JP4301827B2 - 熱電モジュールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイスや電子部品などの電子機器を吸熱部材を介して冷却し、あるいは放熱部材を介して加熱するための熱電モジュール及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一対の対向する基板の内面にそれぞれ導電性の金属電極を接合し、前記金属電極を介して複数のp型及びn型の熱電半導体素子を直列に接続してなる熱電モジュールは広く知られており、多方面にわたり利用されている。例えば、半導体レーザ、パワートランジスタ、リレー、マイクロプロセッサなど発熱の大きい電子部品では、正常に動作させるために、これらの電子部品の放熱・冷却は重要な技術となっている。熱電モジュールは、電子機器の小型化・高密度化が進むことでさらに重要度が高まっている。
従来の熱電モジュールは図4に例示するように、基板21と基板22との間に、p型熱電半導体素子23とn型熱電半導体素子24とを交互に多数並べて配置し、吸熱側の基板及び放熱側の基板上にそれぞれ形成した電極25を介して前記p型及びn型熱電半導体素子を電気的に直列に接続し、両端の電極25aおよび25bを介して通電することによって吸熱側から放熱側に熱を移動させるようにしたものである。
【0003】
この熱電モジュールは、基板間の温度差によって放熱側から吸熱側への熱移動が発生するので、両基板間に所定の温度差が得にくかったり、素子の低温部で結露が発生し、熱電半導体素子の腐食を引き起こしたりする不都合があった。このため、従来は、熱電モジュールとして組み立てる際に、1)基板間の空隙に電気絶縁性材料を介在させる、2)熱抵抗の大きなアルミナ基板の代わりに可塑性の電気絶縁性部材を用いる、さらには3)熱電モジュールの外枠を樹脂材料にて枠組みすることにより熱電モジュールの構造的な強度や、耐湿性を向上させる方法(例えば特許文献1参照)や、板状の絶縁体に複数の貫通孔を設け、貫通孔内に熱電半導体素子を埋め込むことで熱電モジュール使用時における熱電半導体にかかる偏過重を防ぎ、熱電モジュールの構造的な強度を高める方法(例えば特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−124510号公報
【特許文献2】
特開2002−158379号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法においては、基板間の空隙に挿入する絶縁材料を形成した後にp型及びn型の熱電半導体素子を埋め込むので、隣接する電極を接合する熱電半導体素子間の平面性を維持することが困難であり、絶縁材料中に全て埋め込んだ際に熱電半導体素子部分以外の絶縁材料部のみを切断することは非常に難しい。また、余分な絶縁材料を切断し廃棄するので、製造時の材料ロスも大きなものとなってしまう。熱電コア部と吸熱あるいは放熱部材との間に可塑性の電気絶縁性部材を充填する構造においては、熱電コア部が温度上昇や温度低下を繰り返した際の温度ストレスによって、初期に作製した状態のまま熱電モジュールを維持することは難しいという問題がある。さらに、吸熱部材と放熱部材とを絶縁性部材によって間接的に結びつけることにより、放熱部材から吸熱部材側への熱リークによって熱電モジュールの性能の低下が発生するという問題がある。また、いずれの熱電モジュールにおいても、水分の浸入を防ぐことができず、結露等による熱電半導体素子の腐食が発生し、長期使用時において特性の劣化が発生するという問題がある。
【0006】
本発明は、放熱側から吸熱側への熱リークが低減され、熱電特性の低下のない熱電モジュール及びそのような熱電モジュールの製造方法を提供することを目的とする
【0007】
【課題を解決するための手段
【0008】
本発明は、並列に配置されたp型の熱電半導体素子とn型の熱電半導体素子とをそれらの上下両端面において電極により直列に接続するとともに、前記上下の電極の一方の電極外面に絶縁性の基板を固定する工程、前記基板内面から前記熱電半導体素子の他方の電極側端部にわたる部分に、金属アルコキシドを原料としてゾル・ゲル法により、骨格が金属酸化物からなる多孔体を形成する工程、および他方の電極外面に前記基板と対構造となる基板を固定する工程を有する熱電モジュールの製造方法を提供する。
