JP4311043B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機または電動機で駆動される負荷の、速度または位置の制御を行う電動機の制御装置に関するもので、特に電動機を駆動する場合に発生する機械共振を抑制する電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動機を駆動する場合に発生する機械共振を抑制する電動機の制御装置の第1の従来技術として、特許文献1に記載されたものが知られている。以下、この第1の従来技術について図15から図19を用いて説明する。
【0003】
図15は第1の従来技術の電動機の制御装置の制御ブロック図を示したものである。図15において501は電動機、502は電動機501の速度ωrを検出する速度検出器、503は連結器、504は連結器を介して駆動される負荷、505は速度指令値ωr *と速度検出器502によって検出された電動機501の速度検出値ωrとを比較してその偏差値を出力する減算手段、506は上記偏差値ωr *−ωrを演算増幅してトルク指令値τ1 *として出力する演算増幅手段、509はトルク指令値τ1 *にフィルタ係数fに応じたフィルタリング処理を行い、新たなトルク指令τ2 *を出力する主フィルタ、508は新たなトルク指令τ2 *に基づいて電動機501を制御するトルク制御手段である。
【0004】
また、510はフィルタ係数fを設定して主フィルタ509へ出力するフィルタ係数設定手段であり、ハイパスフィルタ511、基準信号発生手段512、加算手段513、適応フィルタ514から構成される。
【0005】
次に動作について説明する。速度指令値ωr *と検出速度ωrが減算手段505に入力され、演算増幅手段506では減算手段505からの入力である偏差値ωr *−ωrが零になるよう演算増幅を行ってトルク指令τ1 *を出力する。主フィルタ509はフィルタ係数設定手段510からの入力であるフィルタ係数fに基づいたフィルタ特性を有しており、トルク指令値τ1 *のフィルタリング処理を行い新たなトルク指令τ2 *をトルク制御手段508へ出力する。このトルク制御手段508の出力により電動機501は速度指令値ωr *に追従するよう速度制御される。
【0006】
図16はτ2 *からωrの伝達関数を表すボード線図であり、周波数fpに共振周波数を持つ。
【0007】
図17は周波数がfc付近の成分通過を制限する主フィルタの伝達関数を表すボード線図の一例である。
【0008】
今、フィルタ係数設定手段510が動作し、適応後の主フィルタ509の通過制限周波数fcが共振周波数fpに一致するようなフィルタ係数fが設定されると、τ*1からωrの伝達関数を表すボード線図は図18のようになり、共振周波数fpでのゲインが抑制され、ゲインピークのない特性となる。その結果、演算増幅手段506のゲインを上げて速度制御系の高速応答化を図ることができる。
【0009】
次に、フィルタ係数設定手段510の動作について説明する。検出速度ωrがフィルタ係数設定手段510に入力されると、ハイパスフィルタ511に通され機械系の共振周波数成分dが出力される。一方、所定の周波数以下の周波数成分を含む基準信号rが基準信号発生手段512から出力される。そして加算手段513によって基準信号rと機械系共振周波数成分dとが加算される。この加算値xと基準信号rが適応フィルタ514に入力される。
【0010】
図19を用いて適応フィルタ514の動作を説明する。図19は適応フィルタ514の構成を示すブロック図で、フィルタ515、減算手段516およびフィルタ係数調整手段517から構成される。加算値xが入力されるとフィルタ515でフィルタ処理をし信号yを出力する。フィルタ515の出力yを基準信号rに近づけるため減算手段516が出力する基準信号rと出力yの偏差eが減少するようフィルタ係数調整手段517はフィルタ515のフィルタ係数fを調整する。この調整結果のフィルタ係数fは主フィルタ509のフィルタ係数として設定される。適応フィルタ514は所定の周波数以下の周波数成分を含む基準信号rだけが通過するようフィルタ515のフィルタ係数fを調整するので、結果として調整されたフィルタ515は共振周波数成分の通過を抑制するフィルタとなる。
【0011】
フィルタ515の係数fが主フィルタ509に設定されるので、速度制御系の機械共振を抑制することができる。
【0012】
また、第2の従来技術として、非特許文献1に記載されたものが知られており、以下、第2の従来技術について図20と図21を用いて説明する。
【0013】
図20は第2の従来技術を説明する適応システムの構成例を示す図である。図20において、601はノッチフィルタであり、602は(数1)の伝達関数Hk(z)を持つ2次の全域通過フィルタである。
【0014】
【数1】
【0015】
ここで、ρは1近傍で1より小さい所定値である。
【0016】
図20より、ノッチフィルタ601は(数2)の伝達関数H(z)を持つ。
【0017】
【数2】
【0018】
図21は全域通過フィルタ602の構成を示すブロック図である。akを変化させることによりノッチフィルタ601の周波数特性を変化させる。適応動作は(数3)を用いて逐次更新する。
【0019】
【数3】
【0020】
ここで、μは十分小さい正数、E[]は集合平均である。また、u(n)は図21に示す全域通過フィルタの中間変数である。ノッチフィルタ601への入力x(n)として正弦波信号が入力されると、(数3)の逐次更新式でakが更新され、最終的にノッチフィルタ601のノッチ中心周波数は入力の正弦波信号の周波数に収束するので、入力信号の周波数成分を抑圧するノッチフィルタが自動生成される。この収束は理論的に証明されることが記述されている。
【0021】
なお、フィルタ係数調整手段517の動作のさせ方はLMSアルゴリズムやRLSアルゴリズムなどが可能であり、例えば、非特許文献2などにて知られている。
【0022】
【特許文献1】
特許第2504307号公報
【非特許文献1】
『2次全域通過フィルタを用いた縦続構成適応ノッチフィルタのアルゴリズムと収束性』(小林ら、電子情報通信学会論文誌A、Vol.J83−A No.5 pp.594−598 2000年5月)
【非特許文献2】
武部幹著”デジタルフィルタ設計”、東海大学出版、1986年
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1(第1の従来技術)では、以下のような課題がある。フィルタ515は一般的にFIRフィルタを用い、IIRフィルタなどを用いることもできるとある。また、上記非特許文献2を参照すると、IIRフィルタを用いる場合、必ずしも適応動作が収束しないことが指摘されている。また、FIRフィルタを用いる場合、抑制可能な周波数の範囲が限定されるかフィルタ次数を上げる必要がある。例えば、比較的低次である4次のFIRフィルタを考える。すなわちフィルタの伝達関数Hf(z)が(数4)で与えられるとする。
