JP4300581B2 - コンデンサ寿命予測装置とこれを用いた電源装置 - Google Patents

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この発明は、電子機器などに用いられる例えば平滑用コンデンサの容量抜けを予測するコンデンサ寿命予測装置と、この装置を用いた電源装置に関するものである。
スイッチング電源などの電子機器に用いられるコンデンサは、一般に安価で比較的大容量が確保できるアルミニウム電解コンデンサが多く用いられる。アルミニウム電解コンデンサは、直流電流を流した使用時には温度上昇による電解液の蒸発・分解による電解液の減少による劣化が進行すると共に、無負荷放置時においても電解液と誘電体皮膜との化学反応や、電解液の蒸発による電解液減少などにより劣化して、容量抜けが発生する。また、コンデンサの内部を考えると、本来の電荷蓄積容量と共に、誘電体,電極箔,電解液のそれぞれの抵抗値R(Ω)と、電極箔と端子間に存在する内部インダクタンスL(H)と、コンデンサ容量C(F)の各成分を直列接続した内部インピーダンスZを有している。この内部インピーダンスZは、コンデンサに印加される周波数をf(Hz)とすると、次の数式1にて表される。
Figure 0004300581
上式からも明らかなように、特に経年変化により誘電体,電極箔および電解液の直流抵抗Rが増加することにより、内部インピーダンスZは次第に増大し、スイッチング電源などの電子機器においては、製品の寿命を概ね決定付ける寿命部品の一つが、このアルミニウム電解コンデンサとなっている。
スイッチング電源装置の寿命部品として、例えば装置内部の冷却を行なうファンモータは、稼働時間に応じて警報信号を発したり、温度を監視することでファンモータの回転数の低下を検知したりするものが一般的に知られている。一方、アルミニウム電解コンデンサに関しては、電解コンデンサの内部温度を、その周囲温度と放電電流とにより計算し、当該計算で得られた電解コンデンサの内部温度の積算値が所定値を超過した時を以って寿命と判定した寿命診断装置が、例えば特許文献1に開示されている。この方式は、電子装置の運転中も寿命判定が出来る点が優れているが、種々の条件に応じて内部温度の算出式に使用する定数を変更しなければならないため、内部構成が複雑である上に、寿命診断装置が寿命を判定するまで、内部温度の積算値を保持し続けなければならない問題がある。
さらに特許文献2では、CPUを使用して、電源装置停止後の電解コンデンサの放電特性を取るために、コンデンサの両端間電圧値を時間毎にサンプリングし、このサンプリングにより作成された放電特性から時定数を計算して、当該時定数に基づきコンデンサの寿命を判断するものが開示されている。この方法では、電源運転中は診断できず電源停止後の診断となるため、電源装置のような継続的に稼動する電子機器では上手く診断できないという問題がある。
さらにまた、別な特許文献3においては、電解コンデンサが放電により基準電圧まで低下する経過時間を測定し、この経過時間が所定値以下の短時間となった時点を寿命と判定するコンデンサ寿命装置が開示されている。この装置は、電子機器の稼動中でも診断が可能であるが、電解コンデンサを放電させるために、コンデンサへの充電電流を遮断するスイッチをわざわざ操作しなければならず、スイッチ操作を怠ると、電解コンデンサが寿命に達した後、いつまでも診断が行われない問題が発生する。
特開平7−92213号公報 特開平11−231008号公報 特開2002−281735号公報
電解コンデンサは、電子機器に使用される他の電子部品に比較した場合、温度上昇などの過酷な使用条件に対して、特に短命化となる特性を有しており、電子機器の故障原因の大半を占めるものである。しかし、電解コンデンサは、外見だけでその寿命を判定することは困難であり、その使用される周囲環境条件、使用される回路の電気的条件により寿命は大きく変わるため、個々の電解コンデンサの寿命予測は、例えば、その使用時間等によっては、相当なばらつきがあり全く予測困難である。
