JP4309961B1 - 入隅連結金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】非常に強固な入隅構造部を、狭い隅部においても実現することが可能な入隅連結金具を提供することを目的とする。
【解決手段】入隅柱81と壁部材84A,84Bを連結するための入隅連結金具1であって、矩形状の金属板が、一の中央線に沿って直角に折り曲げられることによって2側面を有し、前記2側面の所定の位置に複数のコの字状の切り込みを入れた後、曲げ起すことによって複数の柱取付け部1bが形成され、前記複数の柱取付け部には、入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビス30が挿入される穴1cが形成されていることを特徴とする入隅連結金具。
【選択図】図1
【解決手段】入隅柱81と壁部材84A,84Bを連結するための入隅連結金具1であって、矩形状の金属板が、一の中央線に沿って直角に折り曲げられることによって2側面を有し、前記2側面の所定の位置に複数のコの字状の切り込みを入れた後、曲げ起すことによって複数の柱取付け部1bが形成され、前記複数の柱取付け部には、入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビス30が挿入される穴1cが形成されていることを特徴とする入隅連結金具。
【選択図】図1
Description
本発明は、入隅柱と壁部材の連結に使用する入隅連結金具に関する。
入隅柱に当て木を取付けてこの当て木に壁下地材としての胴縁や下地板の端部を取付ける入隅部構造が知られている。壁下地ボードを用いる場合の入隅部構造の一例を図7により説明する。図7において、80は土台、81は入隅柱、82は間柱、83はベニヤ等の床下地材、84A,84Bは石膏ボード等の壁下地ボードである。入隅柱81の入隅部形成側に位置する角部85を境とした入隅柱81の二つの柱側面86,87に当て木88a,88bを取付けて、入隅柱81の角部85に対する対頂角部としての入隅下地角部89を形成し、入隅下地角部89を形成する当て木88a,88bの側面90a,90bに壁下地ボード84A,84Bの端部84a,84bをタッピングスクリューのようなビス91等の固定材で取付けて入隅部92を形成する。そして、壁下地ボード84A,84Bの表面に図外のクロス等の壁仕上げ材を貼り付けて壁を仕上げる。入隅柱81は例えば木製の角柱により形成され、当て木88a,88bは例えば木製の角棒により形成される。このような入隅部構造では、当て木88a,88bが木製の材料であるため品質が安定せず、当て木88a,88bの側面における凹凸や当て木の反りの存在によって、壁下地ボード84A,84Bの端部84a,84bを当て木88a,88bの側面90a,90bに強固に密着させることができない場合がある。また、経年変化、例えば、当て木88a,88bの乾燥収縮等の影響により当て木88a,88bに反り等が発生して、入隅部92における壁面に狂いやチリキレが生じやすくなる。
この問題を解決するため、例えば特許文献1には入隅柱と壁部材との連結具の技術が開示されている(図8参照)。
本発明による入隅柱と壁部材との連結具100は、入隅柱の入隅部形成側に位置する角部を境とした入隅柱の二つの柱側面のうちのいずれか一方の柱側面に取付けられる柱取付け部20と、入隅下地角部28を形成する二つの壁部材取付け部21,22とを有し、柱取付け部20に入隅柱の角部との一致確認用の貫通孔8を備えた。
図9に示すように、入隅柱81の角部85を境とした入隅柱81の二つの柱側面86,87のうちのいずれか一方の柱側面86に連結具100の柱取付け部20をタッピングスクリューのようなビス30等で取付ける。これにより、第1の壁部材取付け部21の壁部材取付け面25と第2の壁部材取付け部22の壁部材取付け面26とで入隅柱81の角部85に対する対頂角部をなす入隅下地角部28が形成される。
そして、図10に示すように、壁部材取付け面25に壁部材としての壁下地ボード84Aの端部84a側をタッピングスクリューのようなビス91等で取付け、その後、壁部材取付け面26に壁部材としての壁下地ボード84Bの端部84b側をビス91等で取付けることで、壁下地ボード84Aと壁下地ボード84Bとで入隅部31が形成される。そして、壁下地ボード84A,84Bの表面に図外のクロス等の壁仕上げ材を貼り付けて壁を仕上げる。
特開2005−336800号公報
しかし、上記連結具100の柱取付け部20が入隅柱81の一面にのみ固定されるので、強度上十分とは言えない。また、柱取付け部20が柱側面86ではなく柱側面87に取付けなければならない場合、間柱82が障害となってビス30で連結具を取付けられないという問題があった。
