JP4307852B2 - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents

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    • F16C2326/02Wheel hubs or castors

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の駆動車輪を支持するための駆動車輪用軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置は、燃費向上のための軽量化が進んでいる。特に、後輪駆動車の後輪、前輪駆動車の前輪、あるいは4輪駆動車の全輪といった自動車の駆動車輪用軸受装置においては、さらに操縦安定性のため、剛性アップを図るユニット化が急速に進んでいる。
【0003】
従来の駆動車輪用軸受装置は、図7に示すように、ハブ輪50と複列の転がり軸受60と等速自在継手70とをユニット化して構成している。複列の内側転走面のうち一方の内側転走面51をハブ輪50の外周に形成し、他方の内側転走面72を等速自在継手70の外側継手部材71の外周にそれぞれ形成している。ハブ輪50は、円筒部52の一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ53を一体に有し、この車輪取付フランジ53の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト54を植設している。円筒部52の車輪取付フランジ寄りの外周に前記内側転走面51を形成している。
【0004】
等速自在継手70は外側継手部材71と、図示しない継手内輪、ケージ、およびトルク伝達ボールとからなる。外側継手部材71はカップ状のマウス部73と、このマウス部73の底部をなす肩部74と、この肩部74から軸方向に延びるステム部75を有し、マウス部73の内周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝76を形成すると共に、肩部74の外周に前記内側転走面72を形成している。この肩部74にハブ輪50の円筒部52の端面を突合せた状態で、ステム部75をハブ輪50の円筒部52に内嵌している。このようにハブ輪50と外側継手部材71との軸方向の位置決めをすることにより、内側転走面51、72の溝ピッチを規定し、軸受内部すきまを設定している。また、ステム部75は、マウス部73と連通した貫通孔77を設けることにより中空としている。このため、マウス部73に充填した潤滑グリースの漏洩を防止するため、貫通孔77のマウス部73側端部にはエンドプレート78を装着している。
【0005】
複列の転がり軸受60は、外方部材61と複列の転動体62を備えている。外方部材61は外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ63を一体に有し、内周には複列の外側転走面64、64を形成している。これら外側転走面64、64と、これに対向するハブ輪50の内側転走面51、および外側継手部材71の内側転走面72間に、保持器65、65によって複列の転動体62、62を転動自在に保持している。また、外方部材61の端部にはシール66、67を装着し、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。
【0006】
ハブ輪50の内径には硬化させた凹凸部55を形成し、ステム部75の嵌合部75bを拡径することにより、この嵌合部75bを凹凸部55に食い込ませ、外側継手部材71とハブ輪50とを一体に塑性結合している。このような拡径をプレス加工により行う場合、図8に示すように、ステム部75をハブ輪50の円筒部52に内嵌した後、受け部材80によりハブ輪50の車輪取付フランジ53の側面を支持すると共に、ハブ輪50の外径部を拘束した状態で、加締治具(ポンチ)81を貫通孔77に押し込むことにより拡径させる。この加締治具81は、ステム部75の貫通孔77の内径よりも僅かに大径に形成した大径部81aを有している(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−254901号公報(第5、6頁、第1〜6図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図7に示す従来の駆動車輪用軸受装置において、車両旋回時、装置に曲げモーメント荷重が負荷された場合、車輪取付フランジ53側(アウトボード側)の荷重は塑性結合部で受けることになる。この塑性結合部を含む外側継手部材71のステム部75が曲げられ、繰返し応力が発生する。こうした回転曲げ外力が作用する条件下で、塑性結合部に充分な強度を確保する必要がある。一方、この塑性結合部に充分な強度がある場合は、ステム部75に形成した小径段部75aと嵌合部75bの繋ぎ部Aが最弱部となり疲労破損する恐れがある。これは切欠き効果による応力集中が発生するためで、繋ぎ部Aの強度アップを図る必要があった。
【0009】
