JP2004153244A - フェライト磁心、catv用機器、ならびに双方向catvシステム - Google Patents

フェライト磁心、catv用機器、ならびに双方向catvシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 CATVの各チャンネルで規定される搬送波の差成分によるノイズの発生を抑制し得るフェライト磁心を提供する。
【解決手段】 飽和磁歪|λ|≦8×10−6、初透磁率μi≧300であるフェライトで構成し、CATV用機器の分岐トランス、分配トランス用の磁心であることを特徴とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は双方向CATV(Community Antenna Television あるいは Cabletelevision)システムにおいて、特に流合雑音の低減に効果的な双方向CATVシステム、前記双方向CATVシステムに用いられるCATV用機器、前記CATV用機器に用いられる分岐トランス、分配トランス及び前記分岐トランス、分配トランスに用いられるフェライト磁心に関する。
同軸ケーブルのツリー状分配網(例えば図1)やスター状分配網を利用して多チャンネルのテレビ放送を提供するCATVシステムが良く知られている。近年、このCATVシステムをインターネットなどの高速で大容量の情報を伝送するサービスにも利用することが行われている。またデジタル放送に伴う加入者端末からのセンター局へのデータ通信も行われるようになってきた。
このようなCATVシステムでは、センター局(ヘッドエンド)からCATVシステム加入者端末の間に、幹線同軸ケーブルや光ファイバーケーブルなどの伝送路が敷設され、この伝送路には双方向のCATV信号を増幅する双方向増幅器、各端末にCATV信号を分配する分配器や分岐器などのCATV用機器が設置されている。
図2は、CATVシステムにおけるCATV用機器の利用の一例を示すのブロック図である。
図2において、15(15a〜15d)は双方向増幅器であり、その内15a〜15cは幹線に設けられたものである。保安器18の下り側の支線は各加入者宅に引き込まれ、双方向増幅器15d、チョークコイルなどの雑音除去装置19、分波器20を介してコンピュータ16やテレビ受像機14と接続される。一方保安器18の上り側は、分配器13、分岐器12、前記双方向増幅器15a〜15cを介して、ヘッドエンド10に接続される。なお、ここではコンピュータ16に接続するRFモデムやテレビ受像機14に接続するホームターミナルなどは図示していない。
図3はCATVシステムに用いられる双方向増幅器の一例を示すブロック図である。双方向増幅器は上り信号増幅器、下り信号増幅器、フィルタ、分岐器や分配器で構成される。図3において、入力端子160aに入力するCATV信号がハイパスフィルタ170a、アッテネータ185aを介して下り信号増幅器180aに入力され、所定のレベルまで増幅されたCATV信号がハイパスフィルタ170b、分岐器190を介して出力端子160bに出力される。また、CATVシステム加入者端末からの上り信号が分岐端子160cに入力し、分岐器190、ローパスフィルタ175b、アッテネータ185bを介して、上り信号増幅器180bに入力され、所定のレベルまで増幅された上り信号がローパスフィルタ175aを介して前記入力端子160aから出力される。なお分岐端子160cは出力レベルを測定するためのモニター端子として利用される場合がある。双方向増幅器において、前記分岐器を分配器とする場合もある。
図4はCATVシステムに用いられる分岐器の一例を示す構成図である。下り信号は入力端子120aに入力し、分岐トランス110を介して出力端子120b、分岐端子120cに出力される。出力端子120bに入力する上り信号は分岐端子120cには出力されずに入力端子120aに出力される。また、分岐端子120cに入力する上り信号は出力端子120bには出力されずに入力端子120aに出力されるように構成されている。