【0024】
【数4】
【0025】
ここで、ai(i=0〜3)はフィルタ係数を示す。
【0026】
フィルタの制御周波数をfsとし、全周波数領域でゲイン特性が0dB以下かつ、低周波数領域でのゲイン特性が0dBとなる条件のもと、フィルタ係数を変化させると、抑制周波数のうち最も低い周波数はfs/6からfs/2までの間しか設定できない。抑圧したい周波数がこの範囲にあるとは限らず、適用可能な制御対象が限定されることになる。上記条件を満たさないと、制御帯域のゲインが下がり応答性が低下する、あるいは高周波数領域でのゲインが上がって新たな発振の原因となる可能性がある。また、適用範囲を広げようとすると次数を挙げる必要があり、この場合は計算量が増えてしまう。
【0027】
また、非特許文献2(第2の従来の技術)では、2次のIIR型ノッチフィルタを用いるので対応周波数範囲が限定されない。また、適応動作の収束も保証されている。しかしながら、ノッチ中心周波数が低いほどノッチ幅が広くなるノッチフィルタ構造である。ノッチ幅が広いほど位相が回る周波数範囲が広くなるので、制御対象を含めた位相特性が悪化する可能性がある。
【0028】
本発明は上記課題を解決するものであり、機械系の共振を抑制し安定した高速応答を実現できる電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電動機の制御装置は、
電動機の検出速度もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出速度を速度指令値に追従させるか、または電動機の検出位置もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出位置を位置指令値に追従させる位置/速度制御手段、
を有する電動機の制御装置であって、
速度制御系内または位置制御系内のいずれかに配置され、フィルタ係数変更可能な第1のノッチフィルタと、
前記検出速度もしくは前記検出位置に含まれる所定周波数以上の成分または所定周波数帯域の成分を出力するフィルタ手段と、
フィルタ係数変更可能な第2のノッチフィルタと、
前記第2のノッチフィルタの周波数位相特性に対し、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相、または前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では逆位相かつ高い周波数領域では同位相、の周波数位相特性を有する方向フィルタと、
前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力との積に応じて、前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数を逐次修正し、当該修正された前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数、および前記フィルタ手段の出力、のうち少なくとも一方に応じて前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数を修正するノッチフィルタ係数修正手段と、
を具備する。
【0030】
上記のように構成された電動機の制御装置によれば、機械共振によって発生する振動に応じたノッチフィルタを自動生成できるので、機械系の共振を抑制し安定した高速応答を実現できる。この自動生成におきて、対応できる振動周波数範囲は広く、またノッチフィルタのノッチ中心周波数の振動周波数へ収束が保証される。
【0031】
他の観点の発明における電動機の制御装置は、
電動機の検出速度もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出速度を速度指令値に追従させるか、または電動機の検出位置もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出位置を位置指令値に追従させる位置/速度制御手段、
を有する電動機の制御装置であって、
速度制御系内または位置制御系内のいずれかに配置され、フィルタ係数変更可能な第1のノッチフィルタと、
前記検出速度もしくは前記検出位置に含まれる所定周波数以上の成分または所定周波数帯域の成分を出力するフィルタ手段と、
フィルタ係数変更可能な第2のノッチフィルタと、
前記第2のノッチフィルタの周波数位相特性に対し、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相、または前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では逆位相かつ高い周波数領域では同位相、の周波数位相特性を有する方向フィルタと、
フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力の符号との積に応じて、前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数を逐次修正し、当該修正された前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数、および前記フィルタ手段の出力、のうち少なくとも一方に応じて前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数を修正するノッチフィルタ係数修正手段と、
を具備する。
【0032】
上記のように構成された電動機の制御装置は、機械共振によって発生する振動に応じたノッチフィルタを自動生成できるので、機械系の共振を抑制し安定した高速応答を実現できる。この自動生成におきて、対応できる振動周波数範囲は広く、またノッチフィルタのノッチ中心周波数の振動周波数へ収束が保証される。
【0033】
本発明の他の観点の電動機の制御装置は、
前記ノッチフィルタ係数修正手段は、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力との積、または、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力の符号との積に、
所定値および現時点の前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数の指数関数演算値の両方を乗じた量を、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数の修正量とすることを特徴とする。
【0034】