本願発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、非常に強固な入隅構造部を、狭い隅部においても実現することが可能な入隅連結金具を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するため、以下(1)〜(3)の構成を備えるものである。
(1)入隅柱と壁部材を複数のビスを用いて連結するための入隅連結金具であって、矩形状の金属板が、一の中央線に沿って直角に折り曲げられることによって2側面を有し、前記2側面の所定の位置に複数のコの字状の切り込みを入れた後、曲げ起すことによって複数の柱取付け部と、前記2側面に複数の矩形状の穴が形成され、前記複数の柱取付け部には、入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビスが挿入される穴が形成され、前記入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビスは、前記複数の矩形状の穴を貫通した後、前記前記複数の柱取付け部の穴に挿入されることを特徴とする入隅連結金具。
(2)前記2側面が、長辺方向に沿って補強部材により補強されていることを特徴とする前記(1)記載の入隅連結金具。
(3)入隅柱と壁部材を複数のビスを用いて連結するための入隅連結金具であって、矩形状の金属板が、長手方向に複数回折り曲げられることにより4個の側面を有し、前記4個の側面のうち隣接する2個の側面には入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビスが挿入される穴が複数形成され、他の2個の側面には前記ビスが挿入される穴と対向する位置に前記ビスが貫通する所定形状の穴が形成されていることを特徴とする入隅連結金具。
本発明は、上記構成を有することで、狭い隅部においても強固な入隅構造部を実現することが可能な入隅連結金具を提供することが可能となる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
以下、この発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
図1は入隅連結金具A,1を示す斜視図である。この連結金具1は、矩形状の例えば金属板をその幅方向の中央部で直角に折ったものを基本としている。この折られた両側面は壁部材取付け部1g,1hとなる。更に、この両側面の所定箇所に柱取付け部1bが千鳥状に形成されている。この柱取付け部1bには、本連結具1を柱にビス等で固定するための角穴1cが設けられている。この角穴1cの幅は、締結ビスの頭部の直径よりは小さくビス径よりは大きいものとする。
この柱取付け部1bは、金属板に切込み1e,1dを形成した後、曲げ基準線1fに沿って曲げ起すことによって形成される。したがって、この連結金具AをL字状に曲げる前に予め板の状態で、切込み1e,1d及び角穴1cを加工しておくことが望ましい。なお、この連結金具Aの長さLは、入隅部の状態によって決定されるものである。また、柱取付け部1bの個数も2個に限定されるものではなく、複数設けるであってもよい。更に、壁部材取付け部1g,1hは、入隅部に障害物がある場合には、所定の切り欠きを有していてもよい。また、図1(c)に示したように、補強材1iを用いて連結金具Aを補強してもよい。図1(b)は、図1(a)の連結金具Aを垂直軸に沿って180度回転した状態を示している。
図2は入隅連結金具の他の例である入隅連結金具B,2を示す斜視図である。この連結金具Bは、連結金具Aのように柱取付け部は曲げ起された形状ではない。この連結金具Bは、矩形状の金属板を複数回折り曲げられることによって、その断面形状が十字状に形成されている。本実施例の連結金具Bでは5回曲げられている。したがって、板体が1枚の壁体と、2枚の壁体がそれぞれ2個形成されることになる。この板体が1枚の壁体には角穴2bが、板体が2枚の壁体には角穴2aが設けられている。この角穴2aと角穴2bは相互に隣接しているものとする。この角穴2bが設けられている壁体は柱取付け部2dとなり、角穴2aが設けられている壁体は壁部材取付け部2cとなる。
なお、角穴2bの幅は、連結金具Aの角穴1cの幅と同様に、締結ビスの頭部の直径よりは小さくビス径よりは大きいものとする。そして、角穴2aの大きさは角穴2bの大きさよりも十分に大きいものとする。
図2(b)は、連結金具Bを垂直軸を中心に、時計方向に90度回転させた状態を示し、図2(c)は、反時計方向に90度回転させた状態を示している。また、角穴2a、2bの数と、長さLに関しては、連結金具Aと同様に適宜決められるものである。壁部材取付け部2c、柱取付け部2dは障害物がある箇所で切り欠かれてもよい。また、図1の入隅連結金具Aと同様に補強材で補強してもよい。
