JP4307166B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法、特に半導体装置の多層配線の微細化とプロセスの簡素化とを両立した半導体装置の多層配線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の分野では、基板上に形成した多数の素子を電極配線で相互接続することにより所望の回路網を形成している。電極配線の密度は即集積回路の集積度を左右する重要なファクターであり、集積度を上げるためには1層配線から2層配線、3層配線へと進化してきている。
【0003】
多層の電極配線の構造を図7に示す。半導体層1の表面にMOS型、BIP型等の素子を構成するための拡散領域2が形成され、半導体層1の表面をシリコン酸化膜3が被覆し、シリコン酸化膜3上を延在する1層目電極4がシリコン酸化膜3に形成したコンタクトホール5を介して拡散領域2の表面にコンタクトし、1層目電極4の上部を層間絶縁膜6が被覆し、層間絶縁膜6上を延在する2層目電極7が層間絶縁膜6に形成したスルーホール8を介して1層目電極とコンタクトするものである。配線層の数が増大しても基本的な構造は同じであり、層間絶縁膜6と電極とを順次積層することになる。
【0004】
層間絶縁膜6としては、CVD酸化膜、窒化膜などが用いられているが、高集積化が進んだときには、電極の被覆性(ステップカバレージ)が問題になり、層間絶縁膜6の平坦化の技術が不可欠になる。平坦化の技術として脚光を浴びているのがSOG(スピンオングラス膜)である。液状の素材をスピンオン塗布して形成するので、優れた段差被覆性を有する(例えば、特願平07−166161号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SOG膜は様々な理由から単体で層間絶縁膜を構成することができないので、他の絶縁膜との積層構造で層間絶縁膜を構成するのが一般的である。そのため1つの層間絶縁膜を形成するのに数回の工程を要してプロセスが複雑化する、複雑なプロセスを配線層の数だけ繰り返すことで更に複雑になる、という欠点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した従来の課題に鑑み成されたもので、第1の層間絶縁膜をSOG膜で形成して第2の配線層をドライエッチングで形成し、第2の層間絶縁膜をポリイミド絶縁膜で形成することで第3の配線層をウエットエッチングすることにより、簡単な工程で且つ高密度配線を実現する半導体装置の製造方法を提供する。
【0007】
また、SOG膜としてメチル基(−CH3)を持たない無機系として、有機系を用いるよりはプロセスを簡略化し、反面有機系より平坦化の面で劣る点は、第2の層間絶縁膜としてポリイミド絶縁膜を用い、第3の配線層をウエットエッチングで形成することにより簡単な工程で高密度配線を実現する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の製造方法の一実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の製造方法を説明するための断面図である。同図において、11はP型の半導体基板、12は半導体基板11の表面に形成したN型のエピタキシャル層、13はN+埋め込み層、14はP+分離領域、15はP型又はN型の拡散領域である。分離領域14で囲まれたエピタキシャル層12には各々にトランジスタなどの回路素子が形成されている。
【0010】
16はエピタキシャル層12表面を被覆するシリコン酸化膜で、CVD酸化膜、熱酸化膜などからなる。酸化膜16には拡散領域15表面の一部を露出するコンタクトホールが設けられており、酸化膜16上を延在する第1の電極配線17が前記コンタクトホールを介して拡散領域15表面にオーミックコンタクトする。
【0011】
第1の電極配線17の上部は第1の層間絶縁膜18で被覆されている。第1の層間絶縁膜18は膜厚が0.5μ程度のTEOS(Tet raethyl orthosilicate)膜19と、その上に形成したSOG膜20と、更にその上に形成した膜厚0.5μ程度のTEOS膜21からなる。
【0012】
