JP4297992B2 - パチンコ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、普通入賞状態と入賞の確率が高まり遊技者にとって有利になる特別入賞状態とを設定してなるパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在多くのパチンコ機は短時間に多量の賞球の獲得を可能とするため遊技盤面に可変型の大入賞装置が備えられている。通常この大入賞装置を備えたパチンコ機は打球が特定の入賞口に飛入したことを条件に大入賞装置の入賞口に設ける扉を開放し短時間のうちに大量の入賞を可能にするものとなっているが、遊技を一層興趣あるものにするためその多くは遊技盤に設ける可変表示装置と連動するものにしてこの装置の表示の組合せにより大当り状態を設定し、大入賞装置の前記扉の開放を行うようにしている。
【0003】
一般に大入賞装置は装置内に通常入賞球口と特別入賞球口とを備えて扉の開放後一定の時間開放を継続し、或いは一定数の入賞球があるまでの開放を継続する等条件を付して開放状態の継続を図り、この間に多量の入賞を可能にしており、また上記特別入賞球口に飛入することを条件に閉塞した扉を再開放して再び大当り状態を続けられるようにしている。
【0004】
知られる様にこの大入賞装置の開放は遊技関連の規則等諸条件に基づき10個の入賞球があるまでとか、30秒経過するまでと言った条件の下で開閉するものになっている。そして、この1回の開放を通常1ラウンドと称し、この開放時に前記特別入賞口に飛入することによって継続される最大回数を10ラウンド、つまり10回までの連続再開放を許す等大枠での制限を付けているのが普通である。この一連の開閉を「大当り」とか「大当り状態」と称している。
【0005】
一方、前記可変表示装置は、上記大当り状態を出現させるための誘導手段となっており、この装置には複数の表示状態が設定され、そのうちの幾つかを特別表示状態として、この特別表示状態が出現したとき前記大入賞装置を開放し、大当り状態を作るものとしている。
【0006】
通常可変表示装置は打球が遊技盤面に設ける始動用入賞口に飛入したとき作動し、複数の図柄乃至数字を表すドラム表示体或いはデジタル表示体(一般には3組)を回転する如く高速で移動させて予め定める組合せにおいて例えば3つの図柄が揃ったり、或いは3つの数字が揃う等停止した時に図柄や数字が予め定める状態に揃ったとき、これを「大当り」として前記大入賞装置を開放するように仕組んでいる。
【0007】
この可変表示装置における大当りは予め定める確率、例えば300分の1とか350分の1と言った確率で発生するように設定してあるのが普通である。従って、1つの大当り状態が発生しこれが終了すると、次の発生までは300分の1とか350分の1の確率の下で遊技が進行することになる。
この確率は決して高いものではなく、遊技者が遊技する中で大当りを達成することなく終了してしまうこともしばしばあり、このため遊技者が興趣を削がれることが多々ある。
【0008】
この問題を解決するため、大当り状態の終了後、次の大当りになるまでの確率を変動するようにして一定の条件が満たされたとき例えば300分の1の状態から50分の1の状態に変更する等途中で条件の確率を変更する所謂確率変動のタイプや可変表示装置の作動時間を短縮して遊技進行を早める所謂時短タイプの遊技設定が行われるパチンコ機が提案されるようになった。例えば特開昭64ー56084号公報記載の発明等がその一例であり、現在これに類した多くの提案があり、実用化されている。
【0009】
この所謂確率変動型の大入賞装置を備えたパチンコ機の場合、大当り状態の終了後つまり大入賞口の閉塞後、次に開放するまでの可変表示装置の大当り出現の確率を例えば300分の1等とした普通確率状態、つまり低確率状態から50分の1等とする特別確率状態、つまり高確率状態に変更可能とするため遊技者に確率変動に伴う可能性増大の大きな期待を与えるものとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この確率変動型(や時短型)に係る従来のパチンコ機は確率変更になる時期と確率変更状態の継続長さが定型的であって一定であり、それを遊技者が予測できる状態にあったことから確率変更状態にあるときには遊技を続行するが、普通確率状態に戻ると遊技を止めて他のパチンコ機へ移る等遊技に集中せず遊技者自身の興趣を削ぐ等の問題があった。またこれがため1台のパチンコ機に対する遊技者の定着率が悪くなり、パチンコホールの営業にも悪影響を与える問題があった。
