JP4310185B2 - キノリン誘導体およびその抗腫瘍剤としての使用 - Google Patents

キノリン誘導体およびその抗腫瘍剤としての使用 Download PDF

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Description

(本発明の優先権)
本願は、米国特許法の下で、米国特許仮出願番号60/309,144(2001年7月31日出願)に基づき、発明の優先権を主張する。
(政府資金)
本明細書中で記載される発明は、国立癌研究所により与えられた、NCI−NIH補助金番号CA82341政府の支援に一部基づき作成された。合衆国政府は、本発明における特定の権利を有する。
(発明の背景)
米国特許第4,629,493号は、以下の式を有する除草剤化合物を開示する:
Figure 0004310185
ここで、数あるなかで、Aは、−CH−または−N−であり;Xは、ハロゲンであり;nは0、1、または2であり;Rは、水素または低級アルキル基であり;そしてRは、−OHである。これらの化合物のうちの1つは、現在、広葉樹作物における一年生および多年生の雑草の制御のために市販されている。その化合物は、以下の式を有する:
Figure 0004310185
Corbettら、Investigational New Drugs、16 129〜139(1998)は、一連のキノキサリン化合物を、マウスにおける固形腫瘍に対する活性について評価した。以下の化合物(XK469として示す)が、移植可能なマウス腫瘍に対して広範な活性を有することが報告されている。
Figure 0004310185
この化合物はまた、比較的低い能力を有し、そして多数の所望されない副作用(例えば、インビボでの毒性(例えば、麻痺性イレウス、GI−上皮損傷、骨髄毒性、神経筋毒性および体重の減少))を引き起こすことが報告されている。現在、さらなる抗腫瘍剤が必要とされている。
(発明の要旨)
本発明は、有効な抗腫瘍剤である化合物を提供する。従って、以下の式Iの化合物であって:
Figure 0004310185
ここで、Yは、F、Cl、Br、メチルもしくはメトキシである化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩である、本発明の化合物が提供される。
本発明はまた、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖を阻害するための治療方法を提供し、この方法は、その治療を必要とする哺乳動物に、有効量の本発明の化合物を投与する方法を包含する。
本発明はまた、哺乳動物における癌を処置するための治療方法を提供し、この方法は、その治療を必要とする哺乳動物に、有効量の本発明の化合物を投与する方法を包含する。
本発明はまた、医学的治療における、本発明の化合物の使用を提供する。
本発明はまた、哺乳動物における癌の治療のための医薬の製造のための、本発明の化合物の使用を提供する。
(発明の詳細な説明)
キラル中心を有する光学活性形態およびラセミ形態の本発明の化合物が存在し得、そして単離され得ることが、当業者に理解される。いくつかの化合物が、多形を示し得る。本発明が、本発明の化合物の、任意のラセミ体、光学活性体、多形、または立体異性体形態、またはそれらの混合物を包含し、これらは、本明細書中に記載される有用な特性を保有すること、必要に応じて(例えば、ラセミ形態の分割によって、再結晶化技術によって、光学活性な開始物質からの合成によって、キラル合成によって、またはキラル固定相を用いるクロマトグラフ分離によって)活性形態を調製する方法および本明細書中に記載される標準的な試験を用いるかまたは当該分野において周知の他の類似の試験を用いて、抗腫瘍活性を決定する方法が当該分野において公知であることが理解されるべきである。
Yについての特定の意味(value)は、フッ素である。
Yについての別の特定の意味は、塩素である。
Yについての別の特定の意味は、臭素である。
Yについての別の特定の意味は、メトキシ(−OMe)である。
式Iの化合物の特定の群は、メチル基を保有する炭素が(S)配置にある、化合物である。
式Iの化合物の好ましい群は、メチル基を保有する炭素が(R)配置にある、化合物である。
好ましい本発明の化合物は、2−[4−(7−クロロキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロパン酸(化合物21b);2−[4−(7−ブロモキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロパン酸(化合物21c);2−[4−(7−フルオロキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロパン酸(化合物21a);およびこれらの薬学的に受容可能な塩(例えば、化合物22a、化合物22b、および化合物22c)。より好ましくは、本発明の化合物は、(R)2−[4−(7−クロロキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロパン酸(化合物21b)、またはその薬学的に受容可能な塩(例えば、化合物22b);および(R)2−[4−(7−ブロモキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロパン酸(化合物21c)、またはその薬学的に受容可能な塩(例えば、化合物22c)である。
化合物が、安定な非毒性酸塩または非毒性塩基塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、これらの化合物の、塩としての投与が適切であり得る。薬学的に受容可能な塩の例は、生理学的に受容可能なアニオンを形成する酸から形成された有機酸付加塩(例えば、トシラート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、スクシン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸、およびα−グリセロリン酸塩)である。適切な無機塩もまた、形成され得、その無機塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩が挙げられる。
薬学的に受容可能な塩は、当該分野において周知の標準的な手順用いて(例えば、十分な塩基性化合物(例えば、アミン)を生理学的に受容可能なアニオンをもたらす適切な酸と反応させることにより)得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、またはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩もまた、作製され得る。
式Iの化合物が、薬学的組成物として処方され得、そして選択された投与経路(例えば、経口経路、または静脈内経路、筋内経路、局所的経路または経皮経路による非経口経路)に適合した種々の形態で、哺乳動物ホスト(例えば、ヒト患者)に投与され得る。
