JP4315624B2 - 溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、溝形状の断面を有する鋼材を、加熱および冷却により、平面曲げ加工、すなわち断面の対称軸と直交する面内で曲げ加工をおこなう方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溝形状の断面を有する鋼材、例えば溝形鋼を平面曲げ加工する場合に、鋼板などを曲げ加工する際に用いられる線状加熱の原理が、応用される。
この鋼板への線状加熱の原理は一般的に知られたものであり、例えば、「溶接便覧」(改訂3版、溶接学会編、丸善株式会社発行)の774〜775頁に記載される。すなわち、現象的には、鋼板101の表面に加熱トーチ103により、平行な数条の線状加熱105をおこなうと(図4(A))、加熱部分が冷却されるとともに、その線状加熱の跡をあたかも折れ線107のようにして、鋼板101が曲がる(同図(B))。
【0003】
このときの大まかな原理は、次のように説明される。加熱トーチ103で線状加熱105された部分は、熱応力109を生じるものの(同図(C))、やがて弾性限界を超える。このとき加熱は局部的に生じ、加熱部分の周囲は比較的に低温なままなので、加熱部分は周囲に抵抗され、抵抗のない方向へ膨出111する(同図(D))。この膨出111が、鋼板101の片面にのみ生じているときは、加熱部分が冷却されるとともに、あたかも膨出111部分に引っ張られるようにして、鋼板101に角変形θが生じる(同図(E))。
【0004】
このような角変形θの曲げが生じるためには、加熱された部分は鋼板101の肉厚の中央付近までに留まることが必要である。加熱が肉厚の中央付近を越えると、必要な曲げが効率よく得られない。
その原理を、熱応力の変化からさらに詳しく説明する。加熱部分は、熱応力による圧縮応力σcを生じるものの、すぐに弾性限界を超えるので、周囲の低温なために拘束された部分から抵抗されて膨出する。
【0005】
このとき、加熱は肉厚の中央付近までに留まっているので、加熱部分の周囲のみならず鋼板の肉厚の反対側は比較的に低温なままであり、弾性範囲にあり塑性変形をおこさない拘束部分となる。これらの拘束部分の働きで、鋼板は反対方向への曲げ変形をあまり生じない(同図(F))。
その後に加熱部分は冷却され、降伏点が上昇しながら収縮をおこし、引っ張り応力σtにより周囲の拘束部分を強く引っ張る。この引っ張り応力σtは肉厚の中央付近までに留まっているので、鋼板101を加熱部分側へ曲げる曲げモーメントMが働き、鋼板が曲がる(同図(G))。この加熱部分の収縮である塑性歪みは残留し、鋼板の曲がった状態が維持される。
【0006】
さて、このような線状加熱の原理は、溝形状の断面を有する鋼材にも応用され、溝形状の底部であるウエブと側部であるフランジとにまたがって線状加熱をおこなうことが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋼材の曲げ量を調整するのに、加熱速度を変化させることで加熱温度を調整する方法が採られていたが、この方法によると、加熱温度が変わることで材料強度が変化し、均一の十分な強度を有する鋼材を提供できなくなるものであった。
【0008】
また、単に、鋼材のウエブとフランジとにまたがって線状加熱をおこなうだけでは、従来の鋼板とは異なり、捩れが生じやすく、曲げ加工後に油圧機器などを用いて捩れを矯正する必要があり、矯正作業が面倒であった。
【0009】
また、溝形状の断面を有する鋼材に対し、加熱および冷却により曲げ加工を施す方法は、歴史が浅く、効率よく曲げをおこなう加熱方法が求められている。
【0010】
さらに、溝形状の断面を有する鋼材は強度部材に用いられることが多く、加熱および冷却による曲げ加工を経て、強度が低下することは極力避けなければならない。
