JP4299019B2 - プラズマリアクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマリアクタに関する。さらに詳しくは、反応性に優れたノンサーマルプラズマを効率的かつ低電力で発生させることが可能なプラズマリアクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関等の熱機関又はボイラー等の燃焼装置で発生した燃焼ガスを排気系を経由して排出する際における排気ガスの規制強化に伴い、燃料の組成を改善する等のエンジン側の改良がなされる一方で、上記内燃機関等から排出される排気ガスを、フィルタ等を備えた排気ガス処理装置を用いて浄化することが行われている。特に、自動車のディーゼルエンジンにおいては、排気ガス中に含まれる煤等の粒子状物質を捕集、除去するために、多孔質のハニカムフィルタを備えた排気ガス処理装置が使用されている。また、NOx処理を目的として、HCによりNOxを還元する選択還元触媒(HC−SCR)や、尿素によってNOxを還元する選択還元触媒(UREA−SCR)を備えた排気ガス処理装置が用いられている。
【0003】
このような排気ガス処理としては、例えば、図19に示すように、NOX吸蔵触媒及びPM酸化触媒を担持したハニカムフィルタ60を備えた排気ガス処理装置61や、図20に示すように、自動車の燃料を用いて一酸化窒素を分解するHC−SCR型の触媒62と、PM酸化触媒を担持したハニカムフィルタ63とを備えた排気ガス処理装置64や、図21に示すように、排気ガスに含まれる炭化水素を酸化するためのHC酸化触媒65と、PM酸化触媒を担持したハニカムフィルタ66と、尿素を用いてNOXを分解するUrea−SCR型NOX触媒67と、Urea−SCR型NOX触媒により副産物として生成されるアンモニア(アンモニア)を処理するためのアンモニアスリップ触媒68とを備えた排気ガス処理装置69等が用いられている。
【0004】
図19〜21に示した排気ガス処理装置61,64,69においては、ハニカムフィルタ60,63,66の隔壁の表面に粒子状物質が大量に堆積すると、ハニカムフィルタ60,63,66の圧力損失が大きくなり、エンジン60側の排気系に背圧が掛かることにより、エンジン70の性能を低下させることがある。このため、定期的に隔壁の表面に堆積した粒子状物質を酸化燃焼除去してハニカムフィルタ60,63,66を再生しなければならない。粒子状物質を酸化燃焼除去するためには、PM酸化触媒を担持したハニカムフィルタ60,63,66を電気ヒータやアフターバーナ等を用いて600℃以上に加熱しなければならず、ランニングコストが嵩んでしまうという不都合があった。また、ハニカムフィルタ60,63,66を600℃以上に加熱しなければならないために、急激な温度変化や局所的な発熱に曝されてハニカムフィルタ60,63,66の内部に不均一な温度分布が生じ易く、それが原因でハニカムフィルタ60,63,66が破損することという不都合があった。
【0005】
また、図19に示す排気ガス処理装置61は、意図的に燃料を排気ガス処理装置61内に噴出するリッチスパイクを行うために、エンジン70の燃料消費率が悪化するという不都合があった。また、排気温度を上げるための吸気の絞込みにより、さらに燃料消費率が悪化するという不都合もあった。また、図20に示す排気ガス処理装置64は、常温温度範囲でのNOx浄化効率が約30%と低く、排気ガスを十分に浄化することができないという不都合があった。また、図21に示す排気ガス処理装置69は、装置が大型になりすぎるために乗用車に搭載することが困難であることや、尿素が消耗品であるために充填が必要となること又インフラ設備が必要となる等のメンテナンスに時間がかかるという不都合があった。また、アンモニアスリップ触媒68に不具合が生じた場合、排気ガスとしてアンモニアを排出してしまうという不都合があった。
【0006】
このために、排気ガス処理装置に流入する排気ガスに含まれる一酸化窒素を、ハニカムフィルタに流入するより前に、酸化力の高い二酸化窒素に酸化し、得られた二酸化窒素を用いて、ハニカムフィルタの隔壁の表面に堆積した粒子状物質の可燃性物質、例えば、煤等を酸化除去する排気ガス処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、別の方法として、NOx還元触媒の上流側にプラズマリアクタを配置したNOをNO2に酸化させることにより、NOx浄化(還元)効率を上げる排気ガス処理装置が提案されている。
【0007】
具体的には、図22に示すように、ハニカムフィルタ83の排気ガス流入側端面83a前方に、正電極84と負電極85とから構成されたプラズマ発生電極86を備えたプラズマリアクタ81を設置し、プラズマ発生電極により発生したノンサーマルプラズマ内に排気ガスを通気し、排気ガスに含まれる一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成する構成の排気ガス処理装置80を挙げることができる。
【0008】
この排気ガス処理装置80は、煤との反応性の高い二酸化窒素をプラズマリアクタ81にて大量に生成することができ、比較的低温、例えば、200℃程度の温度でハニカムフィルタ83を再生することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−280121号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような排気ガス処理装置に用いられるプラズマリアクタは、正電極と負電極との間に発生するノンサーマルプラズマの安定性が悪いことや、ノンサーマルプラズマの発生領域に偏りがあり、排気ガスに含まれる一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する効率が低いために、ハニカムフィルタの再生を十分に行うことができないという問題があった。また、NOx浄化を目的として装置では、NOxの浄化が不充分であるという問題があった。特に、排気ガス処理装置を自動車に搭載する場合には、自動車内で使用することのできる電力に制限があるために、安定かつ均一なノンサーマルプラズマを発生することがより困難となり問題となっていた。
【0011】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、反応性に優れたノンサーマルプラズマを効率的かつ低電力で発生させることが可能なプラズマリアクタを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、以下の排気ガス処理装置を提供するものである。
【0013】
[1] 燃焼ガスの排気系中に設置されて、その内部に発生するノンサーマルプラズマによって、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成するために用いられるプラズマリアクタであって、前記排気ガスのメーン流路となるケース体と、隔壁によって区画された複数のセルを有し、前記セルの内部を前記排気ガスが通過可能な状態で前記ケース体の内部に配置された一以上のハニカム構造体と、前記ハニカム構造体の、前記排気ガスの流入側端面及び流出側端面に対向配置された正電極及び負電極から構成されたプラズマ発生電極とを備え、前記正電極及び前記負電極のうちの少なくとも一方の電極は、導電性を有する金属又は合金のペーストを前記ハニカム構造体の端面に塗布して焼きつけることによって形成されたものであり、前記プラズマ発生電極を構成する前記正電極に電圧を印加することにより前記ハニカム構造体を構成する前記隔壁の表面に発生する沿面放電によって、前記ハニカム構造体を構成する前記セル内を通過する前記排気ガスを、処理する前に又は処理すると同時に活性化することが可能なことを特徴とするプラズマリアクタ。
【0014】
[2] 前記プラズマ発生電極を構成する前記正電極が、複数の帯状の導電性部材から構成され、前記導電性部材のそれぞれの配列間隔が、前記ハニカム構造体の前記排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2〜20倍である前記[1]に記載のプラズマリアクタ。
【0015】
[3] 前記正電極及び前記負電極の少なくとも一方の表面が、絶縁体によって覆われている前記[1]又は[2]に記載のプラズマリアクタ。
