JP2007192298A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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浩志 河村
Shigeaki Fukushima
茂明 福島
Kiyoshige Yamauchi
清茂 山内
Hikari Umekida
光 梅木田
Hitohiro Ozawa
仁博 小澤
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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化と共に、結合部の強度を高めて長期間に亘って耐久性を確保すると共に、信頼性を向上させた第4世代構造の車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ輪1と外側継手部材12とが拡径加締によって塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置において、凹凸部17が、軸方向に独立して形成された複数の環状溝18と、周方向等配に形成された複数の軸方向溝19とを略直交させて構成した交叉溝からなると共に、軸方向溝19の断面が、円弧状に形成された凹部19aと、直線状に形成された凸部19bとで構成され、嵌合部15bの充足をこの凸部19bで止め、凹部19aに空隙部20が残存されているので、ハブ輪1の変形を可及的に抑制すると共に、ハブ輪1に過大な応力が生じることもなく、結合部の強度を高めて長期間に亘って耐久性を確保し、信頼性を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、軽量・コンパクト化と共に、結合部の耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。
また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造までが量産化されると共に、さらにはハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面を直接形成して軽量・コンパクト化された第4世代構造が開発されている。
この第4世代構造の車輪用軸受装置として、図4に示すものが知られている。この車輪用軸受装置は、ハブ輪51と複列の転がり軸受52および等速自在継手53がユニット化して構成されている。複列の転がり軸受52は、外方部材54と内方部材55と複列のボール56、56とを備えている。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
外方部材54は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジ54bを一体に有し、内周に複列の外側転走面54a、54aが形成されている。一方、内方部材55は、ハブ輪51と、このハブ輪51に内嵌された外側継手部材64とを有している。
ハブ輪51は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ57を一体に有し、この車輪取付フランジ57の円周等配にはハブボルト58が植設されている。ハブ輪51の外周にはアウター側の内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる円筒状の小径段部51bが形成されている。また、ハブ輪51の内周には凹凸部62が形成され、高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。凹凸部62はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなる。
等速自在継手53は、外側継手部材64と継手内輪65、ケージ66、およびトルク伝達ボール67とからなる。外側継手部材64は、カップ状のマウス部68と、このマウス部68の底部をなす肩部69と、この肩部69から軸方向に延びる円筒状の軸部70が一体に形成されている。この軸部70は、ハブ輪51の小径段部51bに所定のシメシロを介して円筒嵌合するインロウ部70aと、このインロウ部70aの端部に嵌合部70bがそれぞれ形成されている。
肩部69の外周には、外方部材54の複列の外側転走面54a、54aに対向するインナー側の内側転走面64aが形成され、内方部材55の複列の内側転走面の一方を構成している。外方部材54の複列の外側転走面54a、54aと、これらに対向する内方部材55の複列の内側転走面51a、64aとの間には複列のボール56、56が収容され、保持器59、59によって転動自在に保持されている。
外方部材54と内方部材55との間に形成される環状空間の開口部にはシール60、61が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。また、外側継手部材64の肩部69の内周にはエンドキャップ63が装着され、外部から雨水やダスト等が継手内部へ侵入するのを防止すると共に、継手内部に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止している。なお、インナー側のシール61が嵌合する外側継手部材64の外周面から内側転走面64aおよび軸部70に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。ここで、嵌合部70bは鍛造後の表面硬さのままとされている。
そして、ハブ輪51の小径段部51bの端面に外側継手部材64の肩部69が衝合され、突合せ状態になるまで軸部70がハブ輪51に内嵌される。さらに、この軸部70における嵌合部70bの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部70bを拡径し、この嵌合部70bをハブ輪51の凹凸部62に食い込ませて加締め、ハブ輪51と外側継手部材64が一体に塑性結合されている。これにより、軽量・コンパクト化を図ると共に、結合部の緩みを防止し、長期間に亘って初期の予圧量を維持できる第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
特開2001−18605号公報
こうした従来の車輪用軸受装置では、軸部70の嵌合部70bを拡径させてハブ輪51の凹凸部62に食い込ませ、ハブ輪51と外側継手部材64とを一体に塑性結合しているが、嵌合部70bを拡径するに際し、拡径不足では結合部の強度が不足するため、嵌合部70bを可能な限り凹凸部62の溝底まで充足させていた。然しながら、嵌合部70bを凹凸部62の溝底まで充足させた場合、ハブ輪51が変形して所望の機能を満足できなくなるだけでなく、ハブ輪51に過大な応力が生じてクラックを誘発する恐れがあった。これでは、反って結合部の強度を低下させることになり、改善が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と共に、結合部の強度を高めて長期間に亘って耐久性を確保すると共に、信頼性を向上させた第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記凹凸部が、軸方向に独立して形成された複数の環状溝と、周方向等配に形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなり、この軸方向溝の溝底部まで前記嵌合部を充足せずに、当該溝底部に空隙を残存させている構成を採用した。