【0011】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、加熱温度が変わることなく、均一の十分な強度を有する鋼材を提供でき、捩れが生じにくく、効率よく曲げ加工がおこなえ、強度低下を抑止できる溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、第一の発明は、溝形状の断面を有する鋼材を、加熱および冷却により、前記断面の対称軸と直交する面内で曲げ加工をおこなう方法において、鋼材の長手方向の複数箇所で、前記長手方向と直角方向に、前記溝形状の底部であるウエブと側部であるフランジとにまたがって線状加熱をおこなう加熱工程と、この線状加熱部分を冷却する冷却工程と、を有し、前記線状加熱の表面形状が、ウエブとフランジの境の角部から前記ウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長く先端が前記ウエブの中央を越える三角形をし、前記角部から前記フランジにかけて前記中立軸を越える平行な辺を有する形状をした、前記長手方向の両端を前記溝形状の開口部側に曲げるモーメントを示す長線状加熱と、前記角部から前記ウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長く先端が前記ウエブの中央に達する三角形をし、前記角部から前記フランジにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長く且つ前記平行な辺より短い三角形をした、前記長手方向の両端を前記溝形状の底部側に曲げるモーメントを示す短線状加熱との二種類があり、前記長線状加熱と前記短線状加熱を混合して用いて前記断面の対称軸と直交する面内での曲げ加工を行い、前記断面の対称軸と直交する面内での曲げ量が大きいほど前記線状加熱のピッチを小さくすることを特徴とする溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法である。
【0013】
第2の発明は、さらに、前記線状加熱は、鋼材の中立軸を境にしてフランジ側に多く分布する全体に長い長線状加熱と、前記中立軸を境にしてウエブ側に多く分布する全体に短い短線状加熱との二種類があり、両者が混合して用いられて両者の割合で捩れを防止することを特徴とする溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法である。
【0014】
第3の発明は、さらに、前記線状加熱の表面形状は、前記長線状加熱が前記角部から前記ウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、この角部から前記フランジにかけて平行な長い辺を有し鋼材の前記中立軸を越え、前記短線状加熱が、前記角部から前記ウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、前記角部から前記フランジにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をしていることを特徴とする溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法である。
【0015】
第4の発明は、さらに、前記線状加熱は、鋼材の変態点以下とすることを特徴とする溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図1〜図3に示す。
図1、図2に示すように、この実施形態においては、加工の対象となる溝形状の断面を有する鋼材1は、Uリブと呼ばれるもので、橋梁の鋼床版のリブに採用されるなど、鋼構造物へ幅広く採用されている。Uリブの断面は、溝形状であるU形状の底部であるウエブ3と両側部であるフランジ5とを有する。
【0017】
そして、橋梁の曲線などにしたがって水平面内での曲げ加工、つまりU形状の断面の対称軸7と直交する面内での曲げ加工をおこなう必要が生じる。この加工を、この実施形態の加工方法によりおこなう。
鋼材1は、U形状を伏せた状態で、加工台9の上に置かれ、鋼材1の長手方向の複数箇所で、長手方向と直角方向に、線状加熱11がおこなわれる。そして、一条あるいは数条の線状加熱11がおこなわれる度に、空冷あるいは水冷による冷却がおこなわれ、徐々に曲げ加工がおこなわれる。
【0018】
図1(A)(B)に示すように、この線状加熱11は、U形状の底部であるウエブ3と側部であるフランジ5とにまたがっておこなわれ、線状加熱11の線の長さにより長線状加熱13と短線状加熱15との二種類がある。
【0019】
