JP4312075B2 - 咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット - Google Patents

咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット Download PDF

Info

Publication number
JP4312075B2
JP4312075B2 JP2004042131A JP2004042131A JP4312075B2 JP 4312075 B2 JP4312075 B2 JP 4312075B2 JP 2004042131 A JP2004042131 A JP 2004042131A JP 2004042131 A JP2004042131 A JP 2004042131A JP 4312075 B2 JP4312075 B2 JP 4312075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
jelly
swallowing
difficulty
meal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004042131A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005229879A (ja
Inventor
真希 佐々木
善規 濱千代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP2004042131A priority Critical patent/JP4312075B2/ja
Publication of JP2005229879A publication Critical patent/JP2005229879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4312075B2 publication Critical patent/JP4312075B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Description

本発明は咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キットに関する。
咀嚼(食物をよくかみくだすこと)や嚥下(食物を飲み込むこと)機能が低下した高齢者や、何らかの疾病から回復し、経管栄養摂取から経口栄養摂取へのリハビリが必要な人にとって、通常の食事をするのは困難であり、食事をすること自体も大変な労力である。
特に、飲み込むときにむせてしまい、誤嚥を起こす心配がある場合には、食事を十分に楽しむことができないばかりか、摂食できる食事量が少なくなり、蛋白質・エネルギーの低栄養状態になりやすい問題がある。
そのような場合の食事としては、やわらかくて飲み込みやすいゼリー状の食事、詳しくは、口腔内に入れた時に、滑らかで、変形しやすく、適度な流動性と粘度を有し、付着性と曳糸性がないゼリー状の食事であること、また、少量の食事でも十分なカロリーと栄養素を摂食できる高栄養食であることが望まれる。
さらに、クオリティオブライフ(以下QOLと略)、つまり、生活の質を向上させる観点からは、食べる喜びが味わえるような、美味しくてバラエティーに富んだ食事であることが望まれる。
一方、高齢者福祉施設や病院等では、高齢者の増加に伴い、必要とされる介護も多岐にわたっている。食事の提供についても、咀嚼・嚥下困難者用の食事だけでなく、常食や糖尿病、腎臓病患者用の食事等の様々な食事を提供する必要があり、介護スタッフの負担が増加している。このため、これらの施設では、食事を調理する負担を軽減するため、咀嚼・嚥下困難者用の食事として、市販されている流動食に寒天等のゲル化材を加えて製した高栄養ゼリー状食品を提供したり、市販されている高栄養ゼリー状食品等の加工食品を提供したりすることが多い。
高栄養ゼリー状食品等の加工食品としては、例えば、特許第3132652号公報(特許文献1)には、1g当たり1.8〜2.5kcalに調整され、たんぱく質と脂質のエネルギー比率とビタミンの含有量を特定した嚥下障害者、そのリハビリ患者用の経口高エネルギーゲル状栄養組成物が記載され、特開2001−144号公報(特許文献2)には、たん白加水分解物を含有させ、無菌包装システムにより、無菌的に充填・包装したゲル状高濃度栄養補助食品が記載されている。また、特許第3474827号公報(特許文献3)には、デキストリン又は還元デキストリンを配合した高栄養固形状組成物が記載されている。
しかしながら、流動食を寒天等でゲル化させた高栄養ゼリー状食品、あるいは、従来提案されている高栄養ゼリー状食品等の加工食品のいずれをとっても、蛋白質粉末やこれらの分解物及びデキストリン等を高濃度に含有する高栄養食であるため、ゲル化材の膨潤や分子間の結合が阻害されて口腔内でべたつきやすい物性となってしまい、咀嚼・嚥下困難者にとって、充分に飲み込みやすい食事とはいえない問題があった。特に、常温保存可能な高栄養ゼリー状食品の加工食品は、100℃を超える温度で加熱殺菌されているため、このことによっても、ゲル化材の膨潤や分子間の結合が阻害され、よりべたつきやすい物性となってしまう傾向があった。
このような状況下、本発明者等は、QOLの観点から、高栄養ゼリー状食品の加工食品の原料として、蛋白質粉末やこれらの分解物及びデキストリン等に加えて、肉、魚介類、野菜等のペースト状物を用い、高栄養ゼリー状食品を製することを試みた。
しかしながら、このようにして製した高栄養ゼリー状食品は、べたつきのある食感を有することに加えて、肉、魚介類、野菜等のペースト状物の配合量を増やすほど、よりざらつきのある物性となる傾向があり、依然として十分に飲み込みやすい食事とはいえないものであった。
