JP4301798B2 - 鋸刃 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は帯鋸盤、弓鋸盤または丸鋸盤等に使用される鋸刃に関する。さらに詳細には、被加工材の切断時における耐切曲がり特性を向上させ、鋸刃の寿命を大きくし得る不等ピッチ鋸刃に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋸刃を使用して大きな被加工材を切断する機械としては、帯鋸盤が広く使用されている。この帯鋸盤に使用する切削工具である帯鋸刃においては、例えばビビリ振動や騒音に対応するために、アサリ(set)のパターンをレーカーセット(raker set)、ウェーブセット(wave set)またはストレートセット(straight set)などに設定したり歯間ピッチを不等ピッチにしたりしている。
【0003】
例えば、ステンレス鋼の如き難削材に対しては、騒音を抑制し、切削抵抗を低減させ、鋸刃寿命を向上させる方法として、鋸刃における鋸歯の高低差を設けると共にアサリの振出量を変えるなどした鋸刃(特許第2009813号)も開発されている。
【0004】
しかしながら、大型の難削材においては、これらの技術だけでは充分な効果が得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
騒音や切削抵抗の増加を抑制し、鋸刃寿命を向上させる技術は前述のように、各鋸歯に高低差を設けると共にアサリの振出量を変える技術が一般的である。この技術は、鋸刃の走行方向あるいは切り込み方向の切り溝を、各歯に対して均等に分散させ、それぞれの歯にかかる負荷を低減させることと、切り屑を細分化させることに注目してなされたものである。
【0006】
しかしながら、切削時に発生する被削材の加工硬化による鋸刃の切削性能の悪化については考慮されていない。すなわち、例えばステンレス鋼といった難削材の大型被加工材を切断する場合においては、切削条件(鋸刃の走行速度、切り込み速度)を低く設定する必要がある。
【0007】
この場合、連続した鋸歯により切削を行う鋸刃切断においては、切り込み速度が遅いと、切削中の僅かな振動あるいは鋸刃自体の加工精度の違いによって、全ての鋸歯が「被加工材に食い込み、切削し、切り屑を排出する」といった一連の切削加工がなされずに、一部の鋸歯においては被加工材に食い込まずに被加工材の表面をこすっていくだけといった現象が発生することがある。
【0008】
なお、切断加工に使用する鋸刃のピッチは被加工材の形状、寸法等により決定されている。
【0009】
上述の如く、鋸歯が被加工材の表面をこすっていくとき、被加工材のごく表層部には加工硬化層が形成されることになる。この加工硬化層は次に通過する鋸歯が切削することになるが、加工硬化層により被加工材の切削性が悪化しているので、鋸歯には通常以上の切削抵抗による負荷がかかることになる。そのため、鋸歯へのダメージは大きくなり、鋸歯の歯先摩耗の進行が早くなり、ついには鋸刃寿命が短くなるといった問題がある。
【0010】
なお、厳密に言えば一連の切削加工が行われている場合でも、切削されずに残った被加工材のごく表層部には加工硬化層が形成されている。この場合も上述と同じ現象が発生しているものと言え、やはり鋸刃寿命を短くする原因の一つとなっている。
【0011】
本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、被加工材の加工硬化層を切削することを鋸刃自身で抑制して鋸歯の歯先摩耗量を低減させた寿命の長い経済的な鋸刃を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決する手段として請求項1に記載の鋸刃は、同一の歯高を有しかつ少なくとも2種類の以上の鋸歯ピッチから構成された不等ピッチ鋸刃にして、前記不等ピッチ鋸歯を構成する1群のピッチパターンの鋸歯中には少なくとも1個の直歯と左右方向に振りだした複数のアサリ歯とを含み、前記1群のピッチパターンを構成する鋸歯中の先行歯は直歯であり、かつ前記先行歯の後に続く一連の後続歯の最後続歯が直歯であり、該最後続歯に続く前記1群のピッチパターンの先行歯のピッチが最大ピッチであることを要旨とするものである。