このように、ハブ輪と外側継手部材とが拡径加締によって塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置において、凹凸部が、軸方向に独立して形成された複数の環状溝と、周方向等配に形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなり、この軸方向溝の溝底部まで嵌合部を充足せずに、当該溝底部に空隙を残存させているので、ハブ輪の変形を可及的に抑制すると共に、ハブ輪に過大な応力が生じることもなく、結合部の強度を高めて長期間に亘って耐久性を確保し、信頼性を向上させた第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記軸方向溝の断面が、円弧状に形成された凹部と、直線状に形成された凸部とで構成され、前記嵌合部の充足をこの凸部で止め、前記凹部に前記空隙部が残存されていれば、ハブ輪の変形を可及的に抑制すると共に、ハブ輪に過大な応力が生じることがない。
また、請求項3に記載の発明のように、前記凸部の先端角度が略90°に設定されていれば、食い込み性を向上させて結合力を増大させることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記環状溝の溝底径d1が、前記軸方向溝の溝底径d2よりも小径(d1≦d2)に設定されていれば、旋削加工等で環状溝を形成した後にブローチ加工等で軸方向溝を形成する際、このブローチ加工の断続切削を回避して加工時の振動を抑え、加工精度を高めることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記凹凸部が、軸方向に独立して形成された複数の環状溝と、周方向等配に形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなり、この軸方向溝の溝底部まで前記嵌合部を充足せずに、当該溝底部に空隙を残存させているので、ハブ輪の変形を可及的に抑制すると共に、ハブ輪に過大な応力が生じることもなく、結合部の強度を高めて長期間に亘って耐久性を確保し、信頼性を向上させた第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボールとを備え、前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記凹凸部が、軸方向に独立して形成された複数の環状溝と、周方向等配に形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなると共に、前記軸方向溝の断面が、円弧状に形成された凹部と、直線状に形成された凸部とで構成され、前記嵌合部の充足をこの凸部で止め、前記凹部に空隙部が残存されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3(a)は、図2のIII−III線に沿った横断面図、(b)は、(a)の要部拡大図である。
この車輪用軸受装置は第4世代と称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3がユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材5と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材5は、ハブ輪1と、このハブ輪1に一体に塑性結合された外側継手部材14とからなる。
外方部材4は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に円弧状の複列の外側転走面4a、4aが形成されている。この複列の外側転走面4a、4aは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を有し、この車輪取付フランジ7の周方向等配に複数のハブボルト8が植設されている。また、ハブ輪1の外周には、外方部材4の複列の外側転走面4a、4aに対向する一方(アウター側)の円弧状の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成されている。そして、アウター側のシール10が摺接するシールランド部7aから内側転走面1aおよび小径段部1bの端面に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている。これにより、車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部7aの耐摩耗性が向上するだけでなく、車輪取付フランジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が向上する。
等速自在継手3は、外側継手部材12と図示しない継手内輪、ケージ、およびトルク伝達ボールとからなる。外側継手部材12はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、カップ状のマウス部13と、このマウス部13の底部をなす肩部14と、この肩部14から軸方向に延びる円筒状の軸部15とが一体に形成されている。これにより、軽量化を図ることができると共に、軸受部の放熱効果を高め、運転中の昇温を抑制して耐久性を向上させることができる。また、この軸部15には、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して円筒嵌合するインロウ部15aと、このインロウ部15aの端部に嵌合部15bが形成されている。
肩部14の外周には、前記複列の外側転走面4a、4aに対向する他方(インナー側)の円弧状の内側転走面14aが形成されている。そして、インナー側のシール11が嵌合する外周面から内側転走面14aおよび軸部15のインロウ部15aに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている。なお、嵌合部15bは鍛造加工後の未焼入れ部とされている。これにより、負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、外側継手部材12の耐久性が向上する。なお、16は肩部14の内周に装着されたエンドキャップで、継手内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から継手内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
外方部材4の複列の外側転走面4a、4aと、これらに対向する内方部材5の複列の内側転走面1a、14a間には複列の転動体6、6が収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。また、外方部材4と内方部材5との間に形成される環状空間の開口部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。これらの複列の転がり軸受2は、両転走面4a、1aおよび4a、14aに加わる力の作用方向の作用線が軸心に向うほど軸方向に離反する、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。なお、ここでは、転動体6にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置は、これに限らず、転動体6に円錐ころを用いた複列円錐ころ軸受であっても良い。
ここで、ハブ輪1の内周に凹凸部17が形成され、高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。そして、ハブ輪1の小径段部1bの端面に外側継手部材12の肩部14が衝合され、突合せ状態になるまでハブ輪1に軸部15が内嵌されると共に、この軸部15における嵌合部15bの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部15bを拡径し、この嵌合部15bをハブ輪1の凹凸部17に食い込ませて加締める、所謂拡径加締により、ハブ輪1と外側継手部材12とが一体に塑性結合されている。
ハブ輪1の凹凸部17は、図2および図3に示すように、旋削等により軸方向に独立して形成された複数の環状溝18と、ブローチ加工等により周方向等配に形成された複数の軸方向溝19とを略直交させて構成した交叉溝からなる。なお、このような交叉溝以外にも、例えば、図示はしないが、互いに反対方向に傾斜した螺旋溝で構成された交叉溝であっても良い。
