JP2005116736A - 熱電変換素子およびその製造方法、並びにそれを用いた冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 効率的な電子移動と熱伝導抑止とを両立し、かつ微小ギャップを形成することが容易な熱電変換素子を提供すること。
【解決手段】 電子を放射するエミッタ1と、エミッタ1に対向するように配置されるコレクタ2と、エミッタ2からの放射電子量を制御するためにエミッタ1−コレクタ2間に配置される制御電極3と、放射される電子5の移動領域としてエミッタ1−制御電極3の間に介設される電子輸送層4と、エミッタ1、コレクタ2及び制御電極3に接続される電源とを備える熱電変換素子とすることにより、効率的な電子輸送と熱伝導抑止の効果により、エミッタ領域を効率的に冷却可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エミッタから放射される熱電子及び電界放出電子を利用して冷却作用を得る熱電変換素子に関し、特にエミッタからの放射電子量を制御する制御電極と、多孔質構造からなる電子輸送層を備えた熱電変換素子及びその製造方法、並びに該熱電変換素子を利用した冷却装置に関する。
熱及び電界の作用によって容易に電子を放射可能なエミッタ材料からの電子放射現象を用いて冷却作用を得る熱電変換素子については、例えば非特許文献1及び2、特許文献1に報告されている。
それらで開示されている従来熱電変換素子(従来例1)の基本構成を図7(a)に示し、それを参照しながら素子の基本動作原理を説明する。
図7(a)は、エミッタからの電子放射を用いた熱電変換素子の基本的な概略構成図である。この熱電変換素子は、被冷却物(不図示)と熱的に接続されたエミッタ1と、被加熱物(未図示)と熱的に接続されたコレクタ2と、それら電極間に電圧を印加するための電源6とで構成されている。エミッタ1とコレクタ2は、スペーサ8等を用いて微小ギャップで対向に配置され、その間は真空空間15となっている。
この素子のコレクタ2側に正、エミッタ1側に負の電圧を印加すると、エミッタ表面が電子を真空中に放出し易い状態、すなわち低仕事関数状態であれば、ある閾値以上で熱作用及び電界作用によって電子放出され、真空空間15を電子移動経路として、放射電子5はエミッタ1側からコレクタ2側へと移動する。
その際、エミッタ1より放出された電子5は、エミッタ1の内部で保有していたエネルギー(運動エネルギー+熱エネルギー)を保持したままコレクタ2に収集される。すなわち、真空の微小ギャップを経て対向させたエミッタ1−コレクタ2間を電子を移動させることで、エミッタ領域の熱をコレクタ2側に輸送することが可能となるので、エミッタ1及びそれに熱的に接続された物体は冷却される。一方、エネルギーを保持した電子5が供給されるコレクタ2及びそれに熱的に接続された物体は加熱される。
以上の動作をまとめると、熱電変換素子に電圧印加してエミッタ1から電子放出させることで、エミッタ周辺は吸熱作用により冷却し、コレクタ周辺は放熱作用により加熱する。
このような素子を効率的に動作させるためには、いかに容易に電子放出させるかがキーであり、そのためには低仕事関数エミッタ材料形成及び微小ギャップ構造形成が必要となる。
さらに同様の原理を用いた他の熱電変換素子(従来例2)の構成が、特許文献2に開示されている。図7(b)に前記特許文献2に記載された熱電変換素子の構成を示す。なお図7(b)において、従来例1と同一構成要素には同じ符号を付している。
この文献では、電子の移動経路として真空空間15を用いる点は、従来例1と同様であるが、コレクタ1−エミッタ2間に第三の電極16を挿入した構成となっている。すなわち、従来例1の構成を二段重ねしたものと同じ構成である。
このような構成とすることで、加熱領域(コレクタ2)からの熱輻射が冷却領域(エミッタ1)に到達することを防止でき、その熱損失が少ない分だけエミッタ領域での冷却効率を向上させることできる。
これら熱電変換素子を用いた冷却作用は、従来の機械的なコンプレッサ方式と比較して可動部がなく小型で、かつフロンガス等の冷媒も不必要であるといった特徴を持つ。さらに、理論上の冷却効率も高いため理想的な冷却方法の一つと考えられる。
ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス 76巻7号(1994年) 4362頁 アプライド・フィジックス・レター 78巻17号(2001年) 2572頁 米国特許第5,675,972号明細書 特開2002−303465号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来例1の熱電変換素子では、図7(a)に示した様に真空空間15からなる微小ギャップを作製する必要があり、安定な熱電変換特性を維持するためにはスペーサ8等を用いて非常に間隔の狭い隙間(概ね5〜100nm程度)を精度良く作製する必要があると共に、その空間(真空空間15)を高真空に維持する必要があった。すなわち従来構造の熱電変換素子においては、非常に狭い間隔の真空ギャップを大面積にかつ精度良く作製することが困難であるといった課題があった。
さらに素子を動作させることによって加熱されるコレクタ2と冷却されるエミッタ1が微小な真空空間15を介して対向配置されているため、コレクタ2からエミッタ1への熱輻射によって熱量が移動し、エミッタ領域の冷却効率が低下してしまうといった課題があった。
また、特許文献2に示された従来例2の熱電変換素子では、図7(b)に示した様にエミッタ−コレクタ間に第三の電極16を挿入した二段重ね構造とすることで、前記従来例1の課題の一つである熱輻射に関する冷却効率の低下は改善されるものの、この第三の電極16はあくまでコレクタ領域からの熱輻射を防止する目的でのみ作用するため、微細な真空空間15を2カ所作製する必要がある。すなわち、高効率な電子放射特性を維持するためには、精度良くかつ大面積に真空空間15からなる非常に間隔の狭い隙間の微小ギャップを作製することが必要といった課題があった。
本発明は、前記課題を解決するもので、効率的な電子移動と熱伝導抑止とを両立し、かつ微小ギャップを形成することが容易な熱電変換素子を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の熱電変換素子は、熱及び電界の作用によって電子を放射するエミッタと、前記エミッタからの放射電子を収集するために、前記エミッタに対向配置されるコレクタと、前記エミッタからの放射電子量を制御するために、前記エミッタ−コレクタ間に配置される制御電極と、前記放射電子の移動領域として、前記エミッタ−制御電極間に介設される電子輸送層と、前記エミッタ、コレクタ及び制御電極に接続される電源とを備えた熱電変換素子である。
本構成により、エミッタ表面に電界作用を与える制御電極が電子輸送層を介して配置されるため、その膜厚制御によりエミッタ−制御電極間の微小ギャップ構造を容易にかつ精度良く形成することが可能になり、エミッタからの効率的な電子放射が得られる。その結果、エミッタと熱的に接続された物体を冷却するのに充分な電流量を得ることが可能となる。
さらに本構成により、エミッタ−コレクタ間にエミッタからの電子放射量を制御する制御電極層を配置したので、加熱部であるコレクタ領域から冷却部であるエミッタ領域への熱輻射を低減できる。
さらに本構成により、電子放射は制御電極で制御するため、制御電極−コレクタ間のギャップは必ずしも微細にする必要はなく、その結果素子作製が容易になる。
本発明の熱電変換素子において、前記制御電極は、エミッタからの放射電子を透過する作用を有することにより、エミッタからの放射電子を効率的にコレクタに移動させることができるので好ましい。例えば、放射電子が通過する領域の制御電極膜厚を薄くしたり、制御電極に貫通孔を備えることで、上記作用を与えることができる。
さらに本発明の熱電変換素子において、前記の様にコレクタ−制御電極間のギャップを必ずしも狭くする必要はないため、動作時のコレクタ−制御電極間の平均電界強度がエミッタ−制御電極間の平均電界強度よりも小さくすることができ、その結果安定な素子動作が可能となるので好ましい。
さらに本発明の熱電変換素子において、前記電子輸送層が気相と固相の混在構造であることより、エミッタ表面から電子輸送層に放射された電子はエミッタ−制御電極間に印加された電圧により電子輸送層中の気相領域を中心に伝導していくため、散乱によるエネルギー損失を低減できるので好ましい。とりわけ、前記電子輸送層が電気的に非伝導性の絶縁体材料からなる多孔質構造で構成されると、その効果は顕著である。さらに本構成により、エミッタ−制御電極間の熱的接続が小さく、熱伝導損失も抑止することができる。
さらに本発明の熱電変換素子において、前記絶縁体が金属酸化物、とりわけシリカあるいはアルミナから選ばれることにより、電子輸送層に適した電気的に非伝導性の絶縁体多孔質構造を形成できるので好ましい。
さらに本発明の熱電変換素子において、前記絶縁体がダイヤモンド、窒化硼素、窒化アルミニウムから選ばれる少なくともひとつを含むことにより、ワイドギャップ材料である故に電子輸送層に適した電気的に非伝導性の絶縁体からなる多孔質構造を形成できるので好ましい。