上記のように構成された電動機の制御装置によれば、機械共振によって発生する振動に応じたノッチフィルタの自動生成において、ノッチ周波数の修正が対数軸上で同じになるため、周波数によらず対数軸上で収束動作速度を一定にできる。
【0035】
本発明の他の観点の電動機の制御装置は、
前記ノッチフィルタ係数修正手段は、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力との積、または、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力の符号との積に、所定値を乗じ、
前記乗算結果の積分値に予め与えられた初期値を加算し、
前記加算値の指数関数演算値を、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数とすることを特徴とする。
【0036】
上記のように構成された電動機の制御装置によれば、機械共振によって発生する振動に応じたノッチフィルタの自動生成において、ノッチ周波数の修正が対数軸上で同じになるため、周波数によらず対数軸上で収束動作速度を一定にできる。
【0037】
本発明の他の観点の電動機の制御装置は、前記第1のノッチフィルタのノッチ周波数におけるゲイン特性がマイナス無限大(−∞)でない所定値である。
【0038】
上記のように構成された電動機の制御装置は、位相特性の変化幅の狭いノッチフィルタを速度制御系内または位置制御系内に持つため、速度制御特性または位置制御特性を悪化させず自動的に共振抑制ができる。
【0039】
本発明の他の観点の電動機の制御装置は、
前記ノッチフィルタ係数修正手段は、前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数および前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正において、ノッチ中心周波数のみが変化するよう修正し、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数を前記第1のノッチフィルタのノッチ中心周波数とし、
以下の2つの条件
(1)前記第2のノッチフィルタのノッチ周波数の変化が所定値以下である。
【0040】
(2)前記フィルタ手段の出力の振幅が所定値以上である。
が同時に所定時間以上続いた場合のみ、前記第1のノッチフィルタのノッチ中心周波数におけるゲイン特性が一層制限されるよう前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数を修正することを特徴とする。
【0041】
上記のように構成された電動機の制御装置は、条件に応じて速度制御系内もしくは位置制御系内に配置されたノッチフィルタのノッチ中心周波数におけるゲイン抑圧特性を自動的に変化させるので、振動を抑制できる。
【0044】
上記のように構成された電動機の制御装置は、条件に応じて速度制御系内もしくは位置制御系内に配置されたノッチフィルタのノッチ中心周波数付近におけるゲイン抑圧特性を自動的に変化させるので、振動を抑制できる。
【0045】
本発明の他の観点の電動機の制御装置は、前記ノッチフィルタ係数修正手段が、速度指令値もしくは位置指令値が所定条件を満たす期間、前記第1のノッチフィルタおよび前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正を停止させる。
【0046】
上記のように構成された電動機の制御装置は、速度指令に含まれる高調波成分の影響を無視し、適切なノッチフィルタ生成への収束動作を可能にする。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電動機の制御装置の好ましい実施形態について添付の図面を用いて説明する。
【0048】
《実施の形態1》
図1は本発明に係る実施の形態1の電動機の制御装置のシステム構成を示すブロック図である。図1において、負荷2が電動機1によって駆動され、速度検出手段3から電動機1の検出速度ωmが出力される。速度制御手段4は検出速度ωmが速度指令値ω*に追従するようトルク指令τ1*を出力する。速度制御手段4の具体的動作としては、例えば、差分ω*−ωmの比例積分した結果をトルク指令τ1*として出力する。トルク指令τ1*は第1のノッチフィルタ5を通され新たなトルク指令τ2*としてトルク制御手段6に出力する。そして、トルク制御手段6の出力によって電動機1は速度制御される。
【0049】
また、ハイパスフィルタ7、第2のノッチフィルタ8、方向フィルタ9、第1のノッチフィルタ係数修正手段10の動作によって、第1のノッチフィルタ5のフィルタ係数が与えられる。第1のノッチフィルタ5は、例えば、(数5)で示す伝達関数H1(s)を持つ2次の再帰型ノッチフィルタとする。
【0050】
【数5】
【0051】
(数5)において、ωn1は第1のノッチフィルタ8のノッチ中心周波数、ζ1は減衰定数である。
【0052】
以下、第1のノッチフィルタ5のフィルタ係数の求め方の詳細を説明する。
【0053】
所定のカットオフ周波数を持つハイパスフィルタ7には検出速度ωmが入力され、検出速度ωmに含まれるカットオフ周波数以上の振動成分xが出力される。
【0054】
第2のノッチフィルタ8と方向フィルタ9には振動成分xが入力され、それぞれフィルタリング処理結果e1とe2を出力する。第2のノッチフィルタ8の特性としては、ノッチ幅は所定の値が予め与えられ、ノッチ中心周波数における深さは−∞(マイナス無限大)とする。例えば、(数6)で示す伝達関数H2(s)を持つ2次の再帰型ノッチフィルタとする。
【0055】
【数6】
【0056】
ここで、ωn2は第2のノッチフィルタ8のノッチ中心周波数であり、ζ2は減衰定数である。図2は伝達関数H2(s)の周波数特性を示す図である。図2から分かるようにノッチ中心周波数ωn2の成分が抑圧される特性を持ち、そのゲイン特性は−∞である。入力である振動成分xの振動周波数と第2のノッチフィルタ8のノッチ中心周波数ωn2が異なる場合は入力の振幅を抑制せず、一致する場合は振幅を抑制するので、第2のノッチフィルタ8の出力の振幅は、入力である振動成分xの振動周波数と第2のノッチフィルタ8のノッチ中心周波数ωn2のずれの程度を示すと言える。
【0057】
方向フィルタ9は、第2のノッチフィルタ8の周波数位相特性に対し、ノッチ中心周波数ωn2より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相の特性を持つフィルタであり、例えば(数7)で示す伝達関数Hg(s)を持つ2次のフィルタである。
【0058】
【数7】
【0059】