特許第3132652号公報 特開2001−144号公報 特許第3474827号公報
そこで、本発明の目的は、ざらついたりべたついたりしやすい高栄養ゼリー状食品を用いた食事であっても、咀嚼や嚥下がしやすい食事として提供できる咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及び咀嚼・嚥下困難者等に特に好適な高栄養ゼリー状食品キットを提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、意外にも高栄養ゼリー状食品に特定の粘度の液状調味料を接触させて咀嚼・嚥下困難者に食事を提供することにより、ざらついたりべたついたりしやすい高栄養ゼリー状食品であっても、嚥下しやすい食事として提供できることを見出した。
さらに、このような、咀嚼・嚥下困難者用等に用いる嚥下しやすい食事を簡便に提供するための高栄養ゼリー状食品キットとして、前記高栄養ゼリー状食品が充填密封されてなる包装体と前記液状調味料が充填密封されてなる包装体とをセットとして少なくとも含む高栄養ゼリー状食品キットを見出し、遂に本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1) 製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上であり、肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を含む高栄養ゼリー状食品を用いた咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法であって、前記高栄養ゼリー状食品の上、キサンタンガムが配合され粘度が5×10−2Pa・s〜5×10 −1 Pa・sである液状調味料をかけて接触させる咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法、
(2) (1)記載の咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法に用いる高栄養ゼリー状食品キットであって、製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上であり、肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を含む高栄養ゼリー状食品が充填密封されてなる包装体と、キサンタンガムが配合され粘度が5×10−2Pa・s〜5×10 −1 Pa・sである液状調味料が充填密封されてなる包装体とをセットとして少なくとも含むことを特徴とする高栄養ゼリー状食品キット、
である。
本発明の咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法により、ざらついたりべたついたりしやすい高栄養ゼリー状食品を用いた食事であっても、嚥下しやすい食事として提供できる。
さらに、本発明の高栄養ゼリー状食品キットにより、このような、咀嚼・嚥下困難者用等の食事を簡便に提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
まず、本発明において、高栄養食品とは、製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上である食品をいう。少量の食事で十分な栄養を摂取する点からは、製品100g当たりカロリーが120kcal以上、並びに蛋白質が6g以上が好ましく、製品100g当たりカロリーが130kcal以上、並びに蛋白質が8g以上がより好ましい。
高栄養ゼリー状食品は、高栄養となるほどべたついた食感が増す傾向があるが、本発明によると、このようなべたついた食感の高栄養ゼリー状食品を用いた食事であっても、嚥下しやすい食事として提供できる。
なお、カロリー並びに蛋白質の測定方法は、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)別表第1の第3欄記載の方法、すなわち、カロリーは修正アトウォーター法、蛋白質は窒素定量換算法に準ずる。
また、ゼリー状食品とは、ゲル化させた食品をいい、誤嚥を起こす心配が少ないように、3×10〜3×10N/mの固さを有する物性となるようにゲル化したものが好ましい。なお、固さの測定方法は、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知(平成6年2月23日発行)衛新第15号「高齢者用食品の標示許可の取扱いについて」記載の別紙「高齢者用食品の試験方法」に準ずる(直径20mmのプランジャー使用、圧縮距離10mm/s、クリアランス5mm、測定温度20±2℃)。
本発明の咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法に用いる高栄養ゼリー状食品としては、上述したような高栄養でゼリー状の食品であれば、特に限定されるものではない。このような高栄養ゼリー状食品としては、具体的には、例えば、流動食に寒天等のゲル化材を加えて製した高栄養ゼリー状食品や市販されている高栄養ゼリー状食品の加工食品等が挙げられる。
また、本発明は、ざらついたりべたついたりしやすい高栄養ゼリー状食品であっても、嚥下しやすくなることに特徴を有するので、よりざらついた物性となりやすい、肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を含む高栄養ゼリー状食品において好適に実施できる。
