JP3744321B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置に係り、より詳しくは、負荷の特性に応じて当該負荷に適切に電力を供給することができる電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、感光体に形成されたトナー像を記録用紙に転写する電子写真方式の画像形成装置として、発泡材等からなる導電性の転写ローラを感光体に接触させると共に、転写ローラの芯金にバイアス電源によって電力を供給し、感光体と転写ローラとの間を通過する記録用紙に電荷を付し、感光体に付着している荷電トナーを記録用紙に電気的に転写させるものがある。
【0003】
ところで、この種の画像形成装置における転写ローラは、特開平5−249850号公報にも記載されているように、温度、湿度等の環境条件や経時変化等によって、自身の有するインピーダンスが大きく変化するという特徴を有している。このため、転写ローラに印加する電圧を一定に保つ定電圧制御では、例えば低温低湿環境時に十分な転写電流が得られず転写不良を引き起こす、という問題があり、転写ローラに供給する電流を一定に保つ定電流制御では、記録用紙が小サイズである場合に、感光体と転写ローラが直に接触する部分に流れる電流が多くなり、記録用紙が通過する部分に十分な転写電流が流れず転写不良が発生する、という問題がある。
【0004】
このような問題を解決するための技術として、様々な環境下において最適な転写動作を実現するために、転写ローラに対して所定のタイミングで所定の電圧(電流)を印加し、その際の電流(電圧)値を検出して、該検出結果に基づいて転写ローラの負荷特性(抵抗値)を測定し、この負荷特性に応じた最適な定電圧(電流)値で制御を行う技術(特開平5−181373号公報等)や、通常の転写時には定電圧制御にて動作させ、負荷特性の測定時には定電流制御にて動作させ、かつその際の電圧を測定し、次回以降の転写時には、上記測定した電圧で定電圧制御を行う技術(特開平2−264278号公報等)がある。
【0005】
従って、これらの技術を適用した電源装置では、定電圧制御を行う場合には定電圧制御を行うための電圧検出回路と、負荷特性の測定を行うための電流検出回路とを双方とも備えている必要があり、定電流制御を行う場合には定電流制御を行うための電流検出回路と、負荷特性の測定を行うための電圧検出回路とを双方とも備えている必要がある。
【0006】
図9には、この要求を満足する電源装置における要部(電源部100)の構成例が示されている。なお、図示は省略するが、この電源装置を構成するためには、電源部100以外に、所定の直流電圧Vinを生成する直流電源と、電流モニタ信号Imonが示す電流モニタ値及び電圧モニタ信号Vmonが示す電圧モニタ値に基づいてPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)信号PWMを生成してスイッチ素子106に供給する主制御部と、が備えられている必要がある。
【0007】
同図に示すように、この電源部100は、1次巻線に印加された電圧を昇圧する昇圧トランス102と、昇圧トランス102の2次巻線に誘起された出力を整流しかつ平滑する整流平滑回路104と、昇圧トランス102の1次巻線への直流電圧Vinの印加/非印加をスイッチングするスイッチ素子106と、負荷にかかる電圧を検出して該電圧の大きさに対応する電圧モニタ値を示す電圧モニタ信号Vmonを生成する電圧検出回路108と、負荷に流れる電流を検出して該電流の値に対応する電流モニタ値を示す電流モニタ信号Imonを生成する電流検出回路110と、を備えている。
【0008】
昇圧トランス102の1次巻線の一方の端子には上述の図示しない直流電源の出力端が接続されており、該直流電源によって生成された直流電圧Vinが昇圧トランス102の1次巻線の一方の端子に印加される。
【0009】
また、昇圧トランス102の1次巻線の他方の端子にはスイッチ素子106の出力端が接続されており、昇圧トランス102の2次巻線の端子には整流平滑回路104の入力端が接続されている。更に、整流平滑回路104の出力端には、電圧検出回路108及び電流検出回路110の各々の入力端が接続されている。
【0010】
更に、電圧検出回路108及び電流検出回路110の各々の出力端は上述の図示しない主制御部の入力端に接続されており、該主制御部のPWM信号PWMを出力する出力端はスイッチ素子106の入力端に接続されている。
【0011】
以上のように構成された電源装置では、電流検出回路110に設けられている電流検出用の抵抗110Aに流れる電流として、負荷を実際に流れる電流Iaの他に電圧検出回路108を流れる電流IRも流れてしまうので、電流モニタ信号Imonが示す電流モニタ値が実際に負荷に流れる電流値に対応する値よりも大きくなってしまい、電流モニタ値の検出精度が悪い、という問題点があった。なお、この構成は、定電圧制御方式の高圧電源において、過電流検知を目的とした回路構成として、従来より頻繁に用いられている構成である。
【0012】
これに対し、特開平5−219746号公報に記載の技術は、定電流制御特性を向上することを目的として、出力電圧検出用の大部分の電流が電流検出回路に流入しないように、出力電圧検出用の電流を電流検出回路を迂回させる迂回路を設けるように構成したものである。
【0013】
しかしながら、特開平5−219746号公報に記載の技術では、電圧検出回路の低圧側に電流検出回路によって検出された電流検出値がかかるため、電圧検出回路による電圧検出値は、実際の出力電圧値に対応した値よりも大きな値となってしまい、電圧モニタ値の検出精度が悪い、という問題点があった。なお、この構成は、定電流制御方式の高圧電源において、過電圧検知を目的とした回路構成として、従来より頻繁に用いられている構成である。
【0014】
以上の、図9に示した構成と特開平5−219746号公報に記載の構成は出力電圧及び出力電流の双方が検出できるように構成されたものであるが、これらの構成は、出力電圧及び出力電流の何れか一方のみについて高精度な値が要求される場合に使用されている。しかしながら、前述の転写ローラのように負荷特性が環境等に応じて大きく変化する負荷を電力供給対象とする用途では、出力電圧と出力電流の双方について高精度に検出できることが要求されるため、上記各構成が、この用途に使用されることは殆どない。
【0015】