なお、凹凸部17における凸部の先端形状が鋭利になるよう、すなわち、環状溝18の溝底径d1と軸方向溝19の溝底径d2が完全に一致して先端形状が四角錐となるように、周方向と軸方向の凸部の高さを一致させることが好ましい。しかし、実際には旋削加工とブローチ加工の加工面が混在するため、バラツキ等を含め、溝底径を同一寸法に規制するのは難しい。したがって、本実施形態では、環状溝18の溝底径d1は、軸方向溝19の溝底径d2よりも小径に設定されている(d1≦d2)。これにより、環状溝18を形成した後にブローチ加工等で軸方向溝19を形成する際、断続切削を回避して加工時の振動を抑え、加工精度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、軸部15の嵌合部15bをハブ輪1に拡径加締する際、図3(b)に示すように、軸方向溝19の溝底まで充足しないように拡径量が規制されている。具体的には、食い込み性を向上させて結合力を増大させるために、軸方向溝19の断面は、凹部(溝底部)19aが円弧状に形成されると共に、凸部(先端部)19bが直線状に形成され、その先端角度が略90°に設定されている。そして、嵌合部15bをこの直線状の凸部19bで止め、凹部19aに未充足となる空隙部20が残存されている。このように、軸方向溝19の溝底まで充足しないように拡径量が規制されているので、ハブ輪1の変形を可及的に抑制すると共に、ハブ輪1に過大な応力が生じることもなく、結合部の強度を高めて長期間に亘って耐久性を確保し、信頼性を向上させた第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置、特に、ハブ輪と外側継手部材が拡径加締によって塑性結合された車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 (a)は、図2のIII−III線に沿った横断面図である。 (b)は、(a)の要部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
6・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・シールランド部
8・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
12・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
13・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
14・・・・・・・・・・・・・・・肩部
15・・・・・・・・・・・・・・・軸部
15a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
15b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
16・・・・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
17・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
18・・・・・・・・・・・・・・・環状溝
19・・・・・・・・・・・・・・・軸方向溝
19a・・・・・・・・・・・・・・凹部
19b・・・・・・・・・・・・・・凸部
20・・・・・・・・・・・・・・・空隙部
51・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
51a、64a・・・・・・・・・・内側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
52・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
53・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
54・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
54a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
54b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
55・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
56・・・・・・・・・・・・・・・転動体
57・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
58・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
59・・・・・・・・・・・・・・・保持器
60、61・・・・・・・・・・・・シール
62・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
63・・・・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
64・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
65・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
66・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
67・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
68・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
69・・・・・・・・・・・・・・・肩部
70・・・・・・・・・・・・・・・軸部
70a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
70b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
d1・・・・・・・・・・・・・・・環状溝の溝底径
d2・・・・・・・・・・・・・・・軸方向溝の溝底径

Claims (4)

  1. ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、
    前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、
    前記凹凸部が、軸方向に独立して形成された複数の環状溝と、周方向等配に形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなり、この軸方向溝の溝底部まで前記嵌合部を充足せずに、当該溝底部に空隙を残存させていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記軸方向溝の断面が、円弧状に形成された凹部と、直線状に形成された凸部とで構成され、前記嵌合部の充足をこの凸部で止め、前記凹部に前記空隙部が残存されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記凸部の先端角度が略90°に設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記環状溝の溝底径d1が、前記軸方向溝の溝底径d2よりも小径(d1≦d2)に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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