ここで、装置のサイズを変更せずにステム部75の肉厚を厚くすることによって強度を増大させようとすると、貫通孔77の径が小さくなってプレス加工に支障を来たすだけでなく、装置の軽量化を阻害することになり強度アップには限界がある。また、ステム部75の外径を上げて強度を増大させるには、転がり軸受の負荷容量不足等、レイアウト上の制約があり困難な場合が多い。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を達成すると共に、大きなモーメント荷重が装置に作用しても塑性結合部が充分な強度を有し、かつステム部の強度アップが図れ、耐久性のある駆動車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、一端に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と等速自在継手と複列の転がり軸受とをユニット化した駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受の一方の内側転走面を前記ハブ輪の外周に、他方の内側転走面を前記等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ形成し、前記ハブ輪に前記外側継手部材に形成したステム部を内嵌すると共に、前記ハブ輪の内径に硬化させた凹凸部を形成し、前記ステム部に形成した嵌合部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とを一体に塑性結合した駆動車輪用軸受装置において、前記嵌合部の長さを、結合力が確保できる所定の長さに設定し、かつ前記車輪取付フランジのアウトボード側の側面からステム部に形成した小径段部と嵌合部の繋ぎ部までの距離を0〜10mmに設定すると共に、前記外側継手部材の内側転走面、小径段部、およびこの小径段部と嵌合部の繋ぎ部に亙って表面に高周波焼入れによる所定の硬化層を形成し、この硬化層を小径段部から嵌合部への立上げ部で止め、さらに、前記凹凸部と、前記ハブ輪の内側転走面、インロウ部の表面、およびインロウ部の端面に亙って表面に高周波焼入れによる所定の硬化層を形成した構成を採用した。
【0012】
このように、第4世代の駆動車輪用軸受装置において、軽量・コンパクト化を達成すると共に、車両旋回時、装置に曲げモーメント荷重が負荷され、塑性結合部を含む外側継手部材のステム部が曲げられて繰返し応力が発生しても、塑性結合部が充分な強度を有し、かつ硬化層が繋ぎ部からハブ輪の凹凸部にまで及んで食込み不良が発生したり、また、その表面硬さのバラツキ、ムラによってクラック等を発生する恐れがなくなり、安定したステム部の強度アップを図ることができると共に、ハブ輪の疲労限を上げることができ、耐久性のある駆動車輪用軸受装置を提供することができる。
【0015】
また、請求項に記載の発明のように、前記硬化層の表面硬さを54〜64HRCの範囲に、さらに、請求項に記載の発明のように、前記硬化層の深さを0.1〜3.0mmの範囲に設定すると良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。
【0017】
この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、複列の転がり軸受2と、等速自在継手3とをユニット化して構成している。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で、車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
【0018】
ハブ輪1は、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、円周等配に車輪固定用のハブボルトを植設している。ハブ輪1の内周面には凹凸部5を形成し、熱処理によって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層を形成している。熱処理としては、局部加熱ができ、硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波誘導加熱による焼入れが好適である。
【0019】
なお、凹凸部5は、図2に示すような複数列の溝を略直交させた形状を例示することができる。(a)は互いに傾斜した螺旋溝6で、(b)は軸方向溝と独立した環状溝との交叉溝6’でアヤメローレット状を形成することができる。また、凹凸部5の凸部は良好な食い込み性を確保するために、三角形状等の尖塔形状に形成する。
【0020】
複列の転がり軸受2は、外方部材7と内方部材8と複列の転動体9、9とからなる。外方部材7は外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ7aを一体に有し、内周には複列の外側転走面7b、7bを形成している。一方、内方部材8は、ハブ輪1と後述する等速自在継手3の外側継手部材14を指し、外方部材7の外側転走面7b、7bに対向するアウトボード側の内側転走面1aをハブ輪1の外周に、またインボード側の内側転走面14aを外側継手部材14の外周にそれぞれ一体に形成している。複列の転動体9、9をこれら転走面7b、1aと7b、14a間にそれぞれ収容し、保持器10、10で転動自在に保持している。複列の転がり軸受2の端部にはシール11a、11bを装着し、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。ここで複列の転がり軸受2は転動体9、9をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
