JP4315790B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
したがって、作業姿勢に戻った場合にも格納姿勢であると判別する結果となっており、かつ、必要のない場合にも警報手段が作動することになり、作業者への過剰な警報を発することになっていた。
本願発明の特徴構成は、走行機体に昇降自在に作業装置を取り付けるとともに、次の作業行程の指標を田面に形成するマーカーを、田面に接地する作業姿勢及び田面から上方に位置する格納姿勢に亘って揺動自在に支持し、前記作業装置の上昇作動によって前記マーカーを前記格納姿勢に切換連動するように構成し、前記作業装置が所定高さに上昇したことを検出する検出装置と、次の作業行程に移行した際に前記マーカーを作業姿勢に切り換えることを促す警報装置とを備え、前記検出装置の検出結果に基づいて前記作業装置が所定高さに上昇したことが検出されると前記マーカーが前記格納姿勢に切り換わったと判別し前記警報装置を作動させる制御手段を備えている点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、作業装置が所定高さまで上昇する場合には、マーカーが格納姿勢に切り換わる点に着目し、その作業装置の上昇状態を判別する検出装置を設け、その検出装置で、作業装置が所定高さに上昇したことを検出するとマーカーが格納姿勢に切り換わったと判別し警報装置を作動させ、マーカーが格納姿勢に切り換わったと判断できる。
したがって、マーカー自身の格納姿勢への切り換わりを捉えるのではなく、作業装置の上昇状態を捉え、かつ、その上昇状態が所定高さに至ったことを捉える検出手段の採用によって、マーカーの格納姿勢への切り換わりを正確に捉えることができるに至った。
本願発明の特徴構成は、前記マーカーを前記格納姿勢に維持するロック機構と、このロック機構のロック状態を解除するロック解除機構とを設けるとともに、前記ロック解除機構に対するロック解除指令が発せられた場合には、所定時間の間、前記ロック解除機構の解除動作を維持させる制御手段を備えてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、ロック機構として各水田作業機毎の個体差が存在し、その個体差によって、ロック機構がロック位置よりロック解除位置まで切り換わるに要する作動ストロークに違いがでる場合に、ロック解除機構のロック解除ストローク等が一定の短いものであると、ロックが解除できないことがある。
これに対して、本願発明においては、制御手段によってロック解除指令が発せられてから、所定時間の間ロック解除動作を維持させることができるので、ロック解除ストロークを十分確保でき、前記個体差があっても、それによる影響を排除し、ロック解除の確実性を高めることができる。
したがって、ロック解除動作を所定時間だけ維持させる制御上の改善工夫を施すだけで、ロック解除してマーカーの作業姿勢への切り換わりを確かなものにできるに至った。
本願発明の特徴構成は、前記マーカーを前記作業姿勢に付勢する付勢手段と、前記マーカーを前記格納姿勢に維持するロック機構と、このロック機構のロック状態を解除するロック解除アクチュエータとを設け、前記ロック解除アクチュエータと前記ロック機構との連係部位に前記ロック解除アクチュエータの作動ストロークを越えて前記ロック機構の解除方向への移動を許容する融通を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、ロック解除アクチュエータの解除ストロークとロック機構の解除ストロークとを比較した場合に、ロック機構の解除ストロークが大きな場合には、ロック解除アクチュエータを作動ストロークの大きなものに切り換える必要があるが、それにはコスト増を来たすことは明らかで有り、かつ、アクチュエータの種類によっては大きな作動ストロークのものが用意されてなく、切り換えることができない場合もある。
ロック解除アクチュエータとロック機構との連係部位にロック解除アクチュエータの作動ストロークを越えてロック機構の解除方向への移動を許容する融通を設けてあるので、その融通部分でロック解除アクチュエータが作動ストロークに至っても、ロック解除機構はロック解除側に移動することができ、これによって、マーカーを作業姿勢に切り換えることができる。
