JP4304275B2 - 有機半導体薄膜トランジスタ - Google Patents

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Description

本願発明は、薄膜トランジスタに関するもので、特に半導体層に有機半導体を用いた薄膜トランジスタ(TFT)において、オフ電流を低下させ、トランジスタ特性としての電流増幅比(オン/オフ比)を向上させるための技術に関するものである。
有機半導体を用いた薄膜トランジスタの開発は、1980年代後半から徐々に活発になってきており、近年では基本性能としてアモルファスシリコンの薄膜トランジスタの特性を越えるものが報告されるに至っている。このため近年、薄膜トランジスタを有機材料で作成する技術が数多く提案されるようになってきた。これは、有機半導体薄膜トランジスタが、柔軟な基板上への作成に適合性が良く、印刷法などの常温・常圧下での低コスト製造プロセスが適応可能であるという利点を有していること等に依存する。こうした特徴は、携帯ディスプレイや、電子値札・電子荷札などの電子タグ等のように、携帯環境下で使用され、かつ低価格で供給される電子機器の集積回路技術への適合性が良いとの期待を集めている。
有機半導体を用いた薄膜トランジスタにおいて、高いオン/オフ比を得る技術としては、活性層を構成する半導体の薄膜中での品質制御が効果的であることが知られている。特に、半導体層を構成する分子の秩序性を向上させること、薄膜中に形成されるグレインを大きくし、境界を減らすことなどが効果的とされている。こうした半導体薄膜品質を制御してオン/オフ比を向上させる具体的な技術としては、ゲート絶縁層表面を自己組織化膜などで修飾しておき、その上から有機半導体活性層を形成させる技術が報告されている。絶縁層を適切な分子で表面修飾すると、その上に形成する有機半導体活性層の材料品質が向上し、これにより移動度の向上、オン電流の増加がもたらされ、高いオン/オフ比が得られるというものである。(下記非特許文献1参照)しかし、この技術では、オン電流は増加させるものの、オフ電流を落とす十分な技術とはなっておらず、低消費電力化には不十分である。
また、半導体材料の秩序性を向上させる技術として、半導体層を形成させる際の薄膜作成条件の制御が有効であるとの報告もある。特に薄膜の形成速度ならびに形成させる基板温度の制御が効果的である。ゼナンバオらは、活性層を構成する有機半導体薄膜を形成させる際、基板の温度を適度に加熱すると薄膜中での半導体分子の秩序性を向上させることができ、それにより高いオン/オフ比が得られると報告している。(下記特許文献1参照)。
材料の純度を向上させることで、オン/オフ比を向上させる試みもある。Lin等の観測によると、97−99%の純度を持つ市販のペンタセンを用いたFETでは、オンオフ比は10程度しかでなかったが、2段階昇華精製により高純度化すると、10にまであがっている。純度向上による、オフ電流の低下などが要因として考えられている。(下記非特許文献2参照)
有機半導体層中に仕事関数(以下「φ」で表現することもある。)が高い微粒子を分散させることにより高いオン電流を得る技術も報告されている(下記特許文献2参照)。この方法では、p型半導体に仕事関数が高く導電性の高い材料を分散させることで、実効チャネルを短くしようとするものであるが、明細書記載のとおり、短チャネル効果が発現されると、オン電流の値は大きくなるものの、飽和現象が得られなくなるという問題点を有している。また、半導体中に微粒子を分散させてオン電流を上げるためには、分散させる微粒子の量が、少なくとも体積濃度にして40%以上もの高濃度にしなければならないことが知られている(下記非特許文献3参照)。さらに、分散させる微粒子が有機材料で構成される場合、半導体層の構造欠陥を招くことになるため、当初品質の低い半導体薄膜に適応する場合には効果はあるものの、機能の高い高品質半導体薄膜に適応する場合にはむしろ性能の低下を招いてしまうという問題点を有している。さらに、オンオフ比を向上させる目的としては、オン電流を向上させてもオフ電流が低下しないために、結果的に消費電力が高くなってしまうという問題点を有している。
