JP7126049B2 - 電動機制御装置および電動機制御方法 - Google Patents

電動機制御装置および電動機制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7126049B2
JP7126049B2 JP2018541946A JP2018541946A JP7126049B2 JP 7126049 B2 JP7126049 B2 JP 7126049B2 JP 2018541946 A JP2018541946 A JP 2018541946A JP 2018541946 A JP2018541946 A JP 2018541946A JP 7126049 B2 JP7126049 B2 JP 7126049B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
notch
frequency
control device
change
motor control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018541946A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018061437A1 (ja
Inventor
弘 藤原
徹 田澤
史岳 三枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2018061437A1 publication Critical patent/JPWO2018061437A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7126049B2 publication Critical patent/JP7126049B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/50Reduction of harmonics
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P23/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by a control method other than vector control
    • H02P23/12Observer control, e.g. using Luenberger observers or Kalman filters
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P23/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by a control method other than vector control
    • H02P23/14Estimation or adaptation of motor parameters, e.g. rotor time constant, flux, speed, current or voltage
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/02Providing protection against overload without automatic interruption of supply
    • H02P29/032Preventing damage to the motor, e.g. setting individual current limits for different drive conditions

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Description

本発明は、電動機、または電動機で駆動される機械負荷に対し、その速度および位置などの駆動動作を制御する電動機制御装置に関する。特に、本発明は、駆動時などに発生する機械共振振動を抑制する機能を備えた電動機制御装置に関する。
従来、機械共振周波数が変化しても、機械共振振動を抑制することができる電動機制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、従来の電動機制御装置を用いたシステムでは、そのシステムを利用するユーザが、機械共振周波数の変化に起因して、異常動作が発生してしまう予兆を認識できないまま、異常動作が発生してしまうことがある。
特開2004-274976号公報
そこで、本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、従来よりも、電動機制御装置を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができる、電動機制御装置および電動機制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電動機制御装置は、電動機または負荷の状態量をフィードバック制御する電動機制御装置であって、フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能な第1ノッチフィルタと、第1ノッチフィルタの中心周波数である第1のノッチ周波数を変更する第1ノッチ制御部と、過去の複数時点におけるノッチ周波数に基づいて、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを算出して出力する変化予測部とを備える。
本発明の一態様に係る電動機制御方法は、電動機または負荷の状態量をフィードバック制御する電動機制御方法であって、フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能なノッチフィルタの中心周波数であるノッチ周波数を、変更するノッチ制御ステップと、過去の複数時点におけるノッチ周波数に基づいて、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを算出して出力する変化予測ステップとを含む。
本発明に係る電動機制御装置によると、電動機制御装置を用いたシステムにおいて、従来よりも、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
図1は、実施の形態1における電動機制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1における電動機制御装置のノッチフィルタの周波数特性の一例を示す図である。 図3は、実施の形態1における電動機制御装置のノッチ制御部の構成の一例を示すブロック図である。 図4は、実施の形態2における電動機制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、実施の形態3における電動機制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、実施の形態3における電動機制御装置の変化予測部による予測演算の概要を示す図である。 図7は、実施の形態4における電動機制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 図8は、特許文献1に記載されている従来の電動機制御装置の構成を示すブロック図である。
(本発明の一態様を得るに至った経緯)
従来、この種の電動機制御装置としては、例えば特許文献1に記載されているようなものがある。図8は、特許文献1に記載されている従来の電動機制御装置の構成を示すブロック図である。
図8に示す通り、従来の電動機制御装置700は、電動機100と速度検出器200とに接続される。電動機制御装置700には、駆動対象となる機械負荷または電動機の所望動作を示す、速度指令Vsが入力される。電動機100には、接合部101を介して、駆動対象となる機械負荷102が繋がれている。また、速度検出器200は、電動機100の回転速度を検出し、電動機速度Vmを電動機制御装置700に出力する。
電動機制御装置700は、内部に、フィードバック制御部701、ノッチフィルタ702、トルク制御部703、ノッチ周波数推定部710を有している。フィードバック制御部701は、速度指令Vsと電動機速度Vmの差を0とするようなトルク指令τM1を出力する。ノッチフィルタ702は、中心周波数であるノッチ周波数を変更可能である。ノッチフィルタ702は、トルク指令τM1からノッチ周波数の周波数成分を除去した、新たなトルク指令τM2を出力する。トルク制御部703は、電動機で生じるトルクがトルク指令τM2と一致するように、電動機100を制御する。このようにして、電動機制御装置700は、速度指令Vsと電動機速度Vmが一致するように、内部でフィードバック制御系を構成している。
