JP2000208057A - プラズマディスプレイパネル用蛍光面とその形成方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネル用蛍光面とその形成方法Info
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Abstract
形成において、隔壁側面に対する蛍光体の膜厚を大にす
る方法を提供する。 【解決手段】 本発明のプラズマディスプレイパネル用
蛍光面は、放電空間を区画する所定平面形状の隔壁間に
蛍光体層18を有し、当該蛍光体層が複数回の塗布工程
によって形成されるPDP用蛍光面において、基板と両
側の隔壁および隔壁の上面等で区画される放電空間容積
を100とした場合に、蛍光体層により占有される容積
を除いた実質放電空間容積が50〜85であって、かつ
底部蛍光体層d1 および隔壁頂部から20%下降した位
置d2 での蛍光体層の膜厚がともに10〜25%である
ことを特徴とする。また、本発明のPDP用蛍光面の形
成方法は、隔壁間に所定の感光性または非感光性ペース
ト組成物を2回以上の工程によって塗工した後、ペース
ト組成物を乾燥することにより所定膜厚の蛍光体層を形
成することができる。
Description
レイパネル(以下PDPという)の背面板に関し、特に
AC型PDP用背面板の蛍光面とその形成方法に関す
る。
基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、そ
の間にNe,Xe等を主体とするガスを封入した構造に
なっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、
電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることによ
り、各セルを発光させて表示を行うようにしている。情
報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に
放電発光させる。このPDPには、電極が放電空間に露
出している直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交
流型(AC型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や
駆動方法の違いによって、さらにリフレッシュ駆動方式
とメモリー駆動方式とに分類される。
解斜視図である。この図は前面板と背面板を離した状態
で示したもので、図示のように2枚のガラス基板11,
12が互いに平行且つ対向して配設されており、両者は
背面板となるガラス基板11上に互いに平行に設けられ
た隔壁8により一定の間隔に保持されるようになってい
る。前面板となるガラス基板12の背面側には透明電極
である維持電極14と金属電極であるバス電極13とで
構成される複合電極X,Yが互いに平行に形成され、こ
れを覆って誘電体層16が形成されており、さらにその
上に保護膜19(MgO層)が形成されている。また、
背面板となるガラス基板11の前面側には前記複合電極
と直交するように隔壁8の間に位置してアドレス電極1
5が互いに平行に形成されており、さらに隔壁8の壁面
とセル底面を覆うようにして蛍光体層18が設けられて
いる。このAC型PDPは面放電型であって、前面板上
の複合電極X,Y間に交流電圧を印加し、空間に漏れた
電界で放電させる構造である。この場合、交流をかけて
いるために電界の向きは周波数に対応して変化する。そ
してこの放電により生じる紫外線により蛍光体層18を
発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認するよう
になっている。
ス基板11の上にアドレス電極15を形成し、必要に応
じてそれを覆うように誘電体層17を形成した後、隔壁
8を形成してその隔壁8の間に蛍光体層18からなる蛍
光面を設けることで製造される。電極15の形成方法と
しては、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、厚
膜法等によって基板11上に電極材料の膜を形成し、こ
れをフォトリソグラフィ法によってパターニングする方
法と、厚膜ペーストを用いたスクリーン印刷法によりパ
ターニングする方法とが知られている。また、誘電体層
はスクリーン印刷等により形成され、隔壁8はスクリー
ン印刷による重ね刷り、或いはサンドブラスト法等によ
って形成されている。そして、蛍光面はスクリーン印刷
により隔壁8の間に赤(R)、緑(G)、青(B)の3
色の蛍光体ペーストを選択的に充填する方法により形成
されている。
光体ペーストをスクリーン印刷により直接隔壁間に充填
して焼成する方法や感光性蛍光体ペースト若しくは感光
性蛍光体フィルムを用いたフォトリソグラフィ法により
形成することが考えられている。また、蛍光体ペースト
組成物を隔壁間内に充填する方法としては、上記のスク
リーン印刷法の他、ダイヘッドコート法、ブレードコー
ト法、ロールコート法、ディスペンス法等の塗工方法が
利用されている。しかし、これらの方法で塗工する場
合、放電空間を確保するため、かなりの空間を残して塗
工する必要があることや、上述のように隔壁8が120
μm程度の高さを有することから、蛍光体ペースト組成
物の塗工は、ガラス基板から120μm程度以上浮き上
がった位置から組成物を塗り込むかまたは落とし込む形
態となり、塗工厚さの均一化や隔壁表面に広く付着させ
ることが困難になるという問題があった。
事情、すなわち、従来の蛍光体ペーストでは表示の輝度
を高める上で、蛍光体層の表面積をできるだけ大きく
(隔壁の壁面にできるだけ多くの蛍光体を形成させる)
することが望ましい。すなわち、蛍光体層の理想的な形
状は、隔壁間と底部の表面を覆うとともに隔壁の側面を
一定以上の厚さで均一に覆う形状となるのが好ましい。
しかし、隔壁間に30〜40%の範囲でペーストを一回
の塗工で充填する従来のペースト塗工法では、塗工後ペ
ーストが垂れて底部に流れ込み、底面は厚くなるが隔壁
の側面に十分な厚さを形成できない問題がある。隔壁側
面に蛍光体層が形成されない場合は、PDP正面方向に
