JP2020072388A - 振動素子用の台座、振動子及び発振器 - Google Patents

振動素子用の台座、振動子及び発振器 Download PDF

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篤弥 池谷
Shigeya Iketani
篤弥 池谷
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Abstract

【課題】 外部からの振動の影響を抑えて耐振性を向上させ、位相雑音特性を良好にできると共に、衝撃への耐性を向上させることができる振動素子用の台座、振動子及び発振器を提供する。【解決手段】 水晶片2を搭載する搭載部11と、搭載部11の対向する2つの長辺の各々に平行に設けられ、パッケージ3内に形成された電極に接続する2つの接続部14と、搭載部11と接続部14とを連結する連結部13とを備え、その連結部13が、段曲げを有するZ型曲げ形状とした台座であり、その台座を用いた振動子及び発振器である。【選択図】 図2

Description

本発明は、振動素子を搭載する台座に係り、特に、外部からの振動への耐性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動素子用の台座、振動子及び発振器に関する。
[従来の技術]
従来の水晶振動子では、パッケージ及びパッケージ外部からの水晶片に与える影響を抑制する構成として、主に水晶から成る台座(水晶台座)を用いる構成が知られている。
また、パッケージを表裏に凹部が形成されたH構造とし、表側に水晶片と水晶台座を搭載し、裏面に発振回路のIC(Integrated Circuit)を搭載した水晶発振器がある。
パッケージの表面又は裏面に温度補償回路を設けた温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)がある。
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特許第3017750号公報「水晶振動子」(特許文献1)、特許第4715252号公報「圧電振動子」(特許文献2)、特開2013−098678号公報「水晶振動子」(特許文献3)がある。
特許文献1には、保持用水晶板に振動子用水晶片を搭載する位置に凹部を形成し、その凹部によって形成される隙間で振動子用水晶片を確実に励振させ、振動子用水晶片の長手方向での熱によるストレスを発生させない水晶振動子が示されている。
特許文献2には、基板における熱膨張の影響を小さくするために、隙間を有するスプリング部を備える圧電振動子が示されている。
特許文献3には、温度変化に伴う水晶片の変形を防ぎ、良好な周波数温度特性が得られる構成の水晶振動子が示されている。
特許第3017750号公報 特許第4715252号公報 特開2013−098678号公報
しかしながら、従来の水晶振動子又は水晶発振器における水晶台座では、外部からの振動が水晶片に影響してしまい、その振動によって位相雑音特性が劣化するという問題点があった。
尚、特許文献1〜3には、セラミック等の基板と接触する電極部分の厚みを厚くし、水晶片を搭載する搭載部を薄くして基板から浮かせ、電極部分と搭載部を接続する部分を更に薄くして、外部からの振動への耐振動特性を向上させる構成の記載がない。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、外部からの振動の影響を抑えて耐振動特性を向上させ、位相雑音特性を良好にできると共に、衝撃への耐性を向上させることができる振動素子用の台座、振動子及び発振器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、振動素子を搭載する振動素子用の台座であって、振動素子が搭載される搭載部と、搭載部において対向する二辺の各々に平行に設けられ、パッケージ内に形成された電極に接続する2つの接続部と、搭載部と接続部とを連結する連結部とを備え、当該連結部が、段曲げを有するZ型曲げ形状であることを特徴とする。
本発明は、上記台座において、連結部の複数の段曲げを2段以上の偶数段としたことを特徴とする。
本発明は、上記台座において、接続部の厚みを、搭載部の厚みより厚くしたことを特徴とする。
本発明は、上記台座において、接続部を搭載部の短辺に平行に設け、連結部を搭載部の短辺の中央部分と接続部とを連結したことを特徴とする。
本発明は、振動子において、上記台座に振動素子を搭載し、パッケージ表面凹部に設置したことを特徴とする。
本発明は、上記振動子において、振動素子を中央部分の厚みに対して周囲部分の厚みを厚くしたことを特徴とする。
本発明は、発振器において、上記台座に振動素子を搭載し、パッケージ表面凹部に設置し、パッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したことを特徴とする。
本発明は、上記発振器において、振動素子を中央部分の厚みに対して周囲部分の厚みを厚くしたことを特徴とする。
本発明によれば、振動素子が搭載される搭載部と、搭載部において対向する二辺の各々に平行に設けられ、パッケージ内に形成された電極に接続する2つの接続部と、搭載部と接続部とを連結する連結部とを備え、当該連結部が、段曲げを有するZ型曲げ形状である振動素子用の台座としているので、外部からの振動が接続部に伝達されたとしても、連結部で吸収して搭載部への影響を小さくできる効果がある。
第1の台座の平面説明図である。 第1の台座とパッケージの断面説明図である。 第2の台座とパッケージの断面説明図である。 第3の台座の部分断面説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る台座(本台座)は、水晶片等の振動素子を搭載する搭載部と、搭載部の対向する二辺の各々に平行に設けられ、パッケージ内に形成された電極に接続する2つの接続部と、搭載部と接続部とを連結する連結部とを備え、当該連結部が、段曲げを有するZ型曲げ形状であり、これにより、外部からの振動が接続部に伝達されたとしても、連結部で吸収して搭載部への影響を小さくし、位相雑音特性を良好にできるものである。
また、本発明の実施の形態に係る振動子は(本振動子)は、本台座に振動素子を搭載し、凹部を有するパッケージに台座を設置したものである。
また、本発明の実施の形態に係る発振器(本発振器)は、本振動子のパッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したものである。
[第1の台座:図1、図2]
次に、本発明の実施の形態に係る第1の台座(第1の台座)について図1,2を参照しながら説明する。図1は、第1の台座の平面説明図であり、図2は、第1の台座とパッケージの断面説明図である。
第1の台座の本体1は、図1に示すように、搭載部11と、連結部13と、接続部14とから基本的に構成され、搭載部11と接続部14とを連結部13で連結している。
第1の台座は、例えば、耐熱プラスチック等の樹脂、ガラス、絶縁膜が表面にコーティングされた金属等の絶縁材料で形成される。
また、台座1は、水晶片2と同様の水晶(水晶片2と同じATカットやZ板)により形成してもよい。その場合、台座1と水晶片2の熱膨張係数は略等しく、温度変化に伴う応力は発生しないものである。
後述する第2、第3の台座でも同様の材料を用いるものとする。
搭載部11は、長方形の形状で、水晶片2の振動素子が四隅の4箇所で導電性接着剤4にて搭載されている。
