JP5352801B2 - ノイズ除去装置、ノイズ除去方法および動作補正装置 - Google Patents

ノイズ除去装置、ノイズ除去方法および動作補正装置 Download PDF

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この発明は、ノイズ除去装置、ノイズ除去方法および動作補正装置に関し、更に詳細には、入力信号からノイズ信号を除去して出力信号を出力するノイズ除去装置、ノイズ除去方法および動作補正装置に関するものである。
例えば、医療や福祉現場において、介護者の負担を軽減するアシスト装置や被介護者の自立支援を目的とする自立支援ロボットの研究が盛んに行なわれている(例えば、特許文献1参照)。特に食事は、毎日欠かすことのできない作業であるため、介護者、被介護者共に負担が大きく、食事を支援する様々な装置が研究・開発されている。
ところで、手先や身体に震え(以下、振戦という)をもつ患者を対象として、使用者の動作に合わせて装置を動作させる食事支援装置(動作補正装置)が提案されている。このような食事支援装置では、手先の力覚信号に含まれる振戦信号(ノイズ信号)と使用者が意図する信号(主信号)とを正確に分離し、振戦による影響を除去した上で、操作性よく装置を動作させる必要がある。この観点から、振戦抑制に関する多くの研究が従来から行なわれている。例えば、Mr. Nawateは移動平均法によってマウス操作時の振戦の補正を試み(非特許文献1)、また、J. Gonzalezらは同様の分野で、最適なイコライザーを利用したディジタルフィルタリングアルゴリズムを発展させた(非特許文献2)。更に、C. N. Riviereらは微細手術における生理的振戦抑制に、非線形適応ノイズ除去アルゴリズムを用い(非特許文献3)、S. Pledieらは、インピーダンス制御における振戦抑制のためのフィードバックループをもったマン・マシンモデルを作成した(非特許文献4)。
特開平11−253504号公報 Masahiko Nawate, A Painting Tool with Blurring Compensation for People Having Involuntary Hand Motion, IEICE HIP, Vol. 103, pp.59-64, 2004 Gonzalez. J.G, Filtering involuntary motion of people with tremor disability using optimal equalization, Proc. IEEE Int. Conf. On Systems, Man and Cybernetics, Vol.3, pp.2402-2407, 1995 Cameron N. Riviere, Toward Active Tremor Canceling in Handheld Microsurgical Instruments, IEEE Trans. on Robotics and Automation, Vol. 15, No. 5, October, pp.793-800, 2003 Pledgie. S, Tremor suppression through impedance control, IEEE. Trans on Rehabilitation and Engineering, Vol.8, issue.l,pp.53-59, 2000
しかしながら、これらの方法には、(1) 入力に対する出力の遅延が大きく、操作性に問題があること、(2) 振戦についての周波数を事前に測定して、当該周波数の振戦のみが抑制対象となり、個人差や時変性を有する振戦に対応することができない難点があった。
そこで、本発明は、従来技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、振戦等のノイズ信号の周波数をリアルタイムで推定して、時変性のあるノイズ信号を除去し得るノイズ信号除去装置、ノイズ信号除去方法および動作補正装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため、請求項1に係るノイズ除去装置は、
動作検出部で検出され、主信号およびノイズ信号を含む入力信号が入力される入力手段と、
全域通過フィルタを適用したノッチフィルタに入力した前記入力信号の出力が最小となるタップ係数を一定周期で更新することで、時間変化するノイズ信号の各時刻での周波数に対応する推定周波数を決定するノイズ周波数推定手段と、
前記ノイズ周波数推定手段で決定された推定周波数に基づき決定される遮断フィルタにより、前記入力信号からノイズ信号を除去して出力信号を生成するノイズ除去手段と、
前記ノイズ除去手段で生成された出力信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、時間変化するノイズ信号に追従してノイズ信号の周波数に対応する推定周波数を決定するので、時変性のあるノイズ信号を入力信号から除去することができる。
請求項2に係るノイズ除去装置では、前記ノイズ周波数推定手段は、前記主信号とみなされる周波数帯域を前記入力信号から除去する主信号除去部を備え、該主信号除去部で周波数帯域が除去された入力信号が前記ノッチフィルタに入力される。
請求項2の発明によれば、入力信号から主信号とみなされる周波数帯域が除去されるので、主信号をノイズ信号として除去してしまうのを抑制し得る。
請求項3に係るノイズ信号除去装置では、
前記ノイズ周波数推定手段は、前記タップ係数からノッチ周波数である暫定周波数を算出する暫定周波数算出手段と、該暫定周波数算出手段で算出された暫定周波数に基づき前記推定周波数を決定する判定部とを備え、
前記判定部は、
