタの特性を示すグラフである。
符号の説明
10…誘電体基板
12…グランドプレーン
14a、14b…入出力フィーダ線路
16a、16b、16c、16d、16e…共振素子パターン
18a、18b…電極
20…スペーサ
22…スペーサ
23…間隙
24…誘電体板
26a、26b…金属パッド
28…下地金属層
30…金属層
40…誘電体基板
42…グランドプレーン
44a、44b…入出力フィーダ線路
46a、46b、46c、46d、46e…共振素子パターン
48a、48b…電極
50…スペーサ
52…スペーサ
53…間隙
54…誘電体板
56…誘電体基板
58a…入力フィーダ線路
58b…出力フィーダ線路
60a、60b…共振素子パターン
61…切り欠き凹状パターン
62…誘電体基板

Claims (9)

  1. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、高周波信号を入力する第1の入出力フィーダ線路と、
    前記誘電体基板の前記一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、前記第1の入出力フィーダ線路から入力される高周波信号をフィルタリングする共振素子パターンと、
    前記誘電体基板の前記一の面に形成され、超伝導体膜よりなり、前記共振素子パターンによりフィルタリングされた高周波信号が出力される第2の入出力フィーダ線路と、
    前記誘電体基板の前記一の面上に、間隙の幅を所望の値に調整可能な複数のスペーサを介して載置された誘電体とを有し、
    前記誘電体は、前記共振素子パターンを含む領域と、前記第1の入出力フィーダ線路のうち前記共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分と、前記第2の入出力フィーダ線路のうち前記共振素子パターン側の1/4実効波長の正の整数倍の±20パーセント以内の長さの部分とを覆っており、
    前記間隙の幅を所望の値に調整可能な複数のスペーサは、前記誘電体基板の前記一の面上に載置された前記誘電体を固定する塑性変形が可能な第1のスペーサと、前記誘電体基板と前記誘電体との間の間隙の幅を規定する第2のスペーサであり、
    前記第1のスペーサが有する粘着性により、前記誘電体基板の前記一の面上に前記誘電体が固定されている
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  2. 請求項1記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記第1のスペーサは、インジウム、インジウム−銀合金、インジウム−錫合金、インジウム−亜鉛合金、又はインジウム−ビスマス合金よりなる
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  3. 請求項1記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記第1のスペーサは、前記誘電体基板の前記一の面に形成された第1の金属パッドと、前記誘電体の前記誘電体基板に対向する面に形成された第2の金属パッドと、前記第1の金属パッドと前記第2の金属パッドとにより挟まれ、インジウム、インジウム−銀合金、インジウム−錫合金、インジウム−亜鉛合金、又はインジウム−ビスマス合金よりなるバンプとを有する
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  4. 請求項1記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記第1のスペーサは、前記誘電体基板の前記一の面又は前記誘電体の前記誘電体基板に対向する面に形成された金属パッドと、前記金属パッドに接触し、インジウム、インジウム−銀合金、インジウム−錫合金、インジウム−亜鉛合金、又はインジウム−ビスマス合金よりなるバンプとを有する
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  5. 請求項3又は4記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記金属パッドは、ニッケル又はチタンよりなる下地金属層と、前記下地金属層上に形成され、金、銀、又は銅よりなる金属層とを有する
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記第2のスペーサは、ポリイミド、PMMA、ノボラック樹脂、環化ゴム系樹脂よりなる
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記誘電体基板の他の面に形成されたグランドプレーンを更に有し、
    前記第1の入出力フィーダ線路、前記第2の入出力フィーダ線路、前記共振素子パターン、及び前記グランドプレーンを有するマイクロストリップ型の平面回路が構成されている
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記誘電体基板の前記一の面に形成されたグランドプレーンを更に有し、
    前記第1の入出力フィーダ線路、前記第2の入出力フィーダ線路、前記共振素子パターン、及び前記グランドプレーンを有するコプレーナ型の平面回路が構成されている
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の超伝導フィルタにおいて、
    前記超伝導体膜は、酸化物高温超伝導体膜である
    ことを特徴とする超伝導フィルタ。
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