JP4298500B2 - 新規の色素形成基質およびカルボキシペプチダーゼ活性を分析する際のその使用 - Google Patents

新規の色素形成基質およびカルボキシペプチダーゼ活性を分析する際のその使用 Download PDF

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Description

本発明は、色素形成化合物、並びにカルボキシペプチダーゼNおよびカルボキシペプチダーゼUファミリー由来の酵素を分析する際の前記化合物の使用に関する。より具体的には、本発明は、血液サンプル中のTAFI(Thrombin Activatable Fibrinolysis inhibitor:トロンビン活性化可能なフィブリン溶解インヒビター)の活性を分析する際の前記化合物の使用、並びに対応の分析方法に関する。
カルボキシペプチダーゼ (CP) は、エキソペプチダーゼファミリーにおいて酵素の一グループを構成する。カルボキシペプチダーゼは、ポリペプチド鎖におけるアミド結合を最後のCOOH末端のアミノ酸で切断する酵素である。カルボキシペプチダーゼは、セリンカルボキシペプチダーゼ、システインカルボキシペプチダーゼおよびメタロカルボキシペプチダーゼを含む。
多くのカルボキシペプチダーゼが、細菌、酵母および植物で単離、配列決定されている。また、これら酵素は、哺乳類において広く種々の組織に存在する。
カルボキシペプチダーゼは、膵臓および多くの細胞から単離されている。血漿中を循環する他のカルボキシペプチダーゼが、クローニング、単離、配列決定されている。
これら酵素はすべて、それらの存在位置および物理的特性の両方に依存して生体内での役割を果たす。よって、カルボキシペプチダーゼは、基質特異性に従って別々に分類される。カルボキシペプチダーゼAは、比較的広い範囲を有する:カルボキシペプチダーゼAは、最後のアミノ酸が疎水性(Phe, Leu, Val, Ala)である場合、最後のアミノ酸のC末端ペプチド結合を優先的に加水分解する。カルボキシペプチダーゼAは、2つのカルボキシル基を有するアミノ酸(Asp, Glu)をゆっくりと加水分解し、またグリシン(Gly)をゆっくりと分解し、塩基性アミノ酸、例えばアルギニン(Arg)、リシン(Lys)、ヒスチジン(His)、またはリシンの低級相同体であるオルニチン(Orn)を加水分解せず、また第二のアミノ酸、例えばプロリン(Pro)またはヒドロキシプロリン(Hyp)を加水分解しない。
カルボキシペプチダーゼBは、最後の塩基性C末端アミノ酸、例えばArg、Lysを特異的に加水分解する。このクラスの酵素は、カルボキシペプチダーゼH(エンレファリンコンバターゼ(enlephalin convertase)またはカルボキシペプチダーゼEとしても公知である)、M、NおよびUにより構成されるサブクラスに更に分けられる。
カルボキシペプチダーゼEは、ランゲルハンス島、腎上体および下垂体の分泌顆粒、並びに脳に位置している。カルボキシペプチダーゼMは、多くの培養組織および細胞に存在する膜酵素である。
カルボキシペプチダーゼN(これ以降CPNと称する)は、血漿中を循環する酵素である。この酵素は、循環の際に遊離した塩基性C末端アミノ酸(好ましくはリシン)を含有するペプチドの血管作用性および炎症性効果に対して生物を保護する。この酵素は、血液中で活性型で存在する。この酵素は、その天然基質、すなわちブラジキニン、キニンおよびアナフィラトキシンのためにキニナーゼとも称される。
最後に、U(unstable;不安定な)カルボキシペプチダーゼ(これ以降CPUと称する)は、塩基性C末端アミノ酸をアルギニンを優先して加水分解するが、カルボキシペプチダーゼNとは対照的に、活性型であるときに非常に不安定である酵素である。
カルボキシペプチダーゼファミリー由来の酵素に関する最近の総論は、BOUMA et al (1)により記載されている。
TAFIは、塩基性亜鉛メタロカルボキシペプチダーゼである(1-4)。より明確には、これは、カルボキシペプチダーゼUであり、その活性は37℃で不安定である。この酵素は、ヒトにおけるそのcDNAおよび対応するアミノ酸配列を含めて、例えば米国特許US 5,206,161に記述され、フィブリン溶解を調節する際の当該酵素の役割については、活性化されたTAFIの存在下で凝血塊の溶解が遅延することがin vitroで観察されたことにより、初めて予測された。
活性化されたTAFIは、フィブリンのCOOH末端の位置に露出したアルギニンおよびリシン残基を切断する。この加水分解により、フィブリン凝血塊の表面にあるプラスミノゲンおよびtPA結合部位の数が減少し、これにより、tPAによるプラスミノゲンのプラスミンへの変換が減少する。
TAFIは、アルギニン残基に対するカルボキシペプチダーゼ活性のために、プロカルボキシペプチダーゼB(プロPCPB)と同定され、その後、不安定なプロカルボキシペプチダーゼ(プロCPU:Unstable ProCarboxypeptidase)およびプロカルボキシペプチダーゼR(CPR)と連続して同定された。酵素原の形態は、肝臓で合成され血漿中を循環する、60 kDaの単一鎖の糖タンパク質である。
酵素原は、トロンビンによりarg 92部位においてまず切断される。このタンパク分解により、幾つかのグリコシル化部位を含有する92アミノ酸N末端ペプチドが遊離する。TAFIに対するトロンビンの触媒作用は、二価イオンの存在下でトロンボモジュリンによりかなり増大する。トロンビンにより触媒されるTAFIの活性化の割合は、トロンボモジュリンとの三重複合系を形成するため、1000倍以上増大する。
活性化されたTAFI(TAFIa)は、酵素原のC末端触媒領域により構成され、309アミノ酸を含む。
フィブリン溶解プロセスを調節するメカニズムにおいて、活性化されたTAFIが重要な役割を有するため、種々の病的状況において血漿に存在する構成的な活性化されたTAFIおよび活性化可能なTAFIの量を測定可能であることが有用であると速やかに確認される。
特異的な基質を用いて種々のカルボキシペプチダーゼ活性を分析する幾つかの方法が、先行技術において記載されている。
WOLFF et al.(5)は、クロマトグラフィーにより精製された膵臓Bカルボキシペプチダーゼに対する合成基質 Hip-Arg, Hip-Lys, Hip-Ormの挙動を、UV吸収の差異を測定することにより比較した。
1970年に、S. SUZUKI et al.(6)は、試薬TT(2,4,6-トリクロロ-5-トリアジン)により遊離したベンゾイルグリシンの誘導体化(derivatisating)により、加水分解産物の検出を改良した。この誘導体化(derivation)は、αにおけるグリシンのCH2に対して、、単一の遊離酸官能基へと特異的に作用した。この誘導体は、鮮やかな黄色になった(382 nmでの最大波長)。
ヒプリル(Hippuryl)残基に黄色を発色するこの方法は、その後数人の著者によって広く利用された。
1972年に、K. LORENTZ et al.(7)は、アルギニン着色反応を利用して、試薬としてp-ベンゾキノンを用いてHip-Arg基質に対してBカルボキシペプチダーゼを作用させることにより、この時間が自由になった。このようにして着色された誘導体は、480 nmに最大波長を有していた。
1980年に、Th. H. Plummer et al.(8)は、合成基質:フリルアクリロイル-Ala-Lysを用いて、カルボキシペプチダーゼNを定量し、324 nm(近UVであり可視光でない)で読取った。
1985年に、G. H. Fischer et al.(9)は、分析すべきカルボキシペプチダーゼの特定のペプチドのN末端ダンシル化により蛍光基質を用いた。このアッセイは、読取りに先立って化学種をうまく分離するため、加水分解産物を抽出する工程が必須である。
1986年に、H. SARUTA et al.は、カルボキシペプチダーゼAの活性を比色定量法により測定した(10)。彼らは、特定の酵素:“ヒプリカーゼ”を利用して、CPAを用いたヒドロキシル−ヒプリシル−Phg基質の加水分解により得られたヒプリシル誘導体自体を加水分解した。この反応は、505 nmで吸収するキノンイミド着色剤を与える4-アミノアンチピリンにより最終的に明らかにされた。