【0021】
等速自在継手3は外側継手部材14と図示しない継手内輪、ケージ、およびトルク伝達ボールとを備えている。外側継手部材14はカップ状のマウス部15と、このマウス部15の底部をなす肩部16と、この肩部16から軸方向に延びるステム部17を有し、マウス部15の内周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝15aを形成している。
【0022】
外側継手部材14を中空に形成し、この肩部16の外周には前記した内側転走面14aを形成している。また、外側継手部材14のステム部17に小径段部17aと嵌合部17bを形成している。ハブ輪1に形成したインロウ部1bをこの小径段部17aに圧入し、インロウ部1bの端面19を外側継手部材14の肩部16に突合せる。次にハブ輪1の内径に嵌合したステム部17の嵌合部17bに加締治具(ポンチ)を挿入・抜脱させる等、適宜な手段で嵌合部17bを拡径してハブ輪1の凹凸部5に食い込ませ、ハブ輪1と外側継手部材14とを一体に塑性結合させる。これにより、この塑性結合部はトルク伝達手段と、ハブ輪1と外側継手部材14の結合手段とを併せ持つため、従来のセレーション等のトルク伝達手段をハブ輪1や外側継手部材14に形成する必要はなく、また、締結ナット等の固定手段も不要となるため、装置の一層の軽量・コンパクト化を実現することができる。なお、マウス部15の底部、およびハブ輪1のアウトボード側端部にはエンドプレート22、23を装着し、マウス部15に充填した潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダストの侵入を防止している。
【0023】
ここで、本出願人が実施した回転曲げ試験結果(S−N線図)を図3に示す。図三角は実機による回転曲げ試験結果で、中黒丸は軸受用材料として一般的に採用されるS53C試片による回転曲げ試験結果である。なお、破線はステム部17に形成した小径段部17aと嵌合部17bの繋ぎ部Aの最大発生応力を示すFEM解析結果である。前者は応力振幅で、後者は最大応力であるが、両者は比較的良好な一致を示している。実機を用いた回転曲げ試験においては、試片による試験結果のように発生応力が正負対称とはならず、破損現象については、最大応力すなわち引張応力の方が支配的であることが考えられる。
【0024】
一方、FEM解析により、ハブ輪1の端部に一体形成した車輪取付フランジ4のアウトボード側の側面から繋ぎ部Aまでの距離Lと、繋ぎ部Aのの最大発生応力をプロットした結果を図4に示す。両者間には正の相関が認められる。ここで、図3から求められる疲労限界相当応力σをこの図4に当てはめ、その時の車輪取付フランジ4の側面から繋ぎ部Aまでの距離Lを求めると、略10mmとなる。ここで、この繋ぎ部Aをアウトボード側に配設すれば発生応力は減少していくが、結合力を確保するための拡径部の長さが不足する。また、この拡径部の長さを長く設定すれば結合力は増大するが、装置の軸方向寸法が増大して小型軽量化を阻害するといった弊害が生じる。また、拡径部の外径φdを大きくすれば発生応力は減少するが、塑性結合部のサイズアップは、即装置のサイズアップに繋がり、装置の小型軽量化に逆行して好ましくない。したがって、図1において、塑性結合部を所定の長さに設定し、かつ車輪取付フランジ4の側面から繋ぎ部Aまでの距離Lを0〜10mmとすることが望ましい。
【0025】
次に、FEM解析による限界曲げモーメント負荷時のステム部17の小径段部17aにおける最大発生応力の軸方向分布(計算事例)を図5に示す。横軸は、ストレート部のアウトボード側からの距離を示している。ここで、材料(生材)の疲労限を太破線(図5のB)で示しているが、生材のままでは、発生応力が破損に繋がる危険領域にあることが判る。拡径部の外径φdを大きくすれば、発生応力は減少するが、前述したように、塑性結合部のサイズアップは装置のサイズアップになって好ましくない。したがって、この小径段部17aを熱処理硬化して材料の疲労限(図5のC)を上げることにより、小型軽量化と強度アップの両面で好ましい。
【0026】
外側継手部材14は、S53C等の炭素0.40〜0.60wt%を含む中炭素鋼で形成している。図6は本発明に係る駆動車輪用軸受装置における硬化層範囲を示したものである。外側継手部材14において、軸受のシール11bが摺接するシールランド部から内側転走面14a、およびステム部17の小径段部17aに亙って表面に硬化層18(図中クロスハッチングで示す)を形成している。硬化処理として高周波誘導加熱による焼入れが好適である。なお、この硬化層18において、表面硬さを54〜64HRCの範囲に、また有効硬化層深さを0.1〜3.0mmに、好ましくは0.3〜2.0mmの範囲に設定している。
【0027】