【0009】
本発明は、また並列に配置されたp型の熱電半導体素子とn型の熱電半導体素子とをそれらの上下両端面において電極により直列に接続するとともに、前記上下の電極の外面に絶縁性の基板を固定する工程、前記基板を含む前記熱電半導体素子を外枠により密閉する工程、前記外枠に設けた隙間より金属アルコキシドを前記両基板の間に注入して、金属アルコキシドを原料としてゾル・ゲル法により、骨格が金属酸化物からなる多孔体を形成する工程、および前記外枠を取り除く工程を有する熱電モジュールの製造方法を提供する。
【0010】
これにより基板間に多孔体を、基板との密着性を保ち、かつ、p型及びn型の熱電半導体間とも密着性を保ちながら簡便に形成することができ、熱伝導率の小さな多孔体とすることで、温度が異なる基板間における熱リークを低減した熱電モジュールとすることが可能となる。また、基板間に密着させて多孔体を形成することで、熱電モジュールの強度を高めることができ熱電モジュールの信頼性を向上させることが可能となる。さらに、多孔体表面を修飾することによって、細孔中に侵入してくる水蒸気量を抑制でき、耐湿性に優れた熱電モジュールとすることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により得られる熱電モジュールは、熱電半導体間の空隙及び前記熱電半導体を介して対構造となっている基板の間に多孔体が充填されている。この構成によって、熱電モジュールを動作させて基板間に温度差が生じた場合に、基板間に生じる熱リークを低減し、モジュールの能力を維持することが可能となる。また、動作時に発生する基板の熱膨張・収縮による歪みをも低減し、熱電モジュール自身の強度を高めることができる。
【0012】
ここで、前記多孔体の表面の一部が有機シリル基を有していることが望ましく、さらには有機シリル基がトリメチルシリル基またはジメチルシリル基であることが好ましい。さらに、前記多孔体がケイ素の酸化物からなる骨格を有していることが望ましく、見かけ密度が50〜500kg/m3の範囲にあることがより望ましい。本発明の多孔体が内部に含む気孔については、その直径が空気の平均自由行程よりも小さいものが望ましく、具体的には100nm以下のものが望ましい。
前記基板の間に存在し、外気に暴露されている多孔体の部位が、疎水化処理されていることが好ましい。
【0013】
本発明の好ましい態様における多孔体について、以下に具体的に述べる。
本発明の多孔体においては、ナノメートル(nm)サイズの気孔を多く有する多孔質シリカを用いることが好ましい結果を与える。多孔質シリカは、連続気孔または独立気孔を有する酸化ケイ素であり、シリカ粉体の成型、シリカ粉体の焼成、化学発泡、物理発泡、ゾルゲル法など多くの方法で作製することができる。本発明において好ましい構造を有する多孔質シリカは、ゾルゲル法によって作製されるシリカ乾燥ゲルから製造されるものである。ここで乾燥ゲルとは、ゾルゲル反応によって形成される多孔体であり、ゲル原料液の反応によって固体化した固体骨格部が、溶媒を含んで構成された湿潤ゲルを経て、その湿潤ゲルを乾燥して溶媒除去を行うことにより形成されるものである。この乾燥ゲルは、100nm以下のサイズの粒子で構成される固体骨格部によって平均細孔直径が100nm以下の範囲の連続気孔が形成されているナノ多孔質体である。また、固体成分を少なくすることにより、非常に低密度な多孔質体を得ることができる。
【0014】
本発明で用いる乾燥ゲルからなる多孔質シリカを得る方法は、湿潤ゲルを得る工程と、その湿潤ゲルを乾燥する工程からなる。
まず、湿潤ゲルは、シリカの原料を溶媒中でのゾルゲル反応によって合成する。この際に、必要に応じて触媒を用いる。湿潤ゲルの形成過程では、溶媒中で原料が反応しながらシリカの微粒子を形成し、その微粒子が集まって網目状骨格を形成して湿潤ゲルが得られる。具体的には、所定の密度の多孔質シリカを得るように固体成分である原料及び溶媒の組成を決定する。その組成に調製した溶液に、必要に応じて触媒や粘度調整剤などを加えて攪拌し、注型、塗布等により所望の使用形態にする。この状態で一定時間経過すると、溶液はゲル化してシリカの湿潤ゲルが得られる。製造時の温度条件は、通常の作業温度である室温近傍でよく、必要に応じて溶媒の沸点以下の温度で実施してもよい。
