JP4299397B2 - スライムコントロール方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙パルプ製造工程のパルプスラリーおよび/または白水におけるスライムコントロール方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙パルプ製造工程のパルプスラリーや白水中には、多量の水とパルプに由来する有機物や工程で添加される澱粉などの有機系添加薬品が多く含まれ、しかも温度が30℃〜50℃と、微生物の繁殖にとって非常に好ましい環境となっている。微生物には、粘着性産生物を分泌するものがあり、これはパルプスラリーや白水中の固形物と混合して所謂スライムを形成する原因となる。スライムは、紙パルプ製造工程の種箱、マシンチェスト、ミキシングチェスト、ストックインレット、ワイヤー下白水ピット、白水サイロ、損紙貯蔵タンク、白水移送配管内、ロール、フェルトなどの工程内の各所で発生・付着し、操業に支障を来すばかりか、付着したスライムが剥離してパルプに混入すると紙パルプ製品に“成紙斑点”や“成紙の欠損”など品質上の欠陥を引き起こし、製品の品質を著しく低下させることとなる。
【0003】
このようなスライムの生成を防止するために各種殺微生物剤が用いられており、例えば次亜塩素酸ナトリウム、ハロゲン化ヒダントイン系化合物(特開平8−176996号公報)、2,2−ジブロモ−3−ニトロプロピオンアミド、2−ブロモー4−ヒドロキシアセトフェノン、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン、1−ブロモアセトキシ−2−プロパノール(特開昭52−12247号公報、特公昭52−46285号公報、特開平8−198715号公報)等を使用することが提案されている。
【0004】
有機ハロゲン化系スライムコントロール剤は高価であるため、タイマーと注入ポンプを連動させ、一定間隔で間欠添加する方法が一般的である。例えば、1回につき10分間、1日に4回添加するなどの方法がある。このような間欠添加は、1回のスライムコントロール剤の添加で菌数を大きく減少させ、再び菌が増殖、増加するまでの間は、スライムコントロール剤の添加を行なわない方法で、殺菌剤添加後、約5〜8時間は菌の増殖が小さいことを前提としている。しかし、系の条件が変ったり、あるいは何らかの要因で菌が急速に増殖した場合、その状況に対応できず、前述したように紙パルプの製造や製品の品質に支障を来すことが起こる。
【0005】
スライムコントロール剤の添加量、添加頻度は、パルプスラリーや白水など対象とする水中の菌数を測定して判断しているが、菌数測定は培地を使用し一定期間菌の増殖を行ってからその数を計測するもので、その測定には3日から数日を要する。そのために即座に現場の状況を評価できず、迅速な対応が取れない欠点がある。また、菌数測定は、対象とする菌により使用する培地が異なるなどの問題もある。
【0006】
この他、対象とする水系にステンレス片を吊り下げて表面にスライムを付着させ、付着量により評価する方法がある。この方法では1〜2日で表面にスライムが付き、その付着状況からスライム発生状況を診るには好都合であるが、連続的な推移をみるには多数のステンレス片を吊り下げなければならないなど実用的ではない。
【0007】
このようにスライムコントロールは、工程管理上、連続的に監視する必要があり、簡便、かつ精度の高いスライムコントロール方法が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紙パルプ製造工程においてパルプスラリーおよび/または白水のスライムに対し、連続的に対応できるスライムコントロール方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、紙パルプ製造工程のパルプスラリーおよび/または白水中におけるスライム発生を連続的に抑制する方法を鋭意検討した結果、次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物を有効成分として含むスライムコントロール剤を該パルプスラリーおよび/または白水に添加してなるスライムコントロール方法において、生じた次亜塩素酸および/または次亜臭素酸が、その酸化還元電位と密接に関連し、その酸化性により該パルプスラリーおよび/または白水の酸化還元電位が高くなる一方、スライム発生により酸化還元電位が低下する傾向を示すことに着目し、酸化還元電位でスライムコントロール剤の添加を管理できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本請求項1に係る発明は、紙パルプ製造工程のパルプスラリーおよび/または白水中に、次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物を有効成分として含むスライムコントロール剤を添加してなるスライムコントロール方法において、当該水系の30℃における酸化還元電位を200mVから800mVの範囲で特定の基準値を設定し、該基準値を維持するように該スライムコントロール剤を注入することを特徴とするスライムコントロール方法であり、請求項2に係る発明は、次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物が、クロル化および/またはブロム化ヒダントイン類、クロル化および/またはブロム化イソシアヌル酸またはその塩類であるスライムコントロール方法であり、請求項3に係る発明は、次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物が、1−ブロモ−3−クロロ−ヒダトイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダトイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジエチルヒダトイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダトイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダトイン、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムおよびクロロイソシアヌル酸二ナトリウムから選ばれた1種以上であるスライムコントロール方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明における水中で次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物は、塩素、二酸化塩素、高度さらし粉、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸アンモニウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜臭素酸、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、次亜臭素酸アンモニウム、次亜臭素酸マグネシウム、クロル化および/またはブロム化ヒダントイン類、クロル化および/またはブロム化イソシアヌル酸およびそのナトリウム塩やカリウム塩などがある。また、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化カルシウムなどの無機臭化物と塩素、二酸化塩素、オゾンなどの酸化性化合物を同時に作用させ次亜臭素酸を発生させる方法も本発明に含まれる。また、2種以上の次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物を組み合わせて使用しても差し支えない。
【0013】
次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる好ましい化合物は、クロル化および/またはブロム化ヒダントイン類あるいはクロル化および/またはブロム化イソシアヌル酸およびそのナトリウム塩やカリウム塩であり、特に好ましくは、1−ブロモ−3−クロロ−ヒダトイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダトイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジエチルヒダトイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダトイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダトイン、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、クロロイソシアヌル酸二ナトリウムがある。
【0014】
本発明に係るスライムコントロール剤は、次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物を有効成分として含むものである。次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を生じる化合物を単独に用いる他、これと他の種類のスライムコントロール剤と併用してもよい。
【0015】
スライムコントロール剤を、パルプスラリーおよび/あるいは白水中に添加する方法は特に限定されないが、次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物が錠剤、顆粒、パウダー等固形のものである場合にはそのまま添加するか、あるいは水または有機溶剤に溶解・分散させた液状品として添加するなどの方法がある。例えばクロル化および/またはブロム化ヒダントイン類の場合には、タンクに水を入れ、攪拌下にパウダー状のクロル化および/またはブロム化ヒダントイン類をフィーダーで供給し、水に分散させた後、ポンプでパルプスラリー中や白水中に添加する。
【0016】
本発明は、パルプスラリーおよび/または白水中に次亜塩素酸および/または次亜臭素酸が存在すると、その酸化還元電位が変化することに着目したものである。
【0017】
本発明で使用する酸化還元電位の測定は、一般に市販されている酸化還元電位測定装置であればよく特に限定されるものではない。代表的な例は、内部液に飽和塩化カリウム液を用いた比較電極と白金あるいは金からなる金属電極とから構成されるものが用いられる。酸化還元電位測定装置には指示機能の他に、酸化還元電位の設定コントロール機能を持ったものであればより好ましい。
【0018】
酸化還元電位の測定場所は、本発明に係るスライムコントロール剤を目的の水系に添加し、十分混合された後、好ましくはスライムの発生が多いところ、ないしはその下流となるところである。例えば、パルプスラリーや白水が循環して再利用される調成−抄紙工程では、白水サイロやワイヤー下白水ピット、種箱あるいはミキシングチェスト等の1ヶ所に設置すれば良い。また、酸化還元電位の測定は、連続的に測定するのがより好ましい。
【0019】