また、拡径する嵌合部17bは、鍛造後の素材表面硬さ24HRC以下の未焼入れ部とし、前記したハブ輪1の凹凸部5の表面硬さ54〜64HRCとの硬度差を30HRC以上に設定している。これにより、嵌合部17bが凹凸部5に容易に、かつ深く食い込み、凹凸部5の先端が潰れることなく強固に両者を塑性結合することができる。その他、外方部材7の外側転走面7b、7bの表面にも所定の硬化層(図中クロスハッチングで示す)を形成している。
【0028】
前述したように、小径段部17aを熱処理硬化して材料の疲労限を上げるため、本実施例では、硬化層18の範囲を、従来のように小径段部17aの略中央で止めることなく、小径段部17aと嵌合部17bの繋ぎ部まで延長している。好ましくは、小径段部17aから嵌合部17bへの立上げ部(テーパ部)20で止めている。これにより、硬化層18が繋ぎ部Aからハブ輪1の凹凸部5にまで及んで食込み不良が発生したり、また、その表面硬さのバラツキ、ムラによってクラック等を発生する恐れがなくなる。
【0029】
さらに、FEM解析結果、限界曲げモーメント負荷時の応力値から、ハブ輪1のインロウ部1bの先端も発生応力が高く、弱小部であることが判明した。したがって、本実施例では、ハブ輪1の外周において、軸受のシール11aのシールリップが摺接するシールランド部、内側転走面1a、外側継手部材14の肩部16と当接するインロウ部1bの表面、およびインロウ部1bの端面19に亙って高周波焼入れによって硬化層21を形成している(図中クロスハッチングで示す)。これにより、材料の疲労限を上げることができ、装置の耐久性を向上させることができる。なお、この硬化層21において、表面硬さを54〜64HRCの範囲に、また有効硬化層深さを0.1〜3.0mmに、好ましくは0.3〜2.0mmの範囲に設定している。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、一端に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と等速自在継手と複列の転がり軸受とをユニット化した駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受の一方の内側転走面を前記ハブ輪の外周に、他方の内側転走面を前記等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ形成し、前記ハブ輪に前記外側継手部材に形成したステム部を内嵌すると共に、前記ハブ輪の内径に硬化させた凹凸部を形成し、前記ステム部に形成した嵌合部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とを一体に塑性結合した駆動車輪用軸受装置において、前記嵌合部の長さを、結合力が確保できる所定の長さに設定し、かつ前記車輪取付フランジのアウトボード側の側面からステム部に形成した小径段部と嵌合部の繋ぎ部までの距離を0〜10mmに設定すると共に、前記外側継手部材の内側転走面、小径段部、およびこの小径段部と嵌合部の繋ぎ部に亙って表面に高周波焼入れによる所定の硬化層を形成し、この硬化層を小径段部から嵌合部への立上げ部で止め、さらに、前記凹凸部と、前記ハブ輪の内側転走面、インロウ部の表面、およびインロウ部の端面に亙って表面に高周波焼入れによる所定の硬化層を形成したので、第4世代の駆動車輪用軸受装置において、軽量・コンパクト化を達成すると共に、車両旋回時、装置に曲げモーメント荷重が負荷され、塑性結合部を含む外側継手部材のステム部が曲げられて繰返し応力が発生しても、塑性結合部が充分な強度を有し、かつ硬化層が繋ぎ部からハブ輪の凹凸部にまで及んで食込み不良が発生したり、また、その表面硬さのバラツキ、ムラによってクラック等を発生する恐れがなくなり、安定したステム部の強度アップを図ることができると共に、ハブ輪の疲労限を上げることができ、耐久性のある駆動車輪用軸受装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】(a)は本発明に係るハブ輪の凹凸部を示す縦断面図で、互いに傾斜した螺旋溝で構成したアヤメローレット形状を示す。
(b)は同上、軸方向、および独立した環状溝で構成したアヤメローレット形状を示す。
【図3】本発明に係る駆動車輪用軸受装置と試片の回転曲げ試験結果を示すS−N線図である。
【図4】本発明に係る駆動車輪用軸受装置の車輪取付フランジからステム部の繋ぎ部までの距離と、繋ぎ部の最大発生応力との関係を示すグラフである。
【図5】FEM解析による限界曲げモーメント負荷時のステム部の小径段部における最大発生応力の軸方向分布を示すグラフである。
【図6】本発明に係る駆動車輪用軸受装置の硬化層範囲を示した縦断面図である。
【図7】従来の駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
【図8】拡径方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
2・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
6、6’・・・・・・・・・・・・溝
7・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
7b・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