分岐トランス110は第1のトランス110aと第2のトランス110bを有し、図6に一例として示すフェライト多孔形磁心に巻線を施して形成される。ここで示したフェライト多孔形磁心は2つの孔が形成されたものであり、メガネコアとも呼ばれる。一方の孔55aには第1のトランス110aの巻線L1を通し、前記巻線L1の一端は入力端子120aに接続され、他端は出力端子120bと接続される。他方の孔55bには第2のトランス110bの巻線L2を通し、前記巻線L2の一端は端子160cに接続され、他端は抵抗105と接続される。巻線L2は前記孔55aに巻回され、巻線L3は前記孔55bに巻回される。前記巻線L2と前記巻線L3の一端同士を接続して中間タップとしアースされる。巻線L2の他端は巻線L2の抵抗55側と接続するとともに、前記抵抗55を介してアースされる。また、巻線L3の他端は巻線L1の出力端子120b側に接続される。
図5はCATVシステムに用いられる分配器の一例を示す構成図である。この分配器はヘッドエンド側に接続される入力端子220aと端末側に接続される出力端子220b、220cを有し、分配トランス210により信号を2分配するものである。
分配トランス210は図7に一例として示すトロイダル磁心に巻線L1、L2を巻装したものであり、巻線L1の一端は入力端子220aと接続し他端はアースされる。巻線L2の両端は、それぞれ出力端子220b、220cと接続し、抵抗205が並列に接続される。また巻線L1、L2の中点が相互に接続される。また上り信号に対して、入力端子220aは出力端子として、出力端子220b、220cは入力端子として機能を果たす。
なお上記分岐トランス、分配トランスの各巻線の巻数比はトランスに要求される結合量により適宜決定される。
分岐トランス、分配トランスを双方向増幅器に用いる場合には、増幅器に電力供給するために高周波信号に重畳された電源電力が、前記トランスへ加わるのを防ぐように、各端子に適宜直流阻止用コンデンサを配置することがある。
ところで、このようなCATVネットワークにおいてインターネットなどのデータ通信は、テレビ放送で使用されない周波数帯を用いて行われる。日本では、センター局からの下り信号(VHS、UHF、BX、CS等のTV信号)を70MHzから1.3GHz帯の伝送帯域としている。現在ではCSデジタル化に伴い2.61GHz帯まで使用している場合もある。そして加入者端末からセンター局への上り信号(インターネットなどのデータ信号)は10MHzから55MHz帯の伝送帯域とすることで双方向CATVネットワークとしている。
米国や欧州では前記周波数帯域は若干異なるが、5MHz〜70MHzをデータ信号の上り信号としている。
前記上り信号はすべてセンター局(ヘッドエンド)に集められるが、各加入者宅や各幹線、支線の伝送機器から混入したノイズ成分も集められ、大きなノイズ成分を含むものとなる。このようなノイズは流合雑音と言われ、上り信号のC/N比などの品質を劣化させ、インターネット接続の不安定化などを招くことがあった。また大容量のファイルや映像などが伝送される場合には深刻な問題となり、対策が必要とされている。
流合雑音は、従来コンピュータなどの端末機器や双方向増幅器で発生する熱雑音、家庭内の電化製品のノイズ(例えばドライヤー・蛍光灯の点灯時・電子レンジ・インバーターエアコンや冷蔵庫のコンプレッサーなどの電源スイッチ切り換え時に発生するパルスノイズ)、市民無線、短波放送電波などが主な原因となっていると考えられていた。
そこで、このような流合雑音対策として従来以下の方法が実施されてきた。
a)CATV回線、機器のシールド性を良くする。
b)上りを使用しない端末の上り帯域をカットする。
c)流合雑音が激しい分岐回線を切り離す。
d)幹線に光ファイバーを用い、途中に光−電気変換機器を設置して同軸ケーブルで各加入者宅へ支線を引き込むシステム(HFC−Hybrid Fiber and Coaxial)とする。(1つのツリー状伝送系統につながる端末数を減らし、相対的に雑音をある程度まで減少させようとしたもの)
また、現在各社で検討中の技術として以下の方法があるが、方法によっては既存のインフラを活用出来ないものもあり、いまだ採用されるには至っていない。
e)上りの周波数帯域を雑音の少ない周波数に変える。
f)雑音に強い変調方式を採用する。
