JP4304068B2 - 自動車用のトルク伝達ディファレンシャル及びディファレンシャル部品の製造方法 - Google Patents
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Description
このディファレンシャルは、Y−Y’軸を中心として選択的に回転駆動されるケーシング本体と、Y−Y’軸に沿って配設される駆動車軸と、ケーシング本体の内部に配置されてケーシング本体の回転運動を駆動車軸に伝達する歯車装置と、ケーシング本体に結合されて、歯車装置とケーシング本体の内面との間に配置されるカバーとを含んでいる。
前記歯車装置が、ケーシング本体に結合されてY−Y’軸に垂直なZ−Z’軸に沿って配設される支軸に取り付けられた、ベベルギヤである同軸の一組のピニオンギアと、Y−Y’軸に沿って配設されるベベルギヤであって、駆動車軸に結合されて前記ピニオンギアと係合する、一組のサイドギヤとを含んでいる。
前記歯車装置が、一般に回転楕円体に内接し、カバーが、歯車装置と同心の、ほぼ回転楕円体の一領域の形状を有する。
特に、弱いトルクを伝達するディファレンシャルでは、10年以上前からカバーが使用されている。
一般に、次の二つのディファレンシャルタイプが存在する。
すなわち、比較的弱いトルクを伝達可能な第一のディファレンシャルタイプと、比較的強いトルクを伝達可能な第二のディファレンシャルタイプとが存在する。
従来技術によれば、この二つのディファレンシャルタイプに対して歯車装置のサイズが異なるために、歯車装置のサイズに応じて、ケーシング本体、摩擦板、ピニオンギヤの支軸等のあらゆる付属品のサイズも同様に異なる。
これらの構成部品の生産手段もまた、二つのサイズを生産可能でなければならない。
一定の厚さを有する一組の第一のシムは、ほぼディスク状に形成されていて、支軸の挿 通孔にセンタリングされる各第一のシムは、その中央を刳り抜いて支軸を挿通するための 挿通孔と同じ直径の孔を有する。
一定の厚さを有する一組の第二のシムは、ほぼディスク状に形成されていて、駆動車軸の挿通孔にセンタリングされる各第二のシムは、その中央を刳り抜いて駆動車軸を挿通す るための挿通孔と同じ直径の孔を有する。
この方法は、
第一の歯車装置と、第一のディファレンシャルタイプ用の第一のカバーと、第一のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体とを製造することからなるステップと、
第二の歯車装置と、第二のディファレンシャルタイプ用の第二のカバーと、第二のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体とを製造することからなるステップとを含み、
第一のディファレンシャルタイプ用の第一のケーシング本体が、第二のディファレンシャ ルタイプ用の第二のケーシング本体と同じであり、第一のカバーおよび第二のカバーは、少なくとも局部的にそれぞれ異なる第一の厚さおよび第二の厚さにし、前記第一の厚さは 前記第二の厚さを上回ることを特徴とする。
一定の厚さを有する第一のシムの厚さは、一定の厚さを有する第二のシムの厚さを上回る。
このディファレンシャルは、Y−Y’軸を中心として選択的に回転駆動されるケーシング本体10と、Y−Y’軸に沿って配設される駆動車軸20と、ケーシング本体10の内部に配置される歯車装置30と、カバー40とを含む。
カバー40は、ケーシング本体10に結合されて、歯車装置30とケーシング本体10の内面12との間に配置され、歯車装置30及びこの内面12に対する摩擦抵抗を低減する。
一組のピニオンギヤ32はケーシング本体10に結合された支軸34の同軸上にZ−Z ’軸に沿って取り付けられ、また一組のサイドギヤ36はY−Y’軸に沿って配設されて 、一組のピニオンギヤ32と係合する。Z−Z’軸は、Y−Y’軸に対して垂直である。
カバー40は、歯車装置30の形状に対応するほぼ回転楕円体の形状を有し、歯車装置を同心的に覆っている。
鐘形の部分16は、Y−Y’軸を中心とする回転部品であり、ベース14に結合されている。
半軸22は、ベース14の中央に配置された孔22aに係合され、鐘形部分15の内部に配置された一組のサイドギヤ36の歯車に結合される。
半軸24は、鐘形部分16の頂部に配置された孔24aに係合され、鐘形部分16の内部に配置された一組のサイドギヤ36に結合されている。
一組のサイドギヤ36は他のピニオンギアと噛み合っている。
ピニオンギヤ32の支軸34は、鐘形部分16を貫通する単一シャフトから構成される。
シャフト34は、その一端により一方の孔19に固定され、反対の他端により、鐘形部分16の反対側に配置される他方の孔19に固定される。
薄いシェル44は、長軸Z−Z’および短軸Y−Y’を中心とする回転楕円体の一領域の形状を有する。
この領域は、Z−Z’軸とY−Y’軸とからなる面Pに平行で、この面に対して対称な2個の面によって画定される。
一定の厚さを有する一組の第一のシム42は、ほぼディスク状であり、各々が、支軸の通過孔46にセンタリングされ、その中央に、対応する通過孔46と同じ直径の刳り抜きを有する。
一定の厚さを有する一組の第二のシム50は、ほぼディスク状であり、各々が、駆動車軸の通過孔48にセンタリングされ、その中央に、対応する通過孔48と同じ直径の刳り抜きを有する。
一定の厚さを有する一組の第二のシム50は、サイドギヤ36の直径とほぼ同じ直径を有する。
この部品は、比較的弱い第一のトルクを伝達する少なくとも一つの第一のディファレンシャルタイプと、比較的強い第二のトルクを伝達する第二のディファレンシャルタイプとを含む。
第一の歯車装置301と、第一のディファレンシャルタイプ用の第一のカバー401と、第一のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体101とを製造することからなるステップと、
第二の歯車装置302と、第二のディファレンシャルタイプ用の第二のカバー402と、第二のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体102とを製造することからなるステップとを含む。