【0013】
請求項2に記載の鋸刃は、請求項1に記載の鋸刃において、前記1群のピッチパターンにおける最後続歯のピッチと、該最後続歯に続く前記1群のピッチパターンの先行歯のピッチとの比を1.5倍以下に設けたことを要旨とするものである。
【0014】
請求項3に記載の鋸刃は、2種類の歯高を有する鋸刃において、該鋸歯は少なくとも1個の直歯と左右方向に振りだした複数のアサリ歯とを含む歯高の高い第1群のピッチパターンの鋸歯と、該第1群のピッチパターンの鋸歯より歯高の低い複数のアサリ歯からなる第2群のピッチパターンの鋸歯とからなり、前記第1群のピッチパターンの鋸歯中には少なくとも1個の直歯と左右方向に振りだした複数のアサリ歯とを含み、該第1群のピッチパターンの鋸歯の先行歯と該先行歯の後に続く最後続歯は直歯からなり、該最後続歯と該最後続歯に後続する前記第1群のピッチパターンの先行歯との間に歯高の低い前記第2群のピッチパターンの鋸歯を設けたことを要旨とするものである。また、請求項4に記載の鋸刃は、請求項3に記載の鋸刃において、前記最後続歯と前記第1群のピッチパターンの先行歯との間のピッチを前記鋸歯のピッチの1.5倍以下に設けたこととを要旨とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
【0016】
図1(A,B)は本発明に係わる鋸刃の構成を有する鋸刃1の一部を示したものであり、鋸刃1は、図1(A,B)において右側から左方向へ向かって、直歯1S1、右アサリ歯1R1、左アサリ歯1L1、直歯1S2、右アサリ歯1R2および左アサリ歯1L2の6歯で1群(6枚パターン)を構成している。
【0017】
上述の6歯で1群を構成した鋸刃1は少なくとも2種類のピッチ、最小ピッチ1Pと最大ピッチ2Pを有する不等ピッチ(バリアブルピッチ)鋸刃であり、いま、直歯1S1、右アサリ歯1R1および左アサリ歯1L1のピッチをそれぞれ最小ピッチ1Pとするとき、左アサリ歯1L1に後続する直歯1S2、右アサリ歯1R2および左アサリ歯1L2のピッチは最大ピッチ2Pとなっている。
【0018】
ここに、最小ピッチ1Pと最大ピッチ2Pとの関係は、最小ピッチ(1P)×1.5≦最大ピッチ(2P)としてある。
【0019】
上述の如き構成の鋸刃1で、例えば、ステンレス鋼の如き加工硬化層が形成され易い難削材の大型被加工材を切断する場合について説明する。
【0020】
いま、上述の大型被加工材の切断に最適な鋸歯のピッチが最小ピッチ1Pであったとする。また、難削材の切断であるので切削条件(鋸刃の走行速度、切り込み速度)は前述の如く低く設定する必要がある。したがって、通常の鋸歯による切削加工ならば表層部に加工硬化層が形成される条件が整っている切断加工である。
【0021】
しかし、本発明に係わる鋸刃1を上述の切断加工に使用した場合、最小ピッチ1Pで連続する鋸歯(1S1、1R1、1L1)による切削加工で被加工材の表層部に加工硬化層が形成されても、この最小ピッチ1Pで連続する鋸歯(1S1、1R1、1L1)に最大ピッチ2Pで後続する三枚の鋸歯(1S2、1R2、1L2)が加工硬化層の下部を切削して加工硬化層を除去するので、この後に連続する最小ピッチ1Pの鋸歯は加工硬化の影響が少ない部分を切削することになり、鋸歯各歯が加工硬化層を切削することによるダメージを受けることが軽減されて鋸刃寿命が向上する。
【0022】