任意時刻における暫定周波数と該任意時刻の直前に決定された推定周波数との差に基づくズレ監視量が予め設定された第1基準値より大きく、かつ所定時間内における暫定周波数の分散が予め設定された第2基準値より大きい場合には、当該任意時刻の直前に決定された推定周波数を任意時刻における推定周波数として決定すると共に、
前記ズレ監視量が前記第1基準値より小さい場合、または、前記分散が前記第2基準値より小さい場合には、当該任意時刻に算出された暫定周波数を任意時刻における推定周波数として決定する。
請求項3の発明によれば、ズレ監視量が第1基準値より大きく、かつ分散が第2基準値より大きい場合には、直前に決定された推定周波数を当該時刻における推定周波数とするので、周期的動作に係る主信号が入力信号に含まれた場合にも、当該主信号をノイズ信号として除去してしまうのを抑制し得る。また、ズレ監視量が第1基準値より小さい場合、または、分散が第2基準値より小さい場合には、当該時刻での暫定周波数を推定周波数として決定するので、時間変化するノイズ信号に追従して推定周波数を求め得る。
前述した課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため、請求項4に係るノイズ信号除去方法は、
動作検出部で検出された主信号およびノイズ信号を含む入力信号が入力手段に入力され、
前記入力手段に入力された入力信号を全域通過フィルタを適用したノッチフィルタに入力し、その出力を最小とするタップ係数を一定周期で更新することで、時間変化するノイズ信号の各時刻での周波数に対応する推定周波数を決定し、
前記推定周波数に基づき決定される遮断フィルタにより、前記入力信号からノイズ信号を除去して出力信号を生成し、
生成された前記出力信号を出力手段が出力することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、時間変化するノイズ信号に追従してノイズ信号の周波数に対応する推定周波数を決定するので、入力信号から時変性のあるノイズ信号を除去することができる。
請求項5に係るノイズ信号除去方法では、主信号とみなされる周波数帯域が除去された入力信号を前記ノッチフィルタに入力する。
請求項5の発明によれば、入力信号から主信号とみなされる周波数帯域が除去されるので、主信号をノイズ信号として除去してしまうのを抑制し得る。
請求項6に係るノイズ信号除去方法では、
タップ係数からノッチ周波数である暫定周波数を算出し、
任意時刻における暫定周波数と該任意時刻の直前に決定された推定周波数との差に基づくズレ監視量が予め設定された第1基準値より大きく、かつ所定時間内における暫定周波数の分散が予め設定された第2基準値より大きい場合には、当該任意時刻の直前に決定された推定周波数を任意時刻における推定周波数として決定すると共に、
前記ズレ監視量が前記第1基準値より小さい場合、または、前記分散が前記第2基準値より小さい場合には、当該任意時刻に算出された暫定周波数を任意時刻における推定周波数として決定する。
請求項6の発明によれば、ズレ監視量が第1基準値より大きく、かつ分散が第2基準値より大きい場合には、直前に決定された推定周波数を当該時刻における推定周波数として決定するので、周期的動作に係る主信号が入力信号に含まれた場合にも、当該主信号をノイズ信号として除去してしまうことがない。また、ズレ監視量が第1基準値より小さい場合、または、分散が第2基準値より小さい場合には、当該時刻での暫定周波数を推定周波数として決定するので、時間変化するノイズ信号に追従して推定周波数を決定し得る。
前述した課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため、請求項7に係る動作補正装置は、
被操作手段に対する動作に応じた主信号およびノイズ信号を含む入力信号を出力する動作検出部と、
前記動作検出部から出力された入力信号が入力される入力手段と、
全域通過フィルタを適用したノッチフィルタに入力した前記入力信号の出力を最小とするタップ係数を一定周期で更新することで、時間変化するノイズ信号の各時刻での周波数に対応する推定周波数を決定するノイズ周波数推定手段と、
前記ノイズ周波数推定手段で決定された推定周波数に基づき決定される遮断フィルタにより、前記入力信号からノイズ信号を除去して出力信号を生成するノイズ除去手段と、
前記ノイズ除去手段で生成された出力信号を出力する出力手段と、
前記出力手段から出力された出力信号に基づき動作補正対象を作動させる駆動手段とを備えることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、時間変化するノイズ信号に追従してノイズ信号の周波数を推定し得るので、入力信号から時変性のあるノイズ信号を除去して出力信号を出力することができる。従って、被操作手段に対する入力信号からノイズ信号を除去した出力信号により、動作補正対象の動作を補正して作動させることができる。
請求項8に係る動作補正装置では、ノイズ周波数推定手段は、前記主信号とみなされる周波数帯域を前記入力信号から除去する主信号除去部を備え、該主信号除去部で周波数帯域が除去された入力信号が前記ノッチフィルタに入力される。
請求項8の発明によれば、入力信号から主信号とみなされる周波数帯域が除去されるので、主信号をノイズ信号として除去してしまうのを抑制し得る。
請求項9に係る動作補正装置では、ノイズ周波数推定手段は、前記タップ係数からノッチ周波数である暫定周波数を算出する暫定周波数算出手段と、該暫定周波数算出手段で算出された暫定周波数に基づき前記推定周波数を決定する判定部とを備え、
前記判定部は、
任意時刻における暫定周波数と該任意時刻の直前に決定された推定周波数との差に基づくズレ監視量が予め設定された第1基準値より大きく、かつ所定時間内における暫定周波数の分散が予め設定された第2基準値より大きい場合には、当該任意時刻の直前に決定された推定周波数を任意時刻における推定周波数として決定すると共に、