ノッチ周波数推定部710には、電動機速度Vmが入力される。電動機100と機械負荷102との間で機械共振を有する場合、機械共振振動が生じると、電動機速度Vmに機械共振振動の成分が含まれる。そこで、ノッチ周波数推定部710は、電動機速度Vmに含まれる振動の周波数を推定し、ノッチフィルタ702のノッチ周波数を推定した振動の周波数に変更する。
このように構成された従来の電動機制御装置では、何らかの原因で機械共振振動が生じても、機械共振振動の振幅が減少するようノッチフィルタ702のノッチ周波数が逐次変更される。よって、例えば機械設備の長時間運転等に伴って、機構部材が劣化することで、機械共振周波数が変化した場合でも、常に機械共振振動を抑制することができる。
発明者は、従来の電動機制御装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。
ノッチフィルタは、ノッチ周波数以下の周波数帯域で位相を遅らせる効果がある。ノッチ周波数がフィードバック制御系の制御帯域と重なると、ノッチフィルタ自身がフィードバック制御系を不安定にすることで発振に至ってしまう。このため、ノッチ周波数に対してフィードバック制御系の制御帯域は低くする必要がある。しかしながら、従来の構成では、ノッチ周波数を機械共振周波数と常に一致させることだけを考慮している。このため、機械設備の長時間運転等に伴って機械共振周波数がフィードバック制御帯域と重なる程度まで減少した場合、ノッチ周波数もフィードバック制御系の制御帯域と重なる程度まで減少し、発振による異常動作が生じてしまう。また、機械設備の長時間運転等に伴って機械共振周波数が減少もしくは増加し、機械設備の特性が変化すると、同一速度指令に対する電動機または負荷の駆動動作が変化してしまい、異常動作が生じてしまう。異常動作が生じると、機械設備を復旧させるために、劣化した機構部材を交換することになる。しかし、定期的な設備保全の機会と異なるために、交換部材の手配または交換作業等に時間を要し、設備の再稼動までに多大な時間を要してしまう。このため、機械設備では異常動作の未然防止または異常発生前に予兆を検知することが望まれている。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る電動機制御装置は、電動機または負荷の状態量をフィードバック制御する電動機制御装置であって、フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能な第1ノッチフィルタと、第1ノッチフィルタの中心周波数である第1のノッチ周波数を変更する第1ノッチ制御部と、過去の複数時点における第1のノッチ周波数に基づいて、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを算出して出力する変化予測部とを備える。
このとき、この電動機制御装置を利用するユーザは、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを取得する。これによってユーザは、取得した予測値を利用して、電動機制御装置を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して、異常状態が発生する予兆を認識することができるようになる。
従って、この電動機制御装置によると、従来よりも、電動機制御装置を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して、異常動作が発生する予兆をユーザが認識することができるようになる。
例えば、変化予測部は、過去の複数時点における第1のノッチ周波数を用いて、一次関数による外挿演算を行うことで、予測値を算出しても良い。
これにより、比較的平易な演算によって、一定程度の精度を有する予測値を算出することができるようになる。
例えば、第1ノッチ制御部は、予め定められたノッチ周波数の範囲内に限って、第1のノッチ周波数を変更しても良い。
これにより、第1のノッチ周波数が、好ましくない周波数帯域となってしまうことを未然に防ぐことができるようになる。
例えば、第1ノッチフィルタの第1のノッチ周波数が、フィードバック制御系の制御帯域と重なることがないように定められているとしても良い。
これにより、フィードバック制御系の不安定化による発振を、未然に防ぐことができるようになる。
例えば、さらに、第1ノッチ制御部によって変更された第1のノッチ周波数をサンプリングするノッチ周波数出力部を備え、変化予測部は、ノッチ周波数出力部によってサンプリングされたノッチ周波数を用いて、予測値を算出しても良い。
これにより、変化予測部の処理量を低減することができるようになる。
例えば、さらに、フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能な第2ノッチフィルタと、第2ノッチフィルタの中心周波数である第2のノッチ周波数を変更する第2ノッチ制御部とを備え、第1ノッチフィルタおよび第2ノッチフィルタは直列接続され、変化予測部は、第1ノッチ制御部および第2ノッチ制御部の各々に対応して、予測値を算出しても良い。
これにより、この電動機制御装置を利用するユーザは、機械共振周波数が複数ある場合であっても、電動機制御装置を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して、異常動作が発生してしまう予兆を認識することができるようになる。
例えば、変化予測部は、複数の経過時間の予測値を算出する場合に、当該複数の経過時間の予測値のうち、最も短い経過時間の予測値を出力し、複数の時刻の予測値を算出する場合に、当該複数の時刻の予測値のうち、最も早い時刻の予測値を出力しても良い。
このとき、この電動機制御装置を利用するユーザは、機械共振周波数が複数ある場合に、より確実に、最も短い経過時間の予測値または最も早い時刻の予測値を認識することができるようになる。
また、本発明の一態様に係る電動機制御方法は、電動機または負荷の状態量をフィードバック制御する電動機制御方法であって、フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能なノッチフィルタの中心周波数であるノッチ周波数を、変更するノッチ制御ステップと、過去の複数時点におけるノッチ周波数に基づいて、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを算出して出力する変化予測ステップとを含む。
これにより、この電動機制御方法を利用するユーザは、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを取得する。ユーザは、取得した予測値を利用して、電動機制御方法を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して、異常状態が発生してしまう予兆を認識することができるようになる。
従って、この電動機制御方法によると、従来よりも、電動機制御方法を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されても良い。また、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されても良い。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を解決するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における電動機制御装置300の構成の一例を示すブロック図である。電動機制御装置300は、電動機の状態量をフィードバック制御する。図1に示す通り、電動機制御装置300は、電動機100と速度検出器200とに接続される。電動機制御装置300には、駆動対象となる機械負荷または電動機の所望動作を示す速度指令Vsが入力される。電動機100には、接合部101を介して、駆動対象となる機械負荷102が繋がれている。また、速度検出器200は、電動機100の回転速度を検出し、電動機速度Vmを電動機制御装置300に出力する。なお、電動機の状態量をフィードバック制御することに換えて、機械負荷の状態量をフィードバック制御する構成としても良い。
電動機制御装置300は、内部に、フィードバック制御部301、ノッチフィルタ302(ノッチフィルタ302は第1ノッチフィルタの一例である。)、トルク制御部303、ノッチ制御部304(ノッチ制御部304は第1ノッチ制御部の一例である。)、変化率算出部305、および変化率監視部306を有している。
フィードバック制御部301は、電動機速度Vmと速度指令Vsとが入力され、両者の差を0にするようなトルク指令τM1を出力する。例えば、速度指令Vsと電動機速度Vmとの差分値を計算し、算出した差分値に対して比例積分した結果をトルク指令τM1として出力する。
