JP4302868B2 - 分岐器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、信号を分岐する分岐器に関するものであり、CATVシステムにおける双方向増幅装置のモニタ回路に適用して好適な分岐器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のCATVシステムにおいて、CATVセンターと各加入者宅の間には伝送路が敷設されているが、この伝送路における伝送損失を補償するために、伝送路にはある程度の距離毎に中継増幅器が挿入されている。この中継増幅器としては、下り信号および上り信号を増幅することのできる双方向増幅装置が一般に用いられており、この双方向増幅装置により線路長等化およびレベル補償を行っている。線路長等化とは、伝送線路の伝送損失が周波数をfとしたときにf1/2に比例する減衰特性となることから、この伝送損失と逆の周波数特性となるような出力レベルで出力することにより、受信端においてフラットな周波数特性を得ようとする等化方式である。
なお、下り信号とはCATVセンターから各端末に向かう信号のことであり、上り信号とは各端末からCATVセンターに向かう信号のことである。一般的なCATVシステムにおいて、上り信号の周波数帯域としては10〜55MHzが使用され、インターネットサービスや電話等の端末からのデータとされている。また、下り信号の周波数帯域としては70〜770MHzが使用され、地上波や衛星放送のテレビ信号および独自番組、インターネットサービスや電話等のデータとされている。
【0003】
従来のCATVシステム用の双方向増幅装置の構成の一例を図6に示す。
図6に示す双方向増幅装置において、端子INは、下り信号が入力されると共に上り信号が出力される端子であり、端子OUTは、下り信号が出力されると共に上り信号が入力される端子である。端子INは第1分波/混合器110に接続され、端子INから入力された下り信号は第1分波/混合器110により分波されて下り増幅部111に供給される。下り増幅部111において下り信号は所定のレベルまで増幅されると共に線路長等化される。下り増幅部111の出力側は第2分波/混合器113に接続されていると共に、第2分波/混合器113はモニタ回路114に接続されている。これにより、下り増幅部111により増幅された下り信号は第2分波/混合器113で混合されて、モニタ回路114に供給される。モニタ回路114においては、供給された下り信号を端子OUTから出力すると共に、例えば10dBあるいは20dB減衰された下り信号を分岐してモニタ端子MONIから出力している。すなわち、モニタ回路114は分岐器により構成されている。そして、このモニタ端子MONIにスペクトラムアナライザ等の測定器を接続することにより、表示された下り信号の周波数特性等を観測してモニタすることができる。
【0004】
また、上り信号が入力される端子OUTは、モニタ回路114に接続されており、端子OUTから入力された上り信号はモニタ回路114を介して第2分波/混合器113に供給されている。この際に、上り信号はモニタ端子MONIからは出力されない。これは、モニタ回路114を構成している分岐器が方向性結合器により構成されているためであり、端子OUTから供給された上り信号は、モニタ回路114を介して第2分波/混合器113により分波されて上り増幅部112に供給される。上り増幅部112において上り信号は所定のレベルまで増幅されると共に線路長等化される。上り増幅部112の出力側は第1分波/混合器110に接続されており、上り増幅部112から出力される上り信号は第1分波/混合器110で混合されて、端子INから出力される。
【0005】
ここで、モニタ回路114を構成している分岐器の原理について簡単に説明する。モニタ回路114を構成する分岐器は、第1の一次巻線P1と第1の二次巻線S1とをコアC1に巻回した第1のトランスと、第2の一次巻線P2と第2の二次巻線S2とをコアC2に巻回した第2のトランスとを有している。第1の一次巻線P1と第1の二次巻線S1との巻線比は、1:nとされており、第2の一次巻線P2と第2の二次巻線S2との巻線比は、n:1とされている。ここで、第2分波/混合器113からの下り信号がモニタ回路114に供給されて、第1の一次巻線P1に電流Idが流れたとすると、第1の二次巻線S1にId/nの電流が誘起される。また、この際に第2の一次巻線P2に印加される電圧をEdとすると、第2の二次巻線S2にはEd/nの電圧が誘起されるようになる。これにより、モニタ端子MONIからは(Id/n)×(Ed/n)=Id・Ed/n2の電力が出力されるようになる。すなわち、下り信号の電力が1/n2に減衰されてモニタ端子MONIから分岐出力されるようになる。すなわち、巻線比により分岐出力の減衰量を決定することができる。また、端子OUTから出力される下り信号の電力は、供給された下り信号の電力の(1−1/n2)倍となると共に、抵抗Rでは下り信号は消費されない。
