JP4299693B2 - コークス収縮率の測定方法及びそれを用いたコークス粒径の推定方法 - Google Patents

コークス収縮率の測定方法及びそれを用いたコークス粒径の推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、コークス炉で石炭を乾留して形成されるコークス粒径の推定方法に関するものであり、さらにコークス粒径の推定に用いられるコークス収縮率の測定方法、並びにコークスの製造方法に関するものである。
室炉式コークス炉によって高炉用コークスを製造するに当たり、製造したコークス粒径(平均粒径)を常に一定以上の値に保持することは、高炉の通気性を確保し安定操業を実現する上で不可欠である。そこで、室炉式コークス炉で製造されるコークスの粒径を推定する各種の方法が検討され、コークス粒径制御技術の開発が行われてきた。
コークスを製造するに際し、できるかぎりコークス粒径を大きくする手段として、コークス炉炉温を低下させる方法、あるいは低収縮率炭材を配合する方法が知られている。
特許文献1には、コークス炉における加熱条件や配合条件を大幅に変更する場合におけるコークス粒径推定精度を向上することを目的に、コークス塊内に発生する引張応力とそのときの引張強度に基づいてコークス粒径を推定する方法が開示されている。コークス化した配合炭の引張強度については、配合炭により製造したコークスについて強度試験を行うことによって求める。石炭がコークスに炭化する際にコークス化した配合炭に加わる引張応力は、大変形熱弾性体の歪増分理論に基づき有限要素法により計算できるとしている。
特許文献2においては、試験炉から窯出しされたコークスケーキの頭部をX線コンピュータ断層装置によって断層撮影し、これからコークスの平均粒径を求める方法が開示されている。試験炉で製造したコークスから、試料のサンプリング、篩分けを行って平均粒度を求める従来法に比較し、コークスの平均粒度を短時間で知ることができるとしている。
特許文献3においては、乾留時の固化後に現れる熱収縮率の第1次ピークの大きな原料炭を炉幅方向において炉壁側に配置する方法が記載されている。熱収縮率の第1次ピークの測定にあたっては、最高熱処理温度は再固化温度までとし、その後線収縮率を別の装置で測定している。炉幅方向に石炭の線収縮率パターンが異なる石炭を層別装入することにより、大粒径のコークスを容易に製造することが可能であるとしている。また、配合炭の各構成炭の線収縮率の第1次ピークを求めておいて、その値と配合割合から配合炭の線収縮率の第1次ピークを算出することができるとしている。
特開平9−67579号公報 特開平5−223725号公報 特開平11−131075号公報
コークス製造においては、配合する炭種とその配合率が常に一定に保持されるわけではなく、種々の要因に基づいて配合炭種や配合率の変更が行われる。配合炭を変更した際においても、目標とするコークス粒径を常に維持することが要請される。従って、配合炭の変更に際しては、変更後において目標コークス粒径を確保できるよう、コークス粒径を正確に推定することが必要であり、推定したコークス粒径が目標コークス粒径に一致するように石炭の配合を設計することが重要である。
特許文献1に記載の方法では、コークス粒径推定に使用するコークス強度については、配合炭により製造したコークスについて強度試験を行うことによって求めている。従って、候補とする配合について実際にコークス乾留を行わないとコークス粒径の推定を行うことができず、これでは配合炭種の変更に際して所定のコークス粒径を得ることのできる配合を迅速に選択することができない。
特許文献2に記載の方法についても、試験炉でコークスケーキを乾留することが必要であり、特許文献1に記載の方法と同様、迅速なコークス粒径の推定を行うことができない。
特許文献3に記載の方法においては、配合炭の各構成炭の線収縮率の第1次ピークを求めておいて、その値と配合割合から配合炭の線収縮率の第1次ピークを算出することができるとしているので、候補にする配合炭毎に試験乾留を行う必要はない。一方、特許文献3に記載された線収縮率の測定方法を用いたのでは、コークス粒径の推定精度が低く、コークス粒径の推定に用いることができないという問題を有していた。