パルプスラリーおよび/または白水の酸化還元電位は、パルプ、抄き物、工程により異なるが、一般的には30℃で−100mV〜300mVである。ここに次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を発生させる化合物を添加すると、その酸化性により該水系の酸化還元電位は高くなる。例えば、−100mVの酸化還元電位を持つ水系では、該スライムコントロール剤の添加により、200mV〜500mVに、300mVの酸化還元電位を持つ水系では、該スライムコントロールの添加により、500mV〜800mVとなる。しかし、該水系に菌が存在するとスライムコントロール剤がその殺菌作用により消費され酸化還元電位は下がっていく。従って、水系に次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を発生させる化合物を添加した直後の酸化還元電位と、ある時点の酸化還元電位を比較することにより該水系中のスライムコントロール剤の消費を推察することができることとなる。
【0020】
本発明では、該水系のスライムコントロールができる最適のスライムコントロール剤濃度を別途定め、その濃度に相当する酸化還元電位を基準値とし、この基準値を維持するように、スライムコントロール剤を添加してスライムコントロールを行おうとするものである。
【0021】
酸化還元電位の基準値は、該水系にスライムコントロール剤を添加し、菌数が添加前に比べて10分の1〜100分の1に減少した条件、あるいはアデノシン三リン酸測定装置(例えば、東電波工業(株)製「ATPテスター」)を使ってアデノシン三リン酸量が添加前に比べて10分の1〜100分の1に減少した条件、または微生物増殖曲線測定装置(例えば、東洋測器(株)製「バイオプロッター」やアドバンテック(株)製「バイオフォトレコーダー」)で増殖抑制時間が5時間〜7時間以上になった条件を満たすときの酸化還元電位から決定される。この酸化還元電位の基準値は、30℃において200mV〜800mVにある。本発明においては、該水系の酸化還元電位が基準値を下回ったときはその都度該スライムコントロール剤の注入を開始して基準値を維持するか、または基準値に幅を設け、その下限以下ではスライムコントロール剤を注入し、上限に達したら注入を止めるようにスライムコントロール剤の注入量を制御する。
【0022】
また、酸化還元電位測定装置の指示機能と、本発明に係るスライムコントロール剤の添加装置を電気的に接続することによって、スライムコントロール剤の添加をコントロールすることができ、スライムコントロールの自動化ができるようになり工程管理上好ましい。
【0023】
本発明が適用される紙パルプの工程は、特に限定されるものではなく、酸性抄紙から中性抄紙のいずれでも適用でき、また、紙パルプの種類は問わず、クラフト紙、グラインドパルプ、機械パルプ、脱墨パルプ、上質紙、コート紙、微塗工紙、板紙、中質紙、ライナー、中芯等のいずれでもあってもよい。
【0024】
本発明のスライムコントロール方法の効果を損わない範囲において、他の添加剤を併用することに何ら制限を加えるものではない。
【0025】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
[実施例1]
晒しクラフトパルプ(BKP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、脱墨古紙パルプ(DIP)を用いて中性コート紙(200トン/日)を抄造している工場(水系のpHは7.5)で、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン(BBAB)をミキシングチェスト、種箱や白水サイロに間欠添加してスライムコントロールを行っていた。
【0027】
しかし、十分なスライムコントロール効果が得られず、生菌数6×106個/mL〜9×107個/mLに達することが多く、スライムに起因する成紙斑点、成紙欠点による製品品質の低下、断紙が問題となっていた。
【0028】
その解決策として白水サイロで測定して30℃の酸化還元電位を200mv以上の値に維持しつつ、ハロゲン化ヒダントイン化合物、あるいはハロゲン化イソシアヌル酸化合物を添加してスライムコントロールを行った。
【0029】
工程の概念図を図1に、酸化還元電位の測定とスライムコントロール剤(薬品)注入系の関連を図2に示した。
【0030】
図1において、パルプ(BKP、TMP、DIP)10がコートブロークンチェスト8から供給されたコート損紙11と混ぜられて、ミキシングチェスト1へ移送され、順次マシンチェスト2、種箱3、ストックインレット4を経て抄紙機のワイヤー5で紙層を形成する。ワイヤーで濾過された白水9は、ワイヤー下ピット6に集められて、さらに白水サイロ7に貯蔵される。白水9は、白水ラインによって、ミキシングチェスト1、マシンチェスト2、種箱3、コートブロークンチェスト8に供給される。
【0031】
図2において、スライムコントロール剤30を上蓋29を開けてスライムコントロール剤溶液調製容器28に入れ、流量計27で調節しながら希釈水26を流して分散・溶解させ、製紙工程各所31に供給する。工程内の所定の場所にセットされた酸化還元電位電極21で酸化還元電位(ORP)を測り、得られたORP信号21をORP調整器23に送り、電磁弁調節信号24により電磁弁25をコントロールして所定の酸化還元電位を維持するか、または所定の範囲になるようにコントロールする。
【0032】
[試験に供したスライムコントロール剤]
薬品−A:1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン
薬品−B:1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン
薬品−C:1,3,5−トリクロロイソシアヌル酸
薬品−D:次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素として12%)
【0033】
[結果]
結果を表1に示した。
【0034】
