JP7223734B2 - 手術支援システム、手術支援システムの制御装置および手術支援システムの制御方法 - Google Patents

手術支援システム、手術支援システムの制御装置および手術支援システムの制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、手術支援システム、手術支援システムの制御装置および手術支援システムの制御方法に関し、特に、操作部が受け付けた操作に基づいて医療器具の動作を制御する手術支援システム、手術支援システムの制御装置および手術支援システムの制御方法に関する。
従来、操作部が受け付けた操作に基づいて医療器具の移動を制御するロボット外科用システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、外科医が操作するマスターマニピュレータ(操作部)を有するコンソールと、マスターマニピュレータが受け付けた外科医の操作に基づいて移動するスレーブマニピュレータ(アーム)とを備えるロボット手術システムが開示されている。このロボット手術システムでは、スレーブマニピュレータの末端には、ツール(医療器具)が設けられている。スレーブマニピュレータは、関節によって接続される複数のリンクを含む。
また、上記特許文献1のロボット手術システムでは、スレーブマニピュレータ(アーム)の関節に対応するように関節制御部が設けられている。関節制御部は、マスターマニピュレータ側からの関節位置指令値に対して線形フィルタを適用する。そして、線形フィルタが適用された後の関節位置指令値を関節に送信し、関節を駆動する。これにより、関節位置指令値(信号)の振動が線形フィルタにより低減されるので、関節位置指令値に基づいてスレーブマニピュレータを動作させた際に、スレーブマニピュレータの振動を低減することが可能になる。また、関節制御部は、エンコーダにより検出された関節の位置情報をマスターマニピュレータ側にフィードバックする。上記の線形フィルタは、制御の遅れを発生させるので、上記特許文献1では、このフィードバックの経路に逆フィルタを設けることにより、制御の遅れを補償する。
米国特許第7865269号明細書
しかしながら、上記特許文献1のロボット手術システムでは、エンコーダにより検出されたスレーブマニピュレータの関節の位置情報をマスターマニピュレータ側にフィードバックする経路に、制御の遅れを補償するための逆フィルタが設けられている。このため、上記特許文献1のロボット手術システムでは、マスターマニピュレータ(操作者側装置)側からスレーブマニピュレータ(患者側装置)側に送信される関節位置指令値(信号)の振動を線形フィルタにより低減することができるものの、マスターマニピュレータ(操作者側装置)側からスレーブマニピュレータ(患者側装置)側に送信される関節位置指令値(信号)において、制御の遅れを補償(低減)できないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、操作者側装置側から患者側装置側に送信される信号において、信号の振動を低減して患者側装置の振動を低減しながら、制御の遅れを低減することが可能な手術支援システム、手術支援システムの制御装置および手術支援システムの制御方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による手術支援システムは、手術支援システムであって、先端側に医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置である医療用マニピュレータと、医療器具に対する操作を受け付ける操作部を含む操作者側装置と、受け付けられた操作に対応する医療器具の位置を示す入力位置信号に基づいて、医療器具の位置を示す出力位置信号を出力し、医療器具の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、入力位置信号に基づいて、医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出し、算出された動作速度信号の、医療用マニピュレータの振動に対応する周波数帯域を含む第1の周波数帯域に対応する成分を増幅させる第1フィルタを動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出し、第1フィルタ後信号のうち制限値を超える部分を除去するように第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出し、制限後信号に対して、第1フィルタによる位相の進みを相殺するように第1の周波数帯域に対応する成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出し、第2フィルタ後信号に基づいて、出力位置信号を算出する。なお、動作速度信号は、速度信号、加速度信号および加加速度信号のうちのいずれか一つを含む概念である。
この発明の第1の局面による手術支援システムでは、上記のように、制御部は、入力位置信号に基づいて、医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出し、算出された動作速度信号の第1の周波数帯域の成分を増幅させる第1フィルタを動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出し、第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出し、制限後信号に対して、第1の周波数帯域の成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出し、第2フィルタ後信号に基づいて、出力位置信号を算出する。ここで、第1フィルタを適用せずに第2フィルタのみを適用した場合、動作速度信号の第1の周波数帯域の成分は低減されるので、成分の低減後の動作速度信号に基づいて医療器具の出力位置信号を算出することにより、動作速度信号の振動を低減することが可能である一方、第2フィルタを適用することに起因する制御の遅れ(位相の遅れ)が発生する。そこで、上記のように、第1フィルタと第2フィルタとの両方を適用することにより、第1フィルタによる制御(位相)の進みと、第2フィルタによる制御(位相)の遅れとが相殺されるので、制御の遅れを低減することができる。なお、単に、第1フィルタと第2フィルタとを適用すると動作速度信号に対して何も作用させない状態となる。そこで、上記のように、第1フィルタ後信号に対して制限をかけて制限後信号を算出することにより、動作速度信号の第1の周波数帯域の成分のうちの比較的大きな成分が除去されるので、除去後の制限後信号に基づいて医療器具の出力位置信号を算出することにより、動作速度信号の振動を低減することができる。これらの結果、操作者側装置側から患者側装置側に送信される信号において、信号の振動を低減して患者側装置の振動を低減しながら、制御の遅れを低減することができる。
この発明の第2の局面による手術支援システムの制御装置は、先端側に医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置である医療用マニピュレータと、医療器具に対する操作を受け付ける操作部を含む操作者側装置とを備える手術支援システムの制御装置であって、受け付けられた操作に対応する医療器具の位置を示す入力位置信号に基づいて、医療器具の位置を示す出力位置信号を出力し、医療器具の動作を制御する制御部を備え、制御部は、入力位置信号に基づいて、医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出し、算出された動作速度信号の、医療用マニピュレータの振動に対応する周波数帯域を含む第1の周波数帯域に対応する成分を増幅させる第1フィルタを動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出し、第1フィルタ後信号のうち制限値を超える部分を除去するように第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出し、制限後信号に対して、第1フィルタによる位相の進みを相殺するように第1の周波数帯域に対応する成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出し、第2フィルタ後信号に基づいて、出力位置信号を算出する。