本発明は、候補とする配合炭毎に試験乾留を行う必要がなく、同時に精度の高いコークス粒径の推定を可能とするコークス粒径の推定方法を提供することを目的とし、またそのために必要とするコークス収縮率の測定方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)石炭の再固化温度以上1000℃以下の範囲で温度T(℃)を定め、コークス炉装入用の石炭1を容器2内において前記温度T(℃)まで加熱し、再固化温度と温度Tとにおける内容物の容積差又は長さ差を再固化温度における容積又は長さで除した値をその石炭から生成したコークスの温度Tにおける収縮率とすることを特徴とするコークス収縮率の測定方法。
(2)容器2は外部細管4と内部細管3の二重構造であり、内部細管3の表面には多数の孔5が設けられてなることを特徴とする上記(1)に記載のコークス収縮率の測定方法。
(3)内部細管3と石炭1との間に石炭の再固化温度以下で消失する薄シート9を装入することを特徴とする上記(2)に記載のコークス収縮率の測定方法。
(4)内容物の容積又は長さの単位温度当たりにおける減少率が極大となる温度をもって石炭の再固化温度とすることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のコークス収縮率の測定方法。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のコークス収縮率の測定方法によって単味炭のコークス収縮率を測定し、該測定した単味炭のコークス収縮率を配合割合で加重平均して配合炭のコークス収縮率を求め、予め種々の配合炭のコークス粒径と当該配合炭のコークス収縮率との関係を関数として定めておき、候補とする配合炭のコークス収縮率を前記関数に代入して当該候補とする配合炭のコークス粒径を推定することを特徴とするコークス粒径の推定方法。
(6)上記(5)に記載のコークス粒径の推定方法を用いて求めたコークス粒径が45mm以上となるように、配合炭を構成する各単味炭の配合比を調整することを特徴とするコークスの製造方法。
(7)温度Tを1000℃とし、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のコークス収縮率の測定方法によって単味炭のコークス収縮率を測定し、該測定した単味炭のコークス収縮率を配合割合で加重平均して求めた配合炭のコークス収縮率が14.5%以下となるように、配合炭を構成する各単味炭の配合比を調整することを特徴とするコークスの製造方法。
本発明のコークス収縮率の測定方法及びその測定方法を用いたコークス粒径の推定方法により、候補とする配合炭毎に試験乾留を行う必要がなく、同時に精度の高いコークス粒径の推定が可能になる。
本発明は、コークス収縮率の測定において、コークス炉装入用の石炭1を容器内において石炭の再固化温度以上の温度T(℃)まで加熱することを特徴とする。石炭の再固化温度は通常500℃前後である。Tを例えば1000℃と定め、石炭を容器内において常温から1000℃まで加熱する。石炭は400℃前後で収縮を開始し、再固化温度を経て1000℃まで収縮を続ける。500℃前後で軟化溶融した石炭が再固化してからの収縮は、石炭(再固化しているのでセミコークスあるいはコークス)そのものの収縮である。一方、400℃前後で始まる収縮は、石炭が軟化溶融し、石炭粒子間の空隙が軟化溶融した石炭が流れ込むことによって消失するために発生する見掛上の体積変化であり、石炭そのものの収縮ではないが、ここではこの現象も収縮と呼ぶことにする。
ここで、再固化温度での内容物の容積をVR、温度Tでの内容物の容積をVTとおく。温度Tでのコークス収縮率R(−)を以下の式で定義することができる。
R=(VR−VT)/VR (1)
あるいは、コークス収縮率を長さ収縮率と定義しても良い。再固化温度での内容物の長さをLR、温度Tでの内容物の長さをLTとおくと、温度Tでのコークス収縮率R(−)を以下の式で定義することができる。
R=(LR−LT)/LR (2)
ここにおいて、石炭の再固化温度を特定することが必要となる。上記コークス収縮率の測定において、単位温度変化あたりの収縮率の変化を収縮係数(−/K)と定義し、収縮係数と温度との関係を観察すると、石炭の再固化温度直前の温度領域において収縮係数が減少し、再固化温度直後の温度領域で収縮係数が急激に増大することがわかる。従って、収縮係数の変化を観察し、収縮係数が急増した温度を石炭の再固化温度として特定することが可能である。
以下の説明で、特に断らない限り、「コークス収縮率」とはT=1000℃におけるコークス収縮率を意味するものとする。