従って、本発明の化合物は、薬学的に受容可能なビヒクル(例えば、不活性希釈剤または消化性食用キャリア)と組み合わせて、全身投与(例えば、経口)され得る。これらは、硬質殻ゼラチンカプセルまたは軟質殻ゼラチンカプセル中に内包され得るか、錠剤中に圧縮され得るか、または患者の食する食物に直接的に組み込まれ得る。経口治療投与のためには、活性化合物は、1つ以上の賦形剤と合わせられ得、そして消化可能な錠剤、舌下錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁物、シロップ剤、ウエハース剤、などの形態で使用される。このような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。この組成物および調製物のパーセンテージは、当然、変化し得、そして好適には、約2重量%と約60重量%との間の所定の単位投薬形態であり得る。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効投薬レベルが得られる量である。
錠剤、トローチ剤、ピル剤、カプセル剤などはまた、以下を含み得る:トラガカントガム、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチンのようなバインダー;リン酸二カルシウムのような賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギニン酸などのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ならびにスクロース、フルクトース、ラクトース、もしくはアスパルテームのような甘味剤、またはペパーミント、冬緑油、もしくはチェリーフレーバーのような芳香剤が添加され得る。単位投薬形態がカプセル剤である場合、上記型の材料に加えて、液体キャリア(例えば、植物油またはポリエチレングリコール)を含み得る。種々の他の材料が、コーティングとしてか、またはそうでなければ固体単位投薬形態の物理的形態を改変するために存在し得る。例えば、錠剤、ピル剤、またはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、セラック、または糖などによりコーティングされ得る。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性化合物、甘味料としてスクロースもしくはフルクトース、防腐剤としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素、ならびにチェリーフレーバーまたはオレンジフレーバーのような芳香剤を含み得る。当然、任意の単位投薬形態を調製するのに使用される任意の材料が、薬学的に受容可能であり、かつ使用される量において実質的に非毒性であるはずである。さらに、活性化合物は、持続性放出調製物およびデバイスに組み込まれ得る。
活性化合物はまた、吸入または注射により、静脈内または腹腔内に投与され得る。活性化合物またはその塩の溶液は、水中で調製され得、必要に応じて非毒性界面活性剤と混合され得る。分散物もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、およびそれらの混合物中で、ならびに油中で調製され得る。通常の保存条件および使用条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するために防腐剤を含む。
注射または吸入に適した薬学的投薬形態としては、滅菌注射可能もしくは注入可能な溶液または分散物(必要に応じて、リポソーム中にカプセル化される)の即座の調製に適合された、活性成分を含む滅菌水性溶液もしくは分散液または滅菌粉末が挙げられ得る。全ての場合、最終的な投薬形態は、製造条件および保存条件の下で、滅菌性、流体、および安定であるべきである。液体キャリアまたはビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステル、およびそれらの適切な混合物を含む、溶媒または液体分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成により、分散物の場合に必要とされる粒子サイズの維持により、または界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の活性の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チオメルサールなど)によりもたらされ得る。多くの場合、等張剤(例えば、糖、緩衝剤、または塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注射可能組成物の延長された吸収性は、吸収を遅延する薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の組成物中での使用によりもたらされ得る。
滅菌注射可能溶液は、上に列挙された他の種々の成分と共に、適切な溶媒中に、必要とされる量で、活性化合物を組み込むことにより調製される(必要な場合、その後、濾過滅菌される)。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これにより、予め滅菌濾過溶液中に存在した活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末が生成される。
局所投与について、本発明の化合物は、純粋な形態で適用され得る(すなわち、それらが液体である場合)。しかし、一般的に、皮膚に受容可能なキャリア(固体または液体であり得る)と組み合わせて、組成物または処方物として、皮膚にそれらを適用することが望ましい。
有用な固体キャリアとしては、精巧に分割された固体(例えば、タルク、クレイ、微結晶性セルロース、シリカ、アルミナなど)が挙げられる。有用な液体キャリアとしては、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アルコールもしくはグリコール、または水−アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、この中に、本発明の化合物が、必要に応じて非毒性界面活性剤を用いて、有効レベルで溶解または分散され得る。アジュバント(例えば、フレグランス)およびさらなる抗微生物剤が、所定の用途にその特性を最適化するために添加され得る。得られる液体組成物は、バンドエイドおよび他の包帯に染み込ませるのに使用される、吸収パッドから適用され得るか、またはポンプ型スプレーまたはエアロゾル型スプレーを用いて影響を受けた領域に噴霧され得る。
濃厚剤(例えば、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステル、脂肪アルコール、改変セルロース、または改変鉱物材料)がまた、使用者の皮膚に直接的に適用するために、拡散可能なペースト、ゲル、軟膏、スープなどを形成するために、液体キャリアと共に用いられ得る。
式Iの化合物を皮膚に送達するために使用され得る有用な皮膚用組成物の例は、当該分野で公知である;例えば、Jacquetら(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許第4,992,478号)、Smithら(米国特許第4,559,157号)、およびWortzman(米国特許第4,820,508号)を参照のこと。
式Iの化合物の有用な投薬量は、それらのインビトロ活性と動物モデルにおけるインビボ活性とを比較することにより決定され得る。マウスおよび他の動物における、ヒトに対する有効用量の推定のための方法は、当該分野で公知である;例えば、米国特許第4,938,949号を参照のこと。
処置に使用するために必要とされる、この化合物、またはその活性な塩もしくは誘導体の量は、選択される特定の塩だけでなく、投与経路、処置される状態の性質、ならびに患者の年齢および状態と共に変動し、最終的に、付き添う治療者または臨床医の裁量による。