この発明の第2の局面による手術支援システムの制御装置では、上記のように、制御部は、入力位置信号に基づいて、医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出し、算出された動作速度信号の第1の周波数帯域の成分を増幅させる第1フィルタを動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出し、第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出し、制限後信号に対して、第1の周波数帯域の成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出し、第2フィルタ後信号に基づいて、出力位置信号を算出する。ここで、第1フィルタを適用せずに第2フィルタのみを適用した場合、動作速度信号の第1の周波数帯域の成分は低減されるので、成分の低減後の動作速度信号に基づいて医療器具の出力位置信号を算出することにより、動作速度信号の振動を低減することが可能である一方、第2フィルタを適用することに起因する制御の遅れ(位相の遅れ)が発生する。そこで、上記のように、第1フィルタと第2フィルタとの両方を適用することにより、第1フィルタによる制御(位相)の進みと、第2フィルタによる制御(位相)の遅れとが相殺されるので、制御の遅れを低減することができる。なお、単に、第1フィルタと第2フィルタとを適用すると動作速度信号に対して何も作用させない状態となる。そこで、上記のように、第1フィルタ後信号に対して制限をかけて制限後信号を算出することにより、動作速度信号の第1の周波数帯域の成分のうちの比較的大きな成分が除去されるので、除去後の制限後信号に基づいて医療器具の出力位置信号を算出することにより、動作速度信号の振動を低減することができる。これらの結果、操作者側装置側から患者側装置側に送信される信号において、信号の振動を低減して患者側装置の振動を低減しながら、制御の遅れを低減することが可能な手術支援システムの制御装置を提供することができる。
この発明の第3の局面による手術支援システムの制御方法は、先端側に医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置である医療用マニピュレータと、医療器具に対する操作を受け付ける操作部を含む操作者側装置とを備える手術支援システムの制御方法であって、医療器具に対する操作を受け付けるステップと、受け付けられた操作に対応する医療器具の位置を示す入力位置信号に基づいて、医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出するステップと、算出された動作速度信号の、医療用マニピュレータの振動に対応する周波数帯域を含む所定の周波数帯域に対応する成分を増幅させる第1フィルタを動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出するステップと、第1フィルタ後信号のうち制限値を超える部分を除去するように第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出するステップと、制限後信号に対して、第1フィルタによる位相の進みを相殺するように所定の周波数帯域に対応する成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出するステップと、第2フィルタ後信号に基づいて、医療器具の位置を示す出力位置信号を算出するステップと、を備える。
この発明の第3の局面による手術支援システムの制御方法では、上記のように、算出された動作速度信号の所定の周波数帯域の成分を増幅させる第1フィルタを動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出するステップと、第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出するステップと、制限後信号に対して、所定の周波数帯域の成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出するステップと、第2フィルタ後信号に基づいて、医療器具の位置を示す出力位置信号を算出するステップとを備える。ここで、第1フィルタを適用せずに第2フィルタのみを適用した場合、動作速度信号の第1の周波数帯域の成分は低減されるので、成分の低減後の動作速度信号に基づいて医療器具の出力位置信号を算出することにより、動作速度信号の振動を低減することが可能である一方、第2フィルタを適用することに起因する制御の遅れ(位相の遅れ)が発生する。そこで、上記のように、第1フィルタと第2フィルタとの両方を適用することにより、第1フィルタによる制御(位相)の進みと、第2フィルタによる制御(位相)の遅れとが相殺されるので、制御の遅れを低減することができる。なお、単に、第1フィルタと第2フィルタとを適用すると動作速度信号に対して何も作用させない状態となる。そこで、上記のように、第1フィルタ後信号に対して制限をかけて制限後信号を算出することにより、動作速度信号の第1の周波数帯域の成分のうちの比較的大きな成分が除去されるので、除去後の制限後信号に基づいて医療器具の出力位置信号を算出することにより、動作速度信号の振動を低減することができる。これらの結果、操作者側装置側から患者側装置側に送信される信号において、信号の振動を低減して患者側装置の振動を低減しながら、制御の遅れを低減することが可能な手術支援システムの制御装置を提供することが可能な手術支援システムの制御方法を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、操作者側装置側から患者側装置側に送信される信号において、信号の振動を低減しながら、制御の遅れを低減することができる。
本発明の一実施形態による外科手術システムの構成を示す図である。 本発明の一実施形態による医療用マニピュレータの構成を示す図である。 本発明の一実施形態による医療用マニピュレータのアームの構成を示す図である。 鉗子を示す図である。 本発明の一実施形態による医療用マニピュレータの操作部の構成を示す斜視図である。 内視鏡を示す図である。 ピボット位置教示器具を示す図である。 アームの並進移動を説明するための図である。 アームの回転移動を説明するための図である。 本発明の一実施形態による医療用マニピュレータの制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態によるサーボ制御部(非線形ノッチフィルタ)のブロック図である。 本発明の一実施形態による非線形ノッチフィルタを説明するためのイメージ図(1)である。 本発明の一実施形態による非線形ノッチフィルタを説明するためのイメージ図(2)である。 本発明の一実施形態による加速度の制限の範囲を示すイメージ図である。 本発明の一実施形態によるサーボ制御部のブロック図(第2ノッチフィルタ)である。 周波数と加速度の大きさとの関係を示す図である。 周波数と制御の遅れ(位相)との関係を示す図である。 図17の拡大図である。 本発明の一実施形態による外科手術システムの制御方法を説明するためのフロー図である。
