JP2020065212A - 振動子及び発振器 - Google Patents

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隆司 松本
Takashi Matsumoto
隆司 松本
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Abstract

【課題】 外部からの振動の影響を抑えて耐振動特性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動子及び発振器を提供する。【解決手段】 台座の本体の長辺に沿ってパッケージ3の基板に接続する接続部14と、接続部14の内側に長辺に沿って形成された隙間部10c,10dと、隙間部10c,10dで挟まれた、水晶片2の搭載部11と接続部14を連結する連結部13とを有し、水晶片2の中心部分を周囲と比べて薄くするよう凹部2a,2bを形成した振動子及び発振器である。【選択図】 図8

Description

本発明は、振動素子を台座に搭載した振動子に係り、特に、外部からの振動への耐性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動子及び発振器に関する。
[従来の技術]
従来の水晶振動子では、パッケージ及びパッケージ外部からの水晶片に与える影響を抑制する構成として、主に水晶から成る台座(水晶台座)を用いる構成が知られている。
また、パッケージを表裏に凹部が形成されたH構造とし、表側に水晶片と水晶台座を搭載し、裏面に発振回路のIC(Integrated Circuit)を搭載した水晶発振器がある。
パッケージの表面又は裏面に温度補償回路を設けた温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)がある。
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特許第3017750号公報「水晶振動子」(特許文献1)、特許第4715252号公報「圧電振動子」(特許文献2)、特開2013−098678号公報「水晶振動子」(特許文献3)がある。
特許文献1には、保持用水晶板の振動用水晶片を搭載する位置に凹部を形成し、その凹部によって形成される隙間で振動用水晶片を確実に励振させ、励振用水晶片の長手方向での熱によるストレスを発生させない水晶振動子が示されている。
特許文献2には、基板における熱膨張の影響を小さくするために、隙間を有するスプリング部を備える圧電振動子が示されている。
特許文献3には、温度変化に伴う水晶片の変形を防ぎ、良好な周波数温度特性が得られる構成の水晶振動子が示されている。
特許第3017750号公報 特許第4715252号公報 特開2013−098678号公報
しかしながら、従来の水晶振動子又は水晶発振器における水晶台座では、外部からの振動が水晶片に影響してしまい、その振動によって位相雑音特性が劣化するという問題点があった。
尚、特許文献1〜3には、セラミック等の基板と接触する電極部分の厚みを厚くし、水晶片を搭載する搭載部を薄くして基板から浮かせ、電極部分と搭載部を接続する部分を更に薄くして、外部からの振動への耐振動特性(耐振性)を向上させる構成の記載がない。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、外部からの振動の影響を抑えて耐振性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動子及び発振器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、振動素子と、パッケージの基板に設置される振動素子用の台座とを備える振動子であって、台座が、当該台座の本体の長辺に沿って形成され、基板と接触する2つの接続部と、接続部より本体の内側で長辺に沿って形成される2つの隙間部と、2つの隙間部で挟まれ、振動素子が搭載される搭載部と、本体の四隅に形成され、搭載部と接続部とを接続する連結部とを有し、振動素子が、当該振動素子の中央部分が周辺部分に比べて薄く形成されていることを特徴とする。
本発明は、上記振動子において、台座の接続部が、基板側に突出していることを特徴とする。
本発明は、上記振動子において、台座の連結部が、搭載部より厚みを薄く、接続部より幅を狭くしたことを特徴とする。
本発明は、上記振動子において、台座の連結部が、円弧形状に湾曲した形状としたことを特徴とする。
本発明は、上記振動子において、振動素子の中央部分が、表面又は裏面の一方に凹形状の凹部を形成して薄くするか、表面及び裏面の両方に凹形状の凹部を形成して薄くしたことを特徴とする。