特許文献3に記載された石炭の線収縮率の測定方法においては、最高熱処理温度は再固化温度までとし、その後冷却して線収縮率を別の装置で測定している。特許文献3に記載の方法で測定した線収縮率を用いてコークス粒径の推定を行うと、推定精度が低いという問題があった。コークス粒径の推定精度が低かった原因は、線収縮率の測定に当たって石炭を再固化温度まで加熱した後に一度冷却し、その後別の装置で線収縮率を測定しているためであることが判明した。
本発明においては、石炭を再固化温度以上の温度まで連続して加熱し、再固化温度以上の温度Tにおいて上記のような方法でコークス収縮率を測定しているので、得られたコークス収縮率を用いてコークス粒径を推定すると高い推定精度でコークス粒径を推定することができるのである。
本発明方法でコークス収縮率を測定するに際し、石炭1を装入する容器2は長手方向の断面形状が一定の筒状とすると好ましい。筒状の容器2の上方を開放し、装入した石炭1の上端に接してピストン6を配置する。ピストン6は、石炭の膨張、収縮に伴って上昇、下降することが可能であり、ピストン6の位置を計測することによって容器内における石炭1の長さLを測定し、このLの値に基づいて収縮率を算出する。
ここにおいて、石炭が軟化溶融する際に大きく膨張すると、容器の壁とピストンとの間に溶融した石炭が入り込み、再固化後にピストンの移動が拘束されてしまう場合がある。これではピストンが石炭の収縮に伴って移動することができず、収縮率の測定ができなくなる。
本発明においては図1に示すように、石炭1を装入する容器2を外部細管4と内部細管3の二重構造とし、内部細管3の表面には多数の孔5を設けることとすると好ましい。石炭1の軟化溶融時に発生したガスがこの孔6を通して内部細管3の外側に排出されるので、溶融した石炭が容器2の壁とピストン6との間に入り込む現象を防止することができる。そのため、再固化後にピストン6の移動が拘束されることがなく、良好にコークス収縮率の測定を行うことが可能になる。
内部細管3の表面に設ける孔5の形状については、石炭1が孔5を通して排出されない程度の大きさであって、ガスのみが排出される程度の個数を配置すればよい。例えば、内径8mm、外径14.5mmの内部細管3を用いる場合、直径1mmの孔5を円周方向8箇所、高さ方向に2mm間隔で合計368個開口することにより、良好なコークス収縮率の測定を行うことができる。
外部細管4の上端には蓋10を設けると好ましい。これは、ピストンと内部細管の軸のずれを防止するためのガイドの役目をする。
内部細管、外部細管、ピストンの材質については、1000℃までの高温に耐え、石炭から発生する硫黄分を含む熱分解ガスによって容易に腐食しない材質であればどのようなものでも良いが、繰り返し高温使用に耐える点からSUS材等が好ましい。また、なるべく高温での膨張率が低く、かつ耐摩耗性に優れた素材を選択することが好ましい。また、外部細管の形状については、内部細管がスムーズに入り、かつ、内部細管からのガス抜けが容易であるようなものならどのような物でも良いが、内径16mm、外径24mm程度のものが好ましい。ピストン形状については、ガス抜けを容易にするため、先端部よりも中間部が細くなっているような構造が好ましい。
本発明においてはさらに、内部細管3と石炭1との間に石炭軟化溶融時に発生する熱分解ガスが通過可能な薄シート9を装入すると好ましい。石炭軟化溶融時に発生する熱分解ガスが通過可能な薄シート9とは、最も好ましくは紙を用いることができる。内部細管3の内側に沿うように薄シート9を装入することにより、細管の孔5から石炭1が漏れるのを防止することができ、さらにセミコークスと細管壁面の摩擦抵抗を低減してセミコークスの高さ方向収縮をスムーズに進行させることが可能となる。紙の石炭試料に接触する側には、エタノールに懸濁させたグラファイトを塗布すると好ましい。エタノールの役目はグラファイトを分散させるためであり、グラファイトが分散する溶剤であれば特にエタノールにこだわるものではない。また、グラファイトを用いるのは1000℃までの無酸素雰囲気での加熱で安定な物質であるためである。その他、紙はもともと紙繊維の間に無数の隙間があり、微細な孔が無数にあいており、さらに1000℃までの無酸素雰囲気での加熱しても消失せずに、炭化するだけであり、形状を変化させないという点において最も好ましい。用いる紙としてはどのようなものでもよく、なるべく薄い紙が好ましく、ガス抜きという点ではたとえばごく薄い和紙や濾紙のように、開孔率が大きい紙を用いることが好ましい。
