JPH11187832A - 咀嚼・嚥下困難者用粥 - Google Patents
咀嚼・嚥下困難者用粥Info
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- JPH11187832A JPH11187832A JP9359841A JP35984197A JPH11187832A JP H11187832 A JPH11187832 A JP H11187832A JP 9359841 A JP9359841 A JP 9359841A JP 35984197 A JP35984197 A JP 35984197A JP H11187832 A JPH11187832 A JP H11187832A
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- Cereal-Derived Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 誤嚥防止を確実にすると共に、咀嚼・嚥下困
難者に応じて硬さ、凝集性及び付着性を最適調整できる
ようにした咀嚼・嚥下困難者用粥を提供する。 【解決手段】 重湯を凝固剤、増粘剤の少なくとも一方
により凝固又は増粘させて米粒を包み込み、米粒と重湯
を含む粥全体として、硬さが5×102N/m2〜5×1
04N/m2の範囲に設定されたゲル状にすると共に、通
常の粥に比べて重湯と米粒が分離し難くした咀嚼・嚥下
困難者用粥を得る。
難者に応じて硬さ、凝集性及び付着性を最適調整できる
ようにした咀嚼・嚥下困難者用粥を提供する。 【解決手段】 重湯を凝固剤、増粘剤の少なくとも一方
により凝固又は増粘させて米粒を包み込み、米粒と重湯
を含む粥全体として、硬さが5×102N/m2〜5×1
04N/m2の範囲に設定されたゲル状にすると共に、通
常の粥に比べて重湯と米粒が分離し難くした咀嚼・嚥下
困難者用粥を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、摂食障害等によ
り咀嚼や嚥下が困難になった患者に対する介護食や嚥下
訓練食として有用な粥に関する。
り咀嚼や嚥下が困難になった患者に対する介護食や嚥下
訓練食として有用な粥に関する。
【0002】
【従来の技術】古来より、米飯を主食とする我が国の食
文化の中で、病人に対する栄養補給のために、米飯を粥
の形態に処方することが広く行われてきた。粥は通常の
米飯に比べて単位重量当たりのエネルギー量は少ない
が、消化がよく、病気の際には最も受け入れやすい形態
として重宝されている。一方近年、高齢化社会の到来と
共に、歯の喪失や筋力低下等、老化に伴う様々な原因に
よって咀嚼・嚥下機能が低下する患者が増えている。こ
の様な咀嚼・嚥下困難者に対して、鼻腔等よりチューブ
を用いて胃や十二指腸等に流し込むという安易な方法を
用いることは、咀嚼・嚥下機能を更に低下させることと
なり、ひいては口腔よりの摂食能力の回復を妨げる結果
となる。この様な摂食能力の低下は、「口から食べるこ
と」がこれまで視覚,嗅覚,味覚等を通して脳に与えて
いた刺激を失わせ、次第に人間として生きている実感ま
で薄れさせることになる。また脳卒中患者では意識障
害,認知障害等による摂食・嚥下障害を起こすことがあ
る。この場合は、再び「口から食べられる」ように、咀
嚼・嚥下能力の回復を目的とした訓練を行うことが必要
である。
文化の中で、病人に対する栄養補給のために、米飯を粥
の形態に処方することが広く行われてきた。粥は通常の
米飯に比べて単位重量当たりのエネルギー量は少ない
が、消化がよく、病気の際には最も受け入れやすい形態
として重宝されている。一方近年、高齢化社会の到来と
共に、歯の喪失や筋力低下等、老化に伴う様々な原因に
よって咀嚼・嚥下機能が低下する患者が増えている。こ
の様な咀嚼・嚥下困難者に対して、鼻腔等よりチューブ
を用いて胃や十二指腸等に流し込むという安易な方法を
用いることは、咀嚼・嚥下機能を更に低下させることと
なり、ひいては口腔よりの摂食能力の回復を妨げる結果
となる。この様な摂食能力の低下は、「口から食べるこ
と」がこれまで視覚,嗅覚,味覚等を通して脳に与えて
いた刺激を失わせ、次第に人間として生きている実感ま
で薄れさせることになる。また脳卒中患者では意識障