本発明は、上記振動子において、台座に振動素子を搭載して、パッケージの表面凹部の底面の基板に設置したことを特徴とする。
本発明は、発振回路において、上記振動子を設置したパッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、台座が、当該台座の本体の長辺に沿って形成され、基板と接触する2つの接続部と、接続部より本体の内側で長辺に沿って形成される2つの隙間部と、2つの隙間部で挟まれ、振動素子が搭載される搭載部と、本体の四隅に形成され、搭載部と接続部とを接続する連結部とを有し、振動素子が、当該振動素子の中央部分が周辺部分に比べて薄く形成されている振動子としているので、外部からの振動が接続部に伝達したとしても、連結部によって吸収して搭載部への伝達を防止でき、位相雑音特性を良好にできる効果がある。
本発振器の概略図である。 本台座の表面説明図である。 本台座の長辺側面説明図である。 本台座の短辺側面説明図である。 本台座の裏面説明図である。 本台座の表面斜視図である。 本台座の裏面斜視図である。 本水晶片の概略図である。 別の水晶片の断面説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る振動子(本振動子)は、以下の振動素子が以下の台座に搭載されたものである。
本発明の実施の形態に係る振動素子用の台座(本台座)は、長辺に沿ってパッケージの基板に接続する接続部と、当該接続部の内側に長辺に沿って形成された隙間部と、隙間部で挟まれた、振動素子の搭載部と、搭載部と接続部を連結する連結部とを有するものであり、外部からの振動が接続部に伝達したとしても、連結部によって吸収して搭載部への伝達を防止でき、位相雑音特性を良好にできるものである。
また、本発明の実施の形態に係る振動素子(本振動素子又は水晶片)は、本台座に搭載するもので、本振動素子の周囲を厚くし、励振電極の中央部分を薄くすることで、耐振動特性を向上させることができる。
また、本振動子は、本台座に本振動素子を搭載し、凹部を有するパッケージに台座を設置したものである。
また、本発明の実施の形態に係る発振器(本発振器)は、本振動子のパッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したものである。
[本発振器:図1]
本発振器について図1を参照しながら説明する。図1は、本発振器の概略図である。
本発振器は、図1に示すように、水晶片2と、水晶片2を搭載する台座1と、台座1を表面凹部に収容して当該凹部の底面(基板)に搭載するパッケージ3と、パッケージ3の裏面凹部に搭載される発振回路(IC)4と、パッケージ3の表面周囲に形成されるシームリング5と、蓋となるリッド6とを基本的に備えている。
例えば、水晶片2は、厚みすべり振動が励振されるATカットが用いられる。
[本発振器の各部]
本発振器の各部について具体的に説明する。
台座1は、例えば、耐熱プラスチック等の樹脂、ガラス、絶縁膜が表面にコーティングされた金属等の絶縁材料で形成される。
また、台座1は、水晶片2と同様の水晶(水晶片2と同じATカットやZ板)により形成してもよい。その場合、台座1と水晶片2の熱膨張係数は略等しく、温度変化に伴う応力は発生しない。台座1の詳細は後述する。
水晶片2は、台座1に導電性接着剤で固定されて搭載される。
水晶片2の表面及び裏面には、励振電極が形成され、台座1の電極パターンに導電性接着剤で接続される。
尚、台座1に搭載される振動素子として、ATカットの水晶片2からなる水晶共振子を用いたが、例えば、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子、その他の圧電振動子や微小電子機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)振動子等の発振素子(振動素子)を用いてもよい。
パッケージ3は、セラミック等で形成され、表面及び裏面の両面に凹部が形成された断面H型の形状となっており、表面凹部に台座1及び水晶片2を収納し、当該凹部の底面(基板)に台座1を搭載し、裏面凹部に発振回路4を収容して搭載している。
パッケージ3への台座1と発振回路4の搭載は、半田等で固定されるようになっている。
発振回路(IC)4は、パッケージ3の裏面凹部に収納され、その凹部の底面(基板)に搭載される。尚、当該IC4以外の温度補償回路をパッケージ3の表面基板又は裏面基板に設けてもよい。温度補償回路を備えると、温度補償型水晶発振器(TCXO)となる。
シームリング5は、シーム封止を行うためにパッケージ3の表面周囲に銀(Ag)ロウ等で形成される。