以下、本発明を具体化した本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図18を参照して、本実施形態による外科手術システム100の構成について説明する。外科手術システム100は、患者P側装置である医療用マニピュレータ1と、医療用マニピュレータ1を操作するための操作者側装置である遠隔操作装置2とを備えている。医療用マニピュレータ1は医療用台車3を備えており、移動可能に構成されている。遠隔操作装置2は、医療用マニピュレータ1から離間した位置に配置されており、医療用マニピュレータ1は、遠隔操作装置2により遠隔操作されるように構成されている。術者は、医療用マニピュレータ1に所望の動作を行わせるための指令を遠隔操作装置2に入力する。遠隔操作装置2は、入力された指令を医療用マニピュレータ1に送信する。医療用マニピュレータ1は、受信した指令に基づいて動作する。また、医療用マニピュレータ1は、滅菌された滅菌野である手術室内に配置されている。なお、外科手術システム100は、特許請求の範囲の「手術支援システム」の一例である。
遠隔操作装置2は、たとえば、手術室の中または手術室の外に配置されている。遠隔操作装置2は、操作用マニピュレータアーム21と、操作ペダル22と、タッチパネル23と、モニタ24と、支持アーム25と、支持バー26とを含む。操作用マニピュレータアーム21は、術者が指令を入力するための操作用のハンドルを構成する。操作用マニピュレータアーム21は、医療器具4に対する操作量を受け付ける。モニタ24は、内視鏡により撮影された画像を表示するスコープ型表示装置である。支持アーム25は、モニタ24の高さを術者の顔の高さに合わせるようにモニタ24を支持する。タッチパネル23は、支持バー26に配置されている。モニタ24近傍に設けられた図示しないセンサにより術者の頭部を検知することにより医療用マニピュレータ1は遠隔操作装置2による操作が可能になる。術者は、モニタ24により患部を視認しながら、操作用マニピュレータアーム21および操作ペダル22を操作する。これにより、遠隔操作装置2に指令が入力される。遠隔操作装置2に入力された指令は、医療用マニピュレータ1に送信される。なお、操作用マニピュレータアーム21は、特許請求の範囲の「操作部」の一例である。
医療用台車3には、医療用マニピュレータ1の動作を制御する制御部31と、医療用マニピュレータ1の動作を制御するためのプログラムなどが記憶される記憶部32とが設けられている。そして、遠隔操作装置2に入力された指令に基づいて、医療用台車3の制御部31は、医療用マニピュレータ1の動作を制御する。
また、医療用台車3には、入力装置33が設けられている。入力装置33は、主に施術前に手術の準備を行うために、ポジショナ40、アームベース50、および、複数のアーム60の移動や姿勢の変更の操作を受け付けるように構成されている。
図1および図2に示す医療用マニピュレータ1は、手術室内に配置されている。医療用マニピュレータ1は、医療用台車3と、ポジショナ40と、アームベース50と、複数のアーム60とを備えている。アームベース50は、ポジショナ40の先端に取り付けられている。アームベース50は、比較的長い棒形状(長尺形状)を有する。また、複数のアーム60は、各々のアーム60の根元部が、アームベース50に取り付けられている。複数のアーム60は、折り畳まれた姿勢(収納姿勢)をとることが可能に構成されている。アームベース50と、複数のアーム60とは、図示しない滅菌ドレープにより覆われて使用される。
ポジショナ40は、たとえば、7軸多関節ロボットにより構成されている。また、ポジショナ40は、医療用台車3上に配置されている。ポジショナ40は、アームベース50を移動させる。具体的には、ポジショナ40は、アームベース50の位置を3次元に移動させるように構成されている。
また、ポジショナ40は、ベース部41と、ベース部41に連結された複数のリンク部42とを含む。複数のリンク部42同士は、関節部43により連結されている。
図1に示すように、複数のアーム60の各々の先端には、医療器具4が取り付けられている。医療器具4は、たとえば、取り換え可能なインストゥルメント、内視鏡6(図6参照)などを含む。
図3に示すように、インストゥルメントには、アーム60のホルダ71に設けられたサーボモータM2によって駆動される被駆動ユニット4aが設けられている。また、インストゥルメントの先端には、鉗子4bが設けられている。
また、図4に示すように、インストゥルメントは、鉗子4bを第1軸A1について回転可能に支持する第1支持体4eと、第1支持体4eを第2軸A2について回転可能に支持する第2支持体4fと、第2支持体4fに接続されるシャフト4cとを含む。被駆動ユニット4aと、シャフト4cと、第2支持体4fと、第1支持体4eと、鉗子4bとは、Z方向に沿って配置されている。
第1支持体4eには、第1軸A1の回転軸線R1周りに回転するように鉗子4bが取り付けられている。また、第2支持体4fは、第1支持体4eを第2軸A2について回転可能に支持している。つまり、第2支持体4fには、第2軸A2の回転軸線R2周りに回転するように第1支持体4eが取り付けられている。また、第1支持体4eの先端側(Z1方向側)の部分は、U字形状を有している。第1支持体4eのU字形状の先端側の部分の回転軸線R1方向における中央部にツールセンタポイント(TCP1、クレビス)が設定されている。
また、図6に示すように、内視鏡6のTCP2は、内視鏡6の先端に設定されている。
次に、アーム60の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、アーム60は、アーム部61(ベース部62、リンク部63、関節部64)と、アーム部61の先端に設けられる並進移動機構部70とを含む。アーム60は、アーム60の根元側(アームベース50)に対して先端側を3次元に移動させるように構成されている。なお、複数のアーム60は、互いに同様の構成を有する。
並進移動機構部70は、アーム部61の先端側に設けられるとともに医療器具4が取り付けられている。また、並進移動機構部70は、医療器具4を患者Pに挿入する方向に並進移動させる。また、並進移動機構部70は、医療器具4をアーム部61に対して相対的に並進移動させるように構成されている。具体的には、並進移動機構部70には、医療器具4を保持するホルダ71が設けられている。ホルダ71には、サーボモータM2(図10参照)が収容されている。サーボモータM2は、医療器具4の被駆動ユニット4aに設けられた回転体を回転させるように構成されている。被駆動ユニット4aの回転体が回転されることにより、鉗子4bが動作される。
アーム部61は、7軸多関節ロボットアームから構成されている。また、アーム部61は、アーム部61をアームベース50に取り付けるためのベース部62と、ベース部62に連結された複数のリンク部63とを含む。複数のリンク部63同士は、関節部64により連結されている。
並進移動機構部70は、ホルダ71をZ方向に沿って並進移動させることにより、ホルダ71に取り付けられた医療器具4をZ方向(シャフト4cが延びる方向)に沿って並進移動させるように構成されている。具体的には、並進移動機構部70は、アーム部61の先端に接続される基端側リンク部72と、先端側リンク部73と、基端側リンク部72と先端側リンク部73との間に設けられる連結リンク部74とを含む。また、ホルダ71は、先端側リンク部73に設けられている。
