JP4314722B2 - プラズマディスプレイおよびプラズマディスプレイ用基板の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイおよびプラズマディスプレイ用基板の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイ用基板およびプラズマディスプレイ(以下PDPという)の製造方法およびその製造の際に用いる蛍光体層乾燥用連続熱風乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
AC型PDPの一例を図2に示す。一般に、PDPの蛍光体層は、隔壁4で仕切られて形成された溝又は空間に蛍光体ペーストを充填し、その後乾燥を行うことによって隔壁4の側面及び底部に形成されるが、PDPの輝度は蛍光体層の形状により大きく左右されるので、これを制御する方法が必要である。従来の乾燥工程では、連続赤外線乾燥装置やバッチ式熱風オーブンを用いて蛍光体層を形成していた。また、最近では特開平11−339659号公報に見られるように、真空乾燥を行うことも提案されている。
【0003】
しかしながらこれらの方法では、蛍光体層の形状を十分に制御することができず、蛍光体層の形状はペーストに依存することになってしまうという問題があった。また、一般の熱風乾燥炉を使用して乾燥した場合、基板全体への熱の伝わり方が均等ではないため、1m角以上の大きな基板では面内でのばらつきが発生し、十分な輝度を得られなかったり、厚さむらが発生する原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の課題を解決するものであって、乾燥工程で熱風の風速を可変にすることによって蛍光体層の形状を制御し、高輝度なPDPを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のプラズマディスプレイ用基板の製造方法は、基板上の隔壁上に蛍光体層を有するプラズマディスプレイ用基板の製造方法であって、蛍光体層形成の際、蛍光体粉末、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル樹脂およびイソブチルメタクリレート樹脂から選ばれる1つ以上からなるバインダー、ならびにベンジルアルコール、テルピネオール、γ−ブチロラクトン、テトラリンおよびブチルセロソルブアセテートから選ばれる1つ以上からなる溶媒を含む蛍光体ペーストを用い、少なくとも熱風加熱によって蛍光体ペーストの乾燥を行い、基板の上方より120〜160℃の熱風を吹き付け、熱風乾燥時の基板の表面を流れるときの風速を0.3〜8.0m/secの範囲内とし、かつ熱風が主隔壁の長手方向と平行に流れるようにすることを特徴とする。
【0006】
また、本発明のプラズマディスプレイは、上記製造方法によって製造されたプラズマディスプレイ用基板を用いてなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を用いて説明する。まず、本発明のプラズマディスプレイ用基板の製造方法について順に説明する。
【0009】
本発明のPDP用基板の製造方法において用いられる基板は、例えば図2に示すように、複数のストライプ状電極2パターンを有し、その上に誘電体層が全面に形成されており、さらに高さが60〜150μmの隔壁4が電極間に複数形成されている。さらに隔壁の側面および隔壁で仕切られた空間内の底部に蛍光体層が形成されている。
【0010】
電極を形成する方法は、特に限定しないが、好ましい製造方法の一例としては、基板上に感光性導電ペーストを全面印刷した後、フォトマスクのパターンを露光により焼き付け、現像により電極パターンを形成し、その後焼成して電極を得る方法が挙げられる。 次に、スクリーン印刷法やダイコート法などの方法により電極上に厚さ5〜25μmの誘電体層を形成する。ペーストの組成は特に限定しないが、所望の厚みを得るためガラス粉末とエチルセルロースなどの有機成分を主成分とする誘電体ペーストを用いるのが好ましい。形成された誘電体層を加熱乾燥して溶媒類を蒸発させてから、誘電体層を空気中で焼成する。この工程で、有機成分であるバインダー成分や溶媒などが完全に酸化、蒸発する。焼成温度条件としては、一般的に560〜610℃で15分〜1時間焼成し、ガラス基板上に焼き付けることが好ましい。また焼成工程は、後に形成される隔壁の焼成工程と同時に行ってもよい。
