JP5800545B2 - スライムを抑制する方法 - Google Patents

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本発明は、紙原料から抄紙を行う水系におけるスライムを抑制する方法に関する。
紙原料から抄紙を行う水系等は、高濃度の有機物を含み、温暖な環境条件であるため、細菌によるスライム(生物膜)が発生し、断紙等の生産性の低下や、紙の斑点や欠損等の品質低下等の障害を引き起こす。スライムの発生が著しい場合には、硫化水素発生による作業環境、地域環境の悪化が懸念される。
このような障害を防止するために、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化性殺菌剤が用いられ、かかる酸化性殺菌剤を、スライム抑制に効果的な箇所に定期的(例えば1日に3回程度)に添加している。
しかし、酸化性殺菌剤の過剰添加は、環境保護や薬剤コストの面で好ましくないところ、酸化還元電位が、酸化性殺菌剤の残留濃度の増加に伴って上昇する一方、スライムが形成されやすい環境になるにつれ下降することが知られている。このため、従来、酸化還元電位を測定し、その測定値に基づいて酸化性殺菌剤の添加量を調節する技術が開発されている(特許文献1、2)。
特開2000−256993号公報 特開2006−346640号公報
しかし、従来の技術では、酸化性殺菌剤の添加箇所における酸化還元電位の測定値の変化に基づいて、酸化性殺菌剤の添加量を調節しているにもかかわらず、スライムを充分に抑制できない場合が頻繁に生じている。ここで、スライムをより確実に抑制するためには、酸化性殺菌剤の添加量を余分に高く設定することが考えられるが、この場合には酸化性殺菌剤の添加量の低減という初期の目的を達成することができない。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、酸化性殺菌剤を用いてスライムを効率的に抑制できるスライム抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、酸化性殺菌剤を添加すべき箇所の環境変化を、それよりも上流における酸化還元電位が早期かつ明確に反映することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1) 紙原料から抄紙を行う水系におけるスライムを抑制する方法であって、
酸化性殺菌剤を前記水系の添加箇所に添加する工程と、
前記添加箇所よりも上流に位置する測定箇所において酸化還元電位を測定し、その測定値に基づいて前記酸化性殺菌剤の添加量を調節する工程と、を有する方法。
(2) 前記添加箇所は、互いに異なる複数の箇所であり、
前記測定箇所は、複数の添加箇所のうち少なくとも、対応する添加箇所より上流に位置する(1)記載の方法。
(3) 前記測定箇所は、紙原料からパルプを製造する原料系を含み、
前記添加箇所は、前記パルプを調成し、抄紙する調成・抄紙系を含む(1)又は(2)記載の方法。
(4) 前記測定箇所は、紙原料からパルプを製造する原料系及び/又は前記パルプを調成し抄紙する調成・抄紙系を含み、
前記添加箇所は、前記調成・抄紙系から白水を回収する回収系を含む(1)又は(2)記載の方法。
(5) 前記酸化性殺菌剤の添加量を、所定の下限値以上に維持する(1)から(4)いずれか記載の方法。
本発明によれば、酸化性殺菌剤の添加量を、その添加箇所よりも上流における酸化還元電位の測定値に基づいて調節するので、添加箇所がスライムを形成しやすい環境に変化する前に、適切な量の酸化性殺菌剤が添加される。これにより、添加箇所がスライムを形成しやすい環境に変化することが予防され、酸化性殺菌剤を用いてスライムを効率的に抑制できる。
本発明に係る方法が実施される水系を備える製紙系のブロック図である。 比較例に係る方法を実施した際の水系の酸化還元電位の推移を示すグラフである。 本発明の実施例に係る方法を実施した際の水系の酸化還元電位の推移を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る方法が実施される製紙系10のブロック図である。製紙系10は、原料系20、調成・抄紙系30、回収系40、薬注系50、及び制御系60を備える。