【0011】
本発明は、これらの問題点に鑑みその改善を目的として開発さたもので、例えば前述したように大当り終了後、略同時に確率変動状態、つまり特別入賞状態に入る等その変更の時期が予め明らかであり、遊技者がこの入賞条件の変更に対して予想を立てることが容易であって興趣が削がれたことに鑑み、上記確率変動に移行する時期、即ち特別入賞状態に移行する時期を不規則なものにして大当り状態終了後いつの時期に状態が変更するのかを不明にして期待感をもたせ、これにより従来失われることのあった興趣を維持し高められるようにしたパチンコ機を提供しようとするものである。
【0012】
また、本発明は前記確率変動、つまりは特別入賞状態に移行したのちにおいて、その状態がどれだけ継続するのかを一率にせず、特別入賞状態の解除時期を不明確にしてこれによる緊張感と期待感をもたせて遊技に一層の変化性を付けるようにしたパチンコ機を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の目的を達成するため開発されたもので、その特徴とするところは普通入賞状態と遊技者にとって有利になる特別入賞状態とを設定してなるパチンコ機において、前記普通入賞状態から前記特別入賞状態に移行する時期を複数設定し、この複数の移行時期から1つの移行時期を抽選手段によって自動抽選し選出設定するようにしたパチンコ機を提供することにある。
【0014】
また、本発明は上記パチンコ機において、前記普通入賞状態から前記特別入賞状態に移行する時期の選出決定に加え、該特別入賞状態から普通入賞状態に戻る時期を複数設定し、1つの戻る(移行)時期を抽選手段によって自動抽選してその時期を選出設定するようにしたパチンコ機を提供することにある。
【0015】
本発明において、前記普通入賞状態とは前述したパチンコ機において言えば、大当たり状態になる確率が低確率状態にある時であり、また前記特別入賞状態とは前記低確率状態から確率が変動して高確率状態になることである。これが所謂時短型の場合は可変表示装置の作動停止時間が遅いとき普通入賞状態となり、作動停止時間が早くなり大当たり状態の出現の機会が多くなったとき特別入賞状態となる。またこの他、普通入賞状態として入賞時に一定賞球数が放出されるのに対して特別入賞状態はその賞球数より多い賞球を放出する場合がそれに当たる。このように特別入賞状態は普通入賞状態より遊技者に有利な状態をもたらすものである。
【0016】
さて、本発明の理解を助けるため更に具体的に説明すると、例えば始動入賞口に入賞したことを条件に複数の表示状態を可変表示する可変表示装置を備え、この可変表示装置が予め定める特別表示状態を表し大当り状態となったとき遊技盤面の大入賞装置を開放して予め定める時間の経過乃至予め定める数の入賞球があるまで該開放状態を維持し、また該大入賞装置に備える特別入賞口に入賞することを条件に連続する開放を可能とする一方、前記大当り状態終了後における前記可変表示装置の特別表示状態となる確率を予め定める低確率状態、つまり普通入賞状態から高確率状態、つまり特別入賞状態に変更可能にしてなるパチンコ機にあって、該大当り状態終了後における前記低確率状態から高確率状態に確率を変動する時期を複数設定し、前記大当り状態となったとき1つの変動時期を抽選手段によって自動的に抽選し、確率の変動時期を遊技者に報知しないようにして設定し、不規則に変更するようにしたことにある。
【0017】
また、本発明は上記高確率状態に変更した後低確率状態に戻る時期について複数の変更時期を設定し、この設定を抽選手段によってその何れかを選出決定して変更時期を遊技者にとって予測不能にしたパチンコ機を提供せんとするものである。
【0018】
本発明は従来例えば確率変動型のパチンコ機における場合、大当り状態の終了と共に次の大当りのための確率変動が開始されるよう設定されていたことから遊技者がこれを予め予想してしまい期待感を小さくしてしまっていたことに鑑み、大当り状態の終了後次の確率変動に移行する時期の抽選を組入れ、必ずしも一定の時期に確率変動に移行するものとの保証を与えず、これによって何時の時期に移行するかの緊張感を与えるものとしたのである。また確率変動に移行したのちはその継続の長さを同様に抽選に基づき種々異ならせて緊張感と期待感を与え、遊技に変化を付けるようにしたのである。