さらに、本発明は、過度な熱がかかるため嚥下しやすい物性とすることが難しい100℃を超える温度で加熱殺菌されてなる高栄養ゼリー状食品であっても、嚥下しやすくなることに特徴を有するので、このような100℃を超える温度で加熱殺菌されてなる高栄養ゼリー状食品、特に、当該食品の中心部の品温を120℃で4分間相当加熱したもの又はこれと同等以上の効力を有する条件で加熱したいわゆるレトルト処理された高栄養ゼリー状食品においてより好適に実施できる。
本発明は、上述の高栄養ゼリー状食品を咀嚼・嚥下困難者に提供する際に、高栄養ゼリー状食品に粘度が5×10−2Pa・s〜50Pa・sである液状調味料を接触させて提供することに特徴を有する。
このように、液状調味料と接触させた状態で咀嚼・嚥下困難者に食事を提供することにより、咀嚼・嚥下困難者は高栄養ゼリー状食品を前記特定の粘度の液状調味料とともに摂食することになるため、後述の実施例に示すように、ざらついたりべたついたりしやすい高栄養ゼリー状食品であっても、嚥下しやすい食事となる。
これに対して、高栄養ゼリー状食品をそのまま咀嚼・嚥下困難者用食事として提供すると、後述の比較例に示すように、咀嚼・嚥下困難者がこれを摂食する際に、口腔内でざらついたりべたついたりしてしまい、嚥下しにくい食事となる。
また、高栄養ゼリー状食品に粘度が5×10−2Pa・s未満である液状調味料を接触させて提供すると、後述の試験例に示すように、咀嚼・嚥下困難者がこれを摂食する際に、口腔内でざらついたりべたついたりしてしまい、嚥下しにくい食事となる。
本発明において、前記液状調味料を高栄養ゼリー状食品に接触させる方法としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、皿に盛り付けた高栄養ゼリー状食品の上に液状調味料をかけて接触させる方法や、皿に盛り付けた高栄養ゼリー状食品の周囲に液状調味料を添えて接触させる方法等が挙げられる。これらの方法のなかで、高栄養ゼリー状食品の上に液状調味料をかける方法は、咀嚼・嚥下困難者がこれを摂食する際に、高栄養ゼリー状食品全体が液状調味料に被覆された状態で摂食されやすく、より嚥下しやすい食事となるので好ましい。
また、本発明において、咀嚼・嚥下困難者に食事を提供する際に高栄養ゼリー状食品に接触させる前記液状調味料の量は、咀嚼・嚥下困難者が一口摂食する毎に、高栄養ゼリー状食品全体が液状調味料に被覆された状態で摂食できるように、余裕を持った量とすることが好ましい。具体的には、用いる液状調味料の粘度等にもよるが、高栄養ゼリー状食品100gに対して、液状調味料5g以上が好ましく、10g以上がより好ましい。また、液状調味料の量は多すぎても、余ってしまい無駄となるばかりでなく、余分な液状調味料により逆にむせる場合があるので、高栄養ゼリー状食品100gに対して、液状調味料50g以下が好ましい。
本発明において、液状調味料とは、ドレッシング、ソース及びタレ等の液状の調味料をいい、当該粘度は、5×10−2Pa・s〜50Pa・sであるが、液状調味料の粘度は、好ましくは5×10−2Pa・s〜5Pa・s、より好ましくは5×10−2Pa・s〜5×10−1Pa・sである。このような粘度とすることで、高栄養ゼリー状食品全体に液状調味料を接触させやすくなり、より嚥下しやすい食事となる。
前記液状調味料の粘度を上述の範囲とするためには、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドシードガム及びジェランガム等のガム質や、生澱粉、化工澱粉、湿熱処理澱粉、澱粉糖化物及び還元澱粉糖化物等の澱粉類等の増粘材を配合するとよい。これらのなかでも、特にガム質を配合すると、高栄養ゼリー状食品全体に液状調味料を接触させやすくなり、より嚥下しやすい食事となるので好ましい。これら増粘材は、増粘材の種類やその他の配合原料にもよるが、前記粘度となるように、液状調味料に対して0.001〜3%、好ましくは0.01〜2%配合するとよい。
なお、液状調味料の粘度は、当該液状調味料500mlを500ml容量のビーカーに入れて、(株)東京計器製のBH型粘度計で、品温20℃、回転数20rpmの条件で、粘度が0.375Pa・s未満のとき:ローターNo.1、0.375Pa・s以上1.5Pa・s未満のとき:ローターNo.2、1.5Pa・s以上3.75Pa・s未満のとき:ローターNo.3、3.75Pa・s以上7.5Pa・s未満のとき:ローターNo.4、7.5Pa・s以上15Pa・s未満のとき:ローターNo.5、15Pa・s以上37.5Pa・s未満のとき:ローターNo.6、37.5Pa・s以上のとき:ローターNo.7、測定開始後ローターが3回転した時の示度により求めた値であるが、分離液状調味料においては、摂食するときの状態を考慮し、その粘度は、当該液状調味料500mlを1000ml容量のペットボトルに入れて15秒間に30回振とう後、直ちに500ml容量のビーカーに入れて前記測定方法で測定を開始して測定した値である。
本発明は、上述のような咀嚼・嚥下困難者等に用いる嚥下しやすい食事を提供するための食品の態様として、製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上である高栄養ゼリー状食品が充填密封されてなる包装体と、油脂を5%以上配合した液状調味料が充填密封されてなる包装体とをセットとして少なくとも含む高栄養ゼリー状食品キットである。
これら高栄養ゼリー状食品キットは小口パック(例えば1食乃至3食分)とすれば、例えば小規模な高齢者福祉施設や病院、あるいは家庭用として、また、大口パック(例えば10食乃至50食分)とすれば、例えば、大規模な高齢者福祉施設や病院用として使用でき、簡便に当該食事を提供できる。