図3は伝達関数Hg(s)の周波数特性を示す図である。図2の伝達関数H2(s)の周波数特性と比較して分かるように、ノッチ中心周波数ωn2より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相の周波数位相特性を持つ。
【0060】
図4は第1のノッチフィルタ係数修正手段10の構成例を示す図である。方向フィルタ9の出力e2が入力され、符号出力手段101によってe2の符号g2が出力される。乗算器102では、g2と第2のノッチフィルタ8の出力e1が掛けあわされ第1の積分器103に乗算結果q1が入力される。変換手段104では第1の積分器103の出力である積分値q2をノッチ中心周波数ωn*に変換する。変換は、例えば(数8)で示す指数関数を用いて変換される。
【0061】
【数8】
【0062】
ここで、q0は予め設定された第1の積分器103の積分初期値、Aは負の所定値である。
【0063】
図5は第1のノッチフィルタ係数修正手段10の各データの時間変化を示す図である。図5において、(a)から(f)はそれぞれ、第1のノッチフィルタ係数修正手段10への入力である第2のノッチフィルタ8の出力e1、第1のノッチフィルタ係数修正手段10への入力である方向フィルタ9の出力e2、符号出力手段101の出力g2、乗算器102の出力q1、第1の積分器103の出力q2、変換手段104の出力ωn*の時間変化、を示す。
【0064】
検出速度ωmに含まれる振動成分xの振動周波数と、第2のノッチフィルタ8のノッチ中心周波数が異なる場合、第2のノッチフィルタ8は振動成分xを十分抑圧できないため、振動成分xがほぼそのまま出力e1となる(図5(a))。今、振動成分xの振動周波数が第2のノッチフィルタ8のノッチ中心周波数ωn2より低いとする。前述の通り、方向フィルタ9は、第2のノッチフィルタ8の周波数位相特性に対し、ノッチ中心周波数ωnより低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相の特性を持つフィルタであるので、方向フィルタ9の出力e2は第2のノッチフィルタ8の出力e1と同位相となる(図5(b))。符号出力手段101によってe2の符号g2が出力される(図5(c))。乗算器102はe1とg2の積q1を演算する。第2のノッチフィルタ8の出力e1と方向フィルタ9の出力e2が同位相であるので乗算器102の出力q1は非負となる(図5(d))。第1の積分器103は乗算器102の出力q1を積分する。q1が非負であるので積分値q2は増加していく(図5(e))。変換手段104で積分値q2と(数8)の変換式を用いてノッチ周波数ωn*に変換される。(数8)において、Aが負の所定値であるので積分値q2の増加に伴ってノッチ中心周波数ωn*は減少していく(図5(f))。第1のフィルタ係数算出手段105は、第1のノッチフィルタ5と第2のノッチフィルタ8が、得られたノッチ中心周波数ωn*を持つようフィルタ係数を設定する。すなわち、ωn*=ωn1=ωn2とする。また、方向フィルタ9が第2のノッチフィルタ8の周波数位相特性に対し、ノッチ中心周波数ωn2より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相の特性を持つようフィルタ係数を設定する。
【0065】
ノッチ中心周波数ωn*が下がり、やがて振動成分xの振動周波数と一致する。この時、第2のノッチフィルタ8は、その特性から振動周波数成分を抑圧するため出力e1の振幅は0になり、第1の積分器103の出力q2は変化しなくなる。
【0066】
逆に振動成分xの振動周波数が第2のノッチフィルタ8のノッチ中心周波数より高い場合を考えると、前述の通り、方向フィルタ9は、第2のノッチフィルタ8の周波数位相特性に対し、ノッチ中心周波数ωn2より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相の特性を持つフィルタであるので、方向フィルタ9の出力e2は第2のノッチフィルタ8の出力e1と逆位相になる。この場合、乗算器102の出力は非正になるため、(数8)より積分値q2は減少していく。これはノッチ中心周波数ωn*が上がっていくことを意味する。ノッチ中心周波数ωn*が上がり、やがて振動成分xの振動周波数と一致すると、第2のノッチフィルタ8は、その特性から振動周波数成分を抑圧するため出力e1の振幅は0になり、第1の積分器103の出力q2は変化しなくなる。
【0067】
従って、第1のノッチフィルタ係数修正手段10は、ノッチ中心周波数ωn*と検出速度に含まれる振動成分xの振動周波数が一致するよう動作することになる。
【0068】
以上のように、本実施の形態1によれば、方向フィルタ9が第2のノッチフィルタ8の周波数位相特性に対し、ノッチ中心周波数ωn*より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相の特性を持つので、ノッチフィルタ中心周波数ωn*が必ず検出速度ωmに含まれる振動成分xの振動周波数に収束する。速度制御系内に配置された第1のノッチフィルタ5のノッチ中心周波数ωn1も振動成分xの振動周波数に修正されるため、結果として自動的に共振抑制ができる。そして、速度制御手段4のゲインを上げて速度制御系の高速応答化を図ることができる。
【0069】
また、本実施の形態1ではノッチフィルタとして2次の再帰型ノッチフィルタを用いているので、低い次数で急峻なノッチフィルタが作成でき計算量が少なくて済み、また、幅広い振動周波数に対応した適応動作が可能である。
【0070】
また、本実施の形態1では方向フィルタの出力の符号を用いることによって、方向フィルタの周波数位相特性のみを使用している。これは、方向フィルタ9が図3に示すように周波数によってゲイン特性が異なる場合でも、乗算器102の出力q1の振幅が、振動成分xの振動周波数とノッチ中心周波数ωn*とのずれを表す第2のノッチフィルタ8の出力e1の振幅のみに依存するようにするためである。結果として、ノッチ中心周波数に対し振動周波数が高い場合も低い場合も同じ感度で適応動作させることが可能となる。
【0071】
また、本実施の形態1では、変換手段104が積分器103の出力q2をノッチ中心周波数ωn*に変換するにあたって、(数8)に示すような指数関数を用いて変換している。これにより、第1の積分器103への入力q1の大きさが同じであれば、ノッチ周波数ωn*の修正が対数軸上で同じになるため、周波数によらず対数軸上で収束動作速度を一定にできる。
【0072】
《実施の形態2》
図6は本発明に係る実施の形態2の電動機の制御装置のシステム構成を示すブロック図である。図6において、上述した実施の形態1のシステム構成を示す図1と同じ機能・動作をするものについては同一の符号を付し、その動作説明は省略する。
【0073】