そして、並進移動機構部70の連結リンク部74は、基端側リンク部72に対して、先端側リンク部73を、Z方向に沿って相対的に移動させる倍速機構として構成されている。また、基端側リンク部72に対して先端側リンク部73がZ方向に沿って相対的に移動されることにより、ホルダ71に設けられた医療器具4が、Z方向に沿って並進移動するように構成されている。また、アーム部61の先端は、基端側リンク部72を、Z方向に直交するX方向を軸として回動させるように基端側リンク部72に接続されている。
また、図5に示すように、医療用マニピュレータ1は、アーム60に取り付けられ、アーム60を操作する操作部80を備えている。操作部80は、イネーブルスイッチ81と、ジョイスティック82とスイッチ部83とを含む。イネーブルスイッチ81は、ジョイスティック82およびスイッチ部83によるアーム60の移動を許可または不許可とする。また、イネーブルスイッチ81は、操作者(看護師、助手など)が操作部80を把持して押下されることによりアーム60による医療器具4の移動を許可する状態となる。
また、スイッチ部83は、医療器具4の長手方向に沿った医療器具4を患者Pに挿入する方向側に医療器具4を移動させるスイッチ部83aと、医療器具4を患者Pに挿入する方向と反対側に医療器具4を移動させるスイッチ部83bとを含む。スイッチ部83aとスイッチ部83bとは、共に、押しボタンスイッチから構成されている。
また、図5に示すように、操作部80は、アーム60に取り付けられた医療器具4の移動の支点(図9参照)となるピボット位置PPを教示するピボットボタン85を含む。ピボットボタン85は、操作部80の面80bに、イネーブルスイッチ81に隣り合うように設けられている。そして、内視鏡6(図6参照)またはピボット位置教示器具7(図7)の先端が、患者Pの体表面Sに挿入されたトロカールTの挿入位置に対応する位置まで移動された状態で、ピボットボタン85が押下されることによりピボット位置PPが教示され、記憶部32に記憶される。なお、ピボット位置PPの教示において、ピボット位置PPは、1つの点(座標)として設定され、ピボット位置PPの教示は、医療器具4の方向を設定するものではない。
また、図1に示すように、複数のアーム60のうちの一つのアーム60(たとえば、アーム60b)には内視鏡6が取り付けられ、残りのアーム60(たとえば、アーム60a、60cおよび60d)には、内視鏡6以外の医療器具4が取り付けられる。具体的には、手術において、4つのアーム60のうちの1つのアーム60に内視鏡6が取り付けられ、3つのアーム60に内視鏡6以外の医療器具4(鉗子4bなど)が取り付けられる。そして、内視鏡6が取り付けられているアーム60に対して、内視鏡6が取り付けられた状態でピボット位置PPが教示される。また、内視鏡6以外の医療器具4が取り付けられるアーム60に対して、ピボット位置教示器具7が取り付けられた状態でピボット位置PPが教示される。なお、内視鏡6は、互いに隣り合うように配置されている4つのアーム60のうちの、中央に配置される2つのアーム60(アーム60bおよび60c)のうちのいずれかに取り付けられる。すなわち、ピボット位置PPは、複数のアーム60毎に個別に設定される。
また、図5に示すように、操作部80の面80bには、アーム60の位置を最適化するためのアジャストメントボタン86が設けられている。内視鏡6が取り付けられたアーム60に対するピボット位置PPの教示後、アジャストメントボタン86が押下されることにより、他のアーム60(アームベース50)の位置が最適化される。
また、図5に示すように、操作部80は、アーム60に取り付けられた医療器具4を並進移動(図8参照)させるモードと、回転移動(図9参照)させるモードとを切り替えるモード切替ボタン84を含む。また、モード切替ボタン84の近傍には、モードインジケータ84aが設けられている。モードインジケータ84aは、切り替えられたモードを表示する。具体的には、モードインジケータ84aが点灯(回転移動モード)または消灯(並進移動モード)されることにより、現在のモード(並進移動モードまたは回転移動モード)が表示される。
また、モードインジケータ84aは、ピボット位置PPが教示されたことを表示するピボット位置インジケータを兼ねている。
図8に示すように、アーム60を並進移動させるモードでは、医療器具4の先端4dが、X-Y平面上において移動するように、アーム60が移動される。また、図9に示すように、アーム60を回転移動させるモードでは、ピボット位置PPが教示されていない時は、鉗子4bを中心に回転移動し、ピボット位置PPが教示されている時は、ピボット位置PPを支点として医療器具4が回転移動するように、アーム60が移動される。なお、医療器具4のシャフト4cがトロカールTに挿入された状態で、医療器具4が回転移動される。
また、図10に示すように、アーム60には、アーム部61の複数の関節部64に対応するように、複数のサーボモータM1と、エンコーダE1と、減速機(図示せず)とが設けられている。エンコーダE1は、サーボモータM1の回転角を検出するように構成されている。減速機は、サーボモータM1の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。
また、図10に示すように、並進移動機構部70には、医療器具4の被駆動ユニット4aに設けられた回転体を回転させるためのサーボモータM2と、医療器具4を並進移動させるためのサーボモータM3と、エンコーダE2およびエンコーダE3と、減速機(図示せず)とが設けられている。エンコーダE2およびエンコーダE3は、それぞれ、サーボモータM2およびサーボモータM3の回転角を検出するように構成されている。減速機は、サーボモータM2およびサーボモータM3の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。
また、ポジショナ40には、ポジショナ40の複数の関節部43に対応するように、複数のサーボモータM4と、エンコーダE4と、減速機(図示せず)とが設けられている。エンコーダE4は、サーボモータM4の回転角を検出するように構成されている。減速機は、サーボモータM4の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。
また、医療用台車3には、医療用台車3の複数の前輪(図示せず)の各々を駆動するサーボモータM5と、エンコーダE5と、減速機(図示せず)とが設けられている。エンコーダE5は、サーボモータM5の回転角を検出するように構成されている。減速機は、サーボモータM5の回転を減速させてトルクを増大させるように構成されている。
医療用台車3の制御部31は、指令に基づいて複数のアーム60の移動を制御するアーム制御部31aと、指令に基づいてポジショナ40の移動および医療用台車3の前輪(図示せず)の駆動を制御するポジショナ制御部31bとを含む。アーム制御部31aには、アーム60を駆動するためのサーボモータM1を制御するためのサーボ制御部C1が電気的に接続されている。また、サーボ制御部C1には、サーボモータM1の回転角を検出するためのエンコーダE1が電気的に接続されている。
また、アーム制御部31aには、医療器具4を駆動するためのサーボモータM2を制御するためのサーボ制御部C2が電気的に接続されている。また、サーボ制御部C2には、サーボモータM2の回転角を検出するためのエンコーダE2が電気的に接続されている。また、アーム制御部31aには、並進移動機構部70を並進移動するためのサーボモータM3を制御するためのサーボ制御部C3が電気的に接続されている。また、サーボ制御部C3には、サーボモータM3の回転角を検出するためのエンコーダE3が電気的に接続されている。