【0019】
勿論、本発明は大当り状態終了後に抽選によって条件に変更が加えられることがあることを遊技者に明らかにするが、抽選の決定は直ちに明らかにせず、結果を出すことによって遊技者に知らせる方法を採ることになる。特に高確率状態に移行したときは遊技者に大当りの期待感を増大させる時期でもあるので、表示ランプの点燈或いは効果音等により知らせるようにするとよい。
【0020】
ところで、本発明を前記確率変動に移行する時期についての抽選と、高確率状態から普通確率状態に戻る時期の抽選を組み合わせてセットしたものとして説明する。つまり、抽選は先に実行される大当り状態の終了の後次の確率変動に移行するまでの時間乃至時期の抽選と、確率変動移行後に普通確率状態に戻るまでの時間乃至時期の抽選とをセットにして実行することができる。そして、この時間乃至時期を複数組用意することによって変化に富む遊技を設定することができ、興趣を一層増大させることができる。またこの2つの抽選は別々に抽選してもよい。
【0021】
このセット方式を更に説明すれば、例えば前記抽選方式として0から49までの乱数テーブル、つまり所定周期で1つづつ更新していく無限ループカウンタに係る乱数テーブルを設定して、これを0〜9,10〜19,20〜29,30〜39,40〜49の様に5グループに分割し、上記0〜9の第1分割範囲については可変表示装置の作動回数を10回続けたのち確率変動に移行し、またこの確率変動は可変表示装置の作動回数が50回繰り返されるまで続くものとし、また10〜19の第2分割範囲を抽出した場合には普通確率状態を50回続けたのち確率変動に移行し、この確率変動に移行したのち前記可変表示装置の作動回数が80回カウントすると普通確率状態に戻るようにする。
【0022】
このように各分割範囲毎に大当り終了後から確率変動に移行するまでの可変表示装置の作動回数(又は時間的長さ)と、確率変動後の普通確率状態に戻るまでの作動回数(又は時間)を区分して複数組設定すると、遊技者には不規則に確率変動が開始され、終了するように表れ、確率変動の予測を不可能にして興趣を一層高いものとすることができる。
次に、本発明を実施例に基づいて説明し、その特徴とするところを明らかにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
【実施例】
図1は本発明に係るパチンコ機の遊技盤面の正面図である。図中1は遊技盤、2は打球誘導用の外レール、3は内レールで、4はこれら両レールによって囲まれた遊技部5の中央上部に備えた可変表示装置、つまり特別図柄表示装置であり、6はこの特別図柄表示装置4を作動せしめる始動スイッチ7を内蔵する始動入賞口、8はアウト球口9の直上に設定した大入賞装置である。尚、図面には始動入賞口6等の位置関係を明瞭にするため障害釘を省略している。
【0024】
特別図柄表示装置4はこゝではデジタル表示方式を採用し、縦方向に3列の1〜9までの数字を上から下に向けて各個別に移動するように配置し、始動後各列を順次個別に停止させることによって3列の数字合せが行えるようにしてある。
【0025】
始動入賞口6は上記特別図柄表示装置4の直下にあって、図示しない障害釘に誘導されて移動する打球を受け入れ、内蔵する始動スイッチ7をONし、信号を発信して特別図柄表示装置4の各図柄を同時に始動させる。
【0026】
図2は本実施例の遊技を制御する制御回路構成ブロック図である。この制御回路はICで構成されるマイクロコンピュータであって、その中枢には制御動作を所定の手順で実行するCPU10と、このCPU10の動作プログラムデータを格納するROM11と、必要なデータの書込みと読出しが出来るRAM12とを有し、更に前記始動スイッチ7等からの入力信号を受けてCPU10に入力データを与える入力インターフェース13、及び上記CPU10からの出力データを受けて外部に出力する出力インターフェース14を有する。
【0027】
図示するように上記CPU10には各制御部に電源を供給するための電源回路15、リセット信号を入力するリセット回路16が接続する。尚、リセット回路16にはCPUから周期的タイマカウンタによるパルス信号及び電源回路15より電源供給状況をモニタする信号が入力される。