さらに、有機半導体を用いたトランジスタにおいて、素子構造の改善としてオフ電流を減少させる技術としては、有機半導体層のチャネル領域をゲート電極のサイズと同等サイズにパターン化し、回り込みにより増大してしまうオフ電流を軽減させる技術が報告されている(下記特許文献3参照)。この技術はまた、有機半導体層の面積を小さくすることで、遮光層による遮光効率を向上させ、光励起で発生してしまうキャリアに基づくオフ電流をも減少させることができると報告している。
また、電極修飾を施す技術も報告されている。電極と半導体層の間でキャリアの注入障壁が高くなってしまう場合、キャリアは正常にチャネル領域に移動せず、薄膜界面などを移動してしまい、これがオフ電流を増加させてしまうもと、すなわちオン/オフ比の低下をもたらしてしまう。
星野らは、フッ素化フタロシアニンを半導体活性層に用いたn型動作する有機薄膜トランジスタにおいて、電極材料としてアルミニウムを適応して薄膜トランジスタの動作をさせるとオン/オフ比は小さくしか取れないが、アルミニウムをフッ化リチウムで修飾すると、電荷注入効率が向上してオン/オフ比が高くなると報告している。(下記非特許文献4参照)
特開平10−93104号公報 特開2004−6827号公報 特開2000−269504号公報 A. Salleo, Appl. Phys.Lett.,81巻、4383頁、2002年 Y.Y.Lin, IEEETrans. Electron Devices、44巻,1325頁、1997年 J.Gurland,Trans. Met. Soc. AIME、236巻,642頁、1966年 S. Hoshino,Jpn. J. Appl. Phys.,41巻、L808頁、2002年
薄膜トランジスタの重要な性能のひとつとして、電流増幅比(オン/オフ比)があげられるが、このオン/オフ比を向上させるためには、オン電流を増加させること共に、オフ電流を軽減させる必要がある。オン電流およびオフ電流を支配する要因として、活性層を構成する半導体材料の品質が挙げられているが、これまで高いオン電流を与えながらオフ電流が下げられるという材料を得るのが非常に困難であるという問題点を生じていた。
本願発明は、有機半導体を活性層に用いる薄膜トランジスタにおいて、電界効果トランジスタとしての飽和電流現象を発現した状態でオン電流を落とすことなくオフ電流を低減させ、オン/オフ比を向上させるための薄膜トランジスタ用材料およびその製造方法を提供するものである。
有機薄膜トランジスタにおいてオフ電流が高くなってしまう原因は、半導体層にあらかじめ発生してしまうトラップにあると考えられる。従って、ホールがキャリアとなるp型半導体を用いた薄膜トランジスタにおいては、半導体層中で電子供与を行う要因を生じさせればホールトラップの効果は軽減でき、それによりオフ電流は低く抑えることができるとの予測を行い、様々な電子供与源の投入を鋭意検討してきた結果、本願発明を成すにいたった。
即ち、本願発明においては、活性層が有機半導体材料により構成される薄膜トランジスタにあって、活性層を構成する有機半導体材料中に金属又は半導体の微粒子を分散させることを特徴とする薄膜トランジスタ用材料が提供される。ここで有機半導体材料は、溶媒溶解性を有する高分子材料であり、かつキャリアがホールとなるp型動作をするものから選択される。その高分子半導体の溶液中に、高分子半導体材料よりも仕事関数が小さい微粒子を分散させることで、活性層用の半導体材料とした。これにより、分散させた微粒子が、高分子半導体に対して電子供与性を発揮し、この電子の効果で高分子半導体中にトラップされているホールの効果が軽減され、オフ電流の低減をもたらし、オン/オフ比の向上に成功した。
この際、実効チャネル長などを変えることなく上記現象が得られるため、ソースとドレイン間にかかる電界は従来素子と変わることは無く、従ってオン電流を与える条件を変えずにオン/オフ比の向上を得ることに成功した。上記のような、効果を与えるためには、有機材料中の微粒子の濃度は、多くとも体積濃度で20%以下でよく、実効チャンネル長を短くするほどのものではない。