この化合物は、好適には、単位投薬形態(例えば、単位投薬形態あたり、5〜1,000mg/m、好適には、10〜750mg/m、最も好適には、50〜500mg/mの活性成分を含む)で投与される。
所望の用量は、好適には、単一用量または適切な間隔で(例えば、1日あたり、2回、3回、4回、またはそれ以上の準用量で)投与される分割用量として存在し得る。準用量自体はさらに、例えば、多くの別個に大まかに間隔を空けた投与に分割され得る。
本発明の化合物は、有効な抗腫瘍剤であり、そしてXK469と比較して、より高い能力および/または減少した毒性を有する。好ましくは、本発明の化合物は、(R)XK469よりも高い能力および低い毒性であり、そして/またはXK469と遭遇する異化性の代謝の潜在的な部位を回避する(すなわち、XK469よりも異なる代謝プロフィールを有する)。
本発明は、哺乳動物において癌を処置する治療方法を提供する。この方法は、癌を有する哺乳動物に、有効量の本発明の化合物または組成物を投与する工程を包含する。哺乳動物としては、霊長類、ヒト、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ヤギ、ウシなどが挙げられる。癌は、任意の種々の型の悪性新生物(例えば、結腸癌、乳癌、骨髄腫、および白血病)をいい、一般的には、望まない細胞増殖(例えば、調節されない増殖、分化の欠如、局所的組織浸潤、および転移)により特徴付けられる。
癌を処置する本発明の化合物の能力は、当該分野で周知のアッセイを用いることによって決定され得る。例えば、処置プロトコルの設計、毒性評価、データ分析、腫瘍細胞死滅量、および転移可能な腫瘍のスクリーニングの使用の重要性が議論されている。さらに、癌を処置する化合物の能力は、以下に記載される試験を用いて決定され得る。
試験A〜Hにおいて、以下の一般的な方法が使用された。
(腫瘍および動物の管理)
膵管腺癌−03、B16−黒色腫、乳腺癌−16/C/Adr、乳腺癌−17/Adr、結腸腺癌−26、および乳腺癌−16/Cを、この研究に使用した。
腫瘍を、マウスの起源系統C57Bl/6(膵管腺癌−03、B16)、Balb/c(結腸26)、およびCH(乳腺腫瘍)において維持した。腫瘍を、適切なFハイブリッド(BDF1=C57Bl/6雌×DBA/2雄)または化学療法試験のための起源系統に移植した。各実験についての個々のマウスの体重は5グラム未満であり、そして全てのマウスは、治療の開始時に17グラムを超えていた。マウスに、食料および水を自由に供給した。
(固形腫瘍の化学療法)
動物をプールし、0日目に12ゲージのトロカールにより30〜60mgの腫瘍片を皮下移植し、そして再度、プールした後に種々の処置群およびコントロール群へと非選択的に分散させた。早期段階の治療については、細胞の数を比較的少なく(10〜10細胞)しつつ、化学療法を、腫瘍移植後1〜3日以内に開始した。後半段階(upstaged)または進行段階(advanced staged)の試験については、処置を開始する前に、腫瘍を5日間以上増殖させた。腫瘍を、カリパーを用いて週に2度測定した。マウスを、それらの腫瘍が1500mgに達した場合に屠殺した。腫瘍重量を、以下の二次元測定から見積もった。
腫瘍重量(mg)=(a×b)/2(ここで、aおよびbは、それぞれ、腫瘍の長さおよび幅(mm)である)
(固形腫瘍に対する抗腫瘍活性を評価するための終点)
以下の定量的な終点をしようして、抗腫瘍活性を評価した。
a)腫瘍増殖の遅延(T−C値);ここで、Tは、処置群の腫瘍が予め決定されたサイズ(例えば、1000mg)に達するのに必要とされる時間中央値(日)であり、そしてCは、コントロール群の腫瘍が、同一サイズに達するのに必要とされる時間中央値(日)である。無腫瘍生存体を、これらの計算から排除した(治癒体は、別個に表化する)この値は、抗腫瘍効果の重要な判定基準である。なぜならば、この値は、腫瘍細胞死滅の定量を可能にするからである。
b)皮下(SC)増殖腫瘍に対する腫瘍細胞死滅の計算、log10細胞死滅を、以下の式:
log10細胞総死滅(全体)=(T−C値(日))/(3.32)(Td)
から算出した。ここで、T−Cは、上記のような腫瘍増殖の遅延であり、そしてTdは、指数関数的増殖(100〜800mgの範囲)におけるコントロール群の腫瘍の対数直線増殖プロットからの最大一致直線から概算される、腫瘍体積倍化時間(日)である。処置後の腫瘍再増殖のTd(Rx)は、未処置コントロールマウスにおける腫瘍のTd値を近似するので、log10細胞総死滅へのT−C値の変換が可能である。
対数腫瘍細胞死滅への腫瘍増殖遅延(T−C値)の変換の問題は、このシリーズにおいて正当化される。なぜならば、多くの治癒体が、研究した5つの試薬により得られるからである。治癒体は、腫瘍細胞死滅の明確な指標である(腫瘍細胞複製の停止ではなく)。
選択された事例において、歴史的なインビボ評価のデータおよび本明細書中に示されるデータの両方について、顕著に異なる試験スケジュールの試験からの対数死滅数を比較することに価値がある。この目的のために、活性表を作成し、そしてそれを以下に示す。+++から++++までの活性等級は、マウスの100〜300mgの大きさの最も移植された固体腫瘍の部分的回帰(PR)または完全な回帰(CR)をもたらすのに必要とされることに注意されたい。従って、+または++の活性等級は、通常の臨床的評価により活性であるとスコア付けされない。PRは、処置前サイズの50%未満までの腫瘍塊の減少である。CRは、明瞭なサイズを下回る腫瘍塊の減少(すなわち、検出可能な塊がゼロになるまでの減少)である。
Figure 0004310185
処置群およびコントロール群を、コントロール群の腫瘍が訳700〜1200mgの大きさに達した場合(群の中央値)に測定した。T/C値(パーセント)は、抗腫瘍効果の指標である:T/C=0%は、腫瘍の増殖がないことを意味する。T/C=100%は、抗腫瘍活性がない(すなわち、処置腫瘍とコントロール腫瘍とが等しく成長したこと)を意味する。T/Cが42%以下であることは、Drug Evaluation Branch of the Division of Cancer Treatment(NCI)により有意な抗腫瘍活性であるとみなされる。T/C値<10%は、高度に有意な抗腫瘍活性を示すとみなされ、そして毒性、処方、および特定の他の要件を満たす(DN−2レベル活性と呼ばれる)場合に臨床試験を正当化するために、NCIにより使用されるレベルである。20%より高い体重の減少の最下点(群の平均)または20%より高い薬物死は、ほとんどの単一課程試験において、過剰な毒性用量を示すとみなされる。
(マウス注射用の薬物調製物)
試験A〜Hの化合物22b(ナトリウム塩)を、1%の重炭酸ナトリウム溶液、dHO、またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で、HClによりpHを7.0〜7.5に調節しながら調製し、そして1回の注射に0.2mlの注射体積で静脈内(IV)または経口(PO)投与した。
(試験A)
(初期段階の膵管腺癌03に対する評価)
膵管腺癌03腫瘍は、タキソールに対して高度に感受性である(++++活性等級)。この腫瘍は、アデノマイシンに対して感受性であり(+++活性等級)、VP−16、シトキサン(cytoxan)、およびCisDDPtに対して中程度に感受性であり(++活性等級)、そして5−FUに対して穏やかに感受性である(+活性)。雌のBDF1マウス(NCI−Raleighから入手される)(誕生日(本明細書以後、D.O.B)2000年3月27日;入手日(本明細書以後、D.O.A.)2000年4月9日)に、処置群とコントロール群とに分けて、膵管腺癌03腫瘍(腫瘍移植日(本明細書以後、D.O.T.)2000年3月17日)を移植した。この処置群に、3日目〜9日目に毎日、化合物22bを静脈内投与した。試験Aの結果を、表1に要約した。