対する側面方向の輝度が低下するからである。また、1
00%充填する場合には、充填後の乾燥、露光、現像に
時間がかかるとともに、焼成工程においてもペースト中
に含まれる有機物の焼成に長時間を要し、かつ蛍光体層
上の放電空間が狭くなり十分な発光が得られないという
問題を生じる。本発明は、上述の問題に鑑み、表示品質
の一様な高輝度の表示の可能なPDP用蛍光面と当該蛍
光面を安定して形成することを目的としている。特に、
かかる蛍光体層の塗工を複数回の塗工工程で行うことに
より隔壁側面への蛍光体付着量を大きくすることを目的
とする。
めの本発明請求項1の発明は、放電空間を区画する所定
平面形状の隔壁間に蛍光体層を有し、当該蛍光体層が複
数回の塗布工程によって形成されるプラズマディスプレ
イパネル用蛍光面において、基板と両側の隔壁および隔
壁の上面、隔壁開口の始端、末端、で区画される放電空
間容積を100とした場合に、蛍光体層により占有され
る容積を除いた実質放電空間容積が50〜85であっ
て、かつ底部蛍光体層の膜厚が隔壁高さの10〜25
%、隔壁頂部から隔壁高さの20%下降位置での隔壁側
面蛍光体層の膜厚が隔壁高さの10〜25%、であるこ
とを特徴とするプラズマディスプレイパネル用蛍光面、
にある。かかるプラズマディスプレイパネル用蛍光面で
あるため、放電空間の効率を高くでき低電圧で輝度の高
い放電が可能となる。
する所定平面形状の隔壁間に蛍光体層を有するプラズマ
ディスプレイパネル用蛍光面の形成方法であって、 基板上に前記隔壁を設ける工程、当該隔壁の一部の
隔壁間に3色の蛍光体色のいずれか1色の蛍光体ペース
ト組成物の最初の塗工を行い、乾燥する工程、 蛍光体ペースト組成物が乾燥した後もしくは流動しな
くなった後に、当該隔壁間に同一色の蛍光体ペースト組
成物の2回目の塗工を行い、乾燥する工程、 他の2色の蛍光体色について、上記、の工程を行
うことにより、隔壁間を赤色、緑色、青色の蛍光体層が
順次充填されたパターンに形成する工程、 前記パターン形成後の基板を焼成する工程、 とにより、当該隔壁の側面のほぼ全面及び前記基板の表
面を覆う蛍光体層を形成することを特徴とするプラズマ
ディスプレイパネル用蛍光面の形成方法、にある。かか
るプラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法であ
るため、輝度が高く塗工量の多い蛍光体層を安定して形
成することができる。
プラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法におい
て、前記蛍光体ペースト組成物中における蛍光体含有量
が25乃至60重量%であって、かつ、前記蛍光体ペー
スト組成物の乾燥後において、蛍光体と樹脂の固形分の
重量パーセント比率が、80:20〜95:5の範囲内
とすることを特徴とし、請求項4の発明は、請求項2お
よび請求項3記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光
面の形成方法において、前記蛍光体ペースト組成物の固
形分比率(蛍光体と樹脂の合計含有量)が、30〜60
重量%であることを特徴とする。かかる形成方法である
ため、輝度が高く塗工量の多い蛍光体層を安定して形成
することができる。
する所定平面形状の隔壁間に蛍光体層を有するプラズマ
ディスプレイパネル用蛍光面の形成方法であって、 基板上に前記隔壁を設ける工程、当該隔壁間に3色
の蛍光体色のいずれか1色の蛍光体ペースト組成物の最
初の塗工を行い、乾燥する工程、蛍光体ペースト組成
物が乾燥した後もしくは流動しなくなった後に、当該隔
壁間に同一色の蛍光体ペースト組成物の2回目の塗工を
行い、乾燥する工程、前記乾燥後の基板をパターン露
光し現像する工程、他の2色の蛍光体色について、上
記、、の工程を行うことにより、隔壁間を赤色、
緑色、青色の蛍光体層が順次充填されたパターンに形成
する工程、前記パターン形成後の基板を焼成する工
程、とにより、当該隔壁の側面のほぼ全面及び前記基板
の表面を覆う蛍光体層を形成することを特徴とするプラ
ズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法、にある。
かかる形成方法であるため、フォトリソ法等により輝度
が高く塗工量の多い蛍光体層を安定して形成することが
できる。
プラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法におい
て、前記蛍光体ペースト組成物中における蛍光体含有量
が20乃至55重量%であって、かつ、前記蛍光体ペー
スト組成物の乾燥後において、蛍光体と樹脂の固形分の
重量パーセント比率が、60:40〜85:15の範囲
内とすることを特徴とし、請求項7の発明は、請求項5
および請求項6記載のプラズマディスプレイパネル用蛍
光面の形成方法において、前記蛍光体ペースト組成物の
固形分比率(蛍光体と樹脂の合計含有量)が、40〜6
5重量%であることを特徴とする。かかる形成方法であ
るため、輝度が高く塗工量の多い蛍光体層を安定して形
成することができる。
求項7記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光面の形
成方法において、蛍光体ペーストが感光性のものである
ことを特徴とする。かかる形成方法であるため、フォト
リソ法で蛍光体層を形成できる。請求項9の発明は、請
求項2から請求項8記載のプラズマディスプレイパネル
用蛍光面の形成方法において、前記蛍光体ペースト組成
物の塗工を、スクリーン印刷法、ダイヘッドコート法、
ブレードコート法、ロールコート法、ディスペンス法で
行うことを特徴とする。かかる形成方法であるため、塗
工量が安定した蛍光体層を形成できる。
面の形成方法から説明することとする。図1〜図2は、
蛍光面形成の工程を示す図である。図1、図2は蛍光体
ペーストを2回塗布する場合の連続した工程を示すもの
であるが便宜上、2つの図面に図示されている。まず、
ガラス基板11の上に形成した多数の隔壁8の隣接隔壁
間内に、蛍光体ペースト組成物18aをスクリーン印刷
法、ダイヘッドコート法等の各種の手段で1回目の塗工