そして、遠隔操作装置2に入力された動作指令が、アーム制御部31aに入力される。アーム制御部31aは、入力された動作指令と、エンコーダE1(E2、E3)により検出された回転角とに基づいて位置指令を生成するとともに、位置指令をサーボ制御部C1(C2、C2)に出力する。サーボ制御部C1(C2、C3)は、アーム制御部31aから入力された位置指令(入力位置信号xin)と、エンコーダE1(E2、E3)により検出された回転角とに基づいて、トルク指令を生成するとともに、トルク指令をサーボモータM1(M2、M3)に出力する。これにより、遠隔操作装置2に入力された動作指令に沿うように、アーム60が移動される。
具体的には、本実施形態では、図11に示すように、サーボ制御部C1は、医療器具4の位置を示す入力位置信号xinに基づいて、速度信号v、加速度信号aおよび加加速度信号bのうちのいずれか一つの動作速度信号(本実施形態では、加速度信号a)を算出する。詳細には、サーボ制御部C1は、入力位置信号xinを微分(差分)することにより、速度信号vを算出する。また、サーボ制御部C1は、入力位置信号xinからフィードバックされた出力位置信号xoutを減算するともに、減算後の値に位置ゲインKを乗算する。そして、サーボ制御部C1は、位置ゲインKが乗算された値を、速度信号vに加算して速度信号vを算出する。なお、サーボ制御部C1は、特許請求の範囲の「制御部」および「手術支援システムの制御装置」の一例である。また、加速度信号aは、特許請求の範囲の「動作速度信号」の一例である。
また、サーボ制御部C1は、速度信号vを微分(差分)することにより、加速度信号aを算出する。また、サーボ制御部C1は、速度信号vからフィードバックされたフィルタ後速度信号vを減算するともに、減算後の値に速度ゲインKを乗算する。そして、サーボ制御部C1は、速度ゲインKが乗算された値を加速度信号aに加算して加速度信号aを算出する。
そして、サーボ制御部C1は、算出した加速度信号aの第1の周波数帯域H(図16参照)の成分を増幅させる逆ノッチフィルタINFを適用して、逆フィルタ後加速度信号aを算出する。なお、第1の周波数帯域Hは、たとえば、操作用マニピュレータアーム21を操作するユーザの手ぶれに対応する周波数帯域である。図12のイメージ図に示すように、逆ノッチフィルタINFを適用することにより、加速度信号aのうちの第1の周波数帯域Hの成分が増幅される(図12の矢印A参照)。なお、逆ノッチフィルタINFが適用されることにより、逆フィルタ後加速度信号aの位相(制御)が進むことになる。また、逆ノッチフィルタINFは、特許請求の範囲の「第1フィルタ」の一例である。また、逆フィルタ後加速度信号aは、特許請求の範囲の「第1フィルタ後信号」および「第1フィルタ後加速度信号」の一例である。また、第1の周波数帯域Hは、特許請求の範囲の「所定の周波数帯域」の一例である。
また、図11に示すように、サーボ制御部C1は、逆フィルタ後加速度信号aに対して制限をかけて、制限後加速度信号aを算出する。図12のイメージ図に示すように、増幅された逆フィルタ後加速度信号aのうち、制限値を超える部分が除去される(図12のハッチングの領域参照)。なお、図12では、制限値が一定に示されているが、後述するように制限値は、加速度信号aの振幅に応じて変化する。また、制限後加速度信号aは、特許請求の範囲の「制限後信号」の一例である。
また、図11に示すように、サーボ制御部C1は、制限後加速度信号aに対して、第1の周波数帯域Hの成分を減少させるノッチフィルタNFを適用してフィルタ後加速度信号aを算出する。図12のイメージ図に示すように、ノッチフィルタNFを適用することにより、制限後加速度信号aのうちの第1の周波数帯域Hの成分が低減される(図12の矢印B参照)。なお、ノッチフィルタNFが適用されることにより、フィルタ後加速度信号aの位相(制御)が遅れることになる。また、ノッチフィルタNFは、特許請求の範囲の「第2フィルタ」の一例である。また、フィルタ後加速度信号aは、特許請求の範囲の「第2フィルタ後信号」および「第2フィルタ後加速度信号」の一例である。
なお、具体的には、1つのノッチフィルタNFにより制限後加速度信号aの第1の周波数帯域Hの成分を減少させるのではなく、複数の非線形ノッチフィルタ(逆ノッチフィルタINFとノッチフィルタNFとを適用するノッチフィルタ)を直列に並べるとともに、複数の非線形ノッチフィルタの各々が、第1の周波数帯域Hの範囲内の互いに異なる周波数帯域の成分を低減している。
そして、逆ノッチフィルタINFとノッチフィルタNFとの両方を適用することにより、逆ノッチフィルタINFによる制御(位相)の進みと、ノッチフィルタNFによる制御(位相)の遅れが相殺される。そして、図13に示すように、第1の周波数帯域Hの成分が低減されるとともに位相の遅れが低減されたフィルタ後加速度信号aが求められる。
また、図11に示すように、本実施形態では、サーボ制御部C1は、ノッチフィルタNFが適用されたフィルタ後加速度信号aに基づいて、フィルタ後速度信号vおよび出力位置信号xoutを算出する。具体的には、サーボ制御部C1は、フィルタ後加速度信号aを積分することによりフィルタ後速度信号vを算出する。また、サーボ制御部C1は、フィルタ後速度信号vを積分することにより出力位置信号xoutを算出する。そして、サーボ制御部C1は、フィルタ後速度信号vおよび出力位置信号xoutを、フィードバックする。具体的には、サーボ制御部C1は、速度信号vから、1サンプル前(制御周期の1周期前)のフィルタ後速度信号vを減算する。また、サーボ制御部C1は、入力位置信号xinから、1サンプル前の出力位置信号xoutを減算する。
なお、上記のように、逆ノッチフィルタINFとノッチフィルタNFとを適用するノッチフィルタは、非線形ノッチフィルタである。ここで、「非線形ノッチフィルタ」とは、ノッチフィルタを微分方程式により表した場合、微分方程式が非線形になる場合のノッチフィルタを意味する。
また、本実施形態では、図11に示すように、サーボ制御部C1は、速度信号vおよび加加速度信号bに基づいて、逆フィルタ後加速度信号aに対する制限の上限値および下限値を算出する。具体的には、サーボ制御部C1は、速度信号vの絶対値を算出し、速度信号vの絶対値に対してローパスフィルタ(LPF)を適用する。そして、サーボ制御部C1は、LPFを適用した値に対して、ゲインKを乗算して、値cを算出する。
また、サーボ制御部C1は、加速度信号aを微分(差分)して、加加速度信号bを算出する。また、サーボ制御部C1は、加加速度信号bの絶対値を算出し、加加速度信号bの絶対値に対してLPFを適用する。そして、サーボ制御部C1は、LPFを適用した値に対して、ゲインKを乗算して、値cを算出する。
そして、サーボ制御部C1は、値cと値cとを加算して、値cを算出し、値cと加速度信号aとを加算して、逆フィルタ後加速度信号aに対する上限値を算出する。また、サーボ制御部C1は、加速度信号aから値cを減算して、逆フィルタ後加速度信号aに対する下限値を算出する。これにより、逆フィルタ後加速度信号aに対する制限の幅(上限値と下限値との間の幅)が算出される。
また、本実施形態では、サーボ制御部C1は、加速度信号aの振幅に応じた制限の上限値および下限値を算出する。図14の制限値のイメージ図に示すように、加速度信号a(逆フィルタ後加速度信号a)は、波形に変化する。そして、制限の上限値および下限値は、逆フィルタ後加速度信号aの波形に応じて変化する。
また、本実施形態では、図15に示すように、サーボ制御部C1は、加速度信号aの第1の周波数帯域Hよりも小さい第2の周波数帯域H(図16参照)の成分に対して、第2の周波数帯域Hの成分を減少させるフィルタFを適用する。具体的には、第2の周波数帯域Hは、たとえば、医療用マニピュレータ1の固有振動数に対応する周波数帯域である。詳細には、サーボ制御部C1は、出力位置信号xout(非線形ノッチフィルタが適用された後)に対して、フィルタFを適用する。フィルタFは、線形フィルタである。つまり、フィルタFを微分方程式により表した場合、微分方程式が線形になる。なお、フィルタFは、特許請求の範囲の「第3フィルタ」の一例である。