図6において、図1と比較すると、第1のノッチフィルタ5の代わりに第3のノッチフィルタ11が設けられている。以下、第3のノッチフィルタ11について詳細を説明する。第1のノッチフィルタ係数修正手段10は第1のノッチフィルタ5の代わりに第3のノッチフィルタ11の係数を修正する。
【0074】
上述の第1のノッチフィルタ5は、(数5)に示したようにノッチ中心周波数ωn1におけるゲイン特性が−∞であるため、位相特性の変化は−90°から90となる。しかしながら、第1のノッチフィルタ5は速度制御系内に配置されるため、速度制御系の位相遅れを与え、速度制御特性が悪化する場合がある。そこで、本実施の形態における第3のノッチフィルタ11は、例えば(数9)で示す伝達関数H3(s)を持つ2次の再帰型ノッチフィルタとする。
【0075】
【数9】
【0076】
ここで、ωn3は第3のノッチフィルタ11のノッチ中心周波数、ζ3は減衰定数、d3は深さ係数である。なお、0<d3<1である。例えば、(数9)において深さ係数d3=0.1とした場合の伝達関数H3(s)の周波数特性を図7に示す。位相特性としては−55°から55°までしか変化しない。従って、図6に示す速度制御系の位相特性を必要以上に悪化させない。
【0077】
以上のように、本実施の形態2によれば、速度制御系内に配置されるノッチフィルタとして、位相特性の変化に幅の狭いノッチフィルタを用いるため、速度制御特性を悪化させず自動的に共振抑制ができる。そして、速度制御手段4のゲインを上げて速度制御系の高速応答化を図ることができる。
【0078】
《実施の形態3》
図8は本発明に係る実施の形態3の電動機の制御装置のシステム構成を示すブロック図である。図3において、上述した実施の形態2のシステム構成を示す図6と同じ機能・動作をするものについては同一の符号を付し、その動作説明は省略する。
【0079】
図8において、図6と比較すると、第1のノッチフィルタ係数修正手段10の代わりに第2のノッチフィルタ係数修正手段12が設けられている。第3のノッチフィルタ11のゲイン特性は前述の図7で示されるが、この第3のノッチフィルタ11では、電動機1および電動機1によって駆動される負荷2から成る制御対象が有する共振成分のピークを十分に抑えきれない場合がある。この場合としては、予め与えられた深さ係数d3によって決まるノッチ中心周波数におけるゲイン抑圧特性が不十分であることが考えられる。この際には、深さ係数d3を小さくすることによってノッチ中心周波数におけるゲイン抑圧特性をさらに向上させれば共振を十分に抑えることが可能となる。以下、本実施形態における第2のノッチフィルタ係数修正手段12について詳細を説明する。
【0080】
図9は第2のノッチフィルタ係数修正手段12の構成を示す図である。図9において、上述した第1のノッチフィルタ係数修正手段10の構成を示す図4と同じ機能・動作をするものについては同一の符号を付し、その動作説明は省略する。図9において、図4と比較すると、第1のフィルタ係数算出手段105の代わりに第2のフィルタ係数設定手段125が設けられている。以下、第2のフィルタ係数設定手段125について詳細を説明する。
【0081】
第2のフィルタ係数算出手段125には、変換手段104の出力であるノッチ中心周波数ωn*、ハイパスフィルタの出力である振動成分x、乗算器102の出力であるq1が入力される。
【0082】
図10は第2のノッチフィルタ係数修正手段12の各データの時間変化を示す図である。図10において、(a)から(e)はそれぞれ、第2のノッチフィルタ係数修正手段12への入力である振動成分x、第2のノッチフィルタ係数修正手段12への入力である第2のノッチフィルタ8の出力e1、乗算器102の出力q1、変換手段104の出力ωn*、第3のノッチフィルタ11の深さ係数d3の時間変化、を示す。
【0083】
ノッチ中心周波数ωn*が振動成分xの振動周波数に収束すると、第2のノッチフィルタ8の出力はその特性から0になる(図10(b)の時刻t1)。しかし、速度制御系内に配置された第3のノッチフィルタ11の特性では、電動機1および電動機1によって駆動される負荷2から成る制御対象が有する共振成分のピークを十分抑えられないために振動成分xが残る(図10(a)の時刻t1直後)。このような状態がどうかの判断は、以下の2つの条件が同時に成り立つ時とすることができる。
【0084】
(1)ノッチ中心周波数ωn*の変化量が所定値以下である。
【0085】
(2)振動成分xの振幅が所定値以上である。
【0086】
(1)についてはノッチ中心周波数ωn*の変化を与える乗算器102の出力q1の大きさで判断できる。また、(2)については図10(a)に示すように所定値hを予め設定しておき、振動成分xの振幅と比較することで可能である。
【0087】
上記(1)と(2)が両立すると、第3のノッチフィルタ11の深さ係数d3を小さくすることにより、第3のノッチフィルタ11のノッチ中心周波数ωn3における抑圧特性を向上させる。やがて十分な抑圧特性を有するようになると、振動成分xは抑圧され、振幅が所定値h以下になるので上記条件(2)が成り立たず、第3のノッチフィルタ11の深さ係数d3の修正が停止する。
【0088】
以上のように、本実施の形態3によれば、第2のノッチフィルタ係数修正手段は、ノッチ中心周波数ωn*の収束後、振動成分の振幅が所定値以上の場合には、第3のノッチフィルタのノッチ中心周波数ωn3における抑圧特性を向上させるので、自動的に共振抑制ができる。そして、速度制御手段4のゲインを上げて速度制御系の高速応答化を図ることができる。
【0089】
なお、本実施の形態3では第3のノッチフィルタ11の深さ係数d3を小さくすることによってノッチ中心周波数ωn3における抑圧特性を高め共振抑制を行ったが、減衰定数ζ3を大きくすることによってノッチ中心周波数ωn3付近の抑圧特性を向上させ、共振抑制してもよい。
【0090】
《実施の形態4》
図11は本発明に係る実施の形態4の電動機の制御装置のシステム構成を示すブロック図である。図4において、上述した実施の形態1のシステム構成を示す図1と同じ機能・動作をするものについては同一の符号を付し、その動作説明は省略する。
【0091】
図11において、図1と比較すると、第1のノッチフィルタ係数修正手段10の代わりに第3のノッチフィルタ係数修正手段13が設けられている。以下、第3のノッチフィルタ係数修正手段13について詳細を説明する。
【0092】
図12は第3のノッチフィルタ係数修正手段13の構成を示す図である。図12において、上述した第1のノッチフィルタ係数修正手段10の構成を示す図4と同じ機能・動作をするものについては同一の符号を付し、その動作説明は省略する。図12において、図4と比較すると、第1の積分器103の代わりに第2の積分器133が設けられている。また、新たに指令加速度変化検出手段136が設けられている。指令加速度変化検出手段136には速度指令値ω*が入力される。以下、指令加速度変化検出手段136および第2の積分器133の動作について詳細を説明する。
