JP4372614B2 - 立体マスク - Google Patents
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そこで、特開平09−149946号公報に開示されているように、口許及び鼻腔とを被覆する低伸縮性の不織布を積層してカップ状にした覆い部を形成すると共に、その両端へ高伸縮性の不織布を用いた耳掛け部を連設して構成した立体マスクがある。このマスクによって、ガーゼ若しくは不織布が口に当接して不快感を感じる問題は解決された。
両部材は共に通気性を有する不織布から形成され、
前記マスク本体は、不織布からなり、口許及び鼻孔周辺を覆うカバー部と、該カバー部の左右両端に連設される耳掛け部が形成され、
前記シートカップは前記マスク本体よりも低伸縮性を有する不織布からなり、少なくとも鼻孔及び口部を覆い、かつ前記カバー部よりも上下の長さが短く形成されて、
前記シートカップの上側縁部と前記カバー部の上側縁部との間及び前記シートカップの下側縁部と前記カバー部の下側縁部との間には、帯部が区画形成されるようにし、
可撓性と非弾性を備えた合成樹脂材からなる短冊状に形成した左右一対の補強片を前記シートカップの左右上端部に沿って所定間隔を空けて前記シートカップに重なる状態で取り付け、
前記シートカップが口許を被覆する際に該補強片が左右の小鼻上部に位置するようにして、該補強片が前記シートカップの上縁部分を補強すると共に鼻部の曲線形状に沿って撓み、前記シートカップの上縁部分が顔面に密着するようにしたことを特徴とする。
また、シートカップの外側面上端に可撓性と非弾性を備えた合成樹脂材からなる一対の短冊状補強片を所定間隔で取り付けた。これによって、シートカップが当接する上顎側の縁部を補強しカップ形状を保持することができる。そのためシートカップは鼻孔或は口に密着せず、会話や呼吸を楽に行なうことができる。一方、所定間隔を空けて左右に分けた補強片は鼻の頂部を圧迫せずに鼻部の曲線形状に沿って撓むようにした。したがって、シートカップとマスク本体を形成する不織布の上端中央部分は左右補強片間の隙間で鼻梁部に密着することができ、かつシートカップの上縁部分は個体差のある顔面形状に合わせて密着することができる。また、補強片を形成する合成樹脂材が非弾性を備えるため、一度小鼻部分の形状に合わせて補強片を撓ませると、該補強片はその形状を保持することができる。したがって、補強片が復原してシートカップ上端部分を小鼻部分から浮き上がらせることは無く、顔面への密着状態を保持することができる。
マスク本体は、その構成する繊維を高密度に積層すると共に高伸縮性を備える不織布を、略三角形に裁断した一対の側面部からなり、左右側面部の所定位置へ耳掛け部を形成し、一方の側面部の端部と他方の側面部の対向する端部を接合して、口許及び鼻孔周辺を覆うカバー部が形成される。
シートカップは低伸縮性を有する不織布を略四角形に裁断した一対のフィルタ部からなり、一方のフィルタ部の端部と他方のフィルタ部の対向する端部を接合した一端に対し、接合していない他端を拡開してカップ状に形成すると共に、鼻孔及び口部を覆うように前記カバー部に収まる。したがって、前記シートカップと前記カバー部との上下側縁部の間に帯部が区画形成される。
また、可撓性と非弾性を備えた合成樹脂材からなる短冊状に形成した左右一対の補強片を前記シートカップの左右上端部に沿って所定間隔を空けて取り付ける。
そして、上側縁部16と下側縁部17とが係合し形成する角部の所定位置に、カバー部14に向かって幅が漸増するように、略三角形の耳掛け部13が不織布を切除して形成される。
また、左フィルタ21及び右フィルタ22の上端部27に沿って、可撓性と非弾性を備えた合成樹脂板材を短冊状に成形した左補強片23及び右補強片24が左右フィルタ21,22の外側面に接着される。前記合成樹脂板材はポリオレフィン系合成樹脂からなり、分子配列を一軸方向に配列制御しテープ状に形成したものであって、針金のように可撓性と変形後の形状保持機能を備えたものである。前端部25から所定の間隔Dを空けて接着した補強片23,24は、左右フィルタ21,22を拡開したときにフィルタが折れ曲がって変形することを防ぎ、シートカップ20の周縁部の上顎側を補強し、さらに小鼻部分の形状に沿って撓みその形状を保持する。
