JP4296872B2 - 車載エンジンの制御パラメータ適合方法及び制御パラメータ適合装置 - Google Patents

車載エンジンの制御パラメータ適合方法及び制御パラメータ適合装置 Download PDF

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Description

本発明は、車載エンジンの制御パラメータを適合させる方法、及びその適合を行うための装置に関する。
周知のように車載エンジンの制御では、エンジン回転速度やエンジン負荷といったエンジンの運転状態に応じて、燃料噴射時期や点火時期等の各種制御パラメータが決定されている。各運転状態における各制御パラメータは、排気エミッション特性や点火特性、燃料消費特性等の様々なエンジン特性が要求を満たすように予め適合されている。
制御パラメータの適合は、エンジンベンチ上で試行錯誤を繰り返して行われている。すなわち、車載エンジンの出力軸とダイナモメータとを回転駆動軸によって連結し、ダイナモメータにて車載エンジンの負荷トルクをテストトルクとして吸収することで、車載エンジンが車両に搭載されて運転される状態を擬似的に作り出す。そして各運転状態において制御パラメータを調整しながら窒素酸化物排出量や消費燃料量等の各種エンジン特性値を計測し、制御パラメータの最適な値を適合値として取得する。こうした制御パラメータの適合には、試行錯誤とそれに伴う膨大な時間とを必要となる。
そこで従来、特許文献1、2等にみられるような適合の手法も提案されている。これらの適合手法では、まず車載エンジンの各運転状態において制御パラメータを変更しつつ、各エンジン特性値の計測を行い、その計測結果に基づいて各運転状態での制御パラメータとエンジン特性値とのモデル式を求めている。そしてそのモデル式を用いて、各運転状態でのエンジン特性の要求条件を満たす制御パラメータの適合値を決定する。例えば各運転状態において、窒素酸化物排出量やトルク変動量が許容レベル以下となる範囲内で、消費燃料量の最も少なくなる制御パラメータの設定値を適合値として決定する。これにより、上記ベンチマーク上での試行錯誤を低減し、適合作業の効率化を図ることができる。
ところで車載エンジンのエンジン特性の最終的な評価は、例えば10−15モードのような特定の走行モードにおけるトータルのエンジン特性に基づいて行われる。ところが、各運転状態のエンジン特性値に対する要求条件を、そうした走行モードでのトータルのエンジン特性要求を完全に満たすように予め設定しておくことは困難である。そのため、上記従来の適合手法では、そうしたトータルのエンジン特性要求を満たすような適合値を、必ずしも最初から取得できないことがある。
そこで上記従来の適合手法では、モデル式に基づいてエンジン単体での適合を一旦行った後、上記走行モードでのエンジンの運転状態をエンジンベンチ上で再現して、上記トータルのエンジン特性を計測し、求められた適合値の妥当性を評価するようにしている。その評価の結果、トータルのエンジン特性要求が満たされていない場合には、各運転状態におけるエンジン特性に対する要求条件を見直し、その見直された要求条件に基づいて適合値の再算出を行っている。こうした要求条件の見直し、適合値の再算出、及び評価を、上記トータルのエンジン特性要求が満たされるまで繰返すことで、最終的に適合値を決定している。このように上記従来の適合手法でも、やはりエンジンベンチ上での試行錯誤の繰り返しは完全には解消されておらず、適合の効率化については未だ改善の余地がある。
特開2000−248991号公報 特開2001−005038号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす制御パラメータの適合を、更に効率的に行うことのできる車載エンジンの制御パラメータ適合方法、及び制御パラメータ適合装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
請求項1に記載の発明は、車載エンジンの複数のエンジン特性のそれぞれが、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たすように各運転状態における制御パラメータを適合させる方法であって、前記各運転状態において前記制御パラメータを変化させてエンジン特性値を計測し、この計測したエンジン特性値に基づいて前記各運転状態における前記制御パラメータと前記エンジン特性値との相関関係を表すモデル式を算出する工程と、その算出されたモデル式に基づいて、車載エンジン単体での前記各運転状態における制御パラメータの最適値を算出し、前記走行モードでの車両走行状態における車載エンジンの挙動を擬似的に再現するシミュレーションシステムに対して前記算出したモデル式及び前記算出した最適値のそれぞれを組み込み、このシミュレーションシステムによる車載エンジンの評価に用いられる制御パラメータの演算マップの設定として、制御パラメータの適合にあたり最初に行う演算マップの設定についてはこれを前記算出した最適値に基づいて行い、別途の工程にてマップ値の更新がなされたときにはこれに基づいて演算マップの設定を行う工程と、前記制御パラメータに基づいて前記走行モードで前記車載エンジンを運転したときの各時期における前記エンジン特性値を前記モデル式に基づき算出するとともに、その算出結果に基づいて前記トータルのエンジン特性要求が満たされるか否かを評価する工程、すなわち前記シミュレーションシステムにより前記走行モードで車載エンジンを運転したときの各時期における制御パラメータを前記設定した演算マップに基づいて算出し、この算出した制御パラメータを前記算出したモデル式に代入して前記各時期のエンジン特性値を算出し、この算出したエンジン特性値に基づいてトータルのエンジン特性要求が満たされているか否かを評価する工程と、その評価の結果によりトータルのエンジン特性要求が満たされていないことが確認されたときには、前記トータルのエンジン特性要求が満たされていないエンジン特性値の目標値からのずれ度合が小さくなるように、前記演算マップのマップ値を更新する工程と、前記評価において前記トータルのエンジン特性要求が前記複数のエンジン特性のすべてについて満たされるまで、前記制御パラメータの設定、前記マップ値の更新及び前記評価を繰返し実行して、各運転状態における前記制御パラメータの適合値を取得することをその要旨とする。
上記方法では、車載エンジンのエンジン特性値の計測の結果に基づき、各運転状態における制御パラメータとエンジン特性値との相関関係を表すモデル式が算出される。そしてそのモデル式に基づいて、車載エンジンの各運転状態の制御パラメータが設定される。ここでの制御パラメータの設定は、その制御パラメータとエンジン特性値との相関関係を表すモデル式に基づいて行われるため、各エンジン運転状態のエンジン特性値を所望とする値とするような制御パラメータの設定が可能である。
こうして各運転状態の制御パラメータが設定されると、その設定された制御パラメータに基づいて所定の走行モードで車載エンジンを運転したときの各時期におけるエンジン特性値が、上記モデル式に基づき算出される。こうして走行モードの各時期のエンジン特性値を求めれば、その走行モードのトータルのエンジン特性についても求めることができる。そこで上記方法では、その算出された各時期のエンジン特性に基づき、同トータルのエンジン特性要求を満たしているか否かの評価が、すなわち上記設定された各運転状態の制御パラメータの妥当性の評価が行われる。
更に上記方法では、その評価の結果に応じて、トータルのエンジン特性要求が満たされていないエンジン特性値の目標値からのずれ度合が小さくなるように、モデル式に基づく制御パラメータの設定態様が更新される。こうして更新された設定態様に基づき、上記制御パラメータの設定を行えば、少なくともトータルのエンジン特性要求を満たしていないエンジン特性については、各運転状態においてエンジン特性値が望ましい側に変更されるような値がその運転状態の制御パラメータとして設定されるようになる。
