JP4307943B2 - 立体マスク - Google Patents
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しかしながら、人の顔面には、口や鼻などの凸出部分があるため、上記マスクは、平面状シートと顔面との間に隙間ができ易く、その隙間から埃・花粉等が侵入し易いという問題を有している。また、上記マスクは、女性が着用した場合に口紅が付着するという問題を有している。
そのため、埃・花粉等の侵入や口紅の付着を十分に抑制するために、鼻や口などを収容するように前方に膨出した立体マスクが種々提案されている。
しかし、前記立体マスクは、マスク本体に複数の部材が使用されており、製造工程が煩雑であるという問題を有している。また前記接合部分が、非接合部分よりも固くなるため鼻などに追従して変形しにくく、該立体マスクを着用すると、鼻に前記接合部分の圧接跡が付くという問題を有している。
しかし、該マスクも別途フレーム部材が必要であり、製造工程が煩雑でコストがかかるという問題を有している。
かかる立体マスクは、鼻や口などを収容するように前方に膨出させた立体形状であるため、凸出部分の影響を受け難く埃・花粉等が侵入し難い。
また、平面状シート上に配された接合面を接合して重ね部を形成することで立体マスクが形成されるため、複数部材を用いる必要がなく、簡単に立体マスクを製造できる。
更に、前記重ね部は、比較的固く、顔面形状に追従して変形し難いところ、該重ね部が、着用者の鼻に当たらない位置に配されているため、仮に前記マスク本体が鼻に当接しても鼻に圧接跡が付きにくいという効果を奏する。
かかる立体マスクは、該重ね部により該マスクの口の前方位置が補強されて、呼吸の吸引時に該位置が陥没し、吐出時に元に戻るという動作を繰り返すことが防止され、着用感が良好となる。
かかる立体マスクは、前記少なくとも一対の接合面が着脱可能とされているため、非着用時には平面状シートにでき、製品の保管輸送時は勿論、着用者もかさばらずに持ち運びできるという効果を奏する。
図1に示すように、本実施形態にかかる立体マスク1は、着用者の鼻及び口を覆うマスク本体3と、該マスク本体3の両側部に取り付けられた装着紐5とから構成されている。
前記マスク本体3は、着用者の鼻や口を覆うように前方に膨出した立体形状、具体的には略円錐形状を成している。
前記重ね部4は、立体マスク1の着用時に着用者の鼻に当たらない位置、詳しくは着用者の口の前方位置にくるように配されている。
該重ね部4は、マスク本体3の略中心部から下端部まで延在しており、下方に向いて幅が広がるようにテーパー状の形態を成している。
前記平面シート2に使用される素材は、通気性及び可撓性があれば特に制限されるものではない。
但し、呼吸のしやすさ、肌触り、更に吸湿性、皮膚刺激性等を条件に含めると、不織布、ガーゼ等が好ましい。皮膚刺激の観点から言えば天然素材、例えば綿、麻、ウール等の植物性・動物性繊維を含んだものが好ましい。天然繊維100%でなくともレーヨン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル等の化学繊維を混紡したものも使用できる。
しかし、本実施形態の立体マスク1では、前記各種機能を有する平面シート2から直接立体マスク1を形成できるため十分に該各種機能を発揮できる。
前記平面シート2は、少なくとも一対の接合面を接合して重ね部4を形成することにより前方に膨出した立体形状に形成されるシート本体6と、前記装着紐5を固定する前記シート本体6の両側方部に形成されている紐固定部8とから構成されている。
また、前記平面シート2には、前記シート本体6の上方に立体マスク1として着用したときに鼻と頬の隙間を塞ぐように形成された上方延在部が備えられている。
前記シート本体6には、少なくとも一対の接合面7が設けられており、該接合面7は、該シート本体6の略中心部から下方に向かってテーパー状に広がりながら延びている。
前記接合面7には、前記重ね部4を形成しうるように着脱可能な接合手段が備えられている。
前記着脱可能な接合手段としては、例えば、面ファスナー、テープ、ボタン或いは粘着剤等を使用することができる。
前期紐固定部8に紐等を固定する方法としては、例えば、装着紐5を挟み込むようにして該紐固定部8を折り曲げてシート本体6に接着剤或いは熱融着する方法を挙げることができる。
に示すように平面シート2の下部に逆V字状の切り欠きが形成されており、対向する切り欠き縁部が接合面とされてなるものであってもよい。また、図3(ロ)に示すように
平面シート2の略中央部から下方に延びる切れ込み13が形成されており、対向する該切り込み13の縁部が接合面とされてなるものであってもよい。
図4に示すように、ロール状の原反9から送り出し手段10により長尺状のシート11(例えば、不織布等)を図示右方向に送り出し、所定形状に成型された切断手段12(例えば、トムソン加工等)により切断と同時に接合面7の折り目或いは切れ込み13を施す。
次いで、打ち抜いたシートの接合面7に着脱可能な接合手段(例えば、面ファスナー等)を施すことにより連続して平面シート2を製造することができる。
前記切断手段12としては、トムソン加工以外にプレス、ヒートカット等の公知の方法を用いることもできる。