【0016】
[4] 前記正電極及び前記負電極の少なくとも一方の表面が、耐腐食性金属によって覆われている前記[1]又は[2]に記載のプラズマリアクタ。
【0017】
[5] 燃焼ガスの排気系中に設置されて、その内部に発生するノンサーマルプラズマによって、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成するために用いられるプラズマリアクタであって、前記排気ガスのメーン流路となるケース体と、隔壁によって区画された複数のセルを有し、前記セルの内部を前記排気ガスが通過可能な状態で前記ケース体の内部に配置された第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体と、前記第1のハニカム構造体の流入側端面に配置された第1の正(負)電極、前記第2のハニカム構造体の流出側端面に配置された第2の正(負)電極、及び前記第1のハニカム構造体の流出側端面と前記第2のハニカム構造体の流入側端面との間に配置された共有負(正)電極からなるプラズマ発生電極とを備え、前記第1の正(負)電極、前記第2の正(負)電極、及び前記共有負(正)電極のうちの少なくとも一の電極は、導電性を有する金属又は合金のペーストを前記ハニカム構造体の端面に塗布して焼きつけることによって形成されたものであり、前記プラズマ発生電極を構成する前記第1及び第2の正電極、又は共有(正)電極に電圧を印加することにより前記第1及び第2のハニカム構造体を構成する前記隔壁の表面に発生する沿面放電によって、前記第1及び第2のハニカム構造体を構成する前記セル内を通過する前記排気ガスを、処理する前に又は処理すると同時に活性化することが可能なことを特徴とするプラズマリアクタ。
【0018】
[6] 前記プラズマ発生電極を構成する前記第1及び第2の正(負)電極が、複数の帯状の導電性部材から構成され、前記導電性部材のそれぞれの配列間隔が、前記第1及び第2のハニカム構造体の前記排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2〜20倍である前記[5]に記載のプラズマリアクタ。
【0019】
[7] 前記第1の正(負)電極、前記第2の正電極、及び前記共有負(正)電極から選ばれる少なくとも一の表面が、絶縁体によって覆われている前記[5]又は[6]に記載のプラズマリアクタ。
【0020】
[8] 前記第1の正(負)電極、前記第2の正電極、及び前記共有負(正)電極から選ばれる少なくとも一の表面が、耐腐食性金属によって覆われている前記[5]又は[6]に記載のプラズマリアクタ。
【0021】
[9] 前記プラズマ発生電極に電圧を印加するための電源をさらに備えた前記[1]〜[8]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0022】
[10] 前記ケース体の、前記排気系の上流側に、前記ケース体に流入する前記排気ガスの少なくとも一部に含まれる水分を除去するための脱水手段をさらに備えた前記[1]〜[9]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0023】
[11] 前記ケース体の、前記排気系の下流側に、NOX処理手段をさらに備えた前記[1]〜[10]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0024】
[12] 前記ハニカム構造体の、前記排気ガスの流れ方向における幅が、5〜40mmである前記[1]〜[11]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0025】
[13] 前記ハニカム構造体を構成する前記隔壁の厚さが、0.05〜2mmである前記[1]〜[12]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0026】
[14] 前記ハニカム構造体のセル密度が、4〜186セル/cm2である前記[1]〜[13]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0027】
[15] 前記ハニカム構造体の材質が、コージェライト、アルミナ、ムライト、窒化珪素、サイアロン、及びジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなる前記[1]〜[14]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0028】
[16] 前記ハニカム構造体が、前記ハニカム構造体を構成する前記隔壁の表面及び/又は内部に触媒を担持したものである前記[1]〜[15]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0029】
[17] 前記ハニカム構造体が、ハニカムフィルタである前記[1]〜[16]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0030】
[18] 前記電源から供給される電圧波形が、ピーク電圧が300V以上かつ1秒あたりのパルス数が1以上であるパルス波形、ピーク電圧が300V以上かつ周波数が1以上である交流電圧波形、電圧が300V以上の直流波形、または、これらのいずれかを重畳してなる電圧波形である前記[9]〜[17]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0031】
[19] ディーゼルエンジンの燃焼ガスの排気系中に設置された前記[1]〜[18]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明のプラズマリアクタの実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0033】
まず、本発明(第1の発明)の一の実施の形態のプラズマリアクタについて説明する。本実施の形態のプラズマリアクタは、燃焼ガスの排気系中に設置されて、その内部に発生するノンサーマルプラズマによって、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成するために用いられるプラズマリアクタである。図1(a)〜(c)は、本実施の形態のプラズマリアクタを模式的に示す説明図であって、(a)は、排気ガス流入側の平面図、(b)は側面の断面図、(c)は排気ガス流出側の平面図である。本実施の形態のプラズマリアクタ1は、排気ガスのメーン流路となるケース体2と、電気絶縁性の材料から形成され、隔壁21によって区画された複数のセル22を有し、セル22の内部を排気ガスが通過可能な状態でケース体2の内部に配置されたハニカム構造体3と、ハニカム構造体3の、排気ガスの流入側端面及び流出側端面に対向配置された正電極4及び負電極5から構成されたプラズマ発生電極6とを備え、正電極4及び負電極5のうちの少なくとも一方の電極は、導電性を有する金属又は合金のペーストをハニカム構造体3の端面に塗布して焼きつけることによって形成されたものであり、プラズマ発生電極6を構成する正電極4に電圧を印加することによりハニカム構造体3を構成する隔壁21の表面に発生するノンサーマルプラズマとしての沿面放電によって、ハニカム構造体3を構成するセル22内を通過する排気ガスを、処理する前に又は処理すると同時に活性化することが可能なことを特徴とする。本実施の形態のプラズマリアクタ1は、例えば、排気ガスに含まれる煤等の粒子状物質を捕集するためのフィルタの上流側に設置して用いられ、具体的には、排気ガスに含まれる一酸化窒素を酸化して、フィルタの再生に必要とされる二酸化窒素を生成するために用いられる。あるいは、後流側に触媒コンバータを配置したり、プラズマリアクタ自体に触媒をコートしたりしてNOx浄化に用いられる。
【0034】
正電極4に電圧を印加すると、正電極4と負電極5との間にノンサーマルプラズマが発生する。このノンサーマルプラズマは、電気絶縁性の隔壁21の表面で沿面放電を生じ、隔壁21の全域にわたって均一に放電する。このために、本実施の形態のプラズマリアクタ1においては、沿面放電が生じている隔壁21によって区画されたセル22が、プラズマ領域における流路となり、セル22を通過する排気ガスに含まれる一酸化窒素を、高い効率で二酸化窒素に酸化することができる。