g)上り端末を一つに限定し、そこから、LANケーブルや電話回線などを用いLANを構築する。
上記に示した対策はそれぞれ効果を上げている。しかしながら前記ノイズ以外にも、下り信号に含まれる各チャンネルの搬送波の差成分と思われるノイズが上り信号に発生することがあった。
前記の様に下り信号は例えば70MHzから2.61GHz帯を伝送帯域としており、CATVの各チャンネルは1〜8MHz間隔で分割されている。この周波数間隔と略等しいノイズ成分が上り信号の全周波数帯域にわたって発生していた。
このようなノイズ成分の発生原因についての探求が進み、現在では分岐器や分配器といったCATV用機器に用いられるトランスを構成するフェライト磁心が一旦磁化すると流合雑音が増加することが判明している。
CATV用機器に用いられるフェライト磁心は、通常CATVシステムにおいて取り扱う電力で磁気飽和しないフェライト材料が適宜選択されている。しかしCATV用機器に雷などによってさらにサージ電流が加わると、フェライト磁心が磁気飽和する場合があった。そこで分岐器の各端子にコンデンサを接続し、さらにアースとの間にチョークコイルを接続してアースに対して直流的もしくは低周波的に接続したり(特許文献1)CATV信号の下限周波数よりも低い周波数帯域をカットするハイパスフィルタを設けたりして(特許文献2)、サージ電流がトランスに流入しないようにしていた。
特開2001−285819号 特開2002−204439号
従来の方法では、分岐、分配トランスに突入するサージ電流をチョークコイルやフィルタなどにより除去することで、フェライト磁心の磁気飽和を防いでいる。しかしこの方法では、チョークコイルやハイパスフィルタを構成するインダクタンス素子、キャパシタンス素子等の回路素子が必要となる。それにともないCATV用機器が大型化し、またその組立て工数も増加してコスト上昇を招いてしまう。その結果双方向CATVシステム構築のためのコストの増加を招く。また、サージ電流による磁化以外にもフェライト磁心に永久磁石を近づけたり、磁化したピンセットなどで不用意に外部磁界を与えるなどして、フェライト磁心が磁化する場合もある。
このため、前記のような対策が不要でより簡便なフェライト磁心自体での対策が望まれていた。しかし、これまでフェライト磁心が磁化することにより生じる流合雑音を対策することは困難であると考えられていた。
そこで本発明では、何等かの理由によりフェライト磁心が磁気飽和し磁化する場合であっても、このフェライト磁心を用いて構成した分岐トランスあるいは分配トランスで発生するCATVの各チャンネルで規定される搬送波の差成分によるノイズの発生を抑制し得るフェライト磁心を提供すること目的とする。またこれを用いてCATV用機器の小型化、低コスト化を図り、延いてはコスト増加を抑えながら流合雑音を低減する双方向CATVシステムを提供することも目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、フェライト磁心の磁歪現象が、フェライト磁心が一旦磁化した後の流合雑音の発生に著しい影響を及ぼすことを見出し、本発明に至った。
すなわち第1の発明は、飽和磁歪の絶対値|λ|≦8×10−6、初透磁率μi≧300であるフェライトで構成され、CATV用機器の分岐トランス、分配トランスの磁心として用いるフェライト磁心である。飽和磁歪|λ|が8×10−6よりも大きいと、CATVの各チャンネルで規定される搬送波の差成分による歪みの発生を抑制する効果が少なくなる。また、初透磁率μiが300より小さいと分配トランス、分岐トランスとしたとき、下り側の入出力端子間、あるいは出力端子と分岐端子間の十分大きな端子間結合係数が得られず好ましくない。
第2の発明は、初透磁率μi≧300であり、機械的共振周波数fを含む500kHzから2000kHzの周波数において、磁気飽和後のインピーダンスの最大歪量比が4以下のフェライトで構成され、CATV用機器の分岐トランス、分配トランスの磁心として用いるフェライト磁心である。
磁気飽和後のインピーダンスの最大歪量比については後述するが、この最大歪量比が4よりも大きいとCATVの各チャンネルで規定される搬送波の差成分による歪みの発生を抑制する効果が少なくなる。