そして上記評価において、トータルのエンジン特性要求のすべての項目が満たされるまで、上記モデル式に基づく制御パラメータの設定、その設定態様の更新、及び評価が繰り返し実行される。こうした処理の繰り返しを通じて最終的に設定される各運転状態における制御パラメータは、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす適合値となる。そのためエンジンベンチ上の試行錯誤を繰り返すことなく、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす制御パラメータの適合値が、容易かつ早期に取得されるようになる。
したがって、上記方法によれば、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす制御パラメータの適合を、更に効率的に行うことができる。その上、そうした制御パラメータの適合に用いられるモデル式を、車載エンジンにおけるエンジン特性値の計測値により求めているため、精度及び信頼性を高いモデル式を得ることができ、適合値の信頼性が向上されるようにもなる。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、前記モデル式に基づく前記制御パラメータの設定は、A1,A2,…,Anを各エンジン特性値とし、fm(Am)を任意のエンジン特性値Amの目標値からのずれ度合を表す評価関数としたとき、
F(A1,A2,…,An)=f1(A1)+f2(A2)+…+fn(An
で表される総合評価関数の値が最小となる各運転状態の前記制御パラメータの算出により行われ、前記制御パラメータの更新は、前記評価において要求条件の満たされていないエンジン特性値の前記総合評価関数の値に対する反映度合がより大きくなるように、前記評価の結果に応じて前記各エンジン特性値の評価関数を修正することで行われることをその要旨とする。
上記方法では、複数のエンジン特性値についてその目標値からのずれ度合を表す評価関数を加算して得られる総合評価関数の値が最小となるように各運転状態の制御パラメータが設定される。そして上述した走行モードでのトータルのエンジン特性要求の評価に応じた制御パラメータの設定態様の更新に際しては、同評価において未達とされた項目に係るエンジン特性値の総合評価関数の値に対する反映度合がより大きくなるように、各エンジン特性値の評価関数の修正が行われる。
こうして未達とされた項目に係るエンジン特性値の総合評価関数の値に対する反映度合が大きくされると、その総合評価関数の値を最小とするためには、各運転状態におけるエンジン特性値をより望ましい側、すなわち上記トータルのエンジン特性要求を満たし易い側に各運転状態の制御パラメータを変更する必要がある。したがって上記方法によれば、評価の結果に応じて、トータルのエンジン特性要求の未達項目が達成される側への制御パラメータの更新をより的確に行うことができる。しかも、そうした評価結果に応じた制御パラメータの更新に係る手順が確立されることになるため、その処理の自動化も容易に実現可能となる。
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、Tmを任意のエンジン特性値Amの前記目標値とし、kmをそのエンジン特性値Amの重み係数としたとき、そのエンジン特性値Amの前記評価関数fm(Am)は、
m(Am)=km×|Am−Tm
で表され、前記評価関数の修正は、前記トータルのエンジン特性要求を満たしたエンジン特性値の重み係数に対する、前記トータルのエンジン特性要求の満たされていないエンジン特性値の重み係数の比率が大きくなるように各エンジン特性値の重み係数を修正することで行われることをその要旨とする。
上記方法では、エンジン特性値の目標値からの差分の絶対値に重み係数を乗算したものが、各エンジン特性値の評価関数として設定される。そして上述の評価の結果、トータルのエンジン特性要求が未達の項目に係るエンジン特性値の評価関数の重み係数については、達成済みのエンジン特性値の評価関数の重み係数に対する比率がより大きくなるように修正が行われる。重み係数の比率の多くされたエンジン特性については、総合評価関数の値を最小とするように制御パラメータを設定すれば、より望ましい側、すなわち上記トータルのエンジン特性要求を満たし易い側に変更されるようになる。ちなみにこうした比率の変更は、要求未達のエンジン特性に係る重み係数を大きくすることでも、要求達成済みのエンジン特性に係る重み係数を小さくすることでも、それらの組合せによっても行うことができる。
こうした上記方法によれば、比較的簡易な関数で、評価の結果に応じた的確な制御パラメータの更新を行うことができ、その処理の自動化の実現も更に容易となる。
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、前記エンジン特性値の計測は、実験計画法に基づき計測点を定めて行われることをその要旨とする。
上記方法では、実験計画法に基づいて計測を行うことで、限定された計測点での計測で精度の高いモデル式が求められる。したがって、算出されるモデル式の精度や信頼性を確保しつつも、その算出に係る計測の工数や時間を大きく削減することができる。
更に請求項5に記載の発明は、車載エンジンの複数のエンジン特性のそれぞれが、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たすように各運転状態における制御パラメータを適合させる車載エンジンの制御パラメータ適合装置において、各運転状態における各エンジン特性値と前記制御パラメータとの相関関係を表すモデル式が登録され、記憶されるモデル式記憶手段と、前記モデル式に基づいて車載エンジン単体での前記各運転状態における制御パラメータの最適値を設定し、前記走行モードでの車両走行状態における車載エンジンの挙動を擬似的に再現するシミュレーションシステムに対して前記モデル式及び前記最適値のそれぞれを組み込み、このシミュレーションシステムによる車載エンジンの評価に用いられる制御パラメータの演算マップの設定として、制御パラメータの適合にあたり最初に行う演算マップの設定についてはこれを前記最適値に基づいて行い、別途の工程にてマップ値の更新がなされたときにはこれに基づいて演算マップの設定を行う設定手段と、前記制御パラメータに基づき前記走行モードで前記車載エンジンを運転したときの各時期における前記エンジン特性値を前記モデル式に基づき算出するとともに、その算出された各時期の前記エンジン特性値に基づいて前記トータルのエンジン特性要求がそれぞれ満たされるか否かを評価する評価手段、すなわち前記シミュレーションシステムにより前記走行モードで車載エンジンを運転したときの各時期における制御パラメータを前記演算マップに基づいて算出し、この算出した制御パラメータを前記モデル式に代入して前記各時期のエンジン特性値を算出し、この算出したエンジン特性値に基づいてトータルのエンジン特性要求が満たされているか否かを評価する評価手段と、前記評価手段の評価において前記トータルのエンジン特性要求の少なくとも1つが満たされていないとき、そのエンジン特性要求を満たしていないエンジン特性値の目標値からのずれ度合が小さくなるように、前記設定手段による前記演算マップのマップ値を更新する更新手段と、その更新手段による前記演算マップのマップ値の更新がなされたときに、前記設定手段の前記演算マップの設定、及び前記評価手段の評価を再実行させる再実行手段と、前記評価手段の評価において前記トータルのエンジン特性要求が前記複数のエンジン特性のすべてについて満たされたとき、そのときの前記制御パラメータを適合値として決定する決定手段とを備えることをその要旨とする。