サーボ制御部C1は、フィルタFが適用された後の出力位置信号xoutを、位置/速度制御部C11に送信する。位置/速度制御部C11は、サーボモータM1に電流指令を送信する。また、位置/速度制御部C11は、エンコーダE1により検出されたサーボモータM1の回転位置(エンコーダ値)に基づいて、電流指令を生成する。
次に、図16~図18を参照して、本実施形態の非線形ノッチフィルタ(逆ノッチフィルタINFとノッチフィルタNFとの適用)による制御の遅れの改善について説明する。
図16は、横軸に振動数、縦軸に入力位置信号xinに基づいて算出された加速度信号aの周波数成分の低減度合いを表している。図17および図18は、横軸に振動数、縦軸に制御の遅れ(位相)を表している。図16~図18の一点鎖線は、加速度信号a(フィルタ適用前の加速度信号a)に対して、ノッチフィルタのみを適用したもの(比較例)を表している。比較例では、加速度信号aの手ぶれに対応する周波数帯域の成分は小さくなり、手ぶれによる振動が小さくされていることが確認された。一方、図17および図18に示すように、比較例(一点鎖線参照)では、フィルタ適用前の加速度信号a(図示せず)に対して、制御の遅れ(位相)が大きくなることが確認された。
図16~図18の実線は、加速度信号a(フィルタ適用前の加速度信号a)に対して、本実施形態の非線形ノッチフィルタを適用したものを表している。加速度信号aに非線形ノッチフィルタを適用した場合、加速度信号aの手ぶれに対応する周波数帯域の成分は小さくなり(振動が小さくなり)、手ぶれによる振動が小さくされていることが確認された。また、図17および図18に示すように、非線形ノッチフィルタを適用した場合(実線参照)、非線形ノッチフィルタの適用前(図示せず)に対して、制御の遅れ(位相)が小さいことが確認された。すなわち、本実施形態の非線形ノッチフィルタにより、ユーザの手ぶれに起因する医療用マニピュレータ1の振動を抑制しながら、制御の遅れを低減することが可能であることが確認された。
また、図10に示すように、制御部31(アーム制御部31a)は、操作部80のジョイスティック82からの入力信号に基づいてアーム60を操作するように構成されている。具体的には、アーム制御部31aは、ジョイスティック82から入力された入力信号(動作指令)と、エンコーダE1により検出された回転角とに基づいて位置指令を生成するとともに、位置指令をサーボ制御部C1に出力する。サーボ制御部C1は、アーム制御部31aから入力された位置指令と、エンコーダE1により検出された回転角とに基づいて、トルク指令を生成するとともに、トルク指令をサーボモータM1に出力する。これにより、ジョイスティック82に入力された動作指令に沿うように、アーム60が移動される。
制御部31(アーム制御部31a)は、操作部80のスイッチ部83からの入力信号に基づいてアーム60を操作するように構成されている。具体的には、アーム制御部31aは、スイッチ部83から入力された入力信号(動作指令)と、エンコーダE1またはE3により検出された回転角とに基づいて位置指令を生成するとともに、位置指令をサーボ制御部C1またはC3に出力する。サーボ制御部C1またはC3は、アーム制御部31aから入力された位置指令と、エンコーダE1またはE3により検出された回転角とに基づいて、トルク指令を生成するとともに、トルク指令をサーボモータM1またはM3に出力する。これにより、スイッチ部83に入力された動作指令に沿うように、アーム60が移動される。
また、図10に示すように、ポジショナ制御部31bには、ポジショナ40を移動するサーボモータM4を制御するためのサーボ制御部C4が電気的に接続されている。また、サーボ制御部C4には、サーボモータM4の回転角を検出するためのエンコーダE4が電気的に接続されている。また、ポジショナ制御部31bには、医療用台車3の前輪(図示せず)を駆動するサーボモータM5を制御するためのサーボ制御部C5が電気的に接続されている。また、サーボ制御部C5には、サーボモータM5の回転角を検出するためのエンコーダE5が電気的に接続されている。
また、入力装置33から準備位置の設定などに関する動作指令が、ポジショナ制御部31bに入力される。ポジショナ制御部31bは、入力装置33から入力された動作指令と、エンコーダE4により検出された回転角とに基づいて位置指令を生成するとともに、位置指令をサーボ制御部C4に出力する。サーボ制御部C4は、ポジショナ制御部31bから入力された位置指令と、エンコーダE4により検出された回転角とに基づいて、トルク指令を生成するとともに、トルク指令をサーボモータM4に出力する。これにより、入力装置33に入力された動作指令に沿うように、ポジショナ40が移動される。同様に、入力装置33からの動作指令に基づいて、ポジショナ制御部31bは、医療用台車3を移動させる。
(外科手術システムの制御方法)
次に、図19を参照して、外科手術システム100の制御方法について説明する。
まず、ステップS1において、サーボ制御部C1は、医療器具4に対する操作を受け付ける。
次に、ステップS2において、サーボ制御部C1は、受け付けた操作に対応する医療器具4の入力位置信号xinに基づいて、速度信号と、加速度信号とおよび加加速度信号とのうちのいずれか一つの動作速度信号(本実施形態では、加速度信号a)を算出する。
次に、ステップS3において、サーボ制御部C1は、算出した加速度信号aの周波数帯域の成分を増幅させる逆ノッチフィルタINFを適用して、逆フィルタ後加速度信号aを算出する。
次に、ステップS4において、サーボ制御部C1は、逆フィルタ後加速度信号aに対して制限をかけて、制限後加速度信号aを算出する。なお、サーボ制御部C1は、速度信号vおよび加加速度信号bを算出し、速度信号vおよび加加速度信号bに基づいて、逆フィルタ後加速度信号aに対する制限の上限値および下限値を算出している。
次に、ステップS5において、サーボ制御部C1は、制限後加速度信号aに対して、第1の周波数帯域Hの成分を減少させるノッチフィルタNFを適用してフィルタ後加速度信号aを算出する。
次に、ステップS6において、サーボ制御部C1は、フィルタ後加速度信号aに基づいて、医療器具4の位置を示す出力位置信号xoutを算出する。具体的には、サーボ制御部C1は、フィルタ後加速度信号aを積分してフィルタ後速度信号vを算出し、フィルタ後速度信号vを積分することにより出力位置信号xoutを算出する。
次に、ステップS7において、サーボ制御部C1は、フィルタ後速度信号vおよび出力位置信号xoutをフィードバックする。
上記のステップS1~S7の動作は、アーム60の動作中、常に行われるとともに、複数のアーム60毎に行なわれる。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(手術支援ロボット、医療用マニピュレータの効果)
