JP2004130450A - 鋸刃 - Google Patents
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Abstract
【課題】切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃の切曲り量を少なくする。
【解決手段】先端側に向かってストレートに成形された多数の直歯23と、右方向へアサリを付けた多数の右アサリ歯25と、左方向へアサリを付けた多数の左アサリ歯27とを備え、直歯23における歯先部の硬度を、左アサリ歯25における歯先部の硬度及び右アサリ歯27における歯先部の硬度よりも低くなるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】先端側に向かってストレートに成形された多数の直歯23と、右方向へアサリを付けた多数の右アサリ歯25と、左方向へアサリを付けた多数の左アサリ歯27とを備え、直歯23における歯先部の硬度を、左アサリ歯25における歯先部の硬度及び右アサリ歯27における歯先部の硬度よりも低くなるように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークピースの切断に用いられる帯鋸刃、丸鋸刃、ハクソー、ホールソー等の鋸刃に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば金属製のワークピースを切断する際には帯鋸盤が広く使用されており、前記帯鋸盤の切削工具としての鋸刃には、様々な研究開発がなされており、その結果、次のようなアサリ型鋸刃及びバチ型鋸刃が一般的に使用されるに至っている。
【0003】
即ち、図11に示すように、一般的なアサリ型鋸刃1は多数の切断歯群3(図11中には1つの切断歯群3のみ図示)を連続して備えてあって、各切断歯群3は、それぞれ、先端側へストレートに成形された直歯5と、右方向(図11(a)において下,図11(b)において紙面に向かって表,図11(c)において左)へアサリを付けた2個の右アサリ歯7と、左方向(図11(a)において上,図11(b)において紙面に向かって裏,図11(c)において右)へアサリを付けた2個の左アサリ歯9とを備えている。
【0004】
また、図12に示すように、一般的なバチ型鋸刃11は多数の切断歯群13(図12中は1つの切断歯群13のみ図示)を連続して備えてあって、各切断歯群13は、それぞれ、先端側に向かってバチ状に広がったバチ歯15と、先端側の左右(図12(a)において下上,図12(b)において紙面に向かって裏表,図12(c)において右左)のコーナを面取したベベル歯17とを備えている。
【0005】
更に、鋸刃1,11において多数の切断歯(直歯5、右アサリ歯7、左アサリ歯9、バチ歯15、ベベル歯17)における歯先部の硬度を高くするため、多数の切断歯における歯先部を焼入れしたり、多数の切断歯における歯先部を超硬材により構成したり等、適宜の手段を施している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年のワークピースの高硬度化に応じて、切断歯における歯先部の硬度をある程度高くする必要がある。しかしながら、切断歯における歯先部の硬度が高すぎると、切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃によって、切断歯における歯先部に歯欠けが生じ易くなったり、鋸刃の切曲り量が大きくなったりして、鋸刃寿命が短くなるという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、先端側に向かってストレートに成形された多数の直歯と、右方向へアサリを付けた多数の右アサリ歯と、左方向へアサリを付けた多数の左アサリ歯とを備えてなる鋸刃において、
前記直歯における歯先部の硬度を、前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明特定事項によると、前記直歯における歯先部の硬度を前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(前記直歯、前記右アサリ歯、前記左アサリ歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明にあっては、先端側に向かってバチ状に広がった多数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した多数のベベル歯とを備えてなる鋸刃において、
前記バチ歯における歯先部の硬度を、前記ベベル歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明特定事項によると、前記バチ歯における歯先部の硬度を前記ベベル歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記ベベル歯における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明にあっては、先端側に向かってバチ状に広がった多数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した多数のベベル歯とを備えてなる鋸刃において、
前記ベベル歯における歯先部の硬度を、前記バチ歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明特定事項によると、前記ベベル歯における歯先部の硬度を前記バチ歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記バチ歯における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明にあっては、n個(nは2以上の整数)の切断歯からなる複数の先行歯群と、n個の切断歯からなる複数の後続歯群とを交互に配置してなる鋸刃において、
前記n個の切断歯における歯先部の硬度パターンを、前記先行歯群と前記後続歯群で異なるように構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明特定事項によると、前記n個の切断歯における歯先部の硬度パターンを前記先行歯群と前記後続歯群で異なるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記先行歯群,前記後続歯群の中の適数の前記切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0015】
また、同じ理由により、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記先行歯群及び前記後続歯群における前記n個の切断歯を不等化することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明にあっては、n個(nは2以上の整数)の切断歯からなる複数の先行歯群と、n個の切断歯からなる複数の後続歯群とを交互に配置してなる鋸刃において、
前記先行歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を、前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明特定事項によると、前記先行歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0018】
また、同じ理由により、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記先行歯群及び前記後続歯群における前記n個の切断歯を不等化することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項の他に、前記n個の切断歯は、
先端側に向かってストレートに成形された適数の直歯と、右方向へアサリを付けた適数の右アサリ歯と、左方向へアサリを付けた適数の左アサリ歯とからなることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明特定事項によると、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
【0021】
請求項7に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項の他に、前記n個の切断歯は、