また、本願発明によれば、上記有機薄膜トランジスタ用材料が、溶媒溶解性を有する材料とすることで、塗布、コーティング、印刷などの溶液状態を原料とする液相プロセスから薄膜作製されることを特徴とする薄膜トランジスタ作製方法が提供される。
本願発明により、有機薄膜トランジスタにおいて、ゲート電圧を印加しないときの電流、すなわちオフ電流を著しく減少させることができる。これにより低電圧下において高い電流増幅比(オン/オフ比)を取ることを実現させることができる。また、溶媒溶解性のある材料を提供することから、薄膜トランジスタを印刷などの液相プロセスで作製できるようになり、素子作製における低温プロセスが実現できる。
本願発明に用いる溶媒溶解性を有する高分子半導体材料は、その効果が顕著に現れるものとして、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェノール、ポリアニリン、ポリフェニレンチオフェン又はこれらの末端もしくはその側鎖が置換された誘導体のポリマーから選択されるのが望ましい。
本願発明においては、活性層を構成する有機半導体材料として、溶媒溶解性を有する高分子材料が選択されているが、溶媒溶解性を有している材料であるならば、高分子材料でなくとも構わず、低分子材料を用いても、同様の効果を得ることができる。
本願発明において用いる金属微粒子は、有機半導体がp型の場合、該半導体材料の仕事関数(φ=5.0〜5.2eV)よりも小さな仕事関数を有する金属であればいかなる金属でもよいが、銀(φ=4.26eV)、カルシウム(φ=2.87eV)、インジウム(φ=4.4eV)、アルミニウム(φ=4.2eV)、マグネシウム(φ=3.66eV)、リチウム(φ=2.9eV)、鉛(φ=4.25eV)、セシウム(φ=1.9eV)、ルビジウム(φ=2.2eV)、カリウム(φ=2.3eV)、ナトリウム(φ=2.4eV)あるいはこれらを複数組み合わせた材料から選択されるものが好ましい。また、有機半導体がn型の場合には、該半導体材料の仕事関数よりも大きな仕事関数を有する金属が好ましい。さらに、仕事関数が高分子半導体材料よりも小さいものであれば如何なる材料でも構わず、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化カドミウムなどの半導体微粒子を用いることもできる。
本願発明においては、活性層を構成する有機半導体材料として、キャリアがホールとなるp型動作をするものから選択されているが、キャリアが電子となるn型動作をする半導体材料が選択された場合には、そこに分散される微粒子は、その仕事関数がn型高分子材料よりも大きいものを用いることで、同様の効果が得られる。
本願発明において使用される微粒子の大きさは、一般に好適に用いられるのは直径が10〜500nm、好ましくは50〜300nmである。この際、この微粒子の直径は、少なくとも形成させるトランジスタのソースとドレイン電極の電極間距離、すなわちチャネル長よりは十分小さいことが必要である。
微粒子は、高分子半導体材料中に分散させてあればよい。この際、微粒子を、高分子半導体中に分散させる方法は、特に限定されず如何なる方法を用いても良い。一般に、好適に用いられる方法は、高分子溶液中に微粒子粉もしくは微粒子分散溶液を混入し、スターラー等を用いて溶液中攪拌することで分散させる方法あるいは超音波照射により分散させる方法などであるが、これに限定されるものではない。
高分子半導体と微粒子との比率は、特に限定はされない。微粒子が高分子半導体中に均一に分散されていることが望ましく、過剰な微粒子を分散させると微粒子の凝集により、当該効果が薄れる場合がある。
本願発明で用いられる半導体材料は、溶液として提供されるため、それからトランジスタ素子を作製するために薄膜を形成させる方法は、溶液を原料とする液相プロセスを用いる限り如何なる方法を用いても構わない。一般に、好適に用いられる薄膜作製方法は、スピンコーティング法、ドロップキャスト法、ディップコーティング法、スプレイコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、スタンプ等の接触印刷法などであるが、これに限定されるものではない。