【0015】
シリカの原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン等のアルコキシシラン化合物、これらのオリゴマー化合物またはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等の水ガラス化合物などであり、またはコロイダルシリカなどを単独または混合して用いることが可能である。溶媒としては、原料が溶解してシリカ形成すればよく、水やメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、ヘキサンなどの一般的な有機溶媒を単独もしくは混合して用いることができる。触媒としては、水や塩酸、硫酸、硝酸などの酸やアンモニア、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基を用いることができる。粘度調整剤としては、エチレングリコール、グリセリン、ポリビニールアルコール、シリコーン油などを用いることができるが、湿潤ゲルを所定の使用形態にできるものであるならばこれらに限定されるものではない。
【0016】
次に、湿潤ゲルから乾燥ゲルを得る乾燥工程について述べる。
乾燥処理には自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥の通常乾燥方法や超臨界乾燥法、凍結乾燥法などを用いることができる。一般に乾燥ゲルを低密度にするために湿潤ゲル中の固体成分量を少なくするとゲル強度が低下する。また、通常、ただ単に乾燥するだけの乾燥法では、溶媒蒸発時のストレスによってゲルが収縮してしまう。そのため、乾燥ゲルからなる多孔質シリカを得るためには、乾燥方法として超臨界乾燥や凍結乾燥を用いることが、乾燥時の収縮を防ぐことができて好ましい。さらには、湿潤ゲルにおいてゲルの固体成分の表面を疎水化処理を行うことによっても乾燥時のゲルの収縮を抑えることができて好ましい。
【0017】
超臨界乾燥法や凍結乾燥法では、溶媒を液体状態から相状態を変えることによって、気液界面を無くして表面張力によるゲル骨格へのストレスを無くして乾燥することができるため、乾燥時のゲルの収縮を防ぐことができ、低密度の乾燥ゲルの多孔質体を得るのに適した方法である。この超臨界乾燥を行う際に用いる溶媒としては、湿潤ゲルの溶媒を用いることができる。また、必要に応じて超臨界乾燥において扱いやすい溶媒に置換しておくのが好ましい。置換する溶媒としては、直接その溶媒を超臨界流体にするメタノール、エタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール類、二酸化炭素、水が挙げられる。または、これらの超臨界流体で溶出しやすいアセトン、酢酸イソアミル、ヘキサンなどの取り扱いの容易な有機溶剤に置換してもよい。
【0018】
超臨界乾燥条件としては、オートクレーブなどの圧力容器中で行い、例えばメタノールではその臨界条件である臨界圧力8.09MPa、臨界温度239.4℃以上にし、温度一定の状態で圧力を徐々に開放して乾燥を行う。また、二酸化炭素の場合には臨界圧力7.38MPa、臨界温度31.1℃以上にして、同様に温度一定の状態で圧力を徐々に開放しながら乾燥を行う。
乾燥に必要な時間は、超臨界流体によって湿潤ゲル中の溶媒が1回以上入れ替わる時間以上を経過すれば問題ない。
【0019】
基板としては、アルミナ、窒化アルミニウム等、電気絶縁性に優れ、熱伝導特性に優れたセラミックス材料からなるものが用いられる。電極材との接合性、平面性が得られるのであれば、特に限定されるものではない。
電極としては、銀、銅、パラジウム、白金、アルミニウム、ニッケルのうち少なくとも1種を含むものが好ましい。
【0020】