上述の不等ピッチ鋸刃1における鋸歯の構成パターンは、例えば、図2(A,B)に示す鋸刃1aのように、直歯1S1、右アサリ歯1R1、左アサリ歯1L1、右アサリ歯1R2および左アサリ歯1L2の5歯で1群を構成した5枚パターンが繰返えされる5枚構成パターンとしても構わない。
【0023】
なお、鋸歯1aにおいて、1群を構成する5枚の鋸歯の中で直歯1S1、右アサリ歯1R1および左アサリ歯1L1のピッチを最小ピッチP1に、右アサリ歯1R2および左アサリ歯1L2のピッチを最大ピッチ2Pとしてある。また、最小ピッチ(1P)×1.5≦最大ピッチ(2P)である。
【0024】
上記構成の鋸刃1aを前述の如き難削材の大型被加工材の切断加工に使用した場合にも、前記鋸刃1と同様な作用効果が得られるので、鋸歯各歯が加工硬化層を切削することによるダメージを受けることが軽減されて鋸刃寿命が向上する。
【0025】
あるいは、上述の不等ピッチ鋸刃1における鋸歯の構成パターンを、図3(A,B)に示す鋸刃1bのように、直歯1S1、右アサリ歯1R1、左アサリ歯1L1、右アサリ歯1R2、左アサリ歯1L2、直歯1S2、右アサリ歯1R3および左アサリ歯1L3の8歯で1群を構成した8枚パターンが繰返えされる8枚構成パターンとしても構わない。
【0026】
なお、鋸刃1bにおいて、直歯1S1、右アサリ歯1R1、左アサリ歯1L1、右アサリ歯1R2および左アサリ歯1L2のピッチを最小ピッチP1に、かつ直歯1S2、右アサリ歯1R3および左アサリ歯1L3のピッチを最大ピッチ2Pとしてある。
【0027】
なお、最小ピッチ1Pと最大ピッチ2Pとの関係は最小ピッチ(1P)×1.5≦最大ピッチ(2P)である。
【0028】
上記構成の鋸刃1bを上述の如き難削材の大型被加工材の切断加工に使用した場合にも、前記鋸刃1と同様な作用効果がえられるので、鋸歯各歯が加工硬化層を切削することによるダメージを受けることが軽減されて鋸刃寿命が向上する。
【0029】
あるいは、6歯で1群を構成した前記鋸刃1において、図4(A,B)に示す鋸刃1cのように三種類のピッチ(1P,2P,3P)を設けても構わない。
【0030】
例えば、前記直歯1S1と右アサリ歯1R1のピッチを最小ピッチ1Pにし、左アサリ歯1L1のピッチは最小ピッチ1Pより大きい中間ピッチ2Pにし、直歯1S2、右アサリ歯1R2および左アサリ歯1L2のピッチを最大ピッチ3Pに設定してもよい。
【0031】
なお、各ピッチの大きさは、1P<2P<3Pであり、かつそれぞれのピッチにおいて、2P×1.5≦3P(または1P×1.5≦2P)となっている。
【0032】
上記構成の鋸刃1cを使用した場合も前記鋸刃1と同様な作用効果がえられる。
【0033】
すなわち、最小ピッチ1Pの直歯1S1と右アサリ歯1R1および中間ピッチ2Pの左アサリ歯1L1の切削で被加工材の表層部に形成された加工硬化層を、後続する最大ピッチ3Pの直歯1S2と右アサリ歯1R2および左アサリ歯1L2とが加工硬化層の下部を切削して加工硬化層を除去するので、鋸歯各歯が加工硬化層を切削することによるダメージを受けることが軽減されて鋸刃寿命を向上させることができる。
【0034】
なお、上述のピッチは三種類以上のいかなる種類のピッチおよび組合せであっても構わない。
【0035】
図5に示す鋸刃5は、前記鋸刃1の第2の実施形態を示したものである。
【0036】
この鋸刃5の構成は、図5(A,B)において右側から左方向へ向かって、直歯5S1、右アサリ歯5R1および左アサリ歯5L1の3歯で1群(3枚パターン)を構成してあり、右アサリ歯5R1と左アサリ歯5L1のピッチは最小ピッチ1Pに、直歯5S1のピッチは最大ピッチ2Pに設定してある。なお、最小ピッチ(1P)×1.5≦最大ピッチ(2P)である。
【0037】
上記構成の鋸刃5をステンレス鋼の如き加工硬化層が形成され易い難削材の大型被加工材の切断加工に使用した場合、最大ピッチ2Pの直歯5S1は加工硬化の影響が少ない下部を切削し加工硬化層を除去するので、最小ピッチ1Pの右アサリ歯5R1と左アサリ歯5L1が加工硬化層を切削することによるダメージを受けることが軽減されて鋸刃寿命を向上させることができる。