前記ズレ監視量が前記第1基準値より小さい場合、または、前記分散が前記第2基準値より小さい場合には、当該任意時刻に算出された暫定周波数を任意時刻における推定周波数として決定する。
請求項9の発明によれば、ズレ監視量が第1基準値より大きく、かつ分散が第2基準値より大きい場合には、直前に決定された推定周波数を当該時刻における推定周波数として決定するので、周期的動作に係る主信号が入力信号に含まれた場合にも、当該主信号をノイズ信号として除去してしまうことがない。また、ズレ監視量が第1基準値より小さい場合、または、分散が第2基準値より小さい場合には、当該時刻での暫定周波数を推定周波数として決定するので、時間変化するノイズ信号に追従して推定周波数を決定し得る。
本発明によれば、時変性のあるノイズ信号を追従的に推定して、入力信号からノイズ信号を好適に除去することができる。
次に、本発明に係るノイズ除去装置、ノイズ除去方法および動作補正装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、実施例では、使用者の食事を支援する食事支援装置に本発明に係る動作補正装置を採用した例を挙げて説明する。また、実施例に係る食事支援装置が備える振戦除去システムに、本発明のノイズ除去装置が採用され、振戦除去システムにより本発明のノイズ除去方法が実行される。更に、実施例では、手先や身体に振戦が生ずるパーキンソン病患者が、使用者として食事支援装置を使用する場合について説明する。なお、実施例に係る食事支援装置では、マニピュレータ(スプーン)に対する使用者の動作に対応して、該マニピュレータ(スプーン)が作動する構成となっている。すなわち、実施例に係るマニピュレータやスプーンは、被操作手段であり、動作補正対象でもある。
実施例に係る食事支援装置10は、図1に示す如く、6軸のマニピュレータ12と、該マニピュレータ12の先端部38の上部に配設された力覚センサ(動作検出部)13と、該マニピュレータ12の先端部38に設けられてスプーン14の柄部14aが着脱自在に装着される取付部16と、マニピュレータ12を駆動する駆動手段(図示せず)と、振戦によるノイズ信号(以下、振戦信号と云う)を除去する振戦除去システム18とを備える。そして、使用者は、前記スプーン14の柄部14aや取付部16を把持してマニピュレータ12を操作することで、振戦が除去された上でスプーン14を所望の方向・速度で移動させ得るようになっている。なお、マニピュレータ12の根本は、使用者が食事に使用するテーブル40に固定部22によって固定されている。また、振戦除去システム18は、例えば、食事支援装置10を統括的に制御するコンピュータの演算装置等が対応する。
前記マニピュレータ12は、固定部22側から順に、第1関節部24、第1アーム部26、第2関節部28、第2アーム部30、第3関節部32、第3アーム部34、第4関節部36および先端部38を備え、各回動部位に駆動手段としての第1〜第6モータ(図示せず)が設けられている。そして、前記振戦除去システム18の出力手段20が第1〜第6モータに出力信号を送出して作動制御することで、前記第1〜第3アーム部26,30,34が回動して、マニピュレータ12の自由度の高い動きが実現されている。
前記固定部22には、テーブル40に対して垂直な軸線を中心とした回動が可能な第1関節部24が取付けられ、該第1関節部24に、テーブル40の上面に対して水平な軸線を中心とした回動が可能な第1アーム部26が取付けられている。前記第1アーム部26の先端は、第2関節部28を介して第2アーム部30と連結しており、該第2アーム部30はテーブル40の上面に対して水平な軸線を中心とする回動が可能となっている。前記第2アーム部30の先端には、テーブル40の上面に対して水平な軸線を中心とする回動が可能な第3関節部32が取付けられている。この第3関節部32の端部32aには、第2アーム部30の長手方向に沿った軸線を中心とした回動が可能な第3アーム部34が取付けられている。すなわち、第3アーム部34は、前記テーブル40に対し上下方向に回動し得ると共に、第3アーム部34の長手方向に沿った軸線を中心とする回動(自転)が可能となっている。更に、前記第4関節部36は、第3アーム部34と先端部38とを連結し、該先端部38は、第3アーム部34の長手方向に沿った軸線を中心として回動し得るよう構成される。
前記先端部38に装着される取付部16は、使用者が容易に把持し得る大きさの円柱形状とされている。取付部16の先端には、ドリルチャックの如き公知の把持機構が設けられ、該把持機構を介してスプーン14の柄部14aを取付部16に容易に着脱し得る構成となっている。なお、前記取付部16に装着されるスプーン14は、食事に用いられる一般的なものが採用されている。
前記力覚センサ13は、使用者のマニピュレータ12(スプーン14)に対する動作(力の方向・加速度等)を入力信号INとして検出するものであり、該力覚センサ13は前記振戦除去システム18の入力手段15(後述)に電気的に接続されている。この力覚センサ13で検出された使用者の動作は、入力信号INとして振戦除去システム18に入力される。入力信号INには、使用者が意図する動作による主信号と、使用者が意図しない振戦による振戦信号とが含まれる。そして、振戦除去システム18は、入力信号INから振戦信号を除去した出力信号OUTを出力することで、マニピュレータ12(スプーン14)に対し振戦の影響を除いた使用者が望む動きをさせ得るようになっている。