ノッチフィルタ302は、フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能なフィルタである。すなわち、ノッチフィルタ302は、入力信号に対して特定の周波数を中心とした周波数の信号成分に対し、減衰を与えて出力するフィルタである。減衰を与える中心周波数をノッチ周波数と呼ぶ。ノッチフィルタ302に、入力信号としてトルク指令τM1が入力される。ノッチフィルタ302は、トルク指令τM1からノッチ周波数を中心とした周波数の信号成分に対して減衰を与え、新たなトルク指令τM2として出力する。
そしてトルク制御部303は、電動機100で生じるトルクがトルク指令τM2と一致するように、例えば電動機100に印加する電流等を制御する。
このようにして、電動機制御装置300は、速度指令Vsと電動機速度Vmとが一致するように、内部でフィードバック制御系を構成している。また、上述の通り、電動機制御装置300のフィードバック制御系内にはノッチフィルタ302が配置されている。
ノッチフィルタ302は、例えば、(数1)で示す伝達関数Gn1(s)をもつ2次の再帰型ノッチフィルタである。
Figure 0007126049000001
(数1)において、ωn1はノッチフィルタ302のノッチ周波数係数、ζn1は減衰を与える周波数帯域の幅を示す減衰係数、dn1は減衰を与える度合いを示すノッチ深さ係数である。ノッチ深さ係数dn1は、0≦dn1≦1である。dn1=1の場合、ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1におけるゲイン特性は0[dB]となる。dn1=0の場合、ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1におけるゲイン特性は-∞[dB]となる。
図2は、実施の形態1における電動機制御装置300のノッチフィルタ302の周波数特性の一例を示す図である。図2は、dn1=0の場合の伝達関数Gn1(s)の周波数特性を示す。図2から分かるように、ノッチフィルタ302は、ノッチ周波数ωn1の成分を減衰させる特性を持ち、そのゲイン特性は-∞である。入力信号に振動成分が含まれる場合、入力信号の振動周波数とノッチ周波数ωn1とが異なると、入力信号の振幅を減衰させず、一致すると振幅を減衰させる。ノッチフィルタ302の位相特性は-90°から90°の値となる。しかし、ノッチ周波数以下では負の値となり、入力信号の位相を遅らせる効果がある。ノッチフィルタ302は、フィードバック制御系内部に配置されており、ノッチ周波数以下では、ノッチフィルタによる位相遅延効果によって、フィードバック制御系の位相を遅らせてしまう。このため、ノッチ周波数がフィードバック制御系の制御帯域と重なる場合、ノッチフィルタ自身がフィードバック制御系を不安定にしてしまい、発振に至る場合がある。よって、ノッチフィルタを使用する場合、ノッチ周波数がフィードバック制御系の制御帯域と重ならないように、ノッチ周波数に対してフィードバック制御系の制御帯域を低くする必要がある。
以上のように、ノッチフィルタ302は、トルク指令τM1が入力され、ノッチ周波数ωn1を中心とする周波数成分を減衰させた新たなトルク指令τM2を出力する。ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1は、変更可能であり、機械共振振動が生じた際は、ノッチ制御部304によって、ノッチ周波数ωn1が振動周波数と一致するように変更される。
ノッチ制御部304は、電動機に係る機械共振振動の成分が除去されるように、ノッチフィルタ302の中心周波数であるノッチ周波数を変更する。すなわち、ノッチ制御部304は、ノッチフィルタ302のノッチ周波数を自動的に振動周波数と一致するように変更すると共に、変更後のノッチ周波数を変化率算出部305に出力する。
図3は、実施の形態1における電動機制御装置300のノッチ制御部304の構成の一例を示すブロック図である。ノッチ制御部304は、振動抽出フィルタ3041、検出用ノッチフィルタ3042、ノッチ周波数変更部3043を備える。ノッチ制御部304は、機械共振振動が生じた際に、振動周波数を算出する。そしてノッチ制御部304は、ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1を算出した振動周波数に変更する。
振動抽出フィルタ3041は、入力信号から所定の周波数帯域の成分を抽出して出力する。振動抽出フィルタ3041は、電動機速度Vmから機械共振などの振動成分を抽出して、振動成分Vb1として出力する。振動抽出フィルタ3041は、このように振動成分を抽出できれば良いため、所定の周波数以上の信号成分を通過させるハイパスフィルタであっても良く、所定の周波数帯域内の信号成分を通過させるバンドパスフィルタであっても良い。
振動抽出フィルタ3041から出力された振動成分Vb1は、検出用ノッチフィルタ3042とノッチ周波数変更部3043に入力される。
検出用ノッチフィルタ3042は、振動成分Vb1に対して中心周波数であるノッチ周波数を中心とした周波数成分を減衰させ、新たな振動成分Vb2として出力する。検出用ノッチフィルタ3042は、ノッチ周波数変更部3043によってノッチ周波数が変更される。
本実施の形態では、検出用ノッチフィルタ3042の特性として、減衰を与える周波数帯域の幅は所定の値が予め与えられる。ノッチ周波数におけるゲイン特性は-∞[dB]とする。
検出用ノッチフィルタ3042は、例えば、次の(数2)で示す伝達関数Gn2(s)をもつ2次の再帰型ノッチフィルタとする。
Figure 0007126049000002
ここで、ωn2は、検出用ノッチフィルタ3042のノッチ周波数に対応するノッチ周波数係数である。ζn2は減衰係数である。検出用ノッチフィルタ3042の周波数特性は、ノッチフィルタ302でdn1=0とした場合と同様であり、図2に示した特性と同様の特性を示す。つまり、検出用ノッチフィルタ3042の周波数特性は、ノッチ周波数ωn2の成分を減衰させる特性を示す。また、ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1と検出用ノッチフィルタ3042のノッチ周波数ωn2は、ノッチ周波数変更部3043によって、共に電動機速度Vmに含まれる振動の周波数となるように変更される。
ノッチ周波数変更部3043には、振動成分Vb1と、振動成分Vb1の検出用ノッチフィルタ3042の通過後の出力である振動成分Vb2が、入力される。ノッチ周波数変更部3043において、電動機速度Vmに含まれる振動の周波数と一致するノッチ周波数ωが生成される。ノッチ周波数ωは、ノッチフィルタ302および検出用ノッチフィルタ3042に供給され、それぞれのノッチ周波数であるωn1およびωn2がωに変更される。
ここで、検出用ノッチフィルタ3042において、入力である振動成分Vb1に含まれる振動成分の周波数と、ノッチ周波数ωn2とが大きく異なる場合は、振動成分Vb1の振幅は減衰されない。一方、一致する場合は、振動成分Vb1の振幅が減衰される。このため、振動成分Vb2の振幅は、振動成分Vb1の振動周波数がノッチ周波数ωn2からずれるにしたがって、大きくなる。すなわち、振動成分Vb2の振幅は、振動成分Vb1の振動周波数とノッチ周波数ωn2とのずれの程度を示すと言える。
ノッチ周波数変更部3043は、振動成分Vb1と振動成分Vb2の振幅に基づき、振動成分Vb2の振幅が所定値以下あるいは0となるまで、ノッチ周波数ωを逐次変更し、検出用ノッチフィルタ3042のノッチ周波数ωn2を制御する。このようなノッチフィルタの制御は、検出用ノッチフィルタ3042と、例えば特許文献1に記載された方向フィルタおよび、ノッチフィルタ係数修正手段とを組み合わせることで実現できる。
このようにして、ノッチ周波数ωnが振動成分Vb1に含まれる振動成分の周波数となるように、制御される。検出用ノッチフィルタ3042のノッチ周波数ωn2およびノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1は、共にノッチ周波数ωと一致するように変更される。つまり、ノッチ周波数ωn1とノッチ周波数ωn2は、振動成分Vb1に含まれる振動成分の周波数となるように制御される。
以上のように、ノッチ制御部304は、機械共振が原因で電動機速度Vmに振動成分が含まれた場合に、ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1を、振動成分の周波数と一致するように自動で逐次的に変更する。