【0028】
また前記出力インターフェース14には前記始動入賞口6に入賞した球を4個まで記憶していることを点燈表示するLED表示装置17と、遊技盤面に備えるランプ、例えばランプ風車やサイドランプ18a等を点燈させるためのランプ表示装置18が接続し、更にCPU10には音声データに基づいて音声信号を生成する音声回路19が接続し、アンプ20、スピーカー21が接続して上記音声信号が増幅されスピーカーから音声が発せられるようにしてある。
【0029】
ところで、前記特別図柄表示装置4に与えられる遊技の設定、つまり表示形態は自由であるが、ここでは3組の各列に表示する数字のうち3,5,7の3種類の数字が横一線に揃って停止したとき、つまり「3,3,3」や「5,5,5」の組合せが完成したとき「大当り」とし、大入賞装置8の開放を促すようにして、これらの組合せの完成を特別図柄表示装置4の作動回数において350分の1の確率に設定し、これを普通確率として前記ROM11に記憶格納している。
【0030】
従って、打球が始動入賞口6に入賞し、始動スイッチ7をONさせると、特別図柄表示装置4が作動して図柄合せをすると同時に、上記確率の中で大当り表示、つまり「3,3,3」や「5,5,5」の組合せを完成させ、大入賞装置8のソレノイド22に出力信号を発信して扉23を開放することになる。
【0031】
大入賞装置8は平常時は扉23を閉じて打球の飛入を不能とし、開放時には前記ソレノイド22の励磁によって横長の扉23を前方に向けて棚形をなすように開き、落下する打球を受け止めて横に広く開口する入賞口に誘導するようにしてある。
【0032】
上記入賞口は横長の開口の中央部に通常Vゾーンと称している特別入賞口24を設け、この入賞口に続く入賞球通路(図示せず)に継続スイッチ25を、そしてこの特別入賞口24を挟む左右に普通入賞口26を設けて、この両普通入賞口26の入賞球通路と前記特別入賞口24の入賞球通路の合流点の下流にこれら入賞口に入賞した全ての入賞球を検出する通常10カウントスイッチと称している検出スイッチ27を設けている。
【0033】
大入賞装置8の開放は時間や入賞球数等によって例えば30秒間の開放とか入賞球10個までの開放とか種々設定が可能であるが、ここでは検出スイッチ27が10個の入賞球があるまで乃至30秒経過するまで開放を継続するものとし、この間に特別入賞口24に入賞があった場合、扉23が閉塞したのち再開放して再び10個の入賞球があるまで乃至30秒が経過するまで開放を継続するようにしてこの開放を最大16回繰り返せるようにしている。
【0034】
上述した様に始動入賞口6への入賞に伴って特別図柄表示装置4が作動し、これが例えば350分の1の確率で大当り状態となり、大入賞装置8が開放したり、この大入賞装置が一定の範囲で開放状態を継続しこの間に特別入賞口24に打球が入ると閉塞後再開放したり、更にはこの継続再開放が最大16回である等或る制限の中で繰り返されること、等は遊技の設定として従来から一般に実施されているものである。
【0035】
また、前記大当り状態が常に一定の確率(つまり普通確率状態)で出現するのでは変化に乏しいことから、一定の条件の下でその確率を高確率に変更し、あるときには大当り状態を早期に出現可能にして遊技者の興趣を高めるようにした遊技設定もまた従来から実施されるところである。
【0036】
この低確率状態から高確率状態に変化させるのを一般に「確率変動」と称しているが、この確率変動は継続開放が終了して大入賞装置8の扉23が閉塞したとき、つまり大当り状態が終了したとき、予め設定した条件が満たされていることを条件に低確率状態、つまり普通確率状態から高確率状態に変更するものであり、従来この確率変動は大当り状態終了と同時に高確率状態に変更するものとなっており、更にはこの高確率状態の継続時間、長さが遊技者において予想できるものとなっていた。
【0037】
本発明がなす主たる提案は、上記確率変動、言い換えれば入賞条件に普通の状態と特別な状態とを設定したとき、この両者間を移行する時期に色々の変化を与えて遊技者が移行時期を予測するのを困難にして遊技に対する興趣を増大させるようにしたパチンコ機にある。
【0038】
ここに説明する実施例は確率変動型のパチンコ機に実施した一例であり、ここでは前記大入賞装置8の開放を伴う「大当り状態」が達成されたとき、次回の大当りになるまでの確率を普通確率状態から高確率状態に移行させるか否かを選択するために先ず第1次抽選を行い、次にこの第1次抽選によって確率変動に移行することが決定したとき第2次抽選を行う例について説明している。
