JP2009216154A - デファレンシャル装置、そのデフ・ケース、及びデフ・ケースの加工方法 - Google Patents

デファレンシャル装置、そのデフ・ケース、及びデフ・ケースの加工方法 Download PDF

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正明 伏木
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Abstract

【課題】リング・ギヤ剛性或いは設計の自由度を向上させることを可能とする。
【解決手段】ケース壁部5の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部7を周回状に有し、同内面に、同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を形成したデフ・ケース3であって、ケース壁部5に、旋削工具63を挿入させ且つ旋削工具63回りでピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15の曲率中心を通る加工回転軸中心線Sを中心に回転可能とする窓41をフランジ部7に隣接して設け、加工回転軸中心線Sが、フランジ部7に対して傾斜し得るように窓41を形成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車などに供されるデファレンシャル装置、そのデフ・ケース、及びデフ・ケースの加工方法に関する。
従来のデファレンシャル装置には、デフ・ケースの内面に同心球面状のピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を形成し、このピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部に、ピニオン・ギヤ及びサイド・ギヤの球状の凸背面部をそれぞれ直接又はワッシャを介して自転摺動可能に支持させるものがある。
このようなデファレンシャル装置では、デフ・ケースのピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を一度の旋削加工により形成できるため、加工を容易にすることができる。
しかし、デフ・ケースに旋削工具を挿入できる窓を形成し、デフ・ケースを旋盤のチャック治具で挟み込み、デフ・ケースの窓から挿入した旋削工具回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心を通る加工回転軸中心線を中心にデフ・ケースを回転させてピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を共に旋削する構造では、以下のような問題があった。
一般に加工回転軸中心線は、デフ・ケースの回転軸心に直交する形態となる。
このため、リング・ギヤを取り付けるためのフランジ部が前記曲率中心に対しデフ・ケースの回転軸心方向で近いと、旋削工具を挿入する窓がフランジ部の領域にまで形成され、フランジ部が周方向で分断されることになる。
この分断されたフランジ部にリング・ギヤが取り付けられることになり、リング・ギヤ剛性が低下し、異音等の原因となる恐れがある。
また、デフ・ケースに一体に備えられたリング・ギヤの場合は、分断を避けるためにリング・ギヤと曲率中心とが軸方向に一定の距離を置く必要があり、設計の自由度が阻害される恐れがある。
特開2005−125473号公報 EP1624229B1
解決しようとする問題点は、窓形成のためにフランジ部が周方向で分断されることになり、リング・ギヤ剛性が低下し、異音の原因となる恐れがあり、或いは設計の自由度が阻害されるという点である。
本発明は、リング・ギヤ剛性或いは設計の自由度を向上させるため、ケース壁部の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部又はリング・ギヤを周回状に一体に有し、前記ケース壁部の内面に、ピニオン・ギヤ及びサイド・ギヤの球面状の凸背面部をそれぞれ支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を形成し、前記ケース壁部に、旋削工具を挿入させ且つ該旋削工具回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心を通る加工回転軸中心線を中心に回転可能とする窓を設け、前記加工回転軸中心線が、前記フランジ部又はリング・ギヤに対して傾斜し得るように前記窓を形成したデフ・ケースと、前記デフ・ケース内に自転可能に支持されたピニオン・ギヤ及び相対回転自在に支持され前記ピニオン・ギヤに噛み合う一対のサイド・ギヤを備え、前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部に、前記デフ・ケースの回転軸心に交差する方向に沿った微細溝を形成したことをデファレンシャル装置の最も主要な特徴とする。