熱電半導体としては、p型の熱電半導体としては主成分としてBi、Te、Sb元素から構成される材料であり、(Bi2Te3/Sb2Te3)として構成比で10/90〜30/70が好ましい。n型の熱電半導体としては、主成分としてBi、Se、Te元素から構成される材料であり、(Bi2Te3/Bi2Sb3)として構成比で80/20〜95/5が好ましい。これらの主成分元素の他に添加剤として、p型熱電材料においてはTe、Sb、Ag、P、YbF3、BN等が含まれていてもよい。また、n型熱電材料においては、SbI3、Ag、Sb、CuBr2、AgBr、AgI、CdI2、YbF3、Te、P、BN等が含まれていてもよい。さらには上記の熱電材料以外にも、PbTe系、FeSi2系や充填スクテルダイト型構造を有する他の熱電材料、NaCo24等の金属酸化物系熱電材料、あるいはこれらの混合物が熱電半導体として用いられても問題はない。
【0021】
本発明で用いる熱電半導体の製造方法としては、ホットプレス法やメカニカルアロイ法、MBE法、CVD法等があり、特に限定されるものではない。作製された素子の結晶形態(状態)は、溶製材、多結晶体、エピタキシャル成長による単結晶体などがあり、特に限定されるものではない。
【0022】
本発明による熱電モジュールの第一の製造方法は、並列に配置されたp型の熱電半導体素子とn型の熱電半導体素子とをそれらの上下両端面において電極により直列に接続するとともに、前記上下の電極の一方の電極外面に絶縁性の基板を固定する工程、前記基板内面から前記熱電半導体素子の他方の電極側端部にわたる部分に、金属アルコキシドを原料としてゾル・ゲル法により、骨格が金属酸化物からなる多孔体を形成する工程、および他方の電極外面に前記基板と対構造となる基板を固定する工程を有する。
【0023】
本発明による熱電モジュールの第二の製造方法は、また並列に配置されたp型の熱電半導体素子とn型の熱電半導体素子とをそれらの上下両端面において電極により直列に接続するとともに、前記上下の電極の外面に絶縁性の基板を固定する工程、前記基板を含む前記熱電半導体素子を外枠により密閉する工程、前記外枠に設けた隙間より金属アルコキシドを前記両基板の間に注入して、金属アルコキシドを原料としてゾル・ゲル法により、骨格が金属酸化物からなる多孔体を形成する工程、および前記外枠を取り除く工程を有する。
【0024】
上記の本発明の方法により、基板間に多孔体を、基板との密着性を保ち、かつ、p型及びn型の熱電半導体素子間とも密着性を保ちながら簡便に形成することができる。また、基板間に密着させて多孔体を形成することで、熱電モジュールの強度を高めることができ、熱電モジュールの信頼性を向上させることが可能となる。
【0025】
本発明の熱電モジュールの第一および第二の製造方法において、前記多孔体はその骨格が金属酸化物からなり、多孔体の少なくとも表面の一部に有機シリル基を有し、前記多孔体を形成する工程が、
(a)表面にアルコキシ基を有する湿潤ゲルを、水を含む水溶性溶媒中に浸漬することにより前記アルコキシ基を加水分解する工程、
(b)疎水化剤を溶解し、アルコールを含まない溶媒中で、前記湿潤ゲルを疎水化処理する工程、および
(c)前記ゲル内に残存した溶媒を除く乾燥工程
からなることが好ましい。
これにより、多孔体中に微細な空隙を設けることが可能となり、空隙のサイズを空気分子の平均自由行程以下にすることによって、基板間に温度差が生じた際にも多孔体中の空隙を通じて伝導機構により伝わる熱リークが抑制され、特性の低下のない熱電モジュールを得ることが可能となる。さらには、密度の小さな多孔体が形成されることで、多孔体自身の熱伝導率も低くなり、基板間の熱リークを抑制することが可能となる。また、有機シリル基を多孔体表面で均一に反応させることが可能となり、形成された多孔体表面を効率よく疎水化することができ、熱電モジュール耐湿性も向上させることが可能となる。
【0026】
ここで、湿潤ゲルを作製する工程は、先に記したものと同様であるが、疎水化剤を用いて湿潤ゲルを疎水化処理した後に乾燥させて多孔体を作製する場合について記す。