本実施形態では、上記のように、サーボ制御部C1は、加速度信号aを算出し、算出した加速度信号aの第1の周波数帯域Hの成分を増幅させる逆ノッチフィルタINFを適用して、逆フィルタ後加速度信号aを算出し、逆フィルタ後加速度信号aに対して制限をかけて、制限後加速度信号aを算出し、制限後加速度信号aに対して、第1の周波数帯域Hの成分を減少させるノッチフィルタNFを適用してフィルタ後加速度信号aを算出し、フィルタ後加速度信号aに基づいて、医療器具4の出力位置信号xoutを算出する。ここで、逆ノッチフィルタINFを適用せずにノッチフィルタNFのみを適用した場合、加速度信号aの第1の周波数帯域Hの成分は低減されるので、成分の低減後の加速度信号aに基づいて医療器具4の出力位置信号xoutを算出することにより、加速度信号aの振動を低減することが可能である一方、ノッチフィルタNFを適用することに起因する制御の遅れ(位相の遅れ)が発生する。そこで、上記のように、逆ノッチフィルタINFとノッチフィルタNFとの両方を適用することにより、逆ノッチフィルタINFによる制御(位相)の進みと、ノッチフィルタNFによる制御(位相)の遅れが相殺されるので、制御の遅れを低減することができる。なお、単に、逆ノッチフィルタINFとノッチフィルタNFとを適用すると加速度信号aに対して何も作用させない状態となる。そこで、上記のように、逆フィルタ後加速度信号aに対して制限をかけて制限後加速度信号aを算出することにより、加速度信号aの第1の周波数帯域Hの成分のうちの比較的大きな成分が除去されるので、除去後の制限後加速度信号aに基づいて医療器具4の出力位置信号xoutを算出することにより、加速度信号a(信号)の振動を低減することができる。これらの結果、遠隔操作装置2側から医療用マニピュレータ1側に送信される信号において、信号(加速度信号a)の振動を低減して医療用マニピュレータ1の振動を低減しながら、制御の遅れを低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、サーボ制御部C1は、第1の周波数帯域Hよりも小さい第2の周波数帯域Hの成分に対して、第2の周波数帯域Hの成分を減少させるフィルタFを適用する。これにより、第1の周波数帯域Hの成分に対して逆ノッチフィルタINFとノッチフィルタNFとの両方が適用されることにより制御の遅れが低減されているので、この制御の低減の分、フィルタFによる第2の周波数帯域Hの成分を減少させる度合いを大きくしても(つまり、フィルタFによる制御の遅れが増大しても)、外科手術システム100の全体の制御の遅れが増大するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1の周波数帯域Hは、操作用マニピュレータアーム21を操作するユーザの手ぶれに対応する周波数帯域であり、第2の周波数帯域Hは、医療用マニピュレータ1の固有振動数に対応する周波数帯域である。これにより、操作用マニピュレータアーム21を操作するユーザの手ぶれに起因する信号(加速度信号a)の振動が低減されるので、ユーザの手ぶれに起因する医療用マニピュレータ1の振動を抑制することができる。また、医療用マニピュレータ1の固有振動数の振動が低減されるので、医療用マニピュレータ1の固有振動を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、サーボ制御部C1は、医療器具4の入力位置信号xinを微分することにより、加速度信号aを算出する。これにより、加速度信号aが低減されるので、ユーザの手ぶれに起因する医療用マニピュレータ1の振動を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、サーボ制御部C1は、入力位置信号xinに基づいて速度信号vおよび加加速度信号bを算出し、算出した加速度信号aに対して逆ノッチフィルタINFを適用して逆フィルタ後加速度信号aを算出し、算出した速度信号vおよび加加速度信号bに基づいて、逆フィルタ後加速度信号aに対する制限の上限値および下限値を算出する。これにより、速度信号vと加加速度信号bとの両方に基づいて、逆ノッチフィルタINFを適用したい周波数帯域を目立たせるように(言い換えると、逆ノッチフィルタINFを適用したくない周波数帯域に逆ノッチフィルタINFが適用されるのを抑制するように)、制限の上限値および下限値を調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、サーボ制御部C1は、加速度信号aの振幅に応じた制限の上限値および下限値を算出する。これにより、逆フィルタ後加速度信号aに対する制限が一定値の場合と異なり、振幅(波形状)を有する逆フィルタ後加速度信号aを適切に制限することができる。
また、本実施形態では、上記のように、サーボ制御部C1は、ノッチフィルタNFが適用されたフィルタ後加速度信号aに基づいて、フィルタ後速度信号vおよび出力位置信号xoutを算出し、フィルタ後速度信号vおよび出力位置信号xoutを、フィードバックする。これにより、逆フィルタ後加速度信号aに対して制限がかけられることに起因して、医療器具4の入力位置信号xinに対応する位置と、アーム60の位置とがずれた場合でも、フィードバック制御により位置ずれを低減することができる。
(外科手術システムの制御方法の効果)
本実施形態では、上記のように、外科手術システム100の制御方法では、算出した加速度信号aに逆ノッチフィルタINFを適用し、逆フィルタ後加速度信号aに対して制限をかけ、制限後加速度信号aに対して、ノッチフィルタNFを適用する。これにより、遠隔操作装置2側から医療用マニピュレータ1側に送信される信号において、信号(加速度信号a)の振動を低減して医療用マニピュレータ1の振動を低減しながら、制御の遅れを低減することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、サーボ制御部C1によって、非線形ノッチフィルタが適用される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、医療用マニピュレータ1の制御部31や遠隔操作装置2において、非線形ノッチフィルタを適用するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、加速度信号aに対して非線形ノッチフィルタを適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、速度信号v、または、加加速度信号bに対して非線形ノッチフィルタを適用してもよい。
また、上記実施形態では、速度信号vおよび加加速度信号bに基づいて、制限の上限値および下限値を算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、速度信号vおよび加加速度信号b以外の指標に基づいて制限の上限値および下限値を算出してもよい。
また、上記実施形態では、アーム60が4つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、アーム60の数は、少なくとも1つ以上設けられていれば他の任意の数であってもよい。
また、上記実施形態では、アーム部61およびポジショナ40が7軸多関節ロボットから構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アーム部61およびポジショナ40が7軸多関節ロボット以外の軸構成(例えば、6軸や8軸)の多関節ロボットなどから構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、医療用マニピュレータ1が、医療用台車3と、ポジショナ40と、アームベース50と、アーム60とを備えている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、医療用台車3と、ポジショナ40と、アームベース50は必ずしも必要なく、医療用マニピュレータ1が、アーム60だけで構成されてもよい。
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
1 医療用マニピュレータ(患者側装置)
2 遠隔操作装置(操作者側装置)
4 医療器具
21 操作用マニピュレータアーム(操作部)
60 アーム
100 外科手術システム(手術支援システム)
a 加速度信号(動作速度信号)
逆フィルタ後加速度信号(第1フィルタ後信号、第1フィルタ後加速度信号)