【0006】
また、端子OUTからの上り信号がモニタ回路114に供給された場合に、第1の一次巻線P1に電流−Iuが流れたとすると、第1の二次巻線S1に−Iu/nの電流が誘起される。また、この際に第2の一次巻線P2に印加される電圧をEuとすると、第2の二次巻線S2にはEu/nの電圧が誘起されるようになる。これにより、抵抗Rでは(Iu/n)×(Eu/n)=Iu・Eu/n2の電力が消費されるようになり、上り信号はモニタ端子MONIからは分岐出力されないようになる。このように、モニタ回路114は方向性結合器とされており、モニタ端子MONIからは1/n2に減衰された下り信号だけが分岐されてモニタ出力として出力されるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
CATVシステムにおいては、各端末からの上り信号は全てCATVセンターに集められることになる。そのため、各端末や伝送路の挿入された伝送機器からノイズ成分が混入されると、それらのノイズ成分もCATVセンターで集められて大きなノイズとなってしまうようになる。このようなノイズは流合雑音といわれており、流合雑音は上り信号のSN比等の品質を劣化させる原因となっている。そこで、双方向増幅装置の上り増幅部112においては、使用の態様に応じて上り信号を増幅して出力するモードと、上り信号をパスさせるモードと、上り信号を遮断するモードとのいずれかのモードを選択できるようにして、極力流合雑音を抑制するようにしている。
【0008】
ところで、上り信号を増幅して出力するモードではスイッチSWをオンして上り増幅器に電源DCを供給するようにし、上り信号をパスさせるモードと、上り信号を遮断するモードでは、スイッチSWをオフして上り増幅器に電源DCを供給しないようにしていた。この場合、下り信号がモニタ回路114に供給された際に、モニタ回路114において下り信号中の複数のチャンネルにおける2つのキャリア周波数の差周波数を有する成分が歪信号として発生することがわかった。これは、相互変調という現象であるが、相互変調により相互変調歪が発生し、次のような問題点が生じることになる。例えば、地上波のテレビ信号のチャンネル間隔は6MHzとされていることから、2つのチャンネルにおけるキャリア周波数間の差周波数は、6MHz、12MHz・・・・となる。したがって、差周波数を有する歪信号の周波数は、一般的に10〜55MHzとされる上り信号の周波数帯域内のノイズになるという問題点があった。
【0009】
しかも、この歪信号は上り増幅部112において増幅されて端子INから次の双方向増幅装置に向かって出力されるようになる。ここで、図6に示す双方向増幅装置において端子INから出力される上り信号の10MHz〜60MHzの周波数帯域におけるスペクトルの測定結果の一例を図7に示す。図7を参照すると、マーカ周波数MKRとして示されている周波数12MHzのスペクトルは56.0dBの大きなレベルとされており、上り信号に悪影響を与える流合雑音となることがわかる。さらに、マーカ周波数MKR以外の周波数のスペクトルも多数発生されており、これらの歪信号のレベルは56dB以下とされているものの、一応の相互変調の規格値である43dBを超えており、流合雑音になるという問題点があった。
【0010】
このように、双方向増幅装置にモニタ回路114として設けられている従来の分岐器においては、上り信号の周波数帯域における歪信号を発生してしまうという問題点があった。
そこで、本発明は歪信号を極力発生しないようにした分岐器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の分岐器は、第1のコアに巻回された第1の一次巻線と第1の二次巻線からなる第1のトランスと、第2のコアに巻回された第2の一次巻線と第2の二次巻線からなる第2のトランスと、前記第2の二次巻線の一端とアース間に接続された第1の抵抗と、前記第1の一次巻線の一端と前記第2の一次巻線の一端との間に接続された第2の抵抗と、前記第1の二次巻線の一端と前記第2の二次巻線の一端との間に接続された第3の抵抗とを備え、前記第1の一次巻線の他端が第1の端子に接続されていると共に、前記第1の一次巻線の一端が第2の端子に接続されており、また、前記第2の二次巻線の他端が分岐出力端子に接続されており、さらに、前記第1の二次巻線の他端と前記第2の一次巻線の他端がアースに接続されている。