1998年に、NAM JOO HONG et al.は、アルギニン類似体であるチアアルギニンと合成基質を用いてCPBsを分析した(11)。
しかし、上述の比色定量法は、CPNまたはCPU、とりわけTAFIの酵素活性を特異的に分析するために使用できないか、あるいは比色定量法による当該タイプの酵素の単純かつ効果的なアッセイ試験と適合しないという欠点がある。
実際、ケースに依存して、
* 着色された生成物を生じる誘導体化(derivatisation)反応は何れも、加水分解の間に遊離される化学種に対して特異的でない;
* あるいは、誘導体化試薬の毒性が高く、工業的規模で使用することができない;
* あるいは、着色の発色方法に時間がかかり、制限的であり、容易に自動化することができない。
1996年に、W. L. Mock et al.は、酵素の加水分解作用の下で脱色する合成基質を用いて、細菌に由来する細胞外亜鉛エンドプロテアーゼ、サーモリシンを分析する方法を記載した(12)。この目的のために、著者らは、アミン官能基にグラフトされたN-(4-メトキシフェニルアゾホルミル)を有するロイシン残基および中性アミノ酸(Leu, Ala, PheまたはGly)により構成されるジペプチド化合物を合成した。
アラゾホルミル基を組込むと、強く着色された化合物が生じる。サーモリシンの存在下で、着色剤分子は、(12-13)に記載されるメカニズムに従って化学的加水分解反応の間に転位し、非着色生成物(アニソールフラグメント, N2, CO2およびアミノ酸)を生じる。従って、培質の脱色速度を利用して酵素速度を求めることは容易である。
同著者は、カルボキシペプチダーゼA(13)およびブタの膵臓カルボキシペプチダーゼB(14)に対するのと同じ従前の原理に基づいて分光測光法により分析する反応速度論的(kinetic)方法を記載している。
このケースにおいて、使用される化合物は、N−アラゾホルミル基を有する、カルボキシペプチダーゼA(Phe, Leu)またはカルボキシペプチダーゼB(Lys)により切断されることが公知の単一のアミノ酸により構成される。これら化合物が非着色生成物へと酵素により切断されたことは、培質の着色低下を測定することにより求められる。
この情報から出発して、本発明者らは、カルボキシペプチダーゼNまたはカルボキシペプチダーゼUの活性、より詳細にはTAFIの活性を比色定量法により分析するための着色された新規化合物を合成した。
第一の側面において、本発明は、カルボキシペプチダーゼNまたはUのための基質、より詳細には活性化されたTAFIの基質を構成する新規化合物に関する。これら化合物は色素形成基質である。
本発明の化合物は、以下の一般式(I)で示されるアラゾホルミル化合物であることを特徴とする:
Figure 0004298500
ここで
Figure 0004298500
* R1, R2 = H, -CH3, -CH(CH3)2, -OCH3, -Cl, -CF3, -OCF3, -SCH3;
* R3 = カルボキシペプチダーゼAにより加水分解可能なアミノ酸ラジカル;
* R4 = 塩基性アミノ酸ラジカル。
より詳細には、R3は、例えば以下の疎水性アミノ酸ラジカルから選択される:
* チロシン:
Figure 0004298500
* フェニルアラニン:
Figure 0004298500
* アラニン: R3 = -CH3;
* バリン: R3 = -CH-(CH3)2;
* ロイシン: R3 = -CH2-CH-(CH3)2;
* イソロイシン:
Figure 0004298500
* フェニルグリシン:
Figure 0004298500
より明確には、R4は、例えば以下のアミノ酸ラジカルから選択される:
* アルギニン:
Figure 0004298500
* リシン: R4 = -(CH2)4-NH2;
* オルニチン: R4 = (CH2)3-NH2
好ましくは、R3は、芳香族アミノ酸残基、とりわけフェニルアラニンまたはチロシンを表し、R4は、アルギニンまたはリシンを表す。
好ましくは、R1は、
* -H および -CH3
から選択され;
R2は好ましくは、
* -CH3, -O-CH3 および -S-CH3
から選択される。
本発明の化合物の好ましいファミリーは、以下の一般式により表される:
Figure 0004298500
ここで
* A =
Figure 0004298500
* R1, R2 = -H, -CH3, (CH3)2CH-, CH3-O-, Cl-, -CF3;
* R3 = カルボキシペプチダーゼAにより加水分解可能なアミノ酸ラジカル;
* R4 = 塩基性アミノ酸ラジカル。
好ましくは、R3は、フェニルアラニンまたはチロシンを表し;
R4 は好ましくは、アルギニンまたはリシンを表す。
好ましくは、R1は、
* -H and -CH3
から選択され;
R2は好ましくは、
* -CH3, -O-CH3 and -S-CH3
から選択される。
本発明で規定されるファミリー由来の特に好ましい化合物は、式(I)で示される化合物であって、
* A =
Figure 0004298500
であり、R1, R2, R3, R4 が以下に示す化合物により構成される基から選択される化合物である:
Figure 0004298500
(括弧内の数字は、フェニルラジカル上のメチル基の位置を決める)。
とりわけ、上記規定の状況内において、本発明は、A, R1, R2, R3 および R4(その好ましい規定は上述のとおりである)の可能な組み合わせから得られる、式(I)で示される全ての化合物に関する。
以下の記載において、上記規定の化合物は、同様に、「式(I)で示される化合物」または「式(I)で示される基質」と称される。
第二の側面において、本発明は、生物学的サンプルにおけるカルボキシペプチダーゼNの活性、好ましくはCPUの活性を比色定量分析する方法であって、
* 前記サンプルを、該サンプルの加水分解が可能な条件下で、上述の式(I)で示される色素形成化合物およびカルボキシペプチダーゼAファミリー由来の酵素と接触させ;
* 該サンプルのCPNまたはCPUによる式(I)で示される前記化合物の加水分解を、前記化合物の吸収スペクトルから選択される波長において(吸収低下に対応する)着色低下を測定することにより決定する
方法に関する。
一方、着色低下は、サンプルのカルボキシペプチダーゼNまたはU、およびカルボキシペプチダーゼAによる、式(I)で示される基質の二重加水分解に起因する。
本発明の方法は、疎水性アミノ酸がフェニルアラニン、好ましくはチロシンであり、塩基性アミノ酸がアルギニンまたはリシンである式(I)で示される化合物を用いて好ましくは行われる。
本発明の方法は、R1が -Hおよび -CH3から選択され、R2が -CH3, -O-CH3および -S-CH3から選択される式(I)で示される化合物を用いて好ましくは実行される。好適には、式(I)で示される化合物においてR1が Hであるとき、R2は S-CH3である。
本発明の方法は、
Figure 0004298500
R1およびR2は、上記意味の何れかであり、R2は、好ましくは-S-CH3である式(I)で示される化合物のファミリーを用いて好適には実行される。
より詳細には、式(I)で示される化合物は、
Figure 0004298500
であり、R1, R2, R3, R4 が以下に示す化合物により構成される基から選択される、フェニルアゾホルミル化合物である:
Figure 0004298500
(括弧内の数字は、フェニルラジカル上のメチル基の位置を決める)。
使用されるカルボキシペプチダーゼAは、例えば膵臓または多くの細胞等の種々の供給源から得ることができる。カルボキシペプチダーゼAは、ヒトまたは動物由来であってもよい。
好ましくは、ウシ由来の膵臓カルボキシペプチダーゼAは、本発明の状況において使用される。
本発明の方法の原理は、媒質に添加したカルボキシペプチダーゼAの作用と、分析サンプル中に存在するかもしれないカルボキシペプチダーゼNまたはカルボキシペプチダーゼUの作用による、上述の式(I)で示される着色された基質の加水分解に基づくものである。この特異的な加水分解は、出発化合物の着色の消光につながり、これは分光光度計を用いて追跡することができる。