原料系20は、化学パルプタンク21、再生パルプタンク22及びブロークタンク23を有し、化学パルプタンク21には針葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプ、再生パルプタンク22には脱墨パルプ(DIP)等の再生パルプ、ブロークタンク23にはブロークパルプがそれぞれ紙原料として収容されている。化学パルプタンク21、再生パルプタンク22の上流には、各々の紙原料を製造し供給する装置が設けられていてもよい。即ち、化学パルプタンク21の上流には、木材チップを蒸解する蒸解釜、パルプを漂白する装置、異物を除去するスクリーン等が設けられてよく、再生パルプタンク22の上流には、古紙を溶解するパルパ、インクを除去するフローテータ、パルプを漂白する装置、異物を除去するスクリーン等が設けられてよい。なお、ブロークタンク23には、調成・抄紙系30で生じた又は他の系で生じたブロークパルプが供給される。
化学パルプタンク21、再生パルプタンク22及びブロークタンク23に収容されたパルプは適切な比率でミキシングチェスト24へと供給され、このミキシングチェスト24で混合される。混合されたパルプはマシンチェスト25で粘剤等の抄紙薬品が添加された後、種箱26へと移送される。なお、化学パルプタンク21、再生パルプタンク22、ブロークタンク23、ミキシングチェスト24、マシンチェスト25及び種箱26は、本発明の原料系20を構成する。
種箱26に収容されたパルプは、後述の白水サイロ38からの白水とともに、ポンプ31によってスクリーン32、クリーナ33へと順次供給され、ここで異物を除去された後、インレット34へと供給される。インレット34は、ワイヤーパート35のワイヤに、パルプを適正な濃度、速度、角度で供給することで、フロック及び流れ縞を抑制する。供給されたパルプは、ワイヤーパート35、プレスパート36で水を脱水され、その後、図示しないドライヤーパートで乾燥された後、適宜の処理をされて紙へと製造される。
ワイヤーパート35及びプレスパート36には、ワイヤやフェルトを清浄にするため、水タンク37からの水が散水される。ワイヤーパート35及びプレスパート36でパルプから脱水された水や、散水後の水は、白水として白水サイロ38に受容される。白水サイロ38に受容された白水は、その一部がポンプ31へと供給され、残りがシールピット41へと供給される。なお、ポンプ31から白水サイロ38までの各要素は、本発明の調成・抄紙系30を構成する。
供給された白水は、シールピット41を経て回収装置42へと移送され、回収装置42でろ過されて固液分離される。ろ液は、回収水として回収水タンク43へと回収され、貯留される。ろ液の一部はさらにろ過され、二次水タンク44から水タンク37へと戻され、また他の部分は化学パルプタンク21、再生パルプタンク22及びブロークタンク23へと戻され、各々再利用される。シールピット41、回収装置42及び回収水タンク43は本発明の回収系40を構成する。
以上の製紙系10のうち水が流通する部分が本発明の一実施形態に係る水系を構成し、スライムが形成されるおそれが大きい部分である。そこで、製紙系10では、薬注系50の薬注装置51から酸化性殺菌剤を水系へと添加し、スライムを抑制する。酸化性殺菌剤の添加箇所は、特に限定されないが、スライムが形成されやすい部分、又は水系全体のスライムを抑制するために効率的な部分であることが好ましく、単数であっても複数であってもよい。具体的に図1では、薬注装置51から、添加管53を通じて調成・抄紙系30の白水サイロ38へ、添加管55を通じて回収系40の回収水タンク43へと酸化性殺菌剤が添加される。
酸化性殺菌剤としては、特に限定されないが、結合塩素型の殺菌剤が好ましい。結合塩素は通常、遊離塩素を放出する塩素ドナーと、アンモニア、アンモニウム塩、有機窒素化合物のいずれかとを適当な条件で反応させることで生成する。塩素ドナーとしては、特に制限されず、好ましくは次亜塩素酸ナトリウムが使用される。アンモニウム塩としては、特に制限されず、臭化アンモニウム等のハロゲン化アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられ、有機アミンにはスルファミン酸や尿素等も使用される。