【0012】
また、上記目的を達成することのできる本発明の他の分岐器は、第1のコアに巻回された第1の一次巻線と第1の二次巻線からなる第1のトランスと、第2のコアに巻回された第2の一次巻線と第2の二次巻線からなる第2のトランスと、前記第2の二次巻線の一端とアース間に接続された第1の抵抗と、前記第1の二次巻線の他端とアースとの間に接続された第2の抵抗と、前記第2の一次巻線の他端とアースとの間に接続された第3の抵抗とを備え、前記第1の一次巻線の他端が第1の端子に接続されていると共に、前記第1の一次巻線の一端が第2の端子に接続されており、また、前記第2の二次巻線の他端が分岐出力端子に接続されており、さらに、前記第2の一次巻線の一端が前記第1の一次巻線の一端に接続されていると共に、前記第1の二次巻線の一端が前記第2の二次巻線の一端に接続されている。
【0013】
さらに、上記目的を達成することのできる本発明のさらに他の分岐器は、第1のコアに巻回された第1の一次巻線と第1の二次巻線からなる第1のトランスと、第2のコアに巻回された第2の一次巻線と第2の二次巻線からなる第2のトランスと、前記第2の二次巻線の一端とアース間に接続された抵抗と、前記第1の一次巻線の他端と前記第2の二次巻線の他端との間に接続されたチョークコイルとを備え、前記第1の一次巻線の他端が第1の端子に接続されていると共に、前記第1の一次巻線の一端が第2の端子に接続されており、また、前記第2の二次巻線の他端が分岐出力端子に接続されており、さらに、前記第2の一次巻線の一端が前記第1の一次巻線の一端に接続されていると共に、前記第1の二次巻線の一端が前記第2の二次巻線の一端に接続されており、さらにまた、前記第1の二次巻線の他端と前記第2の一次巻線の他端がアースに接続されている。
【0014】
このような本発明によれば、分岐器に流入するノイズ電流を抵抗により減衰させることができる。すなわち、ノイズ電流が分岐器における巻線に流れて分岐器のトランスが磁化されることが、歪信号が発生する原因となっており、上記したようにノイズ電流を抵抗で減衰させることにより、分岐器のトランスの磁化を防止することができ、歪信号の発生を防止することができるようになる。従って、このような分岐器を双方向増幅器のモニタ回路に適用すると、流合雑音を低減することができ上り信号を高品質に維持することができるようになる。
また、チョークコイルを設けてノイズ電流を2分割して分岐器の巻線に流すようにすると、ノイズ電流が小さくなり分岐器のトランスの磁化を防止して、歪信号の発生を防止することができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の分岐器の実施の形態の第1の構成例を図1に示す。
図1に示す本発明の第1の実施の形態にかかる分岐器1は、第1の一次巻線P1と第1の二次巻線S1とをコアC1に巻回した第1のトランスと、第2の一次巻線P2と第2の二次巻線S2とをコアC2に巻回した第2のトランスとを備えている。第1の一次巻線P1の一端は入力端子に接続されており、その他端は出力端子に接続されていると共に第2の抵抗R2の一端に接続されている。第1の二次巻線S1の一端はアースに接続されており、その他端は第3の抵抗R3の一端に接続されている。第2の一次巻線P2の一端はアースに接続されており、その他端は第2の抵抗R2の他端に接続されている。第2の二次巻線S2の一端は分岐出力端子に接続されており、その他端は第3の抵抗R3の他端に接続されていると共に、第1の抵抗R1の一端に接続されている。第1の抵抗R1の他端はアースに接続されている。
【0016】
このように構成された分岐器1の入力端子からノイズ電流が流入すると、ノイズ電流は第1の一次巻線P1−第2の抵抗R2−第2の一次巻線P2を介してアースに流れるようになる。すなわち、ノイズ電流は第2の抵抗R2により減衰されるので、ノイズ電流により発生する磁界が低減されてコアC1およびコアC2の磁化を防止することができるようになる。
【0017】
ここで、コアC1およびコアC2が磁化された際に相互変調歪が発生する原理について、以下に説明する。ただし、説明に用いる分岐器においては第2の抵抗R2および第3の抵抗R3が設けられていない分岐器(図6のモニタ回路114参照)とされている。