本願発明で用いられる微粒子が分散された有機半導体材料溶液の溶媒は特に限定されない。溶解させる高分子材料ならびに微粒子を均質に溶解させることができる溶媒であるならばいかなるものを用いても構わない。一般に好適に用いられる溶媒は、トルエン、クロロフォルム、キシレン、ジクロロベンゼン、ジメチルフォルムアミドなどであるが、これらに限定されない。また、薄膜を作製する方法によって、異なっても構わない。
本願発明で用いられる微粒子が分散された有機半導体材料溶液の濃度は特に限定されない。均質な薄膜が形成させることができる濃度であるならば、いかなる濃度で調整しても構わない。均質な薄膜が作製できる濃度は、その薄膜作製方法に依存する。例えば、ドロップキャスト法を用いる場合、一般に好適に用いられる濃度は、0.01から1.0wt%であるが、これに限定されない。
作製する半導体活性層の厚さは、一般に好適に用いられるのは10nmから1000nmが望ましく、20nmから200nmとすることがより好ましい。
本願発明で用いられる薄膜電界効果トランジスタの活性層は、本願発明による半導体活性層材料を用いて単層で形成されてもよく、また異なる半導体材料と組み合わせて活性層が多層構造で形成されても構わない。ただし、活性層が多層構造で形成される場合は、本願発明で提供される半導体材料がゲート絶縁層と接する位置に形成されることが望ましい。
本願発明において用いる絶縁層を形成する材料は、半導体活性層を構成する材料と溶融することがないものであれば、特に限定されず如何なるものを用いても良い。一般に好適に用いられるのは、SiOなどであるが、より効果的な電界効果を得るために大きな誘電率を有する材料などを用いることもできる。例えば、Al、ZrO、Ta5、Laなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。また、素子の柔軟性を付与させるために、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリパラキシレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルフェノール、プルランなどのポリマー誘電体なども用いることができる。また、半導体活性層の膜品質を向上させ、オン電流を向上させる目的で、しばしば界面修飾層が設けられることがあるが、このような方法を本願発明に適応することも可能である。
本願発明において用いる絶縁層の作成法は特に限定されず、いかなる方法を用いても良い。一般に、真空蒸着やスパッタリングなどの気相成長法が用いられることが多いが、簡便で低コストでの作成という点からは、スクリーン印刷、インクジェット印刷など、材料を溶媒と混合させ溶液からの塗布などとして作成する液相プロセスとしての印刷手法なども適応される。
本願発明において用いる半導体材料は、電荷を輸送するキャリアがホールであるp型半導体を用いるが、この際ソースとドレイン電極には半導体層とのオーミック接触をとるために仕事関数が大きい金属を用いることが望ましい。例えば、金や白金等があげられるが、これに限定されるものではない。インジウム、パラジウム、銀、カーボン、アルミニウム等も用いることができる。これらの作成法は特に限定されず、いかなる方法を用いても良い。一般に、真空蒸着やスパッタリングなどの気相成長法が用いられることが多いが、簡便で低コストでの作成という点からは、スクリーン印刷、インクジェット印刷など、材料を溶媒と混合させ溶液からの塗布などとして作成する湿式製造プロセスとしての印刷手法なども適応される。この場合には、銀ペースト、金ペースト、カーボンペースト等の微粒子分散ペーストの他、チオフェン系導電性高分子(PEDOT)やポリアニリン及びそれらの誘導体などの有機電極も用いることができる。また、素子の安定化、長寿命化、高電荷注入効率化などを図るため、ソース及びドレインが複数の材料の混合もしくは積層で構成されたり、あるいは表面を電荷注入補助層などで処理を施しておいたりすることも可能である。
