JP4315840B2 - 着色剤含有硬化性組成物、カラーフィルター及びその製造方法 - Google Patents
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Description
顔料分散法として具体的には、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤を用いるネガ型感光性組成物が従来から知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
(1)通常の色素はアルカリ水溶液又は有機溶剤のいずれかに溶解性が低い為、所望のスペクトルを有する液状の硬化性組成物を得るのが困難である。
(2)染料は、硬化性組成物中の他の成分と相互作用を示す場合が多い為、硬化部、非硬化部の溶解性(現像性)の調節が困難である。
(3)染料のモル吸光係数(ε)が低い場合は、多量の染料を添加しなければならず、この為、硬化性組成物中の重合性化合物(モノマー)やバインダー、光重合開始剤等の他の成分を減らさざるを得なくなり、組成物の硬化性、硬化後の耐熱性、(非)硬化部の現像性が低下する等の問題を生じる。
(4)染料は一般的に顔料に比べ、耐光性、耐熱性に劣る。
これらの問題の為、高精細カラーフィルター用の微細かつ薄膜の着色パターンに関する実用上の要求性能を満足することは困難であった。
〔式中、R1は、水素原子、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数1〜21のアルコキシ基、又は電子吸引性の置換基を表す。R2は、2価以上の金属原子のカチオンの1価分のカチオンを表す。nは0〜5の整数を表す。〕
<6> <1>から<5>のいずれか1項に記載の着色剤含有硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルターである。
本発明の着色剤含有硬化性組成物(以下、「本発明の組成物」という場合がある。)は、着色剤として2価以上の金属の塩を含み、さらに(メタ)アクリルエステル系の重合性化合物と、光重合開始剤とを含むことを特徴とする。
また、本発明の組成物は更にアルカリ可溶性バインダーを含むのが好ましい。更に、本発明の組成物がネガ型の組成物である場合には、上記アルカリ可溶性バインダー、着色剤、モノマー及び光重合開始剤を含み、更に架橋剤を含んでもよい。
本発明の組成物は、着色剤として前記一般式(I)で表される2価以上の金属の塩を含んでおり、該2価以上の金属の塩は、酸性染料の2価以上の金属の塩である。上記2価以上の金属の塩を含む本発明の着色剤含有硬化性組成物は、従来に無い高い耐光性と高い耐熱性を同時に満足し、かつ、パターン形成性(現像性)及び液保存性に優れた性能を示すことができる新規な組成物である。また、本発明における着色剤としては、有機溶剤に可溶な有機溶剤可溶性染料であることが好ましい。
上記R1で表される炭素数1〜21のアルコキシ基としては、上述のR1で表されるアルキル基を酸素原子で連結した基(アルキルオキシ基)が好ましい。この中での好ましい範囲も上述のアルキル基の好ましい例と同様である。
上記R1で表される電子吸引性基としては、「ハメット則 −構造と反応性−」稲本直樹著、丸善(株)等に記載されるハメットのσ値が正の値を有するものであれば限定されない。上記電子求引性基としては、例えば、エチニル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ニトロ基、アセトキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、置換スルホニル基(アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等)、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アシルチオ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が好ましく、この中でも、エチニル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、アシル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ニトロ基、アセトキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等、スルファモイル基、置換スルファモイル基(アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等)、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基がより好ましく、トリフルオロメチル基、シアノ基、アシル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ニトロ基、アセトキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等、スルファモイル基、置換スルファモイル基(アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等)、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基が特に好ましい。
上記R3及びR4で表される炭素数1〜21のアルキル基は、直鎖又は分岐又は環状のアルキル基でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコサニル基、i−プロピル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−メチルブチル基、i−アミル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、t−アミル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−エチル−2−メチルプロピル基、直鎖又は分岐のヘプチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、t−オクチル基、分岐したノニル基、分岐したデシル基、分岐したウンデシル基、分岐したドデシル基、分岐したトリデシル基、分岐したテトラデシル基、分岐したペンタデシル基、分岐したヘキサデシル基、分岐したヘプタデシル基、分岐したオクタデシル基、直鎖又は分岐のノナデシル基、直鎖又は分岐のエイコサニル基、