上記構成では、モデル式記憶手段に登録されたモデル式に基づき、各運転状態における制御パラメータが設定手段により設定される。この設定手段による制御パラメータの設定は、その制御パラメータとエンジン特性値との相関関係を表すモデル式に基づいて行われるため、各エンジン運転状態のエンジン特性値を所望とする値とするような制御パラメータの設定が可能である。
さて、各運転状態での制御パラメータが設定され、且つ上記走行モードの各時期における車載エンジンの運転状態が求まれば、同走行モードの各時期のエンジン特性値を上記モデル式から求めることができる。そこで上記構成では、制御パラメータの設定後、評価手段によって、その設定された制御パラメータに基づき、所定の走行モードで前記車載エンジンを運転したときの各時期におけるエンジン特性値がモデル式に基づき算出され、その算出結果に基づきその走行モードのトータルのエンジン特性要求が満たされるか否かを評価が行われる。
その後、トータルのエンジン特性要求が未達の項目があれば、更新手段によって、その未達項目に係る各運転状態のエンジン特性値の目標値からのずれ度合が小さくなるように、上記設定手段によるモデル式に基づいた制御パラメータの設定態様が更新される。そして再実行手段により、上記設定手段及び評価手段の処理が再実行される。このときの制御パラメータの再設定に際しては、少なくとも上記要求未達の項目に係るエンジン特性については、各運転状態においてエンジン特性値が望ましい側に変更されるような制御パラメータが設定されるようになる。そして設定手段に制御パラメータの設定及び評価手段による評価は、トータルのエンジン特性要求のすべての項目が満たされるまで繰返し実行されるようになる。そして上記評価においてトータルのエンジン特性要求のすべての項目が満たされると、決定手段によって、そのときの各運転状態の制御パラメータがその適合値として決定される。
以上のように上記構成では、エンジンベンチ上の試行錯誤を繰り返すことなく、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす制御パラメータの適合値が、容易かつ早期に取得されるようになる。したがって上記構成によれば、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす制御パラメータの適合を、更に効率的に行うことができる。
また請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合装置において、前記設定手段は、A1,A2,…,Anを各エンジン特性値とし、fm(Am)を任意のエンジン特性値Amの目標値からのずれ度合を表す評価関数としたとき、
F(A1,A2,…,An)=f1(A1)+f2(A2)+…+fn(An
で表される総合評価関数の値が最小となるように、各運転状態の前記制御パラメータを前記モデル式に基づき設定し、前記更新手段は、前記トータルのエンジン特性要求の満たされていないエンジン特性値の前記総合評価関数の値に対する反映度合がより大きくなるように前記各エンジン特性値の評価関数を修正することで、前記設定態様を更新することをその要旨とする。
上記構成では、上記設定手段によって、複数のエンジン特性値についてその目標値からのずれ度合を表す評価関数を加算して得られる総合評価関数の値が最小となるように各運転状態の制御パラメータが設定される。そして更新手段によっては、トータルのエンジン特性要求が未達とされた項目に係るエンジン特性値の総合評価関数の値に対する反映度合がより大きくなるように、各エンジン特性値の評価関数の修正が行われる。
こうして未達とされた項目に係るエンジン特性値の総合評価関数の値に対する反映度合が大きくされると、その総合評価関数の値を最小とするためには、各運転状態におけるエンジン特性値をより望ましい側、すなわち上記トータルのエンジン特性要求を満たし易い側に各運転状態の制御パラメータを変更する必要がある。したがって上記構成によれば、評価の結果に応じて、トータルのエンジン特性要求の未達項目が達成される側への制御パラメータの更新をより的確に行うことができる。しかも、そうした評価結果に応じた制御パラメータの更新に係る手順が確立されることになるため、その処理の自動化も容易に実現可能となる。
また請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合装置において、Tmを任意のエンジン特性値Amの前記目標値とし、kmをそのエンジン特性値Amの重み係数としたとき、そのエンジン特性値Amの前記評価関数fm(Am)は、
m(Am)=km×|Am−Tm
で表され、前記評価関数の修正は、前記トータルのエンジン特性要求を満たしたエンジン特性値の重み係数に対する、前記トータルのエンジン特性要求の満たされていないエンジン特性値の重み係数の比率を大きくする各エンジン特性値の重み係数の修正を通じて行われることをその要旨とする。
上記構成では、エンジン特性値の目標値からの差分の絶対値に重み係数を乗算したものが、各エンジン特性値の評価関数として設定される。そして上述の評価の結果、トータルのエンジン特性要求が未達の項目に係るエンジン特性値の評価関数の重み係数については、達成済みのエンジン特性値の評価関数の重み係数に対する比率がより大きくなるように修正が行われる。重み係数の比率の多くされたエンジン特性については、総合評価関数の値を最小とするように制御パラメータを設定すれば、より望ましい側、すなわち上記トータルのエンジン特性要求を満たし易い側に変更されるようになる。ちなみにこうした比率の変更は、要求未達のエンジン特性に係る重み係数を大きくすることでも、要求達成済みのエンジン特性に係る重み係数を小さくすることでも、それらの組合せによっても行うことができる。こうした上記構成によれば、比較的簡易な関数で、評価の結果に応じた的確な制御パラメータの更新を行うことができ、その処理の自動化の実現も更に容易となる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を、図を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、図1に示す車載エンジン10の制御パラメータの演算マップの適合に本発明を適用した場合を例に説明する。この車載エンジン10は、筒内噴射式のガソリンエンジンとして構成されている。
図1に示されるように、車載エンジン10は、シリンダ11及びピストン12によって区画形成される燃焼室13に燃料を直接噴射するインジェクタ14を備えている。燃焼室13の上方には、点火プラグ15が配設されている。
上記燃焼室13には、吸気通路16を通じて空気が吸入され、その空気がインジェクタ14から噴射された燃料と共に混合気を形成する。混合気は、上記点火プラグ15によって点火されて燃焼し、その燃焼によって生じた燃焼ガスが排気として同燃焼室13から排気通路17へ排出される。この吸気通路16からの空気の吸入及び排気通路17への排気の排出の各タイミングは、それぞれ吸気バルブ18及び排気バルブ19の開弁タイミングによって設定される。この車載エンジン10の場合、吸気バルブ18の開弁タイミングは、可変バルブタイミング機構(VVT)20によって可変設定されるように構成されている。
車載エンジン10の燃焼室13に取り込まれる空気量は、吸気通路16の途中に設けられた電子制御式のスロットルバルブ21によって調量される。また、排気通路17へ排出された排気の一部は、EGR通路22を介して吸気通路16に戻される。そして、この戻される排気量は、EGRバルブ23の開弁量によって調量される。
こうした車載エンジン10の制御は、電子制御装置(ECU)30によって行われる。ECU30には、水温センサ26や車載エンジン10の出力軸24近傍に設けられた回転速度センサ25等、車載エンジン10の運転状態を計測する各種センサからの情報が計測情報として入力される。ECU30は、入力された計測情報に基づき、上記スロットルバルブ21の開度制御や、VVT20の吸気バルブ18開弁タイミングの進角量制御、上記EGRバルブ23の開弁量制御、点火プラグ15の点火時期制御、インジェクタ14の燃料噴射時期制御等の各種制御を実行する。
これらの制御は、上記計測情報に基づき把握される車載エンジン10の運転状態に基づく、スロットル開度tang、VVT進角量vvt、EGR量egr、点火時期aop、燃料噴射時期Ainj等の各種制御パラメータの算出を通じて行われる。各制御パラメータの算出は、予めECU30に記憶された演算マップをそれぞれ用いて行われる。各制御パラメータの演算マップには、車載エンジン10の運転状態をエンジン回転速度ne及びエンジン負荷klによって定義し、それらエンジン回転速度neとエンジン負荷klとの少なくとも一方の異なる所定個の運転状態における各制御パラメータの適合値がそれぞれ格納されている。
図2は、VVT進角量vvtの上記演算マップの一例を示している。同図に示される演算マップには、6個のエンジン負荷kl1〜kl6と20個のエンジン回転速度ne1〜ne20とに対する120個の運転状態のそれぞれにおけるVVT進角量の適合値vvt(1,1)〜vvt(6,120)が格納されている。また他の制御パラメータの演算マップについても、これと同様に120個の運転状態のそれぞれにおける各制御パラメータの適合値が格納されている。
以下、本実施形態における各制御パラメータの演算マップの適合態様、すなわちそれら演算マップに格納される上記120個の運転状態それぞれの制御パラメータの適合値の設定態様について説明する。各適合値は、燃料消費特性、窒素酸化物排出特性、トルク変動特性といった各エンジン特性について、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たすように設定される。
図3に、本実施形態における演算マップの適合手順を示す。
演算マップの適合に際しては、まず同図3のステップ100において、エンジンベンチ上でのエンジン特性値、すなわち消費燃料量BSFC、窒素酸化物排出量NOx、及びトルク変動量TFの計測を通じて、各運転状態における各制御パラメータとそれら各エンジン特性値との相関関係を表すモデル式の算出が行われる。ここでのエンジン特性値の計測は、実験計画法に基づいて計測点を選択することで、モデル式の作成に必要な計測点を可能な限り少なくするようにしている。
続いてステップ200において、上記算出されたモデル式に基づき、車載エンジン10単体での各運転状態の最適値が求められる。ここでの最適値の算出は、上記各運転状態のそれぞれでのエンジン特性の要求条件を満たすように行われる。
上記手順により算出されたモデル式及び最適値は、ステップ300において、上記走行モードでの車両走行状態における車載エンジン10の挙動を擬似的に再現するシミュレーションシステムに組み込まれる。
次のステップ400では、適合対象の車載エンジン10の搭載される車両の諸元、及び走行モードの設定が行われる。
続くステップ500では、シミュレーションシステムでの車載エンジン10の評価に用いられる各制御パラメータの演算マップが設定される。今回の適合において始めてこのステップ500に移行されたときには、上記ステップ200で求められた最適値に基づいて演算マップが設定される。
そしてステップ600では、上記シミュレーションシステムにおいて、上記算出された最適値に基づく上記走行モードで車載エンジン10を運転したときのトータルのエンジン特性の推定が行われる。そして続くステップ700において、その推定結果に基づいてそのトータルのエンジン特性が要求を満たしているか否かの評価が行われる。この評価に係る上記トータルのエンジン特性の算出は、上記算出されたモデル式に基づいて行われる。
ここでトータルのエンジン特性要求が満たされていないと評価されたときには、ステップ800において、運転状態毎の各制御パラメータが更新される。そしてその更新された制御パラメータに基づき、上記ステップ500での演算マップを再設定して、上記ステップ600での評価を再び実施する。
一方、上記ステップ600においてトータルのエンジン特性要求のすべてが満たされていると評価されたときには、そのときの演算マップの設定値を適合値として決定する。以上により、各制御パラメータの演算マップの適合が行われる。
(モデル式、及び最適値の設定)
まず、上記ステップ100でのモデル式の算出、及びステップ200での最適値の設定の詳細を説明する。ここで算出される各エンジン特性値のモデル式はそれぞれ下式にて定義される。
・消費燃料量のモデル式
BSFC=a10+a11×tang+a12×aop+a13×Ainj
+a14×egr+a15×vvt+a16×aop×aop
+a17×egr×aop+a18×vvt×aop
+a19×egr×vvt+…
・窒素酸化物排出量のモデル式
NOx=a20+a21×tang+a22×aop+a23×Ainj
+a24×egr+a25×vvt+a26×aop×aop
+a27×egr×egr+a28×vvt×vvt
+a29×vvt×tang+…
・トルク変動量のモデル式
TF=a30+a31×tang+a32×aop+a33×Ainj
+a34×egr+a35×vvt+a36×aop×aop
+a37×Ainj×Ainj+a38×vvt×aop
+a39×vvt×tang+…
上記の2次の各モデル式は、各制御パラメータのそれぞれについての1次及び2次の項と、同制御パラメータの任意の2つの交互作用を示す項とから、経験上、各エンジン特性に対する影響の少ないと考えられる項を除くことで得られる多項式である。
そして上記120個の運転状態のそれぞれについて、これらのモデル式を求めるために、各運転状態において制御パラメータの値をいくつか設定して車載エンジン10の各エンジン特性値の計測を行う。この計測の関しては、上記モデル式の定数項(a10,a20,a30)、及び上記モデル式の各項の係数(a11,a12,…,a21,a22,…a31,a32,…)を算出する際に、最小の計測点で最高の精度を得るために、各計測点を実験計画法に基づき設定する。
具体的には、上記120個の運転状態のそれぞれに、各制御パラメータを、センターポイント及びその上下の値の3点ずつ設定する。そしてセンターポイントを「0」、その上下の値を「+1」及び「−1」として、図4に例示するような直交表を用いて29点の計測を行う。この直交表は、上記態様の交互作用項を含む各モデル式に対して計測点の数を削減しつつ、同計測から得られる情報を最適化するための設定がなされたものである。なお図4においては、センターポイントを計測の最初(第1点)、中間(第12点)、最後(第29点)の3回計測することにしているが、これはセンターポイント計測時の試験バラツキの影響を除くための配慮である。
また上記直交表における「+1」及び「−1」に対応して、各制御パラメータ毎に振り幅を予め設定しておく。例えば点火時期aopのセンターポイントを圧縮上死点から進角量が「30度」の点とし、振り幅を「4度」とすると、計測に用いられる制御パラメータの値は、上記直交表の「0」、「+1」、「−1」に対応して、それぞれ「30度」、「34度」「26度」となる。