【0093】
指令加速度変化検出手段136には速度指令値ω*が入力され、速度指令値ω*の加速度の変化を算出する。例えば、速度指令値ω*の時間差分のさらに時間差分をとることによって加速度の変化が算出できる。第2の積分器133に指令加速度変化検出手段136の出力値が入力され、入力値が所定値以上であることを検知すると積分動作を一時停止する。この動作の効果は図13を用いて以下のように説明される。
【0094】
図13(a)に示される速度指令値ω*に対し、電動機1がほぼ速度指令値ω*に追従できているとすると、検出速度ωmは速度指令値ω*波形とほぼ同じ波形となる(図13(b))。この時、検出速度ωmをハイパスフィルタ7に通過させた結果xが図13(c)である。電動機1および電動機1によって駆動される負荷2からなる制御対象が持つ共振ピークに起因する振動がなくても、加速度変化点に含まれる高調波成分が出力されてしまう。実施の形態1においては図13(c)のような値もノッチ中心周波数ωn*を修正するためのデータとしてしまうため、適切なノッチ中心周波数へと修正できない。従って、速度指令値ω*に含まれる高調波成分に起因するものは無視する必要がある。
【0095】
図13(d)は速度指令値ω*の加速度の変化を示す図である。図13(d)において大きな値を示す期間と、図13(c)に示されるハイパスフィルタ7の出力xが大きな振幅を生じる期間と一致している。従って、速度指令ω*の加速度の変化が所定値以上である期間は積分動作を一時停止することにより、速度指令ω*に含まれる高調波成分の影響を無視し、適切なノッチ中心周波数への収束動作を可能にする。
【0096】
なお、第2の積分器133は、速度指令が非0である期間および速度指令終了時点からの所定時間は積分動作を一時停止するとしてもよい。この動作の効果は図14を用いて以下のように説明される。
【0097】
図14(a)のように、図13(a)と同じ速度指令値にノイズが乗っている速度指令値ω*の場合を考える。図14(a)に示される速度指令値ω*に対し、電動機1がほぼ速度指令値ω*に追従できているとすると、検出速度ωmは速度指令値ω*波形とほぼ同じ波形となる(図14(b))。この時、検出速度ωmをハイパスフィルタ7に通過させた結果xが図14(c)である。電動機1および電動機1によって駆動される負荷2からなる制御対象が持つ共振ピークに起因する振動が無くても、加速度変化点に含まれる高調波成分が出力されてしまう。実施の形態1においては、図14(c)のような値もノッチ中心周波数ω*を修正するためのデータとしてしまうため、適切なノッチ中心周波数へと修正できない。従って、速度指令値ω*に含まれる高調波成分に起因するものは無視する必要がある。
【0098】
図14(d)は速度指令値ω*の加速度の変化を示す図である。ノイズの影響でハイパスフィルタ7の出力x(図14(c))との相関をとるのが難しい場合、速度指令が非0である期間内および速度指令終了時点からの所定時間内に、ハイパスフィルタ7の出力xが大きな振幅を生じる期間がある。従って、速度指令が非0である期間および速度指令終了時点からの所定時間は積分動作を一時停止することにより、速度指令ω*に含まれる高調波成分の影響を無視し、適切なノッチ中心周波数への収束動作を可能にする。
【0099】
以上、実施の形態1から4について説明したが、実施の形態1から4において、第1のノッチフィルタ、第2のノッチフィルタおよび方向フィルタはデジタルフィルタで構成してもよい。
【0100】
また、実施の形態1から4において、第1のノッチフィルタ、第2のノッチフィルタの次数は2次に限定されるものではなく、3次以上の再帰型フィルタとしてもよい。
【0101】
また、実施の形態1から4においては、方向フィルタの特性は、第2のノッチフィルタの周波数位相特性に対し、ノッチ中心周波数より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相の特性を持つとしたが、これとは逆に、ノッチ中心周波数より低い周波数領域では逆位相かつ高い周波数領域では同位相の特性を持つとしても本実施形態と同等の作用効果が発揮される。
【0102】
また、実施の形態1から4においては、速度制御システムの例をもって説明したが、速度制御に変えて位置制御としたシステム構成に置き換えても同様の作用効果が発揮されるのは言うまでもない。
【0103】
また、実施の形態1から4においては、振動成分の検出に電動機の検出速度を用いたが、電動機によって駆動される負荷の速度、位置制御システムであれば電動機あるいは電動機によって駆動される負荷の検出位置を用いてもよい。
【0104】
また、実施の形態1から4においては、振動成分を抽出するためにハイパスフィルタを用いたが、振動成分が検出されればよいので、低域側カットオフ周波数がハイパスフィルタと同じで、高域側カットオフ周波数がノッチフィルタの適用周波数範囲の最高周波数より高く設定されたバンドパスフィルタとしても構わない。
【0105】
また、実施の形態1から4においては、ノッチフィルタ係数修正手段の構成要素である変換手段は(数8)に示す数式を用いてノッチ中心周波数ωn*を算出したが、予め積分値q2とノッチ中心周波数ωn*とのマップを持ち、これを用いて算出してもよい。
【0106】
また、実施の形態1から4において、ノッチフィルタ係数修正手段は、電動機および電動機によって駆動される負荷を含む制御対象に発生する振動成分の振動周波数に一致するようノッチ中心周波数を修正できるので、上述した実施の形態1から4の構成に限られることなく、速度制御系内もしくは位置制御系内に配置されたノッチフィルタのフィルタ係数の修正の代わりに、速度制御手段の前段に配置され速度指令値に含まれる前記振動周波数の成分を抑制するノッチフィルタのフィルタ係数の修正や、あるいは位置制御手段の前段に配置され位置指令値に含まれる前記振動周波数の成分を抑制するノッチフィルタのフィルタ係数の修正をするとしても同様の作用効果が得られる。また、フィルタ係数を修正するフィルタを、速度制御系内もしくは位置制御系内に配置されたノッチフィルタと、速度指令値もしくは位置指令値に含まれる振動周波数の成分を抑制するノッチフィルタとで、ノッチ中心周波数に応じて切り替えるとしても構わない。