リッド6は、蓋となるもので、コバールをニッケルメッキしたもの等が用いられ、シームリング5に接着するよう形成される。
[本台座:図2〜7]
次に、本台座について図2〜7を参照しながら説明する。図2は、本台座の表面説明図であり、図3は、本台座の長辺側面説明図であり、図4は、本台座の短辺側面説明図であり、図5は、本台座の裏面説明図であり、図6は、本台座の表面斜視図であり、図7は、本台座の裏面斜視図である。
本台座1は、図2に示すように、本体の2つの長辺に沿って内側に形成された隙間部10c,10dと、隙間部10c,10dによって挟まれ、水晶片2が搭載される中央の搭載部11と、4つの角部で円弧形状に湾曲する連結部13と、本体の2つの長辺上に形成され、パッケージ3の基板(底面)に形成された電極に接続する接続部14とを備えている。
連結部13は、搭載部11と接続部14とを接続し、湾曲して腕のような構造となっている。そのため、アーム部と呼ぶことがある。
ここで、搭載部11は、中央部分の矩形の領域から、本体の両短辺に亘って形成されてる。
つまり、本台座1は、略長方形状の搭載部11の長辺に並行して接続部14が形成され、搭載部11と接続部14とが、本体の角部において連結部13によって接続された構成である。
そして、搭載部11の長辺に沿って2つのコの字状の隙間部10c,10dが形成されている。当該隙間部10c,10dは本台座1の表裏を貫通している。
ここで、搭載部11の短辺(本体の短辺に重なる部分)の長さ(図2の縦方向の長さ)は、搭載部分11の中央部分に比べて短くなっている。それによって、隙間部10c,10dが上下に向けて開く、コの字状となっている。このような構成にすることで、より大きな柔軟性(弾性)を備えるものである。
また、接続部14は、図3,4に示すように、他の構成部に比べてパッケージ3の下側(基板側)に突出している。つまり、パッケージ3の基板に接触するのは、接続部14だけとなる。
また、接続部14は、図2,5〜7に示すように、連結部13の幅に比べて広い幅となっている。パッケージ3の基板との接合面積を増やすことができる一方、連結部13を狭い幅として細くすることで、連結部13がたわんで柔軟性(弾性)を備えるものとなる。
そして、本台座1の表面には、図2に示すように、電極パターン10a,10bが形成されている。電極パターン10a,10bは、金等の金属の薄膜で形成される。
具体的には、電極パターン10a,10bは、水晶片2と重なる部分に導電性接着剤が塗布される方形のパターンがあり、そこから近い本体の短辺側に引き出されて、連結部13を介して接続部14の右側の端部まで形成される。
更に、電極パターン10a,10bは、図3,4,6に示すように、連結部13の側面と接続部14の側面にも形成されている。
また、図5,7に示すように、本台座1の裏面において、連結部13と接続部14の裏側にも電極パターン10a,10bが形成されている。
また、導電性接着剤は、水晶片2の四隅近傍に塗布されて、水晶片2を固定するものである。
各部の厚みについて説明する。
まず、搭載部11の部分の厚みをa、連結部13の厚みbとすると、関係は、a>bとなる。そして、接続部14の厚みcは、c>a>bの関係となる。
つまり、パッケージ3の基板に接触する接続部14の厚みcが最も厚く、連結部13の厚みbが最も薄くなっている。
これは、接続部14の厚みを最も厚くすることで、接続部14の底面だけをパッケージ3の基板に接続して、連結部13及び搭載部11を基板から浮かせる構成とするものである。
これにより、外部から振動が接続部14に加わったとしても、その振動を連結部13が吸収して緩和できる構成としている。そのため、基板で発生した振動の影響が搭載部11に搭載された水晶片2に及ぶものとはならない。
また、連結部13の厚みを最も薄くしたことにより、連結部13が応力に対する柔軟性を備える構成となり、振動の影響を吸収しやすくするものである。更に、搭載部11の厚みを連結部13の厚みより厚くし、剛性を高めることにより、複数の連結部13からの応力による搭載部11自体の変形を防ぐことができる。これにより、搭載部11と水晶片2との間の応力の発生を抑え、耐振動特性と耐衝撃性を向上させることができる。
[本水晶片:図8]
本台座に搭載される振動素子について図8を参照しながら説明する。振動素子として水晶片(本水晶片)2を例に説明する。図8は、本水晶片の概略図である。尚、(a)が本水晶片の平面図であり、(b)が(a)におけるA−A´の断面説明図である。
本水晶片2は、図8に示すように、裏面の中央部に凹形状の凹部2aを備えた逆メサ構造となっている。つまり、本水晶片2の中央部分が薄くなっている。
そして、本水晶片2の中央部分において、表面には励振電極21が形成され、裏面には励振電極22が形成されている。
