JP5909160B2 - 船体の位置制御装置及び方法並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、水中航走体などの船体の位置制御装置及び方法並びにプログラムに関するものである。
船体の位置を制御する場合、波などの外乱による影響を考慮する必要がある。波による外乱の影響は、特に、荒天時に深度の浅い海域を航行する場合に顕著に現れ、船体が大きく揺動するおそれがある。
このような外乱による揺動を低減するために、従来、船体に作用する外乱を推定し、推定した外乱を打ち消すような制御量を操舵制御に反映させる外乱オブザーバが提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照)。
特開2006−297977号公報 特公昭58−57360号公報 特開平11−11394号公報
上記外乱オブザーバの帯域を上げると、高い周波数の波にも反応でき、船体の揺動を抑制する効果が向上する。しかしその一方で、舵は頻繁に動作されるため、舵システムにおける油圧駆動系が過負荷となり、油温の上昇を招き、舵の自動制御を中断せざるを得ない事象が生ずるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、舵システムの過負荷に起因する自動制御の中断を回避するとともに、船体に作用する外乱の影響を低減させることのできる船体の位置制御装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御手段と、船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御手段と、前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定手段と、該舵システムにおける舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算する積算手段と、前記積算手段によって算出された舵動作量の積算値に応じて、前記フィードバック制御手段及び前記外乱制御手段の少なくともいずれか一方の帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整手段とを具備する船体の位置制御装置である。
このように、舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算することにより舵の負荷量を監視し、この舵の負荷量に応じてフィードバック制御手段及び外乱制御手段の少なくともいずれか一方の帯域に関するパラメータを変化させるので、例えば、舵システムの負荷が大きい場合には帯域を低くすることにより、舵の動作量を低減させることができる。
これにより、舵システムの過負荷による自動制御の中断を回避することができるとともに、船体に作用する外乱の影響を低減させることができる。
上記「船体の位置」とは、XYZ方向を含めた6軸の位置の少なくともいずれか1つを含む概念である。
上記「舵の動作量」としては、例えば、舵角、舵を駆動させるための機構の負荷量(例えば、油圧ポンプの消費電力)などが一例として挙げられる。
上記船体の位置制御装置において、前記外乱制御手段は、前記船体に作用する外乱の力を推定する外乱推定手段を有し、前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記外乱推定手段の外乱推定帯域の上限値を低下させることとしてもよい。
このように、舵システムの負荷がある程度大きくなった場合には、外乱推定帯域を低下させるので、舵の動作を抑制でき、舵の過負荷を回避することができる。
上記船体の位置制御装置において、前記外乱制御手段は、前記船体に作用する外乱の力を推定する外乱推定手段と、前記外乱推定手段によって推定された外乱の力が入力されるレートリミッタとを有し、前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記レートリミッタの設定値を低下させることとしてもよい。
このように、舵システムの負荷がある程度大きくなった場合には、レートリミッタの設定値を低下させるので、舵の動作を抑制することができ、舵システムの過負荷を回避することができる。
上記船体の位置制御装置において、前記外乱制御手段は、前記外乱推定手段によって推定された外乱の力が入力されるローパスフィルタを有し、前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記ローパスフィルタのカットオフ周波数を低下させることとしてもよい。
このように、舵の負荷がある程度大きくなった場合には、ローパスフィルタのカットオフ周波数を低下させるので、舵の動作を抑制することができ、舵システムの過負荷を回避することができる。
上記船体の位置制御装置において、前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記フィードバック制御手段の制御ゲインを小さくすることとしてもよい。
このように、舵システムの負荷がある程度大きくなった場合には、フィードバック制御手段の制御ゲインを低下させるので、舵の動作を抑制することができ、舵システムの過負荷を回避することができる。
上記船体の位置制御装置において、前記外乱制御手段は、前記外乱推定手段によって推定された外乱の力を規定の範囲内に制限するリミッタを有することとしてもよい。
リミッタを更に備えることで、外乱の力を既定の範囲内に抑制することができ、舵の動作量を抑制することができる。
上記船体の位置制御装置において、前記リミッタは、例えば、前記舵の動作量の上下限値を外乱の大きさに換算した数値に設定される。