さらに本発明の熱電変換素子において、前記電子輸送層に含まれる固相成分の体積比が15%以下であることにより、電子輸送層内を伝導する放射電子のエネルギー損失を十分に低減できるので好ましい。とりわけ、前記電子輸送層に含まれる固相成分の体積比が5%以下であれば、その効果がより顕著になるので好ましい。
さらに本発明の熱電変換素子において、前記電子輸送層に含まれる固相構成物が粒状であり、その粒径が3nm以上20nm以下であることにより、放射された電子の伝達効率が高まるので好ましい。とりわけ、前記粒径が3〜10nm程度であれば、その効果がより顕著になるので好ましい。
さらに本発明の熱電変換素子において、前記エミッタが炭素を主成分とする材料、中でもグラファイト構造を含む炭素を主成分とする材料で構成されることにより、素子動作に必要な所望の電子放射特性を容易に得ることができるので好ましい。とりわけ、前記炭素を主成分とする材料に金属元素が不純物として添加されていることにより、その効果は顕著となる。その際、添加される金属元素の量は、概ね体積比で0.01〜30%程度である。さらに好ましくは、0.1〜10%程度である。
また本発明の熱電変換素子の製造方法は、ゾル−ゲル転移反応を用いて多孔質構造の電子輸送層を形成する工程を備えている。これにより、微小な絶縁性粒子からなる多孔質層を容易に大面積にかつ均一性良く形成できるため、熱電変換素子の低コスト化や高品質化が可能になる。
また本発明の冷却装置は、前記熱電変換素子を冷却手段として具備している。このことより環境負荷が少なく、かつ高効率な冷却装置を実現することができる。
また本発明の冷却装置の制御方法は、前記熱電変換素子を二次元状に複数個配列すると共に、エミッタからの電子放射量を個別に制御して、全体の熱電変換量の制御している。これにより、高精度な温度制御が可能な冷却装置を実現できる。
本発明の熱電変換素子によれば、エミッタからの放射電子量を電子輸送層上に形成された制御電極を用いて制御する構造を適用したので、高効率な冷却機能を有する熱電変換素子を提供することができる。さらに電子輸送層を電気的に非伝導性の絶縁体材料からなる固相と気相からなる構造(言い換えれば、多孔質構造)を適用したので、より高効率な冷却機能を有する熱電変換素子を提供することができる。
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱電変換素子の概略断面図を示している。本熱電変換素子は、基本的な構成要素としてエミッタ1と、コレクタ2と、エミッタ1−コレクタ2間に配置された制御電極3と、エミッタ2−制御電極3間に介設された電子輸送層4と、各電極に接続された電源6、7とを備えている。さらに図示していないが、エミッタ1には被冷却物が熱的に接続されており、コレクタ2には被加熱物が熱的に接続されている。
エミッタ1は、電子輸送層4に電子を放射する機能を有する領域である。本発明の熱電変換素子において、このエミッタ1の材質は一般的な低仕事関数材料より適宜選択すればよく、電子輸送層4に効率よく電子放射がなされるものであれば特に限定されない。しかしながら、特性面や安定性などの点で炭素材料、とりわけ金属元素が不純物として添加されている炭素材料が好適である。
また図1では単一構成のエミッタのみを図示しているがこの限りではなく、熱伝導性の高い基材に積層したり、エミッタ1と電子輸送層4の界面領域をより電子放射が容易な構造にしても良い。
コレクタ2は、エミッタ1より放射された、熱エネルギーを保持した電子5を電子輸送層4及び制御電極3を経て収集する。本発明の熱電変換素子において、このコレクタ2は導電性で、かつ放射電子5を効率的に収集できるものであれば特に限定されるものではない。一般的には熱伝導性の高い金属、例えば銅(Cu)や銀(Ag)などより適宜選択される。またエミッタ1の場合と同様に、図1では単一構成のコレクタ2のみを図示しているがこの限りではなく、熱伝導性の高い基材に積層したり、コレクタ2の表面をより電子を収集し易い構造にしても良い。
制御電極3は、エミッタ1からの放射電子量を制御するため電圧を印加するための電極で、本発明の熱電変換素子においては電子輸送層4上に配置されている。材質は、導電性であれば特に限定されるものではない。一般的にはアルミニウム(Al)やタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属等より選択される。またその膜厚も特に限定されるものではないが、エミッタ1からの放射電子を効率よくコレクタ2側へ送る必要性から、概ね0.01〜1μmの範囲より選ばれる。なお後記する様に、エミッタ1からの放射電子5が透過する領域のみを薄くしたり、部分的に貫通孔を備えていても良い。