を行う。この状態で自然乾燥または加熱による強制乾燥
をすると蛍光体ペースト組成物18aの体積が有機溶剤
などの蒸発により減少し結局隔壁8間内を10〜30%
程度充填することになる(図1(A))。なお、ガラス
基板11に対するアドレス電極15や隔壁8の形成技術
は公知のものであり、スクリーン印刷による厚膜形成法
や、隔壁層を一様の厚さに塗工した後、サンドブラスト
法で隔壁を形成する方法等が知られている。
塗工により蛍光体層を形成するが、本発明の形成方法で
は、蛍光体層の焼成前にさらに塗工工程を繰り返して行
うことを特徴とする。隔壁間をペーストで完全に満たさ
ず、かつ隔壁をほぼ垂直な状態で塗工した場合、隔壁面
にペーストが付着するのは壁面とペーストとの濡れに基
づき、さらに付着量はペーストの粘度とか流動性も影響
すると考えられるが、基本的に重力に逆らうことはでき
ないので、側壁にも付着はするが付着したペーストのか
なりの量は底面に流れて乾燥することになる。しかし、
蛍光体の塗工を2回以上の工程で行う場合は、壁面には
毎回の塗工工程毎に蛍光体層が積層して付着するので、
隔壁間に充填するペーストの絶対量が一回の工程による
塗布の場合と同一量であっても壁面に付着する割合が相
対的に大きくなることになる。本発明はこのような考え
に基づいてなされたものである。
した後もしくは流動しなくなった後、再度蛍光体ペース
トの塗工を行う。塗工量は、塗工後の乾燥した状態で隔
壁8間内を蛍光体ペーストで、2層合わせて15〜50
%程度充填することになる(図1(B))。なお、塗工
工程は2回以上であれば良く、3回または4回の塗工プ
ロセスであっても問題ない。
み残すためにパターン露光を行う。図1(A)、(B)
の工程では全面塗布を行っていて全ての隔壁間にペース
トが充填されているためである。蛍光体ペーストが感光
性のものである場合は、隔壁のピッチと形状に合ったフ
ォトマスク4を介して適当な波長の光5で直接、蛍光体
ペーストを露光すると(図1(C))、露光部分が硬化
するので未硬化の部分を現像液で処理して除去すること
によって、図1(D)に示す如く所定の隔壁間内のみに
蛍光体層18を残すことができる。この際、蛍光体ペー
ストのバインダー樹脂を水溶性樹脂にしておけば、水現
像を行うことができる。
ストについても行う。例えば、最初のペーストが緑色
(G)であるとすると、次に青色(B)の2度塗工とパ
ターン露光(図2(E))を行って現像し(図2
(F))、最後に赤色(R)の2度塗工とパターン露光
(図2(G))を行って現像する(図2(H))。これ
により所定の隔壁間内に所定の発光色G,B,Rの蛍光
体層18を形成することができ(図2(H))、その
後、蛍光体層の焼成を行うことにより蛍光面を形成でき
る。以上の工程において、図2(H)の状態では組成物
18aの体積が減少し、隔壁8間内に単位の実質放電空
間20uが形成される。蛍光体層18の体積はこの状態
以後は、ほぼ一定でその後の焼成による蛍光体層の体積
減少はほとんど認められない。従って、実質的な体積減
少は塗布後の乾燥過程においてなされる。なお、蛍光体
ペーストの色の塗工の順序は特に問題とされず、何色か
らであってもよい。
工の場合は、マスクパターンの形成されていないスクリ
ーンメッシュのみを用い、スキイジーを摺動させてメッ
シュ上の蛍光体ペースト組成物18aを隔壁間内に充填
するようにして塗工する。また、ダイヘッドコート法の
場合は平行に開口した狭いスリット(通常、200μm
〜800μm程度)を有するダイヘッドからペースト組
成物18aを押し出しながら、ダイヘッドまたは基板の
いずれかを移動させて組成物を充填させる方法により行
う。この場合、ダイヘッドの先端と隔壁頂部の形成する
表面は、直接に接触しないように、20〜200μmの
間隙を設けることが好ましい。また、ブレードコート法
の場合は基板上のブレードの進行方向に過剰に供給した
蛍光体ペースト組成物18aを、隔壁頂部が形成する表
面をブレードを滑らせることによって隔壁間内に充填す
るようにして塗工し、ロールコート法の場合は同様に、
ロールを回転進行させて同様に塗工するものである。ブ
レードまたはロールが隔壁頂部上表面と接する部分には
ダイヘッドコート法と同様に間隔を設けることが好まし
い。ディスペンス法の場合はディスペンサーを用いて所
定の隔壁間に塗工液を滴下する方法により行う。
成の工程を示す図である。蛍光体ペースト組成物を所定
隔壁間内に刷り分けて塗工する状態を示している。図3
では、スキイジー22が隔壁8に直交してように摺動す
るように図示されているが、実際はストライプ状の隔壁
に平行してスキイジーが移動するようになる。蛍光体ペ
ースト組成物は必要な隔壁間のみに塗工するので、スク
リーンにはスクリーン開口21wが形成されている。ス
クリーン印刷法による場合、スキイジー22の摺動面が
隔壁8の頂部が形成する表面に当接するようにスクリー
ンマスク21を配置する。スクリーンマスク上でのスキ
イジー22の移動により、スクリーンの開口21w間か
ら蛍光体ペースト組成物18aが押し出され、隔壁8間
の空間にペーストを充填する。最初の印刷による蛍光体
ペースト組成物18aの落とし込み量は、乾燥後の状態
で隔壁間空間容積の10〜30%程度となるのが好まし
い(図3(B))。本発明の形成方法の場合、隔壁側面
を濡らす程度に組成物18aを塗工する必要があるの
で、開口部21wはマスク位置合わせが可能な範囲で大
きくすることが好ましい。
填を同様なプロセスにより行う。2回目の印刷をした後
の蛍光体ペースト組成物18aの落とし込み量は、2層
合わせて乾燥後の状態で隔壁間空間容積の15〜50%
程度となるのが好ましい(図3(D))。これによって
隔壁8間に単位の実質放電空間20uを設け且つ隔壁8
の側面及び基板11の表面を覆う形の蛍光体層18が形
成される。
ースト材料と同一内容の同程度の粘度のものを用いれば
十分であるが、以下のように使用するバインダー樹脂を
高分子量のセルロース誘導体を使用することにより、隔
壁側面への蛍光体の付着をさらに高めることができる。
ト組成物は、スクリーン印刷等で非感光性のペーストを
使用する場合は、蛍光体の含有量が25乃至60重量%
であって、かつ、前記蛍光体ペースト組成物の乾燥後に
