JP4314826B2 - 圧電デバイスにおける圧電振動素子の保持構造、圧電振動子、圧電発振器、絶縁性パッケージ、及び圧電振動素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は表面実装用のパッケージ内に配置した内部端子上に導電性接着剤によって片持ち支持される圧電振動素子の支持構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表面実装型の水晶振動子等の圧電振動子は、図8(a)及び(b)の縦断面図、及びパッケージ平面図に示す様な構成を備えている。即ち、この圧電振動子は、セラミック等の絶縁材料から成るパッケージ101の凹所102の内底面に配置した内部端子(電極パッド)103上に導電性接着剤104を用いて圧電振動素子110を片持ち状態で支持し、凹所102の開口を金属蓋115により気密封止した構成を備えている。パッケージ外底面には、内部端子103と導通した実装端子105が配置されている。また、圧電振動素子110は、水晶基板等の圧電基板111の表裏両面に夫々励振電極112と、各励振電極112から基板端縁に延びるリード電極113と、を備えている。
図8(c)は、導電性接着剤による接続構造を示す拡大図であり、ここに示した接着保持部では、内部端子103の上面が平坦であるため、内部端子103の上面とリード電極113との間に挟まれた導電性接着剤104は、内部端子103の上面に対して均一な厚みを持った状態で硬化している。
ところで、圧電振動子は、圧電振動素子110を構成する圧電基板111による機械的な振動を利用して出力を得ている。このため圧電基板111の機械的振動に係わる部分を導電性接着剤104により保持してしまうと、振動が減衰して特性の劣化を招く虞がある。そこで、小型圧電振動子では振動領域を広く確保するために、図8に示すように導電性接着剤による保持部を基板の一端縁側に集めた片持ち保持構造を採るのが一般的である。このような片持ち保持構造により、機械的な拘束端が基板の片方向に偏位するため、自由端部(基板先端方向)での振動滅衰が発生しない。その結果として、保持による特性劣化が抑えられる。
しかしながらこのような片持ち構造では、保持端が基板の片側にのみ存するため、落下、衝突等による衝撃、振動等による機械的外力により、圧電振動素子の自重によりモーメントが発生する。
【0003】
図9(a)及び(b)は、落下時の衝撃等により圧電振動素子にモーメントが発生しているイメージ図を示す。このように導電性接着剤104による保持端を中心として圧電振動素子110に発生するモーメントにより、接着剤に弾性変形が生じ、接着剤に応力集中が発生している。このとき接着剤の弾性変形によるエネルギー吸収が十分でない場合、接着剤側での応力集中により圧電振動素子と接着剤との接着部に微小な剥離や応力緩和が発生する。その結果、接着剤による圧電振動素子端部の保持状態が変わり、特性劣化(周波数変動、等価抵抗値の変化)が発生する。
また、内部端子103の上面と、圧電振動素子110(リード電極113)との間に挟まれた導電性接着剤104の厚みは通常20μm程度であり、接着剤の粘度と圧電振動素子の押付け圧等によりコントロールされるが、接着剤の粘度は、溶剤量や温度により条件が異なるため均一に管理することは難しい。このため、内部端子と圧電振動素子との間に位置する接着剤厚みが製造ロットにより異なってくるという問題も発生する。
なお、圧電振動子のパッケージにおける電極パッドの構造についての特許文献は下記の通りであるが、上記従来の不具合を解決するものは存在しない。
【特許文献1】
特開平7−240653号
【特許文献2】
特開平8−130432号
【特許文献3】
特開平10−22776号
【特許文献4】
特開平10−135762号
【特許文献5】
特開平11−289238号
【特許文献6】
特開2000−31773
【特許文献7】
特開2000−138532
【特許文献8】
特開2001−77656
【特許文献9】
特開2001−102891
【特許文献10】
特開2001−285011
【特許文献11】
特開2001−345664
【特許文献12】
特開2002−26679
【特許文献13】
特開2002−84160
【特許文献14】
特開2002−76812
【特許文献15】
特開2002−100950
【特許文献16】
特開2002−111426
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、圧電振動素子をパッケージ内の内部端子上に導電性接着剤によって片持ち支持した構造の圧電デバイスにおいて、落下、衝突などによる衝撃等によって接着剤による保持部に圧電振動素子を回転させる方向、その他の方向への応力が発生したとしても、接着剤による応力緩和能力を高めて接着剤による保持状態の変動を発生させないことを可能にする圧電デバイスにおける圧電振動素子の保持構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の次の如き構成を備える。