害,認知障害等による摂食・嚥下障害を起こすことがあ
る。この場合は、再び「口から食べられる」ように、咀
嚼・嚥下能力の回復を目的とした訓練を行うことが必要
である。
【0003】この様に、咀嚼・嚥下が困難であっても、
チューブ等を用いた栄養補給を安易に行わず、咀嚼・嚥
下訓練を行い、おいしい食事がなるべく長く可能となる
ように、又は一日も早く口から食べられるように努力す
ることが、患者にとって重要であることが多い。しか
し、嚥下訓練は、介護をする側にも大きな負担になる。
咀嚼・嚥下困難となった患者の程度によっては、口腔よ
りの誤嚥は十分に注意しなければならないからである。
この様な背景があるにも拘わらず、現状では、咀嚼・嚥
下困難者を対象とした、介護食や嚥下訓練食として必要
な堅さ等が管理調製された食品はない。
チューブ等を用いた栄養補給を安易に行わず、咀嚼・嚥
下訓練を行い、おいしい食事がなるべく長く可能となる
ように、又は一日も早く口から食べられるように努力す
ることが、患者にとって重要であることが多い。しか
し、嚥下訓練は、介護をする側にも大きな負担になる。
咀嚼・嚥下困難となった患者の程度によっては、口腔よ
りの誤嚥は十分に注意しなければならないからである。
この様な背景があるにも拘わらず、現状では、咀嚼・嚥
下困難者を対象とした、介護食や嚥下訓練食として必要
な堅さ等が管理調製された食品はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】澱粉や寒天、ゼラチン
等を用いて硬さの調製を行うことは、多くの料理で通常
行われることであるが、介護食や嚥下訓練食として、常
に安定な硬さを保持して調理することは難しい。粥に
は、米粒と重湯の比率により、1分粥、3分粥、5分
粥、7分粥、全粥といった段階があるが、咀嚼・嚥下困
難者にとっては、米粒と重湯の分離が誤嚥の原因とな
り、そのままでは介護食や嚥下訓練食として問題があ
る。特開平9−47239号公報には、レトルト米飯の
周囲を増粘剤により固めて、米粒の流出防止とノリ状化
防止を図ることが提案されているが、ここでは咀嚼・嚥
下困難な患者の介護食としての特性は考慮されていな
い。咀嚼・嚥下困難者の介護食や嚥下訓練食としては、
硬さ、凝集性、付着性等を考慮することが必要となる。
等を用いて硬さの調製を行うことは、多くの料理で通常
行われることであるが、介護食や嚥下訓練食として、常
に安定な硬さを保持して調理することは難しい。粥に
は、米粒と重湯の比率により、1分粥、3分粥、5分
粥、7分粥、全粥といった段階があるが、咀嚼・嚥下困
難者にとっては、米粒と重湯の分離が誤嚥の原因とな
り、そのままでは介護食や嚥下訓練食として問題があ
る。特開平9−47239号公報には、レトルト米飯の
周囲を増粘剤により固めて、米粒の流出防止とノリ状化
防止を図ることが提案されているが、ここでは咀嚼・嚥
下困難な患者の介護食としての特性は考慮されていな
い。咀嚼・嚥下困難者の介護食や嚥下訓練食としては、
硬さ、凝集性、付着性等を考慮することが必要となる。
【0005】この発明は、上記事情を考慮してなされた
もので、誤嚥防止を確実にすると共に、咀嚼・嚥下困難
者に応じて硬さ、凝集性及び付着性を最適調整できるよ
うにした咀嚼・嚥下困難者用粥を提供することを目的と
している。
もので、誤嚥防止を確実にすると共に、咀嚼・嚥下困難
者に応じて硬さ、凝集性及び付着性を最適調整できるよ
うにした咀嚼・嚥下困難者用粥を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による咀嚼・嚥
下困難者用粥は、重湯を凝固剤,増粘剤の少なくとも一
方により凝固又は増粘させて米粒を包み込み、通常の粥
に比べて重湯と米粒が分離し難くしたことを特徴とす
る。この発明において好ましくは、米粒と重湯を含む粥
全体として、硬さが5×102N/m2〜5×104N/
m2の範囲に設定されたゲル状とし、且つ凝固剤又は増
粘剤の添加により付着性を低下させる。この発明におい
てはまた、好ましくは、品温50℃以上で上記硬さを保
持するものとする。この発明は更に、米粒と重湯を含む
粥全体として、硬さが5×102N/m2以下、粘度が
1.5×103mPa・S以上に設定されたゾル状とし
たこと、また好ましくは品温50℃以上で上記硬さ及び
粘度を保持することを特徴とする。