電子輸送層4は、エミッタ1からの放射電子をコレクタ側へ輸送すると共に、制御電極3を保持する機能を有し、固体形状である。一般的には、非常に薄い(膜厚:5〜50nm)絶縁性薄膜、例えば酸化シリコン膜や酸化アルミニウム膜でも良いが、とりわけ本発明の熱電変換素子で用いる電子輸送層4としては、気相と固相の混在構造、いわゆる多孔質状の構造を適用することが効果的である。この場合、電子輸送層4の膜厚に対する制約は薄膜の場合よりも緩和される。実際には、エミッタ材料や素子に接続する電源電圧値によってこの膜厚最適値は変化するが、概ね10nm以上500nm以下が良く適用される範囲である。前記の様にこの構造を電子輸送層構造として適用することにより、効率的な電子伝達と熱伝導の抑制、及び高精度なギャップ構造の作製が容易になる。
電子輸送層4に用いる多孔質体とは、連続空孔または独立空孔を有した固体物質のことであり、母材粉体の成形、粉体焼成、化学発泡、物理発泡、ゾル−ゲル法などの方法で作製することができる。本発明の熱電変換素子においては、多孔質体としてnmサイズの空孔を多数有することが好ましい効果が得られる。
図2は、前記電子輸送層4に用いられる多孔質体の微細構造を拡大した概略模式図である。多孔質構造は、大きさが数nm程度の粒子で三次元ネットワーク的に構成される固体骨格部9で固体としての形状は保ちながら、大きさが数10nm程度の連続空孔10(気相)を多数含んだ状態である(気相比率:>80%)。すなわち、多孔質構造からなる電子輸送層4に放射された電子5は、制御電極3に印加された正電圧によって、あたかも真空中(気相)を伝搬する電子と同じように振る舞わせることができる。当然のことながら、放射電子5の一部は、多孔質体の固相骨格部9によって散乱され、エネルギーを失うものもあるが、固相骨格部9の大きさが数nm程度であるため、損失成分を抑制して放射電子5をコレクタ2に到達させることが可能となる。
このような気相を多く含む構造を有する多孔質構造として、ゾル−ゲル法によって作製する乾燥ゲルを特に候補として用いることができる。ここで乾燥ゲルとは、大きさが数〜数10nm程度の粒子で構成される固体骨格部9を持ち、平均空孔径がおおよそ100nm以下である連続空孔10が形成されたナノ多孔質体である。またその材質としては、電気的に非伝導性の比較的高抵抗な絶縁特性を示すものが適当であり、中でも多孔質シリカ(多孔質酸化ケイ素)、あるいは多孔質アルミナが好適である。またダイヤモンド、窒化硼素、窒化アルミニウムなどのワイドバンドギャップ材料も好適である。
本実施の形態においては、乾燥ゲルからなる多孔質シリカを用いた例について説明する。乾燥ゲルからなる多孔質シリカを得る方法は、大きく湿潤ゲルを得る工程と、それを乾燥する工程とからなる。
まず湿潤ゲルは、溶媒中に混合したシリカ原料をゾル−ゲル反応させることによって合成できる。このとき必要に応じて触媒を用いる。この形成過程では、溶媒中で原料が反応しながら微粒子を形成し、その微粒子がネットワーク化して網目状骨格を形成する。具体的には、所定の空孔度合の多孔質シリカが得られる様に固体成分である原料及び溶媒の組成を決定する。その組成に調合した溶液に対して、必要に応じて触媒や粘度調整剤などを添加して撹拌し、注型/塗布などによって所望の使用形態にする。この状態で一定時間経過させることで、溶液はゲル化してシリカ湿潤ゲルが得られる。製造時の温度条件としては、通常の作業温度である室温近傍で行なえるが、必要に応じて溶媒の沸点以下の温度まで加熱することもある。
シリカ原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン等のアルコキシシラン化合物、これらのオリゴマー化合物、またケイ酸ナトリウム(ケイ酸ソーダ)、ケイ酸カリウム等の水ガラス化合物等、またコロイダルシリカ等を単独あるいは混合して用いることができる。
溶媒としては、原料が溶解してシリカ形成できれば良く、水やメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、ヘキサンなどの一般的な有機溶媒を単独あるいは混合して用いることができる。
触媒としては、水や塩酸、硫酸、酢酸などの酸や、アンモニア、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基を用いることができる。