なお、本発明(全ての請求項に共通)における導電性接着剤の厚さは、内部端子上面と、圧電振動素子下面(リード電極下面)との間に挟まれた部分の厚さを意味し、圧電基板の後端縁よりも後方にはみだした部分は含まない。
【0006】
請求項1の発明は、内部端子と、該内部端子と導通した実装端子を備えた絶縁性パッケージと、圧電基板上に励振電極及びリード電極を形成した構成を備え且つ前記内部端子上に導電性接着剤によって該リード電極を電気的機械的に接続されることにより前記絶縁性パッケージ上に片持ち支持される圧電振動素子と、を少なくとも備えた圧電デバイスにおいて、前記圧電振動素子を構成する圧電基板は、前記内部端子と対面する下面の一部に凸部を有し、前記圧電振動素子は、前記導電性接着剤を介して前記内部端子と接続する際に、該導電性接着剤の前記圧電振動素子自由端側における厚さがその中間部、或いは/及び、前記圧電振動素子保持端側における厚さよりも厚くなるように構成されていることを特徴とする。
接着部の素板先端方向(自由端方向)の厚みを厚くすることにより、接着剤部での弾性変形による応力吸収で、片持ち構造で発生するモーメントや、それにより付随する衝撃を吸収することが可能となる。即ち、片持ち構造の圧電振動子において、落下衝撃等の外力による接着部での弾性的なエネルギー吸収が大きくなる。結果として、落下衝撃を受けた後でも、圧電基板保持部の接着部で、微小な接着剤剥離・応力緩和が起こらず、周波数変動が起こりにくい。
また、パッケージ側に形状加工を施して導電性接着剤の前部の肉厚を厚くするのではなく、圧電振動素子側の下面に形状加工を施すので、圧電基板をエッチング加工する際に一括して加工することができ、製造が容易となる。そして、落下衝撃特性の改善及び接着剤厚みをコントロールすることが可能となる。
請求項2の発明は、内部端子を備えた凹所を有し且つ外底面に該内部端子と導通した実装端子を備えた絶縁性パッケージと、圧電基板上に励振電極及びリード電極を形成した構成を備え且つ前記内部端子上に導電性接着剤によって該リード電極を電気的機械的に接続されることにより凹所内に片持ち支持される圧電振動素子と、該凹所開口を気密封止する金属蓋と、を少なくとも備えた圧電デバイスにおいて、前記圧電振動素子を構成する圧電基板は、前記内部端子と対面する下面の一部に凸部を有し、前記圧電振動素子は、前記導電性接着剤を介して前記内部端子と接続する際に、該導電性接着剤の前記圧電振動素子自由端側における厚さがその中間部、或いは/及び、前記圧電振動素子保持端側における厚さよりも厚くなるように構成されていることを特徴とする。
圧電振動素子を絶縁性パッケージの凹所内で片持ち支持し、該凹所開口を金属蓋にて気密封止された圧電デバイスにおいても、接着部の素板先端方向(自由端方向)の厚みを厚くすることにより、接着剤部での弾性変形による応力吸収で、片持ち構造で発生するモーメントや、それにより付随する衝撃を吸収することが可能となる。結果として、落下衝撃を受けた後でも、圧電基板保持部の接着部で、微小な接着剤剥離・応力緩和が起こらず、周波数変動が起こりにくい。また、圧電振動素子側の下面に形状加工を施すことで、落下衝撃特性の改善及び接着剤厚みをコントロールすることが可能となる。また圧電振動素子側の下面の形状加工は圧電基板をエッチング加工する際に一括して行うことができ、製造が容易となる。
そして、請求項1、2ともに、圧電基板に突起構造を設けたため、パッケージに突起構造を設けることなく、落下衝撃特性の改善及び接着剤厚みをコントロールすることが可能となる。つまり、接着剤粘度によらず接着剤厚みを一定に管理することが可能となる。凸部の位置は、接着剤全部に厚肉部を形成できれば、どのような位置でも良い。
請求項3の発明に係る圧電振動子は、請求項1又は2に記載の圧電振動素子の保持構造を備えたことを特徴とする。
表面実装型の圧電振動子は、絶縁パッケージ内に圧電振動素子を片持ち支持した構成を備えている。この圧電振動子に、各請求項記載の保持構造を採用することにより、各請求項に記載の作用効果を得ることが可能となる。
請求項4の発明に係る圧電発振器は、請求項3に記載の圧電振動子と、発振回路とを備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の圧電振動子に対して、例えばIC部品化した発振回路部品を組み合わせてユニット化することにより、上記の各効果を奏する圧電発振器を構築することができる。