【0011】
このようにして得られた誘電体層の上に、通常高さ50〜200μm、幅10〜80μmの隔壁をパターン形成する。隔壁の形成方法としては、サンドブラスト法、パターン印刷法、埋め込み法、転写法、金型法等の方法を用いることができる。好ましい例としては感光性ペースト法を用いたフォトリソグラフィー法がある。感光性隔壁ペーストはガラス粉末と有機成分を主成分とし、該ペーストを誘電体層の上にスクリーン印刷法で数回印刷した後、乾燥、露光、および現像することによって、隔壁パターンが形成される。これを焼成することにより目的の隔壁形状が形成される。
【0012】
本発明において用いられる感光性隔壁ペーストは、ガラス転移点、軟化点がともに低いガラス基板上にパターン形成するため、ペーストの構成成分であるガラス粉末は、ガラス転移温度が430〜500℃、軟化点が470〜580℃のガラス材料からなるものであることが好ましい。また、凝集性を少なくするために、高融点ガラス粉末を含むことが好ましく、その平均粒径が1.5〜2.5μmで、最大粒径が6〜12μmであることが好ましい。
【0013】
次に隔壁間に蛍光体層を形成する。通常隔壁側面上に厚さ5〜35μm、隔壁間に形成される空間の底部に同じく厚さ5〜35μmの蛍光体層を形成する。この時使用される蛍光体ペーストは、RGB各色の蛍光体粉末と有機成分からなり、その組成はパターン形成する方法によって異なる。本発明で用いる蛍光体粉末は、赤としては(Y,Gd)BO3:Eu、Y23:Eu、Y(P,V)O3:Eu、青としてはBaMgAlxOy:Eu(x、yは1〜50の自然数)、特に好ましくはBaMgAl1017:Eu、緑色としてはZn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn等であることが高輝度なPDPを得る点で好ましい。また、有機成分としては、主にバインダーと有機溶媒からなり、バインダー成分にはエチルセルロース、メチルセルロース、PMMA、i−BMA、等から1つ以上を選択して用いることが好ましい。有機溶媒としては、ベンジルアルコール、テルピネオール、γ−BL、テトラリン、BCA、等から選択される1つ又はそれ以上の溶媒を用いることが好ましい。
【0014】
隔壁間に蛍光体層のパターンを形成する方法としては、スクリーン印刷法、感光性ペースト法、インクジェット法、ディスペンサー法、低圧吐出法などの方法を用いることができる。好ましいパターン形成方法の一例として、低圧吐出法について説明する。低圧吐出法とは複数の孔を有する口金から蛍光体ペーストを吐出して、直接隔壁間の溝にペーストを充填してパターンを形成する方法である。この工程を3回繰り返すことによって、赤、青及び緑のパターンを形成する。低圧吐出法は現像によって3分の2のペーストを廃棄する感光性ペースト法などに比べると、材料の使用効率が高い。また、ペーストが開放系で外気に触れるスクリーン印刷法に比べて低圧吐出法ではペーストが閉鎖系で存在するため、ペースト粘度の変化が少なく隔壁内のペースト充填量が一定で安定する。
【0015】
次に、充填されたペーストを乾燥装置で乾燥する。蛍光体の形状を図4(c)の様に制御するために、本発明においては、熱風乾燥時の風速が、0.3〜8.0m/secの範囲内であることが好ましい。風速の測定は“アネモマスター”を用いて測定し、42インチ基板上の12点(基板上直角方向200mmの格子点)を平均した値で0.3〜8.0m/secの範囲内であることが好ましい。風速が0.3m/sec未満であると、蛍光体ペーストは全体的に粘度変化が生じてU字形状図4(a)や4(b)の様な蛍光体層の形状が形成され、制御することが困難になる傾向にあり、8m/secより速いと、蛍光体ペーストの表層部のみが乾燥をしてしまい、図4(d)のような逆R形状になったり、塗布面が熱風により風ムラが生じたり、ノズル直下とその他以外で風速が大きく変化するため、蛍光体層の断面形状が異なり、大型基板乾燥時、面内の蛍光体層形状が不均一となるなどして、輝度が不均一な蛍光体層が形成されることがある。より好ましくは0.5〜3.0m/secの範囲内である。
【0016】