【0038】
なお、上述の如く加工硬化の影響が少ない下部を切削する鋸歯は、他の鋸歯に比較して大きな切り込み量となるため、左右方向(鋸刃の厚み方向)に振られる量が比較的に小さい直歯である方が左右方向の振動が少なくなる。
【0039】
これに対して、加工硬化の影響が少ない下部を切削する鋸歯がアサリ歯である場合には、左右方向のどちらか一方向の切削抵抗を受けるため、切曲がりの原因となる。すなわち、第2の実施形態における鋸刃5のように、加工硬化の影響が少ない下部を切削する鋸歯を直歯5S1とすることにより、耐切曲がり特性が向上し結果として鋸刃寿命の向上に寄与する。
【0040】
上述の不等ピッチ鋸刃5における鋸歯の構成パターンは、例えば、図6(A,B)に示す鋸刃5aのように、直歯5S1、直歯5S2、右アサリ歯5R1および左アサリ歯5L1の4歯で1群を構成した4枚パターンが繰返えされる4枚構成パターンとしても構わない。なお、鋸歯5aは前記鋸刃5における直歯5S1の後に同ピッチ1Pの直歯5S2を追加した構成となっている。
【0041】
あるいは、図7に示す鋸刃5bのように、上述の鋸刃5aの構成における二枚のアサリ歯(5R1、5L1)の後に、後続する左右二枚のアサリ歯(5R2,5L2)を追加して6歯で1群を構成した6枚パターンが繰返えされる6枚構成パターンとしても、前記不等ピッチ鋸刃5と同様な作用効果を得ることができる。
【0042】
あるいは、図8に示す鋸刃5cの如く、右側から左方向へ向かって直歯5S1、右アサリ歯5R1、左アサリ歯5L1の3歯で1群を構成した3枚パターンが繰返えされる3枚構成パターンにおいて三種類のピッチ(1P,2P,3P)を設けても構わない。
【0043】
例えば、先行歯である直歯5S1のピッチを最大ピッチ3P、右アサリ歯5R1のピッチを最小ピッチ1P、左アサリ歯5L1のピッチを中間ピッチ2Pとする。また、1P<2P<3Pであり、かつそれぞれのピッチにおいて2P×1.5≦3P(または1P×1.5≦2P)とする。
【0044】
上述の鋸刃5cにおいても前記不等ピッチ鋸刃5と同様な作用効果を得ることができる。
【0045】
なお、上述のピッチは三種類以上のいかなる種類のピッチおよび組合せであっても構わない。
【0046】
図9に示す鋸刃9は、前記鋸刃1の第3の実施形態を示したものである。
【0047】
鋸刃9における歯の配列パターンは、図9において右側から左方向へ向かって、直歯9S1、右アサリ歯9R1、左アサリ歯9L1および直歯9S2の4歯で1群(4枚パターン)を構成している。
【0048】
鋸歯9は、1群を構成する4枚の鋸歯の中で、先行歯である直歯9S1のピッチを最大ピッチ2Pとし、右アサリ歯9R1、左アサリ歯9L1および最後続歯である直歯9S2のピッチを最小ピッチ1Pとする2種類のピッチを備えた不等ピッチ鋸歯であり、1群を構成する4枚の鋸歯の中における先行歯と最後続歯とが直歯(9S1、9S2)であることを特徴とするものである。なお、4歯1群のパターンにおいて、先行歯である直歯9S1のピッチが最大ピッチ2Pとする。また、最小ピッチ(1P)×1.5≦最大ピッチ(2P)である。
【0049】
上記構成の不等ピッチ鋸歯9によれば、前記鋸刃5と同様な作用効果を得られると共に最後続歯を直歯とすることにより、切断時における左右方向の振動を抑制し、さらに後続の次のパターンの先行歯である直歯(9S1′)の直進ガイドとなる。これらの効果により、耐切曲がり特性がさらに向上し鋸刃寿命を長くさせることができる。
【0050】
上述の不等ピッチ鋸歯9における鋸歯の構成パターンは、例えば、図10に示す鋸歯9aのように、直歯9S1、右アサリ歯9R1、左アサリ歯9L1、右アサリ歯9R2、左アサリ歯9L2および直歯9S2の6歯で1群を構成した6枚パターンとしても構わない。