このような、電流モニタ値又は電圧モニタ値の検出精度に関する問題点を解決するために、特開平7−168403号公報に記載の技術では、昇圧トランスに補助巻線を設けておき、該補助巻線の出力をダイオードとコンデンサによって構成された整流平滑回路によってDC(直流)電圧化して電圧モニタ信号として使用している。この構成であれば、電圧検出回路と電流検出回路とが電気的に絶縁されているため、一方の検出回路が他方の検出回路に影響を与えることはない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−168403号公報に記載の技術では、次のような問題点があった。
【0017】
補助巻線を必要とするので、昇圧トランスの構造が複雑化すると共に、補助巻線と整流平滑回路とを組み合わせて電圧検出回路を構成しているので、電圧検出回路が複雑化する。
【0018】
絶縁系の昇圧トランスを使用しているので、その結合度等の影響によって出力電圧と補助巻線から得られる検出電圧が使用範囲全域で必ずしも比例しないため、使用可能な出力範囲が非常に狭い。
【0019】
本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、簡易に構成することができると共に、使用可能な出力範囲が広い電源装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の電源装置は、負荷にかかる電圧を検出するための電圧検出回路と、前記負荷に流れる電流を検出するための電流検出回路と、前記電圧検出回路で検出された電圧検出値に基づいて前記電流検出回路で検出された電流検出値に含まれる回路構成上の誤差を補正する電流値誤差補正手段と、前記電流値誤差補正手段によって補正された電流検出値を用いて前記負荷の特性を示す特性値を導出する負荷特性導出手段と、前記負荷特性導出手段によって導出された前記特性値に応じて前記負荷に供給する電流を制御する制御手段と、を備えている。
【0021】
請求項1に記載の電源装置によれば、電圧検出回路によって負荷にかかる電圧が検出され、電流検出回路によって負荷に流れる電流が検出される。
【0022】
また、請求項1に記載の電源装置では、上記電圧検出回路で検出された電圧検出値に基づいて上記電流検出回路で検出された電流検出値に含まれる回路構成上の誤差が電流値誤差補正手段によって補正され、負荷特性導出手段により、上記電流値誤差補正手段によって補正された電流検出値が用いられて上記負荷の特性を示す特性値が導出され、該導出された特性値に応じて上記負荷に供給する電流が制御手段によって制御される。ここで、上記特性値には、負荷のインピーダンス、負荷の容量等が含まれる。
【0023】
このように、請求項1に記載の電源装置によれば、電圧検出回路で検出された電圧検出値に基づいて電流検出回路で検出された電流検出値に含まれる回路構成上の誤差を補正し、補正した電流検出値を用いて負荷の特性を示す特性値を導出し、導出した特性値に応じて負荷に供給する電流を制御しているので、電流検出回路による検出値に回路構成上の誤差が発生することを許容することができるため、電流検出回路として簡易な回路構成のものを適用することができ、この結果として全体構成を簡易なものとすることができると共に、絶縁系の昇圧トランスを使用する必要がないので、使用可能な出力範囲を広くすることができる。
【0024】
なお、請求項2記載の発明のように、請求項1記載の発明において、前記電流値誤差補正手段は、前記電圧検出回路で検出された電圧検出値と前記電圧検出回路を構成する回路素子の定格値に基づいて予め導出した誤差補正係数に基づいて前記誤差を補正するものとすることができる。
【0025】
また、請求項3記載の発明のように、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記負荷が電子写真方式の画像形成装置における導電性の転写ローラである場合に、前記誤差補正手段による前記誤差の補正と、前記負荷特性導出手段による前記特性値の導出を、前記画像形成装置の電源投入時、予め定められたジョブ回数毎、予め定められた画像形成枚数毎、予め定められた時間毎、の少なくとも1つのタイミングで実行することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本第1実施形態に係る電源装置10は、負荷40に供給するための高圧電力を生成する高圧電源部12、所定の直流電圧Vinを生成する直流電源26、及び電源装置10全体の動作を司る主制御部28を備えている。
【0028】
高圧電源部12は、昇圧トランス16、整流平滑回路18、スイッチ素子20、電圧検出回路22、及び電流検出回路24を備えている。昇圧トランス16の1次巻線の一方の端子は直流電源26の出力端に接続されており、直流電源26によって生成した直流電圧Vinを上記1次巻線の一方の端子に印加することができる。また、昇圧トランス16の1次巻線の他方の端子にはスイッチ素子20の出力端が接続されており、昇圧トランス16の2次巻線の各端子は整流平滑回路18の入力端に接続されている。更に、整流平滑回路18の出力端には電圧検出回路22及び電流検出回路24の入力端が接続されている。
【0029】
一方、主制御部28は、CPU(Central Processing Unit)30、パルス発振器34、及びアナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器という)36を備えており、更にCPU30は演算器32を備えている。
【0030】
演算器32の出力端はパルス発振器34の入力端に、演算器32の入力端はA/D変換器36の出力端に、パルス発振器34の出力端はスイッチ素子20の入力端に、各々接続されている。従って、スイッチ素子20にはパルス発振器34によって生成したPWM信号PWMを入力することができる。
【0031】
更に、A/D変換器36の入力端には電圧検出回路22及び電流検出回路24の各々の出力端が接続されている。従って、CPU30には電圧検出回路22によって生成した電圧モニタ信号Vmonが示す電圧モニタ値、及び電流検出回路24によって生成した電流モニタ信号Imonが示す電流モニタ値をデジタル値として入力することができる。なお、本実施の形態におけるパルス発振器34はASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されている。