おいて、蛍光体と樹脂の固形分の重量パーセント比率
が、80:20〜95:5の範囲内であることが好まし
い。蛍光体の含有量が、95:5以上の場合は、樹脂量
が少ないために、印刷適性、塗布適性がなくなるためで
ある。また、フォトリソ法等で感光性のペーストを使用
する場合は、蛍光体の含有量が20乃至55重量%であ
って、かつ、前記蛍光体ペースト組成物の乾燥後におい
て、蛍光体と樹脂の固形分の重量パーセント比率が、6
0:40〜85:15の範囲内であることが好ましい。
蛍光体の含有量が、85:15以上の場合は、樹脂量が
少ないため、耐現像性がなくなり、パターニングが困難
となるからである。
光体ペースト組成物の固形分比率(蛍光体と樹脂の合計
含有量重量比率)が、組成物全量に対して40〜65重
量%であることが好ましい。かかる組成比率は、蛍光面
の発光特性や放電特性と関連して決められるもので、隔
壁間に蛍光体ペースト組成物をほぼ一杯に満たして乾燥
した際に、蛍光体層の厚さが適正の厚さとなり最適の輝
度や放電特性が得られることを目的とするためである。
ど高い。ただし厚さが40μm程度を越えるとほぼ一定
になる。また、蛍光体層18の厚さが10μm程度以上
であれば実用に適した輝度が得られる。しかし、蛍光体
層18が厚くなるにつれて選択放電開始電圧が上昇し、
蛍光体層18の厚さが40μmを越えると駆動電圧マー
ジンの上で選択放電が困難になる。したがって、蛍光体
層18の厚さを一般的には10〜40μm程度とする必
要がある。
である。本発明の形成方法で蛍光面を形成した場合、P
DP用用蛍光面では、基板と両側の隔壁および隔壁の上
面、隔壁開口の始端、末端、で区画される放電空間容積
を100とした場合に、蛍光体層により占有される容積
を除いた実質放電空間容積が50〜85であって、かつ
底部蛍光体層の膜厚が隔壁高さの10〜25%、隔壁頂
部から20%下降位置での蛍光体層の膜厚が隔壁高さの
10〜25%、であることを特徴とする。放電空間を容
積により数値規定しているが、通常、隔壁は直線状に延
びているので隔壁に直交する断面における放電面積を実
質放電空間容積と考えても異なることはない。
層の膜厚をd1 とした場合、d1 は隔壁高さHの10〜
25%程度であることを意味し、隔壁頂部から20%下
降位置での蛍光体層の膜厚をd2 とした場合、d2 は隔
壁高さHの10〜25%程度であることを意味する。従
って、隔壁頂部付近においてもかなりの膜厚の蛍光体層
が形成されていることが必要となり、蛍光体層形成の際
は、少なくとも隔壁頂部から10%程度下降した位置ま
で蛍光体ペーストで満たされていることが必要となる。
図4中、曲線mは、最初の塗工と2回目(もしくは2回
目以降、以下同様)の塗工とにより形成される蛍光体層
の境界を示すものである。従って、膜厚d1 は最初の塗
工による膜厚d1 Δ1 と、2回目の塗工による膜厚d1
Δ2 との合計厚となり、膜厚d2 は最初の塗工による膜
厚d2 Δ1 と、2回目の塗工による膜厚d2 Δ2 との合
計厚となる。
0μm程度、隔壁の開口Lは、150μm〜300μm
程度に形成されることが多いので、この範囲の膜厚で、
放電空間容積を100とした場合、実質放電空間容積は
50〜85の範囲となる。またさらに、図4のように、
このような放電空間を形成した場合、隔壁の側面に対し
ても底面とほぼ同程度の量の蛍光体が付着するので、底
面の蛍光体層の膜厚をd1 とし、隔壁頂部から20%下
降位置での蛍光体層の膜厚をd2 とした場合いずれも隔
壁高さHの10〜25%の膜厚となることが実験的に確
認されており、その実際の膜厚は、ほぼ10μm〜40
μmの範囲となる。なお、隔壁開口の始端、末端とは、
基板上に実質的に直線的に形成される隔壁が形成する始
端部と末端部の開口面をいうことになる。
固形分比を60%、固形分中の蛍光体含有量を60%の
場合は、蛍光体:樹脂:溶剤=36:24:40(重量
比)、蛍光体の平均比重を4.0、樹脂、溶剤の比重を
1.0とした場合、蛍光体:樹脂:溶剤=12.3:3
2.9:54.8(体積比)となる。従って、固形分の
体積比は45%程度となり、隔壁の側面と底部に均等に
付着するとすると、100μmの隔壁高さでは、22〜
23μmの蛍光体層の膜厚となる。実際には前記のよう
に空孔等の不可避的な空間が生じるため、膜厚はやや厚
くなるが、40μm以上になることはない。同様に、非
感光性蛍光体ペースト全量中の固形分比を40%、固形
分中の蛍光体含有量を80%の場合は、蛍光体:樹脂:
溶剤=32:8:60(重量比)、蛍光体:樹脂:溶剤
=10.5:10.5:79.0(体積比)となる。従
って、固形分の体積比は21%程度となり、隔壁の側面
と底部に均等に付着するとすると、100μmの隔壁高
さでは、11〜12μmの蛍光体層の膜厚となる。従っ
て、隔壁を極端に低くしない限り10μm以下になるこ
とはない。
は、蛍光体とバインダー樹脂とを溶剤に溶解・分散して
蛍光体ペーストとしたものを所要の粘度としてスクリー
ン印刷法、ダイヘッドコート法、ブレードコート法、ロ
ールコート法、ディスペンス法で塗布することができ
る。最近に至っては、蛍光表示装置に微細なものが要求
されるようになり、これに応えるために感光性を有する
蛍光体ペースト組成物が望まれている。感光性とする場
合には、バインダー樹脂に光重合性モノマー、光開始剤
を添加し、蛍光体粉、有機溶剤を混練して使用すること
になる。また、作業環境の問題よりバインダーとして有
機溶剤に対する溶解性を有するとともに、水による現像
適性も要求されてきている。
樹脂は、従来、公知のいずれのバインダー樹脂でもよ
い。例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ニ
トロセルロース、アセチルセルロース、アセチルエチル
セルロース、セルロースプロピオネート、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ブチルセルロース、ベンジルセルロ
ース等が挙げられる。
現像可能とするためには、水及び有機溶剤の双方に可溶
性であるセルロース誘導体、例えば、上記バインダー樹
脂の内、ヒドロキシプロピルセルロースを選択して使用
