JP4311100B2 - スロットダイバシティ対応無線通信装置 - Google Patents

スロットダイバシティ対応無線通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、TDMA−TDD方式で無線通信品質を向上させるためのスロットダイバシティに対応した無線通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
TDMA−TDD通信方式では、無線品質を向上させる方法として、様々なダイバシティ制御技術が考案されてきた。例えば特公平7−28248号では、時分割無線通信システムに係る周波数ダイバシティ技術が紹介されている。これは周波数だけでなく、無線信号を送受信するスロットも変えているので本発明で定義しているスロットダイバシティ技術とも言える。
【0003】
これ以外にも物理的にアンテナを複数本設け、より高い品質で受信できるアンテナを選択するというアンテナダイバシティ技術がある。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−28248号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この様に各種ダイバシティ制御は、無線通信品質を向上させる有効な手段であるが、例えばアンテナダイバシティ対応無線通信装置の場合、一般に携帯性が要求される子機では、小型化の必要性から複数のアンテナを搭載することは実装スペース確保、必要十分なアンテナ間距離の確保が困難であり、実現できたとしてもアンテナ、アンテナ切替スイッチ回路の追加によるコストアップ、その影響によるセットの大型化など、多くのデメリットが発生する。
【0006】
一方であらかじめ決められた一定時間のフレームをN(Nは4以上の自然数)本のスロットに等分割し、等分割された各々の時間のスロットで送信信号と受信信号を多重化して親機と子機との間で通信を行う時分割多重(TDMA−TDD)方式の無線通信装置において、無線通信品質を向上させるために、親機は子機との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のB(Bは2以上N以下の自然数)本のスロットにおいて親機から送信し、子機は親機から送信される同一フレーム内のB本のスロットの無線信号を受信し、また同様に子機は親機との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のP(Pは2以上N−B以下の自然数)本のスロットにおいて送信し、親機は子機から送信される同一フレーム内のP本のスロットの無線信号を受信するスロットダイバシティ制御を行う無線通信装置は、アンテナダイバシティ方式のようなアンテナ関係の部品追加は無いものの、複数のスロットを用いて送受信を行うため、子機においてはスロットダイバシティを行わない場合に比べて電力消費が大きいことから、通信時間の低下により携帯性が損なわれるという課題があった。また、電波環境の良好な状態にあってもスロットダイバシティを行うため、不必要に電力を消費していた。
【0007】
そこで、本発明は、無線通信装置における子機側の電力消費を考慮しながら、より効果の高いスロットダイバシティ対応無線通信装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のスロットダイバシティ対応無線通信装置は、スロットダイバシティ制御を用いて無線品質の向上を図った無線通信装置であり、本発明によれば、コストを上げることなく、子機の電源残容量、無線信号を受信した際の電波環境によりスロットダイバシティモードを選択することで、より効果の高い無線品質での通信を行うことが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、あらかじめ決められた一定時間のフレームをN(Nは4以上の自然数)本のスロットに等分割し、等分割された各々の時間のスロットで送信信号と受信信号を多重化して親機と子機との間で通信を行う時分割多重(TDMA−TDD)方式の無線通信装置において、無線通信品質を向上させるために、親機は子機との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のB(Bは2以上N以下の自然数)本のスロットにおいて親機から送信し、子機は親機から送信される同一フレーム内のB本のスロットの中で実際にBa本の無線信号を受信し、また同様に子機は親機との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のP(Pは2以上N−B以下の自然数)本のスロットにおいて実際にPa本のスロット数で送信し、親機は子機から送信される同一フレーム内のP本のスロットの無線信号を受信するダイバシティ制御(以下、スロットダイバシティと記載)を行う無線通信装置であって、前記子機は前記親機から送信された通信スロット数B本と同数のBa本を受信し、前記親機側へ送信する通信スロット数P本のうち、実際に送信する通信スロット数Paを1本に設定して通信を行うことを特徴とするスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、子機における無線送信スロット数を削減することで電力消費の中でも大きな割合を占める送信電力を削減でき、スロットダイバシティを行わない場合に近い電力消費量で子機における受信時にスロットダイバシティ制御を実現することができる。
【0010】
