JP7094777B2 - 振動素子用の台座、振動子及び発振器 - Google Patents
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Description
従来の水晶振動子では、パッケージ及びパッケージ外部からの水晶片に与える影響を抑制する構成として、主に水晶から成る台座(水晶台座)を用いる構成が知られている。
また、パッケージを表裏に凹部が形成されたH構造とし、表側に水晶片と水晶台座を搭載し、裏面に発振回路のIC(Integrated Circuit)を搭載した水晶発振器がある。
パッケージの表面又は裏面に温度補償回路を設けた温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)がある。
尚、関連する先行技術として、特許第3017750号公報「水晶振動子」(特許文献1)、特許第4715252号公報「圧電振動子」(特許文献2)、特開2013-098678号公報「水晶振動子」(特許文献3)がある。
特許文献3には、温度変化に伴う水晶片の変形を防ぎ、良好な周波数温度特性が得られる構成の水晶振動子が示されている。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る振動素子用の台座(本台座)は、長辺に沿ってパッケージの基板に接続する接続部と、当該接続部の内側に長辺に沿って形成された隙間部と、隙間部で挟まれた、振動素子の搭載部と、搭載部を短辺方向に延設した延設部と、延設部と接続部を連結する連結部とを有するものであり、外部からの振動が接続部に伝達したとしても、連結部によって吸収して搭載部への伝達を防止でき、位相雑音特性を良好にできるものである。
また、本発明の実施の形態に係る発振器(本発振器)は、本振動子のパッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したものである。
本発振器について図1を参照しながら説明する。図1は、本発振器の概略図である。
本発振器は、図1に示すように、水晶片2と、水晶片2を搭載する台座1と、台座1を表面凹部に収容して当該凹部の底面(基板)に搭載するパッケージ3と、パッケージ3の裏面凹部に搭載される発振回路(IC)4と、パッケージ3の表面周囲に形成されるシームリング5と、蓋となるリッド6とを基本的に備えている。
例えば、水晶片2は、厚みすべり振動が奨励されるATカットが用いられる。
本発振器の各部について具体的に説明する。
台座1は、例えば、耐熱プラスチック等の樹脂、ガラス、絶縁膜が表面にコーティングされた金属等の絶縁材料で形成される。
また、台座1は、水晶片2と同様の水晶(水晶片2と同じATカットやZ板)により形成してもよい。その場合、台座1と水晶片2の熱膨張係数は略等しく、温度変化に伴う応力は発生しない。台座1の詳細は後述する。
水晶片2の表面及び裏面には、励振電極が形成され、台座1の電極パターンに導電性接着剤で接続される。
尚、台座1に搭載される振動素子として、ATカットの水晶片2からなる水晶共振子を用いたが、例えば、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子、その他の圧電振動子や微小電子機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)振動子等の振動子の発振素子(振動素子)を用いてもよい。
パッケージ3への台座1と発振回路4の搭載は、半田等で固定されるようになっている。
リッド6は、蓋となるもので、コバールをニッケルメッキしたもの等が用いられ、シームリング5に接着するよう形成される。
次に、本台座について図2~7を参照しながら説明する。図2は、本台座の表面説明図であり、図3は、本台座の長辺側面説明図であり、図4は、本台座の短辺側面説明図であり、図5は、本台座の裏面説明図であり、図6は、本台座の表面斜視図であり、図7は、本台座の裏面斜視図である。
本台座1は、図2に示すように、本体の2つの長辺に沿って内側に形成された隙間部10c,10dと、隙間部10c,10dによって挟まれ、水晶片2が搭載される中央の搭載部11と、搭載部11の短辺から本体短辺側に延びる延設部12と、4つの角部で円弧形状に湾曲する連結部13と、搭載部11の長辺に並行に設けられ、パッケージ3の基板(底面)に形成された電極に接続する接続部14とを備えている。
連結部13は、湾曲して腕のような構造となっているため、アーム部と呼ぶことがある。
そして、搭載部11の長辺に沿って2つのコの字状の隙間部10c,10dが形成されている。当該隙間部10c,10dは本台座1の表裏を貫通している。
また、接続部14は、図2,5~7に示すように、連結部13の幅に比べて広い幅となっている。パッケージ3の基板との接合面積を増やすことができる一方、連結部13を狭い幅とすることで、連結部13がたわんで柔軟性(弾性)を備えるものとなる。
具体的には、水晶片2と重なる部分に導電性接着剤が塗布される方形のパターンがあり、そこから近い延設部12側に引き出されて、連結部13を介して接続部14の右側の端部までパターンが形成される。
また、図5,7に示すように、本台座1の裏面において、連結部13と接続部14の裏側にも電極パターン10a,10bが形成されている。
また、導電性接着剤は、水晶片2の四隅近傍に形成されて、水晶片2を固定するものである。
つまり、パッケージ3の基板に接触する接続部14の厚みcが最も厚く、厚みbが最も薄い厚みとなっている。
これにより、外部から振動が接続部14に加わったとしても、その振動を連結部13と延設部12が吸収して緩和できる構成である。そのため、基板で発生した振動の影響が搭載部11に搭載された水晶片2に及ぶものとはならない。
本台座の応用例について図8を参照しながら説明する。図8は、本台座の応用例の表面説明図である。
応用例の本台座1は、図8に示すように、電極パターンの形状が対角に形成されるもので、搭載部11の中心点を点対称に形成されている。
この場合も、水晶片2の四隅近傍で導電性接着剤により本台座1に固定される。
応用例では、電極パターンのバリエーションを示したものである。
本台座1及び応用例の本台座1によれば、接続部14の裏側の電極パターンがパッケージ3の基板に形成された電極パターンと半田により固定され、隙間部10c,10dで囲まれた搭載部11には、連結部13と延設部12で接続する構成としているので、外部からの振動が接続部14に伝達したとしても、連結部13によって吸収して搭載部11への伝達を防止でき、位相雑音特性を良好にできる効果がある。
Claims (5)
- 振動素子が搭載され、パッケージの基板に設置される振動素子用の台座であって、
本体が、
当該本体の長辺に沿って形成され、前記基板と接触する2つの接続部と、
前記接続部より前記本体の内側で前記長辺に沿って形成される2つの隙間部と、
前記2つの隙間部で挟まれ、前記振動素子が搭載される搭載部と、
前記搭載部の短辺から前記本体の短辺側に延びる延設部と、
前記本体の四隅に形成され、前記延設部と前記接続部とを接続する連結部とを有し、
前記接続部は、前記基板側に突出しており、
前記連結部は、前記搭載部より厚みを薄く、前記接続部より幅を狭くしたことを特徴とする台座。 - 連結部は、円弧形状に湾曲した形状としたことを特徴とする請求項1記載の台座。
- 延設部が、搭載部の短辺の幅より狭い形状で本体の短辺側に延びて形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の台座。
- 請求項1乃至3のいずれか記載の台座に振動素子を搭載し、パッケージの表面凹部の底面の基板に設置したことを特徴とする振動子。
- 請求項1乃至3のいずれか記載の台座に振動素子を搭載し、パッケージの表面凹部の底面の基板に設置し、前記パッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したことを特徴とする発振器。
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