JP4304049B2 - (メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法に関する。本発明の方法により得られる(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体は、塗料、インキ、コーティング剤、接着剤、粘着剤、アクリル系樹脂などの原料などとして有用である。
(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法としては、例えば分子内に水酸基を有する重合体と(メタ)アクリル酸を反応させる方法が挙げられる(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。しかし、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法に関し、反応終了後、かかる重合体を原料として重合反応を行なう際、副反応の原因となる重合禁止剤、触媒、未反応の(メタ)アクリル酸など(以下、不純物と総称することがある)を効率よく除去する方法が知られていない。一方、低分子量の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関しては、反応終了後に塩基性水溶液を用いて反応混合液を洗浄して、未反応のアルコールおよび副生成物を除去する方法(特許文献3参照)、副生成物として生成する水を用いて反応混合液を水洗して、重合禁止剤、触媒および未反応の(メタ)アクリル酸を除去する方法(特許文献4参照)などが純度の高い(メタ)アクリル酸エステルを得る方法として提案されている。
特公昭49−9612号公報 特開昭49−72390号公報 特開平8−165268号公報 特開平6−234700号公報
特許文献3および特許文献4に記載の方法を、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法に利用した場合、有機層と水層とが乳化(エマルジョン化)してしまって、界面が生成せず、未反応の(メタ)アクリル酸、重合禁止剤および必要に応じて使用する触媒などを含む水層を効率よく分離することができないため、得られた重合体の精製が困難であり、純度を高めるのが困難という問題を有することが判明した。
しかして、本発明の目的は、上記問題を解決し、不純物が少なく純度の高い、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、溶媒の存在下に、分子内に水酸基を有する重合体と(メタ)アクリル酸を反応させることによる(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法において、前記反応で得られた反応混合液を極性液体で洗浄することを特徴とする(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法であって、該極性液体が、極性有機溶媒もしくは極性有機溶媒と水との混合液体であることを特徴とする(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法を提供することによって達成される。
本発明によれば、不純物が少なく純度の高い、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体を製造することができる。本発明の方法により得られる(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体は、塗料、インキ、コーティング剤、接着剤、粘着剤、アクリル系樹脂などの原料などとして有用である。
本発明で使用する分子内に水酸基を有する重合体(以下、「原料重合体」と略称する。)としては、例えば分子内に水酸基を有するポリイソプレン、分子内に水酸基を有するポリブタジエンなどの分子内に水酸基を有する共役ジエン化合物系重合体;分子内に水酸基を有するスチレン−ブタジエン(ブロックまたはランダム)共重合体などの分子内に水酸基を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物系共重合体などが挙げられる。これらは水素添加(水添)されているものを使用してもよいし、未水添のものを使用してもよい。
かかる原料重合体は、例えばポリブタジエングリコール[NISSO PBG−2000(商品名)、日本曹達株式会社製;Poly bd R−45HT(商品名)、出光石油化学株式会社製]などの市販品を使用することができる。また、過酸化水素水の存在下に共役ジエン化合物をラジカル重合させる方法、芳香族ビニル化合物および/または共役ジエン化合物をアニオン重合により重合させ、エチレンオキシドを用いて反応を停止させる方法などにより製造することもできる。
原料重合体は、通常、数平均分子量として200〜20000の範囲であるのが好ましく、500〜10000の範囲であるのがより好ましい。原料重合体の数平均分子量が200未満である場合、後述する洗浄工程で使用する極性溶媒に対する(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の溶解度が高くなる傾向となり、洗浄後の生成物の回収率低下の原因となる。一方、原料重合体の数平均分子量が20000より大きい場合、その粘度が高くなり、(メタ)アクリル酸、重合禁止剤、触媒、溶媒などとの混合が困難になる傾向となる。なお、本明細書では、数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された、標準ポリスチレン換算の分子量を意味する。