ところで上記各モデル式の算出に際し、その信頼度を高めるためには、計測点を適合点近傍に設定することが、換言すれば、センターポイントを予め適合値に近い値に設定することが望ましい。このことは、図5に模式的に示す曲線によって説明される。すなわち、真の特性が図4に実線で示される曲線のように非線形性の強い複雑な特性を有する場合、低次のモデル式でこの実線で示される曲線を精度よく近似することのできる領域は自ずと限られてくる。
これを、実線で示される曲線の極値Tを最適値とし、且つ3点の計測値を用いて代数的に得られる2次のモデル式から極値を算出する場合を例に取って、低次のモデル式の適用限界について更に説明する。同図5に示されるように、三角形のプロットで表される適合値近傍領域の3点を計測すると破線で示される曲線が得られる。そして、この破線で示される曲線の極値は、実線で示される曲線の極値Tにほぼ一致する。これに対し、白丸のプロットで表される上記適合値近傍領域よりも広域の3点を計測すると、同図5に一点鎖線で示される2次のモデル式が得られる。そして、この一点鎖線の曲線から算出される極値T’は、上記最適値(極値T)から大きくずれたものとなってしまう。
このように、低次のモデル式を用いて精度のよい適合値を得るためには、予め適合値近傍の領域で計測を行うことが望ましい。そして、予め計測点を適合値近傍に絞り込むことのできない場合には、計測点を増大させて計測を行い、この計測結果に基づいて上記絞り込みを行うなどする必要が生じる。
そこで本実施形態では、上記120個の運転状態から幾つか代表点を取り出し、この代表点の計測結果に基づいて制御パラメータと適合値との関係を定めた予測式を求めることで、各運転状態の適合値を推定するようにしている。そして上記制御パラメータのセンターポイント及びその上下の値を、その推定値及びその近傍の値とに設定して、同120個の運転状態のそれぞれで計測を行う。本実施形態では、こうして得られる計測値を用いて運転状態毎の上記各モデル式をそれぞれ求めることで、その信頼度を高めている。なお代表点に関しては、類似のエンジンの適合値に基づいて予測するか、多数の計測点を用いて予め絞り込みを行うなどしてセンターポイントを設定するようにすればよい。
更に本実施形態では、制御パラメータと適合値との関係を定めた予測式を、図2に示す3つの運転領域毎に各別に設定している。これは上記車載エンジン10の運転領域は、実際には同図2に示される各領域でそれぞれ異なる性質を持っており、これら3つの領域をまとめて上記予測式を作成すると、適合値の推定を精度よく行うことができなくなる懸念があるためである。
例えば、最も低負荷低回転速度の領域(アイドル近傍領域)では、失火が生じやすい。このため同領域では、失火の発生しにくい部分で窒素酸化物排出量NOxの要求を厳しく設定すると、それらを満たす解がなくなることがある。したがって、アイドル近傍領域では、窒素酸化物排出量NOxの要求条件を緩和して失火の生じにくい部分を確保するなどの工夫が必要となることがある。またエンジン回転速度についてはアイドル近傍領域と同様の領域であって、エンジン負荷のより大きい領域であるレーシング発進領域では、トルク変動が問題となりやすく、トルク変動量TFが極小になる制御パラメータを適合値とすることが望ましい。更に上記アイドル近傍領域及びレーシング発進領域以外の領域である常用領域では、消費燃料量BSFCや窒素酸化物排出量NOx、トルク変動量TFの要求を満たす解の集合が十分に存在することが多い。したがって、この領域では、アイドル近傍領域で緩和した窒素酸化物排出量NOxの条件等を補うような要求条件に設定することが望ましい。
こうした実情から本実施形態では、上記常用領域及びアイドル近傍領域及びレーシング発進領域の各運転領域毎に異なる要求条件を設定する。なお本実施形態では、これら各異なる要求条件を満たす上記各領域毎の予測式を、以下の式で定義する。
<アイドル近傍領域>
tang=b11×ne+b12×kl+b13×ne×kl+b14
Ainj=b21×ne+b22×kl+b23×ne×kl+b24×kl×kl
+b25
vvt=b31×ne+b32×kl+b33×ne×kl+b34×kl×kl
+b35
egr=b41×ne+b42×kl+b43×ne×kl+b44×kl×kl
+b45
aop=b51×ne+b52×kl+b53×ne×kl+b54×kl×kl
+b55
<レーシング発進領域>
tang=c11×ne+c12×kl+c13×ne×kl+c14
Ainj=c21×ne+c22×kl+c23×ne×kl+c24×ne×ne
+c25×kl×kl+c26
vvt=c31×ne+c32×kl+c33×ne×kl+c34×kl×kl
+c35
egr=c41×ne+c42×kl+c43×ne×kl+c44×kl×kl
+c45
aop=c51×ne+c52×kl+c53×ne×kl+c54×kl×kl
+c55
<常用領域>
tang=d11×ne+d12×kl+d13×ne×kl+d14×ne×ne
+d15×kl×kl+d16
Ainj=d21×ne+d22×kl+d23×ne×kl+d24×ne×ne
+d25×kl×kl+d26
vvt=d31×ne+d32×kl+d33×ne×kl+d34×ne×ne
+d35×kl×kl+d36
egr=d41×ne+d42×kl+d43×ne×kl+d44×ne×ne
+d45×kl×kl+d46
aop=d51×ne+d52×kl+d53×ne×kl+d54×ne×ne
+d55×kl×kl+d56
そして上記代表点を、図6に例示する13個の運転状態に設定する。これにより、上記3つの領域における各予測式の算出に際して、それら領域に含まれる各5点の適合値を用いることができる。ちなみに、この5点の適合値を用いた上記各予測式の算出は、例えば、以下のようにして行う。
まず、5つの代表点(ne、kl)の標準偏差std(ne)、std(kl)及び平均avvte(ne)、avvte(kl)を算出し、それら代表点でのエンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLを下式にて定義する。
NE={ne−avvte(ne)}/std(ne)
KL={kl−avvte(kl)}/std(kl)
そして各制御パラメータの適合値の平均をそれぞれavvte(tang)、avvte(aop)…とすることで、例えばスロットル開度tangは、下式などとして近似することができる。
tang=d11×NE+d12×KL+d13×NE×KL+d14×NE×NE
+d15×KL×KL+avvte(tang)
=d11×NE+d12×KL+d13×NE×KL+d14×NE×NE
+d15×KL×KL+d16
なお複数の領域の境界近傍の計測点については、それら各領域の予測式に基づいて得られる推定値を直接用いる代わりに、領域間の境界の両側で推定値が大きく異なることがないような処理を施した値を用いる。
こうした処理は、例えば次の態様で行うことができる。まずファジィ推論によるモデル化を行い、予め各領域の境界近傍を滑らかに接続可能なメンバーシップ関数を定義しておく。そして、上記各予測式に基づいて得られた推定値に対応するメンバーシップ関数の値を乗算する。これにより、各予測式から得られる推定値の間の値を、上記センターポイントとして設定することができるようになる。
次に、上記120個の運転状態のそれぞれにおける上記各モデル式の算出、及び車載エンジン10単体での各制御パラメータの最適値の算出態様を説明する。
図7に、そうしたモデル式及び各制御パラメータの算出及びその算出のためのエンジン特性値の計測を行う計測システムの構成をブロック図で示す。
同図7に示される計測システムは、上記車載エンジン10の出力軸24と連結されるダイナモメータ31、そのダイナモメータ31を操作するダイナモ操作盤32、ダイナモメータ31を所定の条件に制御すべくダイナモ操作盤32に指令を送る自動計測装置33を備えている。