ところが、上記特許文献1に開示される診断装置は、複数の検出器からの検出情報を元に内部温度の算出式に使用する定数を適宜変更して、電解コンデンサの寿命を診断しているので、診断装置の構成が自ずと複雑になる。また特許文献2,3の診断装置は、コンデンサの放電電圧に関する情報だけで、電解コンデンサの寿命を診断することができるが、コンデンサを放電させるために、電源装置の運転を停止したり、コンデンサへの充電電流を遮断したりする操作を講じなければならない。つまり、電子機器を稼動状態にして、外部から一切手を加えることなく、単独の検出情報だけで、コンデンサの寿命をリアルタイムに診断することはできない。
さらに、前記ファンモータの診断装置のように、稼働時間の積算値により警報信号を出力するものでは、負荷条件や周囲温度が全く考慮されることなく寿命と診断され、コンデンサに関しては正確な診断を行なうことができない。
本発明は上記の課題に着目してなされたもので、使用中のコンデンサに対して、外部から一切手を加えることなく、コンデンサの寿命をリアルタイムに且つ正確に診断することができ、さらにはコンデンサの寿命時期を前もって知ることが可能なコンデンサ寿命予測装置とこれを用いた電源装置を提供することをその目的とする。
請求項1の発明は、コンデンサで平滑される直流電圧の脈動振幅値を検出する検出部と、この検出部で検出した脈動振幅検出値が基準値を超えたときに、警報信号を出力するコンデンサ寿命判定部とを備え、前記コンデンサ寿命判定部は、前記脈動振幅検出値と前記基準値との差分値の情報を取り込んで、該差分値とコンデンサの残存寿命時間との相関関係を求めることによって、前記コンデンサの寿命残存時間を算出して、この算出結果を出力する寿命残存時間算出部を備えたことを特徴とするコンデンサ寿命予測装置である。
本発明は、コンデンサが経年劣化により内部インピーダンスの増加と容量抜けが進行して、脈動に対する平滑作用が衰え直流電圧の脈動分が増加する特性に着目してなされたものである。すなわち、コンデンサの両端間に発生する直流電圧の脈動振幅値を検出部で検出するだけで、コンデンサ寿命判定部はコンデンサが寿命に達したことを警報信号として出力することができる。しかも、上記コンデンサの両端間電圧の検出は、コンデンサへの充電電流を遮断することなく、通常のコンデンサの使用中に行えるので、外部から一切手を加えることなく、コンデンサの寿命をリアルタイムに且つ正確に診断することが可能になる。また、前記コンデンサ寿命判定部が、前記脈動振幅検出値と前記基準値との差分値の大きさにより、前記コンデンサの寿命残存時間を算出して、この算出結果を出力する寿命残存時間算出部を備えているコンデンサ寿命予測装置である。
請求項2の発明は、上記コンデンサ寿命予測装置を組み込んだ電源装置を対象としている。
このようにすれば、電源装置自身に本発明における特徴を有するコンデンサ寿命予測装置が組み込まれることになる。
請求項1の発明によれば、使用中のコンデンサに対して、外部から一切手を加えることなく、コンデンサの寿命をリアルタイムに且つ正確に診断することが可能になり、またコンデンサ寿命判定部からの出力により、コンデンサの寿命時期を前もって知ることが可能なコンデンサ寿命予測装置を提供できる。
請求項2の発明によれば、電源装置にコンデンサ寿命予測装置が組み込まれることで、使用中のコンデンサに対して、外部から一切手を加えることなく、単独の検出情報だけで、コンデンサの寿命をリアルタイムに且つ正確に診断することが可能になり、またコンデンサ寿命判定部からの出力により、コンデンサの寿命時期を前もって知ることが可能な電源装置を提供できる。
以下、本発明のコンデンサ寿命予測装置を用いた好ましい実施形態につき、添付図面である図1〜図4を参照して説明する。