すなわち、長線状加熱13は、加熱部分が全体に長く、鋼材1の中立軸17(材料力学でいう、垂直面内の曲げ応力が0となるところ。図2参照)を境にしてフランジ5側に多く分布する。加熱部分の表面形状は、ウエブ3とフランジ5の境の角部19からウエブ3にかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、この角部19からフランジ5にかけて平行な長い辺を有して鋼材1の中立軸17を越え、フランジ5端部の後述する点焼きの近くまで延びる。加熱部分の表面形状は、幅がL7、角部19からウエブ3にかけての前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形の先端は、ウエブ3の中央をL5まで越えたところまで延びる。角部19からフランジ5にかけて平行な長い辺は、長さがL6である。その先端と、点焼きとの間はL9である。
【0020】
また、短線状加熱15は、加熱部分が全体に短く、中立軸17を境にしてウエブ3側付近に多く分布する。加熱部分の表面形状は、角部19からウエブ3にかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、角部19からフランジ5にかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をしている。加熱部分の表面形状は、角部19の幅がL1、角部19からウエブ3にかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形の先端はウエブの中央に達する。角部19からフランジ5にかけての前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形の長さはL2である。
【0021】
長線状加熱13および短線状加熱15のそれぞれのフランジ5側への延長方向におけるフランジ5縁部で、点焼き21をおこなう。この点焼き21は、加熱部分が正方形の点状を成すものである。この二つの点焼き21の正方形の辺L4、L9は、同じ大きさである。これらの正方形のフランジ5縁部までの距離はL10である。
【0022】
これら長線状加熱13、短線状加熱15、および点焼き21の表面形状は、実際の加熱に先立って、鋼材1の表面にけがきされる。このけがきの通りに加熱をおこなうためには、加熱トーチを細かく移動させたり、加熱トーチの炎を変化させたり、すなわち燃料のガス量を変化させたりすることでおこなえる。加熱トーチの全体的な移動は、図1(B)の下から上に向かっておこなう。標準加熱時間は、点焼き21が30秒、短線状加熱15が1分30秒、長線状加熱13が2分30秒である。
【0023】
これらの長線状加熱13および短線状加熱15は、両者が混合して用いられ、両者の割合で鋼材1の垂直面内での曲げモーメントを0に近づけることができる。この実施形態では、両者は1対1である。他の実施形態では、2対1、1対2、1対3などと変えることができる。この割合は、個々の状況に応じて実験的に探り出し、1本の鋼材でうまく行くと、他の鋼材1にも適用でき、大量生産が可能になる。
【0024】
線状加熱のピッチPは、例えば長線状加熱13と長線状加熱13との距離であり、曲げ加工の曲げ量が大きいほど、すなわち曲げ半径Rが小さいほど、小さくする。
線状加熱は、表面温度800℃程度とする。この温度は、1本目の鋼材では計測機などを用い判断しても良いが、2本目の鋼材からは加熱部分の発光の色で判断することもできる。
【0025】
冷却工程は、この実施形態では水冷とする。加熱トーチの周囲に予め冷水管が配管された装置を使っても良いし、別体の冷水管を用いても良い。
【0026】
(実施形態の作用効果)
(1)以上の実施形態によれば、線状加熱11のピッチPによって曲げ量を調整でき、ピッチPを小さくすることで曲げ量を大きくできる。すなわち、図3に示すように、ピッチPを小さくするほど、曲げ加工の曲げ半径(曲率半径)Rも小さくできる。このRが小さくなるほど、曲げ量h(図1(A))は大きくなる。したがって、加熱温度をかえる必要がないので、常に最適な温度で加熱ができ、均一の十分な材料強度を有する鋼材を提供できる。
【0027】
(2)また、二種類の線状加熱13、15を混合して用い、その割合を調整することで、鋼材1の垂直面内での曲げモーメントを0に近づけることができる。すなわち、長線状加熱13はいわゆる垂直面内でのフランジ5側への曲げモーメントが大きくできる。つまり、図2は曲げ力の発生方向を矢印で示すが、矢印の下向きの成分は、鋼材1の長手方向の両端を下げるような曲げモーメント、換言すれば垂直面内でのフランジ5側への曲げモーメントを示し、この成分はフランジ5側へいくほど大きくなり、長線状加熱13によって生じる曲げモーメントにおおく含まれる。
【0028】