したがって、融通を設けるという単なる機械的な改善工夫を施すだけで、ロック解除アクチュエータへの変更を行う必要がないので、製造コスト面で有利なものを提供できるにいたった。
図1に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の後部に、昇降リンク機構3が上下に揺動自在に支持され、昇降リンク機構3を上下に昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられており、昇降リンク機構3の後部に作業装置としての苗植付装置5が支持されて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1及び図2に示すように、昇降リンク機構3の後部にフィードケース6が支持され、植付伝動ケース7が後向きに片持ち状に支持されており、植付伝動ケース7の上部に苗のせ台8が横方向に往復移動自在に支持されている。フィードケース6から横方向に横送り軸9が延出されて、横送り軸9と苗のせ台8とが連係されており、苗のせ台8にベルト型式の縦送り装置10が備えられている。植付伝動ケース7の後部に植付ケース11が回転自在に支持され、植付ケース11に一対の植付アーム12が支持されている。フィードケース6の下部にセンターフロート13が備えられ、センターフロート13の右及び左の横外側にサイドフロート14が備えられて、センターフロート13の前方に整地ローラー15が備えられている。
次に、昇降レバー26による苗植付装置5の昇降操作について説明する。
図1,2,7に示すように、昇降リンク機構3はトップリンク3a及びロアリンク3b、トップリンク3aの後部とロアリンク3bの後部とに亘って接続される縦リンク3cを備えて構成されている。トップリンク3aの前部に油圧シリンダ4が接続され、油圧シリンダ4のピストンロッド4aが、サスペンションバネ24及び接続部材25を介してロアリンク3bの後部に接続されている。
この場合、センターフロート13が田面に接地して、これがポテンショメータ22によって検出されると、苗植付装置5に対するセンターフロート13の高さ(田面(センターフロート13)から苗植付装置5までの高さ)に基づいて、苗植付装置5が田面から設定高さに維持されるように(ポテンショメータ22の検出値(ポテンショメータ22とセンターフロート13との上下間隔)が設定値に維持されるように)、制御装置23により制御弁27が操作され油圧シリンダ4が伸縮作動されて、苗植付装置5が自動的に昇降駆動される自動昇降制御が開始される。これにより、苗植付装置5が下降駆動されて、見掛け上で苗植付装置5が田面で自動的に停止した状態となる。
次に、強制昇降操作レバー32による苗植付装置5の昇降操作について説明する。
図1及び図8に示すように、前輪1を操向操作するステアリングハンドル33の下側の右横側に強制昇降操作レバー32が備えられ、強制昇降操作レバー32が右の横外方に延出されている。強制昇降操作レバー32は中立位置Nから上方の上昇位置U、下方の下降位置D、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成され、中立位置Nに付勢されている。強制昇降操作レバー32が上昇位置U、下降位置D、右及び左マーカー位置R,Lに操作されたことを検出する検出スイッチ34,35,36,37が備えられており、検出スイッチ34〜37の検出信号が制御装置23に入力される。
昇降レバー26を自動位置に操作している場合にのみ、強制昇降操作レバー32を上昇及び下降位置U,Dに操作した際に前述の操作が行われ、後述する[6]に記載の強制昇降操作レバー32を右及び左マーカー位置R,Lに操作した際の操作が行われるのであり、昇降レバー26を自動位置以外の位置に操作していると、強制昇降操作レバー32を上昇及び下降位置U,D、右及び左マーカー位置R,Lに操作しても、前述の操作や後述する[6]に記載の操作は行われない。
次に、右及び左のマーカー38について説明する。