変化率算出部305は、ノッチ周波数の単位時間当たりの変化量を示すノッチ周波数変化率を、逐次算出する。すなわち、変化率算出部305には、ノッチ制御部304によって振動成分の周波数と一致するように制御されたノッチ周波数ωが、入力される。そして、所定の単位時間が経過するごとに、前回時刻のノッチ周波数と現在時刻のノッチ周波数の変化量である差分値を計算し、単位時間当たりのノッチ周波数変化率Δωとして、変化率監視部306に出力する。ノッチ周波数変化率Δωを出力する際の単位時間は、固定値であり、ノッチ制御部304におけるノッチ周波数ωの逐次変更周期であっても良いが、機械共振周波数の変化が緩やかである場合は、逐次変更周期より長くても良い。
変化率監視部306は、変化率算出部305によって算出されたノッチ周波数変化率が、予め設定された所定範囲外の値となった場合に、ノッチ周波数変化率が所定範囲外の値となった旨を示す信号を出力する。すなわち、この変化率監視部306は、入力されたノッチ周波数変化率Δωが、所定範囲外の値となったか否かを判定し、その判定結果を示す信号を変化率監視信号S_fnとして出力する。ノッチ制御部304によって、ノッチ周波数ωは機械共振周波数と一致するように制御されるので、ノッチ周波数の単位時間当たりの変化量は、機械共振周波数の単位時間当たりの変化量と同じ値となる。つまり、変化率監視部306は、機械共振周波数の単位時間当たりの変化量が所定範囲外の値となったか否かを判定し、判定結果を変化率監視信号S_fnとして出力している。
機械設備では、設備異常の未然防止を目的に、定期的な設備保全がなされている。機械共振周波数の単位時間当たりの変化量が十分小さい場合は、定期的な設備保全で、機械共振周波数の変化に伴う異常動作の発生を未然に防止することができる。しかしながら、何らかの要因で機械共振周波数の単位時間当たりの変化量が増加すると、定期的な設備保全を行う前に、機械共振周波数の変化に伴う異常動作が生じる場合がある。本実施の形態の電動機制御装置300は、変化率監視部306によって、機械共振周波数の単位時間当たりの変化量を監視することで、上記のように定期的な設備保全では防止することが困難であった、機械共振周波数の変化に伴う異常動作の予兆を、検知することができる。
具体的には、例えば、ノッチ周波数変化率Δωの絶対値が所定の閾値を超えた場合は、変化率監視部306が出力する変化率監視信号S_fnを1とし、ノッチ周波数変化率Δωの絶対値が所定の閾値以下の場合は、変化率監視部306が出力する変化率監視信号S_fnを0とすれば良い。このように、ノッチ周波数変化率Δωに応じて変化率監視信号を切り替えることで、機械共振周波数の変化による異常動作の予兆を、検知することが可能となる。一例として、変化率監視信号S_fnが0から1に変化した場合に点灯するランプを設けておくことで、ユーザは、このランプの点灯を視認することで、ノッチ周波数変化率Δωが所定の閾値を超えたことを認識できる。
このような構成により、本実施の形態の電動機制御装置300は、ノッチ制御部304とノッチフィルタ302によって、機械共振振動が抑制されていても、機械共振周波数の単位時間当たりの変化量であるノッチ周波数変化率Δωが所定範囲を超えた場合に、変化率監視信号S_fnを介して、その旨を認識することができる。したがって、電動機制御装置300を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
以上のように、本実施の形態の電動機制御装置300は、機械共振周波数の変化に対し、機械共振周波数の単位時間当たりの変化量が所定範囲外の値となった場合に、その旨を通知する信号を出力することで、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
また、本実施の形態では、変化率監視部306においてノッチ周波数変化率の判定に用いる閾値を単一としたが、複数の閾値を用いても良い。例えばノッチ周波数変化率の判定に用いる閾値として、第1の所定値と、第1の所定値より大きい第2の所定値とを設定しても良い。ノッチ周波数変化率が第1の所定値未満、第1の所定値以上かつ第2の所定値未満、第2の所定値以上のいずれであるかを、変化率監視信号で把握できる構成としても良い。このような構成を取ることで、本実施の形態の電動機制御装置300を用いたシステムにおいて、機械共振周波数が変化する場合に、機械共振周波数の変化度合いをユーザが認識することができるようになる。他にも、ノッチ周波数の変化率の判定に用いる閾値について、ノッチ周波数が増加した際の閾値と、減少した際の閾値を、個別に有する構成としても良い。ノッチ周波数の増加時と減少時で、動作へ与える影響は異なるが、このような構成を取ることで、電動機制御装置300を用いたシステムにおいて、ノッチ周波数の変化が動作へ与える影響に応じて、異常動作が発生してしまう予兆をユーザが認識することができるようになる。
また、本実施の形態では、変化率算出部305において、ノッチ周波数変化率の算出時の単位時間(すなわち、サンプリング周期)を固定値としたが、ノッチ周波数変化率に応じて変更しても良い。例えば、変化率算出部305に変化率監視部306の閾値と等しい第1の閾値と、第1の閾値よりも小さい第2の閾値を予め設定し、ノッチ周波数変化率が第2の閾値以下の場合はサンプリング周期を長く設定し、ノッチ周波数変化率が第2の閾値より大きい場合はサンプリング周期を短く設定しても良い。また、サンプリング周期を変更した場合は、変化率監視部306の閾値と、変化率算出部305の第1の閾値と第2の閾値を、サンプリング周期の変更比率に比例して変更する構成としても良い。このように、ノッチ周波数変化率に応じて、ノッチ周波数変化率の算出に用いるサンプリング周期、または、変化率監視信号の判定に用いる閾値を切り替えることで、例えばノッチ周波数変化率が急激に変化するような場合でも、変化率監視部が、ノッチ周波数変化率が所定の閾値を超えたことを示す変化率監視信号を速やかに出力することができる。したがって、電動機制御装置300を用いたシステムにおいて、よりきめ細やかな時間間隔で、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆をユーザが認識することができるようになる。
また、本実施の形態では、フィードバック制御系内に配置されたノッチフィルタ302のノッチ周波数が、常に電動機速度に含まれる振動の周波数となるように制御される構成とした。しかしながら、これに対して、フィードバック制御系内に配置されたノッチフィルタのノッチ周波数が、フィードバック系の制御帯域と重なることがないように、ノッチ周波数の取り得る値を上下限値で制限する構成としても良い。このような構成を取ることで、フィードバック制御系の制御帯域と、フィードバック制御系内に配置されたノッチフィルタのノッチ周波数が重なることを防ぐことができる。したがって、フィードバック制御系の不安定化による発振を未然に防ぐことができる。
また、本実施の形態では、ノッチ制御部304は、ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1を、機械共振振動の周波数と一致させる構成とした。しかしながら、ノッチフィルタ302が、機械共振振動の周波数を効果的に除去することができれば、必ずしも、ノッチ制御部304は、ノッチフィルタ302のノッチ周波数ωn1を機械共振周波数とぴったり一致させる構成に限られない。
なお、電動機制御装置300を構成する各構成要素、すなわち、フィードバック制御部301、ノッチフィルタ302、トルク制御部303、ノッチ制御部304、変化率算出部305、変化率監視部306は、各々、専用ハードウエアからなるアナログ回路もしくはデジタル回路で実現されても良い。また、各構成要素は、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ装置において、メモリに格納されたプログラムを、プロセッサが実行することで実現されても良い。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2における電動機制御装置400の構成の一例を示すブロック図である。図4において、実施の形態1における図1の構成要素と同じ機能および動作をするものについては、同じ符号で示し、その動作説明を省略する。図4に示すように、実施の形態2における電動機制御装置400では、図1に示した構成に対し、ノッチフィルタ、ノッチ制御部、および変化率算出部が、各々1個から2個に増えている。
電動機制御装置400では、機械共振周波数が2つある場合でも、その振動を低減できるように、フィードバック制御部301の後段に、ノッチ周波数ωn1aのノッチフィルタ302a(ノッチフィルタ302aは第1ノッチフィルタの一例である。)と、ノッチ周波数ωn1bのノッチフィルタ302b(ノッチフィルタ302bは第2ノッチフィルタの一例である。)とが直列に接続されている。
ノッチフィルタ302aとノッチフィルタ302bとは、実施の形態1におけるノッチフィルタ302と同様である。