第1又は第2の発明において、室温において前記フェライトに磁界10〜2000A/mを印加したときの残留磁束密度Brが150mT以下のであるのが好ましい。残留磁束密度Brが150mTよりも大きいと磁気飽和後、初透磁率が大きく減少するので分配トランス、分岐トランスとしたときの損失が大きくなる。
第1又は第2の発明において、残留磁束密度Brと飽和磁束密度Bmとの比Br/Bmで表わされる角形比を0.5以下とするのが好ましい。角形比が0.5よりも大きい場合には、前述のインピーダンスの最大歪量比が大きくなり、結果的に搬送波の差成分による歪みの発生を抑制する効果が少なくなる。なお、分岐、分配トランスの場合、通常室温における飽和磁束密度Bmは220mT以上であれば良い。さらにサージ電流により容易に磁気飽和しないようにするには飽和磁束密度Bmを300mT以上とするのが好ましい。
本発明においては、前記フェライトをFe:47〜50mol%、ZnO:29〜34mol%、NiO:9〜15mol%、CuO:7〜9mol%、を主成分とするソフトフェライトとするのが好ましい。Fe:47〜50mol%、ZnO:29〜34mol%、NiO:9〜15mol%、CuO:7〜9mol%と限定したのは以下の理由による。
Feが47mol%未満であると、初透磁率μが小さくなり、また、50mol%を超えると比抵抗が急激に低くなり、Ni−Zn系フェライトの特徴である絶縁性が低くなるので不適当である。ZnOが29mol%未満であると初透磁率μが小さく、34mol%を超えるとキュリー温度Tcが低くなる。NiOが9mol%未満であるとキュリー温度Tcが低く、15mol%以上であると飽和磁歪λが大きくなってしまう。CuOが7mol%未満だと焼結密度が低く初透磁率μが小さいものしか得られず、9mol%を超えると損失が大きくなる。
なお、副成分としてSi、Co、Bi、Mn、Mg、Caの少なくとも1つをSiO、Co、Bi、MnO、MgO、CaO換算でそれぞれ2wt%未満含有していてもよい。これらの副成分は磁歪とは関係しないが、添加することによって、フェライトの焼結促進、抗応力特性の向上、高Q、αμrやTcの制御といった効果を発揮する。副成分の総含有量が5wt%以上であると磁気特性が劣化するので好ましくない。
また本発明においては、フェライト磁心にFe:50〜55mol%、ZnO:10〜14mol%、残部MnOを主成分とするフェライト材料を用いることも好ましい。
Feが50mol%未満、あるいは55mol%を超えると、初透磁率μが小さくなる。ZnOが10mol%未満であると初透磁率μが小さくなり、14mol%を超えると、キュリー温度Tcが低下する。
なお副成分としてSi、Co、Bi、Mg、Caの少なくとも1つがSiO、Co、Bi、MgO、CaO換算でそれぞれ2wt%未満含有していてもよい。これらの副成分は磁歪とは関係しないが、これらの副成分を添加することによって、
フェライトの焼結促進、抗応力特性の向上、高Q、αμrやTcの制御といった効果を発揮する。副成分の総含有量が5wt%以上であると磁気特性が劣化するので好ましくない。
前記フェライト磁心の形状は、多孔形磁心又はトロイダル磁心であるのが好ましい。
第3の発明は、前記フェライト磁心に巻線を巻装した分岐トランス及び/又は分配トランスを用いて分岐器、分配器又は増幅器としたCATV用機器である。
第4の発明は、ヘッドエンドからCATVシステム加入者端末の間に敷設された幹線同軸ケーブルや光ファイバーケーブルなどの伝送路と、前記伝送路に配置された双方向のCATV信号を増幅する増幅器、CATV信号を分配する分配器や分岐器などのCATV用機器を有し、前記CATV用機器の少なくとも一部に第2の発明のCATV用機器を用いた双方向CATVシステムである。
フェライト磁心が何等かの理由により磁気飽和し磁化する場合であっても、これを分岐トランス、あるいは分配トランスとした時に、CATVの各チャンネルで規定される搬送波の差成分によるノイズの発生を抑制することが出来るので、双方向CATVシステムにおいて流合雑音を抑制することが出来る。