粘度調整剤としては、エチレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、シリコーン油などを用いることができるが、湿潤ゲルを所定の使用形態にできるのであれば、これらに限られるものではない。
次に湿潤ゲルから乾燥ゲルを得る乾燥工程について記す。乾燥工程には、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥の通常乾燥法や、超臨界乾燥法、凍結乾燥法などを用いることができる。しかしながら一般に、通常乾燥法では溶媒蒸発時のストレスによって多孔質体が収縮してしまう。よって、乾燥ゲルを形成する方法としては、超臨界乾燥を本発明では好ましく用いることができる。また湿潤ゲルの固体成分表面を撥水処理等して、乾燥時のゲル収縮を防ぐこともできる。
この超臨界乾燥に用いる溶媒は、湿潤ゲルの溶媒を用いることができる。また必要に応じて、超臨界乾燥において扱いやすい溶媒に置換しておくことが好ましい。置換する溶媒としては、超臨界流体として用いるメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類や二酸化炭素、水などが挙げられる。またこれらの超臨界流体に溶出しやすいアセトン、酢酸イソアミル、ヘキサンなど一般的に取り扱い易い有機溶剤に置換しておいても良い。
超臨界乾燥条件としては、オートクレーブなどの圧力容器中で行ない、例えばメタノールではその臨界条件である圧力8.1MPa、温度239.4℃以上にし、温度一定の状態で圧力を徐々に開放して乾燥を行なう。また二酸化炭素の場合は、臨界圧力7.4MPa、臨界温度31.1℃以上にして、同じように温度一定の状態で超臨界状態から圧力を徐々に開放して乾燥を行なう。また水の場合は、臨界圧力22.0MPa、臨界温度374.2℃以上にして乾燥を行なう。乾燥に必要な時間としては、超臨界流体によって湿潤ゲル中の溶媒が1回以上入れ替わる時間以上を経過すればよい。
湿潤ゲルを撥水処理してから乾燥する方法は、撥水処理のための表面処理剤を湿潤ゲルの固体成分表面に化学反応させる。これによって湿潤ゲルの網目構造の空孔内に発生する表面張力を低減し、通常乾燥時に発生する収縮を抑制することができる。
表面処理剤としては、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシランなどのハロゲン系シラン処理剤やトリメチルメトシシラン、トリメチルエトキシシランなどのアルコキシ系シラン処理剤、ヘキサメチルジシロキサン、ジメチルシロキサンオリゴマーなどのシリコーン系シラン処理剤、ヘキサメチルジシラザンなどのアミン系シラン処理剤、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系処理剤などを用いることができるが、同様の効果が得られるものならばこれらの表面処理剤に限られるものではない。
なお本方法で得られる乾燥ゲルの材質としては、シリカのみではなく他の無機材料や有機高分子材料などを用いることもできる。無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部は、シリカ(酸化ケイ素)または酸化アルミニウム(アルミナ)などゾル−ゲル反応で得られる一般的なセラミックスを成分として適用することができる。
以下に前記記載した方法によって図1に示した熱電変換素子の作製方法について説明する。
まず、エミッタ1の作製手順について示す。まず厚さ75μmのポリイミドシートをアルゴン(Ar)雰囲気中2700℃で焼成処理してグラファイトが主構造となる炭素材を形成した。その焼成過程において、バリウム(Ba)を炭素材中に添加し、より電子放射し易い構造とした。なお本実施の形態においては、Baを添加したがこの限りではなく、低仕事関数化に有効な金属種であれば適宜適用できる。
次にエミッタ1上に多孔質構造からなる電子輸送層4を形成した。本実施例においてはゾル−ゲル法を用いて厚さ約100nmの多孔質シリカ層を形成した。
具体的にはシリカ原料を含んだ溶液として、テトラメトキシシランとエタノールとアンモニア水溶液(0.1規定)をモル比で1:3:4の割合で調製し、撹拌処理した後、適度な粘度となったところで、このゲル原料液を試料上に厚さ100nmとなる様にスピンコート塗布した。その後ゾル重合反応により、塗膜がゲル化して、図2の模式図に示した様なSi−O−Si結合の三次元ネットワークからなるシリカ湿潤ゲル構造が形成された。なお本実施形態では厚さが約100nmの多孔質シリカ層を形成したが、エミッタ材料や素子に接続する電源電圧値によってこの膜厚最適値は変化する。その値としては、概ね10nm以上500nm以下が良く適用される範囲である。