先端側に向かってバチ状に広がった適数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した適数のベベル歯とからなることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明特定事項によると、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1(a)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図1(b)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図1(c)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【0025】
図1に示すように、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃19は、アサリ型鋸刃であって、多数の切断歯群21(図1中には1つの切断歯群21のみ図示)を連続して備えている。各切断歯群21は、それぞれ、先端側へストレートに成形された直歯23と、右方向(図1(a)において下,図1(b)において紙面に向かって表,図1(c)において左)へアサリを付けた2個の右アサリ歯25と、左方向(図1(a)において上,図1(b)において紙面に向かって裏,図1(c)において右)へアサリを付けた2個の左アサリ歯27とを備えている。
【0026】
ここで、各切断歯群21において、右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における硬度はHv1であって、直歯23における歯先部の硬度はHv2(Hv1>Hv2)である。即ち、第1の発明の実施の形態にあっては、各切断歯群21において、直歯23における歯先部の硬度を右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0027】
なお、鋸刃19の歯厚はTであって、直歯23の歯高はH1であって、アサリ歯25,27の歯高はH1よりも僅かに高いH2である。
【0028】
従って、第1の発明の実施の形態によると、直歯23における歯先部の硬度を右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(直歯23、右アサリ歯25、左アサリ歯27)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0029】
以上の如き、第1の発明の実施の形態によると、ワークピースの硬度に対応して、右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(直歯23、右アサリ歯25、左アサリ歯27)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯23,25,27における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃19の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0030】
図2は、第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図3は、第2の発明の実施の形態に係わる別態様の鋸刃を歯先側からみた図である。
【0031】
図2に示すように、第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃29は、アサリ型鋸刃であって、複数の先行歯群31(図2中には1つの先行歯群31のみ図示)と複数の後続歯群33(図2中には1つの後続歯群33のみ図示)を交互に配置してなる。各先行歯群31は、それぞれ、右アサリ歯35と、左アサリ歯37と、直歯39とからなり、同様に、各後続歯群33は、それぞれ、右アサリ歯35と、左アサリ歯37と、直歯39とからなる。
【0032】
ここで、先行歯群31中の3個の切断歯(右アサリ歯35、左アサリ歯37、直歯39)における歯先部の硬度はそれぞれHv2であって、後続歯群33中の3個の切断歯(右アサリ歯35、左アサリ歯37、直歯39)における歯先部の硬度はそれぞれHv1である。即ち、第2の発明の実施の形態にあっては、 先行歯群31中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0033】
なお、図3に示すように、先行歯群31中及び後続歯群33中の切断歯35,37,39の配置を変更したり、又は先行歯群31、後続歯群33に別の切断歯を加えたりする等、適宜の変更が可能である。
【0034】
従って、第2の発明の実施の形態によると、先行歯群31中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を高くしても、切断歯35,37,39がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0035】
また、同じ理由により、先行歯群31及び後続歯群33が単純な切断歯35,37,39の組合せからなるものであっても、先行歯群31及び後続歯群35における3個の切断歯35,37,39を不等化することができる。
【0036】
以上の如き、第2の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を高くしても、切断歯35,37,39がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯35,37,39における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃29の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0037】
また、先行歯群31及び後続歯群33が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、先行歯群31及び後続歯群33における3個の切断歯35,37,39を不等化ができるため、切削時における鋸刃29の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0038】
図4は、第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0039】
図4に示すように、第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃41は、第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃29と同様に、アサリ型鋸刃であって、複数の先行歯群31(図4中には1つの先行歯群31のみ図示)と複数の後続歯群33(図4中には1つの後続歯群33のみ図示)を交互に配置してなる。
【0040】
前述のように、第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃にあっては、先行歯群31中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度よりも低くなるように構成することにより、3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度パターンを先行歯群31と後続歯群33で異なるようにしたのに対して、第3の発明の実施の形態にあっては、次のように構成することにより、3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度パターンを先行歯群31と後続歯群33で異なるようにしている。
【0041】
即ち、第3の発明の実施の形態にあっては、先行歯群31中のアサリ歯35,37における歯先部の硬度はHv2であって、先行歯群中31の直歯39における歯先部の硬度はHv1である。そして、後続歯群33中のアサリ歯35,37における歯先部の硬度はHv1であって、後続歯群33中の直歯39における歯先部の硬度はHv2である。
【0042】
従って、第3の発明の実施の形態においても、第2の発明の実施の形態の作用、効果と同様の作用、効果を奏する。
【0043】
図5(a)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図5(b)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図5(c)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【0044】
図5に示すように、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃43は、バチ型鋸刃であって、多数の切断歯群45(図5中には3つの切断歯群45のみ図示)を連続して備えている。各切断歯群45は、それぞれ、先端側に向かってバチ状に広がったバチ歯47と、先端側の左右(図5(a)において下上,図5(b)において紙面に向かって裏表,図5(c)において右左)のコーナを面取したベベル歯49とを備えている。