酸化還元電位(表中では、「ORP」と記す)を200mV以上の特定値にコントロールすることにより、自動運転が可能となり、断紙回数の低減、成紙斑点の減少等による品質向上が達成された。
【0035】
【表1】
Figure 0004299397
【0036】
[実施例2]
硫酸バンドを使用した弱酸性抄紙を行ない、白板を150(トン/日)抄造している工場(水系のpHは6.5)で、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン(DDO)を分割して種箱、ミキシングチェスト、マシンチェスト、白水サイロに間欠添加してスライムコントロールを行っていた。しかし、十分な効果がなく、生菌数2×106個/mL〜1×107個/mLに達することが多く、スライムに起因するワイヤー、フェルトへの粘着物汚れ、成紙斑点、成紙欠点による製品品質の低下、断紙が問題となり、1回/1日〜5回/1週間の苛性ソーダ水溶液によるマシン洗浄を行っていた。そのため、操業性に著しい支障を来していた。
【0037】
その解決策として、30℃における酸化還元電位を300mV〜400mVの範囲で管理しつつ、ハロゲン化ヒダントイン化合物、ハロゲン化イソシアヌル酸化合物、あるいは臭化物と次亜塩素酸生成物の組み合わせを添加してスライムコントロールを行った(図2参照)。
【0038】
[試験に供したスライムコントロール剤]
薬品−E:1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン
薬品−F:ジクロロイソシアヌル酸カリウム
薬品−G:臭化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素12%)(NaBr中のBrと発生するHOClのモル比は、1:1.5)
薬品−H:臭化アンモニウムとジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
(NH4Br中のBrと発生するHOClのモル比は、1:5)
【0039】
[結果]
結果を表2に示した。
【0040】
1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(薬品−E)、ジクロロイソシアヌル酸カリウム(薬品−F)、臭化物と次亜塩素酸ナトリウム水溶液(薬品G〜H)の酸化還元電位コントロールによる自動添加により問題は解決し、断紙の改善、成紙斑点等の減少による品質向上が達成された。
【0041】
【表2】
Figure 0004299397
【0042】
表1、2の結果から、本発明のスライムコントロール方法は、酸性抄紙、中性抄紙のいずれでも極めて高いスライムコントロール効果を発揮することが認められた。
【0043】
【発明の効果】
本発明のスライムコントロール方法によれば、紙パルプ製造工程のパルプスラリーおよび白水の連続的スライムコントロールが可能となり、これにより、操業性や製品品質を損なうことがなくなり、紙パルプ工業に益するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における製紙工程の概念図。
【図2】 酸化還元電位の測定とスライムコントロール剤(薬品)注入系の関連図。
【符号の説明】
1:ミキシングチェスト
2:マシンチェスト
3:種箱
4:ストックインレット
5:ワイヤー
6:ワイヤー下白水ピット
7:白水サイロ
8:コートブロークンチェスト
9:白水
10:パルプ(BNKP、TMP、DIP)
11:コート損紙
21:酸化還元電位(ORP)電極
22:ORP信号
23:ORP調整器
24:電磁弁調節信号
25:電磁弁
26:希釈水
27:流量計
28:スライムコントロール剤溶液調製容器
29:上蓋
30:スライムコントロール剤
31:製紙工程各所(ミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱、コートブロークンチェスト)

Claims (3)

  1. 紙パルプ製造工程のパルプスラリーおよび/または白水中に、次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物を有効成分として含むスライムコントロール剤を添加してなるスライムコントロール方法において、当該水系の30℃における酸化還元電位を200mVから800mVの範囲で特定の基準値を設定し、該基準値を維持するように該スライムコントロール剤を注入することを特徴とするスライムコントロール方法。
  2. 次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物が、クロル化および/またはブロム化ヒダントイン類、クロル化および/またはブロム化イソシアヌル酸またはその塩類である請求項1記載のスライムコントロール方法。
  3. 次亜塩素酸および/または次亜臭素酸を生じる化合物が、1−ブロモ−3−クロロ−ヒダトイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダトイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジエチルヒダトイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダトイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダトイン、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムおよびクロロイソシアヌル酸二ナトリウムから選ばれた1種以上である特許請求項1または2記載のスライムコントロール方法。
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