本願発明で用いる薄膜トランジスタのソース及びドレイン電極の電極間距離、電極長については、特に限定されない。電極間距離については、分散させる微粒子の粒径よりも十分大きければいかなるサイズを用いてもかまわない。一般に好適に用いられる電極間距離は0.5から100μm、より好ましくは1から20μmである。
本願発明における薄膜トランジスタは、基板、ゲート電極、絶縁層、ソース電極およびドレイン電極、半導体層、保護膜がこの順で積層されるボトムコンタクト型素子構造をとることが多いが、素子構造は特にこれに限定されるものではなく、如何なる構造の薄膜トランジスタでも構わない。半導体層が、絶縁層上に形成された後、ソース及びドレイン電極が形成されるトップコンタクト構造でもかまわない。また、基板、ソースおよびドレイン電極、半導体層、絶縁層、ゲート電極及び保護膜がこの順で積層されるトップゲート型素子構造を用いることも可能である。
実施例を示す前に、まず、本願発明と比較するための参考例を示すことにする。
<参考例1>
クロロフォルム溶液中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ製)を重量濃度で5wt%となるように溶解したものを、半導体溶液を調整した。次に、シリコン熱酸化膜300nmを絶縁層として育成したn型シリコン基板を、純水にて希釈した中性洗剤(井内盛栄堂社:ピュアソフト)にて超音波洗浄を行い、その後、純水中、超音波洗浄にて洗剤除去を行った。さらにその後、紫外線照射下オゾン洗浄器にて20分間紫外線照射洗浄を行った。このようにして洗浄した基板上に、先に調整した微粒子を分散させた半導体溶液をドロップキャスティング法により作製した。この時の半導体層の膜厚は約50nmである。この上から、ソースおよびドレイン電極をグラファイトペーストによりディスペンサを用いてトップコンタクト配置で形成した。この際、電極間距離は50μm、それぞれの電極長は200μmとした。このようにして作製したトランジスタ素子の電流特性は、10−4Paの真空度にまで減圧し、遮光下で測定した。図1にソース−ドレイン間電流のゲート電圧依存性を実線で示す。この時、ゲート電圧0Vの時の電流値は、10−6A程度を示した。
以下に、本願発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
クロロフォルム溶液中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ製)を重量濃度で5wt%となるように溶解し、その後平均粒径100nmの銀微粒子(φ=4.26eV)を重量濃度で5wt%となるように分散させ(体積濃度=約9%)、半導体溶液を調整した。次に、シリコン熱酸化膜300nmを絶縁層として育成したn型シリコン基板を、純水にて希釈した中性洗剤(井内盛栄堂社:ピュアソフト)にて超音波洗浄を行い、その後、純水中、超音波洗浄にて洗剤除去を行った。さらにその後、紫外線照射下オゾン洗浄器にて、20分間紫外線照射洗浄を行った。このようにして洗浄した基板上に、先に調整した微粒子を分散させた半導体溶液をドロップキャスティング法により作製した。この時の半導体層の膜厚は約50nmである。この上から、ソースおよびドレイン電極をグラファイトペーストによりディスペンサを用いてトップコンタクト配置で形成した。この際、電極間距離は50μm、それぞれの電極長は200μmとした。
このようにして作成された薄膜トランジスタは、チャネル長0.5μm、チャネル幅100μmの電界効果型薄膜トランジスタとして動作する。このようにして作製したトランジスタ素子の電流特性は、10−4Paの真空度にまで減圧し、遮光下で測定した。図2にソース−ドレイン間電流のゲート電圧依存性を実線で示す。参照実験として行った、分散微粒子を含んでいない半導体での特性に比べて、ゲート電圧0Vの時の電流値が、1桁以上減少し、オン/オフ比が20倍程度増加する結果となった。