またこれを用いてCATV用機器の小型化、低コスト化が可能となり、延いてはコスト増加を抑えながら流合雑音を低減した双方向CATVシステムを提供することが出来る。
本発明者等は、上り信号に生じるノイズの発生原因について鋭意研究する中で、フェライト磁心の磁化による磁気特性の変動が関係しているのではないかと考え、磁化後ノイズが発生するフェライト磁心に巻線を施し磁化前後でのインピーダンスの周波数特性を確認した。その結果、CATV信号の使用周波数帯域よりも低周波側で、2000kHz以下の周波数でインピーダンスの大きな歪みが生じていることが判明した。図8はその一例であって後述する試料No.13のフェライト磁心の磁化前、磁化後のインピーダンスの周波数特性を示している。500kHz〜2000kHzの間で3ヶ所にインピーダンスの歪みが生じ、また磁化に伴う初透磁率の低下よってインピーダンスも凡そ2/3程度に減少しているのが判る。
インピーダンスの減少はトランスの性能に影響するがノイズとの関連は薄いと考えられ、本発明者等はCATV信号の周波数帯域外で生じるインピーダンスの歪みが、上り信号に生じるノイズの発生原因ではないかと推定した。この推定に基づけば、フェライト磁心が磁気飽和して磁化する場合であっても、前記インピーダンスの歪みを小さくすることで前記ノイズを低減することが可能であることを見出した。
インピーダンスの歪みを制御するには、その発生原因を特定する必要が有る。本発明者等は、さらに検討を進める中で、前記インピーダンスの歪みがフェライトの磁歪現象(磁性体を磁化すると磁性体の寸法が変化する)に起因するのでないかと推定した。
ここで磁歪について簡単に説明する。フェライト磁心は通常状態では歪みが発生しないが磁化すると歪みが発生する。これは磁化していない状態では、自発磁化方向は焼結体内でばらばらで打ち消し合うが、十分に大きな磁界を印加する事により自発磁化の方向が揃い磁歪が発生するためである。一般にこの磁歪を飽和磁歪と呼ぶ。
代表的な単元フェライトの飽和磁歪λ(ΔL/L=寸法の変化の割合)の大きさは磁歪定数λ100、λ111より次式で求められ表1のようになる(平賀、奥谷、尾島 共著:「フェライト」、昭和61年(1986)、発行所 丸善)。

λ=2/5(λ100)+3/5(λ111

下記表1より、任意の組成からなるフェライトの飽和磁歪λは生成される単元フェライトのmol比より算出することができる。
なおFeが不足する組成(Feが50mol%未満)の場合には各単元フェライトの生成順を考慮して、飽和磁歪λを導く必要がある。この点については後述する。
Figure 2004153244
このような磁歪を有するフェライト磁心は、磁心形状と密接に関係する周波数において大きな磁歪振動を生じる。以下前記周波数を機械的共振周波数と呼ぶ。この機械的共振周波数fo(Hz)は、薄いリング状の試料において、次式で表される事が知られている(菊池喜充著:「磁歪振動と超音波」、昭和41年(1966)、コロナ社)。
Figure 2004153244
インピーダンスの歪みと磁歪との関係を明らかにするように、外形寸法の異なる複数のフェライト磁心を用いてインピーダンスの歪みが発生する周波数を測定し、あわせて前記機械的共振周波数foを算出して、その関係を評価した。
まずインピーダンスの歪みが発生する周波数の測定方法を図8及び図9を基に説明する。
トロイダル形状のフェライト磁心を用い、その内径部に0.5φの巻線を通して(1ターン)直流電流を印加し、磁気飽和させて磁化した後、500kHz〜2000kHzの周波数におけるインピーダンスを測定する。前記周波数範囲において、複数のインピーダンスの歪みが存在するが、その中からインピーダンス値が最も大きなピーク値を示すインピーダンスの歪みを特定した(図8のMAXで示したインピーダンス歪み部)。さらに、測定スパン=50kHz、測定周波数ピッチ=125Hzとして前記測定周波数範囲においてインピーダンス値が最も大きなピーク値(図9のMAXで示したインピーダンス歪み部)となる周波数をインピーダンスの歪み発生周波数とした。このような測定周波数ピッチを設定したのは、ピーク値及びその周波数を正確に測定するためである。測定周波数ピッチ5Hzで測定して得られるピーク値に対して、その95%以上の値で測定出来る測定周波数ピッチが175Hz以下であり、前記測定周波数ピッチを設定した。