本発明の第2態様は、上記いずれかの船体の位置制御装置における前記舵角積算手段の積算期間を設定する積算期間設定方法であって、前記船体に影響を及ぼす周波数成分を特定する第1工程と、前記第1工程で特定した周波数成分のうち最も低い周波数成分を選定し、該周波数成分の時定数を算出する第2工程と、前記第2工程で算出された時定数に所定の係数を乗算することにより前記積算時間を決定する第3工程とを含む積算期間設定方法である。
このように、船体に影響を及ぼす周波数成分のうち最も低い周波数成分を選定し、この周波数成分をキャンセルするための舵の時定数を所定の係数倍した値に積算時間を設定するので、積算時間を船体に作用する外乱の周波数成分に応じた適切な時間に設定することができる。
上記船体に影響を及ぼす周波数成分は、例えば、約0.1Hz及び約0.01Hzである。
本発明の第3態様は、船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御工程と、船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御工程と、前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定工程と、舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算する積算工程と、前記積算期間における前記舵動作量の積算値に応じて、前記フィードバック制御工程及び前記外乱制御工程の少なくともいずれか一方で用いられる帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整工程とを含む船体の位置制御方法である。
本発明の第4態様は、船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御処理と、船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御処理と、前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定処理と、舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算する積算処理と、前記積算期間における前記舵動作量の積算値に応じて、前記フィードバック制御処理及び前記外乱制御処理の少なくともいずれか一方で用いられる帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整処理とをコンピュータに実行させるための船体の位置制御プログラムである。
本発明の第5態様は、船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御手段と、船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御手段と、前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定手段と、前記舵システムの油温を計測する油温計測手段と、前記油温計測手段によって計測された前記舵システムの油温に応じて、前記フィードバック制御手段及び前記外乱制御手段の少なくともいずれか一方の帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整手段とを具備する船体の位置制御装置である。
本発明によれば、舵システムの過負荷に起因する自動制御の中断を回避するとともに、船体に作用する外乱の影響を低減させることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る位置制御装置の機能ブロック図である。 図1における積算部の積算時間を設定する積算期間設定方法の手順を示したフローチャートである。 低深度の海域を水中航走体が航走している場合のピッチ軸回りに作用する波力の試験データの分析結果の一例を示した図である。 図1における帯域調整部が備える舵角積算値と帯域の上限値とが関連付けられたテーブルの一例を示した図である。
以下に、本発明に係る船体の位置制御装置及び方法並びにプログラムを水中航走体の位置制御に適用した場合の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の船体の位置制御装置及び方法並びにプログラムは、水中航走体に限らず、水中または水上を移動する移動体(例えば、船舶等)に広く適用することが可能である。
図1は、本実施形態に係る船体の位置制御装置1の機能ブロック図を示した図である。
位置制御装置1は、例えば、コンピュータであり、後述する各部の機能を実現するための一連の処理過程が、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して実行することにより、各種機能が実現される。
図1に示すように、船体の位置制御装置1は、フィードバック制御部11、外乱制御部12、制御指令決定部13、積算部14、及び帯域調整部15を備えている。
フィードバック制御部11は、船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定する。例えば、フィードバック制御部11は、予め設定された所定の目標位置と船体の位置の計測値との差分に対して比例積分微分制御等を行うことにより、船体の位置を目標位置に一致させるような第1制御指令を決定する。また、フィードバック制御部11において、比例積分微分制御で用いられる各制御ゲインは、帯域調整部15によって調整可能とされている。ここで、船体の位置制御装置1は、例えば、XYZ方向を含めた6軸の位置の少なくともいずれか1つを制御するものである。
外乱制御部12は、船体に作用する外乱の力を推定し、推定した外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する。