図1は、フォワード型スイッチング電源装置に本発明のコンデンサ寿命予測装置を適用した場合を示す。同図において、200はコンデンサ寿命予測装置、T1,T2はその外部接続用端子であり、寿命診断対象である出力平滑用のコンデンサ110の両端端子C1,C2にそれぞれ接続される。一方、210はコンデンサ寿命予測装置200を組み込んだ電源装置であり、11は交流入力電源10からの交流入力電圧を全波整流する整流回路、12は整流回路11の出力端間に接続される入力コンデンサ、1は入力側と出力側とを絶縁するトランスで、これは周知のように、一次巻線1Aと二次巻線1Bとを磁気的に結合して構成される。また、トランス1の一次側において、一次巻線1Aとスイッチング素子13とからなる直列回路が、整流回路11の出力端間ひいては入力コンデンサ12の両端間に接続される。ここでのスイッチング素子13は、例えばトランジスタやMOS型FETなどの半導体素子である。20は、このスイッチング電源装置の出力電圧Voを安定化させるための、スイッチング素子13のスイッチング・デューティーを制御するパルス幅制御器である。
一方、トランス1の二次側には、整流ダイオード14,還流ダイオード15,チョークコイル16および平滑コンデンサ110からなる整流平滑回路が設けられる。より具体的には、二次巻線1Bのドット側端子に整流ダイオード14のアノードが接続され、二次巻線1Bの非ドット側端子に還流ダイオード15のアノードが接続され、この整流ダイオード14および還流ダイオード15のカソードが、チョークコイル16の一端に接続されると共に、平滑コンデンサ110の一端がチョークコイル16の他端に接続され、平滑コンデンサ110の他端が、二次巻線1Bと還流ダイオード15との接続点に接続される。そして、点線で囲まれた平滑コンデンサ110の一端および他端に出力端子17,18がそれぞれ接続され、この出力端子17,18から負荷19に出力電圧Voが与えられる。なお、ここでは平滑コンデンサ110の内部インピーダンスZcを符号108とし、また109はコンデンサの容量を表している。以上の回路が、従来のフォワード型スイッチング回路である。
次に、本発明のコンデンサ寿命予測装置200の内部回路を説明する。220は、コンデンサ110で平滑される直流電圧Vの脈動振幅値を検出する検出部としての検出回路である。この検出回路220は、コンデンサ110の両端間に発生する直流電圧Voのピーク電圧Vopを検出するピーク検出器100と、直流電圧Voの平均電圧VoAveを検出する平均値検出器101と、前記ピーク電圧Vopと前記平均電圧VoAveとの差分を検出する差分検出器102とから構成される。
ピーク検出器100と平均値検出器101の入力端子は、共に前記外部端子T1に接続され、ピーク検出器100と平均値検出器101の出力端子は、差分検出器102に設けられた異なる二つの入力端子にそれぞれ接続される。差分検出器102の出力端子には、ピーク電圧Vopと平均電圧VoAveとの差分を検出した脈動振幅検出値を示す脈動振幅電圧ΔVxが発生する検出端子T3が設けられる。なお、外部端子T2には、検出回路220内で発生する各電圧の基準電位となるグランドライン(図示せず)が接続される。
コンデンサ寿命予測装置200は検出回路220の他に、コンデンサ寿命判定部に相当するコンデンサ寿命情報提供装置300が検出端子T3に接続され、差分検出器102の出力端子に発生する脈動振幅電圧ΔVxが入力される。
次に、このコンデンサ寿命情報提供装置300の構成を、図2により説明する。この図2の構成は、オペアンプを比較器301として使用した例を示し、前記差分検出器102の出力端子に繋がる検出端子T3は、この比較器301の反転入力端子に接続されると共に、比較器301の非反転入力端子には、所定の基準値である脈動限界基準値を示す脈動限界基準電圧ΔV(limit)を出力する基準電圧生成回路302が接続される。303は脈動振幅電圧ΔVxの電圧値(脈動振幅検出値)が脈動限界基準電圧ΔV(limit)の電圧値(脈動限界基準値)を超えたときに比較器301から制御信号が与えられる制御回路であり、この制御回路303からの出力に基づき、警報出力装置304が報知および/または表示を行なうように構成されている。