(試験B)
(初期段階B16黒色腫に対する評価)
B16黒色腫は、皮下(SC)移植された場合に、非常に薬物非感受性の腫瘍である。B16黒色腫は、V−16、ビンブラスチン、およびAra−Cに対して非応答性であり(ネガティブ(−)活性等級)、タキソール、アドリアマイシンおよびカンプトテシンに対してわずかに応答性であり(+または+/−活性等級)、5−FU、シトキサンおよびCisDDPtに対して穏やかに応答性である(++活性等級)。BCNUおよび他のニトロソウレアのみが、高度に活性である(++++活性等級)。
BDF1雌マウス(NCI−CRL−Ralから入手される)(D.O.B.2000年1月24日、D.O.A.2000年2月29日)。このマウスの平均重量は、21.6gであった。マウスに、B16黒色腫細胞(継代数138)を移植した(D.O.T.2000年4月17日)。Td(腫瘍体積倍加時間)は、1日であった。このマウスを、コントロール群と3つの実験群に分けた。このコントロール群(ケージ番号1)は、処置を受けなかった。
ケージ番号1は、7日目に1000mgに達し(1.0日のTd)、そして腫瘍増殖は、予想された通りであった。
ケージ番号2において、化合物22b(ラセミ体)を、1日目〜4日目に1日に1回、40mg/kg/注射で静脈内投与した。全部で320mg/kgを投与した。この用量は、毒性であり、1/5の薬物死(7日目に生じる)を生じた。死の原因は、小さな脾臓サイズによって実証されるように、骨髄毒性であった。胃腸管の実験は、胃腸管が、死の前に食物を摂取されずに空のままであることを明らかにした。この用量は、重篤な体重減少を生じた(−20.8%;7日目に最下点を生じ、11日目に完全に回復した)。−20%の体重の減少は、N.C.I.標準によって、過剰に毒性であるとみなされる。ここで、化合物22b(ラセミ体)の投与は、マウスの神経伝導を遅延させることと関連した。50mg/kgの用量で、この毒性は穏やかであるが、1日目に20分間、そして4日目に8分間続いた。高い用量(例えば、80mg/kg)において、この薬剤は、20分以上続く、実質的な注射後の神経筋毒性を生じたが、2時間で解消した。これは、後足の特有の麻酔状態を含み、この毒性が、伝導速度に関連することを示した。なぜなら、この神経が長くなるほど、より多くの機能に影響を与えたからである。以後で議論されるように、この神経伝導の遅延は、この系のラセミ体およびS−エナンチオマーにより生じる。全ての場合において、R−エナンチオマー形態は、存在しない。
ケージ番号3において、化合物22bに、1日目〜5日目に毎日、50mg/kg/注射で静脈注射した。全部で250mg/kgを投与した。この用量において、体重減少の割合が、−13%であった(7日目に最下点を生じ、11日目に完全に回復した(4日の宿主回復時間))。この用量は、活性であった(T/C=0、2.6 logの殺傷、+++活性等級)。
ケージ番号4において、化合物22bに、1日目〜6日目に毎日、30mg/kg/注射(全部で180mg/kgの投与)で静脈内投与した。この用量は、7.4%の体重減少を生じた(5日目に最下点を生じ、9日目に完全に回復した)。この用量は、活性であった(T/C=15.6%、1.8logの殺傷、++活性等級)。
試験Bの結果を、表2に要約する。
(試験C)
(初期段階乳腺癌−16/C/Adrに対する評価)
初期段階乳腺癌−16/C/Adrは、p−糖タンパク質ネガティブ多剤耐性腫瘍である。C3H雌マウスを、NCI−Kingston−CRLから得た(D.O.B.2000年4月3日;D.O.A.2000年5月16日)。このマウスの平均重量は、26.3gであった。マウスに、初期段階乳腺癌−16/C/Adr(継代数183)を移植し、そしてコントロール群(ケージ番号1)および2つの実験群(ケージ番号2およびケージ番号3)に分けた(D.O.T.=2000年6月22日)。コントロール動物(ケージ番号1)は、処置を受けなかった。化合物22bのラセミ形態(クロロアナログ)を、以下のような実験群に投与した:
Figure 0004310185
ケージ番号1は、16日目に1000mgに達し(1.2日のTd)、そして腫瘍増殖は、予想された通りであった。
ケージ番号2において、504mg/kgの総投薬量の化合物22bを静脈内投与した。この処置は、注射後に約10分間続く、適度の神経筋歩行障害を生じた。この毒性は、最初の2日間に最も明らかであり、続く注射により明らかでなくなった。この用量は、−15%の体重減少を生じた(7日目に最下点を生じ、12日目に完全に回復した)。興味深いことに、マウスは、処置の第2の過程(11〜13日)の間に体重が増えた。この薬剤は、この用量において活性であった(T/C=0%、2.0 logの殺傷、+++活性等級)。
ケージ番号3において、全部で324mg/kgの化合物22bを投与した。この用量は、有意でない歩行障害、およびケージ番号3の動物において−1.1%の体重の減少を生じた(7日目に最下点を生じ、8日目に完全に回復した)。この薬剤は、この用量スケジュールにおいて不活性であった(T/C=53%、0.6 logの殺傷)。試験Cの結果を、表3に要約する。
(試験D)
(初期段階の乳腺癌−17/Adrに対するラセミ化合物22cの評価)
化合物22cのラセミ混合物(ブロモアナログ)を、多剤耐性乳癌(Mam−17/Adr)に対して評価した。
雌C3H/HeN(MTV−neg)マウスを、N.C.I.Frederickから入手した(D.O.B.は、2000年10月9日であった;D.O.A.は、2000年11月14日であった)。このマウスの体重は、平均29.3gであった。マウスに、Mam−17/Adr/継代220(p−糖タンパク質ポジティブ多剤耐性腫瘍)を移植した(D.O.T.は、2001年1月2日であった;Td=1.0日)。化合物22c(ラセミ体)を、溶液に影響を与えるように、5%のエタノール、1%のPOE−80、および1%の重炭酸ナトリウム中に懸濁させることで投与するために調製した。次いで、P.B.S.を添加し、そしてHClによりpHを7に調節した。1回の注射当たり0.2mlを、静脈内投与した。
ケージ番号1動物は、処置を受けなかった。腫瘍の増殖は、予想された通りであり、7日間で1000mgに達した(範囲7〜9)(Td=1.0日)。
ケージ番号3の動物に、1日目に50mg/kg/注射;2日目に62.5mg/kg;および3、6、7、8日目に60mg/kg/注射で、全部で352.5mg/kgの化合物22cのラセミ調製物を静脈内投与した。この用量は、適度の−5.5%体重減少を生じた。この薬剤は、60〜62.5mg/kgの用量で約10分間続く、神経伝導の適度の遅延を生じた。この症状は、穏やかな歩行障害であった。この用量は、強力な抗腫瘍活性を有した(T/C=0、4.2 logの殺傷、++++活性等級)。腫瘍は、21日目に1000mgに達した(19〜42の範囲)。どの抗腫瘍剤、標準または調査も、この腫瘍に対する、この活性の程度を超えなかった。
ケージ番号4の動物に、1日目に30mg/kg;2日目に37.5mg/kg;および3、6、7、8日目に36mg/kg/注射で、全部で211.5mg/kgの化合物22cのラセミ調製物を静脈内に与えた。この用量において、歩行障害は存在しなかった。この用量はまた、高度に活性であった(3.0 logの殺傷)。腫瘍は、17日目に1000mgに達した(範囲14〜21)。
化合物22cのラセミ調製物は、化合物22bのラセミ調製物を試験するのに観測されたのと同一の型の神経筋毒性を有したが、重篤ではないことが見出された(試験Bを参照のこと)。