より明確には、上述のカルボキシペプチダーゼNまたはUおよびAの加水分解の特異性、並びに上述の式(I)で示される化合物の構造的特徴に依存するが、カルボキシペプチダーゼAおよび活性化されたカルボキシペプチダーゼNまたはUが前記化合物と接触することにより、カルボキシペプチダーゼNまたはUの作用のために、前記化合物の第一のアミノ酸と第二のアミノ酸との間の結合が切断され、その後ほぼ同時に、カルボキシペプチダーゼAの作用のためにアゾホルミル基と第一のアミノ酸との間の結合が切断される。
二つの反応結果、反応スタート時の媒質は脱色される。従って、着色剤[式(I)で示される化合物]の吸収波長において、好ましくは最大(ピーク)吸収に対応する波長において観察することにより、この着色低下を追跡することは容易である。
この低下は、加水分解の反応速度(kinetic)を表す。サンプル中に最初に存在する活性なカルボキシペプチダーゼNまたはUの量は、測定される光学密度を、例えば精製された活性なカルボキシペプチダーゼNまたはUの溶液中の濃度範囲から確立することができる検量線の光学密度と比較することにより計算される。
対照的に、サンプルがカルボキシペプチダーゼNまたはUを含有していないか、あるいは当該酵素が不活性である場合、式(I)で示される化合物の第一のアミノ酸と第二のアミノ酸との間の切断は起こらず、そのためカルボキシペプチダーゼAが、第一のアミノ酸上の着色基の結合に作用することができない。よって、反応スタート時の溶液の着色の低下は観察されない。
より詳細には、本発明は、生物学的サンプル、とりわけ全血または純粋な血漿もしくは希釈した血漿等の血液サンプルにおけるCPNまたはCPUの活性を分析する方法、好ましくは血液サンプル、とりわけ純粋な血漿もしくは希釈した血漿におけるTAFIの活性を分析する方法を提供する。
このケースでは、バッファー溶液、必要であれば活性を測定するカルボキシペプチダーゼの活性化剤を含むバッファー溶液(これ以降活性化剤バッファーと称する溶液)の存在下に、まず試験サンプルを導入し、調査されるカルボキシペプチダーゼを活性化するのに必要な時間インキュベートする。好ましくは、インキュベーションは、周囲温度で5〜20分間、好適には8〜12分間、好ましくは10分間行う。
本発明の好ましい実施において、カルボキシペプチダーゼ活性化剤は、カルボキシペプチダーゼU、とりわけTAFIを活性化するために作用することが可能な活性化剤、とりわけ凝固因子とすることができる。
このケースでは、その後、当該混合物にセリンプロテアーゼインヒビターを添加して、凝固プロセスに妨害を引き起こす。セリンプロテアーゼインヒビターは、例えば、PPACK (H-D-Phe-Pro-Arg-クロロメチルケトン-Bachem - Ref. No. 1065)であり、これは、最終濃度範囲 1 〜 50 μM、好ましくは 30 μMで使用され、初期濃度 10 〜 250 μM、好ましくは 150 μMに相当する。また、0.1 mMの濃度で優先的に使用される、Pefabloc [4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニルフルオライドヒポクロライド - Penthapharm - Ref. 399.01] 等の他の化合物も適切である。
インヒビターを添加するのと同時もしくは直後に、本発明の式(I)で示される化合物の一つを水溶液で添加する。この化合物は、最終濃度範囲 0.25 〜 10 mM、好ましくは 0.25 〜 2.5 mM、好適には 0.25 〜 1 mMで一般に使用される。この化合物は、好ましくは0.4 mMの濃度で使用される。
好ましくは周囲温度での新たなインキュベーション期間(この間に、式(I)で示される基質が、活性を調査したいサンプルのCPNまたはCPUにより、その第二のアミノ酸で切断される)の後、HClの添加により加水分解を停止し、その直後に塩基を添加してpHを7〜8の範囲の値に再調整することができる。
その後、得られた混合物の光学密度の一回目の測定を、媒質にCPAを添加することなく行う。その後CPAを媒質に添加して、ODを再度測定する。この低下は、分光光度計を用いて求めることができる。これは、サンプルのCPUまたはNおよびCPAの共同作用による、式(I)で示される基質の加水分解を表す。
測定されたデルタOD (ΔOD) を、例えば調査されるCPNまたはCPUを欠損したサンプルであって、精製されたCPNまたはCPUでオーバーロードされたサンプルから得ることができる検量線上の値と比較する。
上述のプロトコールは、本発明の好ましい実施を構成する。しかし、種々の化合物を添加する順序および前記化合物の種類に関しては、幾つかのバリエーションを予測することができる。また、幾つかの変化は、本発明の規定に包含される。
従って、例えば、本方法の開始から、凝固活性化剤バッファーと同時に、式(I)で示される基質を組込むことが可能である。
同様に、同じ反応媒質の二つの部分を用いて、その一つのみをCPAで処理して、アッセイを行うこともできる。その後、これら二つの部分の間のΔODを測定する。
活性化剤バッファーが凝固を活性化する場合、当業者に公知であり、凝固試験で慣例的に使用される種々のルートを用いて活性化を行うことができる。
これら活性化ルートは、詳細には以下のとおりである:
* トロンビン/トロンボモジュリン複合体による活性化ルート。この第一の可能性は、本発明の好ましい実施を構成する;
* 活性化因子XIの活性化ルート。この場合、活性化因子XIが、活性化剤バッファー中のトロンビンに取って代わる。反応を促進するため、媒質にトロンボモジュリンを添加することが好適である;
* とりわけヘビの毒物である毒物の活性化ルート。プロトロンビンおよび/またはトロンボモジュリンの媒質への添加も可能である。好ましい毒物は、「トロンビン様」毒物ファミリーに由来する毒物、例えばArkistrodon rhodostomaまたはBathrops atroxの毒物、およびプロトロンビン活性化剤毒物、例えばNotechis scutatusまたはEchis carinatus由来の毒物である(15-18);
* リン脂質およびカルシウムの存在下での組織因子の活性化ルート(クイックタイム原理(Quick time principle)を用いた外因性ルートの活性化);
* 接触相(contact phase)の活性化ルート;
* プラスミンの活性化ルート。
好適には、本発明の方法は、同一のサンプルについて、サンプル中に存在する「構成的な(constitutional)」CPNおよび/またはCPUの活性、すなわち「天然に」活性な形態で存在するCPNおよび/またはCPUの活性(すなわち、活性化剤バッファーにより活性化を誘導しない)を最初に測定し、次に、活性化可能なCPNおよび/またはCPUの活性、すなわち不活性な形態でサンプル中に存在するCPNおよび/またはCPUの活性(この活性は、活性化剤バッファーにリンクした活性化プロセスの間に誘導され生じる)を測定することができる。
この目的のために、式(I)で示される基質に対するサンプルの加水分解活性を、上述の方法を利用して、活性化剤バッファーの存在下にあるサンプル(サンプル中のCPNまたはCPUの全活性の検出)または活性化剤を含まない生理学的バッファーの存在下にあるサンプル(構成的なCPNおよび/またはCPUの活性の検出)を用いて比較する。
二つの測定の間の差(ΔOD)は、サンプル中に存在する、活性化可能なCPNまたはCPUの活性を示す。
好ましいバリエーションにおいて、本発明は、生物学的サンプル、とりわけ血液サンプル中の活性化されたTAFIを分析する方法であって、上述の式(I)で示される化合物または基質の一つを用いた方法に関する。
構成的なTAFIおよび/または活性化可能なTAFIの活性は、特異的なTAFIインヒビターの存在下および非存在下で、規定したとおりサンプルを処理することにより測定される。