また、励振電極21は本水晶片2の一つの角部に形成された接続端子21aに接続され、励振電極22は本水晶片2の他の角部に形成された接続端子22aに接続され、それぞれ、本台座1の電極パターン10a,10bに導電性接着剤で接続するようになっている。
本水晶片2は、励振電極21,22が形成された中央部分が薄く、その周辺部分が厚くなっているので、薄い中央部分で振動して、周辺の厚い部分はたわまない構造である。これにより、本台座1で発生した振動が本水晶片2に伝達するのを防止しており、耐振動特性が向上すると共に、本水晶片2がたわまないことで周波数特性が安定するものである。
[別の水晶片:図9]
次に、本発明の別の実施の形態に係る振動素子(別の振動素子)について図9を参照しながら説明する。別の振動素子として水晶片(別の水晶片)2を例に説明する。図9は、別の水晶片の断面説明図である。尚、別の水晶片として、図9の(a)(b)で2つの形状を示している。
図8(b)は、水晶片2の下側(裏面)に凹形状の凹部2aを形成していたが、図9(a)の形状は、水晶片2の上側(表面)に凹形状の凹部2bを形成して中央部分を薄くした構成としている。
図9(a)の構造の場合、本台座1と水晶片2とが導電性接着剤を介して接続するので、両者の間には隙間ができ、その隙間があることで水晶片2が振動できるようになっている。
また、図9(b)は、水晶片2の表面及び裏面に凹部2a,2bを形成している。中央部分の厚さは、図8(b)及び図9(a)と同じ厚さであり、水晶片2の周囲の厚さも図8(b)及び図9(a)と同程度となっている。
[実施の形態の効果]
本振動子によれば、本台座が、接続部14の裏側の電極パターンがパッケージ3の基板に形成された電極パターンと半田により固定され、隙間部10c,10dで囲まれた搭載部11と接続部14とを連結部13で接続し、本水晶片2が、周囲部分の厚さに比べて中央部分を薄くする構成としているので、外部からの振動が接続部14に伝達したとしても、連結部13によって吸収して搭載部11への伝達を防止でき、位相雑音特性を良好にでき、更に、水晶片2の周囲の厚み部分がたわまないため、外部からの振動を防止して周波数特性を安定化できる効果がある。
本発明は、外部からの振動の影響を抑えて耐振性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる水晶片用の台座、水晶振動子及び水晶発振器に好適である。
1…台座、 2…水晶片、 3…パッケージ、 4…発振回路(IC)、 5…シームリング、 6…リッド、 10a,10b…電極パターン、 10c,10d…隙間部、 11…搭載部、 12…延設部、 13…連結部、 14…接続部、 2a,2b…凹部、21,22…励振電極

Claims (7)

  1. 振動素子と、パッケージの基板に設置される振動素子用の台座とを備える振動子であって、
    前記台座が、
    当該台座の本体の長辺に沿って形成され、前記基板と接触する2つの接続部と、
    前記接続部より前記本体の内側で前記長辺に沿って形成される2つの隙間部と、
    前記2つの隙間部で挟まれ、前記振動素子が搭載される搭載部と、
    前記本体の四隅に形成され、前記搭載部と前記接続部とを接続する連結部とを有し、
    前記振動素子が、
    当該振動素子の中央部分が周辺部分に比べて薄く形成されていることを特徴とする振動子。
  2. 台座の接続部は、基板側に突出していることを特徴とする請求項1記載の振動子。
  3. 台座の連結部は、搭載部より厚みを薄く、接続部より幅を狭くしたことを特徴とする請求項1又は2記載の振動子。
  4. 台座の連結部は、円弧形状に湾曲した形状としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の振動子。
  5. 振動素子の中央部分は、表面又は裏面の一方に凹形状の凹部を形成して薄くするか、前記表面及び前記裏面の両方に凹形状の凹部を形成して薄くしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の振動子。
  6. 台座に振動素子を搭載して、パッケージの表面凹部の底面の基板に設置したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の振動子。
  7. 請求項6記載の振動子を設置したパッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したことを特徴とする発振器。
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