次に、上記の回路構成についてその作用を説明する。先ず、電源装置210の動作を説明すると、トランス1の一次側では、交流電源10からの交流入力電圧が整流回路11により全波整流され、この整流された電圧が入力コンデンサ12により平滑される。入力コンデンサ12の両端間に発生する直流電圧は、スイッチング素子13のオン,オフ動作によりトランス1の一次巻線1Aに断続的に印加される。これによりトランス1の二次側では、スイッチング素子13のオン時において、二次巻線1Bの両端に図1に示すドット(・)側を正極とする電圧が誘起され、整流ダイオード14を通してチョークコイル16にエネルギーが蓄積されると共に、当該チョークコイル16と平滑コンデンサ110とによりその脈動分が平滑され、出力端子17,18から負荷19に平滑された出力電圧Voが供給される。
やがて、スイッチング素子13がオフすると、今度は二次巻線1Bの両端に非ドット側を正極とする電圧が誘起され、整流ダイオード14は非導通になる一方で、還流ダイオード15が導通する。こうなると、チョークコイル16に蓄えられたエネルギーが、還流ダイオード15を介して平滑コンデンサ110側に放出され、当該平滑コンデンサ110により引き続き平滑された出力電圧Voが出力端子17,18から負荷19に供給される。
また、帰還回路を構成するパルス幅制御器20は、負荷19に供給される出力電圧Voを安定化させるために、当該出力電圧Voを検出して基準電圧と比較をして(図示せず)、基準電圧よりも低い場合はスイッチング素子13に供給するパルス駆動信号のパルス導通幅を広くし、逆に基準電圧よりも高い場合はこのパルス幅を狭くする制御を行なっている。
次に、上記電源装置210における動作中において、トランス1の二次側にある平滑コンデンサ110の寿命診断の仕組みを図3に基づき説明する。平滑コンデンサ110の両端間に発生した出力電圧Voは、コンデンサ寿命予測装置200において、ピーク検出器100及び平均値検出器101にそれぞれ入力される。ピーク検出器100では、入力された出力電圧Voのピーク値を例えばピークホールド回路などにより検出,保持し、差分検出器102に出力する。一方、平均値検出器101では、入力された出力電圧Voの平均値を例えば適度なフィルタ回路などにより検出,保持し、差分検出器102に出力する。そして、差分検出器102は、例えば減算回路などによりピーク検出器100から入力されたピーク電圧Vopと平均値検出器101から入力された平均電圧VoAveとの差分(Vop−VoAve)を検出し、その検出結果である脈動振幅電圧ΔVxを検出端子T3ひいてはコンデンサ寿命情報提供装置300に出力する。
また、ピーク検出器100,平均値検出器101,及び差分検出器102を、例えばDSP(Digital Signal Processor)やマイコン(マイクロコンピュータ)などの演算器を用いて構成することもでき、この場合は、平滑コンデンサ110の両端間に発生した出力電圧Voを例えばA/D変換回路などによりディジタル値に変換し、前記演算器により順次比較処理を行うと共に、平均化処理を行うことで、ピーク値及び平均値を検出,保持する。そして、前記ピーク値から前記平均値を減算し、その結果すなわち前記脈動振幅検出値を例えばD/A変換回路などにより脈動振幅電圧ΔVxに変換して出力する。もちろん、コンデンサ寿命情報提供装置300でもディジタル値を取り扱うことが可能であれば、前記脈動振幅検出値を示すディジタル値を電圧値に変換して出力する必要はない。
コンデンサ寿命情報提供装置300は、基準電圧生成回路302から与えられる所定の脈動限界基準電圧ΔV(limit)と、電源装置210の検出端子T3から発生する脈動振幅電圧ΔVxとを比較器301で比較する。このとき、コンデンサ110が初期状態にある場合は、図3の上段に示すように、出力電圧Voの脈動成分ΔVoひいては脈動振幅電圧ΔVxも小さいが、経年変化によりコンデンサ110が劣化してくると、図3の下段に示すように、出力電圧Voの脈動成分ΔVoひいては脈動振幅電圧ΔVxが次第に増大する。そして、脈動振幅電圧ΔVxの電圧値(脈動振幅検出値)が脈動限界基準電圧ΔV(limit)の電圧値(脈動限界基準値)を超えたときに、その旨を示す制御信号が制御回路303に出力される。制御回路303は、この制御信号を受けて警報信号を警報出力装置304に出力し、警報出力装置304からの警報音および/または警報表示によって、ユーザーに平滑コンデンサ110の容量抜けの情報を告知する。コンデンサ寿命情報提供装置300においても、ピーク検出器100,平均値検出器101,及び差分検出器102と同様に、前記演算器を用いて構成することもできることは言うまでもない。