実施例に係る振戦除去システム18は、図2に示すように、前記力覚センサ13から入力信号INが入力される入力手段15と、時間変化する振戦信号の各時刻での振戦の周波数に対応する推定周波数ft(i)を決定する振戦周波数推定手段(ノイズ周波数推定手段)42と、該振戦周波数ft(i)に基づき決定される遮断フィルタ(FIn)により、入力信号INから振戦信号を除去して出力信号OUTを生成する振戦除去手段(ノイズ除去手段)44と、該振戦除去手段44で生成された出力信号OUTを出力する出力手段20とを備えている。また、前記振戦周波数推定手段42は、入力信号INから使用者の主信号とみなされる周波数帯域を予め除去する主信号除去部46と、各時刻での暫定周波数fe(i)(後述)を算出する暫定周波数算出部48と、該暫定周波数算出部48で算出された暫定周波数fe(i)に基づき前記推定周波数ft(i)を決定する判定部50とを備えている。なお、振戦除去システム18を構成する振戦除去手段44や振戦周波数推定手段42の各部は、夫々が物理的に独立する部材である必要はなく、1つの制御ユニットに組込まれていてもよい。すなわち、振戦除去システム18の各部は、物理的に明確に区分けし得るものでなく、夫々の機能に基づき分類されるものであればよい。
(振戦除去手段について)
実施例に係る振戦除去手段44は、遮断フィルタFInとして遅延の少ないバンドストップフィルタが採用されている。また、このバンドストップフィルタには、主信号への影響を少なくするため、通過域が平坦なChbyshevII型が用いてある。遅延tdelayは、操作性の劣化を考慮して遅延量を0.1[sec]以下とし、除去帯域幅fstop=0.3[Hz]、通過帯域と除去帯域との差fdiff=0.1[Hz]を固定パラメータとし、遮断帯域の中心周波数fcを1〜8[Hz]の間で除去帯域幅fstopの1/2ずつオーバーラップさせながら、複数の遮断フィルタFInのセットを求めた(数1参照)。図3に、遮断フィルタFInの一例を示す。設計した遮断フィルタFInは、後述するように、前記振戦周波数推定手段42で決定した推定周波数ft(i)に応じて切替えられる。そして、振戦除去手段44は、決定した遮断フィルタFInにより入力信号INから振戦信号を除去して、出力信号OUTを生成する。なお、前記除去帯域幅fstopは、予め行なったパーキンソン病患者の振戦解析から、振戦周波数のピーク帯域幅がおよそ0.2[Hz]程度であることが確認されたので、若干の余裕をもって0.3[Hz]とした。また、フィルタ係数のオーバーラップは、必ずしも除去帯域幅fstopの1/2に限定されず、例えば、1/3,1/4ずつオーバーラップさせてもよい。
(主信号除去部について)
前記主信号除去部46は、入力信号INのうち使用者の主信号とみなされる周波数帯域が暫定周波数算出部48(後述するノッチフィルタ17)に入力されるのを防止するためのものである。実施例では、主信号除去部46として、ハイパスフィルタが採用されている。すなわち、前記力覚センサ13から入力される入力信号INは、使用者の主信号や振戦信号を含む様々な周波数でパワー(振幅)をもつ有色信号である。従って、適応アルゴリズムが最もパワーの大きい周波数(主に低周波)に収束するのを防止するため、暫定周波数算出部48への入力の前に、入力信号INにハイパスフィルタをかけて主信号とみなされる周波数帯域を除去するようになっている。
主信号除去部46で除去する周波数(カットオフ周波数)は、振戦や不随意運動の周波数以下とし、解析結果に基づき例えば1.0[Hz]とした。すなわち、使用者が食事をする動作(主信号)は、概ね1.0[Hz]より低い周波数であるため、当該周波数より低い周波数帯域は主信号であるとみなして暫定周波数算出部48への入力が阻止される。但し、後述するように、主信号にカットオフ周波数より高い使用者の周期的動作が含まれる場合、当該主信号は主信号除去部46でカットされることはない。従って、この周期的動作に係る主信号は、振戦信号と共に暫定周波数算出部48へ入力される。なお、使用者の振戦の程度や、使用者が意図する動作等に合わせて、カットオフ周波数は適宜変更することが可能である。
(暫定周波数算出部について)
前記暫定周波数算出部48は、図4に示すように、IIR型2次全域通過フィルタAPFをノッチフィルタ17に適用して、適応アルゴリズムを用いて暫定周波数fe(i)を算出するものである。全域通過フィルタAPFとは、全周波数で振幅特性が1であり、ある周波数のみで位相が反転するものを云う。IIR型2次全域通過フィルタAPFの伝達関数は数2で表わされる。このIIR型2次全域通過フィルタAPFを数3に示すように、ノッチフィルタ17として利用する。αとρと位相の反転する正規化各周波数ωcとの間には数4のような関係があり、αは位相の反転する周波数(ノッチ周波数)を決定する係数(タップ係数)、ρは位相反転の急峻さ(ノッチの急峻さ)を決定する係数である。なお、位相反転は、ρの値を「1」に近付けるに従って急峻になる傾向がある。
前記ノッチフィルタ17のノッチ周波数はタップ係数αで決定されるので、ノッチフィルタ17は振戦信号の振戦周波数とノッチ周波数が一致するようにタップ係数αを更新する。このタップ係数αを更新する適応アルゴリズムを導く。基本とする最急降下法は数5で表わされる。ここで、▽(i)は時間kにおける勾配ベクトル、μは更新の幅を決定するステップサイズパラメータである。
数5からタップ係数αを更新する式を導く。はじめに式5は式6となる。但し、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムに従ってAは▽(i)の推定値とし、評価関数J=E[e(i)]の推定値を数7のようにBとした(E[・]は期待値演算を表わす)。また、図4から数8、数9であることを用いると、Aは数10のように計算できる。よってタップ係数αの更新式は数11となる。
