JP2004111187A - プラズマディスプレイの製造方法 - Google Patents

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Hiroko Mitsui
三井 博子
Junji Sanada
真多 淳二
Kentaro Okuyama
奥山 健太郎
Akihiko Tanaka
田中 明彦
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Abstract

【課題】断線や亀裂などの欠陥なく、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターンを同時焼成することができるプラズマディスプレイの製造方法を提供する。
【解決手段】電極ペーストにより電極パターンを形成する工程、誘電体ペーストにより誘電体ペースト塗布膜を形成する工程、隔壁ペーストにより隔壁パターンを形成する工程、および、少なくとも電極パターン、誘電体ペースト塗布膜および隔壁パターンを同時に焼成する工程をこの順に含み、かつ、電極パターンを形成する工程の後および/または誘電体ペースト塗布膜を形成する工程の後に、キュアを行う工程を含むプラズマディスプレイの製造方法である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体ペーストおよびプラズマディスプレイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイは次世代大型ディスプレイとして注目を集めており、高精細なプラズマディスプレイを低コストで安定して生産する技術が強く望まれている。そのようなプラズマディスプレイを構成する部材において、大きなコストを占める部材として背面板が挙げられる。
【0003】
背面板は、図1に示すように、少なくとも基板上に形成された電極層1、誘電体層2、ストライプ状の隔壁層3およびRGBの蛍光体層4から構成される。また、最近では図2のように、ストライプ状の主隔壁と垂直方向に補助隔壁が設けられている場合も多い。いずれの形状の隔壁を有する背面板においても、電極パターンおよび隔壁パターンの形成に感光性ペースト法を用いることで、高精細な背面板が安定して生産できるようになってきたが、さらなる低コスト化が依然として望まれている。
【0004】
従来、背面板製造工程では、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターンおよび蛍光体パターンの各層を形成する工程の度に、それぞれの材料を焼成していた(図3)。すなわち、背面板の製造工程では、最低でも4回の焼成工程が必要であり、生産性が低く、高コストの原因となっていた。また、焼成工程が多いことによって、ガラス基板の熱による寸法変化が大きくなるという問題を生じていた。さらに、電極に銀を使用した場合には、焼成工程が多いことによって銀のマイグレーションが進行し、パネルの信頼性が低下する要因となっていた。
【0005】
そこで、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターン、蛍光体パターンのうちのいくつかを形成した後、同時に焼成するという同時焼成プロセスが検討されてきた。例えば、特開平11−7894号公報には、無機粉末の作業点を電極、誘電体、隔壁、蛍光体の順に高くすることにより、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターン、蛍光体パターンの4つを同時に焼成する方法が記載されている。しかし、これらの方法を用いても、大きな問題が2つあった。
【0006】
1つ目の問題は、隔壁パターンの形成を感光性ペースト法やサンドブラスト法により行う際に、形成してある電極パターンのうち誘電体ペースト塗布膜に覆われていない電極引き出し部分5が、隔壁現像液や研磨粒子に浸食され、剥がれてしまうという問題である。
【0007】
2つ目の問題は、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜および隔壁パターンを同時に焼成すると、電極パターンおよび隔壁パターンのそれぞれに誘電体層を引き裂く方向に大きな焼成応力が発生し、電極パターンの断線や誘電体層の亀裂といった欠陥が発生という問題があった。
【0008】