本発明の第2の発明は、前記親機と前記子機において、前記子機は、前記親機が前記親機との間で決められた同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のB本のスロット数で送信された無線信号と、実際に受信するスロット数Baが同一で、前記親機との間で決められた同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のP本のスロットの中で実際に無線信号を送信するスロット数PaがPと同じスロットダイバシティ固定モード、スロットダイバシティ固定モードに前記親機へ送信する無線信号のスロット数Paを1本以上、P本未満で送信するスロットダイバシティ送信可変モード、スロットダイバシティ送信可変モードに前記親機から実際に受信する無線信号のスロット数Baについても1本以上、B本未満で受信するスロットダイバシティ送受信可変モード、更にスロットダイバシティ送受信可変モードにおけるPa、Baの両方を1本に固定したスロットダイバシティOFFモードの中で1つまたは複数のモードを保有することを特徴とする第1の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、前記子機の動作要因により設定したモードを選択して通信することができる。
【0011】
本発明の第3の発明は、第2の発明による子機において、親機と通信状態に推移した状態の間でもモードを切り替える機能を有することを特徴とする第2の発明によるスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、例えば前記子機が通信開始時にスロットダイバシティ固定モードで通信を行っていたとしても、通信の途中でスロットダイバシティOFFモードに切り替えることができる。
【0012】
本発明の第4の発明は、第2の発明または第3の発明による子機において、子機の電源の使用可能容量によって通信状態を一意に決めることを特徴とする第2の発明または第3の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、電源の残容量が多い場合、より高い無線品質を期待できるスロットダイバシティ固定モード、電源の残容量が少なくなってきた場合、スロットダイバシティ送信可変モード、電源容量が残りわずかになった場合、スロットダイバシティOFFモードに切り替え、電力消費を削減することで常時スロットダイバシティ固定モードの場合に対し、長時間の通信を実現することができる。
【0013】
本発明の第5の発明は、第2の発明または第3の発明による子機において、子機が親機より受信した無線信号の電界強度を計測し、その結果により通信状態を一意に決めることを特徴とする第2の発明または第3の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、例えば前記親機から受信した電界強度が高い場合にはスロットダイバシティOFFモード、電界強度が低下した場合にはスロットダイバシティ固定モードに切り替え、特に電界強度が高い場合、電力消費を削減することができる。
【0014】
本発明の第6の発明は、第2の発明または第3の発明による子機において、子機が親機より受信した無線信号のエラー発生頻度の結果により通信状態を一意に決めることを特徴とする第2の発明または第3の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、例えば前記親機から受信したエラー発生頻度が低い場合にはスロットダイバシティOFFモード、エラー発生頻度が高い場合にはスロットダイバシティ固定モードに切り替え、特にエラー発生頻度が低い場合、電力消費を削減することができる。
【0015】
本発明の第7の発明は、第4の発明による子機において、第5の発明の特徴を併せ持つことを特徴とする第4の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、電源の残容量と受信した無線信号の電界強度によりスロットダイバシティのモードを選択し、通信を行うことができる。
【0016】
本発明の第8の発明は、第4の発明による子機において、第6の発明の特徴を併せ持つことを特徴とする第4の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、電源の残容量と受信した無線信号のエラー発生頻度によりスロットダイバシティのモードを選択し、通信を行うことができる。
【0017】
本発明の第9の発明は、第5の発明による子機において、第6の発明の特徴を併せ持つことを特徴とする第5の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、受信した無線信号の電界強度とエラー発生頻度によりスロットダイバシティのモードを選択し、通信を行うことができる。
【0018】
本発明の第10の発明は、第7の発明による子機において、第6の発明の特徴を併せ持つことを特徴とする第7の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、電源の残容量と受信した無線信号の電界強度及びエラー発生頻度によりスロットダイバシティのモードを選択し、通信を行うことができる。
【0019】
本発明の第11の発明は、第2の発明または第3の発明に記載の子機において、電源の使用可能容量等の要因に関わらず、使用者自身がキー操作によってモードを強制的に切り替えることができることを特徴とする第2の発明または第3の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、使用者の意向に沿った通信を容易に実現できる。
【0020】
本発明の第12の発明は、第2の発明または第3の発明に記載の子機において、異なる1つまたは複数のモードを保有する複数の子機が同一の親機と異なるモード若しくは同一のモードで同時に通信可能であることを特徴とする第2の発明または第3の発明に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置であり、前記親機側は常にスロットダイバシティの送受信スロット数をそれぞれB、Pに維持することで前記の様々なモードで通信を行う複数の子機との接続を容易に実現できる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図1、2及び(表1)〜(表7)を用いて説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1におけるスロットダイバシティ対応無線通信装置の親機構成図、図1(b)は本発明の実施の形態1におけるスロットダイバシティ対応無線通信装置の子機構成図である。