分岐器にノイズ電流が流入すると、このノイズ電流は、分岐器の第1の一次巻線P1および第2の一次巻線P2を介してアースへ流れるようになる。このノイズ電流のエネルギはかなり大きいため、第1の一次巻線P1にノイズ電流が流れた際に、第1の一次巻線P1が巻回されているコアC1が磁化されてしまうようになる。同様に、第2の一次巻線P2にノイズ電流が流れた際に、第2の一次巻線P2が巻回されているコアC2も磁化されてしまうようになる。
【0018】
分岐器は、少なくとも上り信号の周波数帯域と下り信号の周波数帯域にわたる10MHz〜770MHzにおいて動作しなければならないことから、分岐器に使用されているコアC1およびコアC2は、通常はめがね型の小さなコアを用いることにより、高周波特性を良好としている。このように、小さなコアとされていると、その断面積も小さくなり、コアC1およびコアC2の保持力は小さいものとならざるを得ない。すると、コアC1およびコアC2が磁化されると、コアC1およびコアC2に磁気的バイアスがかかった状態となり、保持力の小さいコアC1およびコアC2は非線形領域や飽和領域で動作するようになる。このように、コアC1およびコアC2が非線形領域や飽和領域で動作することにより、相互変調歪が生じるようになるのである。
【0019】
そこで、第2の抵抗R2を第1の一次巻線P1と第2の一次巻線P2との間に接続することにより、ノイズ電流を減衰させてコアC1およびコアC2が磁化されることを防止するようにしている。これにより、分岐器1において相互変調歪の発生を防止することができ、本発明にかかる分岐器1を双方向増幅装置におけるモニタ回路に適用しても、上り増幅部に電源を供給するスイッチSWをオン/オフした際に、モニタ回路において歪信号が発生しないようになる。なお、第3の抵抗R3は、回路のバランスを取るために設けられている。
【0020】
図1に戻り、本発明にかかる分岐器1において、分岐出力端子から出力される信号の減衰量について説明する。分岐器1における第1の一次巻線P1と第1の二次巻線S1との巻線比は、1:nとされており、第2の一次巻線P2と第2の二次巻線S2との巻線比は、n:1とされている。ここで、入力端子に入力された信号により、第1の一次巻線P1に電流Idが流れたとすると、第1の二次巻線S1にId/nの電流が誘起される。また、この際に第2の一次巻線P2に印加される電圧をEdとすると、第2の二次巻線S2にはEd/nの電圧が誘起されるようになる。これにより、第2の抵抗R2および第3の抵抗R3を無視すると、分岐出力端子からは(Id/n)×(Ed/n)=Id・Ed/n2の電力が出力されるようになる。すなわち、入力された信号の電力が1/n2に減衰されて分岐出力端子から分岐出力されるようになる。このように、巻線比により分岐出力の減衰量を決定することができる。
【0021】
そして、第2の抵抗R2と第3の抵抗R3によって分岐出力はさらに減衰するようになる。ここで、第2の抵抗R2と第3の抵抗R3の抵抗値が等しくされており、その抵抗値をRaとし、分岐出力端子に接続される負荷抵抗がRoであるとすると、第2の抵抗R2と第3の抵抗R3による減衰量は、Ro/(Ra+Ro)と表される。ここで、第2の抵抗R2と第3の抵抗R3との抵抗値Raは、ノイズ電流を減衰することのできる抵抗値とする必要があり、決定された抵抗値Raを参照して第1のトランスと第2のトランスの巻線比を決定することにより、10dBあるいは20dB減衰した分岐出力を得ることができる。また、出力端子から出力される信号の電力は、入力された信号の電力の(1−1/n2)倍となると共に、第1の抵抗R1では入力信号は消費されない。
【0022】
ところで、出力端子から信号が入力された場合に、第1の一次巻線P1に電流−Iuが流れたとすると、第1の二次巻線S1に−Iu/nの電流が誘起される。また、この際に第2の一次巻線P2に印加される電圧をEuとすると、第2の二次巻線S2にはEu/nの電圧が誘起されるようになる。これにより、第2の抵抗R2および第3の抵抗R3を無視すると、第1の抵抗R1では(Iu/n)×(Eu/n)=Iu・Eu/n2の電力が消費されるようになり、上り信号は分岐出力端子からは出力されないようになる。このように、分岐器1は方向性結合器とされており、分岐出力端子からは上記したように入力端子から入力された信号だけが分岐されるようになる。
【0023】
次に、本発明の分岐器の実施の形態の第2の構成例を図2に示す。