この適応アルゴリズムは誤差e(i)(ノッチフィルタ17の出力)を最小にするように係数αを更新する。更新により、入力信号中の振戦周波数に対応するタップ係数αを求めることができる。そして、暫定周波数算出部48は、時間変化する振戦周波数に応じて係数αを更新することで、時刻iでのノッチ周波数を算出し、これを暫定周波数fe(i)とする(数12参照)。すなわち、この暫定周波数fe(i)とは、当該時刻における振戦信号の振戦周波数として暫定的にみなされる周波数である(暫定周波数fe(i)を推定周波数ft(i)とするかは後述する判定部50が判定する)。なお、係数αとρ(コンスタント)の値によっては適応アルゴリズムが発散するため、閾値をシミュレーションにより求める必要がある。本実施例では、例えば、ρ=0.995のとき、α>−1.99495とした。なお、この推定法を用いた場合、解像度はステップサイズパラメータμによって任意に決定でき、計算量も少ないため、サンプル毎の更新が可能である。但し、μの大きさは推定精度と収束速度のトレードオフの関係にあるため、システムにあったものを適宜選択する必要がある。
(判定部について)
前記判定部50は、例えば、使用者がスプーン14でかき集める、字を書くと云った周期的動作に係る主信号が入力された場合に、当該主信号を除去しないように機能するものである。前述のように、前記主信号除去部46は、カットオフ周波数より低い信号は除去するものの、使用者がカットオフ周波数より高い周期的動作をした場合には、その信号は主信号除去部46を通過してしまう。すると、暫定周波数算出部48に周期的動作に係る信号が入力され、該暫定周波数算出部48は、当該信号に対して前記暫定周波数数fe(i)を算出してしまう。そこで、判定部50は、暫定周波数算出部48で算出された暫定周波数fe(i)が、振戦信号に起因する場合には、当該暫定周波数fe(i)を前記推定周波数ft(i)として決定し、周期的動作に起因するものである場合には、直前に決定された推定周波数ft(i−1)を当該時刻での推定周波数ft(i)として決定する。具体的には、判定部50は、前記暫定周波数算出部48で算出された時刻iでの暫定周波数fe(i)を図5のブロック図の如く制御する。図5のh(i)、v(i)は、夫々、数13,数14で示すような評価関数である。
ここで、λは忘却係数である。数13は時刻iでの暫定周波数fe(i)と直前での推定周波数ft(i−1)のズレを監視するズレ監視量h(i)を示している。このように、忘却係数λを用いて再帰的に計算することで、過去のデータに対する重みをもつことができる。すなわち、ズレ監視量h(i)に基づく判別は、一般的に“周波数領域での数あるピークの中から振戦を判別する際、比較的長時間観測し続けられるものを振戦ということができる”という振戦判別法を利用している。数14は時刻i−kから時刻iまで(所定時間内)の暫定周波数fe(i−k)〜fe(i)の分散v(i)を表わし、適応アルゴリズムの収束を監視している。
すなわち、判定部50は、前記ズレ監視量h(i)が、予め設定された第1基準値hより大きく(図5のステップS1のYes)、かつ前記分散v(i)が、予め設定された第2基準値vより大きい場合には(図5のステップS2のNo)、当該時刻iの直前に決定された推定周波数ft(i−1)を時刻iでの推定周波数ft(i)として決定するようになっている(図5のステップS5)。ここで、ズレ監視量h(i)が第1基準値hより大きくなることは、暫定周波数fe(i)が大きく変化したことを意味し、入力信号INに周波数が大きく異なる周期的信号が加わったことを意味する。一方、前記分散v(i)が第2基準値vより大きくなることは、暫定周波数fe(i)が所定時間内に急激に変化したことを意味している。この両条件を満たすことで、振戦信号とは異なる周期的信号が所定時間内に急激に加わったことを意味し、判定部50は、当該周期的信号が使用者の周期的動作に基づくものとして、当該時刻iでの暫定周波数fe(i)を推定周波数ft(i)として決定することはない。
なお、ズレ監視量h(i)が第1基準値hより小さい場合(図5のステップS1のNo)、または、前記分散v(i)が第2基準値vより小さい場合(図5のステップS2のYes)、判定部50は、当該暫定周波数fe(i)が周期的動作に基づくものではない(振戦信号である)として、その暫定周波数fe(i)を推定周波数ft(i)とする(図5のステップS4,S3)。すなわち、振戦周波数がゆっくりと変化するような場合には、判定部50は、当該振戦周波数の変化に応じて、推定周波数ft(i)を更新させる。なお、第1基準値hr、第2基準値vrは、アルツハイマー病患者の解析結果より得られたデータを入力し、そのときの評価関数の変化を基準に決定される。前記判定部50で推定周波数ft(i)が決定すると、前記振戦除去手段44は、推定周波数ft(i)が数15を満たすように数1におけるnを決定し、前記振戦除去手段44の遮断領域の中心周波数fc(n)を決定する。すなわち、振戦除去手段44は、判定部50で最終的に決定された推定周波数ft(i)に応じて、振戦除去手段44の遮断フィルタFInを決定する。
前記出力手段20は、前記第1〜第6モータに接続され、振戦除去手段44で生成された出力信号OUTを第1〜第6モータに出力するようになっている。そして、この出力信号OUTに基づき第1〜第6モータが駆動して、マニピュレータ12(スプーン14)が作動する。
(実施例の作用)
次に、実施例に係る食事支援装置10の作用について、振戦除去システム18による振戦除去方法(ノイズ除去方法)と共に図6のフローチャートを参照して説明する。使用者がスプーン14の柄部14aを把持して、該スプーン14で掬った食物を口元まで搬送するよう力を付与すると、力覚センサ13が使用者の動作を検知して、これに基づく入力信号INを生成する(ステップS1)。このとき、入力信号INには、使用者の主信号に加え、振戦による振戦信号が含まれる。