下困難者用粥は、重湯を凝固剤,増粘剤の少なくとも一
方により凝固又は増粘させて米粒を包み込み、通常の粥
に比べて重湯と米粒が分離し難くしたことを特徴とす
る。この発明において好ましくは、米粒と重湯を含む粥
全体として、硬さが5×102N/m2〜5×104N/
m2の範囲に設定されたゲル状とし、且つ凝固剤又は増
粘剤の添加により付着性を低下させる。この発明におい
てはまた、好ましくは、品温50℃以上で上記硬さを保
持するものとする。この発明は更に、米粒と重湯を含む
粥全体として、硬さが5×102N/m2以下、粘度が
1.5×103mPa・S以上に設定されたゾル状とし
たこと、また好ましくは品温50℃以上で上記硬さ及び
粘度を保持することを特徴とする。
【0007】咀嚼・嚥下困難者にとっては、固形物と液
の分離が大きな誤嚥の原因となる。この発明によれば、
重湯を凝固又は増粘することによって、重湯が米粒を包
み込み、重湯と米粒が分離しないように調製し、もって
咀嚼・嚥下困難者の誤嚥を防止するようにした、介護食
や嚥下訓練食として有用な粥が得られる。咀嚼・嚥下困
難者に好ましい食品の条件としては、滑らかさと柔らか
さがあり、且つのど越しがよくむせないこと、が重要で
ある。そのためのテクスチャの機械的特性として考慮す
る必要があるのは、前述したように、1)硬さ、2)凝
集性、3)付着性である。1)の硬さは、上述した柔ら
かさの指標であり、2)の凝集性は、脆さや崩れ難さ、
即ちバラバラになり難くまとまっている状態の特性値と
なる。3)の付着性は、べたべたする粘着性を表す特性
値である。粥は、炊飯の仕方により、米粒からの澱粉質
の流出で重湯の粘性が変わり、粥表面を覆っている糊化
された澱粉が米粒をまとめて凝集性を高め、のど越しを
よくして付着性を抑える。しかし、糊化された澱粉が米
粒を囲む状態は常に安定に再現できるわけではなく、ま
た糊化すると食味としても好ましくない。この発明に係
る粥は、重湯を凝固或いは増粘して、米粒と重湯の分離
を防止しながら、一定の硬さを確保し、付着性について
は、凝固剤又は増粘剤の添加により、添加前よりも低く
することが好ましい。
の分離が大きな誤嚥の原因となる。この発明によれば、
重湯を凝固又は増粘することによって、重湯が米粒を包
み込み、重湯と米粒が分離しないように調製し、もって
咀嚼・嚥下困難者の誤嚥を防止するようにした、介護食
や嚥下訓練食として有用な粥が得られる。咀嚼・嚥下困
難者に好ましい食品の条件としては、滑らかさと柔らか
さがあり、且つのど越しがよくむせないこと、が重要で
ある。そのためのテクスチャの機械的特性として考慮す
る必要があるのは、前述したように、1)硬さ、2)凝
集性、3)付着性である。1)の硬さは、上述した柔ら
かさの指標であり、2)の凝集性は、脆さや崩れ難さ、
即ちバラバラになり難くまとまっている状態の特性値と
なる。3)の付着性は、べたべたする粘着性を表す特性
値である。粥は、炊飯の仕方により、米粒からの澱粉質
の流出で重湯の粘性が変わり、粥表面を覆っている糊化
された澱粉が米粒をまとめて凝集性を高め、のど越しを
よくして付着性を抑える。しかし、糊化された澱粉が米
粒を囲む状態は常に安定に再現できるわけではなく、ま
た糊化すると食味としても好ましくない。この発明に係
る粥は、重湯を凝固或いは増粘して、米粒と重湯の分離
を防止しながら、一定の硬さを確保し、付着性について
は、凝固剤又は増粘剤の添加により、添加前よりも低く
することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を説明す
る。米を洗米し水に浸漬した後、米と水の比率を変えて
煮熟し、1分粥、3分粥、5分粥、7分粥、全粥を作っ
た。それぞれに所定量の糊料を加え、加熱して均一にな
るように溶解した。加えた糊料と割合は、次の表1の通
りである。
る。米を洗米し水に浸漬した後、米と水の比率を変えて
煮熟し、1分粥、3分粥、5分粥、7分粥、全粥を作っ
た。それぞれに所定量の糊料を加え、加熱して均一にな
るように溶解した。加えた糊料と割合は、次の表1の通
りである。
【0009】
【表1】
【0010】できた粥を、以下の試験用の容器に移し、
一旦冷却後、20℃の冷却状態及び再加熱した70℃の
加温状態で、重湯と米粒の分離状態を観察し、更に硬さ
及び粘性について調べた。重湯と米粒の分離状態を70