【0035】
本実施の形態において、上述した沿面放電をより効率的に発生させるためには、プラズマ発生電極6を構成する正電極4が、図2に示すように、所定の間隔で平行に配列された、複数の帯状の導電性部材9から構成され、導電性部材9のそれぞれの配列間隔が、ハニカム構造体3(図1(b)参照)の排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2〜20倍であることが好ましい。さらに、導電性部材9の、排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるそれぞれの幅xが、ハニカム構造体3(図1(b)参照)を構成する隔壁21(図1(b)参照)の厚さの2倍以下であることが好ましい。
【0036】
正電極4を構成する導電性部材9の幅が、ハニカム構造体3(図1(b)参照)を構成する隔壁21(図1(b)参照)の厚さの2倍を超えると、隔壁21(図1(b)参照)の表面で沿面放電するだけでなく、セル22(図1(b)参照)の内部にもノンサーマルプラズマが発生することがある。セル22(図1(b)参照)の内部に発生した沿面放電以外のノンサーマルプラズマは不均一かつ不安定なことから、一酸化窒素の酸化には不適であり、結果としてエネルギーロスの原因となることがある。
【0037】
また、導電性部材9のそれぞれの配列間隔が、ハニカム構造体3(図1(b)参照)の排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2倍未満であると、沿面放電の効率が低下することがある、具体的には、十分な電界集中が得られず、より高電圧を必要としてしますため実用困難となることがある。また、導電性部材9のそれぞれの配列間隔が、ハニカム構造体3(図1(b)参照)の排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの20倍を超えると、導電性部材9のそれぞれの配列間隔が疎らになりすぎることから、ノンサーマルプラズマの発生も疎らになり、ハニカム構造体3(図1(b)参照)を構成する隔壁21(図1(b)参照)の全域に沿面放電が発生しないことがある。
【0038】
また、正電極4の厚さとしては、正電極4自体の抵抗を低減することや、製造コストを低減すること等の理由から0.3〜2mmであることが好ましい。また、本実施の形態においては、電源と電気的に接続するための接続端子10が正電極4の外周部分に配置されている。
【0039】
正電極4の材料としては、導電性の高い金属を用いることが好ましく、例えば、鉄、金、銀、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、及びクロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分を含む金属又は合金を好適例として挙げることができる。本実施の形態の正電極4は、導電性の高い金属又は合金板等を、上述した形状となるように、打ちぬき成形又はエッチング等を行うことによって容易に製造することができる。なお、正電極4及び負電極5のうちの少なくとも一方の電極は、ハニカム構造体3(図1(b)参照)の端面に上述した金属又は合金のペースト、例えば、銀ペーストを塗布して焼きつける、又は上述した金属又は合金のペーストを印刷して焼きつけることによって形成されている。また、正電極4の形状は、これまでに説明した形状に限定されることはなく、例えば、図3(a),(b)に示すような、櫛歯型形状であってもよく、正電極4の外周部分が繋がっていなくともよい。また、正電極4の形状が、櫛歯型形状等の場合には、櫛歯の先端に相当する部分が丸みを帯びた半球状であることが好ましい。このように構成することによって、櫛歯の先端に相当するに電界が集中し、局所的なアーク放電を生じることを有効に防止することができる。
【0040】
図1(b)に示す負電極5の材料としては、例えば、鉄、金、銀、銅、チタン、アルミニウム、ニッケル、及びクロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分を含む金属又は合金を好適例として挙げることができる。
【0041】
また、負電極5の厚さとしては0.3〜2mmであることが好ましい。また、本実施の形態においては、自動車等のアースと電気的に接続するための接続端子が負電極5の外周部分に配置されている。
【0042】
また、負電極5の形状としては、排気ガスの通過抵抗を高めないような形状であることが好ましく、特に限定されることがないが、例えば、図4(a)に示すようなストライプ状(縞状)にスリットを有する負電極5や、図4(b)に示すような格子状に形成された負電極5や、図4(c)に示すようなワイヤメッシュ状に形成された負電極5等を好適例として挙げることができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、正電極4と負電極5との少なくとも一方の表面が、腐食防止用の表面処理が施されていることが好ましい。具体的には、正電極4と負電極5との少なくとも一方の表面に、耐腐食性に優れた、例えば、金、白金、銀等の金属からなる保護層を、蒸着やメッキ等により形成することが好ましい。また、正電極4と負電極5との少なくとも一方の表面が、絶縁性のバリア層によって覆われていてもよい。このように構成することによって、均一な放電が可能となるとともに、耐腐食性が向上する。
【0044】
また、図5及び6に示すように、正電極4を構成する導電性部材9によって形成される空隙部分11の形状は、電界の局所集中を防止するために、長円又は楕円等の丸みを帯びた形状であることが好ましい。特に、図6に示すように、空隙部分11の形状が楕円で、正電極4の中央部分から外周部分に向けて空隙部分11の幅が狭くなるように構成することが好ましく、外周部分に放電が片寄ることを有効に防止することができる。
【0045】
また、図7に示すように、正電極4(図1参照)を構成する導電性部材9の、その長手方向の断面形状が、長円又は楕円等の丸みを帯びた形状であることが好ましい。特に、導電性部材9の長手方向の断面における角部分に相当する部位の曲率半径Rが、0.2mm以下であることが好ましい。このように構成することによって、導電性部材9の一部分、例えば、角に相当する部分に電界が集中し、局所的なアーク放電を生じることを有効に防止することができる。さらに、正電極4を構成する導電性部材9の角部分に相当する部位の曲率半径Rが、正電極4の中央部分に近づくにつれて小さくなるように構成されてなることが好ましい。このように構成することによって、電界集中が正電極4の中央部分でより多く起こり、反応性に優れたプラズマを発生させることができる。
【0046】
また、本実施の形態においては、図8に示すように、正電極4とハニカム構造体3との間に所定の隙間Aを有していてもよい。また、負電極5とハニカム構造体3との間に所定の隙間Bを有していてもよい。具体的には、前述した隙間A或いは隙間Bの間隔が0.1〜5mmであることが好ましい。また、この際、一つの隙間A,Bにおける間隔の相対ばらつきは、50%以下であることが好ましい。
【0047】
また、本実施の形態においては、図9に示すように、正電極4とハニカム構造体3との間に所定の隙間Aを有し、この隙間Aの外周部分の間隔W1が、隙間Aの中央部分の間隔W2よりも大きいことが好ましい。この際、上述したように、一つの隙間Aにおける間隔の相対ばらつきは、50%以下であることが好ましい。同様に、負電極5とハニカム構造体3との間に所定の隙間Bを有し、この隙間Bの外周部分の間隔W3が、隙間Bの中央部分の間隔W4よりも大きいことが好ましい。この際、上述したように、一つの隙間Bにおける間隔の相対ばらつきは、50%以下であることが好ましい。
【0048】
また、本実施の形態においては、導電性部材のそれぞれの配列間隔Pと、正電極4と負電極との間の間隔Lとが、0.5L<Pとなるように構成されてなることが好ましい。このように構成することによって、電界集中が十分に行われ、反応性に優れたプラズマを発生させることができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、図1(a)〜(c)に示すように、正電極4が、所定の間隔で平行に配列された、複数の帯状の導電性部材から構成されてなることが好ましい。また、負電極5と正電極を構成する帯状の導電性部材とは、任意の交差角度を設定することができるが、平行でないことが好ましい。このように構成することによって、ノンサーマルプラズマをより均一に発生させることができる。