図2に示す本発明の第2の実施の形態にかかる分岐器2は、第1の一次巻線P1と第1の二次巻線S1とをコアC1に巻回した第1のトランスと、第2の一次巻線P2と第2の二次巻線S2とをコアC2に巻回した第2のトランスとを備えている。第1の一次巻線P1の一端は入力端子に接続されており、その他端は出力端子に接続されている。第1の二次巻線S1の一端は第2の抵抗の一端に接続されており、その他端は第2の二次巻線S2の他端に接続されている。第2の一次巻線P2の一端は第3の抵抗R3の一端に接続されており、その他端は第1の一次巻線P1の他端に接続されている。第2の二次巻線S2の一端は分岐出力端子に接続されており、その他端は第1の抵抗R1の一端に接続されている。第1の抵抗R1の他端、第2の抵抗R2の他端および第3の抵抗R3の他端はアースに接続されている。
【0024】
このように構成された分岐器2の入力端子からノイズ電流が流入すると、ノイズ電流は第1の一次巻線P1−第2の一次巻線P2−第3の抵抗R3を介してアースに流れるようになる。すなわち、ノイズ電流は第3の抵抗R3により減衰されるので、ノイズ電流により発生する磁界が低減されてコアC1およびコアC2の磁化を防止することができるようになる。このように、コアC1およびコアC2の磁化が防止されると、保持力が小さくされているコアC1およびコアC2であっても非線形領域や飽和領域ではなく、直線領域で動作するようになる。従って、分岐器2にノイズ電流が流入されても、分岐器2において相互変調歪が生じることを防止することができるようになる。なお、第2の抵抗R2は回路のバランスを取るために設けられている。
【0025】
本発明の第2の実施の形態にかかる分岐器2において、分岐出力端子から出力される分岐信号の減衰量は、図1に示す第1の実施の形態にかかる分岐器1と同様とされている。すなわち、第2の抵抗R2と第3の抵抗R3の抵抗値Raは、ノイズ電流を減衰できる抵抗値とする必要があり、この抵抗値Raを参照して第1のトランスと第2のトランスの巻線比nを決定することにより、10dBあるいは20dB減衰した分岐出力を得ることができる。また、出力端子から出力される信号の電力は、入力された信号の電力の(1−1/n2)倍となると共に、第1の抵抗R1では入力信号は消費されない。
また、第2の実施の形態にかかる分岐器2も方向性結合器とされており、分岐出力端子からは上記したように入力端子から入力された信号だけが分岐されるようになる。
【0026】
次に、本発明の分岐器の実施の形態の第3の構成例を図3に示す。
図3に示す本発明の第3の実施の形態にかかる分岐器3は、第1の一次巻線P1と第1の二次巻線S1とをコアC1に巻回した第1のトランスと、第2の一次巻線P2と第2の二次巻線S2とをコアC2に巻回した第2のトランスとを備えている。第1の一次巻線P1の一端は入力端子に接続されており、その他端は出力端子に接続されている。第1の二次巻線S1の一端はアースに接続されており、その他端は第2の二次巻線S2の他端に接続されている。第2の一次巻線P2の一端はアースに接続されており、その他端は第1の一次巻線P1の他端に接続されている。第2の二次巻線S2の一端は分岐出力端子に接続されており、その他端は第1の抵抗R1の一端に接続されている。第1の抵抗R1の他端はアースに接続されている。さらに、第1の一次巻線P1の一端と第2の二次巻線S2の一端との間にチョークコイルCHが接続されている。
【0027】
このように構成された分岐器3の入力端子からノイズ電流が流入すると、ノイズ電流は第1の一次巻線P1−第2の一次巻線P2を介してアースに流れると共に、チョークコイルCH−第2の二次巻線S2−第1の二次巻線S1を介してアースに流れるようになる。すなわち、ノイズ電流は2つに分流して流れるため、それぞれのノイズ電流は減衰されるようになる。これにより、ノイズ電流により発生する磁界が低減されてコアC1およびコアC2の磁化を防止することができるようになる。このように、コアC1およびコアC2の磁化が防止されると、保持力が小さくされているコアC1およびコアC2であっても非線形領域や飽和領域ではなく、直線領域で動作するようになる。従って、分岐器3にノイズ電流が流入されても、分岐器3において相互変調歪が生じることを防止することができるようになる。
【0028】
本発明の第3の実施の形態にかかる分岐器3において、チョークコイルCHでは高周波信号は阻止されるため、分岐出力端子から出力される分岐信号の減衰量は、図1に示す第1の実施の形態にかかる分岐器1において、第2の抵抗R2と第3の抵抗R3とを無視した場合と同様とされる。すなわち、第1のトランスと第2のトランスの巻線比nにより、10dBあるいは20dB減衰した分岐出力を得ることができる。また、出力端子から出力される信号の電力は、入力された信号の電力の(1−1/n2)倍となると共に、第1の抵抗R1では入力信号は消費されない。