することが好ましい。このヒドロキシプロピルセルロー
スの分子量は、10,000〜200,000、好まし
くは50,000〜150,000の範囲のものがよ
く、分子量が10,000未満であると、得られる蛍光
体組成物の粘度が低くなり、PDP背面板の製造に際し
て、隔壁間に塗工しても該蛍光体組成物が隔壁側面に留
まらず、乾燥に伴い流下して、隔壁側面に所望の厚さの
蛍光体層を形成することができないという点で不十分で
ある。一方、分子量が200,000を超えると、蛍光
体ペースト組成物の塗工面の凹凸が激しくなり、塗工膜
厚の均一化が図れないという問題が生じる。
る場合に使用する光重合性モノマーとしては、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレング
リコール類のジ(メタ)アクリレート類、ペンタエリト
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリト
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルプロパン
ジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)
アクリレート等を挙げることができる。これらのうち1
種又は2種以上を選択して混合使用することができる。
重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキ
シムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイ
ド、チオキサントン類等を使用することができる。特に
前記の水及び有機溶剤の双方に可溶性であるセルロース
誘導体を使用する場合は、2−メチル−1−〔4−(メ
チルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパン−1
を使用することが好ましい。
光体は特に制限はなく、従来より知られているものを使
用することができる。例えば、赤色蛍光体として、Y2
O3 :Eu、Y2 SiO5 :Eu、Y3 Al5 O12:E
u、Zn3 (PO4 )2 :Mn、(Y、Cd)BO3 :
Eu、YO3 :Eu等、緑色蛍光体として、Zn2 Si
O4 :Mn、BaAl12O19:Mn、 YBO3 :T
b、(Ba、Sr、Mg)O・aAl2 O3 :Mn等、
青色蛍光体として、Y2 SiO5 :Cl、CaWO4 :
Pb、BaMgAl14O23:Eu、BaMgAl
10O17:Eu等が挙げられる。
機溶剤としては、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メ
トキシブタノール、ブチルカルビトールアセテート、メ
トキシブチルアセテート、テルピオネール等を挙げるこ
とができる。
ー、バインダー樹脂100重量部に対し、光重合性モノ
マーは100〜500重量部、好ましくは200〜30
0重量部、光開始剤は全組成物に対し、0.01〜25
重量部を有する組成物を使用することができるが、蛍光
体の含有量が20乃至55重量%であることが前記のよ
うに隔壁間の蛍光体層の蛍光体の充填密度を高めること
ができ好ましい。また、前記蛍光体ペースト組成物の乾
燥後において、蛍光体と樹脂(バインダー樹脂、光重合
性モノマー、光開始剤の樹脂分の合計量)の固形分の重
量パーセント比率は前記のように、60:40〜85:
15の範囲内とすることが好ましい。
ような蛍光面形状にすることにより、放電空間の効率を
高くでき、上記数値内で放電効率が良くなり低電圧で輝
度の高い放電が可能となる。また、PDPを側面から観
察する場合の輝度も向上する。さらに、PDP用蛍光面
を本発明の形成方法で形成すれば、品質の一定した蛍光
面を安定して量産することができる。
工程を示すフローチャートである。図5は、感光性の蛍
光体ペーストを使用してパターン露光して現像し焼成す
る工程を示し、図6は、非感光性の蛍光体ペーストを使
用して所定の隔壁間にのみ塗工して焼成する工程を示し
ている。
4、図7を参照して説明する。なお、実施例中の符号は
参照した図面に付した符号に対応するものである。 (実施例1)実施例1は、感光性ペースト組成物を2回
の工程で塗布する例を説明する。まず、ガラス基板11
側の蛍光面形成に際しては、ガラス基板11上に、銀か
らなる厚さが20μmのアドレス電極15と、ガラスフ
リットからなる厚さ20μmの誘電体層17、低融点ガ
ラスからなる高さHが120μmの隔壁8とを、それぞ
れスクリーン印刷による厚膜法によって設けた。なお、
隔壁の開口幅Lは270μmとした(図4、図7)。
対応する銀ペースト及びガラスペーストの印刷に、幅が
60μmの帯状の開口部を310μmのピッチで配列し
たスクリーンマスクを用いた。この場合には、アドレス
電極15の幅は60μmとなり、隔壁8の底部及び頂上
近傍部の幅はそれぞれ80μm、40μm程度であっ
た。
下の手順で各発光色毎に蛍光体ペースト組成物18aを
ダイヘッドコート法により上記隔壁を形成したガラス基
板上に全面塗工した。すなわち、まず下記組成からなる
材料を3本ロールミルで混練して、緑色蛍光体ペースト
組成物18aを調整した。 (緑色蛍光体組成物) 緑色発光蛍光体 Zn2 SiO4 :Mn 570重量部 (商品名;化成オプトニクス社製「P1−G1S」)〔比重4.2〕 ヒドロキシプロピルセルロース 57重量部 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100重量部 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート 30重量部 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド 50重量部 ハイドロキノン 0.1重量部 消泡剤 10重量部 3メトキシ3メチル1ブタノール 490重量部 この組成物の粘度は、B型回転粘度計で測定して、25
°Cで、25,000mPa・Sであった。
し、隔壁の頂部が形成する表面とダイヘッドの間隔を1
50μmとし、このスリット間より上記蛍光体ペースト