また、ケース壁部の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部又はリング・ギヤを周回状に有し、前記ケース壁部の内面に、ピニオン・ギヤ及びサイド・ギヤの球面状の凸背面部をそれぞれ支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を形成したデフ・ケースであって、前記ケース壁部に、旋削工具を挿入させ且つ該旋削工具回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心を通る加工回転軸中心線を中心に回転可能とする窓を設け、前記加工回転軸中心線が、前記フランジ部又はリング・ギヤに対して傾斜し得るように前記窓を形成したとをデフ・ケースの最も主要な特徴とする。
さらに、前記デフ・ケースを、前記加工回転軸中心線で回転させ、前記窓から挿入した旋削工具により前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を旋削することをデフ・ケースの加工方法の最も主要な特徴とする。
本発明は、ケース壁部の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部又はリング・ギヤを周回状に一体に有し、前記ケース壁部の内面に、ピニオン・ギヤ及びサイド・ギヤの球面状の凸背面部をそれぞれ支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を形成し、前記ケース壁部に、旋削工具を挿入させ且つ該旋削工具回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心を通る加工回転軸中心線を中心に回転可能とする窓を設け、前記加工回転軸中心線が、前記フランジ部又はリング・ギヤに対して傾斜し得るように前記窓を形成したデフ・ケースと、前記デフ・ケース内に自転可能に支持されたピニオン・ギヤ及び相対回転自在に支持され前記ピニオン・ギヤに噛み合う一対のサイド・ギヤを備え、前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部に、前記デフ・ケースの回転軸心に交差する方向に沿った微細溝を形成した。
このため、デフ・ケース内の潤滑オイルが回転時に遠心力の働きで微細溝に沿ってガイドされ、デフ・ケース内部を十分に潤滑させることができる。
また、ケース壁部の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部又はリング・ギヤを周回状に有し、前記ケース壁部の内面に、ピニオン・ギヤ及びサイド・ギヤの球面状の凸背面部をそれぞれ支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を形成したデフ・ケースであって、前記ケース壁部に、旋削工具を挿入させ且つ該旋削工具回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心を通る加工回転軸中心線を中心に回転可能とする窓を設け、前記加工回転軸中心線が、前記フランジ部又はリング・ギヤに対して傾斜し得るように前記窓を形成した。
このため、フランジ部がピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心に対しデフ・ケースの回転軸心方向に近くても、デフ・ケースを旋盤のチャック治具で挟み込み、デフ・ケースの窓から挿入した旋削工具回りで加工回転軸中心線を中心にデフ・ケースを回転させてピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を共に旋削することができる。よって、デフ・ケースの窓をフランジ部に隣接配置させることができ、フランジ部の分断を防止することができる。
従って、周方向に分断されないフランジ部によりリング・ギヤを支持することができ、リング・ギヤの支持剛性を維持することができ、異音等を抑制することができる。
デフ・ケースにリング・ギヤを一体に形成する場合若しくはフランジ部に対してリング・ギヤを固定手段により固定して一体に形成する場合でも、リング・ギヤをピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心に対しデフ・ケース回転軸方向に近く配置することが可能となり、設計の自由度が増大する。
さらに、前記デフ・ケースを、前記加工回転軸中心線で回転させ、前記窓から挿入した旋削工具により前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を旋削する。
このため、ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を同一の旋削工程で旋削し、加工を容易に行わせることができる。
リング・ギヤ剛性或いは設計の自由度を向上させるという目的を、加工回転軸中心線が、フランジ部又はリング・ギヤに対して傾斜し得るように窓を形成したデフ・ケースにより実現した。
図1は、本発明の実施例1に係るデフ・ケースの断面図、図2は、デファレンシャル・ギヤを組み付けたデファレンシャル装置に係り、図1に対して90°異なる位置の断面図である。