次に、本発明の咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キットを実施例、比較例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
[実施例]
(1)高栄養ゼリー状食品の製造
原料として、鶏肉10部、タマネギ2部、サラダ油12部、醤油0.3部、食塩0.1部、カラギナン0.5部、粉末寒天0.1部、分離大豆蛋白(蛋白質含量90%)3.5部、デキストリン2部及び清水69.5部を用意した。
次に、攪拌機付きニーダーで鶏肉及びタマネギをサラダ油の配合の一部でソテーし、これに残りのサラダ油と清水に混合分散した醤油、食塩、カラギナン、粉末寒天、分離大豆蛋白及びデキストリンを加えて攪拌混合した後、コミトロール(アーシャル社製、モデルナンバー1700、200ブレード)でペースト化処理した。
続いて、前記ペースト化処理した原料をカップ型の耐熱性合成樹脂製容器(70ml容量)に60gずつ充填し、イージーピール可能な耐熱性合成樹脂製の蓋材で密封後、熱水式レトルト中で120℃で20分間加熱殺菌した後、冷却して、容器入り高栄養ゼリー状食品を得た。
製した高栄養ゼリー状食品は、製品100g当たりカロリーが150kcal、並びに蛋白質が9gであり、その固さは、7×10N/mであった。
(2)液状調味料の製造
醸造酢30部、ブドウ糖果糖液糖10部、食塩5部、キサンタンガム0.3部、香辛料0.1部及び清水54.6部をミキサーに投入して混合しpH4.0の液状調味料を得た。この液状調味料を合成樹脂製のフィルム包装に充填密封してパウチ入り液状調味料を得た。
この液状調味料の品温20℃における粘度は、2.0×10−1Pa・sであった。
(3)高栄養ゼリー状食品キットの製造
(1)で製した容器入り高栄養ゼリー状食品と(2)で製したパウチ入り液状調味料を 80mm×80mm×30mmの化粧箱に入れて、高栄養ゼリー状食品キットを製した。
(4)咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法
(3)で製した高栄養ゼリー状食品キットから、容器入り高栄養ゼリー状食品(内容量60g、品温20℃)を開封して取り出し、皿に盛り付けた。次に、パウチ入り液状調味料(内容量15g、品温20℃)を開封し、皿に盛り付けた高栄養ゼリー状食品の上からかけて、咀嚼・嚥下困難者に食事として提供した。
この咀嚼・嚥下困難者用食事を摂食し、その咀嚼のしやすさを評価したところ、口腔内でざらついたりべたついたりすることなく、嚥下しやすい食事であった。
[比較例]
実施例の(1)で製した容器入り高栄養ゼリー状食品(内容量60g、品温20℃)を開封して取り出し、皿に盛り付けた。これを、咀嚼・嚥下困難者に食事として提供した。
この咀嚼・嚥下困難者用食事を摂食し、その咀嚼のしやすさを評価したところ、口腔内でざらついたりべたついたりしてしまい、嚥下しにくい食事であった。
[試験例]
実施例(2)において、液状調味料のキサンタンガムの配合量を変え、その減少分又は増加分は清水の配合量で補正して、液状調味料の粘度がそれぞれ表1に示す粘度になるようにした以外は、実施例と同様な方法で咀嚼・嚥下困難者に食事を提供した。
これらの咀嚼・嚥下困難者用食事を摂食し、その咀嚼のしやすさを評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004312075
評価の記号の説明
嚥下したときの口腔内の付着性の評価
◎:べたつかない
○:ほとんどべたつかない
△:ややべたつく
×:べたつく
嚥下したときの口腔内のざらつきの評価
◎:ざらつかない
○:ほとんどざらつかない
△:ややざらつく
×:ざらつく
嚥下のしやすさの総合評価
◎:口腔内の付着性の評価とざらつきの評価の両方が◎のもの、又は、口腔内の付着性の評価とざらつきの評価のいずれか一方が◎で他方が○のもの
○:口腔内の付着性の評価とざらつきの評価の両方が○のもの
△:総合評価が◎、○、×以外のもの。
×:口腔内の付着性の評価とざらつきの評価のいずれかひとつが×のもの。
表1より、高栄養ゼリー状食品に粘度が5×10−2Pa・s〜50Pa・sである液状調味料を接触させて咀嚼・嚥下困難者に食事を提供する方法は、高栄養ゼリー状食品に粘度が5×10−2Pa・s未満の液状調味料を接触させて咀嚼・嚥下困難者に食事を提供する方法及び高栄養ゼリー状食品に粘度が50Pa・sを超える液状調味料を接触させて咀嚼・嚥下困難者に食事を提供する方法に比べて、嚥下しやすい食事であることが理解できる。
特に、前記液状調味料として、5×10−2Pa・s〜5Pa・sの液状調味料を用いた咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法は、より嚥下しやすい食事であり好ましかった。

Claims (2)

  1. 製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上であり、肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を含む高栄養ゼリー状食品を用いた咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法であって、前記高栄養ゼリー状食品の上、キサンタンガムが配合され粘度が5×10−2Pa・s〜5×10 −1 Pa・sである液状調味料をかけて接触させることを特徴とする咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法。