【0023】
まず親機について説明する。図1(a)において、1は親機部、2は公衆回線の制御を行う親機の回線制御部、3は無線接続の確立や解放、品質管理を行う等、親機全体を制御する親機制御部、4は無線区間でのデータのやり取りを行う親機無線部、5は電話番号を入力することができるテンキーなどの入力手段、6はディスプレーに表示を行う表示手段、7はマイクやスピーカに接続されA/D変換してデジタル化する音声処理手段、8は無線で使用するスロット制御を行うスロット制御部、9は親機無線部4より受信したスロットの電界強度を計測し、親機制御部3にその情報を伝える電界強度計測部、10は親機無線部4より受信したスロットのデータのエラー監視を行い親機制御部3にその情報を伝えるエラー検知部である。
【0024】
続いて子機について説明する。図1(b)において、11は子機部、12は子機部11の電源部、13は無線接続の確立や解放、品質管理を行う等、子機全体を制御する子機制御部、14は無線区間でのデータのやり取りを行う子機無線部、15は電話番号を入力することができるテンキーなどの入力手段、16はディスプレーに表示を行う表示手段、17はマイクやスピーカに接続されA/D変換してデジタル化する音声処理手段、18は無線で使用するスロット制御を行うスロット制御部、19は子機無線部14より受信したスロットの電界強度を計測し、子機制御部13にその情報を伝える電界強度計測部、20は子機無線部14より受信したスロットのデータのエラー監視を行い子機制御部13にその情報を伝えるエラー検知部、21は電源部12の残容量を管理する電源残量管理部である。
【0025】
ここで図1における実施の形態を説明する。あらかじめ決められた一定時間のフレームをN(Nは4以上の自然数)本のスロットに等分割し、等分割された各々の時間のスロットで送信信号と受信信号を多重化して親機1と子機11との間で通信を行う時分割多重(TDMA−TDD)方式の無線通信装置において、親機1は子機11との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のB(Bは2以上N以下の自然数)本のスロット数と子機11との間で決められたスロット番号を親機制御部3からスロット制御部8に設定し、親機無線部4を経由して親機1から送信する。
【0026】
子機11は親機1から送信される同一フレーム内のB本のスロットの中で、子機制御部13によって設定された実際に受信するBa本のスロット数とそのスロット番号をスロット制御部18に設定し、子機無線部13を経由して受信し、また同様に子機11は親機1との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のP(Pは2以上N−B以下の自然数)本のスロットの中で子機制御部13によって設定された実際に送信するPa本のスロット数とそのスロット番号をスロット制御部18に設定し、子機無線部14を経由して子機11から送信する。
【0027】
親機1は子機11から送信される同一フレーム内のP本のスロット数と子機11との間で決められたスロット番号を親機制御部3からスロット制御部8に設定し、親機無線部4を経由して受信する。
【0028】
ここで、例えばPとPaが同数でない場合、親機1は、P本のスロット分受信動作を行うが、子機11はPa本のスロットしか送信しないため、その差のスロットにおいて親機1は無線信号を受信できず、エラーを検知することになる。
【0029】
本実施の形態におけるスロットダイバシティの一例として、図2スロットダイバシティ動作例に示した内容について説明する。1フレームあたりのスロット数Nが8であり、スロット番号0から3までを親機1側からの送信用スロット、4から7までを子機11側からの送信用スロットに割り当ててある。
【0030】
この中でスロット0を親機1から子機11への同報情報、スロット番号等を通知する制御情報用として使用し、親機制御部3からスロット制御部8に前記B、前記Pにそれぞれ2、2を設定し、子機制御部13からスロット制御部18に前記B、前記P、前記Ba、前記Paをそれぞれ2、2、2、1に設定した状態で親機1からは子機11との間で設定されたスロット番号2、3の2本のスロットを用いて送信し、子機11からは子機11との間で設定されたスロット番号6、7のうち、子機制御部13によって設定されたスロット番号6の1本のスロットを用いて送信を行う。
【0031】
ここで前記Paを2に設定した場合、スロット番号7において子機11より無線信号を送信し、これまで無効データしか受信できなかった親機11側で有効データが受信できる。
【0032】
尚、複数のスロットを受信した側での信号処理については、エラーが無かったスロットのデータを選択、エラーが無い限り常に最新スロットのデータを採用するが、エラーが発生したスロットのデータは破棄するなどのさまざまな方法が選択されてもよい。
【0033】
【表1】
Figure 0004311100
【0034】