図1,図2のように、デファレンシャル装置1のデフ・ケース3は、ケース壁部5の外面にリング・ギヤ8取り付け用のフランジ部7を周回状に一体に有している。このデフ・ケース3の内面には、ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15が形成されている。ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15は、デフ・ケース3内の一対のピニオン・ギヤ17,19及びサイド・ギヤ23,25の回転軸心の交点を曲率中心Cとする同心球面の一部を構成する。
なお、二点差線のようにフランジ部7に対して図示外のボルト又は熔接部等の固定手段を介してリング・ギヤ8を周回状に一体に形成するか、フランジ部7の外周にリング・ギヤ8を一体に形成することもできる。
ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15には、微細溝27,29,31がそれぞれ旋削痕により形成されている。なお、ピニオン・ギヤ凹支持面部11の微細溝は、図示していないがピニオン・ギヤ凹支持面部9の微細溝27と同様であることは勿論である。そして、微細溝のピッチ及び高低は後述する旋削工具63の加工リードを調整することで広狭、高低自在に適宜設定し、オイルの流通機能を変化させることができる。微細溝27,29,31は、デフ・ケース3の回転軸心に交差する方向に沿って傾斜形成されている。
ケース壁部5の回転軸方向両側には、サイド・ギヤ凹支持面部13,15の外側においてボス部33,35が形成され、図示しないデフ・キャリヤにベアリングを介して回転自在に支持可能となっている。
ケース壁部5の対向する一対のピニオン・ギヤ凹支持面部9,11の中央には、ピニオン・シャフト23の支持穴37,39が貫通形成されている。
ケース壁部5には、一対の窓41,43がフランジ部7に隣接して形成されている。デフ・ケース3の加工回転軸中心線Sが、前記フランジ部7に対して傾斜し得るように前記窓41が形成されている。他の設計的視点で見ると、フランジ部7の周回状側面10は、リング・ギヤ8の周回状側面12の形成方向(デフ・ケース3の回転軸心線4に直交する径方向)に対して、加工回転軸中心線Sが傾斜するようにデフ・ケース3の回転重量バランスが採られて設定されている。
窓41,43は、径方向に対向するように形成され、重量バランスが採られている。窓41,43は、何れからも後述する旋削工具を挿入させ且つ該旋削工具回りで前記曲率中心Cを通る加工回転軸中心線Sを中心に回転可能であり、後述する旋盤のチャック治具でデフ・ケース3を挟み込み、加工回転軸中心線Sを中心に回転させ得る構成となっている。窓41の内周には、加工回転軸中心線Sに平行に沿った面45が形成されている。窓43には、面45と対称に面47が形成されている。
ピニオン・ギヤ17,19は、凸背面部17a,19aがピニオン・ギヤ凹支持面部9,11に球面ワッシャ49,51を介して摺動回転可能に支持され、サイド・ギヤ23,25は、ピニオン・ギヤ17,19に噛み合い、凸背面部23a,25aがサイド・ギヤ凹支持面部13,15に球面ワッシャ53,55を介して摺動回転可能に支持されている。ピニオン・ギヤ17,19は、ピニオン・シャフト57に回転自在に支持され、ピニオン・シャフト57は、支持穴37,39に嵌合支持され、スプリング・ピン59により抜け止めが行われている。
球面ワッシャ49,51には、内周に周方向所定間隔で係合片部49a,51aが屈曲して突設され、ピニオン・ギヤ17,19の内周側テーパー面17b,19bに係合している。この係合により球面ワッシャ49,51の径方向の位置決めが行われている。
球面ワッシャ53,55には、外周に周方向所定間隔で係合片部53a,55aが屈曲して突設され、サイド・ギヤ23,25の外周側肩部23b,25bに係合している。この係合により球面ワッシャ53,55の径方向の位置決めが行われている。
球面ワッシャ53,55の内周縁53b,55bは、ボス部33,35の内周33a,35aよりも若干大径であり、且つ球面ワッシャ53,55は、前記のように径方向へ位置決められる。このため、ボス部33,35の内周33a,35a外部から差し込む車軸の連結軸の軸方向移動を阻害せず、連結軸をサイド・ギヤ23,25のスプライン23c,25cへ円滑に係合させることができる。
[デファレンシャル・ギヤの組み込み]
デフ・ケース3に対して、球面ワッシャ53,55係合させたサイド・ギヤ23,25を窓41,43から先に挿入し、このサイド・ギヤ23,25を、球面ワッシャ53,55介してサイド・ギヤ凹支持面部13,15に配置する。
ついで、球面ワッシャ49,51を凸背面部17a,19aに係合させたピニオン・ギヤ17,19を窓41,43から挿入して両サイド・ギヤ23,25に図3のように噛み合わせる。
このピニオン・ギヤ17,19及びサイド・ギヤ23,25からなるデファレンシャル・ギヤを図3の状態からデフ・ケース3の回転軸回りでデフ・ケース3に対して90°回転させ、図2の配置状態とする。
図2の配置状態において、ピニオン・シャフト57を組み付け、デファレンシャル・ギヤの組み込みが完了する。その後、デフ・ケース3とピニオン・シャフト57との間には、ピン58を組み付け、ピニオン・シャフト57の抜け止め、回り止めが行われる。