結果を、表4に示す。
(試験E)
(初期段階の乳腺癌−17/Adrに対する化合物22bおよび化合物22aのR−エナンチオマーの評価)
化合物22bおよび化合物22aのRエナンチオマー(フルオロアナログ)の活性を、乳癌Mam−17/Adr(これは、p−糖タンパク質ポジティブ多剤耐性腫瘍)に対する活性について評価した。C3H/HeN(MTV−neg)雌マウスを、N.C.I.−Frederickから入手した(D.O.B.は、2000年11月20日であった;D.O.A.は、2001年1月2日であった)。マウスの平均重量は、25.9gであった。マウスに、Mam−17/Adr/継代−223を移植し(D.O.T.は、2001年2月12日であった;Tdは、1.2日であった)、そしてコントロール群および処置群に分けた。
化合物22aのラセミ調製物を、溶液に影響を与えるように、3%のエタノール、1%のPOE−80、および0.25%の重炭酸ナトリウム中に懸濁した。次いで、P.B.S.を添加し、そしてHClによりpHを7に調節した。1回の注射当たり0.2mlの体積を、動物に静脈内注射した。化合物22bのRエナンチオマーを、溶液に影響を与えるように、3%のエタノール、1%のPOE−80、および0.25%の重炭酸ナトリウム中に懸濁した。次いで、P.B.S.を添加し、そしてHClによりpHを7に調節した。1回の注射当たり0.2mlの体積を、動物に静脈内注射した。
ケージ番号1のコントロール群は、処置を受けず、そして9.0日で1000mgに達した(8.5〜10)(1.2日のTd)。腫瘍増殖は、予想された通りであった。
ケージ番号3に、1日目に36mg/kg、および2〜7日目に48mg/kg/注射で、全部で324mg/kgのラセミ化合物22aを静脈内投与した。個々のより多量の投薬は、重篤な神経筋毒性(神経伝達の遅延は、前足および後足の両方の機能障害性の脚運動を生じる)のために、与えられ得なかった。この機能障害は、前足で15分間、後足でそれより長く持続した。この用量は、活性であった(T/C=14%、1.5 logの殺傷、++活性等級)。活性であったが、これは、化合物22bまたは化合物22cよりも明らかに良好でなかった。
ケージ番号4およびケージ番号5は、ケージ番号3よりもラセミ化合物22a調製物のより少ない用量を受けた。
ケージ番号6に、化合物22bのR−エナンチオマーを投与し、そして神経筋毒性を生じなかった。試験Bにおいて、化合物22bのラセミ形態は、神経伝達において遅延を生じた。この結果は、S−エナンチオマーが化合物22bの神経筋毒性の原因であることを意味した。このS−エナンチオマー形態は、後で合成され、そして80mg/kg/注射および50mg/kg/注射で静脈内注射され、この両方は、顕著な神経筋毒性を生じた。ケージ番号6において、化合物22bのR−エナンチオマーを、1〜4日目に83mg/kg/注射であって、全部で332mg/kgで静脈内注射した。この用量は毒性であり、5匹のマウス全てが(7、7、8、9、10日目)に死んだ。死の原因は、下痢をもたらすGI上皮脱落を生じるGI−上皮損傷であった。このマウスの内の3匹は、食物を充填した胃がわずかに拡張し、胃不全麻痺または麻痺性イレウスを示した。全てのマウスの脾臓の大きさは、正常に近く、薬剤が、マウスにおいてほとんど骨髄毒性を生じないことを示した。
ケージ番号7に、55mg/kg/注射で、毎日1〜4回220mg/kgの合計用量で化合物22bのRエナンチオマーをIV投与した。この用量はいくらか毒性であり、1/5の薬物死および大きな体重減少(9日目に最下点−23.4%、そして14日目に完全な回復)を生じた。1匹の死亡は、骨髄毒性(小さな脾臓)を併発した胃腸上皮損傷(下痢)によるものであった。しかし、この用量は、高度に活性(T/C=0、3.3log死亡、++++活性度)であった。腫瘍は、22(18−23)日目に1000mgに達した。
ケージ番号8は、1匹のマウスしか含まず、これを、神経筋毒性を評価するための初期毒性コントロールに使用した。1日目のみに、124.5mg/kgで化合物22bのRエナンチオマーの調製物を、単回ボーラス投薬量で注射した。神経筋毒性はなかった。この用量は、穏やかに活性であり、そして毒性ではなかった(T/C=35%、0.8log死亡、+活性度)。
従って、このデータは、化合物22aが活性であることを示していた(ケージ番号2)。化合物22bのRエナンチオマー(薬剤のラセミ体に存在する)は、神経筋毒性を欠いていた。Sエナンチオマーを作製し、そして試験し、そして神経筋毒性の原因であることを見出した。
結果を表5に示す。
(試験F)
(初期乳腺腺癌16Cに対する、化合物22bのRエナンチオマーおよび化合物22cのRエナンチオマーの評価)
この試験において、化合物22cおよび化合物22bの両方のRエナンチオマーを比較した。各化合物は、神経筋毒性が全くなかった。致死用量限界毒性は、類似している(胃腸上皮損傷)。
C3H雌性マウスを、N.C.I.から入手した(D.O.B.は、2001年1月22日であった;D.O.A.は、2001年1月27日であった)。これらのマウスの平均体重は、19.2gmであった。マウスに、乳腺腺癌16/C(継代170)(急速に成長し、高度に侵襲性で、高度に転移性の腫瘍)をSCに移植した(D.O.T.は、2001年3月8日であった;Tdは、1.2日であった)。
化合物22cおよび化合物22bの両方のRエナンチオマーを、それぞれ3%エタノール、1% POE−80、0.5%炭酸水素ナトリウム(体積基準)に懸濁して溶液とし、次いで、P.B.Sを添加してpHをHClで7に調整した。アドリアマイシン(ADRIA;ロット番号20338c)を、dHOに懸濁して溶液とし、そしてpHを6.0に調整した。マウスに、IV注射1回あたり0.2mlを投与した。
ケージ番号1には処置を施さず、そして腫瘍成長は、予測どおりであった。これらの腫瘍は、9.5日目(7〜12日の範囲)に1000mgに達した(Td=1.0日)。
ケージ番号2のマウスに、65mg/kg/注射で、毎日1〜4回合計260mg/kgで化合物22cのRエナンチオマーをIV投与した。これらの注射後、神経筋毒性は、生じなかった。全てのマウスが、最後の処置の2〜3日後にG.I.上皮損傷により死亡した。
ケージ番号3のマウスに、一日おきに(1、3、5、7日目にそれぞれ1回)65mg/kg/注射で合計260mg/kgの化合物22cのRエナンチオマーを、IV投与した。このアナログシリーズに対して非常に急速な宿主回復時間を維持したまま、1匹も死亡しなかった。マウスは、−8.3%の体重減少であった(9日目に最下点、12日目に完全に回復)。このことは、この断続的なスケジュールでの総用量が、適切であるが過剰ではないということを示す。また、この用量スケジュールでは神経筋毒性は全くなかった。この用量は、活性であった(T/C=4%;1.7Log死亡;++活性度)。
ケージ番号4のマウスに、ケージ番号3と同じスケジュール(すなわち、1、3、5、7日目)で、40mg/kg/注射で合計160mg/kgの化合物22cのRエナンチオマーをIV投与した。毒性は全くなく、そしてマウスは、処置の間に体重を獲得した(+6.4%の体重獲得)。この用量もまた活性であった(T/C=9%;1.4Log死亡;および1/5治癒;治癒を考慮しない場合、++活性度)。腫瘍を有さないマウスに、155日目にMam16/C腫瘍を再移植した。移植物は、首尾よく増殖した。このことは、免疫原性因子が、元来の治癒には関与していなかったことを示している。