また、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターンの2層同時焼成において、誘電体ペーストを熱により硬化して、同時焼成時に隔壁層の焼成応力が発生しても亀裂の発生しない誘電体ペーストが記載されている(特許文献1参照)。しかし、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターンの同時焼成では、さらに大きな焼成応力が発生するため、この誘電体ペーストを用いても、誘電体層の亀裂が発生するという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平2001−26477号公報(第2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、断線や亀裂などの欠陥が生じることなく、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜、隔壁パターンを同時焼成することができる誘電体ペーストおよびプラズマディスプレイの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した従来技術の課題を解決するため、以下の構成を有する。すなわち、電極ペーストにより電極パターンを形成する工程、誘電体ペーストにより誘電体ペースト塗布膜を形成する工程、隔壁ペーストにより隔壁パターンを形成する工程、および、少なくとも電極パターン、誘電体ペースト塗布膜および隔壁パターンを同時に焼成する工程をこの順に含み、かつ、電極パターンを形成する工程の後および/または誘電体ペースト塗布膜を形成する工程の後に、キュアを行う工程を含むプラズマディスプレイの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をプラズマディスプレイの作製手順に従って説明する。
【0013】
図4にプラズマディスプレイの作製手順の一例を示す。基板上に、電極ペーストを用いて、所望のパターン形状の電極パターン1aを形成する。電極パターン1aを形成した基板上に、誘電体ペーストを用いて誘電体ペースト塗布膜2aを形成する。誘電体ペースト塗布膜2a上に隔壁ペーストを用いて、隔壁パターン3aを形成する。そして、電極パターン1a、誘電体ペースト塗布膜2aおよび隔壁パターン3aを基板ごと一括焼成して、電極層1、誘電体層2および隔壁層3を形成する。以下に、各工程について詳述する。
【0014】
プラズマディスプレイの背面板の基板としては、通常、ソーダガラスや旭硝子社製の“PD−200”、日本電気化学社製の“PP−8”などの高歪み点ガラスを用いたガラス基板が用いられる。
【0015】
基板上に、導電性金属およびバインダーを含む電極ペーストを用いて電極パターンを形成する。電極パターン形成には、スクリーン印刷法や感光性ペースト法、プレス成型法等を用いることができる。パターンの高精細化や工程の簡略化が可能である点から、感光性ペースト法が特に好ましい。以下、感光性ペースト法の手順について説明する。
【0016】
基板上に、感光性電極ペーストを全面に、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度および塗出量を選ぶことによって調整できる。塗布厚みは、所望の電極の高さと焼成による電極ペーストの収縮率を考慮して決めることができるが、通常好ましい焼成後の電極の高さは1〜10μmの範囲であり、焼成収縮を考慮すると塗布する電極ペースト塗布膜の厚さは1〜15μmの範囲であることが好ましい。
【0017】
塗布された感光性電極ペーストを乾燥して露光を行う。露光に使用される活性光線は、紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用される。超高圧水銀灯を光源とした平行光線を用いる露光機が一般的である。
【0018】
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行い、電極パターンを形成する。現像には、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像液には、感光性の電極ペースト中の有機成分、特にポリマーが溶解可能な溶液を用いるとよい。
【0019】
電極パターンの形成は、焼成による収縮を考慮して行うとよい。焼成後の電極のサイズとしては、ピッチ100〜250μm、高さ1〜10μm、幅15〜60μmの範囲が好ましい。
【0020】
また、電極パターンを形成した後、熱によりキュアすることが好ましい。電極パターンをキュアする条件としては、140〜300℃の温度範囲で3〜30分の時間範囲が好ましい。より好ましくは、150〜250℃の温度範囲で5〜30分の時間範囲である。ここでいうキュアとは、約120℃以下で行われる単なる乾燥を含まない。キュアには熱風乾燥機やIR乾燥機を用いることができる。
【0021】
電極パターンは現像液に浸食されて基板との密着性が低下するため、パターンサイドが基板から剥離するエッジカールが発生する場合がある。エッジカールが発生すると、誘電体ペースト塗布膜の厚みムラが生じたり、また電極の焼成応力がより大きくなるという問題がおこる。電極パターンを形成した後、140℃以上でキュアすることで、ポリマーを一旦柔軟な状態にし、エッジカールを緩和できる。さらに、電極の引き出し部の残留溶媒が完全に除去されることにより、後の隔壁形成工程に感光性ペースト法やサンドブラスト法を用いた場合でも、電極引きだし部が隔壁の現像液や研磨粒子に除去されないような耐性を付与することができる。また、300℃以下でキュアすることで、電極ペーストの熱収縮を抑え、収縮によるエッジカールを抑制することができる。電極パターンのキュアは、誘電体ペーストを塗布する前に行うことが好ましい。エッジカールの少ない電極の上に誘電体層を形成することにより、誘電体層の厚みムラなどによる耐電圧低下などの問題を抑制できる。