【0050】
本実施の形態に用いられるケース体2の材料としては、特に制限はないが、導電性を有する金属又は合金、例えば、ステンレス等であることが好ましい。また、ケース体2と負電極5とを電気的に接続し、ケース体2が自動車等のアースに接続した構成としてもよい。
【0051】
また、本実施の形態のプラズマリアクタ1においては、ハニカム構造体3、正電極4及び負電極5が、ケース体2の内部に絶縁部材8によって所定の位置に固定されている。この絶縁部材8は、排気ガスの流路を妨げないように配置することが好ましい。また、絶縁部材8の材質としては、ガラス、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、コージェライト、サイアロン、及びムライトからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分を含むことが好ましい。
【0052】
また、本実施の形態においては、ハニカム構造体3の、排気ガスの流れ方向における幅が、5〜40mmであることが好ましい。ハニカム構造体3の、排気ガスの流れ方向における幅が5mm未満であると、沿面放電によるノンサーマルプラズマの発生領域が狭すぎて、例えば、排気ガスに含まれる活性化対象物質である一酸化窒素の大部分が酸化されないままプラズマリアクタ1から流出することがある。また、ハニカム構造体3の排気ガスの流れ方向における幅が40mmを超えると、ノンサーマルプラズマを発生させるための電力が大量に必要となることや、プラズマリアクタ1自体が大型となり自動車等の排気系中に設置することが困難となる。
【0053】
また、本実施の形態においては、負電極5が、ハニカム構造体3の流入側端面に配置され、かつ正電極4が、ハニカム構造体3の流出側端面に配置されている構成となっているが、負電極5が流出側端面に配置され、正電極4が流入側端面に配置された構成としてもよい。
【0054】
また、本実施の形態においては、正電極4に電圧を印加するための電源7をさらに備えたものであることが好ましい。このプラズマリアクタ1を自動車等に設置する場合には、自動車のバッテリー等の電源を共有することもできるが、このように構成することによって安定したノンサーマルプラズマを発生することができる。また、電源7への供給電源として、自動車のオイルネータや自動車のバッテリー等を使用することもできる。
【0055】
また、本実施の形態においては、電源7から供給される電圧波形が、ピーク電圧が300V以上かつ1秒あたりのパルス数が1以上であるパルス波形、ピーク電圧が300V以上かつ周波数が1以上である交流電圧波形、電圧が300V以上の直流波形、又は、これらのいずれかを重畳してなる電圧波形であることが好ましい。このように構成することによって、効率よくノンサーマルプラズマを発生させることができる。
【0056】
また、正電極4と前述した電源7とは電気的に接続した状態で配置し、負電極5は接地した状態で配置する。本実施の形態のプラズマリアクタ1を自動車等に設置する場合は、負電極5を自動車等のアースに電気的に接続させた構成としてもよい。
【0057】
ハニカム構造体3は、図10に示すように、隔壁21によって区画された排気ガスの流路となる複数のセル22を有するものであり、その材質が、コージェライト、アルミナ、ムライト、窒化珪素、サイアロン、及びジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなることが好ましい。
【0058】
また、本実施の形態に用いられるハニカム構造体3においては、隔壁21の厚さが0.05〜2mmであることが好ましく、セル密度が、4〜186セル/cm2であることが好ましい。隔壁21の厚さが0.05mm未満であると、ハニカム構造体3の機械的強度が低下して衝撃や温度変化による熱応力によって破損することがあり、隔壁21の厚さが2mmを超えると、ハニカム構造体3に占めるセル22の体積の割合が低くなり、ハニカム構造体3の背圧抵抗が増加することがある。また、セル密度が、4セル/cm2未満であると、隔壁21の表面において沿面放電するノンサーマルプラズマの発生領域が疎らとなり、排気ガスを活性化する効率が低下することがあり、セル密度が、186セル/cm2を超えると、ハニカム構造体3の背圧抵抗が増加することがある。
【0059】
図10においては、ハニカム構造体3の形状が円筒状のものを示しているがこれに限定されることはなく、四角柱等の他の形状であってもよい。また、セル22の形状も四角形に限定されることはなく、セル22がハニカム構造体3の端面において等間隔に配列する形状であれば、例えば、円、楕円、三角、略三角、又はその他の多角形であってもよい。
【0060】
また、本実施の形態に用いられるハニカム構造体3は、ハニカム構造体3を構成する隔壁22の表面及び/又は内部に触媒を担持したものであってもよい。例えば、ディーゼルエンジン等の排気系にプラズマリアクタ1(図1(b)参照)を設置して用いた際に、エンジンが低速や低負荷状態で運転され、排気系の温度が低い領域からノンサーマルプラズマと触媒とによりNOxを分解してN2とO2にすることができる。このように構成することによって、プラズマリアクタ1(図1(b)参照)の省エネルギー化を実現することができるとともに、反応の効率を向上させることができる。上述した触媒としては、特に限定されることはないが、Pt、Pd、Rh、K、Ba、Li、V、及びNaからなる群より選択される少なくとも一種を含む触媒を好適例として挙げることができる。また、金属触媒成分を担持するコート層成分として、Al2O3、ZrO2、CeO2等を挙げることができる。
【0061】
また、本実施の形態においては、ハニカム構造体3が、ハニカムフィルタであってもよい。具体的には、ハニカム構造体3が、隔壁21によって区画された排気ガスのフィルタ流路となる複数のセル22を有し、このセル22の排気ガス流入側端面23a及び排気ガス流出側端面23bで互い違いに目封じした構成のハニカムフィルタであることが好ましい。このように構成することによって、プラズマリアクタ1(図1(b)参照)で排気ガスに含まる粒子状物質、例えば、煤等をハニカムフィルタにより捕集することができ、さらに、ハニカムフィルタを構成する隔壁21の表面に沿面放電したノンサーマルプラズマにより二酸化窒素を生成し、捕集した煤を連続的に酸化燃焼除去することができる。
【0062】
また、本実施の形態のプラズマリアクタは、図11に示すように、ケース体2の、排気系の上流側に、ケース体2に流入する排気ガスの少なくとも一部に含まれる水分を除去するための脱水手段30をさらに備えたものであることが好ましい。本実施の形態に用いられた脱水手段30は、熱交換器により排気ガスを冷却し、液化した水分をドレン31により排出するものである。本来、ノンサーマルプラズマは、一酸化窒素を酸化するのに有効な酸素以外の、直に安定化状態に戻ってしまう水等の分子も励起することから、大量の水分を含んだ排気ガスは、一酸化窒素の酸化効率を低下させることとなる。特に、燃焼による排気ガスには大量の水分を含んでいることが多く、プラズマリアクタが脱水手段30をさらに備えた構成とすることによって、一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する効率を大幅に向上させるとともに、ノンサーマルプラズマを発生するための電力消費を低減させることができる。
【0063】
図11において、排気ガスを冷却して脱水する脱水手段30について説明したが、排気ガスに含まれる水分を除去することができるものであれば、例えば、排気ガスを圧縮して水分の分圧を上昇させて脱水する脱水手段や、吸着剤に水分を吸着させる脱水手段であってもよい。また、脱水手段30は、ケース体より上流側に位置していればどのような位置に配置してもよい。
【0064】