SOG膜としては、メチル基(−CH3)を有する有機系と、メチル基を持たない無機系とに分類され、有機系の方が膜厚を厚くして平坦化に優れると言うメリットを持つものの、レジスト除去工程におけるO2プラズマアッシングによりメチル基が分解してCO2ガスが発生するため、プロセスが無機系に比べて煩雑になると言う特徴を持つ。ここでは無機系のSOG膜20で構成した。
【0013】
第1の層間絶縁膜18には第1の電極配線17の表面を露出するスルーホールが設けられており、第1の層間絶縁膜18上を延在する第2の電極配線22が前記スルーホールを介して第1の電極配線17とコンタクトしている。
【0014】
第2の電極配線22の上部は第2の層間絶縁膜23で被覆されている。第2の層間絶縁膜23は、膜厚0.5μ程度のシリコン窒化膜24と、膜厚2μ程度のポリイミド系絶縁膜25からなる。
【0015】
第2の層間絶縁膜23には第2の電極配線22の表面を露出するスルーホールが設けられており、第2の層間絶縁膜上を延在する第3の電極配線26が前記スルーホールを介して第2の電極配線22とコンタクトしている。
【0016】
第3の電極配線26の上部はパッシベーション皮膜として膜厚2μ程度のポリイミド系絶縁膜27が被覆する。ポリイミド絶縁膜27にはボンディングパッド部分の開口が設けられ、そして樹脂モールドされる。
【0017】
図2から図6は図1の製造方法を説明するための断面図である。図2(A)を参照して、各種拡散工程により回路素子を形成し、これらの工程で形成されたエピタキシャル層12上の酸化膜16にコンタクトホールを形成し、次いでアルミニウム・シリコンをスパッタ堆積し、上にレジストマスクを形成し、RIE等の異方性手法によりアルミ材料をエッチングして第1の電極配線17を形成する。
【0018】
図2(B)を参照して、第1の電極配線17の上を被覆するTEOS膜19をCVD法によって形成する。
【0019】
図3(A)を参照して、TEOS膜19の上にSOG膜20をスピンオンコートにより形成し、数百℃、数十分のベーキング処理により焼結する。SOG膜19は段差のある部分に厚く、段差のない平坦な部分で薄く被着して第1の電極配線17の段差を緩和する。SOG膜20が有機系である場合、ベーキング後にエッチバックを行って平坦な部分に被着するSOG膜20の膜厚を限りなく零に近づける。これは後で形成するスルーホールの側壁にSOG膜が露出しないようにするための処置である。無機系ではこの工程は必ずしも必要でなく省略できる。なお、前記CO2ガスの関係で有機系が1回で5000Å程度まで厚塗りできるのに対し、無機系は1回で3000Å程度が限度である。この為に平坦化の機能として無機系は有機系より劣ることになる。
【0020】
図3(B)を参照して、SOG膜20の上に再度TEOS膜21をCVD法によって形成する。TEOS膜19/SOG膜20/TEOS膜21が第1の層間絶縁膜18となる。
【0021】
図4(A)を参照して、第1の層間絶縁膜18の上にポジ型のホトレジスト膜を形成し、これをマスクにRIE手法によって第1の電極配線17の一部を露出するスルーホール30を形成する。その後ポジレジストを除去する為に先ずRIE工程でレジスト表面に形成されたダメージ層を除去するための酸素プラズマ処理を行い、次いでウェット処理で除去する。なお、有機系SOG膜では内部のメチル基と酸素とが結合してCO2ガスとなるため、メチル基が抜けた部分にクラックが生じる。無機系に比べて有機系のプロセスが複雑になる一因がここにある。
【0022】
図4(B)を参照して、表面にアルミニウム・シリコンをスパッタ法で堆積し、これを異方性ドライエッチングすることで第2の電極配線22を形成する。
【0023】
図5(A)を参照して、第2の電極配線22の上にプラズマCVD法によりシリコン窒化膜24を形成する。この窒化膜24は、チップの耐湿性を補強する目的で設けたもので、軟質のポリイミド絶縁膜の上を被覆させることが困難であるので、ポリイミドで被覆する直前の位置に形成している。
【0024】
図5(B)を参照して、シリコン窒化膜24の上にスピンオン塗布法によりポリイミド絶縁膜25を塗布し、ベーキング処理を行う。
【0025】
図6(A)を参照して、ポリイミド絶縁膜25とシリコン窒化膜24とを順にエッチングしてスルーホール31を形成する。