ノッチ周波数ωn1aとノッチ周波数ωn1bとは、2つの機械共振周波数のいずれかに対応するように、それぞれ異なる値が設定される。各ノッチフィルタのノッチ周波数を変更するために、ノッチフィルタ302aに対応したノッチ制御部304a(ノッチ制御部304aは第1ノッチ制御部の一例である。)と、ノッチフィルタ302bに対応したノッチ制御部304b(ノッチ制御部304bは第2ノッチ制御部の一例である。)とを個別に備えている。
ノッチ制御部304aとノッチ制御部304bとは、実施の形態1におけるノッチ制御部304と同様である。ノッチ制御部304aとノッチ制御部304bとは、2つの機械共振周波数がそれぞれ変化した場合に、それぞれの機械共振周波数の変化に応じて生じた振動に対し、対応するノッチフィルタのノッチ周波数を発生した振動成分の周波数と一致するように変更する。同時に、変更後のノッチ周波数を、対応する変化率算出部305aと変化率算出部305bとに出力する。
ノッチ制御部304aとノッチ制御部304bに、それぞれ異なる機械共振周波数の変化を検知させるには、例えば、各ノッチ制御部の内部にある振動抽出フィルタの通過帯域を、2つの異なる機械共振周波数を中心に、それぞれ重ならない帯域とすれば良い。これによって、ノッチ制御部304aとノッチ制御部304bは、各々他方の機械共振周波数の変化の影響を受けることなく、対応する機械共振周波数の変化で生じた振動の周波数と対応するノッチフィルタのノッチ周波数が一致するように、ノッチフィルタ302aとノッチフィルタ302bを制御することができる。
変化率算出部305aと変化率算出部305bとは、対応する各々のノッチ制御部が出力したノッチ周波数の単位時間当たりの変化量を、ノッチ周波数変化率Δωnaとノッチ周波数変化率Δωnbとして、変化率監視部406に出力する。
変化率監視部406は、入力されたノッチ周波数変化率Δωnaとノッチ周波数変化率Δωnbとの絶対値に対して、各々が設定された所定の閾値を超えているか否かを判定し、判定結果を変化率監視信号S_fnとして出力する。例えば、少なくとも一方が閾値を超えている場合はS_fnを1とし、いずれのノッチ周波数変化率の絶対値もそれぞれ設定された閾値を超えていない場合はS_fnを0とする。
このような構成を取ることで、機械共振周波数が2つある場合でも、各機械共振周波数の変化に対し、少なくともひとつのノッチ周波数変化率が所定範囲を超えた場合に、その旨を通知する信号を出力することで、電動機制御装置400を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
以上のように、本実施の形態の電動機制御装置400は、機械共振周波数が2つある場合でも、各機械共振周波数の変化に対し、少なくともひとつの機械共振周波数の単位時間当たりの変化量が所定範囲外の値となった場合に、その旨を通知する信号を出力する。これにより、電動機制御装置400を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
また、本実施の形態では、ノッチフィルタ、ノッチ制御部、および変化率算出部が2個ある構成としたが、3個以上あっても良い。この場合は、各ノッチフィルタ、各ノッチ制御部、および変化率監視部は、同様の働きをすれば良い。このような構成を取ることで、機械共振周波数が3つ以上ある場合でも、各機械共振周波数の変化に対し、少なくともひとつの機械共振周波数の単位時間当たりの変化量が所定範囲外の値となった場合に、その旨を通知する信号を出力する。これにより、本実施の形態の電動機制御装置400を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
なお、電動機制御装置400を構成する各構成要素、すなわち、フィードバック制御部301、ノッチフィルタ302a、ノッチフィルタ302b、トルク制御部303、ノッチ制御部304a、ノッチ制御部304b、変化率算出部305a、変化率算出部305b、変化率監視部406は、各々、専用ハードウエアからなるアナログ回路もしくはデジタル回路で実現されても良い。また、各構成要素は、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ装置において、メモリに格納されたプログラムを、プロセッサが実行することで実現されても良い。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3における電動機制御装置500の構成の一例を示すブロック図である。図5において、実施の形態1における図1の構成要素と同じ機能および動作をするものについては、同じ符号で示し、その動作説明を省略する。図5に示すように、実施の形態3における電動機制御装置500では、図1に示した構成に対し、変化率算出部305と変化率監視部306に代えて、ノッチ周波数出力部507と変化予測部508とが新たに内部に設置されている。ノッチ制御部304の出力であるノッチ周波数ωが、ノッチフィルタ302とノッチ周波数出力部507とに入力される。
ノッチ周波数出力部507は、ノッチ制御部304によって適宜変更されたノッチ周波数をサンプリングする。すなわち、ノッチ周波数出力部507は、ノッチ制御部304におけるノッチ周波数ωの逐次変更周期で入力されたノッチ周波数ωに対し、ノッチ周波数ωの逐次変更周期より長い単位時間周期(すなわち、サンプリング周期)で、ノッチ周波数ωn_tを出力する。
変化予測部508は、過去の複数時点におけるノッチ周波数に基づいて、現在時刻から、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、現在時刻から、将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となる時刻までの経過時間の予測値とを算出して出力する。変化予測部508は、機械設備に異常動作が生じない範囲として許容される、機械共振周波数の下限値が予め設定されている。変化予測部508には、単位時間ごとに、ノッチ周波数出力部507から出力されたノッチ周波数ωn_tが入力される。入力されたノッチ周波数ωn_tをもとに、変化予測部508は、機械共振周波数が現在時刻から予め設定された下限値に達するまでの時間を予測演算する。変化予測部508は、現在時刻から異常動作が生じるまでの時間予測値Δtを出力する。
変化予測部508における時間予測値Δtの予測演算の詳細について説明する。図6は、実施の形態3における電動機制御装置500の変化予測部508による予測演算の概要を示す図である。図6において、横軸は時間、縦軸はノッチ周波数である。図6は、現在時刻t_iにおいて、ノッチ周波数ωn_t_iが入力されていることを示している。ノッチ周波数ωは、サンプリング周期ごとに変化予測部508に入力されている。前回時刻t_i-1にノッチ周波数ωn_t_i-1が、前々回時刻t_i-2にノッチ周波数ωn_t_i-2が、それぞれ入力されている。前々回時刻以前のノッチ周波数も同様に入力されている。変化予測部508に最初に入力されたノッチ周波数を、ここでは、ωn_t_i-Nと表記する。図6は、ノッチ周波数の変化の一例として、時間の経過に従ってノッチ周波数ωn_tが小さくなることを示している。ωn_targetは、機械設備に異常動作が生じない範囲として設定されている、機械共振周波数の下限値である。
変化予測部508は、予め設定されている機械共振周波数の下限値ωn_target、ある時刻t_iにおいてこれまでに入力されたωn_t_i-X(X=0,1、2、・・・、N)、そしてノッチ周波数ωn_t_iが変化予測部508に入力されるサンプリング周期Tsをもとに、現在時刻t_iから機械共振周波数が予め設定された下限値ωn_targetに達するまでの時間予測値Δtを算出する。つまり、Δtは、機械共振周波数が現在時刻から異常動作を生じない範囲で許容できる下限値に達するまでの時間予測値である。Δtは、例えば、(数3)および(数4)で算出される。
Figure 0007126049000003
Figure 0007126049000004
(X=0、1、2、・・・N-1)
(数3)において、Δωn_i-X(X=0、1、2、・・・N-1)は、各時刻におけるサンプリング周期当たりのノッチ周波数の変化量であり、(数4)によって算出される。(数3)の右辺でサンプリング周期Tsに乗じる分数項のうち、分母項は、これまでに入力されたサンプリング周期当たりのノッチ周波数の変化量の平均値を示している。分数項のうち、分子項は、時刻t_iにおけるノッチ周波数ωn_t_iと予め設定された下限値ωn_targetとの差を示している。つまり(数3)は、現在時刻t_iにおいて、ノッチ周波数が予め設定された下限値ωn_targetに至るまでの時間を、現在時刻までに入力されたノッチ周波数に対して、線形補間を用いて算出することを示している。