一方、最適な風量が常に当たると蛍光体ペースト表層部と内部との間に粘度勾配が生じて乾燥過程で形状を制御することができる。ペーストによって異なるが風速が遅いと蛍光体層はU字を形成し、風速が速くなるにつれ側面が垂直に立った凹型を形成する。さらに風速を速くすると逆R形状となる。本発明では図1の様な赤外線ヒータを併せ持った熱風乾燥装置を用い、赤外線加熱と熱風加熱を併用して乾燥することが好ましい。熱風により形状を制御し、赤外線ヒータにより乾燥時間を短縮することができるからである。さらに、赤外線加熱と熱風加熱を独立に使うことにより、形状制御の幅を広げることができる。
【0017】
一例としては2段階乾燥があり、図3の初期の第一空間(以下1POSと略す、以下同様)は赤外線で加熱し、その後の図3の2〜7POSは熱風加熱で乾燥を行う。赤外線の設定温度としては、好ましくは基板温度が30〜120℃、より好ましくは、50〜100℃になるように設定することである。熱風乾燥時の基板温度としては、好ましくは100〜240℃、より好ましくは120〜180℃である。
【0018】
また、別の一例として、図3の初期の1〜2POSは初期に熱風乾燥、その後の図3の3〜7POSは赤外線で加熱を行う。熱風温度としては基板温度が好ましくは60〜180℃、より好ましくは好ましくは80〜140℃である。赤外線加熱は基板温度で好ましくは100〜240℃、より好ましくは150〜180℃である。このような、乾燥プロファイルを用いると、蛍光体層の側面厚みに厚みを持たせることができる。
【0019】
図1の様な連続式の熱風乾燥装置を使用する場合、熱風の流れが主隔壁の長手方向に平行な方向になることが好ましい。ここで言う主隔壁とは、基板に形成されているアドレス電極と平行な方向に形成されている隔壁のことである。例えば2種類の隔壁が交差して存在するとき、アドレス電極と平行な方向に形成されている隔壁を主隔壁とする。この様な環境を実現する方法であればいかなる方法でも良いが、好ましくは連続式のコンベアを用いて、主隔壁の方向と同じ方向に基板を搬送する方法である。風の流れと主隔壁が直交すると、隔壁側面の蛍光体層厚みが左右で不均一になるため、左右斜視時の輝度むらの原因となる。また、多くの場合主隔壁がストライプ状であることが多いため、風の流れと進行方向が同じであると隔壁間の溝で乾燥及び蒸発された有機溶媒は溝は後方に通過し、隔壁間に滞留することなく塗布面上は常に有機溶媒濃度が低い環境が作られるので乾燥時間を短縮できる傾向にある。
【0020】
蛍光体層はこのような工程を3回繰り返すことにより、赤、青、緑を形成しフルカラー表示を可能にしている。
この様にして作られた蛍光体層は最終的に焼成されて、有機バインダー成分は分解、焼失される。焼成条件としては通常300〜550℃で10分〜1時間焼成することが好ましい。300℃未満では、焼成が不充分なためにバインダー成分が残り発光輝度の低下につながる傾向があり、また、550℃を越えると、無機物の蛍光体粉末が劣化し輝度が低下する傾向がある。
【0021】
このようにして作製された背面板を前面板と組み合わせ、ガスを封入することにより本発明のPDPは製造される。
【0022】
次に、本発明の蛍光体層乾燥用連続熱風装置について説明する。本乾燥装置は、ガラス基板上での風速が0.3〜8.0m/secの範囲内で可変できる。好ましくは0.5〜3.0m/secの範囲内である。このような風速を達成するには、いかなる方法でも良いがその一例として幅1〜10mmのスリット状のノズルをいくつも並列に設置する方法がある。この時、ノズル先端部では風速が0.5〜30m/secでノズル先端と基板との距離は50〜200mmにすることにより該条件を達成することができる。50mm未満であると塗布面が風の影響を受けて風むらが発生する。また、200mmより大きいと、ノズル先端部の風速が十分に届かず基板上での風速を十分に確保できないため好ましくない。
【0023】
また、本乾燥装置においては、赤外線ヒータと熱風発生装置を併せて持つことが好ましい。その場合には、いかなる場所でも赤外線加熱と熱風加熱が用いられるように、赤外線ヒータとノズルを配置することが好ましい。例えば、赤外線ヒータをスリットノズルと平行に複数配置することにより、共存させることである。本装置は赤外線加熱又は熱風加熱のいずれかの加熱方法、又は併用の切り替え制御をソフト的に選択できる様な機能を併せ持つ事が好ましい。乾燥条件を容易に変更することが可能になるからである。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例中の濃度は断りのない限り重量%である。