[デフ・ケースの加工方法]
本発明実施例のデフ・ケースの加工方法は、前記デフ・ケース3を、前記加工回転軸中心線Sで回転させ、前記窓41から挿入した旋削工具により前記ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を旋削する。
図4は、デフ・ケースをチャック治具により旋盤に支持した状態の要部正面図、図5は、同要部側面図、図6は、図4のVI−VI線矢視断面図である。
図4〜図6のように、デフ・ケース3は、旋盤の4個のチャック治具61a,61b,61c,61dにより挟み込み支持させ、加工回転軸中心線Sを中心として回転可能となり、窓41がチャック61の正面に向いている。
旋盤を回転駆動させ、デフ・ケース3を加工回転軸中心線Sを中心として回転させ、図6のように窓41から旋削工具63を挿入し、ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を旋削することができる。
なお、旋削工具63は、図1に示すように加工回転中心線Sに沿って窓41から挿入された後、旋削加工軌跡64を通るように移動することで一方のサイド・ギヤ凹支持面部15の外端16から他方のサイド・ギヤ凹支持面部13の外端14までを連続形成することができ、この過程の中で、ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11も同時に旋削形成することができる。
[実施例の効果]
本発明実施例のデファレンシャル装置1は、ケース壁部5の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部7を周回状に一体に有し、同内面に、ピニオン・ギヤ17,19及びサイド・ギヤ23,25の球面状の凸背面部17a,19a,23a,25aをそれぞれ摺動可能に支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を形成し、前記ケース壁部5に、旋削工具63を挿入させ且つ該旋削工具63回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15の曲率中心を通る加工回転軸中心線Sを中心に回転可能とする窓41を前記フランジ部7に隣接して設け、前記加工回転軸中心線Sが、前記フランジ部7に対して傾斜し得るように前記窓41を形成したデフ・ケース3と、前記デフ・ケース3内に自転可能に支持されたピニオン・ギヤ17,19及び相対回転自在に支持され前記ピニオン・ギヤ17,19に噛み合う一対のサイド・ギヤ23,25とを備え、前記ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15に、前記デフ・ケース3の回転軸心に交差する方向に沿った微細溝27,29,31を形成した。
このため、デフ・ケース3内の潤滑オイルが回転時に遠心力の働きで微細溝27,29,31に沿ってガイドされ、デフ・ケース3内部を十分に潤滑させることができる。
また、微細溝は、ピニオン・ギヤ17,19又はサイド・ギヤ23,25のそれぞれの凸背面部17a,19a,23a,25aに配置されるワッシャ49,51,53,55の偏摩耗を防止し、デフ・ケース3と各ワッシャ49,51,53,55との間又は各ワッシャ49,51,53,55と各凸背面部17a,19a,23a,25aとの間の摺動摩擦を長期に安定させることができ、デファレンシャル装置1の耐久性を向上させることができる。
前記微細溝27,29,31は、旋削痕である。
このため、微細溝27,29,31を旋削により容易に形成することができる。
また、ケース壁部5の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部7を周回状に有し、同内面に、ピニオン・ギヤ17,19及びサイド・ギヤ23,25の球面状の凸背面部17a,19a,23a,25aをそれぞれ摺動可能に支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を形成したデフ・ケース3であって、前記ケース壁部5に、旋削工具63を挿入させ且つ該旋削工具63回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15の曲率中心を通る加工回転軸中心線Sを中心に回転可能とする窓41を前記フランジ部7に隣接して設け、前記加工回転軸中心線Sが、前記フランジ部7に対して傾斜し得るように前記窓41を形成した。
このため、フランジ部7がピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15の曲率中心に対しデフ・ケース3回転軸方向に近くても、デフ・ケース3を旋盤のチャック治具61a,61b,61c,61dで挟み込み、デフ・ケース3の窓41から挿入した旋削工具63回りで加工回転軸中心線Sを中心にデフ・ケース3を回転させてピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を共に旋削することができながら、デフ・ケース3の窓41をフランジ部7に隣接配置させることができ、フランジ部7の分断を防止することができる。