【0026】
図6(B)を参照して、スパッタ法によりアルミニウム材料を堆積し、これをエッチングすることにより第3の電極配線26を形成する。下地がドライエッチングに耐えられないポリイミド絶縁膜25であるのでウェット手法によってエッチングする。ウェット手法であるから第1、第2の電極配線17、22よりは低密度配線となる。
【0027】
なお、バイポーラ型ICでは、素子が電流駆動であるので高集積になるほど電極配線(電源ライン、接地ライン)の線幅を太くして電流容量を確保する必要がある。また、エレクトロマイグレーション対策としてもかなりの線幅が必要になる。そこで、第3の配線層26を利用してチップ面積の数割を占める電極配線(電源ライン、接地ライン)と大信号ラインを形成し、第1と第2の配線層17、22を利用して小信号用の電極配線を形成する。このような設計ルールとすることにより、チップ全体の高密度配線を達成できる。
【0028】
そして、パッシベーションとして全体を覆うようにポリイミド絶縁膜27で被覆して図1の構造を得る。
【0029】
以上に説明した本発明の多層配線構造の製造方法では、高密度配線が必要な下の配線層間の層間絶縁膜にSOG膜20を用い、設計ルールが緩やかになる上の配線層間の層間絶縁膜にポリイミド絶縁膜を用いたので、全てをSOG膜で構成する場合よりプロセスを簡略化することができる。
【0030】
また、SOG膜20として無機系を用いれば、有機系よりはプロセスを簡略化し且つ材料費などのコストダウンが可能である。無機系を用いることによる平坦化の劣化、特に第3の電極配線26のステップカバレージは、第2の層間絶縁膜23として平坦性に優れたポリイミド絶縁膜24を用いることにより回避できる。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明した通り、本発明によればSOG膜20を用いた層間絶縁膜と、ポリイミド絶縁膜を用いた層間絶縁膜とを組み合わせることにより、プロセスを簡略化すると共に、高密度配線が可能で、且つコストダウンが可能な多層配線構造の製造方法を提供できる利点を有する、
また、SOG膜20として無機系を用いれば、有機系よりはプロセスを簡略化し且つ材料費などのコストダウンが可能である。無機系を用いることによる平坦化の劣化、特に第3の電極配線26のステップカバレージは、第2の層間絶縁膜23として平坦性に優れたポリイミド絶縁膜24を用いることにより回避できる。
【0032】
そして、電流容量を確保するために線幅を大きくする配線(Vcc、GNDなど)を第3の電極配線26で構成し、それ以外の小信号の電極配線を第1と第2の電極配線17、22で構成することにより、全体の集積度を損なうことなくプロセスを簡略化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】従来例を説明するための断面図である。
Claims (2)
- 半導体基板に回路素子を形成した後、その表面を酸化膜で被覆し、該酸化膜の上にドライエッチングにより形成され、小信号用の電極配線と成る第1の配線層を形成し、
前記第1の配線層上に第1のTEOS膜を形成し、前記第1のTEOS膜上にメチル基を持たない無機系のSOG膜を形成し、前記SOG膜をエッチバックすることなく、前記SOG膜上に第2のTEOS膜を形成することで、第1の層間絶縁膜を形成し、
前記第1の層間絶縁膜の上にドライエッチングにより形成され、小信号用の電極配線と成る第2の配線層を形成し、
前記第2の配線層上にシリコン窒化膜を形成し、前記シリコン窒化膜上にポリイミド絶縁膜を形成することで、第2の層間絶縁膜を形成し、
前記第2の層間絶縁膜の上にウエットエッチングにより形成され、前記第1の配線層及び前記第2の配線層より線幅の太い、大信号用の電極配線と成る第3の配線層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第3の配線層は、少なくとも電源配線又は接地配線に用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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