(実施例1)
[電極層の形成]
平均粒径2μmの銀粉末を含む感光性銀ペーストを用いてピッチ160μm、線幅60μmのストライプ電極パターン(銀含有率:95%)を形成した42インチガラス基板(旭硝子社製PD−200)を、空気中で590℃、30分間焼成することで、ガラス基板上に電極が形成されたディスプレイ用基板を得た。形成された電極の平均厚みは3.5μmであった。
【0025】
[誘電体層の形成]
エチルセルロース5%含有のテルピネオール溶液30g、ガラス粉末70gを混合し、三本ローラで混練して誘電体ペーストを得た。このペーストを電極が形成されたガラス基板上にスクリーン印刷法で塗布・乾燥し、555℃で30分間焼成する事により誘電体層を形成した。形成された誘電体層の厚みは11μmであった。
【0026】
[隔壁層の形成]
平均粒径2μmのガラス粉末70g、酸価を変えたメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量平均分子量32000)15g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート15g、ベンゾフェノン4g、1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.05g、有機染料(ベーシックブルー7)0.002g、およびγ−ブチロラクトン(C482:ナカライテスク株式会社)を加え、3本ローラーで混合・分散した。このペーストを誘電体層上に乾燥厚み150μmになるようにスクリーン印刷を数回繰り返して塗布、乾燥した。このようにして形成した膜上にフォトマスク(ストライプ状パターン、ピッチ220μm、線幅20μm)を置いて、12mW/cm2の出力を有する超高圧水銀灯露光機を用いて20秒間露光した。
【0027】
35℃に保持したモノエタノールアミン(C27ON)の0.2%水溶液を200秒間シャワーすることにより現像し、未露光部の感光性ペースト膜を除去した。その後水洗浄、乾燥及び焼成する事により隔壁層を形成した。形成された隔壁は、隔壁ピッチ360μmで、隔壁幅60μm、隔壁高さ120μmであった。
【0028】
[蛍光体層の形成]
蛍光体粉末として、赤色には(Y、Gd)BO3:Eu(比重5.2:化成オプトニクス)、緑色にはZn2SiO4:Mn(比重4.2:化成オプトニクス)、青色にはBaMgAl1017:Eu(比重3.8:化成オプトニクス)を用いて3色の蛍光体ペーストを作製した。
【0029】
エチルセルロース24%含有のテルピネオール(C1018O)/ベンジルアルコール(C78O)溶液43.5g、蛍光体粉末56.5gを混合し、三本ローラで混練して蛍光体ペーストを得た。このペーストを低圧吐出法で塗布した。孔径150μmの吐出孔を有する口金を用いて、吐出圧、走行速度を調整し、隔壁高さまでペーストを充填した。乾燥には赤外線ヒータを併せ持った連続熱風乾燥装置を用いた。乾燥初期は、赤外線ヒータで80℃、2.5分間加熱し、その後160℃の熱風で10分間加熱を行った。この熱風乾燥時の基板上の風速は1.7m/secであった。風速は予め基板上で“アネモマスター”(KANOMAX社製MODEL6112)を用いてガラス基板上を12点測定し平均をした値である。この様にして赤色蛍光体ペーストが隔壁間の溝3本に1本ずつストライプ状のパターンに形成された蛍光体層を形成した。同様な工程を緑色、青色と合計3回行った。この様にして形成された蛍光体層の形状を、電子線走査顕微鏡を用いて観察したところ、隔壁側面及び隔壁間の底部に形成されたものは25μm厚の図4(c)の凹型の均一な蛍光体層であった。
この様に形成された基板を、500℃で10分間焼成を行いプラズマディスプレイの背面板を得た。
【0030】
[パネル化]
さらに、別途作製された前面板とこの背面板を封着ガラスを用いて封着して、Xe5%含有のNeガスを内部ガス圧66500Paになるように封入した。さらに、駆動回路を実装してPDPを製作した。
【0031】
作製されたPDPは面内に輝度むらがなく、輝度280cd/m2で良好であった。
【0032】
(実施例2)