以上の構成により、機械共振周波数が変化する場合に、機械共振振動が常に抑制されていても、現在時刻までのノッチ周波数をもとに、機械共振周波数が異常動作を生じない範囲で許容できる下限値に達するまでの時間を、異常動作が生じる前に高精度に算出することができる。したがって、機械共振周波数の変化による異常動作の発生前に、異常動作が生じるまでの時間を、ユーザに通知し、機械共振周波数の変化または設備保全に関して、注意を促すことができる。
以上のように、本実施の形態の電動機制御装置500は、機械共振周波数の変化に対し、現在時刻までの機械共振周波数の変化から、機械共振周波数が異常動作を生じない範囲で許容できる下限値に至るまでの時間を予測して出力する。これにより、電動機制御装置500を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
また、本実施の形態の電動機制御装置500は、現在時刻までのノッチ周波数の変化をもとに、機械共振周波数が異常動作を生じない範囲で許容できる下限値に達するまでの時間を算出する構成とした。しかし、機械共振周波数が、機械設備で異常が生じない範囲として許容される機械共振周波数の上限値を予め設定し、機械共振周波数が設定した上限値に達するまでの時間予測値も算出する、構成としても良い。また、機械共振周波数が、機械設備で異常が生じない範囲として許容される機械共振周波数の下限値と上限値を予め設定し、機械共振周波数が設定した上下限値のいずれかに達するまでの時間予測値を算出する、構成としても良い。このような構成とすることで、機械共振周波数の減少あるいは増加に関わらず、機械共振周波数の変化による異常動作が生じない範囲として、許容される機械共振周波数の上下限値に達するまでの時間を、常に算出することができる。
また、本実施の形態では、(数3)のように、現在時刻までに入力された全てのノッチ周波数に対して線形補間を用いることで、異常動作が生じるまでの時間予測値を算出する構成とした。しかし、現在時刻に近いノッチ周波数ほど予測演算に反映されやすい構成としても良い。例えば、線形補間において、現在時刻との時間差に応じて、単位時間当たりのノッチ周波数の変化量に重み係数を乗じる構成としても良い。このような構成を取ることで、異常動作が生じるまでの時間予測値を、より高精度に算出することができる。
また、本実施の形態では、(数3)のように、現在時刻までのノッチ周波数を線形補間することで、異常動作が生じるまでの時間を予測演算する構成とした。しかし、線形補間以外の手段を用いた構成としても良い。例えば、二次関数曲線、指数曲線、または対数曲線にフィッティングさせる構成であっても良い。機械共振周波数の変化の傾向が既知の場合は当該傾向に合致した予測演算式を用いても良い。このような構成を取ることで、異常動作が生じるまでの時間予測値を、より高精度に算出することができる。
また、本実施の形態では、変化予測部508が、異常動作が生じるまでの時間予測値を出力する構成とした。しかし、予め設定した所定時間後のノッチ周波数を出力する構成であっても良い。予め設定した所定時間後のノッチ周波数を算出する方法は、例えば、機械共振周波数が現在時刻から予め設定された下限値に達するまでの時間を予測する場合と同様に、現在時刻までのノッチ周波数を線形補間することで算出する等が考えられる。変化予測部508が、現在時刻までのノッチ周波数をもとに、異常動作が生じるまでの時間予測値と、所定時間後のノッチ周波数の双方を出力する構成であっても良い。
また、変化予測部508が、異常動作が生じるまでの時間予測値を出力する代わりに、異常動作が生じる時刻予測値を出力するとしても良い。
また、本実施の形態では、ノッチ周波数出力部507が所定のサンプリング周期ごとにノッチ周波数を出力する構成とした。しかし、連続運転時間中にのみ、サンプリング周期ごとにノッチ周波数を出力する構成であっても良い。また、変化予測部508が出力する異常動作が生じるまでの時間予測値についても、異常動作が生じるまでの連続運転時間の予測値であっても良い。このような構成を取ることで、機械設備が頻繁に駆動と休止を繰り返す場合でも、電動機制御装置500を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して、異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
また、本実施の形態では、フィードバック制御系内に配置されたノッチフィルタ302のノッチ周波数が、常に電動機速度に含まれる振動の周波数となるように制御される構成とした。しかし、フィードバック制御系内に配置されたノッチフィルタ302のノッチ周波数が、フィードバック系の制御帯域と重なることがないように、ノッチ周波数の取り得る値を上下限値で制限する構成としても良い。また、この場合のノッチ周波数の下限値は、フィードバック制御系の制御帯域より大きい値に設定しても良い。このような構成を取ることで、フィードバック制御系の制御帯域と、フィードバック制御系内に配置されたノッチフィルタ302のノッチ周波数が重なることを防ぐことができる。したがって、フィードバック制御系の不安定化による発振を未然に防ぐことができる。
なお、電動機制御装置500を構成する各構成要素、すなわち、フィードバック制御部301、ノッチフィルタ302、トルク制御部303、ノッチ制御部304、ノッチ周波数出力部507、変化予測部508は、各々、専用ハードウエアからなるアナログ回路もしくはデジタル回路で実現されても良い。また、各構成要素は、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ装置において、メモリに格納されたプログラムを、プロセッサが実行することで実現されても良い。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4における電動機制御装置600の構成の一例を示すブロック図である。図7において、実施の形態3における図5の構成要素と同じ機能および動作をするものについては、同じ符号で示し、その動作説明を省略する。図7に示すように、実施の形態4における電動機制御装置600では、図5に示した構成に対し、ノッチフィルタ、ノッチ制御部、およびノッチ周波数出力部が、各々1個から2個に増えている。
電動機制御装置600では、機械共振が2つ有る場合でも、その振動を低減できるように、フィードバック制御部301の後段に、ノッチ周波数ωn1aであるノッチフィルタ302aと、ノッチ周波数ωn1bであるノッチフィルタ302bとが直列に接続されている。ノッチ周波数ωn1aとノッチ周波数ωn1bとは、2つの機械共振周波数のいずれかに対応するように、それぞれ異なる値が設定される。各ノッチフィルタのノッチ周波数を変更するために、ノッチフィルタ302aに対応したノッチ制御部304aと、ノッチフィルタ302bに対応したノッチ制御部304bとを個別に備えている。ノッチ制御部304aとノッチ制御部304bとは、2つの機械共振周波数がそれぞれ変化した場合に、それぞれの機械共振周波数の変化に応じて、対応するノッチフィルタのノッチ周波数を変化後の機械共振周波数に変更する。同時に、それぞれのノッチ周波数を対応するノッチ周波数出力部507aとノッチ周波数出力部507bへ出力する。ノッチ制御部304aとノッチ制御部304bに、それぞれ異なる機械共振周波数の変化を検知させるには、例えば、各ノッチ制御部の内部にある振動抽出フィルタの通過帯域を、2つの異なる機械共振周波数を中心に、それぞれ重ならない帯域とすれば良い。これによって、ノッチ制御部304aとノッチ制御部304bは、それぞれ他方の機械共振周波数の変化の影響を受けることなく、対応する機械共振周波数の変化を検知することができる。
ノッチ周波数出力部507aとノッチ周波数出力部507bとは、各々ノッチ制御部304a、ノッチ制御部304bに対応するノッチ周波数出力部である。所定のサンプリング周期ごとに、対応するノッチ制御部から出力されたノッチ周波数を、ノッチ周波数ωna_t、ノッチ周波数ωnb_tとして変化予測部608に出力する。
変化予測部608は、予めノッチ制御部304aとノッチ制御部304bに対応する機械共振周波数に対して、それぞれ異常動作が生じない範囲として許容される機械共振周波数の上下限値が設定されている。変化予測部608は、ノッチ周波数出力部507aとノッチ周波数出力部507bより入力される現在時刻までのサンプリング周期ごとのノッチ周波数をもとに、ノッチ周波数が上下限値に達するまでの時間予測値をΔta、Δtbとして算出する。算出した時間予測値ΔtaとΔtbとのうち、より小さい時間予測値を、現在時刻から機械設備に異常動作が生じるまでの時間予測値Δt_minとして出力する。Δta、Δtbの算出については例えば、それぞれ個別に、対応する現在時刻までのノッチ周波数をもとに、実施の形態3で示した算出法と同様の手法を適用すれば良い。