請求項5の発明に係る圧電振動素子は、請求項1又は2に記載の構造を備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)(b)(c)及び(d)は本発明の一実施形態に係る圧電デバイスの一例としての水晶振動子の構造を示す縦断面図、金属蓋を除去した状態の平面図、パッケージの平面図、及び要部拡大図である。
この水晶振動子1は、セラミック等の絶縁材料から成るパッケージ2の凹所3の内底面に配置した内部端子(電極パッド)4上に導電性接着剤5を用いて圧電振動素子10を片持ち状態で支持し、凹所3の開口を金属蓋15により気密封止した構成を備えている。パッケージ外底面には、内部端子4と導通した実装端子6が配置されている。また、水晶振動素子10は、水晶基板11の表裏両面に夫々励振電極12と、各励振電極12から基板端縁に延びるリード電極13と、を形成した構成を備えている。
【0008】
図1の実施形態の特徴的な構成は、内部端子4の形状にあり、導電性接着剤5を介して圧電振動素子10のリード電極13を接続する際に、内部端子4の上面とリード電極13との間に挟まれた導電性接着剤5の先端側厚さt1が、その中間部の厚さt2よりも厚くなるように構成した点が特徴的である。
即ち、この実施形態では、内部端子4は、その上面の中間部に凸部20を形成することにより、該中間部を厚肉部としている。このため、内部端子4の上面とリード電極13との間に挟まれた導電性接着剤5の厚さは、凸部20よりも前方側(水晶振動素子の先端側)においてt1となり、凸部20の平坦な上面とリード電極13との間に位置する導電性接着剤の厚さはt2となり、t1>t2の関係にある。従って、凸部20上における導電性接着剤の厚さt2を、図8に示した従来の圧電振動子における内部端子と水晶振動素子下面との間の接着剤厚さ(通常、20μm)と同等に設定した場合、厚さt1の接着剤前部においては、従来の接着剤厚よりも凸部20の厚さ分だけ接着剤厚が増大することとなる。
なお、この例では、内部端子4の前後方向幅Aを0.6mm、厚さBを20μmとした場合に、凸部20の前後方向幅Cは0.2mm、高さDは20μmとした(但し、一例に過ぎない)。このため、厚さt1は、40μm、厚さt2は、20μmとなる。
また、凸部20よりも前方に位置する接着剤の厚みt1は、凸部20の高さにより規定されるため、接着剤粘度に影響されること無く、前方に位置する接着剤厚みt1を厚くすることが可能となる。
凸部20の形成方法としては、内部端子4上に導電材料から成る凸部20を形成する方法の他に、パッケージ2を構成する絶縁材料(セラミック)の上面のうち、内部端子4に相当する部分を部分的に突出させておき、この突出部分を含む領域に内部端子4を構成する導体膜を被覆することにより、内部端子4と凸部20を一括して形成することができる。このことは、以下の全ての実施形態に共通する事項である。
導電性接着剤5は、例えばシリコン系の導電性接着剤を用い、硬化条件は180℃での2時間加熱である。
このように本実施形態では、内部端子4の上面の中間部に凸部20を設けたので、内部端子4の上面と水晶振動素子の下面とを導電性接着剤により接続した場合に、凸部20よりも前方に位置する接着剤の厚さ、量が増大することとなり、衝撃によって水晶振動素子に対して、接着剤による保持部を中心として上下方向(厚さ方向)へモーメントが発生したとしても、その応力を十分に吸収緩和することが可能となる。従って、接着剤の弾性変形による応力が残留することがなくなり、接着剤による水晶振動素子の保持部に変形が発生することがない。即ち、接着剤側での応力集中により圧電振動素子と接着剤との接着部に微小な剥離や応力緩和が発生することがなくなり、接着剤による圧電振動素子端部の保持状態が変わることに起因した、特性劣化(周波数変動、等価抵抗値の変化)が発生する虞がなくなる。
【0009】
次に、図2は本発明の第2の実施形態に係る圧電デバイスにおける内部端子の構成を示す要部断面図である。この実施形態では、内部端子4の上面に設けた凸部20を図1の中間位置よりも後方に移動した形状を備えている。
この構造によっても、凸部20よりも前方に位置する導電性接着剤の肉厚t1を、凸部20上の接着剤の肉厚t2よりも大幅に厚くして、その部分の接着剤量を増大することができる。このため、図1の実施形態の場合と同様の原理によって、衝撃等によるモーメント発生時のダメージを吸収緩和し、特性の劣化を防ぐことが可能となる。
次に、図3は本発明の第3の実施形態に係る圧電デバイスの要部構成説明図であり、この実施形態に係る内部端子4は、その前後方向両端部を下方へ向かって厚さが漸減するように湾曲、或いは直線的に傾斜させた構成が特徴的である。なお、内部端子4と水晶振動素子10との間にはさまれた導電性接着剤5の前部の肉厚t1を後方部の肉厚t2よりも厚くするためには、内部端子4の前端部35にのみ湾曲、或いは傾斜面を形成すればよい。