湿潤ゲルを疎水化処理してから乾燥する方法は、疎水化処理のための表面処理剤を湿潤ゲルの状態で溶媒中でその固体成分の表面に化学反応させるものである。これによってモジュールの耐湿性を向上させるだけではなく、湿潤ゲルの網目構造の細孔内に発生する表面張力を低減させ、表面に加わる乾燥時の応力を低減することができ、通常乾燥にて収縮を抑制した乾燥ゲルを得ることができる。表面処理剤としては、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、エチルトリクロルシラン等のハロゲン系シラン処理剤、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシランなどのアルコキシ系シラン処理剤、ヘキサメチルジシロキサン、ジメチルシロキサンオリゴマーなどのシリコーン系シラン処理剤、ヘキサメチルジシラザンなどのアミン系シラン処理剤、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクタノール、デカノールなどのアルコール系処理剤などを用いることができる。
【0027】
本発明においては、熱電モジュールの基板間並びにp型熱電半導体およびn型熱電半導体間の空隙を多孔体にて充填した後、多孔体の最外郭面だけ疎水化処理を行ってもよい。この方法も熱電モジュールの耐湿性を向上させるのに有効である。この際にも上記の表面処理剤を用いることが望ましい。
【0028】
本発明による多孔体の材質としては、無機材料、有機高分子材料いずれも用いることができる。無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部は、酸化ケイ素(シリカ)または酸化アルミニウム(アルミナ)などゾルゲル反応で得られる一般的なセラミックスを成分として適用することができる。また、有機高分子の乾燥ゲルの固体骨格部としては、一般的な熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂により構成することが可能である。例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリイミド、フェノール硬化樹脂、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸メチルなどを適用することが可能である。
【0029】
実施の形態1
図1は本発明の第一の実施の形態における熱電モジュールの断面図を表している。p型の熱電半導体素子3とn型の熱電半導体素子4とが交互に配列され、電極5により直列に接続されている。これら熱電半導体素子は、上側の電極を接合した基板1と、下側の電極を接合した基板2とにより挟持されている。そして、熱電半導体素子間の空隙および端部の素子外側における基板間の空隙は、多孔体7で充たされている。
この熱電モジュールは、一端の電極5aが負、他端の電極5bが正となるように導線6aおよび6bから電圧を印加すると、上側の基板1が外部よりエネルギーを吸収する吸熱側となり、下側の基板2が外部へエネルギーを放出する放熱側となる。ここで、吸熱側の基板1と放熱側の基板2との温度差は、熱電半導体素子の特性に依存するものの、電流値を増やせばその特性内において増加する。その際に、放熱側から吸熱側への熱伝導(熱リーク)が生じる。本発明による熱電モジュールは、基板1、2間に隙間無く多孔体7が充填されているので、熱リークの影響を抑え、基板間の温度差を維持することができる。
【0030】
図2は上記の熱電モジュールの製造工程を示す。まず、p型熱電半導体素子3とn型熱電半導体素子4とを電極5により直列に接続し、熱電半導体素子の一方の端面、例えば上端面側の電極を基板1に接合する(図2(a))。こうして、熱電半導体素子の他方の端面側に基板2が接合されていないモジュールを作製する。このモジュールを容器10内の固定台9上に設置する。次いで、図2(b)に示されるように、容器10中に湿潤ゲルである多孔体の原料液8を注入し、一定時間反応を進ませた後、乾燥ゲルとする。ここで、乾燥を促進させるために、容器の温度を室温以上に加熱することも可能である。
【0031】
図2(c)は、多孔体の原料液が乾燥ゲル7となった後に容器10より取り出した熱電モジュールを示している。次に、図2(d)に示すように、余分な多孔体を取り除き、導線6aおよび6bを接続する部分の電極を露出させる。ここで、多孔体の原料液が十分粘性が高い場合には、十分乾燥ゲルにまでならなくとも容器内から熱電モジュールを取り出して余分な多孔体を除去した後に、再び乾燥工程を行っても問題ない。