内部細管3の中に石炭試料を装入し、ヒーター8によって石炭を昇温する。昇温速度としては1〜10℃/min程度とすると好ましいが、3℃/minとすることがより好ましい。ピストンの上下方向の動きをレーザー変位計7などによって計測し、これから容器内の石炭1の長さLを算出する。温度Tまで昇温し、前述の手順に基づいて温度Tにおけるコークス収縮率Rを計算する。
なお、昇温に起因してピストン6が熱膨張するため、レーザー変位計7で計測した変位量は実際のコークス収縮量よりも小さく測定される。そのため、ピストン膨張の影響をブランクでの実績値をもとに温度の関数として求めておき、石炭の長さ算出時に補正を加えると良い。
図1に示すような測定装置を用い、コークス収縮率の測定を行った。石炭容器は外部細管4と内部細管3の二重構造としている。内部細管3は内径8mm、外径14.5mmのSUS製の円筒形容器であり、直径1mmの孔5が円周方向8箇所、高さ方向に2mm間隔で合計368個設けられている。外部細管4は内部細管3と同心円状に配置されており、外部細管4の材質はSUS、内径は16mm、外径は24mmである。内部細管内には上方からピストン6を装入可能であり、ピストン6の下端部は直径が7.5mmであり、内部細管3に装入した石炭1の上端に接するように配置される。ピストン6の上下方向位置はレーザー変位計7により計測することができる。外部細管4の外側にはヒーター8が配置され、内部細管3の中に装入した石炭1の温度を1300℃まで加熱することができる。
内部細管3の内周に沿うように厚み約50μmの紙9を装入し、その中に−3mmに粉砕した石炭を1.25g装入した上で、ヒーター8によって3℃/分の昇温速度で1000℃まで昇温する。ピストン6の位置に基づいて昇温中の石炭1の長さを連続的に計測する。昇温中において、単位温度変化あたりの石炭長さの変化を算出して長さ変化率とし、温度との関係を観察する。温度400〜550℃の領域において、長さ変化率が減少しその後急激に増大する温度を見出し、この温度を石炭の再固化温度とする。次いで、前述の(2)式に基づいて1000℃におけるコークス収縮率を求める。
銘柄Aの石炭を用いて測定した結果を図2に示す。図2(a)は温度と石炭長さの関係を示す図であり、約400℃で石炭は軟化溶融し、その後ピストンが沈下して石炭の長さが減少している様子がわかる。すなわち、軟化溶融後に石炭の膨張は起こっておらず、これは内部細管3に開口した多数の孔5から熱分解ガスが抜けて石炭の膨張が抑制されたためであると考えられる。そのため、軟化溶融した石炭の膨張に起因してピストンが固着する現象が発生せず、500℃以上の温度でもピストンは低下し続けており、再固化温度以上の温度におけるコークス収縮挙動を正確に測定していることがわかる。
図2(b)は480℃近傍における温度上昇に伴う石炭長さ変化を拡大した図である。487℃を境に石炭長さ変動挙動が大きく代わり、長さが急激に低下していることがわかる。従ってこの温度を再固化温度と特定した。
再固化温度におけるコークス長さを1とし、各温度におけるコークス相対長さを計算した結果を図2(c)に示す。また、コークス相対長さの温度変化率であるコークス収縮係数を図2(d)に示す。再固化直後の収縮係数が最も大きく、また約700℃に存在する収縮係数の極大値は水素脱離に伴う現象であると考えられる。
図3に石炭銘柄毎の石炭化度(Ro)と1000℃におけるコークス収縮率の関係を示す。図より、石炭化度が高いほどコークス収縮率が小さくなる傾向が見られると同時に、同一の石炭化度であっても石炭銘柄によってコークス収縮率が大きくばらついていることが明らかである。
次に、上記本発明のコークス収縮率を用いて配合炭のコークス粒径を推定する方法について説明する。以下の説明において特に断らない限り、配合炭のコークス粒径とは、JIS K2151 コークス類試験方法の粒度試験法によって測定された粒度分布より求めた平均粒度のことを示す。試験炉で製造したコークスの場合は、乾留後のコークスについて、シャッター処理を行わずに粒度分布を測定してドラム試験用の試料を採取し、ドラム30回転衝撃後の+25mmの平均粒度をもってコークス粒径としている。
本発明のコークス粒径の推定方法においては、配合に用いる各単味炭のコークス収縮率を上記本発明のコークス収縮率の測定方法によって測定し、得られた各単味炭のコークス収縮率を配合割合に応じて加重平均することによって配合炭のコークス収縮率を求める。配合炭のコークス粒径は、求めた配合炭のコークス収縮率の関数として定めることができる。通常は求めた配合炭のコークス収縮率の一次関数として表すことができる。例えば、