実施例1で基板上の風速を0.8m/sec、基板上の温度が120℃になるように熱風及び赤外線を併用し乾燥を行った。連続乾燥装置では主隔壁と同じ方向に基板が搬送されるように基板を投入し15分間装置内を通過した。この様にして形成されたパターンを同様に観察したところ、実施例1と近似の形状が形成され、最終的に得られたPDPも面内に輝度ムラがなく、輝度290cd/m2と高い値を示した。
【0033】
(比較例1)
実施例1と同様にして、ガラス基板上に電極、誘電体層、隔壁層を形成した。この基板の隔壁間の溝に実施例1と同じ蛍光体ペーストを充填した。乾燥は、横風の熱風が発生するバッチオーブンを用いた。温度140℃、40分で乾燥を行い、得られた背面板を用いて実施例1と同様にしてPDPを作製したところ、面内に乾燥ムラが発生しており、場所によって輝度が200〜240cd/m2であったため、不良品となった。
【0034】
(比較例2)
実施例1と同様にして、ガラス基板上に電極、誘電体層、隔壁層を形成した。この基板の隔壁間の溝に実施例1と同じ蛍光体ペーストを充填した。乾燥は、赤外線乾燥炉で温度を100℃、150℃、200℃にそれぞれ変化させた。形成された形状を実施例1と同様に電子線走査顕微鏡を用いて観察したところ、いずれも形状に差が現れず、形状は全てU字形状であった。この様にして、得られたPDP背面板を用いてパネル化したところ、面内均一な輝度を示したが、いずれも200cd/m2の輝度しか得られることができなかった。
【0035】
(比較例3)
実施例1と同様にして、ガラス基板上に電極、誘電体層、隔壁層を形成し隔壁間の溝に蛍光体ペーストを充填し、実施例1と同じ連続乾燥装置を用いて、基板を主隔壁と垂直方向に流れるように基板を搬送して乾燥を行った。次ぎに実施例1と同様にしてパネル化を行った。得られた基板は輝度290cd/m2で面内に輝度ムラが無かったが、斜視時の輝度に違いが現れた。左斜視時に130cd/m2の輝度しか得ることができなく、不良品となった。
【0036】
【発明の効果】
本発明のプラズマディスプレイ基板およびプラズマディスプレイの製造方法ならびに蛍光体層乾燥用連続熱風乾燥装置は、蛍光体ペーストの乾燥を熱風乾燥で行い、かつ風速を可変設定したので、蛍光体層の形状制御が可能となり、均一で高輝度な蛍光体層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍光体ペーストの乾燥工程を行う赤外線ヒータを併せ持った連続熱風乾燥装置の透視図である。
【図2】プラズマディスプレイパネルの一構成例の断面図である。
【図3】連続熱風乾燥装置の概略図である。
【図4】乾燥条件による蛍光体層の形状変化を表す断面図である。
【符号の説明】
1、8 ガラス基板
2 アドレス電極
3、10 誘電体層
4 隔壁
5 蛍光体層(赤)
6 蛍光体層(緑)
7 蛍光体層(青)
9 維持電極
11 誘電体層
12 保護層
13 蛍光体塗布済み背面板
14 搬送部
15 赤外線ヒータ
16 ヒータ
17 風速可変バルブ

Claims (3)

  1. 基板上の隔壁上に蛍光体層を有するプラズマディスプレイ用基板の製造方法であって、蛍光体層形成の際、蛍光体粉末、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル樹脂およびイソブチルメタクリレート樹脂から選ばれる1つ以上からなるバインダー、ならびにベンジルアルコール、テルピネオール、γ−ブチロラクトン、テトラリンおよびブチルセロソルブアセテートから選ばれる1つ以上からなる溶媒を含む蛍光体ペーストを用い、少なくとも熱風加熱によって蛍光体ペーストの乾燥を行い、基板の上方より120〜160℃の熱風を吹き付け、熱風乾燥時の基板の表面を流れるときの風速を0.3〜8.0m/secの範囲内とし、かつ熱風が主隔壁の長手方向と平行に流れるようにすることを特徴とするプラズマディスプレイ用基板の製造方法。
  2. 乾燥過程で熱風と赤外線加熱を同時に併用することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ用基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマディスプレイ用基板の製造方法によって製造されたプラズマディスプレイ用基板を用いてなることを特徴とするプラズマディスプレイ。
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