組成物18aを押し出し、乾燥後の状態で隔壁空間の約
15%が組成物18aで埋まるようにして全ての隔壁間
内を充填するようにして塗工した。塗工後は、図1
(A)のように、未乾燥の組成物18aが形成する最下
面は隔壁の頂部から下降した位置となったが、隔壁の側
面は組成物18aで濡れて十分に塗布された状態となっ
た。塗工後、100°Cで30分間乾燥し、室温になる
まで放置した。続いて、2回目の塗工を最初の塗工と同
一材料を用いてほぼ同一の塗工条件で塗工した。ただ
し、蛍光体ペーストの充填する量は最初の塗工量の40
%程度の量とした(図1(B))。
して、フィリップス社製のUVランプ「TL180W/
10R」を用いて400mJ/cm2 の紫外線を選択的
に照射し(図1(C))、水スプレーで1分間現像し水
切り乾燥した。乾燥後に蛍光体層の底部膜厚d1 および
隔壁頂部から20%下降した位置における膜厚d2 は、
23μmであった(図1(D))。
ミルで混練して、青色蛍光体ペースト組成物18aを調
整した。 (青色蛍光体組成物) 青色発光蛍光体 BaMgAl10O17:Eu 520重量部 (商品名;化成オプトニクス社製「KX−501A」)〔比重3.8〕 ヒドロキシプロピルセルロース 57重量部 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100重量部 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート 30重量部 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド 50重量部 ハイドロキノン 0.1重量部 消泡剤 10重量部 シクロヘキシルアルコール 500重量部 この組成物の粘度は、B型回転粘度計で測定して、25
°Cで、25,000mPa・Sであった。
を緑色の蛍光体層18を形成済のガラス基板11の隔壁
間内に、緑色蛍光体組成物の場合と同様に、ダイヘッド
コート法により全面塗工し、100°Cで30分間乾燥
し、室温になるまで放置した。塗工の条件(塗布量)は
緑色蛍光体パターンの場合と同一にした。2回目の塗工
も緑色蛍光体と同様に行った。次いで所定のパターンを
備えたマスクを介して、フィリップス社製のUVランプ
「TL180W/10R」を用いて400mJ/cm2
の紫外線を選択的に照射し(図2(E))、水スプレー
で1分間現像し水切り乾燥した。乾燥後に底部蛍光体層
の膜厚d1 および隔壁頂部から20%下降した位置にお
ける膜厚d2 は、22μmであった(図2(F))。
ルミルで混練して、赤色蛍光体ペースト組成物18aを
調整した。 (赤色蛍光体組成物) 赤色発光蛍光体 (Y,Gd)BO3 :Eu 500重量部 (商品名;化成オプトニクス社製「KX−504A」)〔比重5.1〕 ヒドロキシプロピルセルロース 57重量部 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 80重量部 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート 20重量部 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド 30重量部 ハイドロキノン 0.1重量部 消泡剤 10重量部 シクロヘキシルアルコール 580重量部 この組成物の粘度は、B型回転粘度計で測定して25°
Cで、21,000mPa・Sであった。
を緑色および青色の蛍光体層18を形成済のガラス基板
11の隔壁間内に、緑色蛍光体組成物の場合と同様にし
て、ダイヘッドコート法により全面塗工し、100°C
で30分間乾燥し、室温になるまで放置した。塗工の条
件(塗布量)は緑色および青色蛍光体パターンの場合と
同一にした。2回目の塗工も緑色蛍光体および青色蛍光
体と同様に行った。次いで所定のパターンを備えたマス
クを介して、フィリップス社製のUVランプ「TL18
0W/10R」を用いて200mJ/cm2 の紫外線を
選択的に照射し(図2(G))、水スプレーで1分間現
像し水切り乾燥した。これにより、ガラス基板11の各
隔壁間に、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の蛍光
体層18が形成された。乾燥後に底部蛍光体層の膜厚d
1 および隔壁頂部から20%下降した位置における膜厚
d2 は、20μmであった(図2(H))。
蛍光体層18が形成された基板11が完成した。焼成後
の各蛍光体層膜厚は乾燥後と同一であった。従って、焼
成の過程では、蛍光体層の実質的な体積の減少は認めら
れなかったことになる。以降は、このように蛍光体層1
8を設けたガラス基板11と、別に表示電極X,Yや誘
電体層16などを設けたガラス基板12とを対向配置
し、周囲を封止してPDPを完成させた。このようにし
て得られた蛍光体層をPDPとして発光特性を調べたと
ころ、変色することなく、高い輝度と各発光色の良好な
発光が得られた。
よる蛍光体ペーストをスクリーン印刷法により設ける例
である。実施例1と同様にして、ガラス基板11上に、
厚さが20μmのアドレス電極15、厚さ20μmの誘
電体層17、高さHが120μmの隔壁8とをそれぞれ
スクリーン印刷による厚膜法によって設けた。なお、隔
壁の開口幅Lは270μmとし、隔壁8の底部及び頂上
近傍部の幅はそれぞれ80μm、40μm程度であっ
た。
下の手順で各発光色毎に蛍光体ペースト組成物18aを
スクリーン印刷法で塗工して形成した。図3に示すよう
に、所定幅の開口部21wが隔壁のピッチの3倍のピッ
チで設けられたスクリーンマスク21を、ガラス基板1
1上の隔壁8に対して正確に位置合わせし、スキイジー
22が摺動する面と隔壁8の頂部が形成する表面とが当
接するように配置した。
ト組成物18aをスキイジー22により、開口部21w
を介して隔壁間に落とし込んだ。 (緑色蛍光体組成物) 緑色発光蛍光体 Zn2 SiO4 :Mn(商品名:P1−G1S、化成オプ トニクス社製)〔比重4.2〕 300重量部 エチルセルロース(エトセルN−200) 53重量部 ブチルカルビトールアセテート 630重量部 この組成物の粘度は、リオン粘度計VT−04(2号ロ