原料重合体と反応させる(メタ)アクリル酸の使用量に特に制限はないが、通常、原料重合体が有する水酸基1個に対して1〜10分子の範囲であるのが好ましく、反応速度およびコストの観点からは、2〜5分子の範囲であるのがより好ましい。
原料重合体が有する水酸基の数は、反応終了後の洗浄工程における、極性液体と生成した(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体を含む反応液との層分離性の観点からは、原料重合体1分子あたり、1〜5個の範囲であるのが好ましい。
原料重合体と(メタ)アクリル酸の反応には、必要に応じて触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば硫酸、リン酸、塩酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。これらの中でも、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸がより好ましい。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。触媒を使用する場合、その使用量は、原料重合体に対して、通常、0.001〜20質量%の範囲であるのが好ましく、0.01〜10質量%の範囲であるのがより好ましい。
反応は重合禁止剤の存在下に実施することが好ましい。重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジtert−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類;α−ナフトール、β−ナフトールなどのナフトール類;カテコール、ジtert−ブチルカテコールなどのカテコール類;p−ベンゾキノンなどのキノン類;ピロガロール、フェニルエチルピロガロールなどのピロガロール類;2,6−ジtert−ブチルアニソールなどのアニソール類などが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。重合禁止剤の使用量に特に制限はないが、通常、原料として用いる(メタ)アクリル酸に対して10〜100000ppmの範囲であるのが好ましく、(メタ)アクリル酸自身および反応生成物の重合防止効果およびコストの観点からは、100〜30000ppmの範囲であるのがより好ましい。
本発明における反応は、溶媒の存在下に実施する。溶媒としては、後述する洗浄工程で用いる極性液体に対する溶解度が低く、かつ好ましくは水と共沸する極性の低い化合物、例えばヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの飽和脂肪族炭化水素が好ましい。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。溶媒の使用量は、原料重合体に対して、通常、0.01〜20質量倍の範囲であるのが好ましく、反応速度およびコストの観点からは、0.1〜10質量倍の範囲であるのがより好ましい。
反応温度は、通常、20〜200℃の範囲であるのが好ましく、原料の(メタ)アクリル酸および生成した(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の副反応(重合)の抑制効果の観点および反応速度の観点からは、40〜150℃の範囲であるのがより好ましい。
また、反応は、原料の(メタ)アクリル酸および生成した(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の副反応(重合)の抑制効果の観点から、酸素または酸素を含有する気体(例えば空気など)の存在下に実施するのが好ましい。例えば、反応は、好ましくは酸素または酸素を含有する気体を反応液中に吹き込みながら行なうのが好ましい。
原料重合体の有する水酸基と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基との反応が進行するのに伴い水が副生し、反応系内に水が存在した状態では、反応が平衡状態となる。そのため、目的とする(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の収率向上の観点からは、かかる水を反応系外に除去しながら反応を行なうのが好ましい。水を反応系外に除去する方法には特に制限はないが、例えば水と共沸する溶媒を系内に共存させ、該溶媒と共沸させて反応系外に水を除去する方法が好ましく、かかる溶媒としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの飽和脂肪族炭化水素などが挙げられる。また、モレキュラーシーブなどの反応に悪影響を及ぼさない脱水剤を反応系に共存させることにより、副生する水を除去してもよい。
原料重合体と(メタ)アクリル酸の反応は、大気圧下で実施でき、また、加圧下でも減圧下でも実施できる。
本発明の方法は、上記で得られた(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体を含有する反応混合液を、極性液体で洗浄することに特徴を有する。かかる極性液体は、反応で使用する溶媒に対する溶解度の低い液体であり、例えばメタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、エチレングリコールなどの極性有機溶媒;前記した極性有機溶媒と水との混合液体などが挙げられる。これらの極性液体は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。また、前記した極性液体の中でも、溶媒のコスト、処理の容易さ、および洗浄効率の観点からは、メタノールまたはメタノールと水との混合液体を使用するのが好ましい。極性液体として、極性有機溶媒(好ましくはメタノール)と水との混合液体を使用する場合、水の使用量は、極性有機溶媒(好ましくはメタノール)に対して30質量倍以下の範囲であるのが好ましく、20質量倍以下の範囲であるのがより好ましい。