【0022】
次に、誘電体層の形成のために、基板上に誘電体ペーストを全面に、もしくは部分的に塗布する。誘電体層は基板上に形成された電極を被覆して保護し絶縁する作用を有すると共に、その上に形成される隔壁の形成性を改良する効果を有するものである。
【0023】
誘電体層の厚みは、焼成後で4〜18μmの範囲、より好ましくは8〜15μmの範囲であることが、均一で緻密な誘電体層を形成するために好ましい。厚さを18μm以下とすることで、焼成の際の脱バインダー性が良好となり、バインダーの残存に起因するクラックが生じない。またガラス基板にかかる応力も小さくなるので基板が反るなどの問題も生じない。また、4μm以上とすることで平坦性で均一かつ緻密な誘電体層を形成することができ、電極部分の凹凸によって誘電体層にクラックが入るなどの問題が生じない。
【0024】
誘電体ペースト塗布膜を形成した後、キュアを行う。焼成よりも前の工程でキュアして硬化させることにより、後の焼成工程における電極パターンや隔壁パターンの収縮による応力に誘電体ペースト塗布膜が耐えることができるようになるためである。キュアは、焼成よりも前に行えばよいが、隔壁ペーストを塗布する前に行うことが好ましい。キュアによって、電極の引き出し部の残留溶媒が完全に除去されることにより、電極引き出し部の耐性が向上し、後の隔壁パターン形成工程において、隔壁の現像液や研磨粒子に除去されにくくなる。
【0025】
誘電体ペースト塗布膜をキュアする条件としては、140〜300℃の温度範囲で3〜30分の時間範囲が好ましい。好ましくは、150〜250℃の温度範囲で5〜30分の時間範囲である。ここでいうキュアとは、約120℃以下で行われる単なる乾燥を含まない。つまり、誘電体ペーストを塗布した後に上記の温度、時間で塗布膜をキュアすることにより、単に乾燥させるだけで起こる、塗布膜の硬化が不充分であるためその後の焼成時に誘電体層に亀裂が発生してしまうという問題がなくなる。キュアには熱風乾燥機やIR乾燥機を用いることができる。
【0026】
次いで、隔壁パターンを形成する。隔壁パターンの形成には、スクリーン印刷法やサンドブラスト法、感光性ペースト法、プレス成型法等が用いられる。パターンの高精細化や工程の簡略化が可能である点から、感光性ペースト法が特に好ましい。以下に、感光性ペースト法の手順について説明する。
【0027】
誘電体ペースト塗布膜の上に、感光性隔壁ペーストを全面に、もしくは部分的に塗布する。感光性ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、バーコーター法、ロールコータ法、ドクターブレード法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚さは、所望の隔壁の高さとペーストの焼成による収縮率を考慮して決めることができる。通常、焼成後の隔壁の好ましい高さは60〜170μmの範囲であり、焼成収縮を考慮すると塗布する隔壁ペースト塗布膜の厚さは80〜220μmの範囲内であることが好ましい。
【0028】
塗布された感光性隔壁ペーストは、乾燥され、露光される。露光に使用される活性光線は、紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用される。超高圧水銀灯を光源とした平行光線を用いる露光機が一般的である。
【0029】
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行い、隔壁パターンを形成する。現像には、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像液には、感光性隔壁ペースト中の有機成分、特にポリマーが溶解可能な溶液を用いるとよい。本発明では、アルカリ水溶液で現像することが好ましい。隔壁のパターニングは、焼成による収縮を考慮して行うとよい。焼成後の隔壁のサイズとしては、ピッチが100〜250μmの範囲、高さが60〜170μmの範囲、幅が15〜60μmの範囲内であることが好ましい。
【0030】
隔壁パターンは、主としてストライプ状に形成されるが、特に限定されず、格子状である場合もある。本発明の誘電体ペーストを用いると、格子状の隔壁を形成した場合でも、誘電体層に亀裂が生じることはない。隔壁が格子状である場合、後の前面板との封着工程において排気がスムーズに行えるように、補助隔壁の高さを主隔壁より低くすることが好ましい。補助隔壁の高さは、主隔壁の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜90%、さらに好ましくは60〜90%である。
【0031】
