JP7120817B2 - 電解コンデンサ用劣化度測定方法及び電解コンデンサ用劣化度測定装置 - Google Patents

電解コンデンサ用劣化度測定方法及び電解コンデンサ用劣化度測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、プリント基板に実装された電解コンデンサの劣化度を測定する電解コンデンサ用劣化度測定方法及び電解コンデンサ用劣化度測定装置に関する。
従来、電解コンデンサの劣化度を測定する方法として、電解コンデンサの交換時期が、その寿命によって定まる適切な時期になるように表示する電解コンデンサの寿命検出装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
特開平7-222436号公報
上述した特許文献1に係る技術は、構成上、電解コンデンサの端子に電流検出用ホール素子を接続し、電解コンデンサの充放電時のリップル電圧又はリップル電流を測定する。そして、リップル電圧又はリップル電流の値が判定レベルに達したか否かにより、劣化度の判定を行う。
ここで、電解コンデンサがプリント基板に実装されている状態において、リップル電圧又はリップル電流の測定を行う場合を想定する。この場合、電流検出用ホール素子については、予め電解コンデンサと共に、プリント基板に実装しておくか、或いは、電解コンデンサの端子に後から接続する必要がある。
しかしながら、前者のように、予め電解コンデンサと共に、電流検出用ホール素子をプリント基板に実装しておく場合には、測定対象となるプリント基板の全ての電解コンデンサに電流検出用ホール素子を実装することになる。このため、プリント基板のデバイスの部品点数が多くなり、実装面積も大きくなってしまうという問題がある。
また、後者のように、電解コンデンサの端子に後から電流検出用ホール素子を接続する場合には、電解コンデンサが起立した状態でプリント基板に半田付けされていると、電流検出用ホール素子を接続することが困難になる。その理由は、電解コンデンサの端子に電流検出用ホール素子を接続する際、電解コンデンサの端子が外れるおそれ、或いは、位置ずれして接触不良を起こすおそれがあるためである。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、プリント基板に実装済みの電解コンデンサの劣化度を容易に測定できる電解コンデンサ用劣化度測定方法及び電解コンデンサ用劣化度測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電解コンデンサ用劣化度測定方法は、プリント基板に実装された電解コンデンサの劣化度を測定する方法であって、絶縁電線を電解コンデンサに周回して形成されたループアンテナを用いて、プリント基板への通電状態で発生する電解コンデンサのリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する第1のステップと、電圧を測定する第2のステップと、放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、電解コンデンサの劣化度を判定する第3のステップと、を有する。
また、上記目的を達成するため、本発明の電解コンデンサ用劣化度測定方法は、プリント基板に実装された電解コンデンサの劣化度を測定する方法であって、プリント基板への通電状態で発生する電解コンデンサのリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する第1のステップと、電圧を測定する第2のステップと、放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、電解コンデンサの劣化度を判定する第3のステップと、プリント基板から取り外した電解コンデンサの等価直列抵抗を測定する第4のステップと、第2のステップ及び第4のステップを複数回実行した後に得られた電圧と等価直列抵抗とに基づいて、プリント基板に実装された電解コンデンサの劣化度の制限電圧を推定する第5のステップと、を有し、第3のステップは、電圧と制限電圧とを比較した結果の差値の大小に応じて、電解コンデンサの劣化度を判定する。
また、上記目的を達成するため、本発明の電解コンデンサ用劣化度測定装置は、プリント基板に実装された電解コンデンサのプリント基板の通電状態で発生するリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する検出部と、検出部で検出された電圧を測定する電圧測定部と、放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、電解コンデンサの劣化度を判定する劣化度判定部と、を備え、検出部は、絶縁電線を電解コンデンサに周回して形成されたループアンテナである
また、上記目的を達成するため、本発明の電解コンデンサ用劣化度測定装置は、プリント基板に実装された電解コンデンサの当該プリント基板の通電状態で発生するリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する検出部と、検出部で検出された電圧を測定する電圧測定部と、放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、電解コンデンサの劣化度を判定する劣化度判定部と、を備え、劣化度判定部は、検出部に接続され、当該検出部で検出された電圧を全波整流する全波整流回路と、全波整流回路で全波整流された電圧を平滑する平滑回路と、予め決められた制限電圧を出力する制限電圧回路と、平滑回路の出力電圧と制限電圧とを比較する比較器と、比較器の出力を報知する報知部と、を有する。
本発明によれば、上記方法又は構成により、プリント基板に実装済みの電解コンデンサの劣化度を容易に測定することができる。
本発明の実施の形態1に係る電解コンデンサ用劣化度測定方法を説明するために示す電解コンデンサ用劣化度測定装置の概略構成図である。 図1に示す電解コンデンサ用劣化度測定装置の測定対象となる電解コンデンサの劣化に関連する諸特性の相関関係を示すフローチャートである。 図2で説明した電解コンデンサを実装したプリント基板の内部回路を例示した図である。 図3で説明したプリント基板の外観構成を示す平面図である。 図3で説明したプリント基板の外観構成を示す側面図である。 図1に示す電解コンデンサ用劣化度測定装置によるプリント基板に実装された電解コンデンサの劣化度測定の具体例を示す模式図である。 図6で説明した劣化度測定に係る結果を例示した表である。 図7に含まれる電解コンデンサの等価直列抵抗に対するループアンテナ電圧の関係を示す特性図である。 図7に含まれる電解コンデンサの等価直列抵抗に対するベースドライブ回路電圧の関係を実測値の制限範囲を含めて示す特性図である。 図7に含まれる電解コンデンサの等価直列抵抗に対するループアンテナ電圧の関係を実測値の制限範囲を含めて示す特性図である。 本発明の実施の形態2に係る電解コンデンサ用劣化度測定装置の概略構成図である。
以下、本発明の電解コンデンサ用劣化度測定方法(以下、劣化度測定方法と称す)及び電解コンデンサ用劣化度測定装置(以下、劣化度測定装置と称す)について、幾つかの実施の形態を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る劣化度測定方法を説明するために示す劣化度測定装置の概略構成図である。
図1を参照すれば、この劣化度測定装置は、プリント基板20に実装された電解コンデンサ2の劣化度を測定するものである。劣化度測定装置は、電解コンデンサ2が実装されたプリント基板20の通電状態で発生するリップル電流2cに伴う放射ノイズ2nを、電圧として検出する検出部を備える。この検出部は、絶縁電線を電解コンデンサ2に周回して形成されたループアンテナ1に相当する。
ループアンテナ1における電解コンデンサ2側の一端部は、何にも接続されておらず、ループアンテナ1の他端部は、受動プローブ3pを介して電圧測定器3に接続されている。受動プローブ3p及び電圧測定器3は、電圧を測定する電圧測定部として働く他、放射ノイズ2nの増加時の電圧に基づいて、電解コンデンサ2の劣化度を判定する劣化度判定部として働く。
即ち、この劣化度測定装置において、プリント基板20が通電された状態で、電解コンデンサ2にリップル電流2cが流れると、電磁誘導作用により電解コンデンサ2から放射ノイズ2nが発生する。この放射ノイズ2nは、ループアンテナ1により電圧として検出され、検出された電圧は、受動プローブ3pを介して電圧測定器3により測定される。更に、放射ノイズ2nの増加時の電圧を電圧測定器3で可視化することによって、電解コンデンサ2の劣化度を判定することが可能になる。この事は、放射ノイズ2nの増加時の電圧を電圧測定器3で可視化すると、その電圧波形に基づいて、電解コンデンサ2の劣化度を判定できることを意味する。
図2は、劣化度測定装置の測定対象となる電解コンデンサ2の劣化に関連する諸特性の相関関係を示すフローチャートである。
図2を参照すれば、一般に電解コンデンサ2の劣化F1が進行すると、等価直列抵抗(ESR)の増加F2に至り、更にリップル電流2cの増加F3を起こす。このリップル電流2cの増加F3に伴い、電解コンデンサ2からの放射ノイズ2nの増加F4も起きる。従って、電解コンデンサ2の劣化F1に相関し、放射ノイズ2nの増加F4に至る。但し、ここでの電解コンデンサ2の等価直列抵抗は、電解コンデンサ2がプリント基板20に実装された状態では、正確に測定できない。
以上に説明した劣化度測定装置の処理機能は、技術的に劣化度測定方法として換言できる。この場合、劣化度測定方法は、プリント基板20に実装された電解コンデンサ2の劣化度を測定する際、以下のステップを有することになる。第1のステップは、プリント基板20への通電状態で発生する電解コンデンサ2のリップル電流に伴う放射ノイズ2nを電圧として検出するものである。第2のステップは、電圧を測定するものである。第3のステップは、放射ノイズ2nの増加時の電圧に基づいて、電解コンデンサ2の劣化度を判定するものである。
図3は、劣化度測定装置の測定対象となる電解コンデンサ2を実装したプリント基板20の内部回路を例示した図である。
図3を参照すれば、このプリント基板20は、電源入力用のコネクタ22、トランスTの一次巻線に接続される一次側回路23、トランスTの二次巻線に接続されるベースドライブ回路24及び制御電源回路25、出力用のコネクタ26を実装して構成される。
プリント基板20において、コネクタ22(CN1)は、入力端子を3ピン有し、その2ピンに直流電源21からの直流電圧DC100Vが印加される。但し、一次側の電源は、交流電源でも良く、その場合には、三相の交流電圧AC100Vが印加される。一次側回路23は、電解コンデンサ2を成す領域のコンデンサC2の他、コンデンサC1、C3、C4を有すると共に、複数のダイオード及び抵抗を有し、これらの各デバイスをトランジスタTrにより接続して構成される。
ベースドライブ回路24は、トランスTで変圧された12Vのベースドライブ信号を、コネクタ26(CN2)を通し、外部のインバータ装置を形成するパワー半導体モジュールのベース端子へ出力する。制御電源回路25は、トランスTで変圧された±15Vの電源電圧源となる。
即ち、このプリント基板20において、一次側回路23は、自励式フライバックコンバータとして形成されるもので、トランスTと協動し、ベースドライブ回路24を12Vの電源電圧源とすると共に、制御電源回路25を±15Vの電源電圧源とする。尚、ベースドライブ回路24及び制御電源回路25は、二次側回路を構成する。
ここで、測定対象となる電解コンデンサ2は、トランジスタTrがオフの間、充電状態となる。また、電解コンデンサ2は、トランジスタTrがオフからオンまでの間、オンの間、及びオンからオフまでの間、放電状態となる。この一次側回路23に用いられた電解コンデンサ2は、トランジスタTrのオン-オフの周期が約30KHzであり、充放電が頻繁に行われる。このため、一般的な平滑用途に比べて、劣化の進行も速くなる。
以下は、実際に電機製品に組み込まれて使用された5枚のプリント基板20の電解コンデンサ2を対象に行った劣化度測定の試験結果について、説明する。
図4は、図3で説明したプリント基板20の外観構成を示す平面図である。図5は、同じプリント基板20の外観構成を示す側面図である。図6は、図1で説明した劣化度測定装置によるプリント基板20に実装された電解コンデンサ2の劣化度測定の具体例を示す模式図である。但し、プリント基板20に実装された電解コンデンサ2は、電気容量33uF、耐圧50Vの部品であるとする。また、電解コンデンサ2に装着したループアンテナ1は、断面積2mmの絶縁被覆付きの銅線を5回巻いた形態とする。
図6を参照すれば、この劣化度測定装置では、ループアンテナ1における電解コンデンサ2側の一端部には、何も接続されておらず、他端部には、例えば、TPP0500B製の受動プローブ3pが接続されている。この受動プローブ3pに接続される電圧測定器3には、例えばMDO4054B-3製のオシロスコープを使用した。オシロスコープは、波形測定モードとし、測定レンジ5V/div、20msecの条件下で電解コンデンサ2の劣化度を測定した。
電解コンデンサ2の劣化度測定の内容を具体的に云えば、5枚のプリント基板20のそれぞれの電解コンデンサ2に対して、図3で示すようにコネクタ22から直流電圧DC100Vを印加した。そして、図6で説明した劣化度測定装置により、ループアンテナ1から得られる電圧のループアンテナ電圧を測定し、ベースドライブ回路24におけるベースドライブ回路電圧を測定した。
その後に、プリント基板20から電解コンデンサ2を取り外し、電解コンデンサ2の単体で等価直列抵抗を測定した。ここで、電解コンデンサ2の等価直列抵抗は、電解コンデンサ2がプリント基板20に実装されていれば、正確に測定できない。このため、ループアンテナ電圧とベースドライブ回路電圧とを測定した後、電解コンデンサ2をプリント基板20から取り外して、等価直列抵抗の測定を行った。
図7は、これらの劣化度測定に係る結果を例示した表である。図7を参照すれば、試験プリント基板20のNo.1では、ループアンテナ電圧(Vrms)が7.30、ベースドライブ回路電圧(V)が12.37、等価直列抵抗(Ω)が0.86であった。試験プリント基板20のNo.2では、ループアンテナ電圧(Vrms)が7.40、ベースドライブ回路電圧(V)が12.38、等価直列抵抗(Ω)が0.92であった。
試験プリント基板20のNo.3では、ループアンテナ電圧(Vrms)が7.50、ベースドライブ回路電圧(V)が12.40、等価直列抵抗(Ω)が1.03であった。試験プリント基板20のNo.4では、ループアンテナ電圧(Vrms)が8.00、ベースドライブ回路電圧(V)が12.49、等価直列抵抗(Ω)が2.55であった。試験プリント基板20のNo.5では、ループアンテナ電圧(Vrms)が8.30、ベースドライブ回路電圧(V)が12.73、等価直列抵抗(Ω)が4.80であった。
図8は、図7に含まれる電解コンデンサ2の等価直列抵抗(Ω)に対するループアンテナ電圧(Vrms)の関係を示す特性図である。即ち、図8は、図7に示す劣化度測定の結果から、横軸に電解コンデンサ2の等価直列抵抗(Ω)、縦軸にループアンテナ電圧(Vrms)をプロットした特性のグラフを示している。
図8の特性からは、等価直列抵抗の上昇に伴い、ループアンテナ電圧が上昇していることを確認できる。ここで、グラフの実線は、実測値を結んだ線であり、点線は、その延長と推測する推測値の線を示している。
図9は、図7に含まれる電解コンデンサ2の等価直列抵抗(Ω)に対するベースドライブ回路電圧(V)の関係を実測値の制限範囲を含めて示す特性図である。即ち、図9は、図7に示す劣化度測定の結果から、横軸に電解コンデンサ2の等価直列抵抗(Ω)、縦軸にベースドライブ回路24におけるベースドライブ回路電圧(V)をプロットした特性のグラフを示している。
図9の特性からは、等価直列抵抗の上昇に伴い、ベースドライブ回路電圧が上昇していることを確認できる。ここで、グラフの実線は、実測値を結んだ線であり、点線は、その延長と推測する推測値の線を示している。
次に、図9中の実測値の制限範囲を説明する。劣化度測定の試験を行ったプリント基板20の回路において、電解コンデンサ2の劣化の進行と共に、等価直列抵抗が増加し、トランジスタTrのオン時間が長くなる。この結果、ベースドライブ回路電圧が上昇することになる。ここで、プリント基板20の回路において、ベースドライブ回路24におけるベースドライブ回路電圧は、12Vが基準である。ベースドライブ回路24を正常に動作させるためには、ベースドライブ回路電圧を動作条件の制限電圧の15V未満に抑える必要がある。
図9を参照すれば、劣化度測定の試験を行った5枚のプリント基板20のそれぞれのベースドライブ回路電圧は、何れも15V未満となっており、動作条件の制限電圧を満たしている。しかし、プリント基板20が更に長期的に継続して使用され、電解コンデンサ2の等価直列抵抗が15Ωまで上昇すると、ベースドライブ回路電圧が15Vとなる。これが図9中に示した実測値の制限範囲である。
こうした条件下では、ベースドライブ回路24を正常に動作させることができなくなる。即ち、電解コンデンサ2の等価直列抵抗=15Ωがプリント基板20の回路における制限抵抗であると云える。換言すれば、ベースドライブ回路24は、ベースドライブ回路電圧が15Vのときに定格を超えるので、このときを寿命判定点とすれば良い。
図10は、図7に含まれる電解コンデンサ2の等価直列抵抗(Ω)に対するループアンテナ電圧(Vrms)の関係を実測値の制限範囲を含めて示す特性図である。即ち、図10は、図8に対して、等価直列抵抗=15Ωを基準にして、実測値の制限範囲として示したものである。
図10を参照すれば、電解コンデンサ2の等価直列抵抗が15Ωになり、ベースドライブ回路電圧が15Vとなったとき、ループアンテナ電圧=9Vとなることを示している。このループアンテナ電圧=9Vについても、制限電圧とみなせる。
そこで、プリント基板20の回路において、図6の劣化度測定装置によって、電解コンデンサ2の劣化度測定を実施した場合、ループアンテナ電圧が9V未満の場合にはプリント基板20が使用可能であると判定できる。また、ループアンテナ電圧が9V以上の場合には、プリント基板20が使用不可であると判定できる。更に、ループアンテナ電圧が9V未満であっても、9Vに近い場合には、プリント基板20の交換時期であると判定することもできる。
以上に説明した劣化度測定装置の処理機能は、技術的に劣化度測定方法として換言できる。この場合、劣化度測定方法は、プリント基板20に実装された電解コンデンサ2の劣化度を測定する際、以下のステップを有することになる。第4のステップは、プリント基板20から取り外した電解コンデンサ2の等価直列抵抗を測定する。
第5のステップは、先の第2のステップ及び第4のステップを複数回実行した後に得られた電圧と等価直列抵抗とに基づいて、プリント基板20に実装された電解コンデンサ2の劣化度の制限電圧を推定する。そこで、先の第3のステップにおいて、電圧と制限電圧とを比較した結果の差値の大小に応じて、電解コンデンサ2の劣化度を判定するものである。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2に係る劣化度測定装置の概略構成図である。
実施の形態2に係る劣化度測定装置は、実施の形態1の構成と比べ、電圧測定部及び劣化度判定部の機能をデバイス回路構成の劣化度判定部10に変更した点が相違している。また、プリント基板20に実装された電解コンデンサ2にループアンテナ1を周回し、ループアンテナ1における一端部を何にも接続せず、他端部を劣化度判定部10に接続して構成される。
劣化度判定部10は、全波整流回路11、平滑回路12、制限電圧回路13、比較器14、及び報知部15を備えて構成される。
全波整流回路11は、ループアンテナ1の他端部が接続され、ループアンテナ1で検出される電圧を全波整流する。平滑回路12は、全波整流回路11で整流された電圧を平滑化してから、比較器14の正極側に印加する。全波整流回路11及び平滑回路12は、電圧測定部としての機能を受動的に持つものとみなせる。制限電圧回路13は、予め決められた制限電圧を比較器14の負極側に出力する。この制限電圧として、実施の形態1で説明したループアンテナ電圧=9Vの制限電圧を使用する。
比較器14は、平滑回路12の出力電圧と制限電圧回路13から出力される制限電圧とを比較する。報知部15は、比較器14の出力を報知する。ここでの報知部15は、比較器14の出力側に接続された発光部としてのLED(発光ダイオード)16を備える。これにより、LED16の点灯状況を確認すれば、容易に電解コンデンサ2の劣化度が制限電圧を超えたか否かを一目で確認することができる。
報知部15のLED16の代わりに、比較器14の出力側に接続された音発生部としてのブザーを報知部15に備えるようにしても良い。例えば、実施の形態2に係る劣化度測定装置を、電機製品に組み込まれたプリント基板20に取り付ける際、LED16を視認し難いような場合には、報知部15として、電解コンデンサ2の劣化度が制限電圧を超えたか否かを音で認識できるブザーを備えるのが好適である。勿論、報知部15として、発光部及び音発生部の双方を持たせるようにしても良い。
実施の形態2に係る劣化度測定装置では、プリント基板20に実装された電解コンデンサ2の劣化度測定の試験に際して、制限電圧回路13に設定される制限電圧を9Vにする。これにより、プリント基板20が電機製品に組み込まれている状態であっても、ループアンテナ1を電解コンデンサ2に装着し、劣化度判定部10によって、電解コンデンサ2の劣化度を容易に判定することができる。
各実施の形態に係る劣化度測定装置では、ループアンテナ電圧=9Vを電解コンデンサ2の劣化度測定の制限電圧とした。しかし、これは、あくまでも一例であり、対象となるプリント基板20の使用条件に応じて、電解コンデンサ2の劣化度測定の制限電圧を設定すれば良い。
尚、以上に説明した各実施の形態では、電解コンデンサ2がプリント基板20に実装された電解コンデンサ2の劣化度測定について説明した。しかしながら、本発明は、電解コンデンサ2のリップル電流に伴う放射ノイズ2nを電圧として検出することが可能な条件にあれば、プリント基板20に実装されていない電解コンデンサ2に対しても、同様に適用できる。
1 ループアンテナ、2 電解コンデンサ、2c リップル電流、2n 放射ノイズ、3 電圧測定器、3p 受動プローブ、10 劣化度判定部、11 全波整流回路、12 平滑回路、13 制限電圧回路、14 比較器、15 報知部、16 LED、20 プリント基板、21 直流電源、22、26 コネクタ、23 一次側回路、24 ベースドライブ回路、25 制御電源回路、T トランス、Tr トランジスタ。

Claims (7)

  1. プリント基板に実装された電解コンデンサの劣化度を測定する方法であって、
    絶縁電線を前記電解コンデンサに周回して形成されたループアンテナを用いて、前記プリント基板への通電状態で発生する前記電解コンデンサのリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する第1のステップと、
    前記電圧を測定する第2のステップと、
    前記放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、前記電解コンデンサの劣化度を判定する第3のステップと、
    を有する電解コンデンサ用劣化度測定方法。
  2. プリント基板に実装された電解コンデンサの劣化度を測定する方法であって、
    前記プリント基板への通電状態で発生する前記電解コンデンサのリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する第1のステップと、
    前記電圧を測定する第2のステップと、
    前記放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、前記電解コンデンサの劣化度を判定する第3のステップと、
    前記プリント基板から取り外した前記電解コンデンサの等価直列抵抗を測定する第4のステップと、
    前記第2のステップ及び前記第4のステップを複数回実行した後に得られた前記電圧と前記等価直列抵抗とに基づいて、前記プリント基板に実装された前記電解コンデンサの劣化度の制限電圧を推定する第5のステップと、
    を有し、
    前記第3のステップは、前記電圧と前記制限電圧とを比較した結果の差値の大小に応じて、前記電解コンデンサの劣化度を判定する
    電解コンデンサ用劣化度測定方法。
  3. プリント基板に実装された電解コンデンサの当該プリント基板の通電状態で発生するリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する検出部と、
    前記検出部で検出された電圧を測定する電圧測定部と、
    前記放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、前記電解コンデンサの劣化度を判定する劣化度判定部と、
    を備え
    前記検出部は、絶縁電線を前記電解コンデンサに周回して形成されたループアンテナである
    電解コンデンサ用劣化度測定装置。
  4. プリント基板に実装された電解コンデンサの当該プリント基板の通電状態で発生するリップル電流に伴う放射ノイズを電圧として検出する検出部と、
    前記検出部で検出された電圧を測定する電圧測定部と、
    前記放射ノイズの増加時の電圧に基づいて、前記電解コンデンサの劣化度を判定する劣化度判定部と、
    を備え
    前記劣化度判定部は、
    前記検出部に接続され、当該検出部で検出された電圧を全波整流する全波整流回路と、
    前記全波整流回路で全波整流された電圧を平滑する平滑回路と、
    予め決められた制限電圧を出力する制限電圧回路と、
    前記平滑回路の出力電圧と前記制限電圧とを比較する比較器と、
    前記比較器の出力を報知する報知部と、
    を有する電解コンデンサ用劣化度測定装置。
  5. 前記報知部は、前記比較器の出力側に接続された発光部を含む
    請求項4に記載の電解コンデンサ用劣化度測定装置。
  6. 前記報知部は、前記比較器の出力側に接続された音発生部を含む
    請求項4又は5に記載の電解コンデンサ用劣化度測定装置。
  7. 前記検出部は、絶縁電線を前記電解コンデンサに周回して形成されたループアンテナである
    請求項~6の何れか1項に記載の電解コンデンサ用劣化度測定装置。
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