【0032】
なお、整流平滑回路18の出力端は外部の負荷40にも対応するものであり、負荷40に接続される。
【0033】
電圧検出回路22が本発明の電圧検出回路に、電流検出回路24が本発明の電流検出回路に、各々相当する。
【0034】
図2は、図1に示した本第1実施形態における電源装置10の具体的な回路構成の一例を示したものである。
【0035】
同図に示すように、本第1実施形態における整流平滑回路18はダイオード56及びコンデンサ58を備えており、ダイオード56のカソードは昇圧トランス16の2次巻線の一方の端子に接続されており、ダイオード56のアノードはコンデンサ58の一方の端子に接続されており、更にコンデンサ58の他方の端子は昇圧トランス16の2次巻線の他方の端子に接続されている。
【0036】
このように構成された整流平滑回路18では、昇圧トランス16の2次巻線に誘起された交番電流をコンデンサとダイオードとの組み合わせによって整流しかつ平滑する。
【0037】
また、本第1実施形態におけるスイッチ素子20はトランジスタ50を含んで構成されており、トランジスタ50のコレクタは昇圧トランス16の1次巻線の他方の端子に、エミッタは接地されると共に抵抗52を介して自身のベースに、ベースは抵抗54を介してパルス発振器34の出力端に、各々接続されている。
【0038】
このように構成されたスイッチ素子20では、パルス発振器34から入力されたPWM信号PWMがハイレベルであるときにトランジスタ50がオンされ、PWM信号PWMがローレベルであるときにトランジスタ50がオフされる。従って、トランジスタ50はPWM信号PWMのデューティに応じた期間でオン/オフの状態を交互に繰り返すので、PWM信号PWMのデューティに応じて昇圧トランス16の1次巻線への直流電源26からの直流電圧Vinの印加/非印加を交互に行うことができる。
【0039】
一方、電圧検出回路22にはオペアンプ60が備えられており、オペアンプ60の反転入力端は抵抗62を介して整流平滑回路18の出力端(コンデンサ58の一方の端子)に接続されると共に、抵抗64を介して自身の出力端に接続されている。また、オペアンプ60の出力端は抵抗66を介すると共に、主制御部28内において抵抗及びコンデンサからなる積分回路を介してA/D変換器36の入力端にも接続されている。なお、オペアンプ60の非反転入力端は接地されている。
【0040】
このように構成された電圧検出回路22では、負荷40にかかる電圧の値に対応する電圧モニタ値を示す電圧モニタ信号Vmonを、A/D変換器36の許容入力レベル範囲内の信号としてA/D変換器36に常時出力することができる。
【0041】
また、電流検出回路24にはオペアンプ70が備えられており、オペアンプ70の反転入力端は自身の出力端に接続されており、オペアンプ70の非反転入力端は抵抗74を介して整流平滑回路18のコンデンサ58の他方の端子に接続されている。また、抵抗74のオペアンプ70に接続されていない側の端子は抵抗72を介してコンデンサ58の一方の端子に接続されると共に、抵抗76を介して接地されている。更に、オペアンプ70の出力端は抵抗78を介すると共に、主制御部28内において抵抗及びコンデンサからなる積分回路を介してA/D変換器36の入力端にも接続されている。
【0042】
このように構成された電流検出回路24では、負荷40に流れる電流の値に対応する電流モニタ値を示す電流モニタ信号Imonを、A/D変換器36の許容入力レベル範囲内の信号としてA/D変換器36に常時出力することができる。
【0043】
次に、本第1実施形態の作用として、主制御部28のCPU30で実施される制御について説明する。まず、図3を参照して、電源装置10の通常動作時における制御について説明する。なお、ここでは、負荷40が前述の転写ローラであり、該転写ローラによって画像の転写を行う際の制御について説明する。また、ここでは、定電圧制御を行う場合について説明する。更に、ここでは、直流電源26によって昇圧トランス16の1次巻線の一方の端子に、所定電圧値(例えば+24V)の直流電圧Vinが印加されていることを前提に説明する。
【0044】
図3のステップ200では、上記転写ローラを備えた電子写真方式の画像形成装置(図示省略)全体の動作を司るMCU(Machine Control Unit)から出力電圧の目標値を受信し、次のステップ202では、上記ステップ200で受信した出力電圧目標値に対応する目標モニタ値Mを予め定められた演算式及びテーブルの少なくとも一方によって導出する。
【0045】
なお、上記演算式としては、次の(1)式を例示することができる。
【0046】
目標モニタ値M=出力電圧目標値×4 (1)
すなわち、(1)式によれば、例えば、MCUから受信した出力電圧目標値が8ビット構成である場合は、目標モニタ値Mを10ビット構成としており、これによって制御精度を向上することができる。ここで、MCUから十分な制御精度が得られる出力電圧目標値が直接受信される場合には、次の(2)式を適用することもできる。
【0047】
目標モニタ値M=出力電圧目標値 (2)
すなわち、(2)式で示される例は、受信した出力電圧目標値を、そのまま目標モニタ値Mとして適用するものである。
【0048】
また、上記テーブルとしては、次の表1に示すものを例示することができる。
【0049】
【表1】
【0050】
次のステップ204では、パルス発振器34に対して上記ステップ202によって導出した目標モニタ値Mに応じたデューティのPWM信号PWMを生成させるように制御することによって、上記デューティのPWM信号PWMのスイッチ素子20への出力を開始する。
【0051】
次のステップ206では、所定のサンプリング時間(本実施の形態では、10m秒)の経過待ちを行い、次のステップ208では、A/D変換器36を介して電圧検出回路22から入力されている電圧モニタ信号Vmonが示す電圧モニタ値Voを取込み、CPU30に内蔵された図示しない記憶部に格納する。
【0052】
次のステップ210では、上記ステップ208で取込んだ電圧モニタ値Voが異常負荷状態を示すものであるか否かを判定し、異常負荷状態を示すものである場合(肯定判定の場合)にはステップ212に移行し、当該異常負荷状態に対応する処理(例えば、PWM信号PWMの出力を停止させる処理)を施した後に本制御を終了する。一方、上記ステップ210において異常負荷状態ではないと判定された場合(否定判定された場合)にはステップ214へ移行する。