次に、このシリカ湿潤ゲルを形成した試料をエタノールで洗浄(溶媒置換)した後に、二酸化炭素による超臨界乾燥を行なって、乾燥ゲルからなる多孔質シリカ層を得た。超臨界乾燥条件は、圧力12MPa、温度50℃の条件の下で4時間経過後、圧力を徐々に開放し大気圧にしてから降温した。なお得られた乾燥ゲルからなる多孔質シリカ層の空孔率は約92%であった。またブルナウアー・エメット・テラー法(BET法)により平均空孔直径を見積もったところ、約20nmであった。乾燥された試料は、最後に窒素雰囲気中で400℃のアニール処理を施し、多孔質層への吸着物質を除去した。さらに多孔質からなる電子輸送層4上に制御電極3として厚さ20nmのアルミニウム(Al)層を形成した。
続いてコレクタ2として用いる銅(Cu)板を準備し、高さ100μmのスペーサ8を介して作製したエミッタ部と真空槽内で貼り合わせ、図1に示した様な熱電変換素子を作製した。
真空槽内において、エミッタ1−制御電極3の間(5〜20V)、及びエミッタ1−コレクタ2の間(40V)にエミッタ1側を負とした電圧を印加し、エミッタ1から多孔質シリカで構成される電子輸送層4に電子を放射させて放射電流及びエミッタ温度及びコレクタ温度を測定した。その結果、放射電流密度として数10mA/cm2が観測され、エミッタ領域が冷却されることを確認した(エミッタ部温度:-30℃、コレクタ部温度:30℃)。
(実施の形態2)
実施の形態1では、エミッタ部とコレクタ部をスペーサ8を介して貼り合わせたが、スペーサ8を用いない実施例について示す(図3参照)。本実施例では真空筐体11の内底面部にコレクタ2を形成し、エミッタ部が固定された基材にコレクタ2が形成された筐体を被せる形で、コレクタ2−制御電極3の間のギャップを形成した。得られたギャップは、ほぼ100μmであった。
筐体内部を真空にした後、エミッタ1−制御電極3の間(5〜20V)、及びエミッタ1−コレクタ2の間(40V)にエミッタ1側を負とした電圧を印加して本構成による冷却特性を測定した結果、前記実施の形態と同様にエミッタ領域が冷却されることを確認した。
(実施の形態3)
実施の形態1と同様の構造からなる熱電変換素子を作製する際、多孔質シリカ層の形成方法を変えた場合の結果について記す。
まずケイ酸ソーダの電気透析を行ない、pH9〜10のケイ酸水溶液(水溶液中のシリカ成分濃度:14重量%)を作製する。そのケイ酸水溶液をpH5.5に調製した後、このゲル原料液を試料上に厚さ100nmとなる様にスピンコート塗布した。その後塗膜がゲル化して固体化したシリカ湿潤ゲル層を得た。
このシリカ湿潤ゲル層を形成した試料をジメチルジメトキシシランの5重量%イソプロピルアルコール溶液中に浸し疎水化処理した後、減圧乾燥を行なって乾燥ゲルからなる多孔質シリカ層を得た。乾燥条件は、圧力0.05MPa、温度50℃で3時間経過後に圧力が大気圧になってから降温した。乾燥された試料は、最後に窒素雰囲気中で400℃のアニール処理を施し、多孔質層への吸着物質を除去した。その結果、実施の形態1とほぼ同様の多孔質シリカ層が得られた。さらに、Alからなる制御電極層を多孔質シリカ上に形成した。
以上の様にして作製したエミッタ部とコレクタを真空槽内でスペーサ8を介して貼り合わせ、図1に示した様な熱電変換素子を作製した。
真空槽内において、エミッタ1−制御電極3の間及びエミッタ1−コレクタ2の間に電圧を印加し、素子特性を測定した。その結果、実施の形態1とほぼ同様の放射電流が得られ、エミッタ領域が冷却されることを確認した。
(実施の形態4)
実施の形態1と同様の手法により熱電変換素子を作製する際、電子輸送層4として用いる多孔質シリカ層の形成条件を変化させて、その依存性について調べた。その結果、多孔質シリカ層の固相成分(すなわち、図2の参照符号9)が15%以上になると、放射された電子5が散乱の影響を強く受けるため、冷却効率が著しく低下することがわかった。
また同様に、多孔質シリカ層を構成する粒子(すなわち、図2の参照符号9)の大きさが20nm以上になった場合も同様の理由により、冷却効率の低下が観測された。
以上より、充分強固な三次元ネットワークを形成すると同時に、放射された電子5を効率よく輸送する機能及び熱伝導を抑制する機能を有する多孔質シリカの最適条件として、固相成分(すなわち、図2の参照符号9)の体積比が15%以下であることや、粒径が3nm以上20nm以下であることが示唆された。