【0051】
なお、鋸歯9aにおいて、1群を構成する6枚の鋸歯の中で先行歯である直歯9S1のピッチを最大ピッチ2Pとし、残りの鋸歯(右アサリ歯9R1、左アサリ歯9L1、右アサリ歯9R2、左アサリ歯9L2および直歯9S2)のピッチを最小ピッチ1Pとしてある。また、最小ピッチ(1P)×1.5≦最大ピッチ(2P)である。
【0052】
あるいは、図11に示す鋸歯9bの如く、直歯9S1、右アサリ歯9R1、左アサリ歯9L1、右アサリ歯9R2、直歯9S2、直歯9S3、左アサリ歯9L2、右アサリ歯9R3、左アサリ歯9L3および直歯9S4の10歯で1群を構成した10枚パターンとしても構わない。
【0053】
上述の鋸歯9bのピッチパターンは、5歯で一群をなすサブパターンA(直歯9S1、右アサリ歯9R1、左アサリ歯9L1、右アサリ歯9R2および直歯9S2)と、サブパターンB(直歯9S3、左アサリ歯9L2、右アサリ歯9R3、左アサリ歯9L3および直歯9S4)の2個から構成されていると見ることもできる。
【0054】
上述の観点から見れば、前記10枚パターンの中には、サブパターンAにおける先行歯(直歯9S1)とサブパターンBにおける先行歯(直歯9S3)との二個の直歯(直歯9S1、直歯9S3)が含まれていると言うことができる。
【0055】
なお、鋸歯9bにおいて、直歯(9S1、9S3)のピッチを最大ピッチ2Pとし、残りの鋸歯(右アサリ歯9R1、左アサリ歯9L1、右アサリ歯9R2、直歯9S2、左アサリ歯9L2、右アサリ歯9R3、左アサリ歯9L3、直歯9S4)のピッチを最小ピッチ1Pとしてある。また、最小ピッチ(1P)×1.5≦最大ピッチ(2P)である。
【0056】
あるいは、図12に示す鋸歯9cの如く、4歯で1群(4枚パターン)を構成した前記鋸歯9において三種類のピッチ(1P,2P,3P)を設けても構わない。
【0057】
例えば、先行歯である直歯9S1のピッチを最大ピッチ3P、最後続歯である直歯9S2のピッチを中間ピッチ2P、先行歯9S1に続く右アサリ歯9R1および左アサリ歯9L1のピッチを最小ピッチ1Pとする。
【0058】
なお、各ピッチの大きさは、1P<2P<3Pであり、かつそれぞれのピッチにおいて、2P×1.5≦3P(または1P×1.5≦2P)である。
【0059】
なお、上述のピッチは三種類以上のいかなる種類のピッチおよび組合せであっても構わない。
【0060】
図13に示す鋸歯9eは、外見上の鋸刃構成は前記鋸刃9とは相違しているが、前記鋸刃9とほぼ同一の作用効果が得られる別の実施形態である。
【0061】
上記鋸歯9eは、前記鋸刃9における直歯9S2と直歯9S1′との間のピッチ2Pの間隔部分に通常の歯高h1より低い歯高h2を有する右アサリ歯DB1と左アサリ歯DB2を設けたものであり、実質的には不等ピッチ鋸刃9と同等な作用をするものである。なお、歯高は鋸刃の胴部に設定した歯高基準位置Fからの距離で示してある。
【0062】
【発明の効果】
請求項1、2に記載の発明によれば、比較的小さいピッチの鋸歯による切削加工で被加工材の表層部に加工硬化層が形成されても、この比較的小さいピッチの鋸歯に大きなピッチで後続する鋸歯が加工硬化層の下部を切削して加工硬化層を除去するので、この後に連続する比較的小さいピッチの鋸歯は加工硬化の影響が少ない部分を切削することになり、鋸歯各部が加工硬化層を切削することによるダメージを受けることが軽減されて鋸刃寿命が向上する。また、加工硬化の影響が少ない下部を切削する鋸歯を左右方向(鋸刃の厚み方向)に振られる量が比較的に小さい直歯とすることにより、切削時における左右方向の振動が少なくなると共に、耐切曲がり特性が向上し鋸刃寿命がより延長する。
【0063】
請求項3,4に記載の発明によれば、請求項1、2に記載の発明と実質的に同一の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる鋸刃1の一部を示したものであり、図1(A)は鋸刃1の正面図、図1(B)は底面図。