好ましいインヒビターは、CPI (ポテト塊茎のカルボキシペプチダーゼインヒビター)であり、TAFIの機能に関するインビトロおよびインビボ研究におけるCPIの利用は、文献(参考文献1)に広く記載されている。今日、CPIが、他の血漿CPの活性を変化させることなくTAFIを特異的に阻害することは当業者に周知である。本発明の方法の状況内において、CPIは、0.10 〜 0.50 mM (初期濃度) の濃度範囲、すなわち最終濃度で表現すると 2 〜 10 μMの濃度範囲で使用することができる。CPIは、7 μM (最終濃度)、すなわち0.38 mM (初期濃度)で好ましくは使用される。
この好ましいバリエーションの原理に従って、サンプルは、TAFI活性化バッファー、例えばトロンビン/トロンボモジュリン複合体による凝固のための活性化バッファーにより活性化され、上述の方法を用いて、TAFIインヒビターの存在下または非存在下で処理される。
よって、TAFIインヒビターを含む媒質と含まない媒質の着色の差により、サンプル中の活性化されたTAFI(TAFIa)の酵素活性を測定することが可能である。
より明確には、本発明の方法は、以下のプロトコールを用いて行うことができる:サンプル中に含有されるTAFIの全活性を測定したいか、あるいは構成的なTAFIの活性と活性化可能なTAFIの活性との間の差を測定したいかに依って、試験サンプルを2つの部分、必要であればそれ以上の部分に分ける。
* TAFIインヒビターを含有する第一の部分を、上述の方法を用いて活性化し、処理する。これは、媒質の僅かな脱色を生じるのみであり、サンプル中に存在する他のカルボキシペプチダーゼによる、式(I)で示される基質の副次的な加水分解から生じたものである;
* 第二の部分を、同じ方法であるがTAFIの非存在下で処理する。これは、サンプル中の活性化されたTAFIによる、式(I)で示される基質の加水分解にリンクした、媒質の激しい脱色に至る;
* 第一の部分と第二の部分との間の着色の差 (ΔOD) を測定する。これは、サンプル中の活性化されたTAFIの特異的活性を表す。
活性化可能なTAFIの特異的な活性と構成的なTAFIの活性とを区別したい場合、
同サンプルの第三の部分を使用して、第三の部分の加水分解活性を、活性化剤バッファーを媒質に添加しないことにより活性化を触発しないで、式(I)で示される基質について測定する。
これら異なる部分の間のΔODは、サンプルの全TAFI活性または構成的なTAFIのみの活性の何れかを示し、これにより、活性化可能なTAFIの活性を推論することができる。
第三の側面において、本発明は、CPNまたはCPUを分析するための診断キットであって、上記規定の式(I)で示される基質を含む診断キットに関する。
好ましくは、本発明の診断キットは、血液サンプル中のTAFI活性を測定するためのキットである。
前記診断キットは、
* TAFI活性化剤、とりわけTAFI活性化剤バッファー;
* カルボキシペプチダーゼA;
* 式(I)で示される基質;
* TAFIインヒビター。
を含む。
また、このキットは、セリンプロテアーゼインヒビターを任意に含む。
これら構成成分の各々は、好ましくは粉の形態またはフリーズドライされた形態である。
以下の実施例および図面により本発明を説明する。
例1:
本発明に従ったアゾールホルミル化合物群の合成
下記表1に、本発明の式(I)で示される化合物のうち8つの好ましい化合物の化学式を示す。UV-可視分光光度計(UVIKON-KONTRON)を用いて測定されたこれらの吸収スペクトルを図1に示す。これらの1つである化合物4(MxPAFFR)の合成を以下に詳述する。
この化合物について以下に記載する工程は、その他の各化合物と同一であるが、例外として化合物5(MxPAFFK)では、リシンを脱保護するための追加の工程が必要であった(後述の反応スキームおよび説明を参照されたい)。
表1
Figure 0004298500
Figure 0004298500
Figure 0004298500
A/ 4-メトキシフェニルアゾホルミルフェニルアラニルアルギニン(化合物4)の合成:
序論:以下に記す全ての工程は、各着色剤について同一であった。各工程は、高速液体クロマトグラフィーを用いて、フェニルアラニンおよびアルギニンのカップリングについてはアミノ酸分析を用いてモニターされた。
第1工程:グリニャール試薬
反応スキーム:
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1当量の4-ブロモアニソールおよび1当量のマグネシウムを調製した。マグネシウムおよび20重量%の4-ブロモアニソールを、3つ口フラスコ内に導入し、無水テトラヒドロフラン(2 mL/mmol)中に溶解し、堆積物(assembly)を窒素下に置いた。3つ口フラスコをガスバーナー(blow torch)を用いて一点で加熱することにより反応を開始し;反応混合物は茶色に変化した。反応が開始したら(マグネシウム表面に気泡)、90℃の還流下に置き、次いで、無水THF(2 mL/mmol)中に溶解した残留する4-ブロモアニソールをゆっくりと添加した。還流を1時間後に停止させた。4-メトキシフェニルマグネシウムブロマイドを、次の工程の合成に用いた(茶色)。
NB:ガラス容器とマグネシウムとを初めに120℃でオーブン乾燥させ、他の生成物をデシケーター内で乾燥させた。
保持時間:グリニャール試薬が非常に不安定で水感受性の化合物であるため、HPLC分析の間に形成された分解産物について3つの特徴的な保持時間が得られた:
保持時間1:2.68分;
保持時間2:3.32分;
保持時間3:5.38分。
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1当量のジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートおよび1当量の4-メトキシフェニルマグネシウムブロマイド(グリニャール試薬)を無水THF(2 mL/mmol)中に溶解した。各々を0〜5℃の間で冷却した。グリニャール試薬をジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートに添加した。これを10分間撹拌し、1.02当量の酢酸を添加し、次いで周囲温度にまで戻した。水/エーテル抽出を行った。エーテル相を乾燥させ、乾燥するまで蒸発させた。黄色の油状物を得た。
保持時間:7.85分。
第3工程:脱保護
反応スキーム
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1当量のN,N’-ビス-(t-ブトキシカルボニル)-4-(メトキシ)フェニルヒドラジンをイソプロパノール(10.2 mL/mmol)中に溶解し、次いでジオキサン(2 mL/mmol)中のHCl 4.8 Mを添加した。これを加熱して還流させた(80℃)。15分後、冷却し、エーテルを添加した(5 mL/mmol)。4-メトキシフェニルヒドラジンヒドロクロライドが沈殿した。これを濾過し、乾燥させた。粉末を水中に溶解し、次いでpHを7にした。水/ジクロロメタン抽出を行い、ジクロロメタンを蒸発させて乾燥させた。4-メトキシフェニルヒドラジン(黄色の粉末)を得、乾燥させた。
保持時間:2.20分。
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
反応スキーム:
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1.4当量のジフェニルカーボネートをベンゼン(0.25 mL/mmol)中に溶解し、120℃で加熱して還流させた。ベンゼン(0.7 mL/mmol)中に溶解した1当量の4-メトキシフェニルヒドラジンをゆっくりと添加した。6時間後還流を停止させた。反応媒質(reaction medium)を濃縮し、次いでヘキサン/ベンゼン結晶化を行った(4/1)。白色がかった結晶を濾過し、デシケーター内で乾燥させた。
保持時間:6.74分。
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:ジメチルホルムアミド(3.33 mL/mmol)中に溶解した1.2当量のフェニルアラニントリエチルアンモニウム塩を加熱して還流させた(95℃)。ジメチルホルムアミド(2 mL/mmol)中に溶解した1当量の4-メトキシフェニルヒドラゾホルメートをゆっくりと添加した。1時間30分後に還流を停止させ、周囲温度にまで冷却し、濃縮した。これを酸性にした(pH=2)。クロマトグラフィにより精製した(白色がかった結晶)。