この構造によっても、湾曲、或いは傾斜した前端部35の上方に位置する導電性接着剤の肉厚t1を、内部端子4の平坦な中央部の上方に位置する接着剤の肉厚t2よりも大幅に厚くして、その部分の接着剤量を増大することができる。このため、図1の実施形態の場合と同様の原理によって、衝撃等によるモーメント発生時のダメージを吸収緩和し、特性の劣化を防ぐことが可能となる。
次に、図4は、本発明の第4の実施形態に係る圧電デバイスの要部構成説明図であり、この実施形態に係る内部端子4は、内部端子4の前後方向幅を塗布された導電性接着剤5の同方向幅よりも狭くすることにより、接着剤の一部を内部端子4の前端部よりも前方にはみ出させた構成が特徴的である。内部端子4の前端部よりも前方に位置する導電性接着剤5の肉厚t1は、内部端子4の厚さに相当する分だけ厚くなり、その量も増量している。
この構造によっても、内部端子4の前方に位置する凹所内底面と水晶振動素子下面との間に位置する導電性接着剤5の肉厚t1を、内部端子4の上面の上方に位置する接着剤の肉厚t2よりも大幅に厚くして、その部分の接着剤量を増大することができる。このため、図1の実施形態の場合と同様の原理によって、衝撃等によるモーメント発生時のダメージを吸収緩和し、特性の劣化を防ぐことが可能となる。
【0010】
次に、図5及び図6に夫々示した実施形態は、水晶振動素子側の下面の適所に凸部を形成することにより、凹所内底面と水晶振動素子下面との間にはさまれた導電性接着剤の前部の量を多くした点が特徴的である。即ち、図5、及び図6の実施形態に係る圧電振動素子1は、導電性接着剤5を介して内部端子4と接続する際に、導電性接着剤の先端側厚さがその中間部、或いは/及び、後方部の厚さよりも厚くなるように構成されている。
まず、図5の実施形態では、水晶振動素子1を構成する水晶基板11の後端から少しく前方へ変位した下面適所に、凸部40を突設した。凸部40は、内部端子4の前後方向幅内に包含されるように位置が設定されており、また、凸部40の少なくとも一部にはリード電極13を構成する電極膜が形成されている。
凸部40は、エッチング加工または機械加工により形成する。
この実施形態では、内部端子4と対面する水晶基板11の下面適所に凸部40を形成している。このため、内部端子4の上面と水晶基板11(リード電極13)の下面との間に挟まれた導電性接着剤5の厚さは、凸部40よりも前方側(水晶振動素子の先端側)においてt1となり、凸部40の平坦な下面とリード電極13との間に位置する導電性接着剤の厚さはt2となり、t1>t2の関係にある。従って、凸部40直下に位置する導電性接着剤の厚さt2を、図8に示した従来の圧電振動子における内部端子と水晶振動素子下面との間の接着剤厚さと同等に設定した場合、厚さt1の接着剤前部においては、従来の接着剤厚よりも凸部40の厚さ分だけ接着剤厚が増大することとなる。
なお、この例では、例えば水晶基板10の前後方向長を2.8mm、厚さを0.128μmとし、中心周波数を13MHzとした構成例を前提としている。そして、凸部40の厚さを20μmとしている。
また、凸部40よりも前方に位置する接着剤の厚みt1は、凸部40の高さにより規定されるため、接着剤粘度に影響されること無く、前方に位置する接着剤厚みt1を厚くすることが可能となる。
凸部40は、各リード電極13が存在する水晶基板の下面にのみに局所的に独立して形成してもよいし、一つの長尺な凸部40を凹所内底面の全長に渡って2つのリード電極13に跨るように配置してもよい。
このように本実施形態では、水晶振動素子10のリード電極13に対応する位置に凸部40を設けたので、内部端子4の上面と水晶振動素子(リード電極)の下面とを導電性接着剤5により接続した場合に、凸部40よりも前方に位置する接着剤の厚さ、量が増大することとなり、衝撃によって水晶振動素子に対して、接着剤による保持部を中心として上下方向(厚さ方向)へモーメントが発生したとしても、その応力を十分に吸収緩和することが可能となる。従って、接着剤の弾性変形による応力が残留することがなくなり、接着剤による水晶振動素子の保持部に変形が発生することがない。即ち、接着剤側での応力集中により圧電振動素子と接着剤との接着部に微小な剥離や応力緩和が発生することがなくなり、接着剤による圧電振動素子端部の保持状態が変わることに起因した、特性劣化(周波数変動、等価抵抗値の変化)が発生する虞がなくなる。
【0011】
図6は本発明の第6の実施形態に係る圧電デバイスの要部構成図であり、図5における凸部40を水晶基板11の後端縁に沿った位置に配置した例を示している。凸部40の位置以外の構成、効果は図5の実施形態と同様である。