また、第3の実施の形態にかかる分岐器3も方向性結合器とされており、分岐出力端子からは上記したように入力端子から入力された信号だけが分岐されるようになる。
【0029】
以上説明した第1の実施の形態の分岐器1ないし第3の実施の形態の分岐器3は、いずれもCATVシステムに使用する双方向増幅装置に適用することができる。そこで、一例として第1の実施の形態の分岐器1を双方向増幅装置に適用した際の構成を図4に示す。
図4に示す双方向増幅装置10において、入力端子は、下り信号が入力されると共に上り信号が出力される端子であり、出力端子は、下り信号が出力されると共に上り信号が入力される端子である。入力端子は第1分波/混合器20に接続され、入力端子から入力された下り信号は第1分波/混合器20により分波されて下り増幅部21に供給される。下り増幅部21において下り信号は所定のレベルまで増幅されると共に線路長等化される。下り増幅部21の出力側は第2分波/混合器23に接続されていると共に、第2分波/混合器23はモニタ回路24に接続されている。これにより、下り増幅部21により増幅された下り信号は第2分波/混合器23で混合されて、モニタ回路24に供給される。モニタ回路24は、本発明にかかる第1の実施の形態の分岐器1により構成されており、供給された下り信号を出力端子から出力すると共に、例えば10dBあるいは20dB減衰した下り信号をモニタ端子から分岐出力している。このモニタ端子にスペクトラムアナライザ等の測定器を接続することにより、下り信号の周波数特性等を観測してモニタすることができる。
【0030】
また、上り信号が入力される出力端子は、モニタ回路24に接続されており、出力端子から入力された上り信号はモニタ回路24を介して第2分波/混合器23に供給されている。この際に、上り信号はモニタ端子からは出力されない。これは、モニタ回路24が方向性結合器により構成されているためであり、出力端子から供給された上り信号は、モニタ回路24を介して第2分波/混合器23により分波されて上り増幅部22に供給される。上り増幅部22において上り信号は所定のレベルまで増幅されると共に線路長等化される。上り増幅部22の出力側は第1分波/混合器20に接続されており、上り増幅部22から出力される上り信号は第1分波/混合器20で混合されて、入力端子から出力される。
【0031】
また、双方向増幅装置10の上り増幅部22においては、使用の態様に応じて上り信号を増幅して出力するモードと、上り信号をパスさせるモードと、上り信号を遮断するモードとのいずれかのモードを選択できる構成とされている。この際に、上り信号を増幅して出力するモードではスイッチSWをオンして上り増幅部22に内蔵されている上り増幅器に電源DCを供給するようにし、上り信号をパスさせるモードと、上り信号を遮断するモードでは、スイッチSWをオフして上り増幅器に電源DCを供給しないようにしている。
【0032】
ここで、本発明の第1の実施の形態にかかる分岐器1をモニタ回路24に適用した作用を示すために、図4に示す双方向増幅装置10において入力端子から出力される上り信号の10MHz〜60MHzの周波数帯域におけるスペクトルの測定結果の一例を図5に示す。図5を参照すると、マーカ周波数MKRとして示されている周波数19.93MHzのスペクトルのレベルが最大となり、そのレベルはわずか27.4dBの小さなレベルとなる。さらに、マーカ周波数MKR以外の周波数のスペクトルも多数発生されているが、これらのスペクトルのレベルも一応の相互変調の規格値である43dBを遙かに下回っており、上り信号に影響を与えないことがわかる。このように、本発明の第1の実施の形態にかかる分岐器1をモニタ回路24に適用することにより、モニタ回路24において歪成分が極力発生しないようにすることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上のように、分岐器に流入するノイズ電流を抵抗により減衰させることができる。すなわち、ノイズ電流が分岐器における巻線に流れて分岐器のトランスが磁化されることが、歪信号が発生する原因となっており、上記したようにノイズ電流を抵抗で減衰させることにより、分岐器のトランスの磁化を防止することができ、歪信号の発生を防止することができるようになる。従って、このような分岐器を双方向増幅器のモニタ回路に適用すると、流合雑音を低減することができ上り信号を高品質に維持することができるようになる。