搭載部11の2つの短辺に並行に2つの接続部14が左右に形成され、それぞれの接続部14と搭載部11とを連結部13で連結している。
つまり、搭載部11の短辺の中央部分と接続部14の長辺の中央部分が、連結部13によって接続されている。
尚、第1の台座では、搭載部11の短辺に連結部13と接続部14を形成する構成としたが、搭載部11の長辺に連結部13と接続部14を形成した構成としてもよい。
そして、図2に示すように、搭載部11の厚みに対して、接続部14の厚みを厚くし、搭載部11がパッケージ3の内側底面に接触しないようにしている。接続部14は、当該底面に導電性接着剤5により固定され、その底面に形成された電極に接続している。
また、連結部13は、図2に示すように、段曲げを有するZ型曲げ形状であり、搭載部11と接続部14とを複数の段曲げされた状態で連結している。図2では、2段の段曲げで、階段状となっている。
そして、図2では、搭載部11に接続する側の連結部13の表面が、搭載部11の表面と同じ高さの面となっており、途中で折り曲げられた形状で、接続部14に接続する側の連結部13の表面は、接続部14の表面より低い位置で接続している。
尚、接続部14に接続する側の連結部13の裏面と搭載部11の裏面とが同じ高さの面となっている。
このように、連結部13を一直線の接続形状とはせず、Z型曲げ形状としているのは、一直線の接続形状に比べて変形し易い構造とするためである。
それにより、外部からの振動が接続部14に伝達されたとしても、連結部13が変形して、その振動を吸収し、搭載部11には伝達されないようになっている。
更に、連結部13は、折り曲げられた形状であるが、その厚みは接続部14及び搭載部11の厚みより薄いものとなっている。
連結部13の厚みが、折り曲げられているものの、搭載部11の厚みより薄くなっていることで、外部からの振動を連結部13が吸収するものとなっている。
尚、第1の台座の本体1は、一つの素材をエッチング等で削って一体に形成しており、連結部13を折り曲げて形成しているわけではない。後述する第2,3の台座の本体も同様に形成するものである。
また、搭載部11には対角に水晶片2の励振電極に接続する電極パターン10a,10bが形成されている。電極パターン10a,10bは、金等の薄膜で形成される。
電極パターン10aは、図1の搭載部11の左下側から連結部13の左下側を介して接続部14の左下側まで形成され、連結部13の側面及び底面、接続部14の側面及び底面の一部にも電極パターンが形成されている。
電極パターン10bは、図1の搭載部11の右上側から連結部13の右上側を介して接続部14の右上側まで形成され、連結部13の側面及び底面、接続部14の側面及び底面の一部にも電極パターンが形成されている。
接続部14の底面の電極パターン10a,10bがパッケージ3に形成された電極に導電性接着剤5を介して接続するようになっている。
水晶片2の表面及び裏面には、励振電極が形成され、搭載部11の表面に形成された電極パターン10a,10bに導電性接着剤4で接続される。
尚、ここでは、台座に搭載される振動素子として、ATカットの水晶片2からなる水晶共振子を用いたが、例えば、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子、その他の圧電振動子等の発振素子(振動素子)を用いてもよい。
パッケージ3は、図2に示すように、凹形状の凹部を備え、第1の台座の接続部14が搭載される。接続部14の底面は、パッケージ3の内側底面に設置される基板の回路に接続している。
また、第1の台座を用いた本発振器は、発振回路(IC)がパッケージ3の裏面凹部に収納され、その凹部の底面(基板)に搭載される。
尚、当該IC以外の温度補償回路をパッケージ3の表面基板又は裏面基板に設けてもよい。温度補償回路を備えると、温度補償型水晶発振器(TCXO)となる。
[第2の台座:図3]
次に、本発明の実施の形態に係る第2の台座(第2の台座)について図3を参照しながら説明する。図3は、第2の台座の断面説明図である。
第2の台座は、図3に示すように、連結部13aの形状が図2の連結部13と異なっている。
具体的には、連結部13aは、図3に示すように、段曲げを有するZ型曲げ形状で、搭載部11と接続部14とを複数の段曲げされた状態で連結している。図3では、2段の段曲げで、階段状となっている。
そして、図3では、接続部14に接続する側の連結部13aの表面が、接続部14の表面と同じ高さの面となっており、途中で折り曲げられて、搭載部11に接続する側の連結部13aの表面は、搭載部11の表面より低い位置で接続している。
尚、搭載部11に接続する側の連結部13aの裏面と搭載部11の裏面とが同じ高さの面となっている。
第2の台座によれば、外部からの振動が接続部14から伝わっても、Z型曲げ形状で厚みが薄い連結部13aが振動を吸収して厚みがある搭載部11に伝達しないものとなっている。この効果は、第1の台座と同様である。
[第3の台座:図4]
次に、本発明の実施の形態に係る実施の形態の第3の台座(第3の台座)について図4を参照しながら説明する。図4は、第4の台座の部分断面説明図である。
第3の台座は、図4に示すように、連結部13bが、複数のZ型曲げ形状を組み合わせたものとなっている。
具体的には、連結部13bには、段曲げが6箇所形成されている。
このように、複数の段曲げの箇所を連結部13bに設けることで、外部からの振動が接続部13に伝達しても、厚みが薄い連結部13bが変形して振動を吸収し、厚みがある搭載部11に外部からの振動を伝達しないものとなっている。
第3の台座は、第1,2の台座に比べて連結部13bが外側に長くなるが、振動をより吸収する効果がある。
[水晶片の応用例]
次に、水晶片2の応用例を説明する。
上述したように、振動片の水晶片2は、平板であるが、中央部分に対して周囲部分を厚くした構造としてもよい。その場合、中央部分の薄い領域に励振電極を形成する。
水晶片2の周囲部分が厚い構造であると、その部分はたゆむことがないため、中央部分の薄い領域に外部からの振動を伝達させないようになっている。
応用例の形状としては、水晶片2の裏面(搭載部11の表面側)中央に凹形状の凹部を形成するものや、水晶片2の表面中央に凹形状の凹部を形成するものや、水晶片2の表面と裏面の両方に凹形状の凹部を形成するものがある。
凹部の内側底面に励振電極が形成される中央部分となる。
水晶片2の応用例では、外部からの振動が搭載部11に伝達されたとしても、水晶片2の周囲部分がたゆまない構造であるので、水晶片2の励振電極が形成された中央部分までは外部からの振動を伝達させないようになっている。
[実施の形態の効果]
第1〜3の台座によれば、水晶片2を搭載する搭載部11と、搭載部11の対向する2つの短辺の各々に平行に設けられ、パッケージ3内に形成された電極に接続する2つの接続部14と、搭載部11と接続部14とを連結する連結部13,13a,13bとを備え、その連結部13,13a,13bが、段曲げを有するZ型曲げ形状であるものとしているので、外部からの振動が接続部14に伝達されたとしても、連結部13,13a,13bで吸収して搭載部11への影響を小さくし、位相雑音特性を良好にできる効果がある。
本発明は、外部からの振動の影響を抑えて耐振性を向上させ、位相雑音特性を良好にできると共に、衝撃への耐性を向上させることができる振動素子用の台座、振動子及び発振器に好適である。
1…台座の本体、 2…水晶片、 3…パッケージ、 4,5…導電性接着剤、 10a,10b…電極パターン、 11…搭載部、 13,13a,13b…連結部、 14…接続部