次に、図7(a)及び(b)は、従来構造の水晶振動子と、本発明の各実施形態に係る水晶振動子についての落下衝撃試験後の周波数変動を示す。落下衝撃の条件は、200g負荷を付けてコンクリート面上に、結晶軸X、Y、Zの6方向を1サイクル(1回)として落下した結果を示す。図7(b)に示すように、本実施形態に係る水晶振動子では、落下による周波数変動が小さくなっており、導電性接着剤前部の厚肉部による緩衝効果が高まっていることが明らかである。
なお、本発明は、水晶振動子等の圧電振動子のみならず、水晶振動子と発振回路を組み合わせた水晶発振器等の圧電発振器にも適用することができる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、圧電振動素子をパッケージ内の内部端子上に導電性接着剤によって片持ち支持した構造の圧電デバイスにおいて、落下、衝突などによる衝撃等によって接着剤による保持部に圧電振動素子を回転させる方向、その他の方向への応力が発生したとしても、接着剤による応力緩和能力を高めて接着剤による保持状態の変動を発生させないことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)及び(d)は本発明の一実施形態に係る圧電デバイスの一例としての水晶振動子の構造を示す縦断面図、金属蓋を除去した状態の平面図、パッケージの平面図、及び要部拡大図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る圧電デバイスにおける内部端子の構成を示す要部断面図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る圧電デバイスの要部構成説明図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る圧電デバイスの要部構成説明図。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る圧電デバイスの要部構成説明図。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る圧電デバイスの要部構成説明図。
【図7】(a)及び(b)は落下衝撃試験後の周波数変動の比較例を示す図。
【図8】(a)(b)及び(c)は従来例の説明図。
【図9】(a)及び(b)は従来例の欠点を説明する図。
【符号の説明】
1 水晶振動子、2 絶縁性パッケージ、3 凹所、4 内部端子(電極パッド)、5 導電性接着剤、6 実装端子、10 水晶振動素子(圧電振動素子)、11 水晶基板(圧電基板)、12 励振電極、13 リード電極、15 蓋、30 凸部35 前端部、40 凸部。
Claims (5)
- 内部端子と、該内部端子と導通した実装端子を備えた絶縁性パッケージと、圧電基板上に励振電極及びリード電極を形成した構成を備え且つ前記内部端子上に導電性接着剤によって該リード電極を電気的機械的に接続されることにより前記絶縁性パッケージ上に片持ち支持される圧電振動素子と、を少なくとも備えた圧電デバイスにおいて、前記圧電振動素子を構成する圧電基板は、前記内部端子と対面する下面の一部に凸部を有し、前記圧電振動素子は、前記導電性接着剤を介して前記内部端子と接続する際に、該導電性接着剤の前記圧電振動素子自由端側における厚さがその中間部、或いは/及び、前記圧電振動素子保持端側における厚さよりも厚くなるように構成されていることを特徴とする圧電デバイスにおける圧電振動素子の保持構造。
- 内部端子を備えた凹所を有し且つ外底面に該内部端子と導通した実装端子を備えた絶縁性パッケージと、圧電基板上に励振電極及びリード電極を形成した構成を備え且つ前記内部端子上に導電性接着剤によって該リード電極を電気的機械的に接続されることにより凹所内に片持ち支持される圧電振動素子と、該凹所開口を気密封止する金属蓋と、を少なくとも備えた圧電デバイスにおいて、前記圧電振動素子を構成する圧電基板は、前記内部端子と対面する下面の一部に凸部を有し、前記圧電振動素子は、前記導電性接着剤を介して前記内部端子と接続する際に、該導電性接着剤の前記圧電振動素子自由端側における厚さがその中間部、或いは/及び、前記圧電振動素子保持端側における厚さよりも厚くなるように構成されていることを特徴とする圧電デバイスにおける圧電振動素子の保持構造。
- 請求項1又は2に記載の圧電振動子の保持構造を備えたことを特徴とする圧電振動子。
- 請求項3に記載の圧電振動子と、発振回路とを備えたことを特徴とする圧電発振器。
- 請求項1又は2に記載の構造を備えたことを特徴とする圧電振動素子。
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