上記R3及びR4で表される炭素数2〜21のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2,6−ジメチル−5−ヘプテニル基、9−デセニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、オクテニル基、シトロネリル基、オレイル基、ゲラニル基、ファーネシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基が好ましく、この中でも、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基がより好ましく、更には、ビニル基、イソプロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−エチル−1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基が特に好ましい。
R3及びR4で表される置換基を有していてもよい炭素数6〜21のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、アンスラキノニル基、ピレニル基等が好ましく、この中でも、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、アントラセニル基等がより好ましく、更には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基等が特に好ましい。
R3及びR4で表される置換基を有していてもよい炭素数7〜21のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、1,2−ジフェニルエチル基、フェニル−シクロペンチルメチル基、α−メチルベンジル基、フェニルエチル基、α−メチル−フェニルエチル基、β−メチル−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、3,3−ジフェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、ナフチルメチル基、スチリル基、シンナミル基、フルオレニル基、1−ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基、インダニル基、ピペロニル基、ピレンメチル基が好ましく、この中でも、ベンジル基、フェニル−シクロペンチルメチル基、α−メチルベンジル基、フェニルエチル基、α−メチル−フェニルエチル基、β−メチル−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、スチリル基、シンナミル基、フルオレニル基、1−ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基がより好ましく、更には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェニルエチル基、α−メチル−フェニルエチル基、β−メチル−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、スチリル基、シンナミル基、フルオレニル基、1−ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基が特に好ましい。
また、これらの置換基は更に同様の置換基で置換されていてもよい。
また、R3及びR4の置換基の数は0〜4が好ましく、0〜3がより好ましく、0〜2が特に好ましい。
また、これらの置換基は更に同様の置換基で置換されていてもよい。
その場合、上記化合物の一般式(I)におけるR2に相当する部分は、水素原子、Na、K、Rb、Cs、Ag、又は含窒素化合物からなるカチオンが好ましく、この中でも、水素原子、Na、K、Rb、Ag、又は含窒素化合物からなるカチオンがより好ましく、更には、水素原子、Na、Ag,又は含窒素化合物からなるカチオンが特に好ましい。
以下に上述の含窒素化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
次いで、別途調製したγ酸のアルカリ水溶液に上記の溶液を滴下し、更に40%酢酸ナトリウム水溶液を滴下した後、約0℃で数時間攪拌する。攪拌後、10%炭酸ナトリウム水溶液を滴下し一夜攪拌した後、50%NaOH水溶液を滴下して、その後加温しながら一時間程度攪拌し、その後室温まで冷却する。混合物をろ過し、アルカリ性の食塩水で洗浄することで上記化合物(E)を得ることができる。
尚、他の例示化合物についても、適宜素材等を選択することによって上述の方法により合成することができる。
上記酸性染料について説明する。上記酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを勘案して選択される。
以下に上記酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、acid alizarin violet N;
acid black 1,2,24,48;
acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192;
acid chrome violet K;
acid Fuchsin;
acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;
acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;
acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;
acid violet 6B,7,9,17,19;
acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,134,172,228,38,65,220,169,243;
Food Yellow 3;
及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
acid black 24;
acid blue 23,25,29,62,86,87,92,138,158;
acid orange 8,51,56,74,63,74;
acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217;
acid violet 7;
acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99、111,112,114,116,134,172,228,38,65,220,169,243等の染料及びこれらの染料の誘導体が好ましい。
C.I.Solvent Blue 44,38,C.I.Solvent Orange45,Rhodamine B, Rhodamine 110、2,7−Naphthalenedisulfonic acid,3−[(5−chloro−2−phenoxyphenyl)hydrazono]−3,4−dihydro−4−oxo−5−[(phenylsulfonyl)amino]−,等の酸性染料及びこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
上記酸性染料の誘導体としては、酸性染料のスルホン酸をスルホン酸アミド、スルホン酸エステルに変換した化合物などを好適に利用できる。
上記酸性染料と塩を形成する原子団については、酸性染料のアニオンと塩を形成するカチオン性のものであれば特に限定はない。上記原子団としては、例えば、水素原子、Na、K、Rb、Cs、含窒素化合物からなるカチオン等が挙げられる。
上記酸性染料と対塩を形成する含窒素化合物について説明する。本発明において、酸性染料と塩を形成する含窒素化合物は、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用等の全てを考慮して選択される。吸光度の観点のみで選択すると、できるだけ分子量の低いものが好ましく、そのなかで、分子量245以下であることが好ましく、分子量240以下であることが更に好ましく、分子量230以下であることが特に好ましい。
これら含窒素化合物の好ましい具体例としては、上記で挙げたものと同様である。
酸性染料と塩を形成する原子団/酸性染料の比(以下「m」という。)について説明する。上記mは酸性染料分子と対イオンである原子団とのモル比率を決定する値であり、酸性染料原子団の塩形成条件によって自由に選択することができる。具体的には、酸性染料中の酸の官能基数の0≦m≦10の間の数値であり、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、及び耐熱性など、必要とする性能の優先順位の全てを勘案して選択される。吸光度のみの観点で選択すると、上記mは0≦m≦7の間の数値をとることが好ましく、0≦m≦6の間の数値をとることが更に好ましく、0≦m≦5の間の数値をとることが特に好ましい。
次に本発明における着色剤の使用濃度について説明する。本発明の組成物の全固形成分に対する本発明における着色剤の使用濃度は、用いる染料等の種類によって異なるが、0.5〜80質量%が好ましく、0.5〜60質量%がより好ましく、0.5〜50質量%が特に好ましい。上記着色剤の使用濃度が0.5〜80質量%の範囲内にあると、硬化性組成物の硬化性及び現像性等を良好にすることができる。
次にバインダーについて説明する。本発明の組成物に使用可能なバインダーはアルカリ可溶性であれば、特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
上記アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等やポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニールピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニールアルコール、等も有用である。
その他上記親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸及びその塩、モルホリノエチル基等を含んだモノマー等も有用である。
OH基との反応ではエポキシ環の他に、酸無水物、イソシアネート基を有し、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。また、特開平6−102669号、特開平6−1938号に開示されるエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和若しくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素炭素不飽和基とを併せ持つ化合物としては、例えば、市販品の「ダイヤナ−ルNRシリーズ」(三菱レイヨン(株)製)、「Photomer6173」(COOH含有Polyurethane acrylic oligomer;Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、「ビスコートR−264」、「KSレジスト106」(いずれも大阪有機化学工業(株)製)、「サイクロマーPシリーズ」、「プラクセル CF200シリーズ」(いずれもダイセル化学工業(株)製)、「Ebecryl3800」(ダイセルユーシービー(株)製)などが挙げられる。
特に本発明に用いるバインダーとしては、(メタ)アクリル系のアルカリ可溶性ポリマーが好ましく、重合性側鎖を有する(メタ)アクリル系のアルカリ可溶性ポリマーであることが特に好ましい。
上記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール又はビスフェノールA等が挙げられる。上記フェノール類は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド又はベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記バインダーの本発明の組成物中における使用量は、本発明の組成物中の全固形分に対して10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%が更に好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。上記使用量が10〜90質量%の範囲内にあると、硬化性組成物の硬化性及び現像性等を良好にとすることができる。