【図2】図1の鋸刃1の別の実施形態の鋸歯1aで、図2(A)は鋸歯1aの正面図、図2(B)は底面図。
【図3】図1の鋸刃1の別の実施形態の鋸歯1bで、図3(A)は鋸歯1bの正面図、図3(B)は底面図。
【図4】図1の鋸刃1の別の実施形態の鋸歯1cで、図4(A)は鋸歯1cの正面図、図4(B)は底面図。
【図5】前記図1に示した鋸刃1の第2の実施形態の鋸歯5を示したものであり、図5(A)は鋸歯5の正面図、図5(B)は底面図。
【図6】図5の鋸刃5の別の実施形態の鋸歯5aで、図6(A)は鋸歯5aの正面図、図6(B)は底面図。
【図7】図5の鋸刃5の別の実施形態の鋸歯5bで、図7(A)は鋸歯5bの正面図、図7(B)は底面図。
【図8】図5の鋸刃5の別の実施形態の鋸歯5cで、図8(A)は鋸歯5cの正面図、図8(B)は底面図。
【図9】前記図1に示した鋸刃1の第3の実施形態の鋸歯9を示したものであり、図9(A)は鋸歯9の正面図、図9(B)は底面図。
【図10】図9の鋸刃9の別の実施形態の鋸歯9aで、図10(A)は鋸歯9aの正面図、図10(B)は底面図。
【図11】図9の鋸刃9の別の実施形態の鋸歯9bで、図11(A)は鋸歯9bの正面図、図11(B)は底面図。
【図12】図9の鋸刃9の別の実施形態の鋸歯9cで、図12(A)は鋸歯9cの正面図、図12(B)は底面図。
【図13】外見上の鋸刃構成は前記鋸刃9とは相違しているが、ほぼ同一の作用効果が得られる別の実施形態の鋸歯9eで、図13(A)は鋸歯9eの正面図、図12(B)は底面図。
【符号の説明】
1、1(a,b,c)、5、5(a,b,c)、9、9(a,b,c,e) 鋸刃
1S1、1S2、直歯
1R1,1R2、1R3 右アサリ歯
1L1、1L2、1L3 左アサリ歯
5S1、5S2 直歯
5R1、5R2 右アサリ歯
5L1、5L2 左アサリ歯
9S1、9S2、9S3,9S4 直歯
9R1、9R2、9R3 右アサリ歯
9L1、9L2,9L3 左アサリ歯
1P 最小ピッチ
2P 中間ピッチ
3P 最大ピッチ
Claims (4)
- 同一の歯高を有しかつ少なくとも2種類の以上の鋸歯ピッチから構成された不等ピッチ鋸刃にして、前記不等ピッチ鋸歯を構成する1群のピッチパターンの鋸歯中には少なくとも1個の直歯と左右方向に振りだした複数のアサリ歯とを含み、前記1群のピッチパターンを構成する鋸歯中の先行歯は直歯であり、かつ前記先行歯の後に続く一連の後続歯の最後続歯が直歯であり、該最後続歯に続く前記1群のピッチパターンの先行歯のピッチが最大ピッチであることを特徴とする鋸刃。
- 請求項1に記載の鋸刃において、前記1群のピッチパターンにおける最後続歯のピッチと、該最後続歯に続く前記1群のピッチパターンの先行歯のピッチとの比を1.5倍以下に設けたことを特徴とする鋸刃。
- 2種類の歯高を有する鋸刃において、該鋸歯は少なくとも1個の直歯と左右方向に振りだした複数のアサリ歯とを含む歯高の高い第1群のピッチパターンの鋸歯と、該第1群のピッチパターンの鋸歯より歯高の低い複数のアサリ歯からなる第2群のピッチパターンの鋸歯とからなり、前記第1群のピッチパターンの鋸歯中には少なくとも1個の直歯と左右方向に振りだした複数のアサリ歯とを含み、該第1群のピッチパターンの鋸歯の先行歯と該先行歯の後に続く最後続歯は直歯からなり、該最後続歯と該最後続歯に後続する前記第1群のピッチパターンの先行歯との間に歯高の低い前記第2群のピッチパターンの鋸歯を設けたことを特徴とする鋸刃。
- 請求項3に記載の鋸刃において、前記最後続歯と前記第1群のピッチパターンの先行歯との間のピッチを前記鋸歯のピッチの1.5倍以下に設けたことを特徴とする鋸刃。
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