保持時間:6.12分。
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
反応スキーム
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1当量のN-(4-メトキシフェニルヒドラゾホルミル)-L-フェニルアラニンを、1当量の水酸化ナトリウムおよび1当量の酢酸アンモニウムを含んだ超純水(20.8 mL/mmol)中に溶解した。超純水(4.2 mL/mol)中に溶解した1当量のメタ過ヨウ素酸ナトリウムを添加した。20分後、反応媒質を酸性にし(pH=2)、次いでクロマトグラフィにより精製した(橙色の結晶)。
保持時間:6.86分。
第7工程:アルギニンとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1当量のアルギニンメチルエステルヒドロクロライドをジメチルホルムアミド(3 mL/mmol)中に溶解した。1.1当量のDIAE(ジイソプロピルエチルアミン)、1当量のN-(4-メトキシフェニルアゾホルミル)-L-フェニルアラニン、次いで1.1当量のTBTU(O-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)を添加した。必要量のDIAEを添加して、pHを7〜8とした。5分後、これを蒸発させて乾燥させ、クロマトグラフィにより精製した(橙色の結晶)。
保持時間:6.06分。
第8工程:鹸化
反応スキーム
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1当量のN-(4-メトキシフェニルアゾホルミル)-L-フェニルアラニンアルギニンメチルエステルを水/メタノール混合物(比:1/2;3 mL/mmol)中に溶解した。3当量の1N 水酸化ナトリウムを添加した。1時間後、反応媒質を酸性にし、濃縮し、次いで水/ジクロロメタンを用いて抽出した。ジクロロメタン相を蒸発させ、次いで乾燥させた。N-(4-メトキシフェニルアゾホルミル)-L-フェニルアラニルアルギニンを橙色の粉末として得た。
保持時間:5.5分。
最終生成物のアミノ酸分析を酸加水分解後に行い、配列の同質性(sequence homogeneity)を検査した。この分析の結果を図2のクロマトグラムに示す。
分析条件
・HPLC AAA ライン:PITC(フェニルイソシアネート)プレカラム誘導化(derivatization);
・C18カラム;100A;5μ;250 x 4.6mm;
・254nmで検出;流速=1mL/分;
・溶出剤:
A:pH 5.74 酢酸緩衝液;
B:70% CH3CN,30% AcONa 緩衝液;32mM;pH=6.10;
C:CH3CN。
他の化合物のための合成プロトコールは上述したものと同様の工程に基づく。これらを下記の反応スキームにまとめる。
上記化合物の合成の各工程で得られた保持時間を下記表IIに示す:
表II:合成された他の着色剤の各工程においてHPLCを用いて得られた保持時間
Figure 0004298500
分析条件:
・C18カラム;5μ;100 x 4.6mm;
・254nmで検出;流速=1mL/分;
・勾配:0’→10%B;10’→90%B
・A:1%トリフルオロ酢酸を含んだ水
B:0.1%トリフルオロ酢酸を含んだアセトニトリルを用いる。
B/ 2,3-ジメチルフェニルアゾホルミルフェニルアラニルアルギニン(化合物1)の合成:
第1工程:グリニャール試薬
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
Figure 0004298500
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
Figure 0004298500
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
Figure 0004298500
第7工程:アルギニンとのカップリング
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
Figure 0004298500
C/ 2,4-ジメチルフェニルアゾホルミルフェニルアラニルアルギニン(化合物2)の合成:
第1工程:グリニャール試薬
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
Figure 0004298500
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
Figure 0004298500
第6工程:酸化:「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
Figure 0004298500
第7工程:アルギニンとのカップリング
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
Figure 0004298500
D/ 2,5-ジメチルフェニルアゾホルミルフェニルアラニルアルギニン(化合物3)の合成:
第1工程:グリニャール試薬
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
Figure 0004298500
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
Figure 0004298500
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
Figure 0004298500
第7工程:アルギニンとのカップリング
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
Figure 0004298500
E/ 4-メトキシフェニルアゾホルミルフェニルアラニルリシンの合成:
第1工程:グリニャール試薬
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
Figure 0004298500
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
Figure 0004298500
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
Figure 0004298500
第7工程:リシンとのカップリング
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
Figure 0004298500
第9工程:脱保護
この特定の化合物は、リシン側鎖(ε-boc:N-ε-tertioブトキシカルボニル)を脱保護するために、追加の工程を必要とした。
Figure 0004298500
オペレーティング・モード:1当量のN-(4-メトキシフェニルアゾホルミル)-L-フェニルアラニル-L-リシン(ε-Boc)をフラスコ内のジクロロメタン(3 mL/mmol)中に溶解した。撹拌を開始した。トリフルオロ酢酸(3 mL/mmol)を含んだ滴下漏斗(dropping funnel)を連結した。これをゆっくり添加した(滴下)。15分後、反応媒質を濃縮し、高速液体クロマトグラフィにより精製した。最後に橙色の粉末を得た。
F/ 3-クロロ-p-トリルアゾホルミルフェニルアラニルアルギニン(化合物6)の合成:
第1工程:グリニャール試薬
反応スキーム
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
反応スキーム
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
反応スキーム
Figure 0004298500
第7工程:アルギニンとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