このように本実施例では、電源装置210の動作中に、コンデンサ110で平滑される出力電圧Voの脈動成分ΔVoを検出し、この脈動成分ΔVoが所定値を超えたときに、コンデンサ寿命情報提供装置300がコンデンサ110の寿命と判断して、音や表示による告知を行なうようにしている。したがって、コンデンサ110をわざわざ放電させたりする必要はなく、出力電圧Voの脈動成分ΔVoを検出するだけで、コンデンサ110の寿命を診断することができる。しかも、ここでのコンデンサ寿命予測装置200は、外部接続用端子T1,T2をコンデンサ110の両端間に接続するだけでよいため、電源装置210に限らず、コンデンサの寿命が懸念されるあらゆる電子機器に対し簡単に適用できる。
しかも、ここでのコンデンサ寿命予測装置200は、脈動限界基準電圧ΔV(limit)の電圧値すなわち脈動限界基準値を1度セットしさえすればユーザーが常時付き添う必要も無く使い勝手が便利である。しかも、診断対象の電子装置(電源装置210)が運転稼動中であっても、リアルタイムでコンデンサ110の寿命を告知できる便利性を有するものであり、電子機器の信頼性向上につながる。
以上のように、本実施例におけるコンデンサ寿命予測装置200は、コンデンサ110で平滑される直流出力電圧Voの脈動振幅値すなわち脈動成分ΔVoを検出する検出部としての検出回路220と、この検出回路220で検出した脈動振幅電圧ΔVxの電圧値(脈動振幅検出値)が、予め設定した基準値である脈動限界基準電圧ΔV(limit)の電圧値(脈動限界基準値)を超えたときに、警報信号を出力するコンデンサ寿命判定部としてのコンデンサ寿命情報提供装置300を備えている。
ここでは、コンデンサ110が経年劣化により内部インピーダンスZの増加と容量抜けが進行して、脈動に対する平滑作用が衰え直流出力電圧Voの脈動分が増加する特性に着目してなされたものである。すなわち、コンデンサ110の両端間に発生する直流出力電圧Voの脈動成分ΔVoを検出回路220で検出するだけで、コンデンサ寿命情報提供装置300はコンデンサ110が寿命に達したことを警報信号として出力することができる。しかも、上記コンデンサ110の両端間電圧の検出は、コンデンサ110への充電電流を遮断することなく、通常のコンデンサ110の使用中に行えるので、外部から一切手を加えることなく、単独の検出情報だけで、コンデンサ110の寿命をリアルタイムに且つ正確に診断することが可能になる。
また、本実施例のコンデンサ寿命予測装置200は、コンデンサの寿命を懸念するあらゆる電子機器に適用可能であるが、とりわけ直流出力電圧Voを常時負荷19に供給する必要のある電源装置210に組み込むのが好ましい。こうすると、電源装置210自身に上記特徴を有するコンデンサ寿命予測装置200が予め組み込まれることになる。
次に、本発明の別な実施例を図4に基づき説明する。ここでは、前記オペアンプを減算器311として使用した場合を示し、ここでは検出端子T3と減算器311の反転入力端子との間に抵抗器305を接続し、基準電圧生成回路302と減算器311の非反転入力端子との間に別な抵抗器307を接続する。また、減算器311の反転入力端子に接続する抵抗器305の他端と、減算器311の出力端子との間には、負帰還抵抗器306が接続される。減算器311の非反転入力端子には、さらに抵抗器308の一端が接続され、その他端は接地される。この抵抗器308は可変抵抗器としても良い。この結果、減算器311の出力端子には、コンデンサ110の脈動成分に比例する脈動振幅電圧ΔVxと、脈動限界基準電圧ΔV(limit)との差分値を示す差分電圧が発生する。制御回路309はこの差分値の情報を取り込んで、コンデンサの寿命残存時間を算出し、この算出結果を警報・残存時間出力装置314に出力する寿命残存時間算出部としての機能を備えている。