本実施形態では、第一のカバー401が、一定の厚さを有する一組のシムを含み、第二のカバー402がシムをまったく含まずに薄いシェル44だけが歯車装置302と内面12との間に配置される。
したがって、ケーシング本体10と、シェル等のディファレンシャルに付属する幾つか の部品を標準化することが可能である。
そうすれば、ディファレンシャルを構成する幾つかの部品を生産するうえでコストを押 さえることができ(生産する部品の種類を少なくできるため)、さらに部品を管理するう えで大きな節約が得られる。
Claims (9)
- 自動車用のトルク伝達ディファレンシャルであって、
このディファレンシャルが、Y−Y’軸を中心として回転駆動されるケーシング本体(10)と、
Y−Y’軸に沿って配設される駆動車軸(20)と、
ケーシング本体(10)の内部に配置されてケーシング本体(10)の回転運動を駆動車軸(20)に伝達する歯車装置(30)と、
ケーシング本体(10)に結合されて、歯車装置(30)とケーシング本体(10)の内面(12)との間に配置されるカバー(40)とを含んでおり、
前記歯車装置(30)が、ケーシング本体(10)内にY−Y’軸に垂直なZ−Z’に沿って配設される支軸(34)を有する、ベベルギヤである一組のピニオンギヤ(32)(32)と、
Y−Y’軸に沿って配設されるベベルギヤであって、駆動車軸(20)を構成する半軸(22)(24)にそれぞれ結合されて前記ピニオンギヤ(32)(32)と係合する、一組のサイドギヤ(36)(36)とを含んでおり、
前記歯車装置(30)は球状を呈し、
前記カバー(40)は歯車装置(30)の形状に対応するほぼ回転楕円体の形状を有して、歯車装置を同心的に覆っており、
前記カバー(40)が、一組のピニオンギヤ(32)(32)の支軸(34)(34)を枢支するための、一定の厚さを有し、ディスク状を呈する少なくとも一組の第一のシム(42)(42)を含み、
前記カバー(40)は、その一部が途切れたC字形の環状で、かつ歯車装置(30)の形状に対応するほぼ回転楕円体の形状を有する薄いシェル(44)から構成され、
前記薄いシェル(44)の内面、又は外面に前記一組の第一のシム(42)(42)を具備することを特徴とするトルク伝達ディファレンシャル。 - 前記一組の第一のシム(42)(42)が、回転楕円体の一領域の形状を有し、前記支軸(34)(34)を通す2個の通過孔(46)(46)と、前記駆動車軸を構成する半軸(22)(24)を通す2個の通過孔(48)(48)との少なくとも4個の円形孔を備えることを特徴とする請求項1に記載のトルク伝達ディファレンシャル。
- 前記カバー(40)が、一定の厚さを有する少なくとも一組の第二のシム(50)(50)を含んでおり、前記第一のシム(42)(42)が、ディスク状であり、各々が、支軸(34)(34)の通過孔(46)(46)にセンタリングされ、カバー(40)の中央に、対応する通過孔(46)と同じ直径の刳り抜きを有し、第二のシム(50)(50)が、ディスク状であり、各々が、駆動車軸の通過孔(48)(48)にセンタリングされ、カバー(40)の中央に、対応する通過孔(48)と同じ直径の刳り抜きを有することを特徴とする請求項1または2に記載のトルク伝達ディファレンシャル。
- 前記カバー(40)が、2個の通過孔(46)と(48)の間に配置される子午線に沿った薄いシェル(44)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のトルク伝達ディファレンシャル。
- 前記カバー(40)が、ポリマー素材からなる成形部品であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のトルク伝達ディファレンシャル。
- 前記第一のシム(42)が、ピニオンギヤ(32)の直径と同じ直径を有し、前記第二のシム(50)が、サイドギヤ(36)の直径と同じ直径を有することを特徴とする請求項3に記載のトルク伝達ディファレンシャル。
- 比較的弱い第一のトルクを伝達する少なくとも一つの第一のディファレンシャルタイプと、比較的強い第二のトルクを伝達する第二のディファレンシャルタイプとを含む、前記請求項1に記載のトルク伝達ディファレンシャル部品の製造方法であって、
第一の歯車装置(301)と、第一のディファレンシャルタイプ用の第一のカバー(401)と、第一のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体(101)とを製造することからなるステップと、
第二の歯車装置(302)と、第二のディファレンシャルタイプ用の第二のカバー(402)と、第二のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体(102)とを製造することからなるステップとを含み、
第一のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体(101)が、第二のディファレンシャルタイプ用のケーシング本体(102)と同じであり、
第一のカバー(401)の一部が第一の厚さを有し、第二のカバー(402)の一部が、前記第一の厚さと異なる第二の厚さを有し、前記第一の厚さが、第二の厚さを上回ることを特徴とする製造方法。 - 第一のカバー(401)が、一定の厚さのシムを含み、第二のカバー(402)が、一定の厚さのシムを含まないことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
- 前記第一のカバー(401)が、一定の厚さを有する一組の第一のシムを含み、第二のカバー(402)が、一定の厚さを有する一組の第二のシムを含み、前記第一のシムの厚さが、前記第二のシムの厚さを上回ることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
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