隔壁パターンを形成した後に、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜および隔壁パターンを同時に焼成して、電極層、誘電体層および隔壁層を形成する。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の特性によって異なるが、通常は空気中で焼成される。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。バッチ式の焼成の場合、誘電体ペースト塗布膜の上に隔壁パターンが形成されたガラス基板を、室温から500℃程度まで数時間掛けてほぼ等速で昇温した後、さらに焼成温度として設定された500〜580℃に30〜40分間で上昇させて、15〜30分間保持して焼成を行うことが好ましい。
【0032】
焼成温度を580℃以下、焼成時間を15〜30分の範囲に設定することで、焼成残渣や隔壁のダレなどを抑制することができる。
【0033】
このようにして得られた隔壁に挟まれたセル内に、赤、緑、青に発光する蛍光体層を形成してプラズマディスプレイ用パネルの背面板が構成される。
【0034】
得られた背面板を前面板と貼り合わせた後、封着、ガス封入し、駆動用ドライバーICを実装してプラズマディスプレイが作製される。
【0035】
【実施例】
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の濃度は、断りのない限り重量%である。また、実施例表中のバインダー樹脂の添加量は、溶媒を除いた樹脂のみの添加量を示す。
【0036】
ペースト成分として用いたバインダー樹脂、重合開始剤、架橋剤、低融点ガラス粉末およびフィラーは次のとおりである。
バインダー樹脂A:アクリル系ポリマー(スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応したもの。重量平均分子量43,000、酸価95)。40%γ−ブチロラクトン溶液として用いた。
バインダー樹脂B:エチルセルロース(数平均分子量80000)。5%テルピネオール溶液として用いた。
架橋剤:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、“TPA330”、3官能)
ウレタン化合物:UA−3348PE(新中村化学(株)製、分子量22000)
重合開始剤A:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン
重合開始剤B:過酸化ベンゾイル
表1に電極ペースト、誘電体ペースト、隔壁ペーストの組成を示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004111187
【0038】
電極ペーストは、表1の有機成分とジプロピレングリコールモノメチルエーテル(4重量部)、を50℃に加熱しながら溶解し、続いて、銀微粒子(平均粒子径1.5μm、比表面積0.80m/g、80重量部)、低融点ガラス粉末(ガラス転移点460℃、軟化点495℃、3重量部)を添加し、混練機を用いて混練して作製した。
【0039】
誘電体ペーストは、表1の有機成分とジプロピレングリコールモノメチルエーテル(20重量部)を50℃に加熱しながら溶解し、低融点ガラス粉末(ガラス転移点475℃、軟化点515℃、250重量部)、フィラー(酸化ケイ素(日本アエロジル社製、“アエロジル200”)、100重量部)を添加して3本ローラー混練機で混練して作製した。
【0040】
隔壁ペーストは、表1の有機成分とジプロピレングリコールモノメチルエーテル(5重量部)、を50℃に加熱しながら溶解し、低融点ガラス粉末(ガラス転移点491℃、軟化点528℃、30重量部)、フィラー(ガラス転移点652℃、平均粒子径2.4μm、5重量部)を加熱しながら攪拌し、混練機を用いて混練して作製した。
【0041】
(実施例1)
125mm角のガラス基板(旭硝子社製“PD200”)上に、電極ペーストAを乾燥後厚みが5μmになるように、スクリーン印刷法(印刷版:SUS#325)により塗布し、乾燥した。乾燥後、ピッチ250μm、線幅50μmのストライプパターンを有するフォトマスクをセットして露光した。露光後、0.5%のエタノールアミン水溶液中で現像して、ピッチ250μm、線幅60μmのストライプ状電極パターンを得た。その後、熱風乾燥機を用いて200℃、15分のキュアを行った。
【0042】
その電極パターン付きガラス基板上に誘電体ペーストを乾燥後厚み15μmになるように、スクリーン印刷法(印刷版:SUS#325)により塗布し、熱風乾燥機を用いて150℃、15分キュアした。
【0043】
次に、隔壁ペーストを乾燥後厚み90μmになるように塗布し、乾燥した。乾燥後、ピッチ3000μm、線幅1000μmのストライプパターンを有するフォトマスクをアドレス電極と直交するような配置でセットして露光した。露光した後、隔壁ペーストをさらに塗布し、乾燥して乾燥厚さ90μmの塗布膜を形成した。この塗布膜の上に、ピッチ250μm、線幅30μmのストライプパターンを有するフォトマスクをアドレス電極と平行になるような配置でセットして露光した。露光後、0.5%のエタノールアミン水溶液中で現像し、ピッチ250μm、線幅40μm、高さ180μmのストライプ状隔壁パターンとピッチ3000μm、線幅1000μm、高さ90μmの補助隔壁パターンからなる格子状隔壁パターンを得ることができた。
【0044】