外乱制御部12は、例えば、外乱推定器21、レートリミッタ22、リミッタ23、ローパスフィルタ24、及び制御量換算部25を備えている。
外乱推定器21は、船体に作用する外乱の力を推定する。外乱推定の方法としては、公知の外乱オブザーバなどを採用することができ、外乱推定の方法については特に限定されない。また、外乱推定器21には、外乱を推定する周波数帯域が設定されている。一般的には、船体の位置制御に影響を与える周波数成分までを推定すれば足りるので、支配的な外乱の周波数帯域に所定の余裕度を持たせて初期帯域が設定される。
例えば、約0.1Hzと約0.01Hzの周波数成分が支配的であった場合には(図3参照)、そのうちの高い周波数である0.1Hzに対して所定の余裕を持たせた値に帯域が設定される。天候や海域の変化により波による外乱周波数は、0.1倍から10倍程度の変動幅を持つことが予想されるため、余裕度(係数)は5倍から10倍の間で設定されことが好ましい。例えば、余裕度を5倍とした場合には、初期帯域は0.5Hzに設定される。
この帯域は、後述するように帯域調整部15によって調整可能とされている。
レートリミッタ22には、外乱推定器21によって推定された外乱の力が入力され、この外乱の力の変化率を予め設定されている所定の上限値以下とする。上限値は、例えば、舵の油圧駆動系の応答速度限界値に設定される。
リミッタ23には、レートリミッタ22の出力値が入力され、この入力値を所定の上下限値範囲内に抑制する。リミッタの上限値は、例えば、舵角の制御上限値を外乱の大きさに換算した数値に設定され、下限値は舵角の制御下限値を外乱の大きさに換算した数値に設定されている。
ローパスフィルタ24には、リミッタ23の出力値が入力され、この入力値に含まれる所定の周波数以上の帯域を低減させる。
制御量換算部25には、ローパスフィルタ24の出力値が入力され、この入力値、すなわち、処理後の外乱の力を相殺するために必要とされる舵の制御量を算出し、これを第2制御指令として出力する。制御量換算部25は、例えば、比例器で具現化される。
外乱制御部12において、レートリミッタ22、リミッタ23、ローパスフィルタ24の配置順はこの例に限られず、任意に決定することができる。
制御指令決定部13は、フィードバック制御部11によって決定された第1制御指令と、外乱制御部12によって決定された第2制御指令とを用いて第3制御指令を決定し、操舵装置3に与える。制御指令決定部13は、例えば、第1制御指令から第2制御指令を減算した値を第3制御指令として舵システムに出力する。これにより、例えば、第3制御指令に基づいて舵の油圧駆動系が制御され、舵角が制御される。
積算部14は、舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算する。具体的には、積算部14は、舵角の絶対値を積算期間に渡って積算し、この積算値(以下、「舵角積算値」という。)を帯域調整部15に出力する。
ここで、舵角に代えて、例えば、舵システムが備える油圧ポンプの消費電力をモニタし、これを所定の積算期間に渡って積算することとしてもよい。また、舵システムにおける油圧駆動系の油温が上昇することが問題とされるため、直接、この油温をモニタし、油温に応じて帯域を調整することとしてもよい。なお、油温をモニタする場合には、積算部14は不要となり、油温の計測値に応じて後述の帯域調整部15が帯域を決定すればよい。
ここで、所定の積算期間は、以下のようにして決定される。
まず、水中航走体に影響を及ぼす外乱の周波数成分を特定する(図2のステップSA1)。続いて、特定した周波数成分のうち、最も低い周波数成分をキャンセルするための舵の時定数を算出する(図2のステップSA2)。続いて、算出した時定数に所定の係数を乗算することにより、積算時間を決定する(図2のステップSA3)。例えば、時定数を数倍することにより、積算時間を決定する。
例えば、図3に低深度の海域を水中航走体が航走している場合のピッチ軸回りに作用する波力の試験データの分析結果の一例を示す。図3に示すように、この場合には、約0.1Hzと約0.01Hzの周波数成分が支配的であることがわかった。このうち、低い周波数成分である約0.01Hzに着目すると、時定数は約100秒となる。したがって、この時定数100秒を5倍した500秒を積算期間として設定することとしてもよい。
また、積算部14において、積算期間(例えば、500秒)は一部が重複して設定されてもよい。例えば、10秒間隔で所定の積算期間に渡る舵角の積算が行われることとしてもよい。これにより、10秒間隔で過去500秒に渡る舵角積算値が後述する帯域調整部15に出力されることとなる。このように、積算期間と、積算の繰り返し間隔は異なっていてもよい。
帯域調整部15は、積算部14によって算出された舵角積算値に応じて、フィードバック制御部11及び外乱制御部12の少なくともいずれか一方の制御帯域に関するパラメータを変化させる。具体的には、帯域調整部15は、外乱制御部12が備える外乱推定器21の帯域を調整するとともに、フィードバック制御部11の比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインを調整する。
例えば、帯域調整部15は、外乱推定器21に関し、図4に示すような舵角積算値と帯域とが関連付けられたテーブルを有しており、このテーブルを参照して舵角積算値に応じた帯域を取得し、外乱推定器21の帯域を変更する。
例えば、舵角積算値が規定の第1閾値未満である場合には、外乱推定器21の帯域調整は行われず、上述した初期帯域が維持される。これに対し、舵の動作量が増加したために、舵角積算値が規定の第1閾値以上第2閾値未満(ここで、第2閾値>第1閾値)となった場合には、舵角積算値に応じて帯域は徐々に低減させられ、第2閾値以上の領域では帯域は一定とされる。