【0053】
なお、本実施形態における上記異常負荷状態とは、転写ローラに傷がついていたり、導電性物質が付着していること等に起因してアーク放電が発生している状態であり、この状態下では出力電流は増大するのに対して出力電圧は垂下する。従って、上記ステップ210による異常負荷状態か否かの判定は、電圧モニタ値Voが示す電圧が所定電圧以下となったか否かを判定することによって行うことができる。ここで、上記所定電圧としては、電圧モニタ値Voが示す電圧が当該所定電圧以下である場合に異常負荷状態であると見なすことができる電圧値として予め実験やコンピュータ・シミュレーション等によって得たものを適用することができる。
【0054】
ステップ214では、電圧モニタ値Voが上記目標モニタ値Mより大きいか否かを判定し、大きい場合(肯定判定の場合)はステップ216へ移行してPWM信号PWMのデューティを所定量だけ減少させるようにパルス発振器34を制御した後にステップ222へ移行する。
【0055】
一方、上記ステップ214で電圧モニタ値Voが目標モニタ値Mより大きくないと判定された場合(否定判定された場合)はステップ218へ移行して電圧モニタ値Voが目標モニタ値Mより小さいか否かを判定し、小さいと判定された場合(肯定判定の場合)はステップ220へ移行してPWM信号PWMのデューティを所定量だけ増加させるようにパルス発振器34を制御した後にステップ222へ移行する。なお、上記ステップ218で電圧モニタ値Voが目標モニタ値Mより小さくないと判定された場合(否定判定された場合)は電圧モニタ値Voが目標モニタ値Mと等しい場合であり、この場合はPWM信号PWMのデューティを変化させることなくステップ222へ移行する。
【0056】
すなわち、上記ステップ214〜ステップ220の処理によって、電圧モニタ値Voが目標モニタ値Mより大きな場合はPWM信号PWMのデューティを所定量だけ減少させることによって電圧モニタ値Voを上記所定量に対応する値だけ減少させ、逆に電圧モニタ値Voが目標モニタ値Mより小さな場合にはPWM信号PWMのデューティを所定量だけ増加させることによって電圧モニタ値Voを上記所定量に対応する値だけ増加させている。
【0057】
ステップ222では、高圧電源部12を停止させる状態になっているか否かを判定し、停止させる状態になっていない場合(否定判定の場合)は上記ステップ206へ戻って、ステップ206〜ステップ220の処理を繰り返して実行し、高圧電源部12を停止させる状態となった時点で肯定判定となって本制御を終了する。
【0058】
上記ステップ206〜ステップ222の繰り返し処理によって電源装置10の出力電圧が出力電圧目標値に一致されるように制御される。
【0059】
一方、本実施の形態に係る電源装置10では、以上のような通常動作時の制御の他、負荷の特性を示す特性値(本実施の形態では、負荷40のインピーダンスZ)を測定し、該特性値に基づいて以降の通常動作時の制御の際の出力電圧目標値を導出する制御(以下、「負荷測定制御」という)を必要に応じて行う。
【0060】
次に、図4を参照して、電源装置10のCPU30で実施される負荷測定制御について説明する。なお、本実施の形態では、本制御を、画像形成装置の電源投入時毎に実行する。また、ここでは、図3に示した通常動作時における制御と同様の制御が本制御と並行して行われていることを前提に説明する。
【0061】
図4のステップ300では、初期設定としてカウント値iに‘0’(零)を設定し、次のステップ302では、パルス発振器34に対して、予め定められた出力電圧(本実施の形態では−1000V)に対応するデューティのPWM信号PWMを生成させるように制御することによって、上記デューティのPWM信号PWMのスイッチ素子20への出力を開始する。
【0062】
次のステップ304では、所定のサンプリング時間(本実施の形態では、65m秒)の経過待ちを行い、次のステップ306では、A/D変換器36を介して電流検出回路24から入力されている電流モニタ信号Imonが示す電流モニタ値IoとA/D変換器36を介して電圧検出回路22から入力されている電圧モニタ信号Vmonが示す電圧モニタ値Voとを取込み、CPU30に内蔵された図示しない記憶部に格納する。
【0063】
次のステップ308では、上記ステップ306で取込んだ電流モニタ値Io及び電圧モニタ値Voと、予め導出しておいた誤差補正係数Kとにより、次の(3)式によって負荷40に実際に流れている電流の値に対応する電流モニタ値Io’を算出する。
【0064】
Io’=Io−K×Vo (3)
ここで、上記誤差補正係数Kの導出手順について説明する。出力電圧Voutで定電圧制御されている場合、負荷40を流れる電流の値Ia(図2も参照)は次の(4)式で表される。
【0065】
Ia=Vout/Z (4)
また、抵抗62の抵抗値R62が抵抗64の抵抗値R64より十分に大きな場合、すなわちR62>>R64である場合において電圧検出回路22を流れる電流の値Ibは次の(5)式で表される。
【0066】
Ib=Vout/R62 (5)
従って、電流検出回路24を流れる電流の値Itは次の(6)式で表される。
【0067】
It=Ia+Ib=Vout/Z+Vout/R62 (6)
この結果、電流モニタ値Ioは次の(7)式で表される。
【0068】
Io=R76×It
=(R76×Vout/Z)+(R76×Vout/R62) (7)
ここで、R76は抵抗76の抵抗値を示している。この電流モニタ値Ioが、A/D変換器36によって予め定められた分解能でデジタル値に変換される。
【0069】
ここで必要な値は、(7)式における(R76×Vout/Z)の部分のデジタル値に変換後の値であり、該値はデジタル値に変換後の電流モニタ値Ioから(7)式における(R76×Vout/R62)のデジタル値に変換後の値を減じれば得ることができる。ここで、抵抗76及び抵抗62の各々の抵抗値R76及びR62は回路定数なので既知の値であり、また、出力電圧Voutは電圧モニタ値Voに基づいて算出することができる。
【0070】
次に、以上のような導出手順を、具体的な数値例を用いて説明する。なお、ここでは、該導出に必要な各種パラメータが次の値である場合について説明する。・抵抗62の抵抗値R62:200MΩ
・電圧検出回路22の変換比率:4V=−4kV
(抵抗64の抵抗値R64:200kΩ)