【0045】
ここで、各切断歯群45において、バチ歯47における歯先部の硬度はHv2であって、ベベル歯49における歯先部の硬度はHv1である。即ち、第4の発明の実施の形態にあっては、各切断歯群45において、バチ歯47における歯先部の硬度をベベル歯49における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0046】
なお、鋸刃43の歯厚はTであって、バチ歯47の歯高はH1であって、ベベル歯49の歯高はH1よりも僅かに高いH2である。
【0047】
従って、第4の発明の実施の形態の発明特定事項によると、バチ歯47における歯先部の硬度をベベル歯49における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、ベベル歯49における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(バチ歯47、ベベル歯49)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0048】
以上の如き、第4の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、ベベル歯49における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(バチ歯47、ベベル歯49)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯47,49における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃43の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0049】
図6は、第5の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0050】
図6に示すように、第5の発明の実施の形態に係わる鋸刃51は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃43と同様に、バチ型鋸刃であって、多数の切断歯群45(図6中には3つの切断歯群45のみ図示)を連続して備えている。
【0051】
ここで、各切断歯群45において、バチ歯47における歯先部の硬度はHv1であって、ベベル歯49における歯先部の硬度はHv2である。即ち、第5の発明の実施の形態にあっては、各切断歯群45において、ベベル歯49における歯先部の硬度をバチ歯47における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0052】
従って、第5の発明の実施の形態の発明特定事項によると、ベベル歯49における歯先部の硬度をバチ歯47における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、バチ歯47における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(バチ歯47、ベベル歯49)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0053】
以上の如き、第5の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、バチ歯47における歯先部の硬度を高くしても、切断歯47,49がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯47,49における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃51の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0054】
図7は、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0055】
図7に示すように、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃53は、バチ型鋸刃であって、複数の先行歯群55(図7中には2つの先行歯群55のみ図示)と複数の後続歯群57(図7中には1つの後続歯群57のみ図示)を交互に配置してなる。各先行歯群55は、それぞれバチ歯59とベベル歯61とからなり、同様に、各後続歯群57は、それぞれバチ歯59とベベル歯61とからなる。
【0056】
ここで、先行歯群55中の2個の切断歯(バチ歯59、ベベル歯61)における歯先部の硬度はそれぞれHv2であって、後続歯群57中の2個の切断歯(バチ歯59、ベベル歯61)における歯先部の硬度はそれぞれHv1である。即ち、第6の発明の実施の形態にあっては、 先行歯群55中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0057】
従って、第6の発明の実施の形態の発明特定事項によると、先行歯群55中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を高くしても、切断歯59,61がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0058】
また、同じ理由により、先行歯群55及び後続歯群57が単純な切断歯59,61の組合せからなるものであっても、先行歯群55及び後続歯群59における2個の切断歯59,61を不等化することができる。
【0059】
以上の如き、第6の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を高くしても、切断歯59,61がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯59,61における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃53の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0060】
また、先行歯群55及び後続歯群57が単純な切断歯59,61の組合せからなるものであっても、先行歯群55及び後続歯群57における2個の切断歯59,61を不等化ができるため、切削時における鋸刃53の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0061】
図8は、第7の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0062】
図8に示すように、第7の発明の実施の形態に係わる鋸刃63は、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃53と同様に、バチ型鋸刃であって、複数の先行歯群65(図8中には1つの先行歯群65のみ図示)と複数の後続歯群67(図8中には1つの後続歯群67のみ図示)を交互に配置してなる。各先行歯群65は、それぞれ2個のバチ歯69と1個のベベル歯71とからなり、同様に、各後続歯群67は、それぞれ1個のバチ歯69と2個のベベル歯71とからなる。
【0063】
前述のように、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃53にあっては、先行歯群55中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度よりも低くなるように構成することにより、2個の切断歯59,61における歯先部の硬度パターンを先行歯群65と後続歯群67で異なるようにしたのに対して、第7の発明の実施の形態にあっては、次のように構成することにより、3個の切断歯(2個のバチ歯69及び1個のベベル歯71、又は1個のバチ歯69及び2個のベベル歯71)における歯先部の硬度パターンを先行歯群65と後続歯群67で異なるようにしている。
【0064】
即ち、第7の発明の実施の形態にあっては、先行歯群65中の鋸刃進行側(図8中において右側)のバチ歯69及びベベル歯71における歯先部の硬度はHv2であって、先行歯群65中の鋸刃進行側の反対側(図8中において左側)のバチ歯69における歯先部の硬度はHv1である。そして、後続歯群67中の前記鋸刃進行側のベベル歯71及びバチ歯69における歯先部の硬度はHv2であって、後続歯群67中の前記反対側のベベル歯71における歯先部の硬度はHv1である。