なお、図4では、帯域を一次関数的に減少させているが、低減傾向については図4に示した例に限定されない。
また、上記第1閾値、第2閾値は、設計者が任意に設定できる値であり、第1閾値は、例えば、舵システムの負荷率約80%以上95%以下に相当する値に、第2閾値は、例えば、舵システムの負荷率約100%に設定されることが好ましい。
また、フィードバック制御部11におけるゲインの調整についても同様の傾向を示すテーブルが用意されている。すなわち、舵角積算値がある閾値以上となった場合に、比例ゲイン等を減少させるようなテーブルを保有しており、このテーブルに基づいてフィードバック制御部11における制御ゲインを変更する。
このように、舵角積算値が高く過負荷になりそうな場合には、制御帯域を低下させることにより、舵の動作量を軽減させ、油温上昇による自動制御の中断を未然に防ぐことができる。
次に、本実施形態に係る船体の位置制御装置1の作動について説明する。
まず、船体の位置が検出され、この位置がフィードバック制御部11に入力される。フィードバック制御部11では、船体の位置と目標位置との差分が算出され、この差分に対して比例積分微分制御等が行われることにより第1制御指令が決定される。
また、外乱制御部12では、外乱推定器21によって、設定されている周波数帯域の範囲で船体に作用する外乱の力が推定される。外乱推定器21から出力された外乱の推定値は、レートリミッタ22により変化率が所定の値以内に制限され、リミッタ23により所定の上下限範囲内とされ、更にローパスフィルタ24を通過することにより所定の周波数以上の帯域がカットオフされる。ローパスフィルタ24から出力された外乱の推定値は、制御量換算部25に入力され、推定した外乱を相殺するための舵の動作量が第2制御指令として決定される。
フィードバック制御部11で決定された第1制御指令及び外乱制御部12で決定された第2制御指令は、制御指令決定部13に出力される。制御指令決定部13では、第1制御指令から第2制御指令が減算されることにより第3制御指令が生成され、これが舵システムに与えられる。これにより、舵システムにおける油圧駆動系が第3制御指令に基づいて制御され、舵角が調整される。
また、上記の処理と並行して、積算部14では、所定の積算期間(例えば、500秒)に渡って舵角の絶対値の積算値が算出され、積算期間が経過すると、舵角積算値が帯域調整部15に出力される。
帯域調整部15は、自身が保有する舵角積算値と帯域或いはゲインとが関連付けられたテーブルを参照して、積算部14から入力された積算値に対応する帯域及びゲインを取得する。そして、取得した帯域やゲインが外乱推定器21に設定されている現在の帯域やフィードバック制御部11に設定されている制御ゲインと異なる場合には、外乱推定器21の帯域やフィードバック制御部11の制御ゲインを変更する。
このようにして、帯域等が変更されると、変更後の帯域及び制御ゲインに従って外乱推定およびフィードバック制御が行われる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る船体の位置制御装置1及び方法並びにプログラムによれば、所定の積算期間に渡って舵の動作量を積算することにより、舵システムに与えられる負荷量を監視し、この負荷量に応じて外乱推定器21の帯域及びフィードバック制御部11の制御ゲインを調整するので、舵システムにおける油圧駆動系が制御限界を超えない範囲で舵を作動させることができる。これにより、舵システムの自動制御の中断を回避しながら、外乱による位置精度低下を抑制することが可能となる。
なお、上記説明では、フィードバック制御部11は比例積分微分制御を行うこととしていたが、これに限定されず、公知の制御方法を採用することが可能である。
〔他の実施形態〕
上述した実施形態では、外乱推定器21の帯域とフィードバック制御部11の制御ゲインの両方を舵角積算値に応じて調整していたが、外乱推定器21の帯域とフィードバック制御部11の制御ゲインのいずれか一方を調整することとしてもよい。このように、いずれか一方の帯域を舵の負荷量に応じて変更することによっても十分な効果を有することが可能である。また、このようにフィードバック制御部11及び外乱推定器21のいずれか一方に帯域調整を加える場合には、外乱推定器21の帯域を調整することが好ましい。これは、フィードバック制御部11にゲイン調整を設けると、目標位置に対する追従性に対しても影響がでてしまい、位置制御の精度低下を招く可能性があるからである。
また、上述のように、外乱推定器21の帯域及びフィードバック制御部11のゲインの少なくともいずれか一方を調整することに加えて、ローパスフィルタ24のカットオフ帯域についても舵の動作量の積算値に応じて変更することとしてもよい。更に、この態様に代えて、ローパスフィルタ24を省略する構成としてもよい。ローパスフィルタ24を省略することにより、ローパスフィルタ24に起因する制御の位相遅れを解消することができる。
また、外乱推定器21の帯域を調整することに代えて、レートリミッタ22の設定値を変更することとしてもよい。このように、レートリミッタ22の設定値を舵角積算値に応じて変更することにより、舵システムにおける油圧駆動系が制御限界を超えない範囲で、外乱抑制を有効に行うことができる。
1 船体の位置制御装置
11 フィードバック制御部
12 外乱制御部
13 制御指令決定部
14 積算部
15 帯域調整部
21 外乱推定器
22 レートリミッタ
23 リミッタ
24 ローパスフィルタ
25 制御量換算部

Claims (12)

  1. 船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御手段と、
    船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御手段と、