反応スキーム
Figure 0004298500
G/ 3-クロロ-p-トリルアゾホルミルフェニルアラニルアルギニン(化合物7)の合成:
第1工程:グリニャール試薬
反応スキーム
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
反応スキーム
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
反応スキーム
Figure 0004298500
第7工程:アルギニンとのカップリング
反応スキーム
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
反応スキーム
Figure 0004298500
H/ 4-メチルチオフェニルアゾホルミルフェニルアラニルアルギニン(化合物8)の合成:
第1工程:グリニャール試薬
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
Figure 0004298500
第5工程:フェニルアラニンとのカップリング
Figure 0004298500
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
反応スキーム
Figure 0004298500
第7工程:アルギニンとのカップリング
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
Figure 0004298500
I/ 4-メチルチオフェニルアゾホルミルチロシルアルギニン(化合物9)の合成:
第1工程:グリニャール試薬
Figure 0004298500
第2工程:ジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートとのカップリング
Figure 0004298500
第3工程:脱保護
Figure 0004298500
第4工程:ジフェニルカーボネートとのカップリング
Figure 0004298500
第5工程:チロシンとのカップリング
Figure 0004298500
第6工程:酸化;「ヒドラゾ」型から「アゾ」型への変化
Figure 0004298500
第7工程:アルギニンとのカップリング
Figure 0004298500
第8工程:鹸化
Figure 0004298500
例2:
1 - アッセイの原理および使用した主な試薬
TAFIa酵素活性の原理
Figure 0004298500
2.本発明の方法に従ってTAFIの活性を分析するためのプロトコールの例
a) 第一オペレーティング・モード:トロンビン - トロンボモジュリン方法
試験用血漿サンプルを2つの部分に分け、一つにはPIC (Calbiochem - ref 217359)を補充し、もう一つはHepesバッファーを補充した。
その後、2つの部分を以下の原理に従って同一の方法で処理した:
TAFIの活性化
Hepesバッファーで1/20希釈された150 μlの血漿 (精製されたTAFI, Hepesバッファー中に13 μg/ml);
10 μlのPIC または H2O;
周囲温度で5分;
150 μlの凝固活性化剤バッファー;
周囲温度で10分;
100 μl PPACK + 100 μl MxPAFFR (基質) (5 mM)。
TAFI活性試験
周囲温度で30分;
100 μl HCl 1M + 100 μl NaOH 1M;
発色:
Hepesバッファーで1/3に希釈;
382 nmで OD を読取る;
25 μl カルボキシペプチダーゼA;
382 nmで1分間 OD を読取る。
第一オペレーティングモードの可能なバリエーション:
* アッセイは、37℃の温度で行うことができる;
* 基質は、活性化剤バッファーと同時に、はじめから(ab initio)取り込むことができる;
* 読取りは、HPLCにより行うことができる。
種々の生成物についての好ましい最終濃度:
* PPACK: H-D-Phe-Pro-Arg-クロロメチルケトン, MW = 451 30 μM (Bachem - ref n° 1065);
* Pefabloc: PPACKの代わりに使用することができる: 0.1 mM (Pentapharm - ref 399.01);
* 基質 (MxPAFFR): 1 mM;
* カルボキシペプチダーゼA: ウシ膵臓由来 (Sigma - ref C 0386)。
5000 ユニットを有する5.1 mlフラスコ、21 mg prot/ml, 47 units/mg タンパク質。
CPAを、プレフィルター、5 μm フィルターおよび0.45 μm フィルターで濾過し、それにmlのH2Oを添加した。
* PIC: 7 μMで使用
1 mg のPCI は、製造者 (Calbiochem)により示されるとおり、約8 mg の TAFI (50 U/mg)を 50% 阻害することができる。
30 μM PPACKの濃度は、150 μMの初期濃度に相当する。1 mM の基質の最終濃度は、5 mMの初期濃度に相当する。7 μM CPIの最終濃度は、0.38 mMの初期濃度に相当する。
本発明者らは、上記濃度をモニターして4 μMに低下したPPACKの最終濃度および低下した基質の最終濃度を使用することができることを観察した。
活性化剤バッファー:
* 本発明において凝固を活性化する好ましいルートは、トロンビン/トロンボモジュリン複合体による活性化ルートである。このケースにおいて、使用する活性化剤バッファーは、以下の構成成分を含む:
0 〜 80 nM、好ましくは10 nMのトロンボモジュリン37 μl (ウサギ肺トロンボモジュリン - American Diagnostica - ref 237);
0.2 〜 10 NIH/ml、好ましくは0.8 NIH/mlのトロンビン6 μl (Diagnostica Stago- リサーチ・プロダクト);
0 〜 80 nm、好ましくは40 nMの塩化カルシウム750 μl;
705 μl のHepesバッファー, 9.4 mM, pH = 7.6。
濃度は、最終体積1498 μlの活性化剤バッファーについて示す。
NB: Hepesバッファーは以下のものを含む: 20 mM Hepes, 4 mM KCl および 1% BSA。他の試験は、20 mM Hepesおよび150 mM NaClを用いて行った。
* 本説明において記載したとおり、他の活性化ルート、とりわけ因子XIaによる活性化ルートが可能である。
このケースにおいて、活性化剤バッファーの一例は、以下の構成成分を含有する:
5 μl のトロンボモジュリン, 30 U/ml;
30 μl の 純粋な因子XIa (Calbiochem - ref 233483);
88 μl Hepesバッファー, pH = 7.4 (Hepes 20 mMおよびNaCl 150 mM)。
濃度は一例として示し、当業者により再調整することができる。
b) 第二オペレーティング・モード: トロンビン生成方法
凝固の別の活性化ルートは、トロンビンを含み、接触相に対する活性化剤の実行(implementation)を必要とする。
Figure 0004298500
例3:
トロンビン/トロンボモジュリン方法における検量線の確立
以下の図3は、0 〜 26 μg/mlのTAFI濃度の範囲を得るために、精製TAFIでオーバーロードしたTAFIを含まない血漿から確立した検量線を示す。
使用した式Iで示される化合物は、5 mMの濃度のMxPAAFRであった。
本発明の方法に従って測定されたΔODを以下の表IIIに示す:
Figure 0004298500
図3に示すとおり、検量線は、調査された濃度範囲において直線的である。これは、正常の区域を広くカバーし、TAFIは、5 〜 15 μg/mlの濃度で生物に存在する。
よって、本発明の方法は、TAFIの欠損および異常に高いレベルの両方を検出することができる。
例4:
種々の血漿タイプで得られた結果
本発明の方法を、例2に記載のプロトコールを用いて種々の血漿タイプに適用した。
フレッシュな血漿、凍結した血漿:
フレッシュな血漿または凍結した血漿についてアッセイを行うことができるが、ODの低下が、これら2つの間で観察される。これは、解凍の間のTAFIの僅かな分解により生じる(当該タンパク質が分解する)。
フレッシュな血漿 凍結された血漿
9.4 μg/ml 6.0 μg/ml
11.2 μg/ml 6.5 μg/ml
10.7 μg/ml 5.6 μg/ml
凍結された血漿、凍結乾燥された血漿:
TAFIアッセイは、凍結乾燥された血漿について可能であり、凍結された血漿と同様である。
凍結された血漿 凍結乾燥された血漿
ΔOD 0.302 0.354
種々の由来の凍結された血漿:
血栓崩壊性 2.9 μg/ml
CIVD 2.8 μg/ml
肝硬変症 1.4 μg/ml
妊婦 7.1 μg/ml
フィブリノーゲン過剰血症 4.6 μg/ml
HNF 6.1 μg/ml (分別されていないヘパリン)
AVK 5.8-8.2-6.5-7.1 μg/ml (抗-ビタミン K)
例5:
本発明の種々の基質を用いて行ったアッセイ
本発明の方法を、例1に記載の種々の化合物とともに、精製されたTAFIを含有する溶液に適用した。
試験は、Hepesバッファー中に6.5 μg/ml の精製TAFIを含有する溶液に対して行った。その結果を以下の表IVに示す。
Figure 0004298500
例6:
本発明に従った式(I)で示される化合物に対するTAFIaの特異性:
以下の例は、他の基本的なカルボキシペプチダーゼと比較して、CPNまたはCPU、とりわけTAFIの活性を特異的に分析するために、本発明の方法および式(I)で示される化合物を用いる必要性を実証することを目的とする。
1/ このケースにおいて、アッセイは、Mock (14)により記載される化合物のファミリーに由来する基質を用いて行った。この基質は、アニジルアゾホルミル発色ラジカル (CH3OC6H4-N=N-CO- 部分) を有する単一のアミノ酸により構成されていた。選択されるアミノ酸は、アルギニン、カルボキシペプチダーゼBにより正常に加水分解される塩基性アミノ酸であった(1)。
これ以降、この基質をAAFR (アニジルアゾホルミルアルギニン) または MxAFR (4-メトキシフェニルアゾホルミルアルギニン)と称する。
この基質 (0.25 mM)を、血漿TAFIのサンプルまたはブタ膵臓カルボキシペプチダーゼB (Sigma, Reference: C9584), 5.2 mol/l の溶液の何れかの存在に導入した。
2つのサンプルの各々の着色低下を、分光光度計を用いて追跡した。各サンプルを以下のプロトコールを用いて処理した:
a) 出発サンプル:
* 血漿TAFI (正常な血漿プールに存在する - 1/20に希釈); または
* ブタ膵臓カルボキシペプチダーゼB, 5.2 mol/l (Hepesバッファー中);
b) トロンビン-トロンボモジュリン-CaCl2 複合体 (例2参照) による、血漿TAFIサンプルの活性化;
c) 5 mM AAFRの添加;
d) 382 nmでODを読取る。
結果:
Figure 0004298500
結論:
活性化されたTAFIは、膵臓CPBとは対照的にAAFRを加水分解しない。
2/ 次いで、TAFIaが、それにもかかわらず式(I)で示される化合物を加水分解することを証明するために、本発明の方法を、式(I)で示される基質 (MxPAFFK) または MxAFR の何れかとともに、精製TAFIの溶液に適用した。凝固の活性化を、トロンビン-トロンボモジュリン-CaCl2 複合体により誘発した (例2のプロトコール参照)。
2つのサンプルの各々の着色低下を、分光光度計を用いて追跡した。
a) 出発サンプル: 精製されたTAFI溶液, 18 μg/ml (Hepesバッファーで希釈);
b) 凝固を活性化する;
c) 27 mM MxAFR または MxPAFFK (コントロール), MxAFFKのコンセントレーションを添加する;
d) MxPAFFKを含有するサンプルにCPAを添加する;
e) 382 nmでODを読取る。
結果:
Figure 0004298500
結論:
活性化されたTAFIは、MxAFRを加水分解しないが、MxPAFFKに対して活性である。
例7: トロンビン生成方法論
例2、オペレーティング・モード b)に記載されるとおり、血漿プールを希釈することにより、ある範囲(range)が作成された(図4)。
Figure 0004298500
この方法論により、トロンビンを生成する能力の機能(function)として、血漿を区別することができる。この方法論は、患者の凝固能亢進状態をよりよく反映していた。
参考文献
Figure 0004298500
Figure 0004298500
UV可視分光光度計を用いて測定した、式(I)で示される種々の合成化合物の吸収スペクトル。 UV可視分光光度計を用いて測定した、式(I)で示される種々の合成化合物の吸収スペクトル。 UV可視分光光度計を用いて測定した、式(I)で示される種々の合成化合物の吸収スペクトル。 酸加水分解により行われたAAFFR分析。 精製されたTAFIでオーバーロードして0 〜 26 μg/mlの濃度範囲を得た、TAFI欠損血漿から確立された検量線。 血漿プールから得た濃度範囲についての検量線。検量線は、トロンビン生成方法を用いて作成した。比色定量分析は、色素形成基質 4-MTPAFYRを用いて行った。

Claims (41)

  1. 以下の式(I)で示される化合物:
    Figure 0004298500
    ここで
    Figure 0004298500
    * R1, R2 = H, -CH3, -CH(CH3)2, -OCH3, -Cl, -CF3, -OCF3, -SCH3;
    * R3 = カルボキシペプチダーゼAにより加水分解可能なアミノ酸の側鎖;
    * R4 = 塩基性アミノ酸の側鎖
  2. 以下の式(I)で示される請求項1に記載の化合物:
    Figure 0004298500
    ここで
    Figure 0004298500
    * R1, R2 = H, -CH3, -CH(CH3)2, -OCH3, -Cl, -CF3, -OCF3, -SCH3;
    * R3 = 疎水性アミノ酸の側鎖;
    * R4 = アルギニンまたはリシンの側鎖
  3. R1 = H であり、R2 = -S-CH3 であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
  4. R3 が、以下のアミノ酸から選択されるアミノ酸の側鎖であることを特徴とする、請求項1または3に記載の化合物:
    * チロシン;
    * フェニルアラニン;
    * アラニン;
    * バリン;
    * ロイシン;
    * イソロイシン;
    * フェニルグリシン。
  5. R3 がフェニルアラニンの側鎖であることを特徴とする、請求項1または3に記載の化合物。
  6. R3 がフェニルアラニンまたはチロシンの側鎖であり、R4 がアルギニンまたはリシンの側鎖であることを特徴とする、請求項1または3に記載の化合物。
  7. R3 がチロシンの側鎖であることを特徴とする、請求項1または3に記載の化合物。
  8. R1 が -H および -CH3 から選択され、R2 が CH3, O-CH3 および -S-CH3 から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  9. A が
    Figure 0004298500
    であることを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の化合物。
  10. 式(I)で示される請求項1に記載の化合物であって、
    Figure 0004298500
    であり、R1, R2, R3, R4 が以下に示す化合物により構成される基から選択される化合物:
    Figure 0004298500
    (括弧内の数字は、フェニルラジカル上のメチル基の位置を決める)。