従って、周方向に分断されないフランジ部7によりリング・ギヤを支持することができ、リング・ギヤの支持剛性を維持することができ、異音等を抑制することができる。
さらに、前記デフ・ケース3を、前記加工回転軸中心線Sで回転させ、前記窓41から挿入した旋削工具63により前記ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を旋削する。
このため、ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15を同一の旋削工程で旋削し、加工を容易に行わせることができる。
[その他]
デフ・ケース3にリング・ギヤを一体に形成することもできる。この場合でも、リング・ギヤを、ピニオン・ギヤ凹支持面部9,11及びサイド・ギヤ凹支持面部13,15の曲率中心に対しデフ・ケース3回転軸方向に近く配置することが可能となり、設計の自由度が増大する。
また、加工回転中心線Sの傾斜は、旋削工具63が窓41から挿入可能且つデフ・ケース3内部の各凹支持面部9,11,13,15を旋削可能であればそれに応じて傾斜角度を適宜設定して良い。
さらに、本実施例とは逆になるが、旋削工具に対して治具に取付回転するデフ・ケースを旋削軌跡に沿って移動させながら加工を行っても良い。
また、デフ・ケース3の各凹支持面部9,11,13,15とピニオン・ギヤ又はサイド・ギヤの各凸背面部17a,19a,23a,25aは、ワッシャ49,51,53,55を介さずに直接接触配置して摺動させても良い。
デフ・ケースの断面図である。(実施例1) デファレンシャル装置の断面図である。(実施例1) デファレンシャル・ギヤ組み込み途中におけるデファレンシャル装置の断面図である。(実施例1) デフ・ケースをチャック治具により旋盤に支持した状態の要部正面図である。(実施例1) デフ・ケースをチャック治具により旋盤に支持した状態の要部側面図である。(実施例1) 図4のVI−VI線矢視断面図である。(実施例1)
符号の説明
1 デファレンシャル装置
3 デフ・ケース
5 ケース壁部
7 フランジ部
9,11 ピニオン・ギヤ凹支持面部
13,15 サイド・ギヤ凹支持面部
17,19 ピニオン・ギヤ
17a,19a,23a,25a 凸背面部
23,25 サイド・ギヤ
27,29,31 微細溝
63 旋削工具
S 加工回転軸中心線

Claims (4)

  1. ケース壁部の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部又はリング・ギヤを周回状に一体に有し、前記ケース壁部の内面に、ピニオン・ギヤ及びサイド・ギヤの球面状の凸背面部をそれぞれ支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を形成し、前記ケース壁部に、旋削工具を挿入させ且つ該旋削工具回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心を通る加工回転軸中心線を中心に回転可能とする窓を設け、前記加工回転軸中心線が、前記フランジ部又はリング・ギヤに対して傾斜し得るように前記窓を形成したデフ・ケースと、
    前記デフ・ケース内に自転可能に支持されたピニオン・ギヤ及び相対回転自在に支持され前記ピニオン・ギヤに噛み合う一対のサイド・ギヤを備え、
    前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部に、前記デフ・ケースの回転軸心に交差する方向に沿った微細溝を形成した、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
    前記微細溝は、旋削痕である、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. ケース壁部の外面にリング・ギヤ取り付け用のフランジ部又はリング・ギヤを周回状に一体に有し、前記ケース壁部の内面に、ピニオン・ギヤ及びサイド・ギヤの球面状の凸背面部をそれぞれ支持する同心球面のピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を形成したデフ・ケースであって、
    前記ケース壁部に、旋削工具を挿入させ且つ該旋削工具回りで前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部の曲率中心を通る加工回転軸中心線を中心に回転可能とする窓を設け、
    前記加工回転軸中心線が、前記フランジ部又はリング・ギヤに対して傾斜し得るように前記窓を形成した、
    ことを特徴とするデフ・ケース。
  4. 請求項3記載のデフ・ケースであって、
    前記デフ・ケースを、前記加工回転軸中心線で回転させ、
    前記窓から挿入した旋削工具により前記ピニオン・ギヤ凹支持面部及びサイド・ギヤ凹支持面部を旋削する、
    ことを特徴とするデフ・ケースの加工方法。
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