さて、コンデンサ寿命情報提供装置300で予め設定される脈動限界基準電圧ΔV(limit)は、使用する電解コンデンサの型式や、その使用条件などにより、その最適値を最初から決定することは一般に困難である。従って、実際に使用しながら実績に応じて、カット・アンド・トライにより最適値を発見して設定し直すことが望ましい。図4に示す回路では、抵抗器308等を可変抵抗器にすることにより、実際に使用しながらこの抵抗値を手動調整が可能で、容易に、最適な脈動限界基準電圧ΔV(limit)の設定が可能となり、非常に便利である。
さらに、ここでのコンデンサ寿命情報提供装置300は、減算器311の出力端子から脈動振幅電圧ΔVxと脈動限界基準電圧ΔV(limit)との差分値が得られるので、この差分値と、コンデンサ110の残存寿命時間との相関関係(時間)を制御回路309で求めて、その算出結果を警報・残存時間出力装置314から音や表示で告知することができる。これにより、現在使用中のコンデンサ110に関し、リアルタイムの寿命予測が可能になって非常に使い易いコンデンサ寿命予測装置200とすることができる。なお、本実施例のコンデンサ寿命情報提供装置300においても、先の実施例と同様に、前記演算器を用いて構成することもできることは言うまでもない。
以上述べたように、ここではコンデンサ寿命判定部としてのコンデンサ寿命情報提供装置300が、脈動振幅電圧ΔVxが示す脈動振幅検出値と脈動限界基準電圧ΔV(limit)が示す脈動限界基準値との差分値の大きさにより、コンデンサ110の寿命残存時間を算出して、この算出結果を出力する寿命残存時間算出部を備えている。
このような寿命残存時間算出部が設けられていれば、単にコンデンサ110が寿命に達したことを警報信号で出力するだけでなく、コンデンサ110の寿命残存時間がどの程度であるかを出力でき、コンデンサ110の寿命時期を前もって知ることが可能になる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば実施例では、アルミニウム電解コンデンサからなる平滑用コンデンサ110に適用した場合を説明したが、例えば電源装置210の一次側にある平滑コンデンサ12の診断も、外部接続用端子T1,T2を平滑コンデンサ12の両端に接続することにより可能である。また、電子機器としてのコストダウンを図るために、実施例におけるコンデンサ寿命情報提供装置300を単独ユニットとして構成し、各種の電子機器に対して共通に使用しても良いし、電源装置210にコンデンサ寿命予測装置200を全く組み込まず、当該コンデンサ寿命予測装置200を単独ユニットとして構成してもよい。その場合、診断対象となるコンデンサの両端子と容易に接続できるように、コンデンサの診断用外部端子(実施例中の外部接続用端子T1,T2)を、予め設計の段階から考慮しておけばよい。
本発明の一実施例を示すコンデンサ寿命予測装置の適用例を示す回路図である。 同上、コンデンサ寿命情報提供装置の好ましい実施例を示す回路図である。 同上、コンデンサの初期状態と劣化時における出力電圧を示す波形図である。 同上、コンデンサ寿命情報提供装置の別な実施例を示す回路図である。
110 コンデンサ
200 コンデンサ寿命予測装置
220 検出回路
300 コンデンサ寿命情報提供装置制御回路(コンデンサ寿命判定部,寿命残存時間算出部)

Claims (2)

  1. コンデンサで平滑される直流電圧の脈動振幅値を検出する検出部と、この検出部で検出した脈動振幅検出値が基準値を超えたときに、警報信号を出力するコンデンサ寿命判定部とを備え、前記コンデンサ寿命判定部は、前記脈動振幅検出値と前記基準値との差分値の情報を取り込んで、該差分値とコンデンサの残存寿命時間との相関関係を求めることによって、前記コンデンサの寿命残存時間を算出して、この算出結果を出力する寿命残存時間算出部を備えたことを特徴とするコンデンサ寿命予測装置。
  2. 請求項1に記載のコンデンサ寿命予測装置を組み込んだことを特徴とする電源装置。
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