また、水中で次亜塩素酸及び/又は次亜臭素酸を生じる化合物もよく、例えば塩素、二酸化塩素、高度さらし粉、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸アンモニウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜臭素酸、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、次亜臭素酸アンモニウム、次亜臭素酸マグネシウム、クロル化及び/又はブロム化ヒダントイン類、クロル化及び/又はブロム化イソシアヌル酸及びそのナトリウム塩やカリウム塩等が挙げられる。また、このような無機殺菌剤の他、有機殺菌剤を用いてもよい。有機殺菌剤としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン等が挙げられる。これらの酸化性殺菌剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。薬注装置51は、用いる酸化性殺菌剤の種類に応じて、適切な設備であればよい。
酸化性殺菌剤の添加量は、過小であるとスライム抑制が不充分になる一方、過大であるとコスト及び環境負荷が嵩むことから、スライムが充分に抑制される最小量であることが望まれる。そこで、酸化還元電位の測定値に基づいて、酸化性殺菌剤の添加量を調節することが好ましい。
前述のように、酸化性殺菌剤の添加箇所は、スライムが形成されやすい部分、又は水系全体のスライムを抑制するために効率的な部分であることが好ましいが、これらの部分における酸化還元電位は、その上流の環境(例えば、紙原料や還元物質の量、滞留時間に依存する腐敗)変化に付随して変化するものであり、それらの間にタイムラグが存在する。また、上流の環境が変化しても、その変化の程度は、上流と添加箇所との間の混合、希釈、脱水等の工程が挟まることで、添加箇所における酸化還元電位に充分には反映されにくい。このため、添加箇所の酸化還元電位が低下した時点では、既にスライムが生じ蓄積されていたり、あるいは添加箇所の酸化還元電位の変化に基づいた量の酸化性殺菌剤の添加では不充分であったりする。
また、ある一か所でもスライム汚染が生じると、全体に汚染が拡大する。特に紙製造工程の最上流にあり、懸濁物質濃度が高く、水の滞留時間が長く、澱粉等栄養の豊富な原料系20では、最も早くかつ大きく汚染が進行し、系全体の汚染源になりやすい。白水系も懸濁物質濃度が高く、澱粉等栄養が豊富であるため、原料系に次いでスライム汚染が進行しやすい。一方、系全体のスライム汚染を清浄化するために効率的な酸化性殺菌剤の添加対象は、濃度調整水等として全系を流通する回収水であることが最適であり、場合によっては抄紙系の白水である。つまり、上流側における方がスライム汚染を早くかつ高感度に検出でき、下流側の方が、スライムを効率的に抑制できる。
本発明に係るスライム抑制方法は、添加箇所よりも上流に位置する測定箇所において酸化還元電位を測定し、その測定値に基づいて酸化性殺菌剤の添加量を調節する工程を有する。測定箇所における酸化還元電位の測定値は、添加箇所の環境変化を高度にかつ事前に反映するため、その測定値に基づいて調節された量の酸化性殺菌剤を添加箇所に添加することで、効率的にスライムを抑制することができる。なお、酸化性殺菌剤の添加量とは、単位時間あたりの添加量、添加を行う時間又は頻度を指す。
図1では、ブロークタンク23及びインレット34に酸化還元電位を測定するORP計63,65が設けられていて、これらORP計63,65は測定値を制御系60の制御装置61に送信する。制御装置61は、受信した測定値に基づいて薬注系50を制御し、薬注装置51から白水サイロ38、回収水タンク43への酸化性殺菌剤の添加量を調節する。制御装置61は、例えば、添加管53,55に設けられている弁(図示せず)の開度や開時間長を増減する。ただし、添加量の調節は、このような自動制御に限られず、人為的な制御であってもよい。