℃の加温状態で調べた結果は、下記表2の通りである。
但し、○はほぼ分離していない状態、×は分離している
状態を示す。
一旦冷却後、20℃の冷却状態及び再加熱した70℃の
加温状態で、重湯と米粒の分離状態を観察し、更に硬さ
及び粘性について調べた。重湯と米粒の分離状態を70
℃の加温状態で調べた結果は、下記表2の通りである。
但し、○はほぼ分離していない状態、×は分離している
状態を示す。
【0011】
【表2】
【0012】硬さの測定は、試料を直径40mmの円筒容
器に、15mmの高さまで充填し、測定機としてレオメー
タ(株式会社サン科学製)を用い、直径20mmのプラン
ジャーを用いて、圧縮速度10mm/sec、クリアランス
5mmで測定した。20℃での測定結果は、下記表3の通
りである。但し測定値の単位は、×103N/m2であ
る。
器に、15mmの高さまで充填し、測定機としてレオメー
タ(株式会社サン科学製)を用い、直径20mmのプラン
ジャーを用いて、圧縮速度10mm/sec、クリアランス
5mmで測定した。20℃での測定結果は、下記表3の通
りである。但し測定値の単位は、×103N/m2であ
る。
【0013】
【表3】
【0014】同じく、70℃での測定結果は、下記表4
の通りである。
の通りである。
【0015】
【表4】
【0016】以上の結果から、糊料無添加の対照品であ
る試料7は、20℃の測定では1分粥、3分粥、及び5
分粥で、また70℃の測定では1分粥、3分粥、5分粥
及び7分粥で咀嚼・嚥下困難者に負担となるが、この発
明の実施例である試料1〜6では明らかに、咀嚼・嚥下
困難者に好ましい状態への改善が認められる。粘度の測
定は、凝固していないものに対して、300mlのトー
ルビーカーに充填し、B型回転粘度計(芝浦システム株
式会社製)を用いて、12rpmでNo.4ローターを
回転させ(試料7の1分粥、3分粥については、60r
pmで、No.1ローターを回転させ)、2分後の示度
を読み、その値に係数を乗じて算出した。糊料として凝
固力のない試料5と、糊料無添加の対照品である試料7
の20℃での測定結果は、下記表5の通りである。但
し、粘度の単位は、mPa・Sである。
る試料7は、20℃の測定では1分粥、3分粥、及び5
分粥で、また70℃の測定では1分粥、3分粥、5分粥
及び7分粥で咀嚼・嚥下困難者に負担となるが、この発
明の実施例である試料1〜6では明らかに、咀嚼・嚥下
困難者に好ましい状態への改善が認められる。粘度の測
定は、凝固していないものに対して、300mlのトー
ルビーカーに充填し、B型回転粘度計(芝浦システム株
式会社製)を用いて、12rpmでNo.4ローターを
回転させ(試料7の1分粥、3分粥については、60r
pmで、No.1ローターを回転させ)、2分後の示度
を読み、その値に係数を乗じて算出した。糊料として凝
固力のない試料5と、糊料無添加の対照品である試料7
の20℃での測定結果は、下記表5の通りである。但
し、粘度の単位は、mPa・Sである。
【0017】
【表5】
【0018】同じく70℃での測定結果は、下記表6の
通りである。
通りである。
【0019】
【表6】
【0020】以上の結果から、試料5は、重湯の多い1
分粥、3分粥でも粘性が上がり、明らかに期待する状態
への改善が認められた。更に上記試料のうち、数値的に
差の認められる3分粥について、パネラー5人を使って
次の4項目の官能検査を行った。 (1)飲み込み易いか (2)バラバラになりずらく、まとまっているか(凝集
性) (3)べたついて付着する感じはないか (4)おいしく食べられるか
分粥、3分粥でも粘性が上がり、明らかに期待する状態
への改善が認められた。更に上記試料のうち、数値的に
差の認められる3分粥について、パネラー5人を使って
次の4項目の官能検査を行った。 (1)飲み込み易いか (2)バラバラになりずらく、まとまっているか(凝集
性) (3)べたついて付着する感じはないか (4)おいしく食べられるか
【0021】パネラーは全て健常人のため、嚥下困難等
の状態を再現できないが、嚥下困難者を想定して飲み込
んだ試験を行った。上記項目(1)〜(4)の評価基準
は、下記表7の通りである。
の状態を再現できないが、嚥下困難者を想定して飲み込
んだ試験を行った。上記項目(1)〜(4)の評価基準
は、下記表7の通りである。
【0022】
【表7】