Claims (8)

  1. 振動素子を搭載する振動素子用の台座であって、
    振動素子が搭載される搭載部と、
    前記搭載部において対向する二辺の各々に平行に設けられ、パッケージ内に形成された電極に接続する2つの接続部と、
    前記搭載部と前記接続部とを連結する連結部とを備え、
    当該連結部は、段曲げを有するZ型曲げ形状であることを特徴とする台座。
  2. 連結部の複数の段曲げを2段以上の偶数段としたことを特徴とする請求項1記載の台座。
  3. 接続部の厚みを、搭載部の厚みより厚くしたことを特徴とする請求項1又は2記載の台座。
  4. 接続部を搭載部の短辺に平行に設け、
    連結部を前記搭載部の短辺の中央部分と前記接続部とを連結したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の台座。
  5. 請求項1乃至4記載の台座に振動素子を搭載し、パッケージ表面凹部に設置したことを特徴とする振動子。
  6. 振動素子を中央部分の厚みに対して周囲部分の厚みを厚くしたことを特徴とする請求項5記載の振動子。
  7. 請求項1乃至4記載の台座に振動素子を搭載し、パッケージ表面凹部に設置し、前記パッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したことを特徴とする発振器。
  8. 振動素子を中央部分の厚みに対して周囲部分の厚みを厚くしたことを特徴とする請求項7記載の発振器。
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