測定箇所は、添加箇所よりも上流である限りにおいて、特に限定されない。ここで、上流とは、添加箇所よりも上流の系(原料系20、調成・抄紙系30、回収系40のうち添加箇所と異なる系)であることに限られず、添加箇所と同じ系における上流部分であることも包含する。例えば、図1のように添加箇所が回収系40の回収水タンク43である場合、それに対応する測定箇所は、原料系20及び調成・抄紙系30の任意の部分であってもよく、回収系40のうちシールピット41又は回収装置42であってもよい。また、添加箇所が化学パルプタンク21、再生パルプタンク22である場合、測定箇所は、その上流、例えば、蒸解釜、パルパ、フローテータ、パルプを漂白する装置、異物を除去するスクリーン等であってよい。
ここで、添加箇所は、水系全体におけるスライムをより確実に抑制する観点で、互いに異なる複数の箇所であることが好ましく、この場合における測定箇所は、複数の添加箇所のうち少なくとも、対応する添加箇所より上流に位置すればよい。即ち、図1では、回収水タンク43に対応する測定箇所はブロークタンク23又はインレット34であり、白水サイロ38に対応する測定箇所はブロークタンク23であるため、測定箇所がいずれの添加箇所よりも上流であるが、これに限られず、回収水タンク43に対応する測定箇所は白水サイロ38より下流であってもよい。
各添加箇所に対応する測定箇所は、単数であっても複数であってもよい。後者の場合、添加量の調節は、いずれか一つの測定値を選択して行ってもよいし、複数の測定値を総合して行ってもよい。また、酸化還元電位の測定は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよいが、添加量をより高精度に調節できる点では前者が好ましい。
測定箇所における酸化還元電位の測定値に基づく酸化性殺菌剤の添加量の調節は、全体の傾向として、測定値が低い程に添加量を増やし、測定値が高い程に添加量を減らすことであり、添加量が測定値に完全に依存しても、しなくてもよい。即ち、測定値が規定範囲内にある場合には、添加量を測定値に比例させる一方、規定範囲外にある場合には、添加量を所定の上限値又は下限値で一定としてもよい。ここで、酸化性殺菌剤の添加量を所定の下限値以上に維持することは、測定箇所と添加箇所との間において生じ得る環境変化にも対応できる点で好ましい。
また、添加量の測定値への比例は、測定値を複数の区分に分けて、各区分に応じた段階的な比例であってもよいし、測定値に区分を設けず、無段階の比例であってもよい。
添加量の調節は、酸化還元電位の測定値のみに基づいてもよく、あるいは、加えて他のパラメータの測定値にも基づいてよい。他のパラメータとしては、カルシウムイオン量、電気伝導度、グルコース濃度、pH等の従来周知である微生物活動の指標が挙げられる。
本発明は、上記のスライム抑制方法を行う製紙方法にも関する。この製紙方法は、スライムに起因する欠点を効率的に抑制できるため、高品質の紙を低コストで製造できる点で有利である。
図1に示す製紙系10を用いて、実施例及び比較例に係るスライム抑制方法を実施した。なお、実施例及び比較例は、以下の条件について共通であり、測定箇所及び添加時間の長さにおいて異なっていた。
紙原料:LBKP、DIP及びブロークパルプ
酸化性殺菌剤:1.3質量%臭化アンモニウム水溶液及び2.0質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加直前に混合した液
添加箇所:白水サイロ38、回収水タンク43(このうち、添加量を調節したのは白水サイロ38への添加量のみ)
添加頻度:6時間間隔(1日あたり4回)
[比較例]
製紙系10では、白水サイロ38の酸化還元電位が酸化性殺菌剤の添加時で280mV以上、非添加時で180mV以上の場合には、紙にスライム欠点が発生せず、逆に、酸化性殺菌剤の添加時で280mV未満、非添加時で180mV未満である条件が3日以上継続すると、紙にスライム欠点が発生しやすいことを予め確認していた。そこで、白水サイロ38の酸化還元電位の測定値(測定装置を図1では図示していない)が酸化性殺菌剤の添加時で280mV以上であった場合には添加時間を30分とし、非添加時で180mV未満であった場合には添加時間を60分とし、添加時で280mV未満であり又は非添加時で180mV以上であった場合には、添加時間を30〜60分の間で比例させた。12日間の稼動期間における白水サイロ38、ブロークタンク23の酸化還元電位の推移を図2に示す。