【0023】パネラー5人による各項目(1)〜(4)
の官能検査の評点の平均点は、下記表8の通りである。
の官能検査の評点の平均点は、下記表8の通りである。
【0024】
【表8】
【0025】以上の結果から、項目(1)〜(3)につ
いて、試料1〜6は対照品である試料7に比較して明ら
かに効果ありと判断された。項目(4)については、試
料7も違和感なくおいしく食べられるという判定がなさ
れている。
いて、試料1〜6は対照品である試料7に比較して明ら
かに効果ありと判断された。項目(4)については、試
料7も違和感なくおいしく食べられるという判定がなさ
れている。
【0026】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、重
湯を凝固又は増粘することによって、重湯が米粒を包み
込み、重湯と米粒が分離しないように調製し、もって咀
嚼・嚥下困難者の誤嚥を防止するようにした、介護食や
嚥下訓練食として有用な粥を得ることができる。
湯を凝固又は増粘することによって、重湯が米粒を包み
込み、重湯と米粒が分離しないように調製し、もって咀
嚼・嚥下困難者の誤嚥を防止するようにした、介護食や
嚥下訓練食として有用な粥を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 隆夫 長野県伊那市西春近5074番地 伊那食品工 業株式会社内 (72)発明者 安部 和美 徳島県徳島市鮎喰町1丁目4−17 (72)発明者 戎 五郎 徳島県鳴門市大麻町檜字中山田13−59 (72)発明者 郡 英明 徳島県板野郡北島町北村字壱町四反地
Claims (5)
- 【請求項1】 重湯を凝固剤,増粘剤の少なくとも一方
により凝固又は増粘させて米粒を包み込み、通常の粥に
比べて重湯と米粒が分離し難くしたことを特徴とする咀
嚼・嚥下困難者用粥。 - 【請求項2】 米粒と重湯を含む粥全体として、硬さが
5×102N/m2〜5×104N/m2の範囲に設定され
たゲル状とし、且つ凝固剤又は増粘剤の添加により付着
性を低下させたことを特徴とする請求項1記載の咀嚼・
嚥下困難者用粥。 - 【請求項3】 品温50℃以上で上記硬さを保持するこ
とを特徴とする請求項2記載の咀嚼・嚥下困難者用粥。 - 【請求項4】 米粒と重湯を含む粥全体として、硬さが
5×102N/m2以下、粘度が1.5×103mPa・
S以上に設定されたゾル状としたことを特徴とする請求
項1記載の咀嚼・嚥下困難者用粥。 - 【請求項5】 品温50℃以上で上記硬さ及び粘度を保
持することを特徴とする請求項4記載の咀嚼・嚥下困難
者用粥。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9359841A JPH11187832A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 咀嚼・嚥下困難者用粥 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9359841A JPH11187832A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 咀嚼・嚥下困難者用粥 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11187832A true JPH11187832A (ja) | 1999-07-13 |
Family
ID=18466579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9359841A Pending JPH11187832A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 咀嚼・嚥下困難者用粥 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11187832A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-12-26 JP JP9359841A patent/JPH11187832A/ja active Pending
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