・電流検出回路24の変換比率:4.5V=250μA
(抵抗76の抵抗値R76:18kΩ)
・A/D変換器36の分解能:10ビット
この場合の負荷40を流れる電流の値Ia、電圧検出回路22を流れる電流の値Ib、及び電流検出回路24を流れる電流の値Itは、上記(4)式〜(6)式によって次のようになる。
【0071】
この結果、電流モニタ値Ioは上記(7)式によって次のようになる。
【0072】
この電流モニタ値Ioに対するA/D変換器36による変換によって得られるデジタル値Io(D)は次の(8)式で表される。
【0073】
ここで、(8)式における負荷40を流れる電流の値Iaに対応する部分、すなわち、電流の値Iaのデジタル変換後の値Ia(D)は(1024/5)×[(18kΩ×Vout/Z)]であるので、該値Ia(D)は次の(9)式で表される。
【0074】
また、ここで、出力電圧Voutは次の(10)式で得ることができる。
【0075】
Vout=5000/1024×Vo(D)
従って、(9)式は次の(10)式のように変形される。
【0076】
このときの値Ia(D)が上記(3)式の電流モニタ値Io’に相当するものであり、従ってこの場合は、上記(3)式における誤差補正係数Kは0.09となり、本実施の形態では、この誤差補正係数Kが予め導出されている。
【0077】
(3)式による電流モニタ値Io’の算出が終了すると、次のステップ310では、負荷40のインピーダンスZを次の(11)式によって算出し、次のステップ312において、CPU30に内蔵されている図示しない記憶部にインピーダンスZをZ(i)として格納する。
【0078】
Z=Vo/Io’ (11)
次のステップ314では、カウント値iを1だけインクリメントし、次のステップ316ではカウント値iが所定数(本実施の形態では30)より大きいか否かを判定し、大きくない場合(否定判定の場合)は上記ステップ304へ戻って上記ステップ304〜ステップ314の処理を繰り返して実行し、大きくなった時点(肯定判定となった時点)でステップ318へ移行する。
【0079】
以上のステップ304〜ステップ316の繰り返し処理によって、上記所定数(本実施の形態では30)だけ、上記所定のサンプリング時間(本実施の形態では、65m秒)毎に負荷40の実際のインピーダンスZの値がCPU30に内蔵された図示しない記憶部に格納されることになる。
【0080】
次のステップ318では、パルス発振器34に対してPWM信号PWMの生成を停止させるように制御することによって、PWM信号PWMのスイッチ素子20への出力を停止する。
【0081】
次のステップ320では、以上の処理によって上記図示しない記憶部に格納された所定数のインピーダンスZの平均値Z(AVE)を算出し、次のステップ322では、上記ステップ320で算出した平均値Z(AVE)に応じて、予め定められた表2に示すテーブルによって次回以降の図3に示した通常動作時の制御において適用する出力電圧目標値を決定する。なお、表2では、出力電圧目標値を電圧値で示している。
【0082】
【表2】
【0083】
次のステップ324では、上記ステップ322で決定した出力電圧目標値を図示しない記憶部の所定領域に格納し、その後に本制御を終了する。
【0084】
これ以降、図3に示した通常動作時の制御を行う際には、同制御のステップ200において出力電圧目標値を取得する際に、以上のような負荷測定制御によって図示しない記憶部に格納された出力電圧目標値を読み出して適用することになる。
【0085】
図4におけるステップ308の処理が本発明の誤差補正手段に、ステップ310の処理が本発明の負荷特性導出手段に、図3におけるステップ214〜ステップ220の処理が本発明の制御手段に、各々相当する。
【0086】
以上詳細に説明したように、本第1実施形態に係る電源装置では、電流検出回路の検出値について、当該検出値に含まれる回路構成上の誤差を補正し、補正した検出値を用いて負荷の特性を示す特性値(本実施の形態ではインピーダンスZ)を導出し、導出した特性値に応じて負荷に供給する電圧を制御しているので、電流検出回路による検出値に回路構成上の誤差が発生することを許容することができるため、電流検出回路として簡易な回路構成のものを適用することができ、この結果として全体構成を簡易なものとすることができると共に、絶縁系の昇圧トランスを使用する必要がないので、使用可能な出力範囲を広くすることができる。
【0087】
また、本第1実施形態に係る電源装置では、画像形成装置の電源投入時に負荷測定制御を実施しているので、画像形成装置を使用する日の天候、温度、湿度等の環境変化や、画像形成装置の設置条件の変化に対応することができる。
【0088】
なお、本第1実施形態では、出力の制御を定電圧制御によって行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、定電流制御によって行う形態とすることもできる。この場合も、本第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0089】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、定電圧制御を行う場合の電源装置の実施の形態について説明したが、本第2実施形態では定電流制御を行う場合の電源装置の実施の形態について説明する。まず、図5を参照して、本第2実施形態に係る電源装置10’の構成について説明する。なお、図5における図1と同様の構成部分については、図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0090】
図5に示すように、本第2実施形態に係る電源装置10’は、第1実施形態に係る電源装置10の整流平滑回路18に代えて整流平滑回路18’を適用している点と、電圧検出回路22及び電流検出回路24に代えて電圧検出回路22’及び電流検出回路24’を適用している点のみが第1実施形態に係る電源装置10と異なっている。
【0091】
図6には、図5に示した本第2実施形態における電源装置10’の具体的な回路構成の一例が示されている。なお、図6における図2と同様の構成部分については、図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