以上の構成を取ることで、機械共振周波数が2つある場合でも、現在時刻から機械共振周波数の変化による異常動作が生じるまでの時間を、高精度に把握することができる。したがって、電動機制御装置600を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
以上のように、本実施の形態の電動機制御装置600は、機械共振周波数が2つある場合でも、現在時刻までの各機械共振周波数の変化から、2つの機械共振周波数が、それぞれ異常動作を生じない範囲で許容できる上下限値に至るまでの時間を予測し、両者のうち、より短い時間を出力する。これにより、電動機制御装置600を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
また、本実施の形態では、機械共振周波数が2つある場合を前提に、ノッチフィルタ、ノッチ制御部、およびノッチ周波数出力部が2個ずつある構成としたが、各々が3個以上ある構成であっても良い。この場合は、各ノッチフィルタ、各ノッチ制御部、各ノッチ周波数出力部、および変化予測部は、実施の形態4と同様の働きをすれば良い。このような構成を取ることで、機械共振周波数が3つ以上ある場合でも、各機械共振周波数の変化に対し、現在時刻までの機械共振周波数の変化から、機械共振周波数が異常動作を生じない範囲で許容できる上下限値に至るまでの最短時間を予測して出力する。これにより、本実施の形態の電動機制御装置を用いたシステムにおいて、機械共振周波数の変化に起因して異常動作が発生してしまう予兆を、ユーザが認識することができるようになる。
なお、電動機制御装置600を構成する各構成要素、すなわち、フィードバック制御部301、ノッチフィルタ302a、ノッチフィルタ302b、トルク制御部303、ノッチ制御部304a、ノッチ制御部304b、ノッチ周波数出力部507a、ノッチ周波数出力部507b、変化予測部608は、各々、専用ハードウエアからなるアナログ回路もしくはデジタル回路で実現されても良い。また、各構成要素は、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ装置において、メモリに格納されたプログラムを、プロセッサが実行することで実現されても良い。
また、実施の形態1から4では、電動機制御装置は、電動機速度が速度指令に追従するようにフィードバック制御するフィードバック制御部を有する構成とした。しかし、フィードバック制御部に加え、速度指令をもとに電動機速度が速度指令に一致するようなトルク指令を算出するフィードフォワード制御部を有する構成であっても良い。
また、実施の形態1から4では、電動機制御装置は電動機速度を制御する構成としたが、電動機位置を制御する構成であっても良い。
本発明は、機械共振周波数が変化する機械設備に広く利用可能である。
100 電動機
101 接合部
102 機械負荷
200 速度検出器
300 電動機制御装置
301 フィードバック制御部
302 ノッチフィルタ
302a ノッチフィルタ
302b ノッチフィルタ
303 トルク制御部
304 ノッチ制御部
304a ノッチ制御部
304b ノッチ制御部
3041 振動抽出フィルタ
3042 検出用ノッチフィルタ
3043 ノッチ周波数変更部
305 変化率算出部
305a 変化率算出部
305b 変化率算出部
306 変化率監視部
400 電動機制御装置
406 変化率監視部
500 電動機制御装置
507 ノッチ周波数出力部
507a ノッチ周波数出力部
507b ノッチ周波数出力部
508 変化予測部
600 電動機制御装置
608 変化予測部
700 電動機制御装置
701 フィードバック制御部
702 ノッチフィルタ
703 トルク制御部
710 ノッチ周波数推定部

Claims (8)

  1. 電動機または機械負荷の状態量をフィードバック制御する電動機制御装置であって、
    フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能な第1ノッチフィルタと、
    前記電動機または機械負荷が連続運転している際に、前記第1ノッチフィルタの中心周波数である第1のノッチ周波数を第1の周期で逐次変更する第1ノッチ制御部と、
    過去の複数時点における前記第1のノッチ周波数に基づいて、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が前記特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを算出して出力する変化予測部とを備え、
    前記電動機または機械負荷が連続運転している際に、前記第1ノッチ制御部で生成された前記第1のノッチ周波数を前記第1の周期より長い第2の周期で、サンプリングするノッチ周波数出力部を有し、
    前記変化予測部は、前記サンプリングされたノッチ周波数を用いて、前記予測値を算出する、電動機制御装置。
  2. 前記変化予測部は、過去の前記複数時点における前記第1のノッチ周波数を用いて、一次関数による外挿演算を行うことで、前記予測値を算出する請求項1記載の電動機制御装置。
  3. 前記第1ノッチ制御部は、予め定められたノッチ周波数の範囲内に限って、前記第1のノッチ周波数を変更する請求項1に記載の電動機制御装置。
  4. 前記第1ノッチフィルタの前記第1のノッチ周波数が、前記フィードバック制御系の制御帯域と重なることがないように定められている請求項3記載の電動機制御装置。
  5. らに、前記フィードバック制御系内に配置され、除去する周波数成分を変更可能な第2ノッチフィルタと、
    第2ノッチフィルタの中心周波数である第2のノッチ周波数を変更する第2ノッチ制御部を備え、
    前記第1ノッチフィルタおよび前記第2ノッチフィルタは直列接続され、
    前記変化予測部は、前記第1ノッチ制御部および前記第2ノッチ制御部の各々に対応して、前記予測値を算出する、
    請求項1に記載の電動機制御装置。
  6. 記変化予測部は、複数の経過時間の予測値を算出する場合に、当該複数の経過時間の予測値のうち、最も短い経過時間の予測値を出力し、
    複数の時刻の予測値を算出する場合に、当該複数の時刻の予測値のうち、最も早い時刻の予測値を出力する、
    請求項5に記載の電動機制御装置。
  7. 前記ノッチ制御部は、
    前記電動機の電動機速度から機械共振の第1の振動成分を抽出し、前記振動成分を出力する振振動抽出フィルタと、
    前記振動成分に対して中心周波数である第3ノッチ周波数を中心とした周波数成分を減衰させた第2の振動成分を生成する検出用ノッチフィルタと、
    前記第1の振動成分と前記第2の振動成分に基づいて前記第1のノッチ周波数を生成するノッチ周波数変更部を有し、
    前記検出用ノッチフィルタは、前記第1のノッチ周波数によって前記第3のノッチ周波数が変更される、
    請求項1に記載の電動機制御装置。
  8. 電動機または機械負荷の状態量をフィードバック制御する電動機制御方法であって、
    除去する周波数成分を変更可能なノッチフィルタの中心周波数であるノッチ周波数を、前記電動機または機械負荷が連続運転している際に第1の周期で変更するノッチ制御ステップと、
    記電動機または機械負荷が連続運転している際に、前記ノッチ周波数を前記第1の周期より長い第2の周期でサンプリングするステップと、
    前記サンプリングされたノッチ周波数を用いて、前記予測値を算出する変化予測ステップを含み、
    前記変化予測ステップでは、過去の複数時点におけるノッチ周波数に基づいて、将来の特定時点におけるノッチ周波数の予測値と、現在時刻から将来においてノッチ周波数が特定の周波数範囲外となるまでの経過時間の予測値と、将来においてノッチ周波数が前記特定の周波数範囲外となる時刻の予測値とのうち、少なくとも1つを算出して出力する、
    電動機制御方法。
JP2018541946A 2016-09-29 2017-07-26 電動機制御装置および電動機制御方法 Active JP7126049B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016192313 2016-09-29
JP2016192313 2016-09-29
PCT/JP2017/026952 WO2018061437A1 (ja) 2016-09-29 2017-07-26 電動機制御装置および電動機制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018061437A1 JPWO2018061437A1 (ja) 2019-07-18
JP7126049B2 true JP7126049B2 (ja) 2022-08-26

Family