最後に、図2(e)に示すように、多孔体より露出した下側の電極部に基板2を接合して熱電モジュールを完成させる。
【0032】
実施の形態2
図3は本発明における第二の実施の形態における熱電モジュールの製造工程を示す。本実施の形態においては、p型熱電半導体素子3とn型熱電半導体素子4とが電極5により直列に接続され、熱電半導体素子の上下の電極がそれぞれ基板1および2に接合された、従来の熱電モジュールが既に作製された状態より工程は開始される(図3(a))。図3(b)に示されるように、上の熱電モジュールの外側に、金属板等からなる板材11を用いて熱電モジュールの基板間の空隙を閉空間とする。ただし、導線が接続される電極部は、板材の一部に開口部を設けて、上記基板と板材とに囲まれた閉空間より外側へあらかじめ出しておく。
【0033】
次に、図3(c)のように、板材11にあらかじめ設けられた注入口12より、多孔体の原料液8を上記閉空間内に充填する。充填された原料液は、一定時間反応が進行して乾燥ゲルとなる。ここで乾燥を促進させるために、熱電モジュールを室温より高い環境下におくことも可能である。一定時間経過後に、板材11を熱電モジュールより取り外すことで本発明の熱電モジュールは完成する(図3(d))。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1
図2に示されるような製造工程により熱電モジュールを作製した。多孔体原料としては、テトラメトキシシランとエタノールとアンモニア(0.1規定の水溶液)とをモル比で1:3:4になるように混合し、これをゲル化してシリカ湿潤ゲルになるまで反応を進めた。このシリカ湿潤ゲル層を容器内に入れて熱電モジュールの熱電半導体素子間の空隙部に充填した後、ジメチルジメトキシシランの5重量%イソプロピルアルコール溶液を加えて疎水化処理を行った。次いで、通常乾燥法である減圧乾燥を行い、乾燥ゲルの多孔質シリカからなる多孔体を形成させた。乾燥条件は、圧力0.05MPa、温度50℃で3時間保持した。その後、圧力を大気圧にしてから降温して乾燥ゲルを得た。
【0035】
この条件にて得られた乾燥ゲルからなる多孔質シリカ膜は、別途同じ条件で作製したものを測定した結果から、密度約200kg/m3であり、空孔率は約92%であった。また、窒素吸着法であるブルナウアー・エメット・テラー(BET)法で測定した比表面積は約600m2/gであり、平均細孔直径は約15nmであった。
多孔体を形成した後、露出している電極に他方の基板を接合して熱電モジュールを作製した。ここで、熱電半導体素子と電極部の接合は、半田によっておこなった。半田との密着性を高めるために、熱電半導体素子端部にニッケル層を蒸着等により設けておくことが望ましいが、これが必須でない。また、電極と基板との接合においても、基板側にあらかじめ電極を形成してから熱電半導体素子と接合させても問題はない。
【0036】
このように作製された熱電モジュールを用いて温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下で結露試験を行った。2時間毎にオン/オフを約500回繰り返し、結露の影響を観察したところ、特に基板間で維持している温度差に変化は無かった。また、多孔体の熱伝導率を測定したところ0.013W/m/Kであり、空気の熱伝導率(0.025W/m/K)の約半分であった。従って、基板間に温度差が生じた際に、熱電モジュール中で熱電半導体素子以外の空間部で高温側から低温側への熱リーク量が約半分になっていることも確認された。
【0037】
参考
図3に示されるような製造工程により熱電モジュールを作製した。多孔体原料としてはケイ酸ソーダを用いた。まず、ケイ酸ソーダ水溶液を陽イオン交換樹脂(スチレン/ジビニルベンゼン共重合体)を含むジャケット付きカラムによってイオン交換を行いナトリウムを除去し、pH2.0程度のケイ酸水溶液とした。これを、1.0規定のアンモニア水溶液を用いてpH7.0前後に調整し、ゲル化を行った。50℃で24時間エージングを行いシリカ湿潤ゲルを作製した。このシリカ湿潤ゲルに、トリメチルメトキシシランの5重量%イソプロピルアルコール溶液中で疎水化処理を行った。