【0107】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したところから明らかなように、本発明の電動機の制御装置は、フィルタ手段の出力を第2のノッチフィルタに通過させた出力と、フィルタ手段の出力を方向フィルタに通過させた出力との積、もしくはフィルタ手段の出力を方向フィルタに通過させた出力の符号との積に応じて、第2のノッチフィルタのフィルタ係数を逐次修正し、当該修正された第2のノッチフィルタのフィルタ係数、およびフィルタ手段の出力、のうち少なくとも一方に応じて第1のノッチフィルタのフィルタ係数を修正するノッチフィルタ係数修正手段を有することにより、機械共振によって発生する振動に応じたノッチフィルタを自動生成できるので、機械共振に伴う振動を抑制して安定した高速応答を実現できる電動機の制御装置を提供できる。この自動生成においては、対応できる振動周波数範囲は広く、またノッチフィルタのノッチ中心周波数の振動周波数へ収束が保証される。
【0108】
また、本発明の電動機の制御装置によれば、機械共振によって発生する振動に応じたノッチフィルタの自動生成において、ノッチ周波数の修正が対数軸上で同じになるため、周波数によらず対数軸上で収束動作速度を一定にすることが可能となる。
【0109】
更に、本発明の電動機の制御装置は、第1のノッチフィルタのノッチ周波数におけるゲイン特性が−∞でない所定値であるとすることにより、位相特性の変化幅の狭いノッチフィルタを速度制御系内または位置制御系内に持つため、速度制御特性または位置制御特性を悪化させず自動的に共振抑制ができる。
【0110】
また、本発明の電動機の制御装置は、条件に応じて速度制御系内もしくは位置制御系内に配置されたノッチフィルタのノッチ中心周波数もしくはノッチ周波数付近におけるゲイン抑圧特性を自動的に変化させるので、振動を抑制できる。
【0111】
更に、本発明の電動機の制御装置は、前記ノッチフィルタ係数修正手段が、速度指令値もしくは位置指令値が所定条件を満たす期間、前記第1のノッチフィルタおよび前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正を停止させることにより、速度指令に含まれる高調波成分の影響を無視し、適切なノッチフィルタ生成への収束動作を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電動機の制御装置の構成を示すブロック図
【図2】第2のノッチフィルタの周波数特性の一例を示す図
【図3】方向フィルタの周波数特性の一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における第1のノッチフィルタ係数修正手段の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1における第1のノッチフィルタ係数修正手段における入力信号や内部信号の時間変化示す図
【図6】本発明の実施の形態2における電動機の制御装置の構成を示すブロック図
【図7】第1のノッチフィルタの周波数特性の一例を示す図
【図8】本発明の実施の形態3における電動機の制御装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態3における第2のノッチフィルタ係数修正手段の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態3における第2のノッチフィルタ係数修正手段における入力信号や内部信号の時間変化示す図
【図11】本発明の実施の形態4における電動機の制御装置の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態4における第3のノッチフィルタ係数修正手段の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態4における速度指令値、検出速度、検出速度に含まれる振動成分、速度指令値の加速度の変化、の時間変化の第1の例を示す図
【図14】本発明の実施の形態4における速度指令値、検出速度、検出速度に含まれる振動成分、速度指令値の加速度の変化、の時間変化の第2の例を示す図
【図15】第1の従来技術に係る電動機の制御装置の制御ブロック図
【図16】第1の従来技術に係る電動機の制御装置における、τ1*からωrまでの伝達関数の周波数特性を示す図
【図17】周波数fn付近の成分通過を制限する主フィルタの伝達関数の周波数特性を示す図
【図18】適応動作後の主フィルタの通過制限周波数fnが共振周波数fpに一致巣するようなフィルタ係数fが設定された場合の、τ1*からωrまでの伝達関数の周波数特性を示す図
【図19】適応フィルタ510の構成を示すブロック図
【図20】第2の従来技術に係る適応システムの構成例を示す図
【図21】全域通過フィルタ602の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 電動機
2 負荷
3 速度検出手段
4 速度制御手段
5 第1のノッチフィルタ
6 トルク制御手段
7 ハイパスフィルタ
8 第2のノッチフィルタ
9 方向フィルタ
10 第1のノッチフィルタ係数修正手段
11 第3のノッチフィルタ
12 第2のノッチフィルタ係数修正手段
13 第3のノッチフィルタ係数修正手段
Claims (13)
- 電動機の検出速度もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出速度を速度指令値に追従させるか、または電動機の検出位置もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出位置を位置指令値に追従させる位置/速度制御手段、
を有する電動機の制御装置であって、
速度制御系内または位置制御系内のいずれかに配置され、フィルタ係数変更可能な第1のノッチフィルタと、
前記検出速度もしくは前記検出位置に含まれる所定周波数以上の成分または所定周波数帯域の成分を出力するフィルタ手段と、
フィルタ係数変更可能な第2のノッチフィルタと、
前記第2のノッチフィルタの周波数位相特性に対し、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相、または前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では逆位相かつ高い周波数領域では同位相、の周波数位相特性を有する方向フィルタと、
前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力との積に応じて、前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数を逐次修正し、当該修正された前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数、および前記フィルタ手段の出力、のうち少なくとも一方に応じて前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数を修正するノッチフィルタ係数修正手段と、