このように電極パターン、誘電体ペースト塗布層、隔壁パターンを形成した後に、これらを同時に焼成した。焼成にはローラーハース式焼成炉を用い、焼成温度570℃で15分間焼成した。ピッチ250μm、線幅50μm、厚み3μmのストライプ状電極、厚み10μmの誘電体層、ピッチ250μm、線幅30μm、高さ120μmのストライプ状隔壁とピッチ3000μm、線幅800μm、高さ60μmの補助隔壁からなる格子状隔壁が得られた。いずれも亀裂、断線などの欠陥は発生しなかった。
【0045】
誘電体層の亀裂の数は、誘電体層全体の表面に存在する亀裂の数を数えた。また、誘電体層の気泡の数と緻密性を評価するために、誘電体層の断面を走査型電子顕微鏡で観察した。断面100μmあたりに存在する直径1μm以上の気泡の数を数えた。評価結果を表2に示す。
【0046】
この隔壁形成した基板に赤、緑、青3色の蛍光体層を形成し、前面板と合わせて封着し、ガス注入を行ってプラズマディスプレイパネルを作製した。クロストーク等の表示欠陥のない良好なディスプレイを得ることができた。
(実施例2〜4)
電極パターン形成後あるいは誘電体ペースト塗布膜形成後のキュア条件を表2に示すように変更した以外は、実施例1を繰り返した。電極層、誘電体層および隔壁層のいずれにもほぼ欠陥はなく、ディスプレイ用として好適な部材を得ることができた。
(実施例5)
電極パターン形成後のキュアを行わなかった他は、実施例1を繰り返した。誘電体層端部に5ヶ所亀裂が発生したが、ディスプレイ用として問題ない程度であった。
(比較例1)
誘電体ペースト塗布後のキュアを行わなかった他は、実施例1を繰り返した。誘電体層全面に80ヶ所程度の亀裂が発生した。作製したディスプレイはクロストークなどの表示欠陥が多発し、良好なディスプレイを得ることがでなかった。
(比較例2)
電極パターン形成後および誘電体ペースト塗布後のキュアの両方を行わなかった他は、実施例1を繰り返した。電極パターンにおいて多数の断線が観察され、さらに誘電体層全面に100ヶ所以上の亀裂が発生した。作製したディスプレイはクロストークなどの表示欠陥が多発し、良好なディスプレイを得ることがでなかった。
【0047】
【表2】
Figure 2004111187
【0048】
【発明の効果】
プラズマディスプレイの製造方法を用いれば、亀裂や断線などの欠陥なく、電極パターン、誘電体ペースト塗布膜および隔壁パターンの同時焼成を行うことができる。これによりプラズマディスプレイを低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストライプ状の隔壁を形成したプラズマディスプレイ背面板の分解斜視図である。
【図2】格子状の隔壁を形成したプラズマディスプレイ背面板の分解斜視図である。
【図3】従来のプロセスを示すフロー図である。
【図4】本発明のプロセスを示すフロー図である。
【符号の説明】
1 電極層
2 誘電体層
3 隔壁層
4 蛍光体層
5 電極引き出し部
6 主隔壁層
7 補助隔壁層
8 基板
1a 電極パターン
2a 誘電体ペースト塗布膜
3a 隔壁パターン

Claims (8)

  1. 電極ペーストにより電極パターンを形成する工程、誘電体ペーストにより誘電体ペースト塗布膜を形成する工程、隔壁ペーストにより隔壁パターンを形成する工程、および、少なくとも電極パターン、誘電体ペースト塗布膜および隔壁パターンを同時に焼成する工程をこの順に含み、かつ、誘電体ペースト塗布膜を形成する工程の後に、キュアを行う工程を含むプラズマディスプレイの製造方法。
  2. キュアを140〜300℃の温度範囲で行う請求項1記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  3. 誘電体ペースト塗布膜を形成する工程の後、隔壁パターンを形成する工程の前にキュアを行う請求項1または2に記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  4. 電極パターンを形成する工程の後、誘電体ペースト塗布膜を形成する工程の前にもキュアを行う請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  5. 電極パターンのキュアを140〜300℃の温度範囲で行う請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  6. 隔壁パターンがストライプ状の主隔壁と、主隔壁に直交する補助隔壁からなる格子状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  7. 主隔壁補助隔壁の高さが異なることを特徴とする請求項6記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  8. 電極ペーストおよび/または隔壁ペーストが感光性である請求項1〜6のいずれに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
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