力覚センサ13で生成された入力信号INは、振戦除去システム18の入力手段15に入力され(ステップS2)、最初に、振戦周波数推定手段42の主信号除去部46へ入力される(ステップS3)。すると、使用者の主信号は、振戦信号に比較して低周波(カットオフ周波数1.0[Hz]より低い)であるため、当該主信号とみなされた周波数帯域が主信号除去部46で除去される。これにより、入力信号INから振戦信号(使用者が周期的動作をした場合は、その主信号も含む)のみが抽出される。そして、前記周波数帯域が除去された入力信号INは、前記暫定周波数算出部48へ入力される。すると、暫定周波数算出部48は、ノッチフィルタ17の出力e(i)が最小となるよう係数αを更新して、時刻iにおける暫定周波数fe(i)を算出する(ステップS4,数12参照)。
暫定周波数算出部48で算出された暫定周波数fe(i)は、判定部50に入力され(ステップS5)、判定部50では、算出された振戦周波数(推定周波数(fe(i))を推定周波数ft(i)とするか否か判定する。すなわち、判定部50は、ズレ監視量h(i)が第1基準値hrより大きく、かつ暫定周波数fe(i)の分散v(i)が第2基準値vrより大きい場合は(ステップS6のYes)、当該暫定周波数fe(i)は使用者の周期的動作(主信号)に起因するものであるとして、直前の推定周波数ft(i−1)を当該時刻での推定周波数ft(i)と決定する(ステップS7)。一方、ズレ監視量h(i)が第1基準値hrより小さい場合、または、前記分散v(i)が第2基準値vrより小さい場合には(ステップS6のNo)、暫定周波数fe(i)は振戦信号に起因するものとして、判定部50は当該時刻での暫定周波数fe(i)を推定周波数ft(i)として決定する(ステップS8のYes)。
次いで、振戦除去手段44は、前記判定部50で最終的に決定された推定周波数ft(i)に基づき、数(15)を満たすnを決定する(ステップS9)。この決定されたnにより、前記振戦除去手段44における遮断領域の中心周波数fc(n)が決定され(ステップS10)、該振戦除去手段44の遮断フィルタFInが決定される(ステップS11)。振戦除去手段44は、決定された遮断フィルタFInにより入力信号INから振戦信号の分離を行ない、使用者の主信号のみからなる出力信号OUTを生成する(ステップS12)。この出力信号OUTは、前記出力手段20へ入力され(ステップS13)、該出力手段20から各第1〜第6モータへ出力される(ステップS14)。これにより、マニピュレータ12(スプーン14)は、振戦による影響が除去された使用者が望む動きで作動する。
以上に説明したように、実施例に係る食事支援装置10は、振戦除去システム18が時間変化する振戦信号の各時刻での周波数に対応する推定周波数ft(i)を決定するので、使用者の個人差や時変性のある振戦を除去して、マニピュレータ12を使用者が意図するように動作させることができる。また、主信号除去部46により入力信号INから主信号とみなされる周波数帯域が除去されるので、主信号を振戦信号として除去してしまうのを防止し得る。更に、使用者が意図的な周期的動作をした場合には、判定部50により、直前に決定された推定周波数ft(i−1)を当該時刻における推定周波数ft(i)として決定するので、周期的動作に係る主信号が除去されるのを防止し得る。
(実験例1)
次に、本発明に係るノイズ除去装置、ノイズ除去方法および動作補正装置の有効性を確認するため、シミュレーション信号による実験を行なった。結果を図7および図8に示す。図7(a)〜(c)は振戦周波数推定手段42への入力信号と出力信号を表わし、図8は各手法における推定周波数ft(i)の変化を示したものである。入力信号INは、振戦信号とする正弦波(周波数は図8のReference.以下fr)に、外乱として様々な周波数の正弦波と白色雑音を加えたものである。(a)は暫定周波数算出部48による推定のみの場合で、(b)は暫定周波数算出部48への入力の前にカットオフ周波数1.0[Hz]の主信号除去部46を加えた場合、(c)は(b)に判定部50を加えた場合である。
まず、T1での入力は振戦信号の正弦波と低周波のみである。(a)の方法ではパワーの大きな低周波へ収束してしまっているが、(b)と(c)の方法ではfrに収束していることから、主信号除去部46は有効に作用していると云える。次に、T2でfrに近い周波数の外乱を加えた。これにより(b)の方法では、T〜T3にかけて推定周波数ft(i)がfrから外れてしまっているが、(c)の方法では判定部50が有効に働き、遮断フィルタFInの切替えが停止している。T4では、frを少しずつ変動させている。このとき推定周波数ft(i)は、frに追従している。すなわち、frの変化が急でない場合には、振戦周波数の微小な変動である可能性が高いため、推定周波数ft(i)はfrに追従するべく更新を続ける。
次に、実際に用いる力覚センサ13からの信号によって有効性を検証した。図9は、特に振戦周波数の変動が大きい15〜25[sec]を拡大して表わしたものである。図9より、振戦周波数が時間変化しても、本発明に係る振戦除去装置および方法では、振戦の変動に追従して振戦信号が除去されているのが分かる。
(実験例2)
次に、実験例2として、先端に力覚センサ13を取付けたマニピュレータを用いた検証実験を行なった。なお、実施例では、6自由度のマニピュレータ12を例に説明したが、本実験例2では、3自由度のマニピュレータを用いて実験を行なった。手動で操作するため、力覚センサ13の入力信号を以下の式を用いて変換した。
ここで、vmaxはモーションキャプチャにより測定した健常者の食事動作における手先の最大速度、Fmaxは力覚センサ13からの最大入力である。これを各軸毎に計算し速度リファンレンスvrefとした。Fmaxは20[N]、vmaxは80[mm/sec]とした。Z方向の結果を図10に示す。上のグラフはセンサ入力、下のグラフはマニピュレータに取付けたスプーン14の先端位置をモーションキャプチャで撮影し追跡した結果である。17秒付近からフィルタをOFFからONにしている。