次に(表1)の子機の電源部使用可能容量の違いによるスロットダイバシティモード状態遷移例について説明する。(表1)は子機の電源使用可能容量によるスロットダイバシティモード状態遷移例を示す。子機11は、親機1との間で決められた同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のB本のスロット数で送信された無線信号と、実際に受信するスロット数Baが同一で、親機1との間で決められた同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のP本のスロットの中で実際に無線信号を送信するスロット数PaがPと同じスロットダイバシティ固定モードと、スロットダイバシティ固定モードに親機1へ送信する無線信号のスロット数Paを1本以上、P本未満で送信するスロットダイバシティ送信可変モードと、スロットダイバシティ送信可変モードに親機1から実際に受信する無線信号のスロット数Baについても1本以上、B本未満で受信するスロットダイバシティ送受信可変モード、更にスロットダイバシティ送受信可変モードにおけるPa、Baの両方を1本に固定したスロットダイバシティOFFモードの中で、要求仕様により、任意の数のモードを持つことができる。
【0035】
この例において子機11は、上記4モードの中でスロットダイバシティ送受信可変モードを搭載しないものとする。子機11は、電源部12の電源使用可能容量を管理している電源残量管理部21より子機制御部13へ逐次電源使用可能容量が伝えられ、その結果モード変更が必要と判断された場合、スロット制御部18にスロット変更処理を要求する。
【0036】
(表1)の例では、電源使用可能容量が多〜中の場合、電力消費は最大となるものの、最高の無線品質を確保できる固定モード、電源使用可能容量が少しになった場合は送信可変モード、残りわずかになった場合はOFFモードにし、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保した状態遷移である。尚、送受信可変モードを搭載している場合、送信可変モードを送受信可変モードにすることも可である。
【0037】
【表2】
Figure 0004311100
【0038】
次に(表2)子機の受信した電界強度によるスロットダイバシティモード状態遷移例について説明する。(表2)は子機の受信した電界強度によるスロットダイバシティモード状態遷移例を示す。親機1から送信される無線信号は、子機11の子機無線部14で受信し、その電界強度を電界強度計測部19で計測し、子機制御部13へ送られ、ここで判定され、その結果によりモード変更が必要となった場合、子機制御部13はスロット制御部18にスロット変更処理を要求する。
【0039】
(表2)の例では、スロット制御部への電界強度が高い状態である場合、親機1と子機11との距離が近いと判定して送信可変モードに設定し、電界強度が低い状態である場合、親機1と子機11との距離が遠いと判定して、固定モードに切り替える。
【0040】
【表3】
Figure 0004311100
【0041】
次に(表3)子機の受信した信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例について説明する。(表3)は子機の受信した信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例を示す。親機1から送信される無線信号は、子機11の子機無線部14で受信し、その時の無線信号のエラーの有無をエラー検知部20で判定し、その結果を子機制御部13へ送られる。ここで例えば連続エラー回数もしくは単位時間あたりのエラー数などによる判定基準によりモード変更が必要となった場合、子機制御部13はスロット制御部18にスロット変更処理を要求する。(表3)の例では、何らかの干渉などによるエラー発生頻度が高い場合や中程度の場合、固定モードに設定し、逆に干渉があまり発生せず、エラー発生頻度が少ない場合、送信可変モードに切り替える。
【0042】
【表4】
Figure 0004311100
【0043】
次に(表4)子機の電源使用可能容量と電界強度によるスロットダイバシティモード状態遷移例について説明する。(表4)は子機の電源使用可能容量と電界強度によるスロットダイバシティモード状態遷移例を示す。これは、(表1)子機の電源部使用可能容量の違いによるスロットダイバシティモード状態遷移例と、(表2)子機の受信した電界強度によるスロットダイバシティモード状態遷移例で説明した2つの機能を持ち合わせた子機11である。
【0044】
(表4)の例では、子機11は、電界強度計測部19で計測された無線信号の状態を、子機制御部13が電界強度が高い状態であると判定した場合において、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、送信可変モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0045】
逆に子機制御部13が電界強度が低い状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、固定モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0046】
【表5】
Figure 0004311100
【0047】
次に(表5)子機の電源使用可能容量と受信信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例について説明する。(表5)は子機の電源使用可能容量と受信信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例を示す。これは、(表1)子機の電源部使用可能容量の違いによるスロットダイバシティモード状態遷移例と、(表3)子機の受信した信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例で説明した2つの機能を持ち合わせた子機11である。
【0048】
(表5)の例では、無線信号のエラーの有無をエラー検知部20で判定し、その結果を子機制御部13がエラー発生頻度が高〜中の状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、固定モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0049】