また、本実施の形態のプラズマリアクタは、図12に示すように、ケース体2の、排気系の下流側に、NOX処理手段32をさらに備えたものであってもよい。例えば、ハニカム構造体3としてハニカムフィルタを備えたプラズマリアクタ1の場合、このプラズマリアクタ1内で排気ガスに含まれる煤の捕集、及び捕集した煤の酸化燃焼除去を同時に行うことができることから、NOX処理手段32を備えることによって、プラズマリアクタ1内で、ディーゼルエンジン等から排出される排気ガスにおける一連の排気ガス処理操作を行うことができ、プラズマリアクタ1から排出されるガスを浄化した状態で外部にそのまま排出することができる。NOX処理手段32としては、例えば、NOX吸蔵還元触媒を担持したハニカム構造体や、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)等を好適例として挙げることができる。また、ケース体2とNOX処理手段32とは、NOX処理手段32が排気系の下流側に位置していればどのような位置関係でもよく、ケース体2とNOX処理手段32とは接していても離れていてもよい。
【0065】
また、図13に示すように、ケース体内に、二以上のプラズマ発生電極6が配置されたハニカム構造体3を連続して配置した構成としてもよい。このように構成することにより、一酸化窒素の酸化効率をさらに向上させることができる。
【0066】
次に、本発明(第2の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態について具体的に説明する。本実施の形態のプラズマリアクタは、燃焼ガスの排気系中に設置されて、その内部に発生するノンサーマルプラズマによって、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成するために用いられるプラズマリアクタである。図14(a)〜(c)は、本実施の形態のプラズマリアクタを模式的に示す説明図であって、(a)は、排気ガス流入側の平面図、(b)は側面の断面図、(c)は排気ガス流出側の平面図である。本実施の形態のプラズマリアクタ41は、排気ガスのメーン流路となるケース体42と、隔壁51によって区画された複数のセル52を有し、セル52の内部を排気ガスが通過可能な状態でケース体42の内部に配置された第1のハニカム構造体43a及び第2のハニカム構造体43bと、第1のハニカム構造体43aの流入側端面に配置された第1の正電極44a、第2のハニカム構造体43bの流出側端面に配置された第2の正電極44b、及び第1のハニカム構造体43aの流出側端面と第2のハニカム構造体43bの流入側端面との間に配置された共有負電極45とからなるプラズマ発生電極46とを備え、第1の正電極44a、第2の正(負)電極44b、及び共有負電極45のうちの少なくとも一の電極は、導電性を有する金属又は合金のペーストを前記ハニカム構造体の端面に塗布して焼きつけることによって形成されたものであり、プラズマ発生電極46を構成する第1及び第2の正電極44a,44bに電圧を印加することにより第1及び第2のハニカム構造体43a,43bを構成する隔壁51の表面に発生するノンサーマルプラズマとしての沿面放電によって、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bを構成するセル52内を通過する排気ガスを、処理する前に又は処理すると同時に活性化することが可能なことを特徴とする。また、本実施の形態においては、二枚の正電極が共有負電極を挟む構成となっているが、二枚の負電極が共有正電極を挟む構成としてもよい。
【0067】
本実施の形態のプラズマリアクタに用いられる第1及び第2の正電極44a,44bは、図1に示したプラズマリアクタ1に用いられる正電極4と同様に構成されたものを好適に用いることができる。また、本実施の形態のプラズマリアクタ41に用いられる共有負電極45も、図1に示したプラズマリアクタ1に用いられる負電極5と同様に構成されたものを好適に用いることができる。さらに、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bも、図1に示したプラズマリアクタ1に用いられるハニカム構造体3と同様に構成されたものを好適に用いることができる。
【0068】
このように構成することによって、排気ガスを活性化する効率をさらに向上させることができるとともに、省スペース化を実現することができる。
【0069】
また、本実施の形態においては、プラズマ発生電極46を構成する第1及び第2の正電極44a,44bが、所定の間隔で平行に配列された、複数の帯状の導電性部材から構成され、導電性部材のそれぞれの配列間隔が、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bの排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2〜20倍であることが好ましい。さらに、導電性部材の、排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるそれぞれの幅が、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bを構成する隔壁51の厚さの2倍以下であることが好ましい。
【0070】
第1及び第2の正電極44a,44bを構成する導電性部材の幅が、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bを構成する隔壁51の厚さの2倍を超えると、隔壁51の表面で沿面放電するだけでなく、セル52の内部にもノンサーマルプラズマが発生することがある。セル52の内部に発生した沿面放電以外のノンサーマルプラズマは不均一かつ不安定なことから、一酸化窒素の酸化には不適であり、結果としてエネルギーロスの原因となることがある。
【0071】
また、導電性部材のそれぞれの配列間隔が、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bの排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2倍未満であると、沿面放電の効率が低下することがある、具体的には、十分な電界集中が得られず、より高電圧を必要としてしまうため実用困難となることがある。また、導電性部材のそれぞれの配列間隔が、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bの排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの20倍を超えると、導電性部材のそれぞれの配列間隔が疎らになりすぎることから、ノンサーマルプラズマの発生も疎らになり、第1及び第2のハニカム構造体43a,43bを構成する隔壁51の全域に沿面放電が発生しないことがある。
【0072】
また、第1及び第2の正電極44a,44bの厚さとしては、特に限定されることはないが、正電極自体の抵抗を低減することや、製造コストを低減すること等の理由から0.3〜2mmであることが好ましい。また、本実施の形態においては、電源と電気的に接続するための接続端子50が第1及び第2の正電極44a,44bの外周部分に配置されている。
【0073】
また、本実施の形態においては、第1及び第2の正電極44a,44bと共有負電極45との少なくともいずれかの表面が、腐食防止用の表面処理が施されていることが好ましい。具体的には、第1及び第2の正電極44a,44bと共有負電極45との少なくともいずれかの表面に、耐腐食性に優れた、例えば、金、白金、銀等の金属からなる保護層を、蒸着やメッキ等により形成することが好ましい。また、第1及び第2の正電極44a,44bと共有負電極45との少なくともいずれかの表面が、絶縁性のバリア層によって覆われていてもよい。このように構成することによって、均一な放電が可能となるとともに、耐腐食性が向上する。
【0074】
また、第1及び第2の正電極44a,44bを構成する導電性部材9によって形成される空隙部分の形状は、図6に示した正電極4と同様に構成されてなることが好ましく、第1及び第2の正電極44a,44bを構成する導電性部材9の、その長手方向の断面形状は、図7に示した導電性部材9と同様に構成されてなることが好ましい。
【0075】
また、第1及び第2の正電極44a,44bの構成、第1及び第2の正電極44a,44bと第1及び第2のハニカム構造体43a,43bとの間隔、共有負電極45と第1及び第2のハニカム構造体43a,43bとの間隔、及び第1及び第2の正電極44a,44bと共有負電極45との間隔等は、第一の発明のプラズマリアクタと同様に構成されていることが好ましい。