【0039】
上記第2次抽選は大当り終了後何時の時期に確率変動に移行するのか、また確率変動後何時の時期に普通確率状態に戻るのかの決定を行うもので、前記第1次抽選によって確率変動に移行するか否かを抽選し、この抽選で確率変動に移行することが選択されたとき、この第2次抽選によって次にその時期と変動状態の継続時間の選択とが行われる。尚、これらの抽選は遊技者に知られないところで行われることになる。つまり抽選結果を表示しないことになる。
【0040】
さて、以上の関係において前記第1次抽選について更に説明すれば、これには例えば所定周期で常に1つづつ更新していく無限ループカウンタによる乱数テーブルからの数字の選択によって行うことができる。この乱数テーブルにおいて大当り終了後に確率変動に移行するか否かの割合を例えば半々として、予め設定する0〜9の数字のうち奇数を抽出したとき確率変動に移行し、また偶数を抽出した場合には確率変動に移行しないものとすればよく、これを前記ROM11に記憶格納すればよい。
【0041】
この第1次抽選によって確率変動に移行しない抽選が行われた場合にはそのまゝ予め設定する普通確率状態において進行することになる。この状態においても結果的には確率変動しないが、遊技者は何時確率変動に移行するかどうか不明なので期待感をもって遊技を行うことができる。一方、確率変動に移行するのと抽選決定があった場合には大当り終了後何時の時期に移行するか、また何時の時期に戻るのかの第2次抽選が行われる。
【0042】
上記第2次抽選において確率変動に移行する時期(突入時期)と変動が解かれて普通確率状態に戻る時期は、時間を単位として設定してもよいが、ここでは始動入賞口6に入賞することによって作動する特別図柄表示装置4の作動回数によって決定している。
【0043】
この第2次抽選は抽選の結果を隠すだけでなく予測を不能にするため複数の選択肢を設定している。尚、この抽選については大当り終了後確率変動に移行する時期と、確率変動状態が解かれる時期を個別に設定しても、また連動する関係で設定してもよい。
【0044】
本実施例では大当り出現の確率を普通確率状態の場合350分の1とし、高確率状態の場合50分の1に設定した。そして、この第2次抽選の方法として0から49の乱数値からなる乱数テーブルを設定してこれを0〜9,10〜19,20〜29,30〜39,40〜49の5ブロックに区分し、第1のブロック0〜9の第1区分については大当り終了から確率変動に移行するまでの特別図柄表示装置の作動回数Xを10回、高確率状態から普通確率状態に戻るまでの作動回数Yを50回とした。
【0045】
同じく第2ブロック、つまり第2区分の10〜19の数値範囲を選出した場合には確率変動に移行するまでの作動回数Xを50回、高確率状態における作動回数Yを80回とし、更に第3区分については作動回数Xが70回、Yが100回とし、第4区分は作動回数Xが100回、Yが200回、第5区分は作動回数Xが150回、Yが300回となるように設定した。
【0046】
表1は上記の第2次抽選による乱数テーブルの区分範囲Rと、高確率状態に変動する時期(作動回数X)と高確率状態が継続する範囲(作動回数Y)とを表した表である。
【表1】
Figure 0004297992
【0047】
次に、この表1に表した遊技設定の下での遊技について説明すると、遊技の進行によって最初の大当り状態、つまり大入賞装置8の扉23が開放し大当り入賞状態が発生すると、これを契機に先ず第1次抽選が行われる。ここで前記した乱数のうち確率変動に移行する奇数値の例えば「3」を抽出すると、次に前記第2次の抽選に移行し、ここで0〜49の乱数値の抽選が行われる。この抽選において例えば「12」が抽出されると、第2区分の10〜19に当たることから、X=50,Y=80が決定することになる。
【0048】
つまり、第2次抽選によって乱数値の「12」が抽出されると、大当り終了後50回の特別図柄表示装置4の作動回数が記録されたのち普通確率状態(350分の1)から高確率状態(50分の1)に移行し、次にこの高確率状態が前記表示装置4の作動回数80回を経過したとき解消されて再び前記普通確率状態に戻ることになるのである。
【0049】