次に本発明の組成物に用いることができる架橋剤について説明する。本発明は、上述の本発明における着色剤(好ましくは、上記一般式(I)で表される有機溶媒可溶性染料)を使用し、従来に比較して膜の硬化反応をより高度に進行させ、硬化性の良好な膜が得られることが発明の主旨であるが、補足的に、架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることも可能である。本発明に使用する架橋剤は、架橋反応によって膜硬化を行えるものであれば特に限定されないが、例えば(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物が挙げられ、特に多官能エポキシ樹脂が好ましい。
上記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。
また、骨格となるフェノール化合物の3位又は5位は未置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。更に、骨格となるナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は未置換であってもよいし、置換基を有していてもよい。
また、アルコキシメチル基含有化合物は、上記メチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。
アシロキシメチル基含有化合物は、上記メチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
アシロキシメチル基含有化合物としては、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部又は全部アシロキシメチル化した化合物が挙げられる。
これらは単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
次に本発明の組成物がネガ型の組成物である場合に含まれるモノマーについて説明する。上記モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ(メタ)アクリルエステル系の重合性化合物である。
上記モノマーの例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されている(メタ)アクリルエステル系の重合性化合物が挙げられる。
次に本発明の組成物に含まれる光重合開始剤について説明する。光重合開始剤は重合性を有するモノマーを重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
上記ハロメチルオキサジアゾール等の活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
これら、増感剤又は光安定剤の具体例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
上記他の光重合開始剤として、具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等を挙げることができる。
本発明の組成物は、調製等の際に必要に応じて溶剤を用いることができる。本発明の組成物に使用される溶剤は、本発明の組成物の溶解性及び塗布性を満足するものであれば基本的に限定されず、特に染料、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
本発明の組成物を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、アルコール類等の溶剤が好ましい。
本発明のカラーフィルターは本発明の組成物を用いて製造される。即ち、本発明のカラーフィルターは、前記一般式(I)で表される2価以上の金属の塩を含む着色剤と、(メタ)アクリルエステル系の重合性化合物と、光重合開始剤とを含む着色剤含有硬化性組成物を用いることを特徴とする。本発明のカラーフィルターは、本発明の組成物を基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像し、着色されたパターンを形成することで製造することができる。また、本発明のカラーフィルターの製造方法は、必要により上記レジストパターンを加熱及び/又は露光により硬化する工程を含んでいてもよい。
この際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
また、これらの基板上に必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化の為に、下塗り層を設けてもよい。
有機溶剤としては、本発明の組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
(例示化合物(1)の合成)
下記スキーム1に従って上記例示化合物(1)を合成した。
次いで、別途調製したγ酸のアルカリ水溶液(γ酸2.11g、水16.5g:NaOH0.35g)に上記ジアゾ溶液を0℃で30分かけて滴下した。更に、40%酢酸ナトリウム水溶液5mlを1時間かけて滴下した後、0℃で2時間攪拌した。次いで、10%炭酸ナトリウム水溶液20mlを滴下し、一夜攪拌した。攪拌後、50%NaOH水溶液7.0gを滴下し、65℃に加温して更に一時間攪拌した後、室温まで冷却した。得られた混合物をろ過し、アルカリ性の食塩水で洗浄して上記化合物(E)4.3gを得た(収率77%)。
(例示化合物(10)の合成)
合成例1において得られた化合物(E)6.06gと、MeOH30mlと、36%塩酸0.9gと、蒸留水6mlとを混合し、溶解した。得られた溶液にSr(OH)2・8H2Oを添加して30分攪拌した。次いで、該溶液にアセトン450ml及び酢酸エチル450mlを添加して無機塩を析出させた後、濾過し、アセトンで洗浄した。洗浄後、濾液を濃縮して、例示化合物(10)の化合物を得た(収量5.05g)。
1)レジスト溶液の調製
下記組成を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
〔組成〕
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.20部
(PGMEA)
・エチルラクテート 30.00部
・シクロヘキサノン 6.67部
・バインダー 30.51部
((アリルメタクリレート/メタクリル酸)共重合体(モル比=77:23)41%PGMEA溶液)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0075部
・フッ素系界面活性剤 0.95部
・光重合開始剤 0.600部