ーター使用)で測定して25°Cで、30Pa・Sであ
った。
間のほぼ15%充填する程度に最初の塗工を行った後、
90°C、30分間の乾燥を行い(図3(B))、さら
に2回目の塗工を行って隔壁8の間の空隙を乾燥後の状
態でほぼ35%充填する程度にした。本実施例では、開
口部21wを隔壁の開口幅Lの1/2倍に開口し、スキ
イジー22のセット角度θを75度に設定した。蛍光体
ペースト組成物18aを同じ条件で乾燥させるとビヒク
ルの蒸発にともなって蛍光体ペースト組成物18aの体
積が減少し、蛍光体層の底部膜厚d1 および隔壁頂部か
ら20%下降した位置における膜厚d2 は16μmとな
った。また、隔壁側面における蛍光体層の付着も理想的
な形状を有した蛍光体層18が形成された(図3
(C))。
ト組成物18aをスキイジー22により、開口部21w
を介して隔壁間に落とし込んだ。 (青色蛍光体組成物) 青色発光蛍光体 BaMgAl10O17:Eu(商品名:KX−501A、 化成オプトニクス社製)〔比重3.8〕 270重量部 エチルセルロース(エトセルN−200) 57重量部 ブチルカルビトールアセテート 670重量部 この組成物の粘度は、リオン粘度計VT−04(2号ロ
ーター使用)で測定して25°Cで、30Pa・Sであ
った。
間のほぼ15%充填する程度に最初の塗工を行った後、
90°C、30分間の乾燥を行い、さらに2回目の塗工
を行って隔壁8の間の空隙を乾燥後の状態でほぼ35%
充填する程度にした。蛍光体ペースト組成物18aを同
じ条件で乾燥させるとビヒクルの蒸発にともなって蛍光
体ペースト組成物18aの体積が減少し、蛍光体層の底
部膜厚d1 および隔壁頂部から20%下降した位置にお
ける膜厚d2 は15μmとなった。
成物18aを緑色、青色蛍光体組成物と同一の条件で順
次スクリーン印刷した。 (赤色蛍光体組成物) 赤色発光蛍光体 (Y,Gd)BO3 :Eu(商品名:KX−504A、 化成オプトニクス社製)〔比重5.1〕 350重量部 エチルセルロース(エトセルN−200) 50重量部 ブチルカルビトールアセテート 600重量部 この組成物の粘度は、リオン粘度計VT−04(2号ロ
ーター使用)で測定して25°Cで、30Pa・Sであ
った。
間のほぼ15%充填する程度に最初の塗工を行った後、
90°C、30分間の乾燥を行い、さらに2回目の塗工
を行って隔壁8の間の空隙を乾燥後の状態でほぼ35%
充填する程度にした。蛍光体ペースト組成物18aを同
じ条件で乾燥させるとビヒクルの蒸発にともなって蛍光
体ペースト組成物18aの体積が減少し、蛍光体層の底
部膜厚d1 および隔壁頂部から20%下降した位置にお
ける膜厚d2 は16μmとなった。
た後に、各蛍光体層の底部膜厚d1および隔壁頂部から
20%下降した位置における膜厚d2 は乾燥後と同一で
あった。以降は、このように蛍光体層18を設けたガラ
ス基板11と、別に表示電極X,Yや誘電体層16など
を設けたガラス基板12とを対向配置し、周囲を封止し
てPDPを完成させた。このようにして得られた蛍光体
層をPDPとして発光特性を調べたところ、変色するこ
となく、各発光色の良好な発光が得られた。
成物18aの印刷または塗工に際して、塗工面積及び蛍
光体層厚さのバラツキを抑えることができ、表示品質の
均一化が容易となる。さらに、ガラス基板11の表面と
ともに隔壁8の側面を被覆する蛍光体層18を容易に形
成することができ、PDPの高輝度化及び視野角の改善
を図ることができる。
基板11上に配置した反射型のPDPにおいて、蛍光体
層18を隔壁8の側壁面上にも設けた場合には、蛍光体
層18をガラス基板11の表面上のみに設けた場合と比
べて、表示面の真正面(視野角0°)での輝度も1.5
倍近くに高まる。加えて、広範囲(視野角が−60°〜
+60°の範囲)にわたって、真正面と同程度の輝度が
得られる。
成物18aの蛍光体の含有量は、各単位発光領域におけ
る隔壁8間の放電空間の容積と内表面の面積(ガラス基
板11の表面及び隔壁8の側面の面積の和)との比率に
応じて、蛍光体層18の膜厚が所定の輝度及び放電特性
の得られる値となるよう請求項に規定する範囲内におい
て適宜調整することができる。
様な安定した高輝度の表示の可能なPDP用蛍光面を形
成することができる。また、蛍光体層を隔壁の側面全面
に付着させることができるので、広範囲の視野角にわた
って、真正面と同程度の輝度が得られる。また、本発明
の蛍光面の形成方法によれば、このような蛍光体層を容
易に安定して形成することができる。
示す図である。
ートである。
ートである。
ある。
Claims (9)
- 【請求項1】 放電空間を区画する所定平面形状の隔壁
間に蛍光体層を有し、当該蛍光体層が複数回の塗布工程
によって形成されるプラズマディスプレイパネル用蛍光
面において、 基板と両側の隔壁および隔壁の上面、隔壁開口の始端、
末端、で区画される放電空間容積を100とした場合
に、蛍光体層により占有される容積を除いた実質放電空
間容積が50〜85であって、かつ底部蛍光体層の膜厚
が隔壁高さの10〜25%、隔壁頂部から隔壁高さの2
0%下降位置での隔壁側面蛍光体層の膜厚が隔壁高さの
10〜25%、であることを特徴とするプラズマディス
プレイパネル用蛍光面。 - 【請求項2】 放電空間を区画する所定平面形状の隔壁
間に蛍光体層を有するプラズマディスプレイパネル用蛍
光面の形成方法であって、 基板上に前記隔壁を設ける工程、 当該隔壁の一部の隔壁間に3色の蛍光体色のいずれか
1色の蛍光体ペースト組成物の最初の塗工を行い、乾燥
する工程、 蛍光体ペースト組成物が乾燥した後もしくは流動しな
くなった後に、当該隔壁間に同一色の蛍光体ペースト組
成物の2回目の塗工を行い、乾燥する工程、 他の2色の蛍光体色について、上記、の工程を行
うことにより、隔壁間を赤色、緑色、青色の蛍光体層が
順次充填されたパターンに形成する工程、 前記パターン形成後の基板を焼成する工程、 とにより、当該隔壁の側面のほぼ全面及び前記基板の表
面を覆う蛍光体層を形成することを特徴とするプラズマ
ディスプレイパネル用蛍光面の形成方法。 - 【請求項3】 前記蛍光体ペースト組成物中における蛍
光体の含有量が25乃至60重量%であって、かつ、前