8・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
9・・・・・・・・・・・・・・・転動体
10・・・・・・・・・・・・・・保持器
11a、11b・・・・・・・・・シール
14・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・マウス部
15a・・・・・・・・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・・・・肩部
17・・・・・・・・・・・・・・ステム部
17a・・・・・・・・・・・・・小径段部
17b・・・・・・・・・・・・・嵌合部
18、21・・・・・・・・・・・硬化層
19・・・・・・・・・・・・・・端面
20・・・・・・・・・・・・・・立上げ部
22、23・・・・・・・・・・・エンドプレート
50・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
51、72・・・・・・・・・・・内側転走面
52・・・・・・・・・・・・・・円筒部
53・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
54・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
55・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
60・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
61・・・・・・・・・・・・・・外方部材
62・・・・・・・・・・・・・・転動体
63・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
64・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
65・・・・・・・・・・・・・・保持器
66、67・・・・・・・・・・・シール
70・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
71・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
73・・・・・・・・・・・・・・マウス部
74・・・・・・・・・・・・・・肩部
75・・・・・・・・・・・・・・ステム部
75a・・・・・・・・・・・・・小径段部
75b・・・・・・・・・・・・・嵌合部
76・・・・・・・・・・・・・・トラック溝
77・・・・・・・・・・・・・・貫通孔
78・・・・・・・・・・・・・・エンドプレート
80・・・・・・・・・・・・・・受け部材
81・・・・・・・・・・・・・・加締治具
81a・・・・・・・・・・・・・大径部
A・・・・・・・・・・・・・・・繋ぎ部
d・・・・・・・・・・・・・・・拡径部の外径
L・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジから繋ぎ部までの距離
σ・・・・・・・・・・・・・・・疲労限界応力

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  1. 一端に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と等速自在継手と複列の転がり軸受とをユニット化した駆動車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受の一方の内側転走面を前記ハブ輪の外周に、他方の内側転走面を前記等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ形成し、前記ハブ輪に前記外側継手部材に形成したステム部を内嵌すると共に、前記ハブ輪の内径に硬化させた凹凸部を形成し、前記ステム部に形成した嵌合部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とを一体に塑性結合した駆動車輪用軸受装置において、
    前記嵌合部の長さを、結合力が確保できる所定の長さに設定し、かつ前記車輪取付フランジのアウトボード側の側面からステム部に形成した小径段部と嵌合部の繋ぎ部までの距離を0〜10mmに設定すると共に、前記外側継手部材の内側転走面、小径段部、およびこの小径段部と嵌合部の繋ぎ部に亙って表面に高周波焼入れによる所定の硬化層を形成し、この硬化層を小径段部から嵌合部への立上げ部で止め、さらに、前記凹凸部と、前記ハブ輪の内側転走面、インロウ部の表面、およびインロウ部の端面に亙って高周波焼入れによる所定の硬化層を形成したことを特徴とする駆動車輪用軸受装置。
  2. 前記硬化層の表面硬さを54〜64HRCの範囲に設定した請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
  3. 前記硬化層の深さを0.1〜3.0mmの範囲に設定した請求項1または2に記載の駆動車輪用軸受装置。
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