【0065】
従って、第7の発明の実施の形態においても、第6の発明の実施の形態の作用、効果と同様の作用、効果を奏する。
【0066】
なお、本発明は、前述の発明の実施の形態の説明に限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他種々の態様で実施可能である。
【0067】
【実施例】
以下、実施例について簡単に説明する。
【0068】
図9(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲1▼,発明品▲1▼の切断面積を示す図であって、図9(b)は、切断面積と従来品▲1▼,発明品▲1▼の切曲り量の関係を示す図であって、図10(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲2▼,発明品▲2▼の切断面積を示す図であって、図10(b)は、切断面積と従来品▲2▼,発明品▲2▼の切曲り量の関係を示す図である。
【0069】
第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃(発明品▲1▼)、及び従来のアサリ型鋸刃(従来品▲1▼)により同じワークピースを切断すると、図9(a)に示すように、発明品▲1▼により切断する場合の方が、従来品▲1▼により切断する場合よりも、鋸刃寿命に達するまでの切断面積が大きくなることが確認された。また、図9(b)に示すように、発明品▲1▼により切断する場合の方が、従来品▲1▼により切断する場合よりも、鋸刃の切曲り量を小さくなることが確認された。
【0070】
第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃(発明品▲2▼)、及び従来のバチ型鋸刃(従来品▲2▼)により同じワークピースを切断すると、図10(a)に示すように、発明品▲2▼により切断する場合の方が、従来品▲2▼により切断する場合よりも、鋸刃寿命に達するまでの切断面積が大きくなることが確認された。また、図10(b)に示すように、発明品▲2▼により切断する場合の方が、従来品▲2▼により切断する場合よりも、鋸刃の切曲り量を小さくなることが確認された。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯(前記直歯、前記右アサリ歯、前記左アサリ歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0072】
請求項2に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記ベベル歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、刃寿命の向上を図ることができる。
【0073】
請求項3に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記バチ歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0074】
請求項4に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記先行歯群,前記後続歯群の中の適数の前記切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0075】
また、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記先行歯群及び前記後続歯群における前記n個の切断歯を不等化ができるため、切削時における前記鋸刃の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0076】
請求項5に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0077】
また、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記切断歯群における前記n個の切断歯を不等化ができるため、切削時における前記鋸刃の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0078】
請求項6に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明の効果と同様の効果を奏する。
【0079】
請求項7に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明の効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図1(b)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図1(c)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【図2】第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図3】第2の発明の実施の形態に係わる別態様の鋸刃を歯先側からみた図である。
【図4】第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図5】図5(a)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図5(b)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図5(c)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【図6】第5の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図7】第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図8】第7の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図9】図9(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲1▼,発明品▲1▼の切断面積を示す図であって、図9(b)は、切断面積と従来品▲1▼,発明品▲1▼の切曲り量の関係を示す図である。
【図10】図10(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲2▼,発明品▲2▼の切断面積を示す図であって、図10(b)は、切断面積と従来品▲2▼,発明品▲2▼の切曲り量の関係を示す図である。
【図11】図11(a)は、従来のアサリ型鋸刃を歯先側からみた図であって、図11(b)は、従来のアサリ型鋸刃の部分側面図であって、図11(c)は、従来のアサリ型鋸刃の断面図である。
【図12】図12(a)は、従来のバチ型鋸刃を歯先側からみた図であって、図12(b)は、従来のバチ型鋸刃の部分側面図であって、図12(c)は、従来のバチ型鋸刃の断面図である。
【符号の説明】
19 鋸刃
21 切断歯群
23 直歯
25 右アサリ歯
27 左アサリ歯
29 鋸刃
31 先行歯群
33 後続歯群
35 右アサリ歯
37 左アサリ歯
39 直歯
41 鋸刃
43 鋸刃
45 切断歯群
47 バチ歯
49 ベベル歯
51 鋸刃
53 鋸刃
55 先行歯群
57 後続歯群
59 バチ歯
61 ベベル歯
63 鋸刃
65 先行歯群
67 後続歯群
69 バチ歯
71 ベベル歯
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークピースの切断に用いられる帯鋸刃、丸鋸刃、ハクソー、ホールソー等の鋸刃に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば金属製のワークピースを切断する際には帯鋸盤が広く使用されており、前記帯鋸盤の切削工具としての鋸刃には、様々な研究開発がなされており、その結果、次のようなアサリ型鋸刃及びバチ型鋸刃が一般的に使用されるに至っている。
【0003】
即ち、図11に示すように、一般的なアサリ型鋸刃1は多数の切断歯群3(図11中には1つの切断歯群3のみ図示)を連続して備えてあって、各切断歯群3は、それぞれ、先端側へストレートに成形された直歯5と、右方向(図11(a)において下,図11(b)において紙面に向かって表,図11(c)において左)へアサリを付けた2個の右アサリ歯7と、左方向(図11(a)において上,図11(b)において紙面に向かって裏,図11(c)において右)へアサリを付けた2個の左アサリ歯9とを備えている。
【0004】