上記入隅連結金具A、1が、入隅柱81に固定される状態を図3を用いて説明する。この場合、入隅柱81の近傍に間柱82があって図のAの方向からはドライバー等の工具が入らない状態である。そのため、木ネジ等のビス30を図に示した大きな角穴の方向から挿入し、ドライバーで締め込む。勿論、間柱82が存在しない状態では、図のA方向からドライバーを入れてもよい。入隅柱81の床底部は、間柱がないのでB方向からドライバーを挿入して連結金具Aを入隅柱81に固定すればよい。
図4は、図3の入隅連結金具Aが入隅柱81に固定された状態から壁下地ボード84A、84Bを取付けた状態を示す図である。91は、壁固定用のタッピングスクリューであるである。図4では、壁下地ボード84Bは間柱82にも固定されている。この場合、連結金具Aは入隅柱81の柱面の2側面に固定されているため、壁下地ボードも強固に固定されることになる。また、間柱82があっても壁の設置作業には全く支障がない。
図5は、入隅連結金具B、2を入隅柱81に固定した状態を示す図である。この場合も、間柱82が存在し図のA方向からはドライバーが挿入できないものとする。連結金具Bは、ビス30を矢印の方向に挿入し入隅柱81に固定される。また、B方向からも固定される。この場合の固定箇所は、連結金具Aよりも多いためより強固に連結金具Bが入隅柱に固定される。
図6は、図5の入隅連結金具Bが入隅柱81に固定された状態から壁下地ボード84A、84Bを取付けた状態を示す図である。この場合も、壁下地ボード84A、84Bがタッピングスクリュー91で固定されている。
この場合も、連結金具Bは入隅柱81の柱面の2側面に固定されているため、壁下地ボードも強固に固定されることになる。また、間柱82があっても壁の設置作業には全く支障がない
以上説明したように、本実施例の入隅連結金具A,Bを使用すれば、間柱等の障害物が存在する限られた空間の入隅部であっても、壁ボードを強固に入隅柱に固定でき、強固な入隅構造部を形成できる。
以上説明したように、本実施例の入隅連結金具A,Bを使用すれば、間柱等の障害物が存在する限られた空間の入隅部であっても、壁ボードを強固に入隅柱に固定でき、強固な入隅構造部を形成できる。
1 入隅連結金具A
1a,1c 角穴
1b 柱取付け部
1d,1e 切込み
1f 曲げ基準線
1g,1h 壁部材取付け部
1i 補強材
2 入隅連結金具B
2a,2b 角穴
2c 壁部材取付け部
2d 柱取付け部
30 ビス
80 土台
81 入隅柱
82 間柱
83 床下地材
83A,83B 壁下地ボード
91 ビス
100 従来の連結具
L 入隅連結金具の長さ
1a,1c 角穴
1b 柱取付け部
1d,1e 切込み
1f 曲げ基準線
1g,1h 壁部材取付け部
1i 補強材
2 入隅連結金具B
2a,2b 角穴
2c 壁部材取付け部
2d 柱取付け部
30 ビス
80 土台
81 入隅柱
82 間柱
83 床下地材
83A,83B 壁下地ボード
91 ビス
100 従来の連結具
L 入隅連結金具の長さ
Claims (3)
- 入隅柱と壁部材を複数のビスを用いて連結するための入隅連結金具であって、
矩形状の金属板が、一の中央線に沿って直角に折り曲げられることによって2側面を有し、
前記2側面の所定の位置に複数のコの字状の切り込みを入れた後、曲げ起すことによって複数の柱取付け部と、前記2側面に複数の矩形状の穴が形成され、
前記複数の柱取付け部には、入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビスが挿入される穴が形成され、
前記入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビスは、前記複数の矩形状の穴を貫通した後、前記前記複数の柱取付け部の穴に挿入されることを特徴とする入隅連結金具。 - 前記2側面が、長辺方向に沿って補強部材により補強されていることを特徴とする請求項1記載の入隅連結金具。
- 入隅柱と壁部材を複数のビスを用いて連結するための入隅連結金具であって、
矩形状の金属板が、長手方向に複数回折り曲げられることにより4個の側面を有し、
前記4個の側面のうち隣接する2個の側面には入隅連結金具を前記入隅柱に固定するためのビスが挿入される穴が複数形成され、他の2個の側面には前記ビスが挿入される穴と対向する位置に前記ビスが貫通する所定形状の穴が形成されていることを特徴とする入隅連結金具。
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2008
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