ダイナモメータ31は、車載エンジン10の出力軸24の発生するトルクを吸収することで、車載エンジン10を擬似的に車両に搭載した負荷状態にして各種試験を行うためのものである。ダイナモメータ31の吸収するトルクは、自動計測装置33からの指令にしたがって、ダイナモ操作盤32が操作されることで制御される。
また同図7に示される計測システムは、実際の車両に搭載される上記ECU30に代えて、車載エンジン10の制御を行う試験用ECU30’、及びその試験用ECU30’と上記自動計測装置33との間でのデータのやりとりを仲介するパネルチェッカー34を備えている。自動計測装置33では、このパネルチェッカー34を介して、試験用ECU30’内に保持される車載エンジン10の上記計測情報を取得する。そして自動計測装置33では、この計測情報によってモニタされる車載エンジン10の運転状態に基づいて、アクセル操作量に相当するデータ等をパネルチェッカー34を介して試験用ECU30’に供給する。
すなわち、車載エンジン10が実際に車両に搭載されるときには、上記各種センサ等からECU30に入力される計測情報に基づきその運転状態が制御される。これに対し、ダイナモメータ31を用いて擬似的に車両に搭載された状態を作り出す場合には、運転者の意志を反映したアクセル操作量等のデータを自動計測装置33が擬似的に生成し、上記パネルチェッカー34を介して試験用ECU30’に供給することで、車載エンジン10を所望の運転状態に制御する。
試験用ECU30’には、車載エンジン10の制御情報として、車載エンジン10に類似した機種のエンジンの演算マップを備えている。
こうした自動計測装置33から車載エンジン10やダイナモメータ31への制御指令は、大きくは自動計測装置33内の条件ファイルに基づいて設定される。この条件ファイルには、基本的には、計測を所望する車載エンジン10の各運転状態(エンジン回転速度ne及びトルク)毎に、その制御パラメータが書き込まれている。上記モデル式の算出時には、この各運転状態毎に車載エンジン10が固定制御され、そしてその固定制御中の車載エンジン10の出力が計測器35によって計測される。なお、この条件ファイル内に設定される各条件は、条件設定ツール53によって設定される。
自動計測装置33は、この条件ファイルに設定された各運転状態に車載エンジン10の運転状態を制御するため、パネルチェッカー34を介してECU30にアクセルペダルの踏み込み量に相当するデータ等を供給する。そして車載エンジン10がこの条件ファイルを通じて設定された運転状態に制御されると、自動計測装置33は、パネルチェッカー34を介して上記試験用ECU30’内のメモリあるいはレジスタ等にマニュアルフラグをセットする。このマニュアルフラグは、上記制御マップによる車載エンジン10の制御を禁止するフラグである。車載エンジン10が上記条件ファイルを通じて設定された運転状態となると、自動計測装置33では、このフラグをセットするとともに、車載エンジン10の制御パラメータを同条件ファイル内に設定された値に固定制御する。
こうして上記条件ファイルに設定されたエンジン運転条件下、制御パラメータが所定の制御値にて固定制御された状態で、消費燃料量BSFCや排気中の窒素酸化物排出量NOx、トルク変動量TFといった上記各エンジン特性値が計測器35により計測される。詳しくは、計測器35は、車載エンジン10への燃料供給量を計測する燃費計や、車載エンジン10の排気通路17を流れる排気中の窒素酸化物濃度を分析する分析計、車載エンジン10及びダイナモメータ31間に設置されたトルクメータ、及び同トルクメータの値を計算処理するトルク変動計を備えている。そして自動計測装置33は、燃費計の計測値に基づき消費燃料量BSFCを、分析計の計測値に基づき窒素酸化物排出量NOxを、トルク変動計の計測値に基づきトルク変動量TFをそれぞれ計算処理にて求めている。
更に計測システムは、それらの計測データを上記各条件ファイル毎に保持するためのサーバ40、同サーバ40に保持された計測データを各条件ファイルの情報とともに解析する解析ツール50、同解析ツール50による解析結果を表示する表示器51、同解析結果の一部を記憶保持するデータベース52を備えている。また計測システムには、これら解析ツール50や条件設定ツール53等を操作するための操作部60が設けられている。
次に、以上の計測システムを用いた上記モデル式、及び最適値の算出手順を説明する。これらの算出は、図8に示される手順を通じて行われる。
すなわち、これらモデル式及び最適値の算出に際しては、まずステップ110において、上記13点からなる各代表点における各エンジン特性値が計測される。これは以下のような手順で行われる。
(イ)上記条件設定ツール53において、各代表点毎に条件ファイルが設定される。
(ロ)操作部60を介して外部から、各代表点における制御パラメータのセンターポイントとなる値が入力される。
(ハ)条件設定ツール53において、上記各代表点毎に、上記入力された値をセンターポイントとし、実験計画法の直交表に基づいて計測に用いる制御パラメータの値が設定される。この設定された制御パラメータの値は、上記条件ファイルに記入される。
(ニ)13点からなる全ての代表点について条件ファイルが設定されると、この条件ファイルは、自動計測装置33に転送される。
(ホ)自動計測装置33は、試験用ECU30’にセットされた前記マニュアルフラグをリセットする。この状態で、ダイナモメータ31及び試験用ECU30’に所定の指令が送られることで、特定の条件ファイルに設定されたエンジン回転速度に一致するように車載エンジン10の回転速度が制御される。次に、車載エンジン10の負荷が同条件ファイルに設定されたものとなるように制御される。
(ヘ)そしてパネルチェッカー34を介して試験用ECU30’から供給される計測データに基づき、車載エンジン10の運転状態が条件ファイルでの設定に一致した旨判断されると、自動計測装置33は、パネルチェッカー34を介して試験用ECU30’に前記マニュアルフラグをセットする。これとともに、車載エンジン10の各制御パラメータを条件ファイルに設定された29通りのうちの1つに固定する。
(ト)この状態で車載エンジン10の各種特性値が計測される。そして所定期間に渡る計測が終了されると、制御パラメータが上記条件ファイルに設定された他の値に固定制御され、再度計測が行われる。
(チ)こうして1つの条件ファイルに設定された上記29ポイントの計測が終了すると、この計測データはサーバ40に自動登録される。そして、次の条件ファイルが選択されるとともに、試験用ECU30’内のマニュアルフラグがリセットされ、新たに選択された条件ファイルに設定されている運転状態へと車載エンジン10の運転状態が制御される。
こうした一連の手順によって13個の運転状態からなる代表点の計測が終了すると、処理がステップ120に移行される。ステップ120では、上記解析ツール50によって上記各代表点毎に上記各モデル式が算出される。すなわち、まず解析ツール50は、計測データをサーバ40から、また、対応する条件ファイルを自動計測装置33からそれぞれ取り込む。そして、条件ファイルに記入されている計測時の制御パラメータの種類等、各種計測条件と、計測データとに基づいて上記モデル式が算出される。そして、各代表点毎にモデル式が算出されると、ステップ130に移行する。
ステップ130では、解析ツール50によって、各代表点毎のモデル式から同代表点毎に要求条件を満たす最適値が算出される。この要求条件は、予め操作部60を介して外部から解析ツール50に入力されている。