(2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン)
ガラス基板(コーニング1737)を1%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/30分)を行った。
ついで上記1)のレジスト溶液を洗浄したガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、硬化膜を得た。
上記1)で得られたレジスト溶液9.4gと上記例示化合物(1)0.6gとを混合し溶解し着色剤含有レジスト溶液を得た。
上記3)で得られた着色剤含有レジスト溶液を、上記2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、120℃で120秒間プリベークした。
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で20μmマスクを通して800mJ/cm2の露光量で照射した。露光後、現像液(商品名:CD−2000、60%溶液、富士フイルム・アーチ(株)製)を使用して、26℃・60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥し、画像を形成した。尚、画像形成は光学顕微鏡及びSEM写真観察により通常の方法で確認した。
得られた画像について以下の評価をおこなった。結果を表1に示す。
色度計(商品名:MCPD−1000、大塚電子(株)製)を用いて、得られた画像の未露光部現像性及び露光部残膜率を測定した。
ここで、「未露光部現像性」とは、現像前後での膜の吸光度値の変化率[%]をいい、ネガ型着色剤含有レジストの場合は、値の大きい方が現像性に優れることを示す。また、「露光部残膜率」とは、現像前後での膜の吸光度値の維持率[%]をいい、ネガ型着色剤含有レジストの場合は、値の大きい方がパターン形状が良好であることを示す。
即ち、未露光部現像性及び露光部残膜率がともに高い値であることは、ネガ型着色剤含有レジストの場合は、パターン形成性(現像性)が良好であることを意味する。
一方、ポジ型着色剤含有レジストの場合は、露光部残膜率及び未露光部現像性の値は小さい方がよい。即ち、ポジ型着色剤含有レジストの場合は、未露光部現像性及び露光部残膜率が共に低い値であるということは、パターン形成性が良いということを意味する。
着色剤含有レジスト溶液を塗布したガラス基板を、ホットプレートにより200℃で1時間加熱した。その後、色度計(商品名:MCPD−1000、大塚電子(株)製)にて、色度変化すなわちΔEab値を測定した。ΔEab値が小さいほど耐熱性が優れていることを意味する。
染料レジスト溶液を塗布したガラス基板に対し、キセノンランプを20万luxで10時間照射(200万lux・h相当)したのち、色度変化すなわちΔEab値を測定した
。ΔEab値が小さいほど耐光性が優れていることを意味する。
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤を上記表1に示される化合物に変えた以外は実施例1と同様して画像を形成し、評価をおこなった。結果を実施例1と併せて下記表1に示す。
実施例1〜7のガラス基板をシリコンウエハー基板に代えた以外は、全て同様の操作を行い、パターン画像を得た。未露光部現像性及び露光部の残膜率は実施例1〜7と同じ結果が得られた。
実施例8〜14は基板としてシリコンウエハー基板を用いており、この点で実施例1〜7と異なるが、着色剤レジスト溶液は実施例1〜14を通してすべて下塗り層上に塗布されているため、実質的に違いが生じることはなく、同じ諸性能が得られた。
実施例1の1)レジスト溶液の調製において、光重合開始剤を「TAZ−107」(みどり化学(株)製)に代えた以外は実施例1と同様にして画像を形成し、評価をおこなった。結果を実施例1と併せて下記表1に示す。
実施例1の1)レジスト溶液の調製において、光重合開始剤を2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノンに代えた以外は実施例1と同様にして画像を形成し、評価をおこなった。結果を実施例1と併せて下記表1に示す。
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤を下記比較化合物に代えた以外に代えた以外は実施例1と同様にして画像を形成し、評価をおこなった。結果を実施例1と併せて表1に示す。
実施例1の3)着色剤含有レジスト溶液の調製において、着色剤を下記表1に示す着色剤に各々代えた以外は実施例1と同様にして画像を形成し、評価をおこなった。結果を実施例1と併せて表1に示す。
また、表1の結果から明白であるように、従来の染料を用いた比較例1だと、未露光部現像性、露光部の残膜率、耐熱性、耐光性が劣る性能を示すことが明白となった。
Claims (7)
- 前記(メタ)アクリルエステル系の重合性化合物が4官能以上の(メタ)アクリルエステル系モノマーである請求項1に記載の着色剤含有硬化性組成物。
- 前記光重合開始剤が、α−アミノケトン化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、及びトリアリルイミダゾールダイマーからなる群より選ばれる化合物である請求項1または請求項2に記載の着色剤含有硬化性組成物。
- さらに(メタ)アクリル系のアルカリ可溶性ポリマーを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の着色剤含有硬化性組成物。
- 前記(メタ)アクリル系のアルカリ可溶性ポリマーが、重合性側鎖を有するポリマーである請求項4に記載の着色剤含有硬化性組成物。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の着色剤含有硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルター。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の着色剤含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターン像を形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
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