配合炭のコークス粒径=a+b×配合炭のコークス収縮率 (3)
の形で求めることができる。
ここで、上記(3)式に代表される関数の形を求める方法について説明する。
配合炭に使用する各石炭銘柄毎に、上記本発明のコークス収縮率の測定方法によってコークス収縮率を測定し、各単味炭のコークス収縮率とする。次に、種々の配合における配合炭を用いてコークスを製造し、コークス粒径を前記方法によって測定する。また、それぞれの配合炭におけるコークス収縮率を、求めた各単味炭のコークス収縮率を配合割合に応じて加重平均することによって算出する。こうして得られた各配合炭のコークス粒径実測値とコークス収縮率計算値に基づき、回帰分析などの手法を用いて(3)式の係数a、bを定めることができる。
以上のようにして(3)式の係数a、bを定めた後は、配合炭の配合設計に際し、すでに測定されている各単味炭のコークス収縮率を用い、候補とする配合炭の配合比率に応じて加重平均することにより配合炭のコークス収縮率を求め、(3)式に代入してその候補とする配合炭のコークス粒径を推定することが可能になる。
配合炭のコークス粒径を推定する方法に関し、単味炭コークス収縮率測定値を配合比率で加重平均した値に基づいて推定する方法(本発明方法)と単味炭の石炭化度を配合比率で加重平均した値に基づいて推定する方法(従来法)について推定精度の比較を行う。
図4(a)は本発明方法、図4(b)は従来法を用いた結果を示す。いずれの図においても、縦軸は配合炭のコークス粒径実測値である。図4(a)の横軸は単味炭コークス収縮率測定値を配合比率で加重平均した値、図4(b)の横軸は単味炭の石炭化度を配合比率で加重平均した値である。図4(b)に示す従来法はデータのばらつきが極めて大きい(R2=0.111)。それに対し、図4(a)に示す本発明方法ではデータのばらつきが最も小さく(R2=0.789)、本発明のコークス粒径の推定方法を用いることにより、配合炭のコークス粒径が精度良く推定できることが明らかである。
本発明のコークス粒径の推定方法においては、配合に用いる各単味炭のコークス収縮率を本発明のコークス収縮率の測定方法を用いてあらかじめ求めておき、併せて(3)式に代表されるような関係式の係数をあらかじめ求めておけばよい。配合設計を変更しようとするときは、求めておいた各単味炭のコークス収縮率を用い、候補とする配合炭の配合比率によって加重平均することによって配合炭のコークス収縮率を計算し、計算した配合炭のコークス収縮率を(3)式に代入することによって配合炭のコークス粒径を推定することができる。本発明のコークス収縮率の測定方法は精度の高い測定を可能とするので、コークス粒径の推定精度を高い精度とすることができる。また、あらかじめ測定した各単味炭のコークス収縮率を用いて計算を行うことができるので、候補とする配合炭毎に実際に試験乾留を行う必要がない。従って、迅速かつ簡易に候補とする配合炭のコークス粒径を推定することが可能である。
本発明のコークスの製造方法においては、上記本発明のコークス粒径の推定方法を用いて求めたコークス粒径が45mm以上となるように、配合炭を構成する各単味炭の配合比を調整することとすると好ましい。本発明のコークス粒径の推定方法を用いることにより、精度良くコークス粒径を推定することができ、目標とするコークス粒径に近い実績コークス粒径が得られるからである。コークス粒径を45mm以上としたのは、これにより高炉の通気性を確保し安定操業を実現することが可能となるからである。
本発明のコークスの製造方法においては、上記本発明のコークス収縮率の測定方法を用いて求めた配合炭のコークス収縮率の加重平均値が14.5%以下となるように、配合炭を構成する各単味炭の配合比を調整することとすると好ましい。本発明のコークス収縮率の測定方法を用いることにより、目標とするコークス粒径に近い実績コークス粒径が得られるからである。コークス収縮率の加重平均値を14.5%以下としたのは、これによりコークス粒径を安定して45mm以上とすることが可能となるからである。
A製鉄所のコークス工場におけるコークス粒度の推移を図5に示す。期間Aは本発明を実施する前、期間B、Cは本発明実施後である。また、期間A(4日目)、期間B(13日目)及び期間C(24日目)で使用した配合炭の各単味炭の配合比、収縮率加重平均(本発明測定方法で求めた値)、コークス粒径(実測値)の代表例を表1に示す。
Figure 0004299693