制限後加速度信号(制限後信号)
フィルタ後加速度信号(第2フィルタ後信号、第2フィルタ後加速度信号)
b 加加速度
F フィルタ(第3フィルタ)
第1の周波数帯域(所定の周波数帯域)
第2の周波数帯域
INF 逆ノッチフィルタ(第1フィルタ)
NF ノッチフィルタ(第2フィルタ)
v 速度
フィルタ後速度
in 入力位置信号
out 出力位置信号

Claims (9)

  1. 手術支援システムであって、
    先端側に医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置である医療用マニピュレータと、
    前記医療器具に対する操作を受け付ける操作部を含む操作者側装置と、
    受け付けられた前記操作に対応する前記医療器具の位置を示す入力位置信号に基づいて、前記医療器具の位置を示す出力位置信号を出力し、前記医療器具の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記入力位置信号に基づいて、前記医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出し、
    算出された前記動作速度信号の、前記医療用マニピュレータの振動に対応する周波数帯域を含む第1の周波数帯域に対応する成分を増幅させる第1フィルタを前記動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出し、
    前記第1フィルタ後信号のうち制限値を超える部分を除去するように前記第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出し、
    前記制限後信号に対して、前記第1フィルタによる位相の進みを相殺するように前記第1の周波数帯域に対応する成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出し、
    前記第2フィルタ後信号に基づいて、前記出力位置信号を算出する、手術支援システム。
  2. 請求項1に記載の手術支援システムであって、
    前記制御部は、前記第1の周波数帯域よりも小さい第2の周波数帯域に対応する成分に対して、前記第2の周波数帯域に対応する成分を減少させる第3フィルタを適用する、手術支援システム。
  3. 請求項2に記載の手術支援システムであって、
    前記第1の周波数帯域は、前記操作部を操作するユーザの手ぶれに対応する予め定められた周波数帯域であり、
    前記第2の周波数帯域は、前記医療用マニピュレータの固有振動数に対応する周波数帯域である、手術支援システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の手術支援システムであって、
    前記制御部は、前記入力位置信号を微分することにより、前記動作速度信号としての加速度信号を算出する、手術支援システム。
  5. 請求項4に記載の手術支援システムであって、
    前記制御部は、
    前記入力位置信号に基づいて、前記動作速度信号として、速度信号および加加速度信号を算出し、
    算出した前記加速度信号に対して前記第1フィルタを適用することにより前記第1フィルタ後信号として第1フィルタ後加速度信号を算出し、
    算出した前記速度信号および前記加加速度信号に基づいて、前記第1フィルタ後加速度信号に対する前記制限値の上限値および下限値を算出する、手術支援システム。
  6. 請求項5に記載の手術支援システムであって、
    前記制御部は、前記加速度信号の振幅の変化に応じた前記制限値の上限値および下限値を算出する、手術支援システム。
  7. 請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の手術支援システムであって、
    前記制御部は、
    前記入力位置信号に基づいて、前記動作速度信号として、速度信号を算出し、
    前記加速度信号に対して前記第1フィルタを適用することにより前記第1フィルタ後信号として第1フィルタ後加速度信号を算出し、
    前記第1フィルタ後加速度信号に対して制限をかけて前記制限後信号を算出し、
    前記制限後信号に対して前記第2フィルタを適用することにより前記第2フィルタ後信号として第2フィルタ後加速度信号を算出し、
    前記第2フィルタ後加速度信号に基づいて、第2フィルタ後速度信号および前記出力位置信号を算出し、
    前記第2フィルタ後速度信号を前記速度信号にフィードバックし、前記出力位置信号を前記入力位置信号にフィードバックする、手術支援システム。
  8. 先端側に医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置である医療用マニピュレータと、前記医療器具に対する操作を受け付ける操作部を含む操作者側装置とを備える手術支援システムの制御装置であって、
    受け付けられた前記操作に対応する前記医療器具の位置を示す入力位置信号に基づいて、前記医療器具の位置を示す出力位置信号を出力し、前記医療器具の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記入力位置信号に基づいて、前記医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出し、
    算出された前記動作速度信号の、前記医療用マニピュレータの振動に対応する周波数帯域を含む第1の周波数帯域に対応する成分を増幅させる第1フィルタを前記動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出し、
    前記第1フィルタ後信号のうち制限値を超える部分を除去するように前記第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出し、
    前記制限後信号に対して、前記第1フィルタによる位相の進みを相殺するように前記第1の周波数帯域に対応する成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出し、
    前記第2フィルタ後信号に基づいて、前記出力位置信号を算出する、手術支援システムの制御装置。
  9. 先端側に医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置である医療用マニピュレータと、前記医療器具に対する操作を受け付ける操作部を含む操作者側装置とを備える手術支援システムの制御方法であって、
    前記医療器具に対する操作を受け付けるステップと、
    受け付けられた前記操作に対応する前記医療器具の位置を示す入力位置信号に基づいて、前記医療器具の動作速度に関する信号である動作速度信号を算出するステップと、
    算出された前記動作速度信号の、前記医療用マニピュレータの振動に対応する周波数帯域を含む所定の周波数帯域に対応する成分を増幅させる第1フィルタを前記動作速度信号に対して適用して、第1フィルタ後信号を算出するステップと、
    前記第1フィルタ後信号のうち制限値を超える部分を除去するように前記第1フィルタ後信号に対して制限をかけて、制限後信号を算出するステップと、
    前記制限後信号に対して、前記第1フィルタによる位相の進みを相殺するように前記所定の周波数帯域に対応する成分を減少させる第2フィルタを適用して第2フィルタ後信号を算出するステップと、
    前記第2フィルタ後信号に基づいて、前記医療器具の位置を示す出力位置信号を算出するステップと、を備える、手術支援システムの制御方法。
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