この要求条件は、例えば上記常用領域(図6参照)に属する代表点に関しては、窒素酸化物排出量NOx、及びトルク変動量TFに対して上限を設定し、この範囲内で消費燃料量が最小になるように設定される。ちなみに、上記算出された各モデル式から窒素酸化物排出量NOxが上限値以下となり、且つトルク変動量TFが最小時及び許容しうる上限値間となる領域が適合領域となる。そのためここでは、この適合領域において消費燃料量BSFCが最小となる値が最適値として算出される。なお、レーシング発進領域(図6参照)においては、上述した理由から、トルク変動最小時の消費燃料量BSFCのグラフ上から最適値が算出される。
こうして各代表点における最適値が算出されると、各代表点毎に、計測値と最適値、更に最適値の算出に用いたモデル式とがグラフ化され、上記表示器51によって表示される。これによりロバスト性のチェックを行うことができる。すなわち、上記解析ツール50によって数値解析により算出された最適値は、ロバスト性に乏しい値である可能性がある。したがって、算出された最適値と計測値と上記モデル式とをグラフ化して表示することで、ロバスト性のチェックを行う。
こうして各代表点毎に算出された最適値がロバスト性を満たすと判断されると、ステップ140において、解析ツール50は、これら最適値に基づいて、アイドル近傍領域、レーシング発進領域、常用領域の各領域毎に上記予測式を算出する。
上記予測式が算出されると、ステップ150において、解析ツール50において、120点からなる全マップ点の適合値が推定される。この推定に際して、上記3つの領域の境界近傍については、上記各予測式から算出される値が直接用いられることなく、上述したように、同算出された値をメンバーシップ関数等に基づき徐変処理した値が用いられる。
上記態様にて120点からなる各マップ点で適合値が推定されると、ステップ160において、これらをセンターポイントとする上記ステップ110と同様の計測が行われる。すなわち、条件設定ツール53において、各マップ点毎に条件ファイルが設定された後、各条件ファイルに各推定適合値がセンターポイントとして書き込まれる。そして、この条件ファイルに基づき自動計測装置33では、上記センターポイントとその上下値とが制御パラメータの値として設定された各29ポイントの計測を行う。この計測結果は、それぞれサーバ40に自動登録される。
こうした一連の手順にて全120個の運転状態の計測が終了されると、同図8のステップ170の処理に移行する。ステップ170では、上記ステップ200と同様にして、上記120個の運転状態に対してそれぞれ上記各モデル式が算出される。
続くステップ180では、上記ステップ130と同様にして、先のステップ170で算出されたモデル式に基づいて、上記120個の運転状態における各制御パラメータの最適値が算出される。そして算出された運転状態毎の上記各モデル式、及び上記各制御パラメータの最適値は、上記サーバ40に自動登録される。
以上の一連の手順を通じて算出された運転状態毎の各制御パラメータの最適値は、あくまで各運転状態の要求条件のみを考慮して算出されたものであり、最終的なエンジン特性の評価である上記走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たすものとなっているとは限らない。そこで本実施形態では、上述のステップ300〜ステップ800の手順にて、上記走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす最終的な制御パラメータの適合値を決定する。
まず、そうした適合値の決定を行う上記シミュレーションシステム70について、図9を参照して説明する。なお本実施形態では、このシミュレーションシステム70が、上記制御パラメータ適合装置、モデル式記憶手段、設定手段、評価手段、更新手段、再実行手段、及び決定手段に相当する構成となっている。
シミュレーションシステム70は、上記各制御パラメータの適合値の決定に係る各種処理を実行するコンピュータシステムとして構成されている。シミュレーションシステム70は、演算処理を実行する中央演算処理装置(CPU)や、処理中のデータやプログラム等の記憶される記憶装置、適合条件を入力するための入力装置71、処理の結果等を表示する表示装置等を備えている。更にシミュレーションシステム70には、各種車両の諸元データや各種走行モードにおける走行パターン(車速の推移等)のデータ等が予め格納されたデータベース72が設けられている。またシミュレーションシステム70には、上記計測システムによって算出され、サーバ40に登録された計測データ、すなわち上記各運転状態における各モデル式のデータ及び各制御パラメータの最適値のデータが入力されるようになっている。
同図9には、こうしたシミュレーションシステム70における適合値の決定に係る処理の流れがブロック図として併せ示されている。以下、同図を参照して、適合値の決定に係る処理の詳細を説明する。
処理が開始されると、シミュレーションシステム70のCPUは、上記サーバ40から、上記計測システムによって算出された上記各運転状態における各モデル式のデータ及び各制御パラメータの最適値のデータを、シミュレーションシステム70の記憶装置に登録する(図3のステップ300)。
続いて上記入力装置71を通じて、適合対象となる車載エンジン10の搭載される車種や適合を行う走行モードが設定される。また選択された走行モードにおけるトータルのエンジン特性要求、例えばその走行モードでの平均消費燃料量や窒素酸化物のトータル排出量の許容上限値、トルク変動の許容限界なども併せ設定される。
このときCPUは、上記データベース72から、上記選択された車種における車両の諸元データ、及び選択された走行モードのデータを自身の記憶装置に取り込む(図3のステップ400)。ここで取り込まれる車両の諸元データには、例えば以下のような情報が含まれる。
・重量諸元
車両の重量、重心高、ホイールベース等
・変速機諸元
ギア比、損失特性、慣性値、変速パターン等
・トルクコンバータ諸元
トルクコンバータ特性値、慣性値等
・デフ諸元
損失特性、慣性値等
・エンジン特性諸元
慣性値、加速制御用時定数、WOT特性等
・タイヤ諸元
タイヤ半径、路面との摩擦係数、ブレーキ時の引きずりトルク等。
一方、走行モードのデータには、その走行モードの各時期における車速の推移の情報等が含まれる。これらの車両の諸元データ及び走行モードのデータに基づくことで、データの登録された走行モードでの車載エンジン10の運転状態が求めることができる。
車両の諸元データ及び走行モードのデータが取り込まれると、CPUは、それらのデータに基づき、該当走行モードの各時期における車載エンジン10の運転状態を求める。すなわち、ここでは、走行モードでの車載エンジン10の運転中におけるエンジン回転速度ne及びエンジン負荷klの推移パターンが求められる。
続いてCPUは、適合の妥当性の評価に供される各演算マップの設定を行う(図3のステップ500)。最初の段階では、上記計測システムによって算出され、上記サーバ40に登録された各運転状態における各制御パラメータの最適値がそのまま演算マップのマップ値に設定される。
演算マップの設定を終えると、CPUは、その設定された演算マップに基づく上記走行モードにおける車載エンジン10の挙動を擬似的に再現し、その走行モードでのトータルのエンジン特性を算出する。ここでのトータルのエンジン特性の算出は、次のように行われる。
すなわち、まず上記求められた走行モードの各時期の車載エンジン10の運転状態に基づき、上記設定された演算マップから各時期の各制御パラメータの値を求める。そして求められた各制御パラメータの値を上記モデル式に代入して、各時期のエンジン特性値を算出する。こうして算出された各時期のエンジン特性値に基づいて、走行モードのトータルのエンジン特性を求める。例えば走行モードでの平均消費燃料量は、モデル式に基づき求められた各時期の消費燃料量BSFCを、走行モード全体で時間積分し、それを走行モードの開始から終わりまでの時間で除算することで求められる。また走行モードにおける窒素酸化物のトータル排出量は、上記モデル式に基づき求められた各時期の窒素酸化物排出量NOxを時間積分すれば求めることができる。