また、図12に示すように、一般的なバチ型鋸刃11は多数の切断歯群13(図12中は1つの切断歯群13のみ図示)を連続して備えてあって、各切断歯群13は、それぞれ、先端側に向かってバチ状に広がったバチ歯15と、先端側の左右(図12(a)において下上,図12(b)において紙面に向かって裏表,図12(c)において右左)のコーナを面取したベベル歯17とを備えている。
【0005】
更に、鋸刃1,11において多数の切断歯(直歯5、右アサリ歯7、左アサリ歯9、バチ歯15、ベベル歯17)における歯先部の硬度を高くするため、多数の切断歯における歯先部を焼入れしたり、多数の切断歯における歯先部を超硬材により構成したり等、適宜の手段を施している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年のワークピースの高硬度化に応じて、切断歯における歯先部の硬度をある程度高くする必要がある。しかしながら、切断歯における歯先部の硬度が高すぎると、切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃によって、切断歯における歯先部に歯欠けが生じ易くなったり、鋸刃の切曲り量が大きくなったりして、鋸刃寿命が短くなるという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、先端側に向かってストレートに成形された多数の直歯と、右方向へアサリを付けた多数の右アサリ歯と、左方向へアサリを付けた多数の左アサリ歯とを備えてなる鋸刃において、
前記直歯における歯先部の硬度を、前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明特定事項によると、前記直歯における歯先部の硬度を前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(前記直歯、前記右アサリ歯、前記左アサリ歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明にあっては、先端側に向かってバチ状に広がった多数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した多数のベベル歯とを備えてなる鋸刃において、
前記バチ歯における歯先部の硬度を、前記ベベル歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明特定事項によると、前記バチ歯における歯先部の硬度を前記ベベル歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記ベベル歯における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明にあっては、先端側に向かってバチ状に広がった多数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した多数のベベル歯とを備えてなる鋸刃において、
前記ベベル歯における歯先部の硬度を、前記バチ歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明特定事項によると、前記ベベル歯における歯先部の硬度を前記バチ歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記バチ歯における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明にあっては、n個(nは2以上の整数)の切断歯からなる複数の先行歯群と、n個の切断歯からなる複数の後続歯群とを交互に配置してなる鋸刃において、
前記n個の切断歯における歯先部の硬度パターンを、前記先行歯群と前記後続歯群で異なるように構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明特定事項によると、前記n個の切断歯における歯先部の硬度パターンを前記先行歯群と前記後続歯群で異なるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記先行歯群,前記後続歯群の中の適数の前記切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0015】
また、同じ理由により、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記先行歯群及び前記後続歯群における前記n個の切断歯を不等化することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明にあっては、n個(nは2以上の整数)の切断歯からなる複数の先行歯群と、n個の切断歯からなる複数の後続歯群とを交互に配置してなる鋸刃において、
前記先行歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を、前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明特定事項によると、前記先行歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0018】
また、同じ理由により、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記先行歯群及び前記後続歯群における前記n個の切断歯を不等化することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項の他に、前記n個の切断歯は、
先端側に向かってストレートに成形された適数の直歯と、右方向へアサリを付けた適数の右アサリ歯と、左方向へアサリを付けた適数の左アサリ歯とからなることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明特定事項によると、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
【0021】
請求項7に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項の他に、前記n個の切断歯は、
先端側に向かってバチ状に広がった適数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した適数のベベル歯とからなることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明特定事項によると、請求項4又は請求項5に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1(a)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図1(b)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図1(c)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【0025】
図1に示すように、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃19は、アサリ型鋸刃であって、多数の切断歯群21(図1中には1つの切断歯群21のみ図示)を連続して備えている。各切断歯群21は、それぞれ、先端側へストレートに成形された直歯23と、右方向(図1(a)において下,図1(b)において紙面に向かって表,図1(c)において左)へアサリを付けた2個の右アサリ歯25と、左方向(図1(a)において上,図1(b)において紙面に向かって裏,図1(c)において右)へアサリを付けた2個の左アサリ歯27とを備えている。
【0026】
ここで、各切断歯群21において、右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における硬度はHv1であって、直歯23における歯先部の硬度はHv2(Hv1>Hv2)である。即ち、第1の発明の実施の形態にあっては、各切断歯群21において、直歯23における歯先部の硬度を右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0027】
なお、鋸刃19の歯厚はTであって、直歯23の歯高はH1であって、アサリ歯25,27の歯高はH1よりも僅かに高いH2である。
【0028】
従って、第1の発明の実施の形態によると、直歯23における歯先部の硬度を右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(直歯23、右アサリ歯25、左アサリ歯27)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0029】