他方、短線状加熱15はウエブ3側への曲げモーメントを大きくできる。つまり、同図に示すように、矢印の上向きの成分は、鋼材1の長手方向の両端を持ち上げるような曲げモーメント、換言すれば垂直面内でのウエブ3側への曲げモーメントを示し、この成分はウエブ3側へいくほど大きくなり、短線状加熱15によって生じる曲げモーメントにおおく含まれる。よって、これら長線状加熱13と短線状加熱15とを混合して用い両者の割合を調整すれば、鋼材1の垂直面内での曲げモーメントを0に近づけることができる。
【0029】
さらに、加熱部分の形状から詳しく説明すると、線状加熱の表面形状は、長線状加熱13がウエブ3とフランジ5の境の角部19からウエブ3にかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、この角部19からフランジ5にかけて平行な長い辺を有し鋼材1の中立軸を越えることで、垂直面内での曲げモーメントのおおくをキャンセルし、水平面内での曲げモーメントを大きくできる(図2)。残った垂直面内での曲げモーメントは、フランジ5側への曲げモーメントとなる。
【0030】
また、短線状加熱15が、角部19からウエブ3にかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、角部19からフランジ5にかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をしていることで、角部19付近での幅を最大にできる。したがって、フランジ5部分に比べ平面内曲げをおこしにくいウエブ3部分に対し、平面内曲げモーメントを大きくできる(図2)。残った垂直面内での曲げモーメントは、ウエブ3側への曲げモーメントとなる。
【0031】
よって、垂直面内でのフランジ5側への曲げモーメントを有する長線状加熱13と、垂直面内でのウエブ3側への曲げモーメントを有する短線状加熱15との割合を調整すれば、垂直面内での曲げモーメントを0に近づけることができ、したがって捩れを防止することができる。
【0032】
(3)また、水平面内での曲げモーメントを大きくできる長線状加熱13と、平面内曲げをおこしにくいウエブ3部分に対し平面内曲げモーメントを大きくできる短線状加熱15とにより、効率よく、平面内曲げ加工をおこなうことができる。
【0033】
(4)また、点焼き21をおこなうことで、いわゆる垂直面内でフランジ5側への曲げモーメントを大きくでき(図2)、よって、平面内曲げをおこしにくいウエブ3部分の加熱により生じるいわゆる垂直面内でウエブ3側へのモーメントをキャンセルし、平面内曲げモーメントを大きくし、したがって効率よい曲げ加工を可能にする。
【0034】
(5)また、線状加熱11の表面温度を800℃程度とすることで、内部温度は700℃程度になり、鋼材1の材料の変態点を越えない温度で曲げ加工がおこなえ、材料強度が低下するのを抑止できる。
【0035】
(他の実施形態)
以上の実施形態においては、曲げ加工の曲げ半径は、同じ鋼材1では同じであったが、他の実施形態においては、同じ鋼材1で部分的に曲げ量が異なる場合には、同じ鋼材1の長手方向の部位によってピッチPおよび割合を変化させることができる。
【0036】
また、以上の実施形態においては、冷却工程は水冷によるものであったが、他の実施形態においては、自然空冷、あるいは強制空冷などとすることができる。
また、以上の実施形態においては、溝形状の断面を有する鋼材1として、Uリブを例に挙げたが、他の実施形態においては、市販の溝形鋼など他の鋼材でも、この発明を実施することは可能である。
【0037】
さらに、この発明を実施するのに好適なサイズとして、縁幅が300〜450mm、底幅が202〜324mm、高さが220〜330mm、板厚が6〜9mm、角部の曲げ半径が30〜45mm、鋼材の長手方向の長さが6、0〜15、0mのものがあげられる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、第1〜4の発明によれば、溝形状の断面を有する鋼材の曲げ量を調整するのに、線状加熱のピッチを変化させればよく、加熱温度をかえる必要がないので、常に最適な温度で加熱ができ、均一の十分な材料強度を有する鋼材を提供できる。
【0039】
また、第2〜4の発明によれば、長線状加熱はいわゆ垂直面内でのフランジ側への曲げモーメントが大きくでき、短線状加熱はウエブ側への曲げモーメントを大きくできるので(図2)、これら長線状加熱と短線状加熱とを混合して用い両者の割合を調整することで、捩れを防止することができる。