ID=61759437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018541946A Active JP7126049B2 (ja) 2016-09-29 2017-07-26 電動機制御装置および電動機制御方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10715076B2 (ja)
EP (1) EP3522366A1 (ja)
JP (1) JP7126049B2 (ja)
CN (1) CN109863692B (ja)
WO (1) WO2018061437A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7012223B2 (ja) * 2016-09-29 2022-01-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 電動機制御装置および電動機制御方法
US11499537B2 (en) * 2017-12-17 2022-11-15 Microchip Technology Incorporated Closed loop torque compensation for compressor applications
US11863092B2 (en) * 2019-03-29 2024-01-02 Nidec Corporation Control device
JP7178327B2 (ja) * 2019-06-14 2022-11-25 株式会社日立産機システム ノッチフィルタ調整装置、およびそれを備えたモータ制御装置
CN111464106B (zh) * 2020-04-08 2021-11-19 高创传动科技开发(深圳)有限公司 伺服系统及其谐振抑制方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4353717B2 (ja) 2002-03-29 2009-10-28 パナソニック株式会社 電動機の位置制御装置
JP2009296746A (ja) 2008-06-04 2009-12-17 Panasonic Corp モータ制御装置
JP2012023834A (ja) 2010-07-13 2012-02-02 Sumitomo Heavy Ind Ltd 適応ノッチフィルタ、及びノッチフィルタのパラメタ調整方法
JP2016034224A (ja) 2014-07-31 2016-03-10 ファナック株式会社 機械剛性の自己測定機能および自己監視機能を有するサーボモータ制御装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5332061A (en) * 1993-03-12 1994-07-26 General Motors Corporation Active vibration control system for attenuating engine generated vibrations in a vehicle
US6107767A (en) * 1998-03-20 2000-08-22 Trw Inc. Electric assist steering system having an improved motor current controller with notch filter
US6417982B1 (en) * 1998-12-02 2002-07-09 International Business Machines Corporation System and method for identifying and filtering a head suspension assembly resonance frequency
JP2001336528A (ja) * 2000-05-25 2001-12-07 Ntn Corp 磁気浮上装置
JP4311043B2 (ja) 2003-03-12 2009-08-12 パナソニック株式会社 電動機の制御装置
US7583468B2 (en) * 2004-07-06 2009-09-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus of dual stage servo control with dual control paths and decoupling feedback for track following in a hard disk drive
JP2008312339A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Panasonic Corp 電動機の制御装置
CN102918765B (zh) * 2010-05-28 2015-11-25 松下电器产业株式会社 电动机控制装置
JP5757842B2 (ja) * 2011-10-19 2015-08-05 住友重機械工業株式会社 共振抑制装置及び共振抑制方法
JP5847338B2 (ja) * 2013-01-16 2016-01-20 三菱電機株式会社 モータ制御装置
JP2014183678A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Panasonic Corp モータ駆動装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4353717B2 (ja) 2002-03-29 2009-10-28 パナソニック株式会社 電動機の位置制御装置
JP2009296746A (ja) 2008-06-04 2009-12-17 Panasonic Corp モータ制御装置
JP2012023834A (ja) 2010-07-13 2012-02-02 Sumitomo Heavy Ind Ltd 適応ノッチフィルタ、及びノッチフィルタのパラメタ調整方法
JP2016034224A (ja) 2014-07-31 2016-03-10 ファナック株式会社 機械剛性の自己測定機能および自己監視機能を有するサーボモータ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP3522366A4 (en) 2019-08-07
US20190199267A1 (en) 2019-06-27
CN109863692A (zh) 2019-06-07
JPWO2018061437A1 (ja) 2019-07-18
CN109863692B (zh) 2022-08-02
US10715076B2 (en) 2020-07-14
WO2018061437A1 (ja) 2018-04-05
EP3522366A1 (en) 2019-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7126049B2 (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
US7843159B2 (en) Motor controller
JP5899547B2 (ja) 電動機の制御装置
JP5403088B2 (ja) サーボモータの制御装置および制御方法
US8508171B2 (en) Position control apparatus
JP5757842B2 (ja) 共振抑制装置及び共振抑制方法
JPWO2018230253A1 (ja) 電動機制御装置、及び電動機制御方法
JP5873975B2 (ja) 電動機制御装置
US10048654B2 (en) Torque control apparatus
JP7012223B2 (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
JP5644409B2 (ja) 電動機の位置制御装置
JP2009048462A (ja) 機械的共振周波数補償装置
JP5256704B2 (ja) 慣性モーメント推定装置
KR20160118665A (ko) 서보 시스템의 자동 공진 검출 및 억제 장치 및 그 방법
JP2012118766A (ja) 適応ノッチフィルタ、及びノッチフィルタのパラメタ調整方法
EP3203332B1 (en) Automatic control device
JP5909160B2 (ja) 船体の位置制御装置及び方法並びにプログラム
JP2003189653A (ja) 電動機制御装置およびそのゲイン設定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220704

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7126049

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151