(実施の形態5)
これまでの実施の形態では、エミッタ1の材料として金属元素が添加された炭素材を用いたが、一般的にこのような熱電変換素子で適用可能となる炭素材料や、金属及び金属合金、半導体などの低仕事関数材料をエミッタとして用いた場合においても、エミッタ1からの電子放射のし易さと相関して冷却効果が得られることを確認した。
(実施の形態6)
実施の形態1と同様の熱電変換素子を作製する際、電子輸送層4の材質を変化させた場合の結果について記す。
用いるエミッタ1及びコレクタ2の材料等は、前記実施の形態1と同様である。
本実施の形態では粒径が10nm程度のダイヤモンド微粒子からなる多孔質状の層を電子輸送層4として形成した。具体的には0.5ct/ccの濃度でダイヤモンド微粒子を混合したペーストを試料上に厚さ100nmとなる様にスピンコート塗布した後、窒素雰囲気中400℃で焼成することにより、ペースト成分を除去し、ダイヤモンド微粒子を固着させた。得られた層を観察すると、ダイヤモンド微粒子からなる固相がネットワーク状に積層し、その隙間が空間(気相)である様な、前記ゾル−ゲル法で得られた多孔質層と類似した構造であった。
以上の様にして作製したエミッタ部とコレクタ1を真空槽内で貼り合わせ、図1に示した様な熱電変換素子を作製した。
真空槽内において、エミッタ1−制御電極3との間及びエミッタ1−コレクタ2の間に電圧を印加し、ダイヤモンド微粒子と空間で構成される電子輸送層4に電子を放射させて素子特性を測定した。その結果、電子輸送層4として多孔質シリカ層を用いた場合と同様にエミッタ領域が冷却されることを確認した。
(実施の形態7)
これまでの実施の形態では電子輸送層4として多孔質構造材料を用いたが、非常に薄い(膜厚:〜10nm程度)酸化シリコンや酸化アルミナなどの絶縁性薄膜を電子輸送層4として適用した場合においても、エミッタ材からの電子放射のし易さと相関して冷却効果が得られることを確認した。
(実施の形態8)
実施の形態ではエミッタ1や制御電極3の表面形状として平坦なもので説明したが、エミッタ1からの電子放射効率や電子輸送層内の伝達効率を高めるために、図4や図5に示した様な構造も適用可能である。
図4は、エミッタ部表面に凹凸をつけると共に、放射電子が透過する制御電極3の膜厚を薄くすることで、効率化を図る。
また図5は、より電界集中効果を高めるためにエミッタ1の表面を突起形状にすると共に、制御電極3の一部に貫通孔を開けて、放射電子をより透過し易い様にしたものである。
いずれの場合においても、前記実施の形態と同様の冷却効果が得られると共に、制御電極に印加する電圧値が10〜30%程度低減できた。
なお本明細書では、代表的な例として図4、図5の様な構成を挙げたがこの限りではなく、これらの組み合わせや同じような効果が得られる他構造でも同様の効果を得ることができる。
(実施の形態9)
前記実施の形態1で記載した熱電変換素子を食品用小型冷蔵庫の冷却手段(ヒートパイプ)として適用し、従来ペルチェ素子で冷却した場合と比較した結果、その消費電力が約1/5になることを確認した。このように本熱電変換素子は、従来と比較して高効率な冷却作用を得ることができることから、この例に挙げた冷蔵庫の他にも、発熱部品を冷却するヒートシンクとしても適用可能である。
(実施の形態10)
前記実施の形態では、単独の熱電変換素子の冷却作用について説明したが、それらを二次元的に複数個配置し、個々の熱電変換量を制御することで面内均一性の高い冷却装置を作製できる。
図6は、図1に示した熱電変換素子を二次元的に複数個(この図では、3行×3列=9個)配置した冷却装置の断面斜視図である。基材(不図示)には、帯状に形成されたエミッタ1と、同様に放射電流量を制御する帯状の制御電極3とを直交して配置すると共に、それぞれに駆動用回路12、13が接続されている。さらにギャップを介してコレクタ2が対向するように配置されている。なお、エミッタ1と制御電極3との間に電子輸送層4が形成されている
例えば、コレクタ2に印加する電圧を一定にしておいて、エミッタ1及び制御電極3に接続した駆動用回路に対して時分割制御、あるいは空間分割制御で所望の温度分布となる様に電圧を印加すれば、所望の電子放射ポイント(各電極列が直交した個所)より所望の電子放射量で電子を放射させることが可能となる。その結果、任意の冷却パターンを実現することができた。