クロロフォルム溶液中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ製)を重量濃度で5wt%となるように溶解し、その後平均粒径100nmの酸化亜鉛微粒子(φ=4.64eV)を重量濃度で5wt%となるように分散させ(体積濃度=約15%)、半導体溶液を調整した。次に、シリコン熱酸化膜300nmを絶縁層として育成したn型シリコン基板を、純水にて希釈した中性洗剤(井内盛栄堂社:ピュアソフト)にて超音波洗浄を行い、その後、純水中、超音波洗浄にて洗剤除去を行った。さらにその後、紫外線照射下オゾン洗浄器にて20分間紫外線照射洗浄を行った。このようにして洗浄した基板上に、先に調整した微粒子を分散させた半導体溶液をドロップキャスティング法により作製した。この時の半導体層の膜厚は約50nmである。この上から、ソースおよびドレイン電極をグラファイトペーストによりディスペンサを用いてトップコンタクト配置で形成した。この際、電極間距離は50μm、電極長は200μmとした。
このようにして作製したトランジスタ素子の電流特性は、10−4Paの真空度にまで減圧し、遮光下で測定した。図3にソース−ドレイン間電流のゲート電圧依存性を実線で示す。参照実験として行った、分散微粒子を含んでいない半導体での特性に比べて、オン/オフ比が2倍程度増加する結果となった。
クロロフォルム溶液中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ製)を重量濃度で5wt%となるように溶解し、その後平均粒径50nmのシリコン微粒子(φ=4.6eV)を重量濃度で5wt%となるように分散させ(体積濃度=約30%)、半導体溶液を調整した。次に、シリコン熱酸化膜300nmを絶縁層として育成したn型シリコン基板を、純水にて希釈した中性洗剤(井内盛栄堂社:ピュアソフト)にて超音波洗浄を行い、その後、純水中、超音波洗浄にて洗剤除去を行った。さらにその後、紫外線照射下オゾン洗浄器にて20分間紫外線照射洗浄を行った。このようにして洗浄した基板上に、先に調整した微粒子を分散させた半導体溶液をドロップキャスティング法により作製した。この時の半導体層の膜厚は約50nmである。この上から、ソースおよびドレイン電極をグラファイトペーストによりディスペンサを用いてトップコンタクト配置で形成した。この際、電極間距離は50μm、電極長は200μmとした。
このようにして作製したトランジスタ素子の電流特性は、10−4Paの真空度にまで減圧し、遮光下で測定した。図4にソース−ドレイン間電流のゲート電圧依存性を実線で示す。参照実験として行った、分散微粒子を含んでいない半導体での特性に比べて、オン/オフ比が4倍程度増加する結果となった。
<参考例2>
クロロフォルム溶液中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ製)を重量濃度で5wt%となるように溶解し、その後フラーレンC60の粉末(φ=4.59eV)を重量濃度で5wt%となるように溶解させ(体積濃度=約50%)、半導体溶液を調整した。次に、シリコン熱酸化膜300nmを絶縁層として育成したn型シリコン基板を、純水にて希釈した中性洗剤(井内盛栄堂社:ピュアソフト)にて超音波洗浄を行い、その後、純水中、超音波洗浄にて洗剤除去を行った。さらにその後、紫外線照射下オゾン洗浄器にて20分間紫外線照射洗浄を行った。このようにして洗浄した基板上に、先に調整した微粒子を分散させた半導体溶液をドロップキャスティング法により作製した。この時の半導体層の膜厚は約50nmである。この上から、ソースおよびドレイン電極をグラファイトペーストによりディスペンサを用いてトップコンタクト配置で形成した。この際、電極間距離は50μm、電極長は200μmとした。
このようにして作製したトランジスタ素子の電流特性は、10−4Paの真空度にまで減圧し、遮光下で測定した。オフ電流の値、オン/オフ比は、いずれも参照実験として行ったC60の粉末を分散させないときとほぼ同等であり、分散の効果は殆んど得られていない。
<参考例3>