    前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定手段と、
    舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算する積算手段と、
    前記積算手段によって算出された舵動作量の積算値に応じて、前記フィードバック制御手段及び前記外乱制御手段の少なくともいずれか一方の帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整手段と
    を具備する船体の位置制御装置。
  2. 前記外乱制御手段は、前記船体に作用する外乱の力を推定する外乱推定手段を有し、
    前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記外乱推定手段の外乱推定帯域の上限値を低下させる請求項1に記載の船体の位置制御装置。
  3. 前記外乱制御手段は、
    前記船体に作用する外乱の力を推定する外乱推定手段と、
    前記外乱推定手段によって推定された外乱の力が入力されるレートリミッタと
    を有し、
    前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記レートリミッタの設定値を低下させる請求項1に記載の船体の位置制御装置。
  4. 前記外乱制御手段は、前記外乱推定手段によって推定された外乱の力が入力されるローパスフィルタを有し、
    前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記ローパスフィルタのカットオフ周波数を低下させる請求項2または請求項3に記載の船体の位置制御装置。
  5. 前記帯域調整手段は、前記舵動作量の積算値が規定の閾値を超えた場合に、前記フィードバック制御手段の制御ゲインを小さくする請求項1から請求項4のいずれかに記載の船体の位置制御装置。
  6. 前記外乱制御手段は、前記外乱推定手段によって推定された外乱の力を規定の範囲内に制限するリミッタを有する請求項2から請求項5のいずれかに記載の船体の位置制御装置。
  7. 前記リミッタは、前記舵の動作量の上下限値を外乱の大きさに換算した数値に設定されている請求項6に記載の船体の位置制御装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の船体の位置制御装置における前記舵角積算手段の積算期間を設定する積算期間設定方法であって、
    前記船体に影響を及ぼす周波数成分を特定する第1工程と、
    前記第1工程で特定した周波数成分のうち最も低い周波数成分を選定し、該周波数成分の時定数を算出する第2工程と、
    前記第2工程で算出された時定数に所定の係数を乗算することにより前記積算時間を決定する第3工程と
    を含む積算期間設定方法。
  9. 船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御工程と、
    船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御工程と、
    前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定工程と、
    舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算する積算工程と、
    前記積算期間における前記舵動作量の積算値に応じて、前記フィードバック制御工程及び前記外乱制御工程の少なくともいずれか一方で用いられる帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整工程と
    を含む船体の位置制御方法。
  10. 船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御処理と、
    船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御処理と、
    前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定処理と、
    舵の動作量を予め設定された所定の積算期間に渡って積算する積算処理と、
    前記積算期間における前記舵動作量の積算値に応じて、前記フィードバック制御処理及び前記外乱制御処理の少なくともいずれか一方で用いられる帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整処理と
    をコンピュータに実行させるための船体の位置制御プログラム。
  11. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の船体の位置制御装置を備える水中航走体。
  12. 船体の位置と所定の目標位置との差分に基づいて第1制御指令を決定するフィードバック制御手段と、
    船体に作用する外乱の力を推定し、該外乱を打ち消すための第2制御指令を決定する外乱制御手段と、
    前記第1制御指令及び前記第2制御指令を用いて第3制御指令を決定し、舵システムに与える制御指令決定手段と、
    前記舵システムの油温を計測する油温計測手段と、
    前記油温計測手段によって計測された前記舵システムの油温に応じて、前記フィードバック制御手段及び前記外乱制御手段の少なくともいずれか一方の帯域に関するパラメータを変化させる帯域調整手段と
    を具備する船体の位置制御装置。
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