また、チョークコイルを設けてノイズ電流を2分割して分岐器の巻線に流すようにすると、ノイズ電流が小さくなり分岐器のトランスの磁化を防止して、歪信号の発生を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分岐器の実施の形態の第1の構成例を示す図である。
【図2】本発明の分岐器の実施の形態の第2の構成例を示す図である。
【図3】本発明の分岐器の実施の形態の第3の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる分岐器を双方向増幅装置に適用した際の構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる分岐器を適用した双方向増幅装置から出力される上り信号の周波数帯域におけるスペクトルの一例を示す図である。
【図6】従来の双方向増幅装置の構成を示す図である。
【図7】従来の双方向増幅装置から出力される上り信号の周波数帯域におけるスペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 分岐器、2 分岐器、3 分岐器、10 双方向増幅装置、20 第1分波/混合器、21 下り増幅部、22 上り増幅部、23 第2分波/混合器、24 モニタ回路、110 第1分波/混合器、111 下り増幅部、112 上り増幅部、113 第2分波/混合器、114 モニタ回路、C1 コア、C2コア、CH チョークコイル、DC 電源、P1 第1の一次巻線、P2 第2の一次巻線、R 抵抗、R1 第1の抵抗、R2 第2の抵抗、R3 第3の抵抗、S1 第1の二次巻線、S2 第2の二次巻線、SW スイッチ

Claims (3)

  1. 第1のコアに巻回された第1の一次巻線と第1の二次巻線からなる第1のトランスと、
    第2のコアに巻回された第2の一次巻線と第2の二次巻線からなる第2のトランスと、
    前記第2の二次巻線の一端とアース間に接続された第1の抵抗と、
    前記第1の一次巻線の一端と前記第2の一次巻線の一端との間に接続された第2の抵抗と、
    前記第1の二次巻線の一端と前記第2の二次巻線の一端との間に接続された第3の抵抗とを備え、
    前記第1の一次巻線の他端が第1の端子に接続されていると共に、前記第1の一次巻線の一端が第2の端子に接続されており、また、前記第2の二次巻線の他端が分岐出力端子に接続されており、さらに、前記第1の二次巻線の他端と前記第2の一次巻線の他端がアースに接続されていることを特徴とする分岐器。
  2. 第1のコアに巻回された第1の一次巻線と第1の二次巻線からなる第1のトランスと、
    第2のコアに巻回された第2の一次巻線と第2の二次巻線からなる第2のトランスと、
    前記第2の二次巻線の一端とアース間に接続された第1の抵抗と、
    前記第1の二次巻線の他端とアースとの間に接続された第2の抵抗と、
    前記第2の一次巻線の他端とアースとの間に接続された第3の抵抗とを備え、
    前記第1の一次巻線の他端が第1の端子に接続されていると共に、前記第1の一次巻線の一端が第2の端子に接続されており、また、前記第2の二次巻線の他端が分岐出力端子に接続されており、さらに、前記第2の一次巻線の一端が前記第1の一次巻線の一端に接続されていると共に、前記第1の二次巻線の一端が前記第2の二次巻線の一端に接続されていることを特徴とする分岐器。
  3. 第1のコアに巻回された第1の一次巻線と第1の二次巻線からなる第1のトランスと、
    第2のコアに巻回された第2の一次巻線と第2の二次巻線からなる第2のトランスと、
    前記第2の二次巻線の一端とアース間に接続された抵抗と、
    前記第1の一次巻線の他端と前記第2の二次巻線の他端との間に接続されたチョークコイルとを備え、
    前記第1の一次巻線の他端が第1の端子に接続されていると共に、前記第1の一次巻線の一端が第2の端子に接続されており、また、前記第2の二次巻線の他端が分岐出力端子に接続されており、さらに、前記第2の一次巻線の一端が前記第1の一次巻線の一端に接続されていると共に、前記第1の二次巻線の一端が前記第2の二次巻線の一端に接続されており、さらにまた、前記第1の二次巻線の他端と前記第2の一次巻線の他端がアースに接続されていることを特徴とする分岐器。
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