ケージ番号5のマウスに、50mg/kg/注射で、毎日1〜5回、合計250mg/kgの化合物22bのRエナンチオマーをIV投与した。神経筋毒性は、注射後なかった。この用量は、過剰な体重減少を生じたが、死亡はなかった。これらのマウスは、5日以内に全ての体重を再獲得した(8日目で−22.9%の体重減少、13日目の完全な回復、これは、体重減少の一部が脱水によることを示している)。この用量は、高度に活性であった(T/C=0%;2.1Log死亡;+++活性度)。
ケージ番号6のマウスに、50mg/kg/注射で、1、3、5、7日目に化合物22bのRエナンチオマーの合計200mg/kgをIV投与した。この用量は、十分に許容され、そして体重減少を生じなかった。これは活性であった(T/C=5%;1.7Log死亡;++活性度)。体重減少がなかったことを考慮して、このスケジュールでより高い用量が投与され得るようである。
ケージ番号7のマウスに、30mg/kg/注射でケージ6と同じスケジュールで、合計120mg/kgの化合物22bのRエナンチオマーをIV投与した。これらのマウスは、体重を獲得した。この用量は、穏やかに活性であった(T/C=32%;0.8Log死亡;+活性度)。
ケージ番号11のマウスに、アドリアマイシンをポジティブコントロールとして投与した。歴史的に、アドリアマイシンは、この腫瘍に対する最も活性な薬剤の1つである。7.5mg/kg/注射を、合計15mg/kgで1日目および5日目にIVで投与した。体重減少は観察されなかったが、これらのマウスは、11日まで体重を獲得し始めず、次いで穏やかにのみ獲得し始めた。この群では、1匹が遅れて薬物死した。予測されたように、この薬剤は、高度に活性であった(T/C=0%;3.6Log死亡;毒性用量であるが、++++活性度)。
10%未満の体重減少を生じた投薬量において、化合物22bのRエナンチオマーおよび化合物22cのRエナンチオマーは、等しく活性であり、それぞれ1.7Log死亡であった(ケージ3および6を参照のこと)。等しく活性な投薬量において、化合物22bのRエナンチオマーは、化合物22cのRエナンチオマー(260mg/kg、ケージ4を参照のこと)よりも、わずかに低い用量必要量を有していた(200mg/kg、ケージ6を参照のこと)。
結果を表6に示す。
(試験G)
(後期膵管腺癌03に対する化合物22cおよび22bのRエナンチオマーの評価)
この試験において、化合物22cおよび22bのRエナンチオマーを比較した。
BDF1雌性マウスを、N.C.I.、CRL−Ralから入手した(D.O.B.は、2001年2月26日であり;D.O.A.は、2001年3月10日であった)。これらのマウスは、22.5gmの平均体重であった。マウスに、膵管腺癌03(継代143)をSCに移植した(D.O.T.は、2001年5月29日であった;Tdは、2.3日であった)。
化合物22cのRエナンチオマーを、3%エタノール、1%POE−80、0.25%炭酸水素ナトリウム(体積基準)に懸濁して溶液とした。次いで、dHOを添加し、そしてpHをHClで7に調整した。マウスに、IV注射あたり0.2mlを投与した。化合物22bのRエナンチオマーを、3%エタノール、1%POE−80、0.5%炭酸水素ナトリウム(体積基準)に懸濁して溶液とした。次いで、dHOを添加し、そしてpHをHClで7.5に調整した。マウスに、IVまたはPOで注射あたり0.2mlを注射した。アドリアマイシン(供給源ADRIA;ロッ ト2033BC)を、dHOに懸濁して溶液とし、そしてpHを6.0にした。マウスに、IV注射あたり0.2mlを投与した。
移植の6日後に処置を開始し、この時点で腫瘍は、触知可能なサイズ(126mgメジアン)であった。これらの化合物間の有効性における明確な分離を得るために、処置期間」を延長した(18日)。
ケージ番号1は処置を全く受けず、そして腫瘍成長は予測どおりであった。これらの腫瘍は、16.5日目(15〜21の範囲;Td=2.3日)には1000mgに達した。
ケージ番号2のマウスに、80mg/kg/注射で、断続的スケジュール(6、9、12、15、18、21、24日目に1回/日)で合計560mg/kgの化合物22b(Rエナンチオマー)をIV投与した。このレジメンは、体重減少も死亡もなく、十分に許容された。これらのマウスを、IV注射後に震えていたが、この挙動は、数分間しか続かなかった。Rエナンチオマーに神経筋毒性はなかった。この用量は活性であった(2.3log死亡、2/7PR、+++活性度)。この用量スケジュールは、明らかに化合物22c(Rエナンチオマー)より劣っていた。
ケージ番号3のマウスに、断続的なスケジュール(6、9、12、15、18、21、24日目にそれぞれ1回/日)で、50mg/kg/注射で合計350mg/kgの化合物22b(Rエナンチオマー)を、IV投与した。このレジメンは、体重減少も死亡もなく、十分に許容された。この用量は、活性であった(1.5log死亡、1/6CR、++活性度)。
ケージ番号4のマウスに、断続的なスケジュール(6、9、12、15、18、21、24日目にそれぞれ1回/日)で、31mg/kg/注射で合計217mg/kgの化合物22b(Rエナンチオマー)を、IV投与した。このレジメンは、実質的な体重増加で、十分に許容された。この用量は、活性でなかった(0.5log死亡、−活性度)。
ケージ番号5のマウスに、毎日のスケジュール(毎日6〜24)で、31.2mg/kg/注射で合計592.8mg/kgの化合物22b(Rエナンチオマー)を、SC投与した。このレジメンは、少しの体重減少のみであり死亡もなく、十分に許容された。このマウスは、SC注射後、震えなかった。この用量は、中程度の活性のみであった(0.9log死亡、1/5CR、+活性度)。腫瘍を有さないマウスに、157日目にP03の腫瘍フラグメント(30mg)を再移植した。移植物は、増殖した。このことは、免疫因子が、元来の治癒には関与していなかったことを示している。このSCの毎日のスケジュールは、IVの断続的スケジュールより明らかに劣っていた(ケージ番号2と比較して)。
ケージ番号6のマウスに、毎日のスケジュール(毎日6〜24)で、19.5mg/kg/注射で合計370.5mg/kgの化合物22b(Rエナンチオマー)を、SC投与した。このレジメンは、体重減少も死亡もなく、十分に許容された。このマウスは、SC注射後、震えなかった。この用量は、活性でなかった(0.4log死亡、−活性度)。このSCの毎日のスケジュールは、IVの断続的スケジュールより明らかに劣っていた(ケージ番号3と比較して)。
ケージ番号12のマウスに、化合物22c(Rエナンチオマー)を投与した。限定された薬物スプレーのみが、利用可能であり、従って、1用量レベルIVのみを試験し、そして1グループあたり4マウスのみを使用し得た。化合物22cを、断続的なスケジュール(6、9、12、15、18、21、24日目にそれぞれ1回/日)で、80mg/kg/注射で合計480mg/kgで、IV投与した。薬物スプレーが消耗したので、24日目の注射は省かれた。このレジメンは、体重減少も死亡もなく、十分に許容された。このマウスは、IV注射後、震えたが、この挙動は、数分間しか続かなかった。化合物22bで生じた震えよりも、この化合物のアナログでより少ない震えであった。Rエナンチオマーに神経筋毒性はなかった。この用量は高活性であった(3.1log死亡、3/4完全な回復、++++活性度)。化合物22cを用いたこの用量スケジュールは、この膵管腺癌に対して、化合物22bに対して顕著に有意であった。