洗浄に使用する極性液体の使用量に特に制限はないが、反応終了後に得られた反応混合液に対して0.1〜5質量倍の範囲であるのが好ましく、0.1〜2質量倍の範囲であるのがより好ましい。また、かかる洗浄は、数回にわたって行なってもよい。
洗浄の実施方法としては、例えば上記した極性液体を、反応終了後の生成物を含む反応混合液に加え、所定時間攪拌し、所定時間静置させて分離する方法(回分式でもミキサー・セトラー式でもよく、特に制限はない)などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
攪拌する時間に特に制限はないが、通常1分間〜1時間の範囲であるのが好ましい。攪拌羽根の種類に特に制限はないが、例えばマリンプロペラ、タービン、パドル、アンカー、マックスブレンドなどが挙げられる。また、攪拌羽根の長さおよび攪拌速度に特に制限はなく、容器のサイズおよび攪拌羽根の種類によって、適宜、十分な攪拌能力が得られるように設定するのがよい。さらに洗浄温度に特に制限はないが、反応混合液と極性液体の分離性向上の観点からは、30〜50℃の範囲であるのが好ましい。
上記した洗浄を行なった後、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体を含む反応混合液と極性液体(洗浄液)とは、エマルジョン化することなくきれいに二層に分離する。かかる極性液体[未反応の(メタ)アクリル酸、触媒および重合禁止剤を含有している]を分離除去し、次いで反応混合液を濃縮することで、不純物が少なく純度の高い、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における各分析は下記の方法により行なった。
[酸価測定]
トルエン10mlを仕込んだ内容積100mlの三角フラスコに、後述の実施例および比較例で得られた(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体5gを加えて溶解した。その後、アセトン20mlを加えて、1質量%フェノールフタレイン(エタノール溶液)を2、3滴加え、0.1N水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定し、三角フラスコ内の混合溶液が呈する微紅色が20秒間持続する点を終点とした。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体を入れないこと以外は上記と同様にして測定を行ない、これをブランク値とした。酸価が小さいほど、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体中の(メタ)アクリル酸および触媒の残存量が少なく、洗浄によってそれらが十分に除去できていることを示す。
酸価(meq/g)=0.1×(A−B)×F/S
A:滴定所要量(ml)
B:ブランクテストの滴定所要量(ml)
F:0.1N水酸化カリウムのファクター
S:サンプル採取量(g)
[重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)の濃度測定]
内容積6mlのバイアル瓶に、後述の実施例および比較例で得られた(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体1gを精秤し、ベンジルアルコール1mlをテトラヒドロフランで希釈して1Lにした内標液1mlを入れて溶解させ、下記の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を行なった。すなわち、予めハイドロキノンモノメチルエーテルの検量線を作成し、検量線から得られたハイドロキノンモノメチルエーテルの質量とサンプル採取量から、以下の式に従ってハイドロキノンモノメチルエーテルの濃度を算出した。かかる濃度が低いほど、(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体中の重合禁止剤の残存量が少なく、洗浄によって重合禁止剤が十分に除去できていることを示す。
ハイドロキノンモノメチルエーテルの濃度(ppm)=A/S×10
A:検量線から得られたハイドロキノンモノメチルエーテルの質量(g)
S:サンプル採取量(g)
(HPLC分析の条件)
カラム:LiChrosorb Si 60(GLサイエンス社製)
カラム恒温槽の温度:35℃
展開溶媒:ヘキサン/イソプロパノール=30/1(容量比)
流速:1ml/min
分析(検出):UV(270nm)
注入量:10μl
<参考例1>
分子内に水酸基を有する水添液状ポリイソプレンの製造
50%過酸化水素水16gの存在下にイソプレン200gをラジカル重合させることにより、数平均分子量が2860、1分子当たりの水酸基数が2.2個である液状ポリイソプレンを得た。さらに、該液状ポリイソプレンを、シクロヘキサン中、ルテニウムカーボン触媒(ルテニウム担持量:5質量%)の存在下、150℃で水素添加(水素圧力:4.9MPa)し、上記液状ポリイソプレン中の炭素−炭素二重結合の98%が水素添加された、分子内に水酸基を有する水添液状ポリイソプレン(数平均分子量:2860、1分子中の水酸基数:2.2個)162gを得た。
<実施例1>