【0076】
また、本実施の形態においては、図15に示すように、排気ガスの流れ方向にプラズマ発生電極を投影した投影面において、第1の正電極44aを構成する導電性部材と、第2の正電極44bを構成する導電性部材とが重ならないように配置することが好ましい。このように構成することによって、第1及び第2のハニカム構造体43a,43b(図14参照)において、ノンサーマルプラズマのエネルギー分布に変化を持たせ、ノンサーマルプラズマ内を通過する排気ガスを活性化する効率を向上させることができる。
【0077】
また、第1及び第2の正電極44a,44bが、所定の間隔で平行に配列された、複数の帯状の導電性部材から構成され、かつ、共有負電極45の形状がストライプ状(縞状)である場合には、第1及び第2の正電極44a,44bを、排気ガスの流れ方向にプラズマ発生電極を投影した投影面において、共有負電極45と第1及び第2の正電極を構成する帯状の導電性部材とは、任意の交差角度を設定することができるが、平行でないことが好ましい。
【0078】
また、本実施の形態においては、図14(b)に示すように、第1及び第2のハニカム構造体43a,43b、第1及び第2の正電極44a,44b及び共有負電極45が、ケース体2の内部に絶縁部材48によって所定の位置に固定されている。この絶縁部材48は、排気ガスの流路を妨げないように配置することが好ましい。また、絶縁部材48の材質としては、ガラス、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、コージェライト、サイアロン、及びムライトからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分を含むことが好ましい。
【0079】
また、本実施の形態においては、正電極44a,44bに電圧を印加するための電源47をさらに備えたものであることが好ましい。このプラズマリアクタ41を自動車等に設置する場合には、自動車のバッテリー等の電源を共有することもできるが、このように構成することによって安定したノンサーマルプラズマを発生することができる。また、電源7への供給電源として、自動車のオイルネータや自動車のバッテリー等を使用することもできる。
【0080】
また、本実施の形態においては、電源47から供給される電圧波形が、ピーク電圧が300V以上かつ1秒あたりのパルス数が1以上であるパルス波形、ピーク電圧が300V以上かつ周波数が1以上である交流電圧波形、電圧が300V以上の直流波形、又は、これらのいずれかを重畳してなる電圧波形であることが好ましい。このように構成することによって、効率よくノンサーマルプラズマを発生させることができる。
【0081】
また、正電極44a,44bと前述した電源47とは電気的に接続した状態で配置し、共有負電極45は接地した状態で配置する。本実施の形態のプラズマリアクタ41を自動車等に設置する場合は、共有負電極45を自動車等のアースに電気的に接続させた構成としてもよい。
【0082】
また、本実施の形態に用いられるハニカム構造体43a,43bは、ハニカム構造体43a,43bを構成する隔壁51の表面及び/又は内部に触媒を担持したものであってもよい。例えば、ディーゼルエンジン等の排気系にプラズマリアクタ41を設置して用いた際に、エンジンが低速や低負荷状態で運転され、排気系の温度が低い場合は、プラズマ発生電極46にて発生したノンサーマルプラズマによって、排気ガスに含まれる一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成し、ディーゼルエンジンが通常運転となり、ケース体42内の温度がハニカム構造体43a,43bに担持した触媒が活性化する温度、例えば、400〜500℃になった場合は、ノンサーマルプラズマと触媒とを併用して二酸化窒素を生成することができる。このように構成することによって、プラズマリアクタ41の省エネルギー化を実現することができるとともに、反応の効率を向上させることができる。上述した触媒としては、特に限定されることはないが、Pt、Pd、Rh、K、Ba、Li、及びNaからなる群より選択される少なくとも一種を含む触媒を好適例として挙げることができる。
【0083】
また、本実施の形態においては、ハニカム構造体43a,43bが、ハニカムフィルタであってもよい。具体的には、ハニカム構造体43a,43bが、隔壁21によって区画された排気ガスのフィルタ流路となる複数のセル22を有し、このセル22の排気ガス流入側端面及び排気ガス流出側端面で互い違いに目封じした構成のハニカムフィルタであることが好ましい。このように構成することによって、プラズマリアクタ41で排気ガスに含まる粒子状物質、例えば、煤等をハニカムフィルタにより捕集することができ、さらに、ハニカムフィルタを構成する隔壁51の表面に沿面放電したノンサーマルプラズマにより二酸化窒素を生成し、捕集した煤を連続的に酸化燃焼除去することができる。
【0084】
また、本実施の形態のプラズマリアクタ41は、図16に示すように、ケース体42の、排気系の上流側に、ケース体42に流入する排気ガスの少なくとも一部に含まれる水分を除去するための脱水手段30をさらに備えたものであることが好ましい。本実施の形態に用いられた脱水手段30は、熱交換器により排気ガスを冷却し、液化した水分をドレン31により排出するものである。本来、ノンサーマルプラズマは、一酸化窒素を酸化するのに有効な酸素以外の、直に安定化状態に戻ってしまう水等の分子も励起することから、大量の水分を含んだ排気ガスは、一酸化窒素の酸化効率を低下させることとなる。特に、燃焼による排気ガスには大量の水分を含んでいることが多く、プラズマリアクタが脱水手段30をさらに備えた構成とすることによって、一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する効率を大幅に向上させるとともに、ノンサーマルプラズマを発生するための電力消費を低減させることができる。
【0085】
図16において、排気ガスを冷却して脱水する脱水手段30について説明したが、排気ガスに含まれる水分を除去することができるものであれば、例えば、排気ガスを圧縮して水分の分圧を上昇させて脱水する脱水手段や、吸着剤に水分を吸着させる脱水手段であってもよい。また、脱水手段30は、ケース体より上流側に位置していればどのような位置に配置してもよい。
【0086】
また、本実施の形態のプラズマリアクタ41は、図17に示すように、ケース体42の、排気系の下流側に、NOX処理手段32をさらに備えたものであってもよい。例えば、ハニカム構造体43(図14(b)参照)としてハニカムフィルタを備えたプラズマリアクタ41の場合、このプラズマリアクタ41内で排気ガスに含まれる煤の捕集、及び捕集した煤の酸化燃焼除去を同時に行うことができることから、NOX処理手段32を備えることによって、プラズマリアクタ41内で、ディーゼルエンジン等から排出される排気ガスにおける一連の排気ガス処理操作を行うことができ、プラズマリアクタ41から排出されるガスを浄化した状態で外部にそのまま排出することができる。NOX処理手段32としては、例えば、NOX吸蔵還元触媒を担持したハニカム構造体や、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)等を好適例として挙げることができる。また、ケース体42とNOX処理手段32とは、NOX処理手段32が排気系の下流側に位置していればどのような位置関係でもよく、ケース体42とNOX処理手段32とは接していても離れていてもよい。
【0087】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0088】
(実施例1〜9)
図1(a)〜(c)に示すような、排気ガスのメーン流路となるケース2体と、隔壁によって区画された複数のセルを有し、セルの内部を排気ガスが通過可能な状態でケース体2の内部に配置されたハニカム構造体3と、ハニカム構造体3の、排気ガスの流入側端面及び流出側端面に対向配置された正電極4及び負電極5から構成されたプラズマ発生電極6とを備えたプラズマリアクタ1(実施例1〜9)を製造した。
【0089】