また本発明においては、インピーダンスの歪み量を定量化するためインピーダンスの最大歪量比として定義した。インピーダンスの最大歪量比は、前記インピーダンスの歪み発生周波数におけるインピーダンスをZmaxとし、歪み発生周波数から25kHz減じた周波数(図9のB部)におけるインピーダンスZbと、歪み発生周波数から25kHz加算した周波数(図9のC部)におけるインピーダンスZcの平均値により、次式により求めた。
インピーダンスの最大歪量比=2×Zmax/(Zb+Zc)
表2にFe 49.0mol%、ZnO 32.0mol%、NiO 11.0mol%、CuO 8.0mol%の組成を有し、外形寸法が外径3.0〜4.0mm、高さ1.5〜4.5mm、内径1.0mmのトロイダル形状のフェライト磁心を用いて、前記測定方法によりインピーダンスの歪み発生周波数を測定した結果と、あわせて機械的共振周波数foを算出した結果を纏めて示す。
なお機械的共振周波数foを求める際に必要な、ヤング率の評価はJIS R1602で規定される超音波パルス法を、密度の評価はアルキメデス法を用いて求めた。ヤング率は173GPaであり、密度は5.22×10kg/mである。
Figure 2004153244
フェライト磁心の外径を大きくすると、それに伴ってインピーダンスの歪み発生周波数が低くなり、機械的共振周波数foの計算結果と良く一致する。なお機械的共振周波数foは磁心の厚みについて考慮されていないが、フェライト磁心の厚みを厚くするとインピーダンスの歪み発生周波数は低くなることが判った。この場合でもfo±200kHzの領域にインピーダンスの歪みが発生する。このような検討の結果から、インピーダンス歪がフェライト磁心の磁歪振動現象に起因することを確認した。
次に表3に示す組成を有するフェライトを用いてフェライト磁心を作製し、飽和磁歪の絶対値|λs|、インピーダンスの最大歪量比、初透磁率μi、キュリー温度Tc、飽和磁束密度Bm、残留磁束密度Br、角型比Br/Bmの算出及び、測定を行った。
Figure 2004153244
前記したように飽和磁歪λsの算出には各単元フェライトの生成順を考慮する必要がある。単元フェライトはCuFe2O4が850〜900℃で生成し、次いでCoFe2が900〜1000℃、
ZnFeが900〜1000℃、NiFeが1000〜1100℃、MnFeが1100〜1350℃で生成する。この生成順を考慮すると、例えば試料No1の場合には、先ずCuFeが8mol%、次にZnFeが30mol%生成される、その後NiFeが生成されるがFe量が不足する為9.2mol%しか生成されず、NiOが5.6mol%残るとして算出した。つまりスピネル化されないNiOを含めて総量が52.8mol%となる。したがって飽和磁歪λsは以下のように算出できる。
λs=((−10)×8+(0)×30+(−32)×9.2)×10−6/52.8
=−7.09×10−6
次にフェライト磁心の作製方法について説明する。Fe、ZnO、NiO、CuOの各素原料を所定量に計量した後、媒体攪拌ミルを用いて1時間混合し、900℃で1.5時間仮焼する。仮焼した粉末を媒体攪拌ミルで粉砕し、その後造粒し、所定の磁心形状に成形し、次に1000〜1200℃で1〜2時間焼成して外形寸法が外径3.5mm、高さ3.0mm、内径1.0mmのトロイダル形状のフェライト磁心を作製した。またノイズ評価用に分岐トランスを構成する多孔形磁心も併せて作製した。
得られたトロイダル形状のフェライト磁心に0.5φの巻線を通して(1ターン)、室温状態で諸特性を評価した。インピーダンスの最大歪量比の評価方法は前記と同様なのでその説明を省く。また初透磁率μ、キュリー温度Tc、残留磁束密度Br、最大磁束密度Bmを表4に示す測定器及び条件で評価した。また角形比Br/Bmは、BHアナライザーを利用して磁界(10〜2000A/m)を印加し、図10に示すように所定の磁界におけるヒステリシスループにおける印加磁界Hが0A/mのときの磁束密度をBrとし、最大となる磁束密度をBmとして、得られたBrとBmとの比としている。