図6に示すように、本第2実施形態に係る電源装置10’の整流平滑回路18’は、第1実施形態に係る電源装置10の整流平滑回路18のダイオード56に代えて、接続方向が逆とされたダイオード56’が用いられている点のみが整流平滑回路10と異なっている。
【0093】
一方、本第2実施形態に係る電流検出回路24’にはオペアンプ90が備えられており、オペアンプ90の反転入力端は自身の出力端に接続されており、非反転入力端は抵抗94を介して整流平滑回路18’のコンデンサ58の他方の端子に接続されている。また、抵抗94のオペアンプ90に接続されていない側の端子は抵抗92を介してコンデンサ58の一方の端子に接続されると共に、抵抗96を介してハイレベルにプルアップされている。更に、オペアンプ90の出力端は抵抗98を介すると共に、主制御部28内において抵抗及びコンデンサからなる積分回路を介してA/D変換器36の入力端にも接続されている。
【0094】
このように構成された電流検出回路24’では、負荷40に流れる電流の値に対応する電流モニタ値を示す電流モニタ信号Imonを、A/D変換器36の許容入力レベル範囲内の信号としてA/D変換器36に常時出力することができる。
【0095】
また、本第2実施形態に係る電圧検出回路22’にはオペアンプ80が備えられており、オペアンプ80の非反転入力端は抵抗82を介してコンデンサ58の一方の端子に接続されると共に、抵抗84を介して電流検出回路24’における抵抗94のオペアンプ90に接続されていない側の端子に接続されている。また、オペアンプ80の反転入力端は自身の出力端に接続されている。更に、オペアンプ80の出力端は抵抗86を介すると共に、主制御部28内において抵抗及びコンデンサからなる積分回路を介してA/D変換器36の入力端にも接続されている。
【0096】
このように構成された電圧検出回路22’では、負荷40にかかる電圧の値に対応する電圧モニタ値を示す電圧モニタ信号Vmonを、A/D変換器36の許容入力レベル範囲内の信号としてA/D変換器36に常時出力することができる。
【0097】
次に、本第2実施形態の作用として、電源装置10’における主制御部28のCPU30で実施される制御について説明する。まず、図7を参照して、電源装置10’の通常動作時における制御について説明する。なお、ここでは、上記第1実施形態と同様に、負荷40が前述の転写ローラであり、該転写ローラによって画像の転写を行う際の制御について説明する。また、ここでは、定電流制御を行う場合について説明する。更に、ここでは、直流電源26によって昇圧トランス16の1次巻線の一方の端子に、所定電圧値(例えば+24V)の直流電圧Vinが印加されていることを前提に説明する。
【0098】
図7のステップ400では、上記転写ローラを備えた電子写真方式の画像形成装置(図示省略)全体の動作を司るMCUから出力電流の目標値を受信し、次のステップ402では、上記ステップ400で受信した出力電流目標値に対応する目標モニタ値M’を予め定められた演算式及びテーブルの少なくとも一方によって導出する。
【0099】
なお、上記演算式としては、次の(12)式を例示することができる。
【0100】
目標モニタ値M’=出力電流目標値×4 (12)
すなわち、(12)式によれば、例えば、MCUから受信した出力電流目標値が8ビット構成である場合は、目標モニタ値M’を10ビット構成としており、これによって制御精度を向上することができる。ここで、MCUから十分な制御精度が得られる出力電流目標値が直接受信される場合には、次の(13)式を適用することもできる。
【0101】
目標モニタ値M’=出力電流目標値 (13)
すなわち、(13)式で示される例は、受信した出力電流目標値を、そのまま目標モニタ値M’として適用するものである。
【0102】
また、上記テーブルとしては、次の表3に示すものを例示することができる。
【0103】
【表3】
【0104】
次のステップ404では、パルス発振器34に対して上記ステップ402によって導出した目標モニタ値M’に応じたデューティのPWM信号PWMを生成させるように制御することによって、上記デューティのPWM信号PWMのスイッチ素子20への出力を開始する。
【0105】
次のステップ406では、所定のサンプリング時間(本実施の形態では、10m秒)の経過待ちを行い、次のステップ408では、A/D変換器36を介して電流検出回路24’から入力されている電流モニタ信号Imonが示す電流モニタ値Ioを取込み、CPU30に内蔵された図示しない記憶部に格納する。
【0106】
次のステップ410では、上記ステップ408で取込んだ電流モニタ値Ioが異常負荷状態を示すものであるか否かを判定し、異常負荷状態を示すものである場合(肯定判定の場合)にはステップ412に移行し、当該異常負荷状態に対応する処理(例えば、PWM信号PWMの出力を停止させる処理)を施した後に本制御を終了する。一方、上記ステップ410において異常負荷状態ではないと判定された場合(否定判定された場合)にはステップ414へ移行する。
【0107】
なお、本第2実施形態における上記異常負荷状態とは、上記第1実施形態と同様に、転写ローラに傷がついていたり、導電性物質が付着していること等に起因してアーク放電が発生している状態であり、この状態下では出力電流は増大するのに対して出力電圧は垂下する。従って、上記ステップ410による異常負荷状態か否かの判定は、電流モニタ値Ioが示す電流値が所定電流値以上となったか否かを判定することによって行うことができる。ここで、上記所定電流値としては、電流モニタ値Ioが示す電流値が当該所定電流値以上である場合に異常負荷状態であると見なすことができる電流値として予め実験やコンピュータ・シミュレーション等によって得たものを適用することができる。
【0108】
ステップ414では、電流モニタ値Ioが上記目標モニタ値M’より大きいか否かを判定し、大きい場合(肯定判定の場合)はステップ416へ移行してPWM信号PWMのデューティを所定量だけ増加させるようにパルス発振器34を制御した後にステップ422へ移行する。
【0109】
一方、上記ステップ414で電流モニタ値Ioが目標モニタ値M’より大きくないと判定された場合(否定判定された場合)はステップ418へ移行して電流モニタ値Ioが目標モニタ値M’より小さいか否かを判定し、小さいと判定された場合(肯定判定の場合)はステップ420へ移行してPWM信号PWMのデューティを所定量だけ減少させるようにパルス発振器34を制御した後にステップ422へ移行する。なお、上記ステップ418で電流モニタ値Ioが目標モニタ値M’より小さくないと判定された場合(否定判定された場合)は電流モニタ値Ioが目標モニタ値M’と等しい場合であり、この場合はPWM信号PWMのデューティを変化させることなくステップ422へ移行する。