温度計、空気吹き込み管および上部に還流冷却器を付したディーンスターク(水分分離装置)を備えた内容積2Lの三口フラスコに、参考例1の方法で得られた分子内に水酸基を有する水添液状ポリイソプレン162g(水酸基含量として0.12molに相当)、シクロヘキサン810g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.98gおよびメタクリル酸53.6g(0.62mol)を仕込んだ。空気を15〜25ml/minで反応液中に吹き込みながら、加熱攪拌を開始し、反応液の温度が80℃に達したところで、p−トルエンスルホン酸一水和物10.2g(53.6mmol)を添加した。シクロヘキサンを還流させながら攪拌を継続し、反応により副生する水をシクロヘキサンとの共沸物として留去させながら反応を行なった。水の留出が停止したことを確認後、加熱攪拌を停止し、自然放冷にて反応混合液の温度を50℃に下げた。
反応混合液を200g取り分け、メタノールと水の混合液体[メタノール:水=90:10(質量比)]50mlを添加し、50℃にて攪拌速度300rpmで3分間攪拌することにより反応混合液を洗浄した後、30分間静置した。生成したメタクリロイルオキシ基で変性された水添液状ポリイソプレンを有する反応混合液層と、メタノールと水の混合液体の層はきれいに分離しており、下層であるメタノールと水の混合液体の層を分離除去した後、かかる洗浄操作を2回繰り返した。洗浄を終えた反応混合液を減圧下に濃縮し、メタクリロイルオキシ基で変性された水添液状ポリイソプレン[以下、変性重合体(A)と略称する。]32.1g(回収率97.3%)を得た。得られた変性重合体(A)の酸価および重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)含有量を表1に示す。
<実施例2>
実施例1における反応終了後の反応混合液を200g取り分け、メタノール50mlを添加し、40℃にて攪拌速度300rpmで3分間攪拌することにより洗浄した後、30分間静置した。この際、生成したメタクリロイルオキシ基で変性された水添液状ポリイソプレンを含有する反応混合液層とメタノールの層はきれいに分離しており、下層であるメタノール層を分離除去した後、かかる洗浄操作を2回繰り返した。洗浄を終えた反応混合液を減圧下に濃縮し、メタクリロイルオキシ基で変性された水添液状ポリイソプレン[以下、変性重合体(B)と略称する。]31.9g(回収率96.7%)を得た。得られた変性重合体(B)の酸価および重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)含有量を表1に示す。
<比較例1>
実施例1における反応終了後の反応混合液を200g取り分け、洗浄せずにそのまま減圧下に濃縮し、メタクリロイルオキシ基で変性された水添液状ポリイソプレン[以下、変性重合体(C)と略称する。]35.7gを得た。得られた変性重合体(C)の酸価および重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)含有量を表1に示す。
<比較例2>
実施例1における反応終了後の反応混合液を200g取分け、10%水酸化ナトリウム水溶液100mlを添加し、50℃にて攪拌速度300rpmで3分間攪拌することにより洗浄した。30分静置したが、液全体が乳化状態(エマルジョン状態)になり、該液を1日静置した後もきれいに分液せず、メタクリロイルオキシ基で変性された水添液状ポリイソプレンの分離精製・取得ができなかった。
Figure 0004304049
表1から、分子内に水酸基を有する水添液状ポリイソプレンをメタクリル酸と反応させることにより、メタクリロイルオキシ基で変性された水添液状ポリイソプレンを製造する方法において、反応終了後の反応混合液をメタノールまたはメタノールと水の混合溶液により洗浄した場合(実施例1および実施例2)は、全く洗浄しなかった場合(比較例1)や塩基性物質の水溶液で洗浄した場合(比較例2)に比べ、その酸価が小さく(原料のメタクリル酸および触媒の含量が少なく)、重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)の濃度が低くなっていることから、極性液体による洗浄により、不純物[(メタ)アクリル酸、重合禁止剤、触媒]が少なく、純度の高い(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体が製造できることがわかる。

Claims (3)

  1. 溶媒の存在下に、分子内に水酸基を有する重合体と(メタ)アクリル酸を反応させることによる(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法において、上記反応で得られた反応混合液を極性液体で洗浄することを特徴とする(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法であって、該極性液体が、極性有機溶媒もしくは極性有機溶媒と水との混合液体であることを特徴とする(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法
  2. 洗浄に使用する極性液体がメタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、エチレングリコールから選ばれる少なくとも1つの有機溶媒もしくは該有機溶媒と水との混合液体である、請求項1に記載の(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法。
  3. 洗浄に使用する極性液体がメタノールと水との混合液体であり、該混合液体中の水の量はメタノールに対して30質量倍以下である、請求項1または2に記載の(メタ)アクリロイルオキシ基で変性された重合体の製造方法。
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