各試料の諸特性の評価結果を表5に示す。
Figure 2004153244
Figure 2004153244
飽和磁歪|λs|の小さいフェライトを用いた場合の一例として、図11に試料No.6のフェライト磁心によるインピーダンスの周波数特性を示す。本試料では磁化後ノイズが発生する試料No.13のものと比べて、インピーダンスの歪みが著しく低減されている。また、図12(a)、(b)に試料No.6、試料No.13の磁界Hと残留磁束密度Brの間系を、図13(a)、(b)に磁界Hと角形比Br/Bmの間系を示す。試料No.6のものは試料No.13と比べて広い範囲の磁界において残留磁束密度、角形比が著しく小さいことが判る。
得られた結果から、飽和磁歪|λs|とインピーダンスの最大歪量比との関係を評価した(図14)。飽和磁歪|λs|とインピーダンスの最大歪量比は正の相関関係を有しており、飽和磁歪|λs|を小さくすればインピーダンスの最大歪量比を低減することが出来る。
さらに試料No.1〜No.16の多孔形フェライト磁心(メガネコア)に巻線を施して分岐トランスとし、前記フェライト磁心を磁気飽和させて磁化させたあと、図15に示す評価回路に分岐トランス190を配置し、入力端子側にハイパスフィルタ170bを介してシグナルジェネレータ60aから下り信号として93〜537MHzで6MHzピッチの高周波信号を入力し、分岐トランス190の出力端子160bは線路インピーダンス75Ωで終端し、さらに分岐トランス190の分岐端子に上り信号としてシグナルジェネレータ60bで発生させた10〜55MHzの高周波信号を入力し、ローパスフィルタ175bを介して現れる高周波信号、すなわちCATVの上り信号(10〜55MHz)に重畳するノイズをスペクトルアナライザ65で評価した。その結果、試料No.13〜No.16(比較例)のものではノイズが多く含まれ、飽和磁歪の絶対値が大きく、インピーダンスの最大歪量比が大きいものほど、ノイズレベルが大きい。一方試料No.1〜No.12(実施例)のものは、ノイズは発生するのものレベルが著しく低減し、測定回路のノイズレベル程度の試料もあった。
また、ネットワークアナライザ(Agilent technologies E5071A)を用いて磁化前後の分岐トランスの挿入損失、端子間結合係数(出力端子、カップリング端子間のアイソレーション)、反射特性(VSWR)を評価したところ、実施例のものではほとんど変化なく、また要求特性も満足するものであったが、比較例のものでは前記特性が劣化するものがあり、一部で要求特性も満足出来ないものもあった。
以上の結果から本発明によれば、フェライト磁心が磁気飽和し磁化する場合であっても、このフェライト磁心を用いて構成した分岐トランスあるいは分配トランスとしての要求特性を得ながらノイズの発生をも低減することできる。また特別な手段によってフェライト磁心が磁気飽和しないようにすることが不要となるのでCATV用機器を小型化することが出来た。さらに、フェライト磁心の磁化によるCATVシステムにおける流合雑音を著しく低減することが出来た。
以上Ni−Zn系フェライトについて検討してきたが、他の組成系でも本発明の効果が発揮されるものか確認した。
フェライトの原料組成として52.2mol%のFe2O3、12mol%のZnO、35.8mol%のMnOを秤量し、実施例1と同様の手順で焼結体を得た。但し焼成温度は1200〜1400℃とした。この焼結体について表1より飽和磁歪|λs|を算出し、初透磁率μi、キュリー温度Tc、角形比を測定した。その結果を表6に示す。
Figure 2004153244
本実施例においても、トランスとしての要求特性を得ながらノイズの発生を低減することが出来た。
本発明によれば、フェライト磁心が何等かの理由により磁気飽和し磁化する場合であっても、これを分岐トランス、あるいは分配トランスとした時に、CATVの各チャンネルで規定される搬送波の差成分によるノイズの発生を抑制することが出来るので、双方向CATVシステムにおいて流合雑音を抑制することが出来る。