  2. 請求項1記載の咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法に用いる高栄養ゼリー状食品キットであって、製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上であり、肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を含む高栄養ゼリー状食品が充填密封されてなる包装体と、キサンタンガムが配合され粘度が5×10−2Pa・s〜5×10 −1 Pa・sである液状調味料が充填密封されてなる包装体とをセットとして少なくとも含むことを特徴とする高栄養ゼリー状食品キット。
JP2004042131A 2004-02-18 2004-02-18 咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット Expired - Fee Related JP4312075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004042131A JP4312075B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004042131A JP4312075B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005229879A JP2005229879A (ja) 2005-09-02
JP4312075B2 true JP4312075B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=35013465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004042131A Expired - Fee Related JP4312075B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4312075B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5435441B2 (ja) * 2007-02-16 2014-03-05 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 咀嚼・嚥下困難者用ゲル化剤
JP5832081B2 (ja) * 2009-10-19 2015-12-16 株式会社大塚製薬工場 咀嚼嚥下訓練用組成物
JP5847295B2 (ja) * 2012-03-28 2016-01-20 大和製罐株式会社 容器入り固形食品およびその製造方法
JP6147009B2 (ja) * 2012-04-02 2017-06-14 日清オイリオグループ株式会社 ゲル状食品
JP2020200046A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 テルモ株式会社 包装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005229879A (ja) 2005-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6809729B2 (ja) 食品組成物
JP2009106217A (ja) 増粘剤とアミノ酸を含有する食品組成物
JP2000279107A (ja) 非う蝕性易嚥下組成物並びにそれを用いた食品用組成物及び医薬品用組成物
JP3649945B2 (ja) 栄養粥
Kayashita et al. The Japanese dysphagia diet of 2021 by the Japanese Society of Dysphagia Rehabilitation
JP3411203B2 (ja) ゲル状食品組成物
WO2019017006A1 (ja) 高カロリー栄養組成物および包装体
JP4312075B2 (ja) 咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット
TWI330090B (ja)
JP4221094B2 (ja) 易嚥下補助組成物並びにそれを用いた食品用組成物及び医薬品用組成物
JPWO2019017016A1 (ja) 包装体
JP4290033B2 (ja) 咀嚼・嚥下困難者用食事の提供方法及びこれに用いるための高栄養ゼリー状食品キット
JP2001346527A (ja) 食用増粘・ゲル化組成物
JP4460491B2 (ja) 吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びその製法
JP4307285B2 (ja) 高栄養ゼリー状食品
JP2010065013A (ja) 胃瘻患者に用いられる経腸栄養剤用の半固形化剤及び半固形化経腸栄養剤
JP2008154527A (ja) 栄養補助食品
JPH11187832A (ja) 咀嚼・嚥下困難者用粥
JP3363880B2 (ja) 米ベース流動食
JP7220022B2 (ja) ゲル化剤を含む飲食品の製造方法
JP2001238651A (ja) 嚥下補助剤
JP2024514240A (ja) 犬用サシェ
JP2020200046A (ja) 包装体
JP2006158261A (ja) 口栓付パウチ容器入りゼリー飲食品
JP2020146036A (ja) ゼリー食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090512

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150522

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees