JP3667902B2 - ワイパ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のワイパ装置を駆動させるためのワイパ駆動装置に関し、詳細には、回転電極を用いてモータの駆動を切り換えながらワイパを駆動するワイパ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ワイパを駆動させるためのワイパ駆動装置では、モータ部とギア部とで構成されている。モータ部のモータ回転軸には、ウオームギアが取り付けられており、このウオームギアがギア部に設けられたギアホイールに歯合されている。さらに、このギアホイールと一体回転する回転軸には、ワイパ駆動用のクランクアームが連結されており、これにより、モータ部の回転がクランクアームへ伝達され、ワイパが駆動する。
【0003】
また、ギア部には、モータ部の回転を制御するため、導電部及び非導電部で構成される所定の電極パターンが形成された回転電極としての例えばカムプレートが配置され、ギアホイールと共に回転する。このカムプレートには、複数の固定接点が対向して配置されており、それぞれの固定接点は、ギアホイールが回転するとカムプレートの表面の電極パターン上に摺接して電極パターンの導電部又は非導電部と接触し、モータ部と電源との接続状態を切り換えている。これにより、出力軸の回転位置を検出することなく、モータ部への通電を行い、所定の範囲内でワイパを往復移動させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カムプレートがギアホイールと共に回転するため、モータ部が駆動している間は、カムプレートの表面に固定接点が常に摺接している。この結果、摺接の摩擦によりカムプレートと固定接点との間に接点電位差が生じ、これは、0.15〜1000MHzの略全域に渡って細かく急激に変化するヒゲ状の電圧として測定される(図7参照)。特に、ラジオ放送やテレビ放送が行われている200MHz以下の周波数帯で大きくなっており、このため、ラジオ等に雑音が混じるなどの不都合が生じるという問題がある。このノイズは、主としてカムプレートに固定接点が摺接することによって生じる接点電位差に基づくものと考えられる。このようなノイズの原因となる接点電位差を、以下、「ノイズ電圧」という。このため、カムプレートを取り外して(摺接部分をなくして)、他の制御手段でモータ部の駆動制御及び出力軸の位置検出を行うようにすれば、ノイズ電圧が生じることがなく、ノイズの発生を抑えることができる。しかし、この方法では、モータ部を駆動するための制御が複雑となり、高価な制御装置を組み込む必要が生じたりしてコスト高などを招き、好ましくない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、ワイパの駆動に伴って回転する回転電極に固定接点が摺接することによって発生するノイズを効果的に低減したワイパ駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、導電部及び非導電部により所定の導電パターンが形成され、ワイパを駆動するモータ部によって回転駆動される回転電極に、第1の固定接点及び少なくとも1つの第2の固定接点を摺接させ、回転する前記回転電極の導電部へ前記第1の固定接点及び前記第2の固定接点が共に接触することにより回路が閉じられて、前記モータ部へ所定の電圧が印加されることによりワイパが駆動される電圧印加の回路を有するワイパ駆動装置であって、前記第1の固定接点と前記少なくとも1つの第2の固定接点との間に、前記第1の固定接点及び前記第2の固定接点と前記導電部との間に発生するノイズ電圧のうち、200MHz以下の周波数帯のノイズ電圧を吸収又は消費するノイズ低減回路部を備えたことを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、第1の固定接点と少なくとも1つの第2の固定接点との間にノイズ低減回路部が配置された回路が構成されるので、第1の固定接点及び第2の固定接点が、回転する回転電極の導電部に共に接触したときにノイズ低減回路部を含む回路が閉じて、回転電極に第1の固定接点及び第2の固定接点が摺接することによって各々に生じた接点電位差が、このノイズ低減回路部に印加する。この結果、第1の固定接点及び第2の固定接点に生じ、ノイズの原因となる接点電位差、即ち、ノイズ電圧を、このノイズ低減回路部により消費させることができる。これにより、ノイズを発生させるエネルギーを放電させて、ノイズの発生を防止することができる。
【0008】
ここで、第2の固定接点は少なくとも1つあればよく、2つ以上の第2の固定接点がある場合には、回転電極を介して各々が第1の固定接点と接続され、これらの間にそれぞれノイズ低減回路部を設けることができる。
【0009】
即ち、ノイズ低減回路部は、回転電極に接触する第2の固定接点ごとに設けることができる。このため、モータ駆動装置に第2の固定接点が複数ある場合には、複数のノイズ低減回路部が設けられる。複数のノイズ低減回路部を設けた場合には、それぞれの第2の固定接点に生じたノイズ電圧を個別に消費して、ノイズの発生を一層確実に防止することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記ノイズ低減回路部は、所定の抵抗値の電気抵抗及び所定の静電容量のコンデンサの少なくともいずれか一方を含むことを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、ノイズ低減回路部としての電気抵抗及び/又はコンデンサが、第1の固定接点と少なくとも1つの第2の固定接点との間に配置されるので、電気抵抗及び/又はコンデンサを含む回路が構成され、第1の固定接点及び第2の固定接点が回転電極の導電部に共に接触したときに、回転する回転電極に第1の固定接点及び第2の固定接点が摺接することによって各々に生じた接点電位差が、この電気抵抗及び/又はコンデンサに印加する。この結果、コンデンサは、接点電位差を吸収すると共に徐々に放出するので、ノイズ電圧は吸収されて急激に変化する電圧として放出されることがない。また、電気抵抗は、この接点電位差を消費してノイズ電圧を消費することができる。これによって、ノイズの原因となるエネルギーを適度に放電させて、ノイズの発生を防止することができる。また、ノイズ低減回路部が、抵抗及びコンデンサで構成されている場合には、接点間の充放電を繰り返すコンデンサのみを備えたときと異なり、接点の磨耗を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1及び図2には本発明の第1の実施の形態に係るワイパ駆動装置10の全体構成が示されている。
【0014】
ワイパ駆動装置10は、モータ部12とこのモータ部12に連結するギア部14とによって構成されている。モータ部12の回転軸12Aはギア部14内へ延出されており、先端にはウオームギア13が設けられている。このウオームギア13は、ギア部14内に設けられた回転ギアホイール16に噛み合っている。
【0015】
回転ギアホイール16は、ギア部14のハウジング18に設けられた軸19に回転可能に支持されており、また、ハウジング18の配置されていない側において、軸20に支持されている。軸20の他端側は、クランクアーム22に連結されている。このため、モータ部12が作動して回転軸12Aが回転(矢印A方向)すると、この回転力がウオームギア13を介して回転ギアホイール16へ伝達されて回転ギアホイール16が回転し、さらにこれに伴って軸20が回転(矢印B方向)すると、クランクアーム22が軸20周りに回転するようになっている(矢印C方向)。
【0016】
回転ギアホイール16のハウジング18配置側の面には、本発明の回転電極に対応する導電板で構成されたカムプレート24が設けられている。カムプレート24は、リング状(パターン状)で回転ギアホイール16と一体的に形成されており、回転ギアホイール16と共に回転する。カムプレート24のパターンは、カムプレート24の略周端に沿って設けられ、主として外周側の導電部分24Aと主として内周側の非導電部分24Bとで構成されている。カムプレート24のパターンには、周方向に沿った3つの接触ライン29、31、33が半径方向外側から形成されている。
【0017】
カムプレート24の導電部分24Aの一部は、半径方向内側へ突出して突出部26を形成しており、突出部26に対応する外周側の一部は、周方向の所定範囲にわたって非導電部分24Bが配置され、切欠き部28を形成している。このカムプレート24は+コンタクトレバー30、Sコンタクトレバー32、−コンタクトレバー34と接触することによって、ワイパスイッチ40に応じた電気回路を構成する。
【0018】
カムプレート24とハウジング18との間には第1の固定接点としてのSコンタクトレバー32と、第2の固定接点としての+コンタクトレバー30及び−コンタクトレバー34が配置されている。各コンタクトレバーは、一端部がハウジング18の内周壁に固着されており、他端部がカムプレート24方向へ延出し、先端部がカムプレート24の表面に当接している。
【0019】
+コンタクトレバー30は、カムプレート24に対して半径方向最も外側に配置され、カムプレート24の最外層の接触ライン29の一部に対向している。Sコンタクトレバー32は、+コンタクトレバー30よりもカムプレート24の中心側に配置され、カムプレートの中央の接触ライン31の一部に対向している。また、−コンタクトレバー34は、カムプレート24に対して半径方向最も内側に配置され、カムプレート24の最内層の接触ライン33の一部に対向している。
【0020】
また、ハウジング18には、後述するノイズ低減回路部50が配置されている。
【0021】
次に図3を参照して、電気回路の構成を説明する。
+コンタクトレバー30はワイパスイッチ40との間で電源+側に接続されており、先端部は回転ギアホイール16のカムプレート24に当接する。+コンタクトレバー30は、カムプレート24と接触ライン29上で接触し、接触ライン29上の切欠き部28の位置で非導電状態となる。Sコンタクトレバー32は、ワイパスイッチ40を介してモータ部12に接続されており、先端部はカムプレート24と接触ライン31上で接触し、常に導電状態となる。−コンタクトレバー34は、グラウンドアースされており、カムプレート24と接触ライン33上で接触し、接触ライン33上の突出部26の位置で導電状態となる。
【0022】
また、ワイパ駆動装置10には、端子36、37、38、39を介してワイパスイッチ40が接続されており、端子35を介してグラウンドアースされている。さらに、端子38及び端子39には、各々モータノイズ防止用のコイル42、44及びモータノイズ防止用のコンデンサ46、48が接続されている。
【0023】
なお、ワイパスイッチ40は、「○」印に対応した部分における接続線が閉じていることを示している。
【0024】
ところで、ギア部14のハウジング18の上部に備えられたノイズ低減回路部50(図2参照)は、+コンタクトレバー30、Sコンタクトレバー32、−コンタクトレバー34と、これらに接続する端子35、36、37との間に配置されている。
【0025】
ノイズ低減回路部50は、抵抗52を備えたノイズ低減回路部50Aと、抵抗54を備えたノイズ低減回路部50Bとで構成されている。ノイズ低減回路部50Aは、−コンタクトレバー34とSコンタクトレバー32との間に接続されており、ノイズ低減回路部50Bは、+コンタクトレバーとSコンタクトレバー32との間に接続されている。ここで、抵抗52及び抵抗54は、1kΩ程度である。+コンタクトレバー30が切欠き部28に接触して非導電状態となったときに、ノイズ低減回路部50Bの抵抗54を介してモータ部12に供給される電圧は十分に小さいため、モータ部12は駆動しない。
【0026】
次に本発明の第1の実施の形態の作用について説明する。
ワイパが駆動しているときは、カムプレート24が回転している。このとき、+コンタクトプレート30は接触ライン29に沿って、Sコンタクトレバー32は接触ライン31に沿って、及び−コンタクトレバー34は接触ライン33に沿って、それぞれカムプレート24に対して常に摺接してる。これにより、これらのコンタクトレバーの先端には摩擦によるエネルギーが生じ、+コンタクトレバー30、Sコンタクトレバー32及び−コンタクトレバー34に、それぞれ接点電位差が生じる。
【0027】
ここで、+コンタクトレバー30がカムプレート24の導電部分24Aに接触すると、+コンタクトレバー30とSコンタクトレバー32との間が導電状態となり、これらの間を接続するノイズ低減回路部50Bの抵抗54に、接点電位差が印加して消費される。一方、−コンタクトレバー34がカムプレート24の導電部分24Aに接触すると、−コンタクトレバー34とSコンタクトレバー32との間が導電状態となり、これらの間を接続するノイズ低減回路部50Aの抵抗52に接点電位差が印加して消費される。
【0028】
この結果、カムプレート24にコンタクトレバーが摺接することに起因して発生し、ノイズの原因となるノイズ電圧を、各々抵抗52、54を備えたノイズ低減回路部50Aとノイズ低減回路部50Bとによってそれぞれ十分に消費させて、ノイズの原因となるエネルギーを放電させる。これによって、ノイズの発生を防止することができる。
【0029】
[第2の実施の形態]
図4には、本発明の第2の実施の形態に係るワイパ駆動装置70が示されている。なお、第1の実施の形態に係るワイパ駆動装置10とは、ノイズ低減回路部50A、50Bをノイズ低減回路部72A、72Bとしたことのみが異なるため、ノイズ低減回路部72のみを説明し、それ以外については同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
ノイズ低減回路部72Aは、Sコンタクトレバー32と−コンタクトレバー34との間に接続されており、抵抗74及びコンデンサ76を備えている。ノイズ低減回路部72Bは、Sコンタクトレバー32と+コンタクトレバー30との間に接続されており、抵抗78及びコンデンサ80とを備えている。なお、抵抗74、78は100Ωであり、コンデンサ76、80は0.68μFであるので、+コンタクトレバー30が切欠き部28に接触して非導電状態となったときに、ノイズ低減回路部72Bの抵抗78及びコンデンサ80を介してモータ部12に供給される電圧は十分に小さいため、モータ部12は駆動しない。
【0031】
次に第2の実施の形態の作用について説明する。
ワイパが駆動しているときは、カムプレート24が回転しており、これに伴って、−コンタクトレバー30、Sコンタクトレバー32及び+コンタクトレバー34が、それぞれ接触ライン29、31、33に沿ってカムプレート24に摺接する。このため、−コンタクトレバー30、Sコンタクトレバー32及び+コンタクトレバー34に、それぞれ接点電位差が生じる。
【0032】
ここで、+コンタクトレバー30がカムプレート24の導電部分24Aに接触すると、+コンタクトレバー30とSコンタクトレバー32との間が導電状態となり、これらの間を接続するノイズ低減回路部72Bの抵抗78及びコンデンサ80に接点電位差が印加する。この結果、接点電位差は、抵抗78により消費され、また、コンデンサ76により吸収されて徐々に放出される。一方、−コンタクトレバー34がカムプレート24の導電部分24Aに接触すると、−コンタクトレバー34とSコンタクトレバー32との間が導電状態となり、これらの間を接続するノイズ低減回路部72Aの抵抗74及びコンデンサ76に接点電位差が印加する。この結果、接点電位差は、抵抗74で消費され、また、コンデンサ76により吸収されて徐々に放出される。
【0033】
これによって、カムプレート24にコンタクトレバーが摺接することによって生じ、ノイズの原因となるノイズ電圧を、ノイズ低減回路部72A、72Bによって十分に消費吸収して、ノイズの原因となるエネルギーを放電させ、ノイズの発生を効果的に防止することができる。
【0034】
本発明の実施の形態では、ノイズ防止回路部50A、50Bに用いられる抵抗52、54を1kΩとしたが、+コンタクトレバー34がカムプレート24の非導電部分24Bに接触しているときに、モータ部12に駆動可能な電圧が供給されない程度であれば、これに限定されない。例えば、0.1〜10KΩとすることができる。
【0035】
また、ノイズ防止回路部70A、70Bに用いられる抵抗72及びコンデンサ74、抵抗76及びコンデンサ76を、各々100Ωと0.68μFとしたが、+コンタクトレバー34がカムプレート24の非導電部分24Bに接触しているときに、モータ部12に駆動可能な電圧が供給されない程度であれば、これに限定されない。例えば、0.1〜10KΩの抵抗と、0.01〜0.68μFのコンデンサを組み合わせて使用することができる。
【0036】
なお、本発明の実施の形態では、抵抗のみを有するノイズ防止回路部50A、50Bと抵抗及びコンデンサを有するノイズ防止回路部70A、70Bを用いたが、ノイズ防止回路部としてコンデンサのみを有してもよい。この場合には、充放電を繰り返すため、抵抗を用いた場合よりも接点の寿命が短縮されるが、製品即ちモータの寿命を許容できる接点寿命が得られる程度の小さな静電容量のものであれば使用することができる。
【0037】
本発明の実施の形態では、回転電極に摺接する−コンタクトレバー34及び+コンタクトレバー30とSコンタクトレバー32との間に、各々対となるようにノイズ低減回路部50A、50B又はノイズ低減回路部72A、72Bを接続したが、ノイズ低減回路部50、70は対として設ける必要はなく、ノイズ低減回路部の数は、カムプレート24に接触する第2の固定接点としてのコンタクトレバーの数に応じて設けることができる。
【0038】
【実施例】
本発明の第1の実施の形態に係るノイズ低減回路部50及び本発明の第2の実施の形態に係るノイズ低減回路部70を各々備えたワイパ駆動装置A及びワイパ駆動装置Bについて、ノイズの検出試験を行った。なお、ノイズ低減回路部50は、各々1kΩの抵抗52、54を備え、ノイズ低減回路部70は、各々100Ωの抵抗74、78と0.68μFのコンデンサ76、80を備えている。
【0039】
ノイズの検出試験は、以下のように行った。
ワイパ駆動装置A(実施例1、ノイズ低減回路部50)及びワイパ駆動装置B(実施例2、ノイズ低減回路部70)と、通常のワイパ駆動装置C(比較例、従来品)とを、モータを作動させることによってカムプレート24を回転させて、コンタクトレバーをカムプレート24に連続的に摺接させた。このときの各ワイパ駆動装置から放射される放射ノイズを、各ワイパ駆動装置から1m離れた場所に配置したアンテナに誘起される電圧としてスペクトラムアナライザを用いて、0.15〜1000MHzまでの帯域にわたって測定した。図5に結果の一部を示す。なお、図5の縦軸は電界強度、横軸は周波数を示す。
【0040】
図5に示されるように、それぞれ抵抗52、54のみを有するノイズ低減回路部50A、50Bを備えたワイパ駆動装置Aと、抵抗74及びコンデンサ76と抵抗78及びコンデンサ80とを有するノイズ低減回路部72A、72Bを備えたワイパ駆動装置Bとでは、従来品のワイパ駆動装置に認められるような、多数の細かく急激に変化する、所謂ヒゲ状の電圧は殆ど検出されなかった。特に、30〜54MHz、68〜108MHz、144〜174MHzの周波数域において有効であり、この結果、ノイズの発生を顕著に低減させることができた。この範囲の周波数帯は、種々の通信放送に影響のある周波数帯である。この結果、ラジオ等に対する雑音を効果的に抑えることができる。
【0041】
また、抵抗74、78及びコンデンサ76、80を有するノイズ低減回路部72A、72Bを備えたワイパ駆動装置Bの方が、抵抗52、54を有するノイズ低減回路部50A、50Bを備えたワイパ駆動装置Aよりも、ノイズの発生を一層効果的に低減することができた。これにより、コンデンサ76、80も備えたノイズ低減回路部72が一層有効であることが示された。
【0042】
次に、カムプレート24に対して各コンタクトレバーが摺動することにより発生する接点電位差のみについて測定した。
【0043】
ノイズ低減回路部50以外は本発明の実施の形態で用いられたワイパ駆動装置10と同一である3種のワイパ駆動装置、即ち、抵抗(10KΩ)のみを有するノイズ低減回路部を備えたワイパ駆動装置D、コンデンサ(0.1μF)のみを有するノイズ低減回路部を備えたワイパ駆動装置Eと、従来品のワイパ駆動装置Fを用いた。これらのワイパ駆動装置を各々手動で操作して、カムプレート24を回転させることによって、各コンタクトレバーをカムプレート24に連続的に摺接させた。このときの電圧をアナライジングレコーダを用いて測定した。結果の一部(Sコンタクトレバー32と+コンタクトレバー34との間の電圧、10秒間)を図6に示す。なお、図6の縦軸は電圧(mV)、横軸は時間(秒)を示し、図6において、(A)はワイパ駆動装置Dの結果、(B)はワイパ駆動装置Eの結果、(C)はワイパ駆動装置Fの結果を各々示す。
【0044】
図6に示されるように、抵抗又はコンデンサを有するノイズ低減回路部を備えたワイパ駆動装置D及びEでは、測定可能な電圧は殆どなく、従来品のワイパ駆動装置Fにおいて、10mVを中心として測定時間の全体に認められるような電圧(最大値;37mV、図6(C)参照)は測定されなかった。この結果、カムプレート24とコンタクトレバーとが接触することによってのみ発生する接点電位差を、顕著に低減できることが明らかとなった。これにより、抵抗又はコンデンサを備えたノイズ低減回路部を備えることによって、ノイズ電圧を消費又は吸収してノイズの発生を効果的に低減することができる。
【0045】
また、抵抗のみのノイズ低減回路部を備えたワイパ駆動装置D(図6(A)参照)では、コンデンサのみのノイズ低減回路部を備えたワイパ駆動装置E(図6(B)参照)よりも、測定可能な電圧の発生が少なく、より効果的に接点電位差の発生を低減できることが示された。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、抵抗を有するノイズ低減回路部を備えることによって、回転する回転電極に第1の固定接点及び第2の固定接点を摺接させるために発生し、ノイズの原因となるノイズ電圧を効果的に消費するので、ノイズの発生を防止することができる。
【0047】
また、ノイズ低減回路部に抵抗及び/又はコンデンサを含めることによって、回転する回転電極に第1の固定接点及び第2の固定接点を摺接させるために発生し、ノイズの原因となるノイズ電圧を適度に放電するので、ノイズの発生を一層効果的に低減させることができる。
【0048】
これにより、簡単な構成で安価にノイズの発生を効果的に防止して、ラジオ等に雑音が入ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ駆動装置の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ駆動装置のギア部の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ駆動装置の回路図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ駆動装置の回路図である。
【図5】本発明の実施例に係るワイパ駆動装置の周波数と電界強度との関係を示すチャートである。
【図6】本発明の実施例に係るワイパ駆動装置を手動操作したときの電圧の発生を経時的に示すチャートである。
【図7】従来のワイパ駆動装置の周波数と電界強度との関係を示すチャートである。
【符号の説明】
10 ワイパ駆動装置
12 モータ部
14 ギア部
16 回転ギアホイール
24 カムプレート(回転電極)
24A 導電部分
24B 非導電部分
26 突出部
28 切欠き部
30 +コンタクトレバー(第2の固定接点)
32 Sコンタクトレバー(第1の固定接点)
34 −コンタクトレバー(第2の固定接点)
40 ワイパスイッチ
50 ノイズ低減回路部
52、54 抵抗
70 ノイズ低減回路部
72、76 抵抗
74、80 コンデンサ
Claims (2)
- 導電部及び非導電部により所定の導電パターンが形成され、ワイパを駆動するモータ部によって回転駆動される回転電極に、第1の固定接点及び少なくとも1つの第2の固定接点を摺接させ、回転する前記回転電極の導電部へ前記第1の固定接点及び前記第2の固定接点が共に接触することにより回路が閉じられて、前記モータ部へ所定の電圧が印加されることによりワイパが駆動される電圧印加の回路を有するワイパ駆動装置であって、
前記第1の固定接点と前記少なくとも1つの第2の固定接点との間に、前記第1の固定接点及び前記第2の固定接点と前記導電部との間に発生するノイズ電圧のうち、200MHz以下の周波数帯のノイズ電圧を吸収又は消費するノイズ低減回路部を備えた
ことを特徴とするワイパ駆動装置。 - 前記ノイズ低減回路部は、所定の抵抗値の電気抵抗及び所定の静電容量のコンデンサの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のワイパ駆動装置。
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