また第2次抽選によって「35」が抽出されると、第4区分に当たることから確率変動までの特別図柄表示装置4の作動回数は100回となり、確率変動後普通確率に戻るのは200回作動したときと言うことになる。
【0050】
尚、ここではX,Yともに作動回数を任意設定し、5つの組合せを作って遊技者の予測を困難なものにしているが、区分の設定、範囲の設定は自由であり、遊技者に予測できないものとすればその効果を挙げることができる。
例えば、ここでは各区分の総数を違えているが、総数を例えば100にしてXを10としたときYを90とし、またXを40にしたときYを60とするようにして抽選の範囲を設定するようにしても、またYを一定回数にしてXだけを単独で抽選するようにしてもよい。
また、この実施例ではXとYとを連動する形式で設定しているが、個別に抽選を行ってもよい。
【0051】
図3は前記第1次抽選から第2次抽選を示したフロー図である。図示されるように大当り状態となると、先ず大当り決定時確率変動に移行するか否かの抽選が行われる。ここで「変動せず(突入せず)」の決定が出ると、大当り終了後「EXIT」に進み、ここで処理を終了し普通確率状態のまま遊技が続行されることになる。他方、「変動する(突入する)」との決定が出ると大当り終了後の表示装置4の作動回数がカウントされ、その数によって第2次抽選によって決定したXの回数が1つづつ減算され、例えば第1区分の抽出がされていた場合にはその数が10になったとき高確率状態に移行することになる。
【0052】
そして、更に特別図柄表示装置4の作動回数が蓄積されて50回をカウントしたとき高確率状態が解かれ普通確率状態に戻ることになる。
図示するようにこのXとYのそれぞれの設定回数が減算されている間に大当りが発生すると、大当り処理が行われ、第2次抽選によって選出設定されたX,Yの残余回数は全てリセットされ再び第1次抽選に戻ることになる。
尚、Xの減算中における「大当り」は普通確率状態における大当りであり、Yの減算中の「大当り」は高確率状態においての大当りである。従って、リセットされることによって高確率状態の途中であっても有利な条件は消滅することになる。
【0053】
図4は上記大当り処理を図示したフロー図である。特別図柄表示装置4の作動において特定図柄(数字)の組合せが完成し大当りとなると、先ず前記第2次抽選によるX,Yの作動回数が残っている場合、その回数が全て「0」にリセットされ、次に第1次抽選が行われることになる。
【0054】
上記の抽選で確率変動突入決定の乱数値が抽出されないとそのまゝ普通確率のまゝ遊技が進行することになり、確率変動突入決定の乱数値が抽出されると前記第2次抽選が実行され、XとYが決定し特別図柄表示装置4の作動回数の蓄積に伴って高確率に移行し、しかるのち普通確率状態に戻ることになる。そして、その後大入賞口8の開閉処理が行われ、大当り処理が終了する。
【0055】
ところで、前記実施例では確率変動への移行の条件を大当り達成時として、大当りから大当りへの関連性を強めているが、この確率変動移行への条件はこれに限られず、遊技盤に設ける特別の入賞口に入賞したときとか、特別図柄表示装置における図柄の作動回数とか、特定の図柄の出現、或いは遊技の経過時間等種々の条件を採用することができる。その際、この条件成立を表示装置を用いて表示するとよい。
【0056】
また、確率変動による大当り出現率の向上の外に、遊技者に有利な状態を与える特典として、例えば特別図柄表示装置における図柄合せ、数字合せの時間を通常時より早くして単位時間当たりの図柄変動回数を増加させることにより実質的な確率の変動をなす場合や、一定期間の賞球数の増加、可変入賞装置における開閉扉の開放角度の増加、開放回数の増加、開放時間の増加等種々の特典を設定することが可能であり、実施することができる。
【0057】
以上要するに、本発明は前記実施例に基づく説明において明らかな様に、大入賞装置が開放し、短時間に多くの入賞が可能となり大量の賞球が放出される所謂大当り状態が出現するように設定されると共にこの大当り状態の出現が一定の確率(普通確率状態)で実現されるよう設定され、また特別な条件が達成されたとき上記一定の確率が更に高確率(高確率状態)に変動し遊技者にとって有利な遊技状態が出現するよう設定されたパチンコ機にある場合、上記高確率に移行するか否かを第1次の抽選によって行うことの外、ここで次にこの抽選で高確率状態に移行するとの抽選があったとき、第2次抽選によって高確率への変動時期の決定を行い、またこれとは別に或いは一緒に前記一定確率状態へ戻る時期とを抽選し実行することを通して普通入賞状態から特別入賞状態への移行、或いはその逆の移行の選出設定を遊技者の知らない間に行って確率変動の予測を困難にし期待感を高めるようにしたパチンコ機を提供するものである。