ケージ番号13のマウスに、アドリアマイシンをポジティブコントロールとして投与した。歴史的に、アドリアマイシンは、この腫瘍に対して高活性である。7.5mg/kg/注射の用量を、合計15mg/kg(およそ最大の許容用量)で6日目および14日目にIVで投与した。これは、この試験において十分に許容であり、体重減少も死亡もなかった。予測されたように、この薬剤は活性であった(2.3log死亡;1/5CR、+++活性度)。
化合物22c(Rエナンチオマー)は、IVで与えられる断続的な用量スケジュール、化合物22bに対して顕著に有意であった。この断続的なスケジュールIVは、毎日の経口スケジュールに対して明らかに有意であった。
結果を表7に示す。
(試験H)
(メスBalb/cマウスの進行期結腸癌26に対する、XK−469、化合物22bおよび化合物22cのRエナンチオマーおよび化合物22cのRエナンチオマーの評価)
(Balb/cマウス)
この試験において、XK−469、化合物22cおよび化合物22bのRエナンチオマーを、メスのBalb/cマウスの進行期結腸癌26について比較した。化合物22cは、この結腸癌に対して、化合物22bまたは化合物XK−469よりも顕著に活性であった。ケージ番号2は400mg/kgで22b、そしてケージ番号4は400mg/kgで22cであった。両方は毒性であり、そしてこの表から省いた。
「*」(アスタリスク)は、腫瘍が高い転移性かつ毒性であり、実質的な体重減少を引き起こすことを示す。許容されたグループにおいて、体重減少は、腫瘍が実質的に嵌入する前に測定された。
XK469−R化合物、22b化合物および22c化合物の用量を、3%エタノール、1% POE−80、0.5%炭酸水素ナトリウムを使用して、全て同様に調製した。注射体積は、1匹のマウスあたり0.2mL、IVであった。サイトキサン(cytoxan)を、dHO中で調製し、そして1匹のマウスあたり0.2mLの体積でIV注射した。このマウスは、Balb/c雌マウスであった:DOB 2/12/01;DOA 3/27/01;DOT8/8/01、Rx投与の開始時で、平均24.7gの体重であった。この腫瘍は、結腸癌26であり(継代141)であった;移植の日8/8/01、そして30〜60mgフラグメントで両方のSCに移植された。全ての腫瘍は、6日目(始めのRxの日)で63〜171mgであった。
ケージ番号1:コントロール:予測されるような増殖、1.7日 Td。
ケージ番号3:22b;50mg/kg/注射を、6、8、10、13および15日目に合計250mg/kgでIVで与えた。これは、1/6の完全な回復および1.4log死亡(++活性度)を生じた。
ケージ番号5:22c:1回の注射当たり50mg/kgを、6日目、8日目、10日目、13日目および15日目に、IVに施した(総量250mg/kg)。このことは、55日目に、3/6に完全な退行、および3/6に腫瘍のない生存体を生じた。これらのマウスは、体重および骨格のサイズを増加させながら、良好な状態で生き残った。このマウスに、156日目にColon−26の30mg片を再移植した。この移植物は、首尾良く増殖し、このことは、免疫因子が最初の治癒には関与しなかったことを示す(++++の活性評点)。
ケージ番号6:XK469−R:1回の注射当たり80mg/kgを、6日目、8日目、10日目、14日目および16日目に、IVに注射した(総量400mg/kg)(歴史的なMTDは400〜450mg/kgの範囲内にある)。退行はなかった。この投薬量は、0.9logの殺傷を生じた(+の活性評点)。
ケージ番号7:XK469−R:1回の注射当たり50mg/kgを、6日目、8日目、10日目、13日目および15日目に、IVに施した(総量250mg/kg)。この用量は、不活性であった。
ケージ番号8:シトキサン(cytoxan)を、1回の注射当たり110mg/kgで6日目、および10日目に、IVに施した(総量220mg/kg)。有意な活性ななかった。処置が1日目(移植後の日)に開始される場合、歴史的にCytoxanはこの腫瘍に対して活性である。
これらの結果を表8に提示する。
本発明はここで、以下の非限定的な実施例によって例示される。
(実施例1)
([4−[(7−置換−2−キノリニル)オキシフェノキシ]−プロピオン酸の合成(スキームI〜III))
スキームIに示されるように、エチルビニルエーテル(2)およびオキサリルクロライド(3)の反応、それに続く脱炭酸反応による、trans−3−エトキシアクリロイルクロライド(4)のワンポット調製は、Tietzeら(Synthesis,1079−1080(1993))に記載されている。4を用いるメタ置換アニリン(5a−e)のアミド化(すなわち、6a−eへの転換)を、trans−N−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−3−エトキシプロペンアミドの調製についてのCampbellおよびRobertsによって記載された手順(米国特許第4,710,507号)に合わせて行った。後者trans−N−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−3−エトキシプロペンアミドの、5−置換キノリン−2−オール(8a−3)および7−置換キノリン−2−オール(7a−e)の混合物への環化は、濃硫酸中または濃塩酸中のいずれかで効果的であった(CampbellおよびRoberts)。次いで、この混合物を、オキシ塩化リンを用いて還流する際に、対応する2−クロロキノリン誘導体(9a−e)および(10a−e)へと変換した(CampbellおよびRoberts)。大部分の7−置換誘導体(9a−e)が、分別析出で位置異性体(10a−e)から分離した。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーの後、その残渣はさらに9a−cを生じた。
Figure 0004310185
スキームIIに例示されるように、2−クロロキノリン9a−cを、NaHまたはKCOのいずれかを使用して、DMF中で還流して、2−(4−ヒドロキシフェノキシプロピオン酸(20)とカップリングし、続いて酸性化して、酸を生じた(21a−e)。これらの酸をまた、金属水酸化物との反応によって、それらの金属塩(22a−e)へと転換し得る。XK469は(プロピオン酸部分のC−2に1つの立体化学中心を有する)、一般的に、ラセミ混合物の形態で調製される。21bおよび21cのR−(+)体を、9bおよび9cを用いて市販のR−(+)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸をエーテル化することよって調製した。21bおよび21cのR体のキラルHPLCは、これらが共に99%eeで得られたことを示した(図2を参照のこと)。
ラセミ体およびR体の21bのHPLC分離を、ASTEC Chirobiotic T250×4.6mmを使用して、65% HO、35% CHOH、20mM NHNO、1mL/分で、250nmで検出しながら、実行した。
(一般的な実験手順)
DMFに溶解した7−置換−2−クロロキノリンおよび2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸(1当量)の溶液(5mL/mmol)に、60% NaH(3当量)を少しずつで添加し、そしてこの混合物を2時間加熱して穏やかに還流させた。冷ました後、これを濃縮して固形物を得、これに水を添加し、そしてこの溶液をCeliteを通して濾過し、次いで水で洗浄した。濾液をエーテルで抽出し、そしてこの水層を1M HClを用いてpH3〜4まで酸性化した。冷ました後、固形物を収集し、乾燥し、AcOEに溶解し、そしてシリカゲルを通してろ過した。この濾液を、低容量に濃縮し、固形物を収集し、そしてAcOEt−ヘプタンから再結晶させた。