【0110】
すなわち、上記ステップ414〜ステップ420の処理によって、電流モニタ値Ioが目標モニタ値M’より大きな場合はPWM信号PWMのデューティを所定量だけ増加させることによって電流モニタ値Ioを上記所定量に対応する値だけ減少させ、逆に電流モニタ値Ioが目標モニタ値M’より小さな場合にはPWM信号PWMのデューティを所定量だけ減少させることによって電流モニタ値Ioを上記所定量に対応する値だけ増加させている。
【0111】
ステップ422では、高圧電源部12’を停止させる状態になっているか否かを判定し、停止させる状態になっていない場合(否定判定の場合)は上記ステップ406へ戻って、ステップ406〜ステップ420の処理を繰り返して実行し、高圧電源部12’を停止させる状態となった時点で肯定判定となって本制御を終了する。
【0112】
上記ステップ406〜ステップ422の繰り返し処理によって電源装置10’の出力電流が出力電流目標値に一致されるように制御される。
【0113】
一方、本実施の形態に係る電源装置10’では、以上のような通常動作時の制御の他、負荷の特性を示す特性値(本実施の形態では、負荷40のインピーダンスZ)を測定し、該特性値に基づいて以降の通常動作時の制御の際の出力電流目標値を導出する負荷測定制御を必要に応じて行う。
【0114】
次に、図8を参照して、電源装置10’のCPU30で実施される負荷測定制御について説明する。なお、本実施の形態では、本制御を、画像形成装置の電源投入時毎に実行する。また、ここでは、図7に示した通常動作時における制御と同様の制御が本制御と並行して行われていることを前提に説明する。
【0115】
図8のステップ500では、初期設定としてカウント値iに‘0’(零)を設定し、次のステップ502では、パルス発振器34に対して、予め定められた出力電圧(本実施の形態では1000V)に対応するデューティのPWM信号PWMを生成させるように制御することによって、上記デューティのPWM信号PWMのスイッチ素子20への出力を開始する。
【0116】
次のステップ504では、所定のサンプリング時間(本実施の形態では、65m秒)の経過待ちを行い、次のステップ506では、A/D変換器36を介して電流検出回路24’から入力されている電流モニタ信号Imonが示す電流モニタ値IoとA/D変換器36を介して電圧検出回路22’から入力されている電圧モニタ信号Vmonが示す電圧モニタ値Voとを取込み、CPU30に内蔵された図示しない記憶部に格納する。
【0117】
次のステップ508では、上記ステップ506で取込んだ電流モニタ値Io及び電圧モニタ値Voとにより、次の(14)式によって負荷40に実際にかかっている電圧の値に対応する電圧モニタ値Vo’を算出する。
【0118】
Vo’=Vo−Io (14)
(14)式による電圧モニタ値Vo’の算出が終了すると、次のステップ510では、負荷40のインピーダンスZを次の(15)式によって算出し、次のステップ512において、CPU30に内蔵されている図示しない記憶部にインピーダンスZをZ(i)として格納する。
【0119】
Z=Vo’/Io (15)
次のステップ514では、カウント値iを1だけインクリメントし、次のステップ516ではカウント値iが所定数(本実施の形態では30)より大きいか否かを判定し、大きくない場合(否定判定の場合)は上記ステップ504へ戻って上記ステップ504〜ステップ514の処理を繰り返して実行し、大きくなった時点(肯定判定となった時点)でステップ518へ移行する。
【0120】
以上のステップ504〜ステップ516の繰り返し処理によって、上記所定数(本実施の形態では30)だけ、上記所定のサンプリング時間(本実施の形態では、65m秒)毎に負荷40の実際のインピーダンスZの値がCPU30に内蔵された図示しない記憶部に格納されることになる。
【0121】
次のステップ518では、パルス発振器34に対してPWM信号PWMの生成を停止させるように制御することによって、PWM信号PWMのスイッチ素子20への出力を停止する。
【0122】
次のステップ520では、以上の処理によって上記図示しない記憶部に格納された所定数のインピーダンスZの平均値Z(AVE)を算出し、次のステップ522では、上記ステップ520で算出した平均値Z(AVE)に応じて、予め定められた表4に示すテーブルによって次回以降の図7に示した通常動作時の制御において適用する出力電流目標値を決定する。なお、表4では、出力電流目標値を電流値で示している。
【0123】
【表4】
【0124】
次のステップ524では、上記ステップ522で決定した出力電流目標値を図示しない記憶部の所定領域に格納し、その後に本制御を終了する。
【0125】
これ以降、図7に示した通常動作時の制御を行う際には、同制御のステップ400において出力電流目標値を取得する際に、以上のような負荷測定制御によって図示しない記憶部に格納された出力電流目標値を読み出して適用することになる。
【0126】
図8におけるステップ508の処理が本発明の誤差補正手段に、ステップ510の処理が本発明の負荷特性導出手段に、図7におけるステップ414〜ステップ420の処理が本発明の制御手段に、各々相当する。
【0127】
以上詳細に説明したように、本第2実施形態に係る電源装置では、電圧検出回路の検出値について、当該検出値に含まれる回路構成上の誤差を補正し、補正した検出値を用いて負荷の特性を示す特性値(本実施の形態ではインピーダンスZ)を導出し、導出した特性値に応じて負荷に供給する電流を制御しているので、電圧検出回路による検出値に回路構成上の誤差が発生することを許容することができるため、電圧検出回路として簡易な回路構成のものを適用することができ、この結果として全体構成を簡易なものとすることができると共に、絶縁系の昇圧トランスを使用する必要がないので、使用可能な出力範囲を広くすることができる。
【0128】
また、本第2実施形態に係る電源装置では、画像形成装置の電源投入時に負荷測定制御を実施しているので、画像形成装置を使用する日の天候、温度、湿度等の環境変化や、画像形成装置の設置条件の変化に対応することができる。
【0129】