を具備することを特徴とする電動機の制御装置。 - 電動機の検出速度もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出速度を速度指令値に追従させるか、または電動機の検出位置もしくは前記電動機によって駆動される負荷の検出位置を位置指令値に追従させる位置/速度制御手段、
を有する電動機の制御装置であって、
速度制御系内または位置制御系内のいずれかに配置され、フィルタ係数変更可能な第1のノッチフィルタと、
前記検出速度もしくは前記検出位置に含まれる所定周波数以上の成分または所定周波数帯域の成分を出力するフィルタ手段と、
フィルタ係数変更可能な第2のノッチフィルタと、
前記第2のノッチフィルタの周波数位相特性に対し、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では同位相かつ高い周波数領域では逆位相、または前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数より低い周波数領域では逆位相かつ高い周波数領域では同位相、の周波数位相特性を有する方向フィルタと、
フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力の符号との積に応じて、前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数を逐次修正し、当該修正された前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数、および前記フィルタ手段の出力、のうち少なくとも一方に応じて前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数を修正するノッチフィルタ係数修正手段と、
を具備することを特徴とする電動機の制御装置。 - 前記ノッチフィルタ係数修正手段は、前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数および前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正において、ノッチ中心周波数のみが変化するよう修正し、かつ前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数を前記第1のノッチフィルタのノッチ中心周波数とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の制御装置。
- 前記ノッチフィルタ係数修正手段は、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力との積、または、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力の符号との積に、
所定値および現時点の前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数の指数関数演算値の両方を乗じた量を、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数の修正量とすることを特徴とする請求項3記載の電動機の制御装置。 - 前記ノッチフィルタ係数修正手段は、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力との積、または、前記フィルタ手段の出力を前記第2のノッチフィルタに通過させた出力と、前記フィルタ手段の出力を前記方向フィルタに通過させた出力の符号との積に、所定値を乗じ、
前記乗算結果の積分値に予め与えられた初期値を加算し、
前記加算値の指数関数演算値を、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数とすることを特徴とする請求項3記載の電動機の制御装置。 - 前記第1のノッチフィルタおよび前記第2のノッチフィルタは、ともに再帰型ノッチフィルタであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の制御装置。
- 前記第1のノッチフィルタおよび前記第2のノッチフィルタは、次数が2次のノッチフィルタであることを特徴とする請求項6記載の電動機の制御装置。
- 前記第2のノッチフィルタは、ノッチ周波数におけるゲイン特性がマイナス無限大(−∞)であることを特徴とする請求項6記載の電動機の制御装置。
- 前記第1のノッチフィルタは、ノッチ周波数におけるゲイン特性がマイナス無限大(−∞)でない所定値であることを特徴とする請求項6記載の電動機の制御装置。
- 前記ノッチフィルタ係数修正手段は、前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数および前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正において、ノッチ中心周波数のみが変化するよう修正し、前記第2のノッチフィルタのノッチ中心周波数を前記第1のノッチフィルタのノッチ中心周波数とし、
以下の2つの条件
(1)前記第2のノッチフィルタのノッチ周波数の変化が所定値以下である。
(2)前記フィルタ手段の出力の振幅が所定値以上である。
が同時に所定時間以上続いた場合のみ、前記第1のノッチフィルタのノッチ中心周波数におけるゲイン特性が一層制限されるよう前記第1のノッチフィルタのフィルタ係数を修正することを特徴とする請求項6記載の電動機の制御装置。 - 前記ノッチフィルタ係数修正手段は、速度指令値もしくは位置指令値が所定条件を満たす期間、前記第1のノッチフィルタおよび前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正を停止させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の制御装置。
- 前記ノッチフィルタ係数修正手段は、速度指令値もしくは位置指令値の加速度の変化が所定値以上の期間、前記第1のノッチフィルタおよび前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正を停止させることを特徴とする請求項11記載の電動機の制御装置。
- 前記ノッチフィルタ係数修正手段は、速度指令値もしくは位置指令値変化が非0である期間、および速度指令値もしくは位置指令値変化の指令終了時点から所定時間経過した時点までの期間、前記第1のノッチフィルタおよび前記第2のノッチフィルタのフィルタ係数の修正を停止させることを特徴とする請求項11記載の電動機の制御装置。
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