このときマスク本体10Aはシートカップ20よりも伸縮性の高い不織布で伸縮自在に形成されている。マスク本体10Aよりも伸縮しない不織布で形成されるシートカップ20は、耳掛け部13を耳に掛けた際に、マスク本体10Aのカバー部14に押圧されても圧潰しない。したがって、シートカップ20はマスク本体10Aに包み込まれて保持され、カバー部14周縁に区画形成された上帯部18と下帯部19は伸縮して顔面の凹凸に合わせて密着する。そして、撓んだ左右補強片23,24はその形状を保持する。
また、シートカップ20の左右フィルタ21,22は、不織布の目の粗さを変更すること、抗菌及び消臭作用を持たせること、及び保湿効果を持たせること等、使用目的によって最適なフィルタが選択可能である。
また、立体マスク10は、マスク本体10Aへシートカップ20を貼着して構成される。したがって、シートカップ20を選択可能として、使用目的に対応することができる。さらにマスク本体10A及びシートカップ20は接合部分を中心に左右対称に形成されているため、2枚重ねにした不織布を型抜きし、一端を接合することで目的の形を得る。したがって、作業工程の簡略化が可能である。
そして、シートカップ20の外側面上端に合成樹脂材からなる補強片23,24を前端部25から間隔Dを設けて接着した。これら補強片23,24は可撓性と非弾性を備えており、シートカップ20の周縁部で、口を開く際に上下に動かない上顎部で左右フィルタ部21,22が折れ曲がるのを防ぎ、シートカップ20を補強する。さらに補強片23,24は小鼻部の曲線形状に沿って撓み、かつマスク本体10Aに押圧されることで、シートカップ20の上縁部分が顔表面に密着する。加えてマスク本体10Aを口許から外しても一度撓んだ左右補強片23,24は弾性がないためその形状を保持する。したがって左右補強片23,24は元の形状に復原しないため、シートカップ20の上縁部分が小鼻から浮き上がらず、密着状態を保つことができる。
また前端部25から間隔Dを設けて補強片23,24を接着したため、立体マスクを形成する不織布のシートカップ20とマスク本体10Aの上端中央部分は個体差のある鼻形状に沿って密着する。
そして、シートカップ20とマスク本体10Aの接合部分を緩やかに外側へ膨らむカーブとした。そのため、立体マスク10は左右に開くと接合部分の上端が下方へ、下端が上方へ引っ張られカップ状に形成される。したがって、口とフィルタ部の間に空間が生じ、会話や呼吸を容易に行なうことができる。
20…シートカップ、21…左フィルタ、22…右フィルタ、23…左補強片、24…右補強片、25…前端部、25a…前端部の溶着による突条、26…後端部、27…上端部、28…下端部。
D…左補強片と右補強片との間隔。
Claims (1)
- マスク本体と該マスク本体内側に貼着されるシートカップから構成され、
両部材は共に通気性を有する不織布から形成され、
前記マスク本体は、不織布からなり、口許及び鼻孔周辺を覆うカバー部と、該カバー部の左右両端に連設される耳掛け部が形成され、
前記シートカップは前記マスク本体よりも低伸縮性を有する不織布からなり、少なくとも鼻孔及び口部を覆い、かつ前記カバー部よりも上下の長さが短く形成されて、
前記シートカップの上側縁部と前記カバー部の上側縁部との間及び前記シートカップの下側縁部と前記カバー部の下側縁部との間には、帯部が区画形成されるようにし、
可撓性と非弾性を備えた合成樹脂材からなる短冊状に形成した左右一対の補強片を前記シートカップの左右上端部に沿って所定間隔を空けて前記シートカップに重なる状態で取り付け、
前記シートカップが口許を被覆する際に該補強片が左右の小鼻上部に位置するようにして、該補強片が前記シートカップの上縁部分を補強すると共に鼻部の曲線形状に沿って撓み、前記シートカップの上縁部分が顔面に密着するようにしたことを特徴とする立体マスク。
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