なお、本第2実施形態では、出力の制御を定電流制御によって行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、定電圧制御によって行う形態とすることもできる。この場合も、本第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0130】
また、上記各実施形態では、負荷測定制御を画像形成装置の電源投入時毎に実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められたジョブ回数毎、予め定められた画像形成枚数毎、予め定められた時間毎、の少なくとも1つのタイミングで実行する形態とすることもできる。
【0131】
予め定められたジョブ回数毎に実行する場合や予め定められた画像形成枚数毎に実行する場合は、負荷の経時変化による負荷特性の変化に対応することができる。また、この値をフィールド設定することによって、1日の中での天候等の環境変化に対応することができる。
【0132】
また、予め定められた時間毎に実行する場合は、1日の中での天候等の環境変化に対応することができる。
【0133】
また、上記各実施形態では、本発明に係る電源装置によって電力を供給する負荷を電子写真方式の画像形成装置における転写ローラとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、如何なる負荷に対しても有効であり、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0134】
また、上記各実施形態では、本発明の電源装置をデジタル制御方式の電源装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アナログ制御方式の電源装置に適用する形態とすることもできる。
【0135】
アナログ制御方式の電源装置に適用する場合は次のように制御を行う。
1.定電圧制御を行う場合
通常動作時の制御において電圧モニタ値をアナログ値のままで使用し、負荷測定制御時において定電圧制御をアナログ制御で行うと共に負荷測定用にCPUに対して電圧モニタ信号と電流モニタ信号を出力する。負荷測定制御時の処理の流れはデジタル制御方式の場合と同様である。
2.定電流制御を行う場合
通常動作時の制御において電流モニタ値をアナログ値のままで使用し、負荷測定制御時において定電流制御をアナログ制御で行うと共に負荷測定用にCPUに対して電圧モニタ信号と電流モニタ信号を出力する。負荷測定制御時の処理の流れはデジタル制御方式の場合と同様である。
【0136】
このように、本発明をアナログ制御方式の電源装置に適用した場合も、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電源装置によれば、電圧検出回路で検出された電圧検出値に基づいて電流検出回路で検出された電流検出値に含まれる回路構成上の誤差を補正し、補正した電流検出値を用いて負荷の特性を示す特性値を導出し、導出した特性値に応じて負荷に供給する電流を制御しているので、電流検出回路による検出値に回路構成上の誤差が発生することを許容することができるため、電流検出回路として簡易な回路構成のものを適用することができ、この結果として全体構成を簡易なものとすることができると共に、絶縁系の昇圧トランスを使用する必要がないので、使用可能な出力範囲を広くすることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 第1実施形態に係る電源装置の回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】 第1実施形態に係る電源装置において通常動作時に実行される制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】 第1実施形態に係る電源装置において実行される負荷測定制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】 第2実施形態に係る電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】 第2実施形態に係る電源装置の回路構成の一例を示す回路図である。
【図7】 第2実施形態に係る電源装置において通常動作時に実行される制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】 第2実施形態に係る電源装置において実行される負荷測定制御の流れを示すフローチャートである。
【図9】 従来の電源装置における電源部の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
10、10’ 電源装置
12、12’ 高圧電源部
16 昇圧トランス
18、18’ 整流平滑回路
20 スイッチ素子
22、22’ 電圧検出回路
24、24’ 電流検出回路
26 直流電源
28 主制御部
30 CPU
32 演算器
34 パルス発振器
36 A/D変換器
40 負荷
Claims (3)
- 負荷にかかる電圧を検出するための電圧検出回路と、
前記負荷に流れる電流を検出するための電流検出回路と、
前記電圧検出回路で検出された電圧検出値に基づいて前記電流検出回路で検出された電流検出値に含まれる回路構成上の誤差を補正する電流値誤差補正手段と、
前記電流値誤差補正手段によって補正された電流検出値を用いて前記負荷の特性を示す特性値を導出する負荷特性導出手段と、
前記負荷特性導出手段によって導出された前記特性値に応じて前記負荷に供給する電流を制御する制御手段と、
を備えた電源装置。 - 前記電流値誤差補正手段は、前記電圧検出回路で検出された電圧検出値と前記電圧検出回路を構成する回路素子の定格値に基づいて予め導出した誤差補正係数に基づいて前記誤差を補正する
請求項1記載の電源装置。 - 前記負荷が電子写真方式の画像形成装置における導電性の転写ローラであり、
前記誤差補正手段による前記誤差の補正と、前記負荷特性導出手段による前記特性値の導出を、前記画像形成装置の電源投入時、予め定められたジョブ回数毎、予め定められた画像形成枚数毎、予め定められた時間毎、の少なくとも1つのタイミングで実行する
請求項1又は請求項2記載の電源装置。
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