図5から明らかなように、期間Aにおいては、本発明法の配合炭のコークス収縮率測定に基づいたコークス粒度の推定および各単味炭の配合比の調整は実施していないため、コークス粒度は大きくばらつき、目標値である45mmを下回る場合もあることがわかる。一方、本発明法によるコークス粒度の推定および各単味炭の配合比の調整を実施した期間Bでは、目標値である45mmを下回ることはなくなっている。また、期間Cにおいては、コークス粒度の目標値を46mmと変更したが、本発明法のコークス粒径推定方法および単味炭の配合比の調整を実施することにより、目標粒度46mm以上を安定して維持することができた。
また、図6には、図5の期間A、B、およびCで使用した配合炭の各単味炭の配合比を基に本発明法で測定し求めた配合炭の収縮率加重平均値とコークス粒径(実測値)との関係を示す。実コークス炉を用いて得られたコークス粒度は、本発明法により測定し求められた配合炭のコークス収縮率加重平均値と良い相関関係がある。
本発明のコークス収縮率を測定する装置を示す図であり、(a)は全体断面図、(b)は部分断面図、(c)は内部細管の平面断面図である。 コークス収縮率の測定状況を示すグラフであり、(a)は温度とコークス長さの関係、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は温度とコークス収縮率との関係、(d)は温度とコークス収縮係数との関係を示す図である。 本発明方法で測定したコークス収縮率と石炭化度との関係を示す図である。 各種推定パラメータと配合炭のコークス粒径実測値との関係を示す図であり、(a)は単味炭コークス収縮率測定値を配合比率で加重平均した値との関係(本発明方法)、(b)は単味炭の石炭化度を配合比率で加重平均した値との関係(従来法)を示す図である。 コークス工場におけるコークス粒度の推移を示す図である。 本発明法で測定し求めた配合炭の収縮率加重平均値とコークス粒径(実測値)との関係を示す図である。
符号の説明
1 石炭
2 容器
3 内部細管
4 外部細管
5 孔
6 ピストン
7 レーザー変位計
8 ヒーター
9 薄シート(紙)
10 蓋

Claims (7)

  1. 石炭の再固化温度以上1000℃以下の範囲で温度T(℃)を定め、コークス炉装入用の石炭を容器内において前記温度T(℃)まで加熱し、再固化温度と温度Tとにおける内容物の容積差又は長さ差を再固化温度における容積又は長さで除した値をその石炭から生成したコークスの温度Tにおける収縮率とすることを特徴とするコークス収縮率の測定方法。
  2. 前記容器は外部細管と内部細管の二重構造であり、内部細管の表面には多数の孔が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載のコークス収縮率の測定方法。
  3. 内部細管と石炭との間に石炭軟化溶融時に発生する熱分解ガスが通過可能な薄シートを装入することを特徴とする請求項2に記載のコークス収縮率の測定方法。
  4. 内容物の容積又は長さの単位温度当たりにおける減少率が極大となる温度をもって石炭の再固化温度とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコークス収縮率の測定方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のコークス収縮率の測定方法によって単味炭のコークス収縮率を測定し、該測定した単味炭のコークス収縮率を配合割合で加重平均して配合炭のコークス収縮率を求め、
    予め種々の配合炭のコークス粒径と当該配合炭のコークス収縮率との関係を関数として定めておき、
    候補とする配合炭のコークス収縮率を前記関数に代入して当該候補とする配合炭のコークス粒径を推定することを特徴とするコークス粒径の推定方法。
  6. 請求項5に記載のコークス粒径の推定方法を用いて求めたコークス粒径が45mm以上となるように、配合炭を構成する各単味炭の配合比を調整することを特徴とするコークスの製造方法。
  7. 温度Tを1000℃とし、請求項1乃至4のいずれかに記載のコークス収縮率の測定方法によって単味炭のコークス収縮率を測定し、該測定した単味炭のコークス収縮率を配合割合で加重平均して求めた配合炭のコークス収縮率が14.5%以下となるように、配合炭を構成する各単味炭の配合比を調整することを特徴とするコークスの製造方法。
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