この結果より、振戦信号の大部分が除去できていることが分かる。フィルタONによって操作感が若干変化したが、これはマニピュレータの都合上100[Hz]の動作周波数で実験を行なったことが大きな要因であると考える。フィルタON・OFFの前後で入力が変わっているのはマニピュレータ12が振戦に合わせて動かなくなったためである。
なお、実施例では、動作補正装置として、入力信号INからノイズ信号としての振戦を除去する食事支援装置10について説明したが、ノイズ信号としては、振戦に限定されず、例えば、使用者の緊張や疲労に起因する手先の震え等によるノイズも含まれる。また、実施例では、食事支援を目的とする食事支援装置10の場合について説明したが、本発明に係る動作支援装置としては、食事支援に限定される訳ではなく、例えば、ジョイスティックや触覚センサ、コンピュータへのマウス操作等にも適宜応用することが可能である。この場合、ジョイスティックやマウスが被操作手段に対応している。更には、産業用ロボットや、手術等の医療行為を支援する装置に、本発明を適用することも可能である。
更に、実施例では、被操作手段および動作補正対象が同一のマニピュレータ12である場合を例示したが、動作が加わる被操作手段と動作補正対象とが別のものであってもよい。例えば、使用者が被操作手段(ジョイスティック等)を操作することで、ノイズ信号を除去した上で、使用者から離れた部材(例えば、筆記具や手術器具等)を補正しつつ作動させることが考えられる。更には、使用者による被操作手段への操作が、補正された後に、例えば、コンピューター上の画面に表示された動作補正対象(マウスのカーソル等)を作動させてもよい。更に、被操作手段を操作する操作主体としては、実施例の如く、人間に限定されず、例えば、ロボットが被操作手段を操作して、その動作を動作補正対象に再現させるようにしてもよい。
実施例では、暫定周波数算出部48により暫定周波数fe(i)を算出して、判定部50により推定周波数ft(i)を決定する構成としたが、前記タップ係数αから求まるノッチ周波数をそのまま推定周波数ft(i)としてもよい。すなわち、必ずしも、判定部50を設ける必要はない。また、主信号除去部46についても、実施例の如く、ハイパスフィルタに限定されず、ローパスフィルタ等を採用してもよい。更に、実施例では、遮断フィルタFInとしてバンドストップフィルタを採用したが、ノッチフィルタや他のフィルタを採用することも可能である。
実施例に係る食事支援装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例に係る食事支援装置に設けられた振戦除去システムの構成を示すブロック図である。 振戦除去手段で用いられる遮断フィルタの一例を示すグラフである。 暫定周波数算出部に採用されたノッチフィルタを示す図である。 判定部における判定フローを示すブロック図である。 食事支援装置の振戦除去方法を示すフローチャート図である。 振戦周波数推定手段の入力信号および出力信号の実験結果を示すグラフであって、(a)は暫定周波数算出部のみを設けた場合、(b)は暫定周波数推定部および主信号除去部を用いた場合、(c)は(b)に判定部を加えた場合の結果を示す。 図7における(a)〜(c)の手法において推定された推定周波数の変化を示すグラフである。 入力信号および出力信号の時間変化を表わす実験結果である。 実験例2の実験結果を示すグラフであって、上のグラフは力覚センサへの入力信号を示し、下のグラフはスプーンの先端位置をモーションキャプチャで撮影し追跡した結果を示す。
符号の説明
12 マニピュレータ(被操作手段,動作補正対象)
14 スプーン(被操作手段,動作補正対象),13 力覚センサ(動作検出手段)
15 入力手段,17 ノッチフィルタ,20 出力手段
42 振戦周波数推定手段(ノイズ周波数推定手段)
44 振戦除去手段(ノイズ除去手段),46 主信号除去部
48 暫定周波数算出手段,50 判定部,IN 入力信号
APF 全域通過フィルタ,α タップ係数,h(i) ズレ監視量
v(i) 分散,e(i) 出力(誤差),ft(i) 推定周波数,fe(i) 暫定周波数
FIn 遮断フィルタ,OUT 出力信号,hr 第1基準値,vr 第2基準値

Claims (9)

  1. 動作検出部(13)で検出され、主信号およびノイズ信号を含む入力信号(IN)が入力される入力手段(15)と、
    全域通過フィルタ(APF)を適用したノッチフィルタ(17)に入力した前記入力信号(IN)の出力(e(i))が最小となるタップ係数(α)を一定周期で更新することで、時間変化するノイズ信号の各時刻での周波数に対応する推定周波数(f(i))を決定するノイズ周波数推定手段(42)と、
    前記ノイズ周波数推定手段(42)で決定された推定周波数(f(i))に基づき決定される遮断フィルタ(FI)により、前記入力信号(IN)からノイズ信号を除去して出力信号(OUT)を生成するノイズ除去手段(44)と、
    前記ノイズ除去手段(44)で生成された出力信号(OUT)を出力する出力手段(20)とを備え
    時間変化するノイズ信号に追従してノイズ信号の周波数に対応する推定周波数(f (i))を決定し、時変性のあるノイズ信号を入力信号(IN)から除去する
    ことを特徴とするノイズ信号除去装置。
  2. 前記ノイズ周波数推定手段(42)は、前記主信号とみなされる周波数帯域を前記入力信号(IN)から除去する主信号除去部(46)を備え、該主信号除去部(46)で周波数帯域が除去された入力信号(IN)が前記ノッチフィルタ(17)に入力される請求項1記載のノイズ信号除去装置。
  3. 前記ノイズ周波数推定手段(42)は、前記タップ係数(α)からノッチ周波数である暫定周波数(f(i))を算出する暫定周波数算出手段(48)と、該暫定周波数算出手段(48)で算出された暫定周波数(f(i))に基づき前記推定周波数(f(i))を決定する判定部(50)とを備え、