またこれを用いて構成するCATV用機器は小型化、低コスト化が可能となり、延いてはコスト増加を抑えながら流合雑音を低減した双方向CATVシステムを提供することが出来る。従来のCATV用機器と併用することが出来るので、新たにインフラを整備する必要も無く、極めて有用な発明である。
本発明に係るCATVシステムの同軸ケーブルのツリー状分配網を示す構成図である。 本発明に係るCATVシステムの要部ブロック図である。 本発明に係る双方向増幅器の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る分岐器の一例を示す構成図である。 本発明に係る分配器の一例を示す構成図である。 本発明に係るフェライト磁心の一例を示す外観斜視図である。 本発明に係るフェライト磁心の他の例を示す外観斜視図である。 従来のフェライト磁心によるインピーダンスの周波数特性図である。 従来のフェライト磁心によるインピーダンスの周波数特性図である。 角形比Br/Bmを説明する為のヒステリシス曲線図である。 本発明に係るフェライト磁心によるインピーダンスの周波数特性図である。 (a)本発明に係るフェライト磁心の磁界Hと残留磁束密度Brとの関係図であり、(b)従来のフェライト磁心の磁界Hと残留磁束密度Brとの関係図である。 (a)本発明に係るフェライト磁心の磁界Hと角形比Br/Bmとの関係図であり、(b)従来のフェライト磁心の磁界Hと角形比Br/Bmとの関係図である。 飽和磁歪とインピーダンスの最大歪量比との関係図である。 ノイズ評価回路の構成図である。
符号の説明
10 ヘッドエンド
11 フィルタ
12 分岐器
13 分配器
14 テレビ受像機
15a,15b,15c,15d 双方向増幅器
16 コンピュータ
18 保安器
19 雑音除去装置
20 分波器
50 フェライト多孔形磁心
60 トロイダル磁心
100 分岐器
200 分配器

Claims (9)

  1. 飽和磁歪|λ|≦8×10−6、初透磁率μi≧300であるフェライトで構成され、CATV用機器の分岐トランス、分配トランス用の磁心であることを特徴とするフェライト磁心。
  2. 初透磁率μi≧300であり、機械的共振周波数fを含む500kHzから2000kHzの周波数において、磁気飽和後のインピーダンスの最大歪量比が4以下のフェライトで構成され、CATV用機器の分岐トランス、分配トランス用の磁心であることを特徴とするフェライト磁心。
  3. 磁界10〜2000A/mにおける残留磁束密度Brが150mT以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト磁心。
  4. 残留磁束密度Brと最大磁束密度Bmとの比Br/Bmで表わされる角形比が0.5以下であることを特徴とする請求項3に記載のフェライト磁心。
  5. 前記フェライトはFe:47〜50mol%、ZnO:29〜34mol%、NiO:9〜15mol%、CuO:7〜9mol%、を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト磁心。
  6. 前記フェライトはFe:50〜55mol%、ZnO:10〜14mol%、残部MnOを主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト磁心。
  7. 前記フェライト磁心が多孔形磁心又はトロイダル磁心であることを特徴とする請求項1に記載の請求項1又は2フェライト磁心。
  8. 請求項1又は2に記載のフェライト磁心に巻線を巻装して分岐トランス及び/又は分配トランスとし、前記分岐トランス及び/又は分配トランスを用いて分岐器、分配器又は増幅器としたことを特徴とするCATV用機器。
  9. ヘッドエンドからCATVシステム加入者端末の間に敷設された同軸ケーブルや光ファイバーケーブルなどの伝送路と、前記伝送路に配置された双方向のCATV信号を増幅する増幅器、CATV信号を分配する分配器や分岐器などのCATV用機器を有し、前記CATV用機器の少なくとも一部が請求項8に記載のCATV用機器であることを特徴とする双方向CATVシステム。
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