逆に子機制御部13がエラー発生頻度が低い状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、送信可変モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0050】
【表6】
Figure 0004311100
【0051】
次に(表6)子機の電界強度と受信信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例について説明する。(表6)は子機の電界強度と受信信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例を示す。これは、(表2)子機の受信した電界強度によるスロットダイバシティモード状態遷移例と、(表3)子機の受信した信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例で説明した2つの機能を持ち合わせた子機11である。(表6)の例では、無線信号のエラーの有無をエラー検知部20で判定し、その結果を子機制御部13がエラー発生頻度が高〜中の状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電界強度計測部19で計測された無線信号の状態を電界強度がいかなる状態であったとしても、固定モードに設定するよう、スロット制御部18に要求する。
【0052】
逆に子機制御部13がエラー発生頻度が低い状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電界強度計測部19で計測された無線信号の状態を電界強度が高いと判定された場合、OFFモードに設定され、電界強度計測部19で計測された無線信号の状態を電界強度が低いと判定された場合、固定モードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0053】
【表7】
Figure 0004311100
【0054】
次に(表7)子機の電源使用可能容量と電界強度、受信信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例について説明する。(表7)は子機の電源使用可能容量と電界強度、受信信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例を示す。これは、(表4)子機の電源使用可能容量と電界強度によるスロットダイバシティモード状態遷移例と、(表3)子機の受信した信号のエラー発生頻度によるスロットダイバシティモード状態遷移例で説明した2つの機能を持ち合わせた子機11である。
【0055】
(表7)の例では、電界強度計測部19で計測された無線信号の状態を子機制御部13において、電界強度が高い状態であると判定し、更に無線信号のエラーの有無をエラー検知部20で判定し、その結果を子機制御部13がエラー発生頻度が高〜中の状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、固定モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0056】
また、同じく電界強度が高い状態であると判定し、子機制御部13がエラー発生頻度が低い状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、送信可変モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0057】
続いて子機制御部13が電界強度が低い状態であると判定し、更に無線信号のエラーの有無をエラー検知部20で判定し、その結果を子機制御部13がエラー発生頻度が高〜中の状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、固定モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0058】
最後に同じく電界強度が低い状態であると判定し、子機制御部13がエラー発生頻度が低い状態であると判定した場合において、子機制御部13は、電源部12の電源残量管理部21より子機制御部13へ伝えられる電源使用可能容量が多〜中の場合と少の場合、固定モードに設定され、極少の場合、電力消費を最小限にして通信時間をできる限り確保するためOFFモードに切り替えるよう、スロット制御部18に要求する。
【0059】
これまでの説明では、子機11の電源の残容量、受信した電界強度、エラー発生頻度により移動局制御部13がスロット制御部18に対してモード切り替え要求を行っていたが、併せて子機11の使用者が、自身の判断により入力手段15を用いてモードを強制的に切り替えることができる。
【0060】
以上、実施の形態1の中で説明した中で重要な点は、子機11の前記Pa、前記Baの値に関わらず、親機1は、常にスロットダイバシティの送受信スロット数を前記B、前記Pに維持するため、子機11がどのモードを搭載しているか、また現在どのモードで動作しているかについては全く関与する必要がないことである。このため、様々なモードで通信を行う複数の子機11との接続を容易に実現できる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように本発明のスロットダイバシティ対応無線通信装置によれば、子機の電源残容量、電波環境を考慮しながら、より効果の高いスロットダイバシティモードを選択し、無線品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1におけるスロットダイバシティ対応無線通信装置の親機構成図
(b)本発明の実施の形態1におけるスロットダイバシティ対応無線通信装置の子機構成図