【0038】
この湿潤ゲルを、図3に示されるように、金属板と基板との間で形成された閉空間に充填し、通常乾燥法である減圧乾燥を行い、乾燥ゲルの多孔質シリカからなる多孔体とした。乾燥条件は圧力0.05MPa、温度40℃で5時間であり、圧力を大気圧にしてから降温して乾燥ゲルを得た。これと同じ条件にて別途作製した乾燥ゲルからなる多孔質シリカ膜は、密度約240kg/m3であり、空孔率は約92%であった。次に、図3に従って金属板を取り外して熱電モジュールを作製した。実施例1と同条件にて結露試験を行ったところ、熱電モジュールの特性低下はみられず、多孔体の熱伝導率が0.013W/m/Kであっていたことから、基板間の熱リークが従来の熱電モジュールと比較して約半分になっていることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、放熱側から吸熱側への熱リークが低減され、熱電特性の低下のない熱電モジュールを提供することができる。また、本発明によれば、耐湿特性に優れ、長期使用時においても熱電半導体素子の腐食が発生しにくい熱電モジュールを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態における熱電モジュールの断面図である。
【図2】 同熱電モジュールの製造工程を示す図である。
【図3】 本発明の第二の実施の形態における熱電モジュールの製造工程を示す図である。
【図4】 従来の熱電モジュールの断面図である。
【符号の説明】
1、2 基板
3 p型熱電半導体素子
4 n型熱電半導体素子
5 電極
6a、b 導線
7 多孔体
8 多孔体の原料液
9 固定台
10 容器
11 板材
12 注入口

Claims (5)

  1. 並列に配置されたp型の熱電半導体素子とn型の熱電半導体素子とをそれらの上下両端面において電極により直列に接続するとともに、前記上下の電極の一方の電極外面に絶縁性の基板を固定する工程、
    前記基板内面から前記熱電半導体素子の他方の電極側端部にわたる部分に、金属アルコキシドを原料としてゾル・ゲル法により、骨格が金属酸化物からなる多孔体を形成する工程、
    および他方の電極外面に前記基板と対構造となる基板を固定する工程を有する熱電モジュールの製造方法。
  2. 並列に配置されたp型の熱電半導体素子とn型の熱電半導体素子とをそれらの上下両端面において電極により直列に接続するとともに、前記上下の電極の外面に絶縁性の基板を固定する工程、
    前記基板を含む前記熱電半導体素子を外枠により密閉する工程、
    前記外枠に設けた隙間より金属アルコキシドを前記両基板の間に注入して、金属アルコキシドを原料としてゾル・ゲル法により、骨格が金属酸化物からなる多孔体を形成する工程、
    および前記外枠を取り除く工程を有する熱電モジュールの製造方法。
  3. 前記多孔体を形成する工程が、
    (a−1)前記金属アルコキシドを、溶媒中でのゾルゲル反応により、固体骨格部を有し、前記溶媒を含み、表面にアルコキシ基を有する湿潤ゲルとし、
    (a)前記表面にアルコキシ基を有する湿潤ゲルを、水を含む水溶性溶媒中に浸漬することにより前記アルコキシ基を加水分解する工程、
    (b)疎水化剤を溶解し、アルコールを含まない溶媒中で、前記湿潤ゲルを疎水化処理する工程、および
    (c)前記ゲル内に残存した溶媒を除く乾燥工程からなる請求項1または2に記載の熱電モジュールの製造方法。
  4. 前記疎水化剤は、ハロゲン系シラン処理剤、アルコキシ系シラン処理剤、シリコーン系シラン処理剤、アミン系シラン処理剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の熱電モジュールの製造方法。
  5. 前記疎水化剤は、ジメチルジメトキシシランまたはトリメチルメトキシシランを含む、請求項3に記載の熱電モジュールの製造方法。
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