尚、トムソン加工とは、トムソン型を用いた打ち抜き加工のことをいい、トムソン型とは、ベースとなる板に溝を掘り、溝の部分に刃を入れた型のことをいう。
また、紐のかけかたも頭の後ろへ回す方法、頭の後ろでくくる方法、耳にかける方法等がある。
図5(イ)は、平面シート2の接合面7を拡大した図である。
図5(ロ)は、接合面7を重ね合わせる途中の状態、即ち前記表側接合面7aと前記裏側接合面7b及び前記表側接合面7a’と前記裏側接合面7b’とが重なり合うように(細矢印)左右から引き寄せている状態(太矢印)を示した概略図である。
図5(イ)(ロ)に示すように、平面シート2の接合面7(7a,7a’,7b,7b’)に配された面ファスナーを前記表側接合面7aと前記裏側接合面7b及び前記表側接合面7a’と前記裏側接合面7b’とが重なり合うように(細矢印)折り線A、A’を谷折りに、折り線B、B’を山折りにして左右から引き寄せる(太矢印)ようにして重ね合わせる。
上記操作により、平面シート2のシート本体6が立体形状に形成されて、マスク本体3となり立体マスク1が形成される。
例えば、図3(イ)の場合には、逆V字型に切断された両縁部の一方が表面側で、他方が裏面側に配された接合面7を重なり合うように左右から引き寄せて接合面を接合すれば立体マスク1を形成できるし、図3(ロ)の場合も前述と同じ方法で切れ込み13の両部分を引き寄せて接合面を接合すれば立体マスク1を形成できる。
図6(イ)は、本実施形態にかかる立体マスク1を着用した場合の側面図を示したものである。
該立体マスク1を着用者顔面の鼻及び口を覆う領域に装着し耳に紐固定部8に固定した装着紐5をかければ着用者の顔面から落ちることなく着用できる。
前述したように、前記平面シート2は、立体マスク1を形成させたときに該立体マスク1が着用者の顔面に密着する形状に切断されているため埃・花粉等の侵入を阻止することができる。
面ファスナー等の接合手段で接合された前記重ね部4は、着用者顔面の口の前方位置に位置されるようになっている。
前記重ね部4は、前記立体マスク1の着用時に着用者顔面の両頬骨を結んだ横軸線と着用者の顔面縦中心軸との交点より下方であって、且つ該顔面縦中心軸に対して左右対称位置に配されている。
平面シート2の接合面を接合させることで前記立体マスク1を形成できるため製造が簡単でコストもかからない利点を有する。
また、着用者が、長時間前記立体マスク1を着用していても鼻に前記重ね部4が当たらないため鼻に圧接跡が付くことがなく着用感に優れている。
更に、前記重ね部4により、該立体マスク1の口の前方位置が、シートが複数枚積層されている構造となっているため強度が増しており、呼吸の吸引時に該位置が陥没し、吐出時に元に戻るという動作を繰り返すことを防止することもできる。
更に、使用後は、着脱自在に設けられた接合手段である面ファスナーを外すことにより前記平面シート2に戻るため、かさばらずに持ち運びができ、且つ型くずれすることもない。
尚、ここで使用した抗ウィルスフィルターは、目付20g/m2のPPメルトブロー不織布(東レ製)と目付50g/m2のPETスパンレース不織布(シンワ製)との間に300〜500μmの非晶質リン酸カルシウムを担持させた目付約100g/m2のフィルターである。
本実施例の立体マスクは、接合面の固定をマジックテープ(商標名)で行うことで着脱自在となり、着用時には立体マスクに、非着用時には平面シートになる。
それにより非着用時には、持ち運び等が容易となる。
また、重ね部が着用者の口部の前方にくるよう配されており、該重ね部が着用者の鼻に当たらないため鼻に圧接跡が付くことがなく、しかも前記重ね部により呼吸の吸引時に該立体マスクの一部が陥没し、吐出時に元に戻るという動作を繰り返すことを防止することができる。
更に、機能性(例えば、ウィルス除去、帯電加工等)を有する不織布等を単独或いは積層したシートから直接立体マスクを形成できるのでそれらの機能を十分に発揮させることができる。
2 平面シート
3 マスク本体
4 重ね部
5 装着紐
6 シート本体
7 接合面
8 紐固定部
Claims (3)
- 着用者の鼻及び口を覆うマスク本体を備え、
該マスク本体は、互いに接合可能な少なくとも一対の接合面を有する一枚の平面状シートで形成され、前記少なくとも一対の接合面を接合して重ね部を形成することにより前方に膨出した立体形状に形成されるとともに、上端の中央部両側に鼻と頬の隙間を塞ぐように形成された上方延在部を備え、前記重ね部は、着用者の鼻に当たらないようにマスク本体の下端側に配され、一対の接合面は、それぞれが下端に向かって広がったテーパー状に形成されるとともに、一方の接合面が他方の接合面に向けて折り返されるように形成され、しかも、縦中心軸に対して左右対称に二組設けられ、各組の一方の接合面を縦中心軸側にある他方の接合面に接合することで前記重ね部が形成されていることを特徴とする立体マスク。 - 前記重ね部が、立体マスク着用時に着用者の口の前方位置にくるように配されてなる請求項1記載の立体マスク。
- 前記少なくとも一対の接合面は、着脱可能とされてなる請求項1又は2に記載の立体マスク。
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