  11. 4-MTPAFYR (4-メチルチオフェニルアゾホルミルチロシンアルギニン) であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  12. 生物学的サンプルにおけるカルボキシペプチダーゼNまたはカルボキシペプチダーゼUの活性を分析する方法であって、
    * 前記サンプルを、該サンプルの加水分解を許容する条件下で、請求項1〜11の何れか1項に記載の式(I)で示される化合物およびカルボキシペプチダーゼAと接触させ;
    * 式(I)で示される基質およびカルボキシペプチダーゼAを含有する前記サンプルの着色低下を、該サンプルのCPNまたはCPUによる、並びにCPAによる、式(I)で示される基質の二重加水分解に起因して測定する
    方法。
  13. R1 = H であり、R2 = -S-CH3 であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. R4 がアルギニンまたはリシンの側鎖であることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記基質が、R3 が以下のアミノ酸から選択されるアミノ酸の側鎖である式(I)で示される化合物であることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法:
    * チロシン;
    * フェニルアラニン;
    * アラニン;
    * バリン;
    * ロイシン;
    * イソロイシン;
    * フェニルグリシン。
  16. R3 がチロシンの側鎖であることを特徴とする、請求項12〜15の何れか1項に記載の方法。
  17. 前記基質が、R3 がフェニルアラニンの側鎖である式(I)で示される化合物であることを特徴とする、請求項12〜15の何れか1項に記載の方法。
  18. 前記基質が、R3 がフェニルアラニンの側鎖であり、R4 がアルギニンまたはリシンの側鎖である式(I)で示される化合物であることを特徴とする、請求項12〜15の何れか1項に記載の方法。
  19. 前記基質が、R1 が -H および -CH3 から選択され、R2 が CH3, O-CH3 および -S-CH3 から選択される式(I)で示される化合物であることを特徴とする、請求項12〜18の何れか1項に記載の方法。
  20. 前記基質が、式(I)で示される化合物であって、
    Figure 0004298500
    * R1, R2 = H, -CH3, -CH(CH3)2, -OCH3, -Cl, -CF3, -OCF3, -SCH3;
    * R3 = カルボキシペプチダーゼAにより加水分解可能なアミノ酸の側鎖;
    * R4 = 塩基性アミノ酸の側鎖
    であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  21. 前記基質が、式(I)で示される化合物であって、
    Figure 0004298500
    であり、R1, R2, R3, R4 が以下に示す化合物により構成される基から選択される化合物:
    Figure 0004298500
    (括弧内の数字は、フェニルラジカル上のメチル基の位置を決める)であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  22. 式(I)で示される前記化合物が、4-MTPAFYR (4-メチルチオフェニルアゾホルミルチロシンアルギニン) である、請求項12、13、15、20および21の何れか1項に記載の方法。
  23. 前記混合物の光学密度を、CPAを添加しないで測定し、その後CPAを添加して測定することを特徴とする、請求項12〜22の何れか1項に記載の方法。
  24. 測定される着色の前記低下を、検量線上の値と比較することを特徴とする、請求項12〜23の何れか1項に記載の方法。
  25. 前記サンプルが血液サンプルであることを特徴とする、請求項12〜24の何れか1項に記載の方法。
  26. 前記サンプルが血漿であることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 前記CPAが膵臓CPAであることを特徴とする、請求項12〜26の何れか1項に記載の方法。
  28. 活性を測定したいカルボキシペプチダーゼUを活性化するのに必要な時間、前記試験サンプルを、活性化剤バッファーの存在下に導入し、その後セリンプロテアーゼインヒビターの存在下に導入することを特徴とする、請求項12〜27の何れか1項に記載の方法。
  29. 式(I)で示される前記基質を、前記活性化剤バッファーと同時に、または前記セリンプロテアーゼインヒビターと同時もしくはその直後に添加することを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  30. トロンビン/トロンボモジュリン複合体ルートを用いて活性化を行うことを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  31. サンプルの構成的CPNまたはCPUの活性および同サンプルの活性化可能なCPNまたはCPUの活性を分析する方法であって、
    必要であれば活性を測定したいカルボキシペプチダーゼUを活性化するのに必要な時間、前記サンプルを活性化剤バッファーの存在下に導入し、その後セリンプロテアーゼインヒビターの存在下に導入した後に観察される、式(I)で示される基質に対する前記サンプルの加水分解活性を、請求項21に従って活性化剤バッファーの非存在下で分析される、式(I)で示される基質に対する前記サンプルの加水分解活性と比較することを特徴とする方法。
  32. 前記カルボキシペプチダーゼがCPUであることを特徴とする、請求項21〜28の何れか1項に記載の方法。
  33. 前記CPUがTAFIであることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  34. 前記サンプルを特異的TAFIインヒビターの存在下および非存在下で処理することを特徴とする、請求項28〜33の何れか1項に記載の方法。
  35. 前記特異的TAFIインヒビターがCPIであることを特徴とする、請求項28〜34
    の何れか1項に記載の方法。
  36. 血液サンプル中の活性化されたTAFIを分析する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)前記サンプルの第一の部分を特異的TAFIインヒビターと接触させ、それを請求項28に記載の方法を用いて処理する工程;
    b)前記サンプルの第二の部分を請求項28に記載の方法を用いて特異的TAFIインヒビターの非存在下で処理する工程;
    c)前記サンプル中の活性化されたTAFIの活性を表す、前記第一の部分と第二の部分との間のΔODを測定する工程。
  37. 構成的TAFIの活性と同サンプル中の活性化可能なTAFIの活性とを識別するための請求項36に記載の方法であって、前記サンプルの第三の部分の加水分解活性を、活性化剤バッファーの非存在下で、式(I)で示される基質について測定することを特徴とする方法。
  38. サンプル中のカルボキシペプチダーゼNまたはUの酵素活性を分析するための、請求項1〜11の何れか1項に記載の式(I)で示される化合物の使用。
  39. 前記カルボキシペプチダーゼがTAFIであることを特徴とする、請求項38に記載の使用。
  40. サンプル中のCPNまたはCPUの活性を分析するためのキットであって、請求項1〜11の何れか1項に記載の化合物により構成される色素形成基質を含むキット。
  41. 生物学的サンプル中のTAFIの活性を分析するためのキットであって、以下のものを含むキット:
    * TAFI活性化剤バッファー;
    * カルボキシペプチダーゼA;
    * 請求項1〜11の何れか1項に記載の式(I)で示される基質;
    * TAFIインヒビター。
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