図2,3,6に示すように、苗植付装置5の右及び左の端部に支持板39が固定され、支持板39から上方に支持フレーム40が延出されて、支持フレーム40の上部に苗のせ台8の上部が支持されており、支持板39から右及び左の横外方に支持フレーム41が延出されている。支持フレーム41にブラケット42が固定され、ブラケット42の前後軸芯P2周りに支持部43が揺動自在に支持されている。
次に、右及び左のマーカー38の作業姿勢から格納姿勢への操作について説明する。
図3及び図6に示すように、ワイヤ55のアウター55aの端部が支持板39に固定されており、ワイヤ55のアウター55aの延出方向が略水平に設定されている。ワイヤ55のインナー55bが支持部43に接続されており、ワイヤ55のインナー55bの接続部分55cが、ワイヤ55のアウター55aの端部と略同じ高さに位置するように構成されている。
次に、右及び左のマーカー38の格納姿勢から作業姿勢への操作について説明する。
前項[5]、図3及び図6の二点鎖線に示すように、苗植付装置5が上昇駆動されて、右及び左のマーカー38が格納姿勢に保持されている状態において、昇降レバー26を下降位置に操作するか、強制昇降操作レバー32を下降位置Dに操作すると(昇降レバー26は自動位置)、前項[2][3]に記載のように、電動モータ30により植付及び施肥クラッチ28,29が遮断状態に操作されて、油圧シリンダ4により苗植付装置5が下降駆動される(センターフロート13が田面に接地するまで下降駆動される)。
ここに、電磁ソレノイド59をロック解除機構またはロック解除アクチュエータと称する。
以上、前記したセンサを、苗植付装置5が所定位置に至ったことを検出する検出手段と称する。
前記した苗植付装置5が所定高さに至ったことを検出する検出手段としては、この検出結果に基づいてマーカー38の出し忘れを阻止する制御に使用されるだけでなく、このセンサの検出結果に基づいてマーカー38が格納姿勢に切り換わった判断する制御を行っても良い。
前述の[発明の実施の形態]の図2及び図7において、ワイヤ55のインナー55bを、接続部材25ではなくロアリンク3bに接続するように構成してもよい。図5において、断面L字状でリング状のブッシュ部材50に代えて円筒状の1個のブッシュ部材(図示せず)を使用してもよく、コイルバネ54に代えて皿バネ(図示せず)を使用してもよい。
本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機体の後部に直播装置を上下動自在に支持した乗用型直播機にも適用できる。
23 制御手段
31 検出装置
38 マーカー
56 付勢手段
57b 融通
59 ロック解除アクチュエータ、電磁ソレノイド
61 警報装置
A ロック機構
B ロック解除機構
Claims (3)
- 走行機体に昇降自在に作業装置を取り付けるとともに、次の作業行程の指標を田面に形成するマーカーを、田面に接地する作業姿勢及び田面から上方に位置する格納姿勢に亘って揺動自在に支持し、前記作業装置の上昇作動によって前記マーカーを前記格納姿勢に切換連動するように構成し、
前記作業装置が所定高さに上昇したことを検出する検出装置と、次の作業行程に移行した際に前記マーカーを作業姿勢に切り換えることを促す警報装置とを備え、
前記検出装置の検出結果に基づいて前記作業装置が所定高さに上昇したことが検出されると前記マーカーが前記格納姿勢に切り換わったと判別し前記警報装置を作動させる制御手段を備えている水田作業機。 - 前記マーカーを前記格納姿勢に維持するロック機構と、このロック機構のロック状態を解除するロック解除機構とを設けるとともに、前記ロック解除機構に対するロック解除指令が発せられた場合には、所定時間の間、前記ロック解除機構の解除動作を維持させる制御手段を備えている請求項1記載の水田作業機。
- 前記マーカーを前記作業姿勢に付勢する付勢手段と、前記マーカーを前記格納姿勢に維持するロック機構と、このロック機構のロック状態を解除するロック解除アクチュエータとを設け、前記ロック解除アクチュエータと前記ロック機構との連係部位に前記ロック解除アクチュエータの作動ストロークを越えて前記ロック機構の解除方向への移動を許容する融通を設けてある請求項1又は2記載の水田作業機。
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