クロロフォルム溶液中にポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ製)を重量濃度で5wt%となるように溶解し、その後ペンタセンの微粉末(φ=4.75eV)を重量濃度で5wt%となるように分散させ(体積濃度=約50%)、半導体溶液を調整した。次に、シリコン熱酸化膜300nmを絶縁層として育成したn型シリコン基板を、純水にて希釈した中性洗剤(井内盛栄堂社:ピュアソフト)にて超音波洗浄を行い、その後、純水中、超音波洗浄にて洗剤除去を行った。さらにその後、紫外線照射下オゾン洗浄器にて20分間紫外線照射洗浄を行った。このようにして洗浄した基板上に、先に調整した微粒子を分散させた半導体溶液をドロップキャスティング法により作製した。この時の半導体層の膜厚は約50nmである。この上から、ソースおよびドレイン電極をグラファイトペーストによりディスペンサを用いてトップコンタクト配置で形成した。この際、電極間距離は50μm、電極長は200μmとした。
このようにして作製したトランジスタ素子の電流特性は、10−4Paの真空度にまで減圧し、遮光下で測定した。オフ電流の値、オン/オフ比は、いずれも参照実験として行ったペンタセンの微粉末を分散させないときとほぼ同等であり、分散の効果は殆んど得られていない。
有機半導体薄膜トランジスタは、柔軟な基板上への作成に適合性が良く、印刷法などの常温・常圧下での低コスト製造プロセスが適応可能であるという利点を有している。こうした特徴は、携帯ディスプレイや、電子値札・電子荷札などの電子タグ等のように、携帯環境下で使用され、かつ低価格で供給される電子機器の集積回路技術への利用の可能性が高い。
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)を半導体活性層に用いたトランジスタの伝達特性図 ポリ(3−ヘキシルチオフェン)に、銀微粒子を分散させた材料を半導体活性層に用いたトランジスタの伝達特性図 ポリ(3−ヘキシルチオフェン)に、酸化亜鉛微粒子を分散させた材料を半導体活性層に用いたトランジスタの伝達特性図 ポリ(3−ヘキシルチオフェン)に、シリコン微粒子を分散させた材料を半導体活性層に用いたトランジスタの伝達特性図

Claims (9)

  1. 活性層がp型有機半導体により構成される薄膜トランジスタにおいて、該半導体中に、該半導体の仕事関数より小さい仕事関数を有する微粒子を体積濃度で20%以下分散させたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 上記微粒子は、銀、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マグネシウム、鉛、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム若しくはリチウム又はこれらを複数組み合わせた材料から選択される金属であることを特徴とする請求項1に記載された薄膜トランジスタ。
  3. 上記金属の微粒子は所定の仕事関数(4.5eV以上を除く)を有することを特徴とする請求項2に記載された薄膜トランジスタ
  4. 上記金属の微粒子の粒径は、10nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項2に記載された薄膜トランジスタ。
  5. 上記微粒子は、酸化亜鉛半導体微粒子であることを特徴とする請求項1に記載された薄膜トランジスタ。
  6. 上記半導体は、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェノール、ポリアニリン、ポリフェニレンチオフェン又はこれらの末端若しくはその側鎖が置換された誘導体のポリマーから選択されることを特徴とする請求項1に記載された薄膜トランジスタ。
  7. 請求項1乃至に記載された薄膜トランジスタを用いて作製することを特徴とする表示素子。
  8. 上記表示素子の表示部は、電界発光素子、液晶素子又は電気泳動素子であることを特徴とする請求項7に記載された表示素子。
  9. 請求項1乃至に記載された薄膜トランジスタは、溶液状態の原料を用いて液相プロセスにより作製されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
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