さらにその印加電圧パターンを調整することにより、単一の熱電変換素子を用いてオン−オフ動作のみで温度制御する場合と比較して、即応性が高く、かつ面内温度分布のバラツキが小さい冷却面を形成することができた。
本発明にかかる熱電変換素子は、冷却素子として利用でき、小型でかつ効率的な冷却作用を有することから、冷却を必要とする機器/部品に対するヒートシンクとしてや小型冷蔵/冷凍庫のヒートポンプ等として有用である。
本発明の熱電変換素子の一実施例を示す概略断面図 本発明の電子輸送層を構成する多孔質体の微視的構造の模式図 本発明の熱電変換素子の一実施例を示す概略断面図 本発明の熱電変換素子の一実施例を示す概略断面図 本発明の熱電変換素子の一実施例を示す概略断面図 本発明の熱電変換素子を複数個配置した冷却装置の一実施例を示す断面斜視図 熱電変換素子の従来例を示す概略断面図
符号の説明
1 エミッタ
2 コレクタ
3 制御電極
4 電子輸送層(多孔質構造)
5 放射電子
6 電源
7 電源
8 スペーサ
9 多孔質体の固体骨格部
10 多孔質体の空孔領域
11 真空筐体
12 駆動用回路
13 駆動用回路
14 駆動用回路
15 真空空間
16 第三の電極
17 電源

Claims (16)

  1. 熱及び電界の作用によって電子を放射するエミッタと、
    前記エミッタからの放射電子を収集するために、前記エミッタに対向配置されるコレクタと、
    前記エミッタからの放射電子量を制御するために、前記エミッタ−コレクタ間に配置される制御電極と、
    前記放射電子の移動領域として、前記エミッタ−制御電極間に介設される電子輸送層と、
    前記エミッタ、コレクタ及び制御電極に接続される電源とを備えた熱電変換素子。
  2. 請求項1に記載の熱電変換素子において、
    前記制御電極は、エミッタからの放射電子を透過する作用を有することを特徴とする熱電変換素子。
  3. 請求項2に記載の熱電変換素子において、
    前記制御電極は、エミッタからの放射電子が通過する貫通孔を有することを特徴とする熱電変換素子。
  4. 請求項1に記載の熱電変換素子において、
    動作時のコレクタ−制御電極間の平均電界強度が、エミッタ−制御電極間の平均電界強度よりも小さいことを特徴とする熱電変換素子。
  5. 請求項1に記載の熱電変換素子において、
    前記電子輸送層が、気相と固相の混在構造であることを特徴とする熱電変換素子。
  6. 請求項5に記載の熱電変換素子において、
    前記電子輸送層が、電気的に非伝導性の絶縁体材料からなる多孔質構造で構成されることを特徴とする熱電変換素子。
  7. 請求項6に記載の熱電変換素子において、
    前記絶縁体材料が、金属酸化物であることを特徴とする熱電変換素子。
  8. 請求項7に記載の熱電変換素子において、
    前記金属酸化物が、シリカあるいはアルミナから選ばれることを特徴とする熱電変換素子。
  9. 請求項6に記載の熱電変換素子において、
    前記絶縁体材料が、ダイヤモンド、窒化硼素、窒化アルミニウムから選ばれる少なくともひとつを含むことを特徴とする熱電変換素子。
  10. 請求項5に記載の熱電変換素子において、
    前記電子輸送層に含まれる固相成分の体積比が、15%以下であることを特徴とする熱電変換素子。
  11. 請求項5に記載の熱電変換素子において、
    前記電子輸送層内に含まれる固相構成物が、粒状であり、その粒径が3nm以上20nm以下であることを特徴とする熱電変換素子。
  12. 請求項5に記載の熱電変換素子において、
    前記エミッタが、炭素を主成分とする材料で構成されることを特徴とする熱電変換素子。
  13. 請求項12に記載の熱電変換素子において、
    前記炭素を主成分とする材料に金属元素が不純物として添加されていることを特徴とする熱電変換素子。
  14. 請求項5に記載の熱電変換素子の製造方法であって、
    ゾル−ゲル転移反応を用いて電子輸送層を形成する工程を備えることを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  15. 請求項2から14のいずれかに記載の熱電変換素子を冷却手段として具備することを特徴とする冷却装置。
  16. 請求項2から14のいずれかに記載の熱電変換素子を二次元状に複数個配列すると共に、エミッタからの電子放射量を個別に制御して、全体の熱電変換量の制御することを特徴とする冷却装置の制御方法。
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