【図2】スロットダイバシティ動作例を示す図
【符号の説明】
1 親機部
2 回線制御部
3 親機制御部
4 親機無線部
5 入力手段
6 表示手段
7 音声処理手段
8 スロット制御部
9 電界強度計測部
10 エラー検知部
11 子機部
12 電源部
13 子機制御部
14 子機無線部
15 入力手段
16 表示手段
17 音声処理手段
18 スロット制御部
19 電界強度計測部
20 エラー検知部
21 電源残量管理部

Claims (12)

  1. あらかじめ決められた一定時間のフレームをN(Nは4以上の自然数)本のスロットに等分割し、等分割された各々の時間のスロットで送信信号と受信信号を多重化して親機と子機との間で通信を行う時分割多重(TDMA−TDD)方式の無線通信装置において、無線通信品質を向上させるために、親機は子機との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のB(Bは2以上N以下の自然数)本のスロットにおいて親機から送信し、子機は親機から送信される同一フレーム内のB本のスロットの中で実際にBa本の無線信号を受信し、また同様に子機は親機との間で決められた、同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のP(Pは2以上N−B以下の自然数)本のスロットにおいて実際にPa本のスロット数で送信し、親機は子機から送信される同一フレーム内のP本のスロットの無線信号を受信するダイバシティ制御(以下、スロットダイバシティと記載)を行う無線通信装置であって、前記子機は前記親機から送信された通信スロット数B本と同数のBa本を受信し、前記親機側へ送信する通信スロット数P本のうち、実際に送信する通信スロット数Paを1本に設定して通信を行うことを特徴とするスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  2. 前記親機と前記子機において、前記子機は、前記親機が前記親機との間で決められた同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のB本のスロット数で送信された無線信号と、実際に受信するスロット数Baが同一で、前記親機との間で決められた同じ送信信号から生成された無線信号を同一フレーム内のP本のスロットの中で実際に無線信号を送信するスロット数PaがPと同じスロットダイバシティ固定モード、スロットダイバシティ固定モードに前記親機へ送信する無線信号のスロット数Paを1本以上、P本未満で送信するスロットダイバシティ送信可変モード、スロットダイバシティ送信可変モードに前記親機から実際に受信する無線信号のスロット数Baについても1本以上、B本未満で受信するスロットダイバシティ送受信可変モード、更にスロットダイバシティ送受信可変モードにおけるPa、Baの両方を1本に固定したスロットダイバシティOFFモードの中で1つまたは複数のモードを保有することを特徴とする請求項1に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  3. 請求項2に記載の子機において、親機と通信状態に推移した状態の間でもモードを切り替える機能を有することを特徴とする請求項2に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  4. 請求項2または3に記載の子機において、子機の電源の使用可能容量によって通信状態を一意に決めることを特徴とする請求項2または3に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  5. 請求項2または3に記載の子機において、子機が親機より受信した無線信号の電界強度を計測し、その結果により通信状態を一意に決めることを特徴とする請求項2または3に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  6. 請求項2または3に記載の子機において、子機が親機より受信した無線信号のエラー発生頻度の結果により通信状態を一意に決めることを特徴とする請求項2または3に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  7. 請求項4に記載の子機において、請求項5の特徴を併せ持つことを特徴とする請求項4に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  8. 請求項4に記載の子機において、請求項6の特徴を併せ持つことを特徴とする請求項4に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  9. 請求項5に記載の子機において、請求項6の特徴を併せ持つことを特徴とする請求項5に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  10. 請求項7に記載の子機において、請求項6の特徴を併せ持つことを特徴とする請求項7に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  11. 請求項2または3に記載の子機において、電源の使用可能容量等の要因に関わらず、使用者自身がキー操作によってモードを強制的に切り替えることができることを特徴とする請求項2または3に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
  12. 請求項2または3に記載の子機において、異なる1つまたは複数のモードを保有する複数の子機が同一の親機と異なるモード若しくは同一のモードで同時に通信可能であることを特徴とする請求項2または3に記載のスロットダイバシティ対応無線通信装置。
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