以上の如き、第1の発明の実施の形態によると、ワークピースの硬度に対応して、右アサリ歯25における歯先部の硬度及び左アサリ歯27における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(直歯23、右アサリ歯25、左アサリ歯27)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯23,25,27における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃19の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0030】
図2は、第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図3は、第2の発明の実施の形態に係わる別態様の鋸刃を歯先側からみた図である。
【0031】
図2に示すように、第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃29は、アサリ型鋸刃であって、複数の先行歯群31(図2中には1つの先行歯群31のみ図示)と複数の後続歯群33(図2中には1つの後続歯群33のみ図示)を交互に配置してなる。各先行歯群31は、それぞれ、右アサリ歯35と、左アサリ歯37と、直歯39とからなり、同様に、各後続歯群33は、それぞれ、右アサリ歯35と、左アサリ歯37と、直歯39とからなる。
【0032】
ここで、先行歯群31中の3個の切断歯(右アサリ歯35、左アサリ歯37、直歯39)における歯先部の硬度はそれぞれHv2であって、後続歯群33中の3個の切断歯(右アサリ歯35、左アサリ歯37、直歯39)における歯先部の硬度はそれぞれHv1である。即ち、第2の発明の実施の形態にあっては、 先行歯群31中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0033】
なお、図3に示すように、先行歯群31中及び後続歯群33中の切断歯35,37,39の配置を変更したり、又は先行歯群31、後続歯群33に別の切断歯を加えたりする等、適宜の変更が可能である。
【0034】
従って、第2の発明の実施の形態によると、先行歯群31中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を高くしても、切断歯35,37,39がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0035】
また、同じ理由により、先行歯群31及び後続歯群33が単純な切断歯35,37,39の組合せからなるものであっても、先行歯群31及び後続歯群35における3個の切断歯35,37,39を不等化することができる。
【0036】
以上の如き、第2の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を高くしても、切断歯35,37,39がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯35,37,39における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃29の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0037】
また、先行歯群31及び後続歯群33が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、先行歯群31及び後続歯群33における3個の切断歯35,37,39を不等化ができるため、切削時における鋸刃29の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0038】
図4は、第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0039】
図4に示すように、第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃41は、第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃29と同様に、アサリ型鋸刃であって、複数の先行歯群31(図4中には1つの先行歯群31のみ図示)と複数の後続歯群33(図4中には1つの後続歯群33のみ図示)を交互に配置してなる。
【0040】
前述のように、第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃にあっては、先行歯群31中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度を後続歯群33中の3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度よりも低くなるように構成することにより、3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度パターンを先行歯群31と後続歯群33で異なるようにしたのに対して、第3の発明の実施の形態にあっては、次のように構成することにより、3個の切断歯35,37,39における歯先部の硬度パターンを先行歯群31と後続歯群33で異なるようにしている。
【0041】
即ち、第3の発明の実施の形態にあっては、先行歯群31中のアサリ歯35,37における歯先部の硬度はHv2であって、先行歯群中31の直歯39における歯先部の硬度はHv1である。そして、後続歯群33中のアサリ歯35,37における歯先部の硬度はHv1であって、後続歯群33中の直歯39における歯先部の硬度はHv2である。
【0042】
従って、第3の発明の実施の形態においても、第2の発明の実施の形態の作用、効果と同様の作用、効果を奏する。
【0043】
図5(a)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図5(b)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図5(c)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【0044】
図5に示すように、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃43は、バチ型鋸刃であって、多数の切断歯群45(図5中には3つの切断歯群45のみ図示)を連続して備えている。各切断歯群45は、それぞれ、先端側に向かってバチ状に広がったバチ歯47と、先端側の左右(図5(a)において下上,図5(b)において紙面に向かって裏表,図5(c)において右左)のコーナを面取したベベル歯49とを備えている。
【0045】
ここで、各切断歯群45において、バチ歯47における歯先部の硬度はHv2であって、ベベル歯49における歯先部の硬度はHv1である。即ち、第4の発明の実施の形態にあっては、各切断歯群45において、バチ歯47における歯先部の硬度をベベル歯49における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0046】
なお、鋸刃43の歯厚はTであって、バチ歯47の歯高はH1であって、ベベル歯49の歯高はH1よりも僅かに高いH2である。
【0047】
従って、第4の発明の実施の形態の発明特定事項によると、バチ歯47における歯先部の硬度をベベル歯49における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピースの硬度に対応して、ベベル歯49における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(バチ歯47、ベベル歯49)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0048】
以上の如き、第4の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、ベベル歯49における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(バチ歯47、ベベル歯49)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯47,49における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃43の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0049】