この反応をまた、NaHの代りにKCO(2.5当量)を使用して実行し得るが、その反応時間は約12時間まで増加される必要がある。
2−[4−[(7−フルオロ−2−キノリニル)オキシ]フェノキシ]プロピオン酸21a(0.14g、NaHを使用して43%)。明黄色結晶として。
Figure 0004310185
2−[4−[(7−クロロ−2−キノリニル)オキシ]フェノキシ]プロピオン酸21b(KCOを使用して84%)。白色結晶様。
Figure 0004310185
R−(+)−2−[4−[(7−クロロ−2−キノリニル)オキシ]フェノキシ]プロピオン酸を、市販のR−(+)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸から調製した。この生成物は、ラセミ体生成物と全ての点で同一であり、[α]25+19°C 0.5、0.1N NaOH)の旋光度を示した。
2−[4−[(7−ブロモ−2−キノリニル)オキシ]フェノキシ]プロピオン酸21c(0.69g、NaHを使用して70%)。白色結晶として。
Figure 0004310185
R−(+)−2−[4−[(7−ブロモ−2−キノリニル)オキシ]フェノキシ]プロピオン酸を、市販のR−(+)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸から調製した。この生成物は、ラセミ体生成物と全ての点で同一であり、[α]25+22.0°C 0.5、0.1N NaOH)の旋光度を示した。
2−[4−[(7−メチル−2−キノリニル)オキシ]フェノキシ]プロピオン酸21d(NaHより収率32%)。明黄色結晶として。
Figure 0004310185
2−[4−[(7−メトキシ−2−キノリニル)オキシ]フェノキシ]プロピオン酸21e(KCOより収率66%)。明黄色結晶として。
Figure 0004310185
(実施例2)
以下は、ヒトにおける治療的使用または予防的使用のための、式Iの化合物(「化合物X」)を含む代表的な薬学的投薬形態を例示する。
(i) 錠剤1 mg/錠剤
「化合物X」 100.0
ラクトース 77.5
ポビドン 15.0
クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム 12.0
微結晶性セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0
(ii) 錠剤2 mg/錠剤
「化合物X」 20.0
微細結晶セルロース 410.0
デンプン 50.0
デンプングリコール酸ナトリウム 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0
(iii) カプセル mg/カプセル
「化合物X」 10.0
コロイド状二酸化ケイ素 1.5
ラクトース 465.5
予めゼラチン化したデンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0
(iv) 注射剤 1(mg/ml) 1mg/ml
「化合物X」(遊離酸形態) 1.0
第二リン酸ナトリウム 12.0
第一リン酸ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0N 水酸化ナトリウム溶液 q.s.
(7.0から7.5にpHを調製)
注射用水 q.s. ad 1mL
(v) 注射剤 2(10mg/ml) mg/ml
「化合物X」(遊離酸形態) 10.0
第一リン酸ナトリウム 0.3
第二リン酸ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール400 200.0
01N 水酸化ナトリウム溶液 q.s.
(7.0から7.5にpHを調製)
注射用水 q.s. ad 1mL
(vi) 噴霧剤 mg/缶
「化合物X」 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0
ジクロロジフルオロメタン 10,000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0
上記の処方物は、薬学的技術において周知の従来の手順によって得られ得る。
全ての刊行物、特許および特許文書は、本明細書中で、個々に参考として援用されるように、参考として援用される。本発明は、種々の特定かつ好ましい実施形態および技術に関して記載されている。しかし、本発明は、本発明の本質および範囲の中にある状態で、多くの種々の改変がなされ得ることが、理解されるべきである。
Figure 0004310185
Figure 0004310185
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Figure 0004310185
Figure 0004310185
Figure 0004310185
Figure 0004310185
Figure 0004310185
図1は、Chirobiotic T250×4.6mm、65%HO、35%CHOH、20mM NHNOを、1mL/分で用い、250nmで検出した、ラセミ化合物21b(スキームII)および化合物21bのR−エナンチオマーのHPLC分離を示す。

Claims (14)

  1. 以下の式Iの化合物であって:
    Figure 0004310185
    ここで、Yは、F、Cl、Br、メチルもしくはメトキシである化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩。
  2. YがFである、請求項1に記載の化合物。
  3. YがClである、請求項1に記載の化合物。
  4. YがBrである、請求項1に記載の化合物。
  5. Yが−OMeである、請求項1に記載の化合物。
  6. Yがメチルである、請求項1に記載の化合物。
  7. メチル基を保有する炭素が(R)配置にある、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. メチル基を保有する炭素が(S)配置にある、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 2−[4−(7−クロロキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロパン酸である、請求項1に記載の化合物。
  10. (R)2−[4−(7−クロロキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロパン酸である、請求項1に記載の化合物。
  11. 薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアと組み合わせた、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む、組成物
  12. 医学的治療における使用のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  13. 哺乳動物における癌の治療のための医薬の製造のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  14. 哺乳動物における癌を処置する際に使用するための組成物であって、該組成物有効量の請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を含有する、組成物
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