実施例1〜9のプラズマリアクタ1に用いたハニカム構造体3は、コージェライトを原料とし、排気ガスの流れ方向の長さが10mm、端面の直径が93mm、セルピッチが2.54mm、隔壁の厚さが0.43mmとなるように、金属製の口金を用いて押し出し成形して形成した。
【0090】
実施例1〜3のプラズマリアクタ1に用いた正電極4は、5.08mmの間隔、即ち、セルピッチの2倍の間隔で平行に配列された、複数の帯状の導電性部材から構成されたものとした。実施例2〜6のプラズマリアクタ1に用いた正電極4は、7.62mmの間隔、即ち、セルピッチの3倍の間隔で平行に配列された、複数の帯状の導電性部材から構成されたものとした。また、実施例7〜9のプラズマリアクタ1に用いた正電極4は、7.62mmの間隔、即ち、セルピッチの4倍の間隔で平行に配列された、複数の帯状の導電性部材から構成されたものとした。全ての正電極4は、ステンレス製の板材を打ちぬき加工することにより形成した。
【0091】
実施例1のプラズマリアクタ1に用いた負電極5は、実施例1と正電極4と同形状及び同材質のものとした。また、実施例2、5及び8のプラズマリアクタ1に用いた負電極5は、メッシュ間隔が1mmのワイヤーメッシュとした。また、実施例3、6及び9のプラズマリアクタ1に用いた負電極5は、5.08mmの間隔、即ち、セルピッチの2倍の間隔で格子状に形成されたものとした。また、実施例4のプラズマリアクタ1に用いた負電極5は、実施例4と正電極4と同形状及び同材質のものとし、実施例7のプラズマリアクタ1に用いた負電極5は、実施例7と正電極4と同形状及び同材質のものとした。また、実施例1、4及び7のプラズマリアクタ1においては、正電極4の導電性部材と負電極の縞状のスリットとが、流れ方向における投影面において直交する構成とした。
【0092】
正電極4には、スイッチング素子としてSIサイリスタを用いた高電圧パルス電源(日本ガイシ(株)製)を接続し、ピーク電圧10kV、パルス数1kHzで通電した。この状態で、プラズマリアクタ1(実施例1〜9)に、250ppmの一酸化窒素を含み、酸素濃度約20%、窒素濃度約80%に調整された室温の混合気体を、流量0.02m3/minで通気した。
【0093】
各プラズマリアクタ1(実施例1〜9)から排出されたガスに含まれる一酸化窒素と二酸化窒素の濃度を測定し、プラズマリアクタ1(実施例1〜9)における、一酸化窒素から二酸化窒素への変換率を算出した。結果を表1に示す。また、実施例1のプラズマリアクタ1から排出されたガスに含まれる一酸化窒素の濃度を測定した測定結果チャートを図18に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
(実施例10〜13)
図14(a)〜(c)に示すような、第1の正電極44a、第1のハニカム構造体43a、共有負電極45、第2のハニカム構造体43b、第2の正電極44bの順に配置したプラズマリアクタ41(実施例10〜13)を製造した。実施例10〜13のプラズマリアクタ41に用いた第1及び第2のハニカム構造体43a,43bは、実施例1に用いたハニカム構造体3と同形状及び同材質のものを使用した。
【0096】
第1及び第2の正電極44a,44bと共有負電極45とは、実施例10及び11においては、実施例5に用いた正電極及び負電極と同形状及び同材質のものを使用し、実施例12及び13においては、実施例7に用いた正電極及び負電極と同形状及び同材質のものを使用した。また、実施例11及び13においては、第1の正電極44aと第2の正電極44bとを1セルピッチ分ずらした状態で配置した。
【0097】
第1及び第2の正電極44a,44bには、スイッチング素子としてSIサイリスタを用いた高電圧パルス電源(日本ガイシ(株)製)を接続し、ピーク電圧10kV、パルス数1kHzで通電した。この状態で、各プラズマリアクタ(実施例1〜9)に、250ppmの一酸化窒素を含み、酸素濃度約20%、窒素濃度約80%に調整された室温の混合気体を、流量0.02m3/minで通気した。
【0098】
各プラズマリアクタ41(実施例10〜13)から排出されたガスに含まれる一酸化窒素と二酸化窒素の濃度を測定し、プラズマリアクタ41(実施例10〜13)における、一酸化窒素から二酸化窒素への変換率を算出した。結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
表1及び2に示すように、プラズマリアクタ(実施例1〜13)によって、一酸化窒素が高い割合で二酸化窒素に酸化されていることから、プラズマリアクタ(実施例1〜13)の内部で、反応性に優れたノンサーマルプラズマが発生していることが分かる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、反応性に優れたノンサーマルプラズマを効率的かつ低電力で発生させることが可能なプラズマリアクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態を模式的に示す説明図であって、(a)は排気ガス流入側の平面図、(b)は側面の断面図、(c)は排気ガス流出側の平面図である。
【図2】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態に用いられる正電極を示す平面図である。
【図3】 (a)は、本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態に用いられる正電極を模式的に示す平面図、(b)は、本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態に用いられる正電極を構成する導電性部材の拡大平面図である。
【図4】 図4(a)〜(c)は、本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態に用いられる負電極を模式的に示す平面図である。
【図5】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態に用いられれる正電極を示す平面図である。
【図6】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態に用いられれる正電極を示す平面図である。
【図7】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態に用いられれる正電極を構成する導電性部材を示す断面図である。
【図8】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態を示す断面図である。
【図9】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態を示す断面図である。
【図10】 本発明(第1の発明)の排気ガス処理装置の一の実施の形態に用いられるハニカム構造体を示す斜視図である。
【図11】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態が、さらに脱水手段を備えた状態を模式的に示す断面図である。
【図12】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態が、さらにNOX処理手段を備えた状態を模式的に示す断面図である。
【図13】 本発明(第1の発明)のプラズマリアクタの他の実施の形態の側面の断面図である。
【図14】 本発明(第2の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態を模式的に示す説明図であって、(a)は排気ガス流入側の平面図、(b)は側面の断面図、(c)は排気ガス流出側の平面図である。
【図15】 本発明(第2の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態の、排気ガスの流れ方向の投影図である。
【図16】 本発明(第2の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態が、さらに脱水手段を備えた状態を模式的に示す断面図である。
【図17】 本発明(第2の発明)のプラズマリアクタの一の実施の形態が、さらにNOX処理手段を備えた状態を模式的に示す断面図である。
【図18】 本発明(第2の発明)の実施例1における、プラズマリアクタから排出されたガスに含まれる一酸化窒素の濃度を測定した測定結果チャートである。
【図19】 従来から用いられる排気ガス処理装置を模式的に示す説明図である。
【図20】 従来から用いられる排気ガス処理装置を模式的に示す説明図である。
【図21】 従来から用いられる排気ガス処理装置を模式的に示す説明図である。
【図22】 従来のプラズマリアクタを備えた排気ガス処理装置を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1…プラズマリアクタ、2…ケース体、3…ハニカム構造体、4…正電極、5…負電極、6…プラズマ発生電極、7…電源、8…絶縁部材、9…導電性部材、10…接続端子、21…隔壁、22…セル、23a,23b…端面、30…脱水手段、31…ドレン、32…NOX処理手段、41…プラズマリアクタ、42…ケース体、43…ハニカム構造体、44…正電極、45…共有負電極、46…プラズマ発生電極、47…電源、48…絶縁部材、49…導電性部材、50…接続端子、51…隔壁、52…セル、60…ハニカムフィルタ、61…排気ガス処理装置、62…HC−SCR型の触媒、63…ハニカムフィルタ、64…排気ガス処理装置、65…HC酸化触媒、66…ハニカムフィルタ、67…Urea−SCR型NOX触媒、68…アンモニアスリップ触媒、69…排気ガス処理装置、80…排気ガス処理装置、81…プラズマリアクタ、83…ハニカムフィルタ、83a…端面、84…正電極、85…負電極、86…プラズマ発生電極。
Claims (19)
- 燃焼ガスの排気系中に設置されて、その内部に発生するノンサーマルプラズマによって、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成するために用いられるプラズマリアクタであって、
前記排気ガスのメーン流路となるケース体と、隔壁によって区画された複数のセルを有し、前記セルの内部を前記排気ガスが通過可能な状態で前記ケース体の内部に配置された一以上のハニカム構造体と、前記ハニカム構造体の、前記排気ガスの流入側端面及び流出側端面に対向配置された正電極及び負電極から構成されたプラズマ発生電極とを備え、
前記正電極及び前記負電極のうちの少なくとも一方の電極は、導電性を有する金属又は合金のペーストを前記ハニカム構造体の端面に塗布して焼きつけることによって形成されたものであり、
前記プラズマ発生電極を構成する前記正電極に電圧を印加することにより前記ハニカム構造体を構成する前記隔壁の表面に発生する沿面放電によって、前記ハニカム構造体を構成する前記セル内を通過する前記排気ガスを、処理する前に又は処理すると同時に活性化することが可能なことを特徴とするプラズマリアクタ。 - 前記プラズマ発生電極を構成する前記正電極が、複数の帯状の導電性部材から構成され、
前記導電性部材のそれぞれの配列間隔が、前記ハニカム構造体の前記排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2〜20倍である請求項1に記載のプラズマリアクタ。 - 前記正電極及び前記負電極の少なくとも一方の表面が、絶縁体によって覆われている請求項1又は2に記載のプラズマリアクタ。
- 前記正電極及び前記負電極の少なくとも一方の表面が、耐腐食性金属によって覆われている請求項1又は2に記載のプラズマリアクタ。
- 燃焼ガスの排気系中に設置されて、その内部に発生するノンサーマルプラズマによって、一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成するために用いられるプラズマリアクタであって、
前記排気ガスのメーン流路となるケース体と、隔壁によって区画された複数のセルを有し、前記セルの内部を前記排気ガスが通過可能な状態で前記ケース体の内部に配置された第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体と、前記第1のハニカム構造体の流入側端面に配置された第1の正(負)電極、前記第2のハニカム構造体の流出側端面に配置された第2の正(負)電極、及び前記第1のハニカム構造体の流出側端面と前記第2のハニカム構造体の流入側端面との間に配置された共有負(正)電極からなるプラズマ発生電極とを備え、
前記第1の正(負)電極、前記第2の正(負)電極、及び前記共有負(正)電極のうちの少なくとも一の電極は、導電性を有する金属又は合金のペーストを前記ハニカム構造体の端面に塗布して焼きつけることによって形成されたものであり、
前記プラズマ発生電極を構成する前記第1及び第2の正電極、又は共有(正)電極に電圧を印加することにより前記第1及び第2のハニカム構造体を構成する前記隔壁の表面に発生する沿面放電によって、前記第1及び第2のハニカム構造体を構成する前記セル内を通過する前記排気ガスを、処理する前に又は処理すると同時に活性化することが可能なことを特徴とするプラズマリアクタ。 - 前記プラズマ発生電極を構成する前記第1及び第2の正(負)電極が、複数の帯状の導電性部材から構成され、
前記導電性部材のそれぞれの配列間隔が、前記第1及び第2のハニカム構造体の前記排気ガスの流れ方向に垂直な断面におけるセルピッチの2〜20倍である請求項5に記載のプラズマリアクタ。 - 前記第1の正(負)電極、前記第2の正電極、及び前記共有負(正)電極から選ばれる少なくとも一の表面が、絶縁体によって覆われている請求5又は6に記載のプラズマリアクタ。
- 前記第1の正(負)電極、前記第2の正電極、及び前記共有負(正)電極から選ばれる少なくとも一の表面が、耐腐食性金属によって覆われている請求項5又は6に記載のプラズマリアクタ。
- 前記プラズマ発生電極に電圧を印加するための電源をさらに備えた請求項1〜8のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ケース体の、前記排気系の上流側に、前記ケース体に流入する前記排気ガスの少なくとも一部に含まれる水分を除去するための脱水手段をさらに備えた請求項1〜9のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ケース体の、前記排気系の下流側に、NOX処理手段をさらに備えた請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ハニカム構造体の、前記排気ガスの流れ方向における幅が、5〜40mmである請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ハニカム構造体を構成する前記隔壁の厚さが、0.05〜2mmである請求項1〜12のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ハニカム構造体のセル密度が、4〜186セル/cm2である請求項1〜13のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ハニカム構造体の材質が、コージェライト、アルミナ、ムライト、窒化珪素、サイアロン、及びジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも一種の材料からなる請求項1〜14のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ハニカム構造体が、前記ハニカム構造体を構成する前記隔壁の表面及び/又は内部に触媒を担持したものである請求項1〜15のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記ハニカム構造体が、ハニカムフィルタである請求項1〜16のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- 前記電源から供給される電圧波形が、ピーク電圧が300V以上かつ1秒あたりのパルス数が1以上であるパルス波形、ピーク電圧が300V以上かつ周波数が1以上である交流電圧波形、電圧が300V以上の直流波形、又は、これらのいずれかを重畳してなる電圧波形である請求項9〜17のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
- ディーゼルエンジンの燃焼ガスの排気系中に設置された請求項1〜18のいずれかに記載のプラズマリアクタ。
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