    前記判定部(50)は、
    任意時刻における暫定周波数(f(i))と該任意時刻の直前に決定された推定周波数(f(i-1))との差に基づくズレ監視量(h(i))が予め設定された第1基準値(h)より大きく、かつ所定時間内における暫定周波数(f(i-k)〜f(i))の分散(v(i))が予め設定された第2基準値(v)より大きい場合には、当該任意時刻の直前に決定された推定周波数(f(i-1))を任意時刻における推定周波数(f(i))として決定すると共に、
    前記ズレ監視量(h(i))が前記第1基準値(h)より小さい場合、または、前記分散(v(i))が前記第2基準値(v)より小さい場合には、当該任意時刻に算出された暫定周波数(f(i))を任意時刻における推定周波数(f(i))として決定する
    請求項1または2記載のノイズ信号除去装置。
  4. 動作検出部(13)で検出された主信号およびノイズ信号を含む入力信号(IN)が入力手段(15)に入力され、
    前記入力手段(15)に入力された入力信号(IN)を全域通過フィルタ(APF)を適用したノッチフィルタ(17)に入力し、その出力(e(i))を最小とするタップ係数(α)を一定周期で更新することで、時間変化するノイズ信号の各時刻での周波数に対応する推定周波数(f(i))を決定し、
    前記推定周波数(f(i))に基づき決定される遮断フィルタ(FI)により、前記入力信号(IN)からノイズ信号を除去して出力信号(OUT)を生成し、
    生成された前記出力信号(IN)を出力手段(20)が出力し、
    時間変化するノイズ信号に追従してノイズ信号の周波数に対応する推定周波数(f (i))を決定し、時変性のあるノイズ信号を入力信号(IN)から除去する
    ことを特徴とするノイズ信号除去方法。
  5. 前記主信号とみなされる周波数帯域が除去された入力信号(IN)を前記ノッチフィルタ(17)に入力する請求項4記載のノイズ信号除去方法。
  6. 前記タップ係数(α)からノッチ周波数である暫定周波数(f(i))を算出し、
    任意時刻における暫定周波数(f(i))と該任意時刻の直前に決定された推定周波数(f(i-1))との差に基づくズレ監視量(h(i))が予め設定された第1基準値(h)より大きく、かつ所定時間内における暫定周波数(f(i-k)〜f(i))の分散(v(i))が予め設定された第2基準値(v)より大きい場合には、当該任意時刻の直前に決定された推定周波数(f(i-1))を任意時刻における推定周波数(f(i))として決定すると共に、
    前記ズレ監視量(h(i))が前記第1基準値(h)より小さい場合、または、前記分散(v(i))が前記第2基準値(v)より小さい場合には、当該任意時刻に算出された暫定周波数(f(i))を任意時刻における推定周波数(f(i))として決定する
    請求項4または5記載のノイズ信号除去方法。
  7. 被操作手段(12,14)に対する動作に応じた主信号およびノイズ信号を含む入力信号(IN)を出力する動作検出部(13)と、
    前記動作検出部(13)から出力された入力信号(IN)が入力される入力手段(15)と、
    全域通過フィルタ(APF)を適用したノッチフィルタ(17)に入力した前記入力信号(IN)の出力(e(i))を最小とするタップ係数(α)を一定周期で更新することで、時間変化するノイズ信号の各時刻での周波数に対応する推定周波数(f(i))を決定するノイズ周波数推定手段(42)と、
    前記ノイズ周波数推定手段(42)で決定された推定周波数(f(i))に基づき決定される遮断フィルタ(FI)により、前記入力信号(IN)からノイズ信号を除去して出力信号(OUT)を生成するノイズ除去手段(44)と、
    前記ノイズ除去手段(44)で生成された出力信号(OUT)を出力する出力手段(20)と、
    前記出力手段(20)から出力された出力信号(OUT)に基づき動作補正対象(12,14)を作動させる駆動手段とを備え
    時間変化するノイズ信号に追従してノイズ信号の周波数に対応する推定周波数(f (i))を決定し、時変性のあるノイズ信号を入力信号(IN)から除去する
    ことを特徴とする動作補正装置。
  8. 前記ノイズ周波数推定手段(42)は、前記主信号とみなされる周波数帯域を前記入力信号(IN)から除去する主信号除去部(46)を備え、該主信号除去部(46)で周波数帯域が除去された入力信号(IN)が前記ノッチフィルタ(17)に入力される請求項7記載の動作補正装置。
  9. 前記ノイズ周波数推定手段(42)は、前記タップ係数(α)からノッチ周波数である暫定周波数(f(i))を算出する暫定周波数算出手段(48)と、該暫定周波数算出手段(48)で算出された暫定周波数(f(i))に基づき前記推定周波数(f(i))を決定する判定部(50)とを備え、
    前記判定部(50)は、
    任意時刻における暫定周波数(f(i))と該任意時刻の直前に決定された推定周波数(f(i-1))との差に基づくズレ監視量(h(i))が予め設定された第1基準値(h)より大きく、かつ所定時間内における暫定周波数(f(i-k)〜f(i))の分散(v(i))が予め設定された第2基準値(v)より大きい場合には、当該任意時刻の直前に決定された推定周波数(f(i-1))を任意時刻における推定周波数(f(i))として決定すると共に、
    前記ズレ監視量(h(i))が前記第1基準値(h)より小さい場合、または、前記分散(v(i))が前記第2基準値(v)より小さい場合には、当該任意時刻に算出された暫定周波数(f(i))を任意時刻における推定周波数(f(i))として決定する
    請求項7または8記載の動作補正装置。
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