記蛍光体ペースト組成物の乾燥後において、蛍光体と樹
脂の固形分の重量パーセント比率が、80:20〜9
5:5の範囲内とすることを特徴とする請求項2記載の
プラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法。 - 【請求項4】 前記蛍光体ペースト組成物の固形分比率
(蛍光体と樹脂の合計含有量)が、30〜60重量%で
あることを特徴とする請求項2および請求項3記載のプ
ラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法。 - 【請求項5】 放電空間を区画する所定平面形状の隔壁
間に蛍光体層を有するプラズマディスプレイパネル用蛍
光面の形成方法であって、 基板上に前記隔壁を設ける工程、 当該隔壁間に3色の蛍光体色のいずれか1色の蛍光体
ペースト組成物の最初の塗工を行い、乾燥する工程、 蛍光体ペースト組成物が乾燥した後もしくは流動しな
くなった後に、当該隔壁間に同一色の蛍光体ペースト組
成物の2回目の塗工を行い、乾燥する工程、 前記乾燥後の基板をパターン露光し現像する工程、 他の2色の蛍光体色について、上記、、の工程
を行うことにより、隔壁間を赤色、緑色、青色の蛍光体
層が順次充填されたパターンに形成する工程、 前記パターン形成後の基板を焼成する工程、 とにより、当該隔壁の側面のほぼ全面及び前記基板の表
面を覆う蛍光体層を形成することを特徴とするプラズマ
ディスプレイパネル用蛍光面の形成方法。 - 【請求項6】 前記蛍光体ペースト組成物中における蛍
光体の含有量が20乃至55重量%であって、かつ、前
記蛍光体ペースト組成物の乾燥後において、蛍光体と樹
脂の固形分の重量パーセント比率が、60:40〜8
5:15の範囲内とすることを特徴とする請求項5記載
のプラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法。 - 【請求項7】 前記蛍光体ペースト組成物の固形分比率
(蛍光体と樹脂の合計含有量)が、40〜65重量%で
あることを特徴とする請求項5および請求項6記載のプ
ラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法。 - 【請求項8】 前記蛍光体ペースト組成物が感光性のも
のであることを特徴とする請求項5から請求項7記載の
プラズマディスプレイパネル用蛍光面の形成方法。 - 【請求項9】 前記蛍光体ペースト組成物の塗工を、ス
クリーン印刷法、ダイヘッドコート法、ブレードコート
法、ロールコート、ディスペンス法で行うことを特徴と
する請求項2から請求項8記載のプラズマディスプレイ
パネル用蛍光面の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP733099A JP2000208057A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | プラズマディスプレイパネル用蛍光面とその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP733099A JP2000208057A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | プラズマディスプレイパネル用蛍光面とその形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000208057A true JP2000208057A (ja) | 2000-07-28 |
Family
ID=11662960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP733099A Pending JP2000208057A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | プラズマディスプレイパネル用蛍光面とその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000208057A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7408299B2 (en) | 2003-11-28 | 2008-08-05 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel |
US7495395B2 (en) | 2003-11-24 | 2009-02-24 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel with defined phosphor layer thicknesses |
JP2009059562A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Panasonic Corp | プラズマディスプレイパネル |
-
1999
- 1999-01-14 JP JP733099A patent/JP2000208057A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7495395B2 (en) | 2003-11-24 | 2009-02-24 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel with defined phosphor layer thicknesses |
US7408299B2 (en) | 2003-11-28 | 2008-08-05 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel |
JP2009059562A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Panasonic Corp | プラズマディスプレイパネル |
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