図6は、第5の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0050】
図6に示すように、第5の発明の実施の形態に係わる鋸刃51は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃43と同様に、バチ型鋸刃であって、多数の切断歯群45(図6中には3つの切断歯群45のみ図示)を連続して備えている。
【0051】
ここで、各切断歯群45において、バチ歯47における歯先部の硬度はHv1であって、ベベル歯49における歯先部の硬度はHv2である。即ち、第5の発明の実施の形態にあっては、各切断歯群45において、ベベル歯49における歯先部の硬度をバチ歯47における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0052】
従って、第5の発明の実施の形態の発明特定事項によると、ベベル歯49における歯先部の硬度をバチ歯47における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、バチ歯47における歯先部の硬度を高くしても、切断歯(バチ歯47、ベベル歯49)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0053】
以上の如き、第5の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、バチ歯47における歯先部の硬度を高くしても、切断歯47,49がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯47,49における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃51の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0054】
図7は、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0055】
図7に示すように、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃53は、バチ型鋸刃であって、複数の先行歯群55(図7中には2つの先行歯群55のみ図示)と複数の後続歯群57(図7中には1つの後続歯群57のみ図示)を交互に配置してなる。各先行歯群55は、それぞれバチ歯59とベベル歯61とからなり、同様に、各後続歯群57は、それぞれバチ歯59とベベル歯61とからなる。
【0056】
ここで、先行歯群55中の2個の切断歯(バチ歯59、ベベル歯61)における歯先部の硬度はそれぞれHv2であって、後続歯群57中の2個の切断歯(バチ歯59、ベベル歯61)における歯先部の硬度はそれぞれHv1である。即ち、第6の発明の実施の形態にあっては、 先行歯群55中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度よりも低くなるように構成してある。
【0057】
従って、第6の発明の実施の形態の発明特定事項によると、先行歯群55中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度よりも低くなるようにしたため、ワークピース(図示省略)の硬度に対応して、後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を高くしても、切断歯59,61がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和することができる。
【0058】
また、同じ理由により、先行歯群55及び後続歯群57が単純な切断歯59,61の組合せからなるものであっても、先行歯群55及び後続歯群59における2個の切断歯59,61を不等化することができる。
【0059】
以上の如き、第6の発明の実施の形態によれば、ワークピースの硬度に対応して、後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を高くしても、切断歯59,61がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、切断歯59,61における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、鋸刃53の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0060】
また、先行歯群55及び後続歯群57が単純な切断歯59,61の組合せからなるものであっても、先行歯群55及び後続歯群57における2個の切断歯59,61を不等化ができるため、切削時における鋸刃53の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0061】
図8は、第7の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【0062】
図8に示すように、第7の発明の実施の形態に係わる鋸刃63は、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃53と同様に、バチ型鋸刃であって、複数の先行歯群65(図8中には1つの先行歯群65のみ図示)と複数の後続歯群67(図8中には1つの後続歯群67のみ図示)を交互に配置してなる。各先行歯群65は、それぞれ2個のバチ歯69と1個のベベル歯71とからなり、同様に、各後続歯群67は、それぞれ1個のバチ歯69と2個のベベル歯71とからなる。
【0063】
前述のように、第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃53にあっては、先行歯群55中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度を後続歯群57中の2個の切断歯59,61における歯先部の硬度よりも低くなるように構成することにより、2個の切断歯59,61における歯先部の硬度パターンを先行歯群65と後続歯群67で異なるようにしたのに対して、第7の発明の実施の形態にあっては、次のように構成することにより、3個の切断歯(2個のバチ歯69及び1個のベベル歯71、又は1個のバチ歯69及び2個のベベル歯71)における歯先部の硬度パターンを先行歯群65と後続歯群67で異なるようにしている。
【0064】
即ち、第7の発明の実施の形態にあっては、先行歯群65中の鋸刃進行側(図8中において右側)のバチ歯69及びベベル歯71における歯先部の硬度はHv2であって、先行歯群65中の鋸刃進行側の反対側(図8中において左側)のバチ歯69における歯先部の硬度はHv1である。そして、後続歯群67中の前記鋸刃進行側のベベル歯71及びバチ歯69における歯先部の硬度はHv2であって、後続歯群67中の前記反対側のベベル歯71における歯先部の硬度はHv1である。
【0065】
従って、第7の発明の実施の形態においても、第6の発明の実施の形態の作用、効果と同様の作用、効果を奏する。
【0066】
なお、本発明は、前述の発明の実施の形態の説明に限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他種々の態様で実施可能である。
【0067】
【実施例】
以下、実施例について簡単に説明する。
【0068】
図9(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲1▼,発明品▲1▼の切断面積を示す図であって、図9(b)は、切断面積と従来品▲1▼,発明品▲1▼の切曲り量の関係を示す図であって、図10(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲2▼,発明品▲2▼の切断面積を示す図であって、図10(b)は、切断面積と従来品▲2▼,発明品▲2▼の切曲り量の関係を示す図である。
【0069】
第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃(発明品▲1▼)、及び従来のアサリ型鋸刃(従来品▲1▼)により同じワークピースを切断すると、図9(a)に示すように、発明品▲1▼により切断する場合の方が、従来品▲1▼により切断する場合よりも、鋸刃寿命に達するまでの切断面積が大きくなることが確認された。また、図9(b)に示すように、発明品▲1▼により切断する場合の方が、従来品▲1▼により切断する場合よりも、鋸刃の切曲り量を小さくなることが確認された。
【0070】