図2に示されるように、白水サイロ38での酸化還元電位は、ブロークタンク23での酸化還元電位が急激に低下した後、徐々に低下し始め、その低下に応じて添加量を徐々に増加させたにもかかわらず、所期の範囲には戻らなかった。その結果、稼動8日目には紙にスライム欠点が発生した。これは、白水サイロ38での酸化還元電位が非添加時で180mV未満になった時点において、既に白水サイロ38内にスライムが蓄積しており、その後に添加時間を60分に増やしてもスライムを充分に抑制できなかったことによると推測される。
[実施例]
本発明者らは、図2において、汚染源と推測されるブロークタンク23での酸化還元電位が、白水サイロ38での酸化還元電位に比べて早く大きく低下したことに着目し、ブロークタンク23での酸化還元電位と、白水サイロ38での酸化還元電位との関係を調査したところ、ブロークタンク23での酸化還元電位が、回収水タンク43からの回収水の添加時で約350mV以上であれば、白水サイロ38での酸化還元電位が低下しないことが分かった。そこで、ブロークタンク23での酸化還元電位の測定値が、回収水の添加時に350mV以上であった場合には酸化性殺菌剤の添加時間を30分とし、200mV未満であった場合には添加時間を60分とし、200mV以上350mV未満であった場合には30〜60分の間で比例させた。12日間の稼動期間における白水サイロ38、ブロークタンク23の酸化還元電位の推移を図3に示す。
図3に示されるように、ブロークタンク23での酸化還元電位は図2と同様に大きく低下したが、白水サイロ38での酸化還元電位はあまり低下せず、早期に回復した。この結果、得られる紙にスライム欠点は発生しなかった。
10 製紙系
20 原料系
21 化学パルプタンク
22 再生パルプタンク
23 ブロークタンク
24 ミキシングチェスト
25 マシンチェスト
26 種箱
30 調成・抄紙系
31 ポンプ
32 スクリーン
33 クリーナ
34 インレット
35 ワイヤーパート
36 プレスパート
37 水タンク
38 白水サイロ
40 回収系
41 シールピット
42 回収装置
43 回収水タンク
44 二次水タンク
50 薬注系
51 薬注装置
53,55 添加管
60 制御系
61 制御装置
63,65 ORP計

Claims (6)

  1. 紙原料から抄紙を行う水系におけるスライムを抑制する方法であって、
    製紙系が稼働している間、
    酸化性殺菌剤を前記水系の添加箇所に添加する工程と、
    酸化還元電位を測定し、その測定値に基づいて前記酸化性殺菌剤の添加量を調節する工程と、を有し、
    前記製紙系は、紙原料からパルプを製造する原料系、前記パルプを調成し抄紙する調成・抄紙系、前記調成・抄紙系から白水を回収する回収系を備え、
    前記酸化還元電位の測定箇所は、前記原料系から、前記回収系に向けた水の流れにおいて、前記添加箇所と同一又は異なる系においてより上流側の任意の箇所であり、
    前記測定箇所は、前記原料系又は前記回収系を含む方法。
  2. 前記測定箇所は、前記原料系を含み、
    前記添加箇所は、前記調成・抄紙系を含む請求項1記載の方法。
  3. 前記測定箇所は、前記原料系及び前記調成・抄紙系を含み、
    前記添加箇所は、前記回収系を含む請求項1記載の方法。
  4. 紙原料から抄紙を行う水系におけるスライムを抑制する方法であって、
    酸化性殺菌剤を前記水系の添加箇所に添加する工程と、
    酸化還元電位を測定し、その測定値に基づいて前記酸化性殺菌剤の添加量を調節する工程と、を有し、
    前記測定箇所は、紙原料からパルプを製造する原料系を含み、
    前記添加箇所は、前記パルプを調成し抄紙する調成・抄紙系を含む方法。
  5. 製紙系は、紙原料からパルプを製造する原料系、前記パルプを調成し抄紙する調成・抄紙系、前記調成・抄紙系から白水を回収する回収系を備え、
    前記添加箇所は、互いに異なる複数の箇所であり、
    前記測定箇所は、前記原料系から、前記回収系に向けた水の流れにおいて、前記添加箇所と同一又は異なる系においてより上流側の任意の箇所である請求項1から4いずれか記載の方法。
  6. 前記酸化性殺菌剤の添加量を、所定の下限値以上に維持する請求項1から5いずれか記載の方法。
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