【0058】
ところで、前述したように本発明における第1次,第2次の抽選結果を予め遊技者に知らせないことによって興趣を高めるものとしているが、第2次抽選の結果から普通確率状態から高確率状態に移行するとき、更には移行した場合には表示ランプの点滅や効果音の発生表示装置に表示することによって遊技者に知らせるようにすると逆に効果を高めることができる。
【0059】
尚、前記実施例では確率変動型のパチンコ機において、普通確率状態から高確率状態に移行したのちこれが終了したとき、次に再び高確率状態に戻るか否かの第1次抽選を設定する場合について説明しているが、この第1次抽選を外して第2次の抽選のみを実施しても初期の効果を得ることができることは言うまでもない。
【0060】
この場合、前記実施例では普通入賞状態である普通確率状態から特別入賞状態である高確率状態に移行する時期を複数種類設定してこれを抽選すること、次に上記高確率状態から普通確率状態に戻る時期を複数種類設定してこれを抽選することを同時に行うものとしたが、個別に抽選することは勿論のこと、前者の抽選のみをおこなうようにしても本発明を有効に実施することができること前述した通りである。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明において明らかなように、本発明によれば第1次抽選及び第2次抽選を通すことによって大当り終了後、確率変動に移行するか否かが不明であることから遊技者にとって興趣を高めることとなると共に、前記第2次抽選によって確率変動に移行することが決定したのちにおいては何時の時期に移行し、また何時の時期に戻るかが全く不明であることから遊技者は確率変動を事前に予測することが極めて困難となる。
従って大当り終了後においても遊技者がパチンコ機を直ちに離れ、他の機械に移って定着率を悪くすることがなく、ホール全体の稼働率を平均化することができると共に、遊技者は確率変動が予測困難となるため常時ある種の緊張感を得ることができ、その出現を期待して遊技を飽きることなく続けられる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパチンコ機の遊技盤の正面図。
【図2】本発明に係る遊技を制御する制御回路構成ブロック図。
【図3】第1次抽選から第2次抽選を示したフロー図。
【図4】大当り処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 可変表示装置(特別図柄表示装置)
5 遊技部
6 始動入賞口
7 始動スイッチ
8 大入賞装置
24 特別入賞口
25 継続スイッチ
26 普通入賞口
27 検出スイッチ

Claims (2)

  1. 普通入賞状態と、前記普通入賞状態より遊技者にとって有利になる特別入賞状態とを設定し、大入賞装置の開放を伴う大当り状態が達成されたとき前記普通入賞状態から前記特別入賞状態への移行が行われるようにしたパチンコ機において、前記普通入賞状態から前記特別入賞状態に移行するに当って、該特別入賞状態に移行するか否かを抽選し、その何れかに決定する第1次抽選と、該第1次抽選によって前記特別入賞状態に移行するとの選択が行われたとき、前記普通入賞状態から前記特別入賞状態に移行する時期を複数設定してこの設定された複数の時期の中から1つの移行時期を選択決定する第2次抽選とを備え、該第1次抽選及び第2次抽選を通すことにより前記普通入賞状態から前記特別入賞状態への移行及びその移行時期を不規則に選出決定するようにしたことを特徴とするパチンコ機。
  2. 請求項1に記載のパチンコ機において、第2次抽選による普通入賞状態から特別入賞状態に移行する時期の選出設定に加え、前記特別入賞状態から前記普通入賞状態に戻る時期を複数設定し、これを抽選して1つの戻る時期を選出決定するようにしたことを特徴とするパチンコ機。
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