【0040】
第3の発明によれば、さらに、線状加熱の表面形状は、長線状加熱が前記ウエブとフランジの境の角部からウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、この角部からフランジにかけて平行な長い辺を有し鋼材の中立軸を越えることで、垂直面内での曲げモーメントのおおくをキャンセルし、水平面内での曲げモーメントを大きくできる(図2)。
【0041】
また、短線状加熱が、前記角部からウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をし、角部からフランジにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長い三角形をしていることで、角部での幅を最大にでき、したがって、フランジ部分に比べ平面内曲げをおこしにくいウエブ部分に対し、平面内曲げモーメントを大きくできる(図2)。
【0042】
第4の発明によれば、さらに、線状加熱の表面温度を鋼材の変態点以下にすることで、鋼材の材料の変態点を越えない温度で曲げ加工がおこなえ、材料強度が低下するのを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、この発明の一実施形態を示す鋼材の全体斜視図
(B)は、(A)の図1の要部拡大図である。
【図2】図1(B)の断面拡大図の各部分において加熱により曲げ力が発生する方向を示す図である。
【図3】図1(A)の鋼材に施す線状加熱のピッチPと、その加熱により得られる曲げ半径Rとの関係を示す図である。
【図4】従来例を示す図で
(A)は、鋼板に線状加熱を施す位置と方向を示す図
(B)は、(A)の加熱により鋼板に生じる曲げを示す図
(C)は、加熱作業の拡大図
(D)は、加熱部分の膨出を示す拡大図
(E)は、鋼板に生じる角変形を示す拡大図
(F)は、加熱途中に鋼板内部に生じる圧縮応力を示す拡大図
(G)は、冷却時に鋼板内部に生じる引っ張り応力を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 鋼材
3 ウエブ
5 フランジ
7 断面の対称軸
9 加工台
11 線状加熱
13 長線状加熱
15 短線状加熱
17 中立軸
19 角部
21 点焼き
101 鋼板
103 加熱トーチ
105 線状加熱
107 折れ線
109 熱応力
111 膨出
σc 圧縮応力
σt 引っ張り応力
M 曲げモーメント

Claims (2)

  1. 溝形状の断面を有する鋼材を、加熱および冷却により、前記断面の対称軸と直交する面内で曲げ加工をおこなう方法において、
    鋼材の長手方向の複数箇所で、前記長手方向と直角方向に、前記溝形状の底部であるウエブと側部であるフランジとにまたがって線状加熱をおこなう加熱工程と、この線状加熱部分を冷却する冷却工程と、を有し、
    前記線状加熱の表面形状が、ウエブとフランジの境の角部から前記ウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長く先端が前記ウエブの中央を越える三角形をし、前記角部から前記フランジにかけて前記中立軸を越える平行な辺を有する形状をした、前記長手方向の両端を前記溝形状の開口部側に曲げるモーメントを示す長線状加熱と、前記角部から前記ウエブにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長く先端が前記ウエブの中央に達する三角形をし、前記角部から前記フランジにかけて前記長手方向と直角方向の長さが前記長手方向の最大幅より長く且つ前記平行な辺より短い三角形をした、前記長手方向の両端を前記溝形状の底部側に曲げるモーメントを示す短線状加熱との二種類があり、
    前記長線状加熱と前記短線状加熱を混合して用いて前記断面の対称軸と直交する面内での曲げ加工を行い
    前記断面の対称軸と直交する面内での曲げ量が大きいほど前記線状加熱のピッチを小さくすることを特徴とする溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法。
  2. 前記線状加熱は、鋼材の変態点以下であることを特徴とする請求項1に記載の溝形状断面鋼材の加熱・冷却による曲げ加工方法。
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