第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃(発明品▲2▼)、及び従来のバチ型鋸刃(従来品▲2▼)により同じワークピースを切断すると、図10(a)に示すように、発明品▲2▼により切断する場合の方が、従来品▲2▼により切断する場合よりも、鋸刃寿命に達するまでの切断面積が大きくなることが確認された。また、図10(b)に示すように、発明品▲2▼により切断する場合の方が、従来品▲2▼により切断する場合よりも、鋸刃の切曲り量を小さくなることが確認された。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記右アサリ歯における歯先部の硬度及び前記左アサリ歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯(前記直歯、前記右アサリ歯、前記左アサリ歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0072】
請求項2に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記ベベル歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、刃寿命の向上を図ることができる。
【0073】
請求項3に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記バチ歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯(前記バチ歯、前記ベベル歯)がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0074】
請求項4に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記先行歯群,前記後続歯群の中の適数の前記切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0075】
また、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記先行歯群及び前記後続歯群における前記n個の切断歯を不等化ができるため、切削時における前記鋸刃の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0076】
請求項5に記載の発明によれば、ワークピースの硬度に対応して、前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を高くしても、前記切断歯がワークピースへ突入する際の衝撃を緩和できるため、前記切断歯における歯先部の歯欠けを生じ難くすると共に、前記鋸刃の切曲り量を少なくして、鋸刃寿命の向上を図ることができる。
【0077】
また、前記先行歯群及び前記後続歯群が単純な切断歯の組合せからなるものであっても、前記切断歯群における前記n個の切断歯を不等化ができるため、切削時における前記鋸刃の振動及び騒音の低減を図ることができる。
【0078】
請求項6に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明の効果と同様の効果を奏する。
【0079】
請求項7に記載の発明にあっては、請求項4又は請求項5に記載の発明の効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図1(b)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図1(c)は、第1の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【図2】第2の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図3】第2の発明の実施の形態に係わる別態様の鋸刃を歯先側からみた図である。
【図4】第3の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図5】図5(a)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図であって、図5(b)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の部分側面図であって、図5(c)は、第4の発明の実施の形態に係わる鋸刃の断面図である。
【図6】第5の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図7】第6の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図8】第7の発明の実施の形態に係わる鋸刃を歯先側からみた図である。
【図9】図9(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲1▼,発明品▲1▼の切断面積を示す図であって、図9(b)は、切断面積と従来品▲1▼,発明品▲1▼の切曲り量の関係を示す図である。
【図10】図10(a)は、鋸刃寿命に達したときにおける従来品▲2▼,発明品▲2▼の切断面積を示す図であって、図10(b)は、切断面積と従来品▲2▼,発明品▲2▼の切曲り量の関係を示す図である。
【図11】図11(a)は、従来のアサリ型鋸刃を歯先側からみた図であって、図11(b)は、従来のアサリ型鋸刃の部分側面図であって、図11(c)は、従来のアサリ型鋸刃の断面図である。
【図12】図12(a)は、従来のバチ型鋸刃を歯先側からみた図であって、図12(b)は、従来のバチ型鋸刃の部分側面図であって、図12(c)は、従来のバチ型鋸刃の断面図である。
【符号の説明】
19 鋸刃
21 切断歯群
23 直歯
25 右アサリ歯
27 左アサリ歯
29 鋸刃
31 先行歯群
33 後続歯群
35 右アサリ歯
37 左アサリ歯
39 直歯
41 鋸刃
43 鋸刃
45 切断歯群
47 バチ歯
49 ベベル歯
51 鋸刃
53 鋸刃
55 先行歯群
57 後続歯群
59 バチ歯
61 ベベル歯
63 鋸刃
65 先行歯群
67 後続歯群
69 バチ歯
71 ベベル歯
Claims (7)
- 先端側に向かってストレートに成形された多数の直歯と、右方向へアサリを付けた多数の右アサリ歯と、左方向へアサリを付けた多数の左アサリ歯とを備えてなる鋸刃において、
前記直歯における歯先部の硬度を、前記左アサリ歯における歯先部の硬度及び前記右アサリ歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする鋸刃。 - 先端側に向かってバチ状に広がった多数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した多数のベベル歯とを備えてなる鋸刃において、
前記バチ歯における歯先部の硬度を、前記ベベル歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする鋸刃。 - 先端側に向かってバチ状に広がった多数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した多数のベベル歯とを備えてなる鋸刃において、
前記ベベル歯における歯先部の硬度を、前記バチ歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする鋸刃。 - n個(nは2以上の整数)の切断歯からなる複数の先行歯群と、n個の切断歯からなる複数の後続歯群とを交互に配置してなる鋸刃において、
前記n個の切断歯における歯先部の硬度パターンを、前記先行歯群と前記後続歯群で異なるように構成したことを特徴とする鋸刃。 - n個(nは2以上の整数)の切断歯からなる複数の先行歯群と、n個の切断歯からなる複数の後続歯群とを交互に配置してなる鋸刃において、
前記先行歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度を、前記後続歯群中の前記n個の切断歯における歯先部の硬度よりも低くなるように構成したことを特徴とする鋸刃。 - 前記n個の切断歯は、
先端側に向かってストレートに成形された適数の直歯と、右方向へアサリを付けた適数の右アサリ歯と、左方向へアサリを付けた適数の左アサリ歯とからなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の鋸刃。 - 前記n個の切断歯は、
先端側に向かってバチ状に広がった適数のバチ歯と、先端側の左右のコーナを面取した適数のベベル歯とからなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の鋸刃。
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