こうして走行モードのトータルのエンジン特性が求められると、CPUは、その求められたトータルのエンジン特性が、上記処理の開始時に設定されたトータルのエンジン特性要求を満たしているか否かの評価を行う(図3のステップ600)。すなわちここでは、上記設定された演算マップのマップ値の妥当性が評価される。
ここでトータルのエンジン特性要求に未達の項目が1つでもあれば、CPUは、上記各制御パラメータの演算マップにおけるマップ値の更新を行う(図3のステップ700)。すなわちCPUは、未達項目が達成されるように、各運転状態における各制御パラメータの設定値の見直しを行う。
本実施形態では、そうした演算マップのマップ値の更新は、各運転状態の各エンジン特性値を一括して総合的に評価する総合評価関数を用いて行われる。この総合評価関数は、下式にて定義されている。総合評価関数は、上記120個の運転状態にそれぞれ個別に設定される。
・総合評価関数
F(BSFC、NOx、TF)=f1(BSFC)+f2(NOx)+f3(TF)
ここでf1(BSFC)、f2(NOx)、f3(TF)は、運転状態毎の各エンジン特性値、すなわち消費燃料量BSFC、窒素酸化物排出量NOx、及びトルク変動量TFの目標値からのずれ度合をそれぞれ示す評価関数であり、下式にてそれぞれ定義されている。
・消費燃料量評価関数
1(BSFC)=kbsfc×|BSFC−tBSFC|
・窒素酸化物排出量評価関数
2(NOx)=knox×|NOx−tNOx|
・トルク変動量評価関数
3(TF)=0 (TF≦bTF)
3(TF)=ktf×|TF−tTF| (TF>bTF)
ここでtBSFC、tNOx、tTFは、各エンジン特性値の目標値をそれぞれ示している。各エンジン特性値の目標値tBSFC,tNOx、tTFは、例えば上記走行モードでの各エンジン特性のトータル目標値を、そのトータル出力で除算した平均目標値を用いることができる。
もっとも、こうした目標値としては、その目標値と各エンジン特性値との差分が大きくなるほど、エンジン特性値が望ましくない側となっていると評価できるような所定値が設定されていればよい。上記消費燃料量BSFC、窒素酸化物排出量NOx、及びトルク変動量TFについていえば、いずれも値が大きくなるほど、望ましくない側となるようなエンジン特性値であるため、各目標値を値「0」に設定しても、ここでの演算マップの更新を問題なく行うことができる。
ちなみに、その値が小さくなるほど、望ましくない側となるエンジン特性値の場合には、目標値を十分に大きい値、例えば想定されるそのエンジン特性値の最大値等を、目標値として設定すればよい。またある値から外れるほど、望ましくない側となるエンジン特性値の場合には、そのある値を目標値としておけば、同様の演算マップの更新を行うことができる。
また上式におけるkbsfc、knox、ktfは、それぞれ各エンジン特性値の重み係数を示している。この重み係数は、各単位系の異なるエンジン特性値の目標値からのずれ量を、同等の次元で量的に比較できるようにするための係数となっている。
更にbTFは、その影響を無視し得るトルク変動量TFの上限値である基準トルク変動量を示している。なおトルク変動量TFの評価関数f3(TF)の重み係数ktfは、基準トルク変動量bTFに対するステップ関数として定義されている。すなわち、トルク変動量TFが基準トルク変動量bTF以下のときには、重み係数ktfは値「0」を取り、基準トルク変動量bTFを超えるときには、重み係数ktfは所定の定数を取る。これはトルク変動量TFについては、それが基準トルク変動量bTF以下となっている限り、評価に際してその影響を考慮の対象から除外するためである。
なお上記各重み係数(kbsfc、knox、ktf)の初期値には、上記計測システムにより算出された各運転状態の最適値が演算マップのマップ値として設定されたときに、それらが上記総合評価関数F()の値が概ね最小となるような制御パラメータの組み合わせとなるような値が予め設定されている。
さて上記評価の後、CPUは、同評価において未達とされた項目に係るエンジン特性値についてのみその重み係数に所定値を加算する。そしてCPUは、更新された各重み係数を用いて、各演算マップのマップ値の更新を行う。このとき、CPUは、上記120個の運転状態のそれぞれにおいて、更新された重み係数に基づく上記総合評価関数F()が値の最小となる制御パラメータの組み合わせを算出し、それらを演算マップの各運転状態のマップ値として設定する。
図10(A)、(B)に、上記評価の結果に基づく重み係数の更新を行う前後の各評価関数f1(BSFC)、f2(NOx)、f3(TF)、及び総合評価関数F()と、更新対象となる制御パラメータの1つであるVVT進角量vvtとの関係を示す。なお、ここでは、理解し易いように、運転状態毎の各エンジン特性値がVVT進角量vvtのみによって決定されるものとして説明する。
図10(A)に示されるように、重み係数の更新前では、総合評価関数F()の値が最小となるVVT進角量vvtは値「A」を取っている。
ここで上記評価の結果、消費燃料量BSFCに係るトータルのエンジン特性要求のみが未達であるとされたものとする。このときのトータルのエンジン特性要求の満たされた窒素酸化物排出量NOx、及びトルク変動量TFに係る評価係数の重み係数knox、ktfは現状のままその値が保持され、消費燃料量BSFCに係る評価関数の重み係数kbsfcのみが所定値加算される。
こうして重み係数が更新されると、図10(B)に示されるように、その重み係数kbsfcの増加率に応じて、各VVT進角量vvtにおける消費燃料量BSFCの評価関数f1(BSFC)の値が増大され、各VVT進角量vvtと総合評価関数F()の値との関係が変化する。その結果、総合評価関数F()の値が最小となるVVT進角量vvtの値は、トータルのエンジン特性要求が未達であった消費燃料量BSFCにとっては有利な、すなわち消費燃料量BSFCをより削減可能な値「B」へと変化する。
こうしたマップ値の更新を、各演算マップの上記120個の運転状態のそれぞれにおいて行うことで、その更新が行われる。これにより、上記評価において未達とされた項目のトータルのエンジン特性要求が、より達成され易くなるような値へと演算マップのマップ値が更新されることとなる。
マップ値の更新後、CPUは、その更新されたマップ値に応じて演算マップを更新し、上記トータルのエンジン特性の算出、及び上記評価を再実行する。これら演算マップのマップ値の更新、トータルのエンジン特性の算出、及びその評価に係る処理は、トータルのエンジン特性要求の項目が満たされるまで、繰り返し実行される。
そしてトータルのエンジン特性要求のすべての項目が満たされているとの評価がなされると、CPUは、そのとき設定されている演算マップのマップ値を適合値として決定する。そしてその適合値の格納された演算マップをファイルとして出力する。
以上説明した本実施形態では、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、各運転状態における各制御パラメータと各エンジン特性値との相関関係を表すモデル式に基づくシミュレーションシステム70の処理にて、走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たす演算マップを適合することができる。そのため、エンジンベンチ上での試行錯誤の繰返しを行うことなく、容易且つ短時間で車両走行状態を考慮した車載エンジン10の制御パラメータの適合を行うことができる。
(2)シミュレーションシステム70での評価結果に応じた演算マップのマップ値の更新手順が確立されているため、その更新に係る処理の自動化を容易に図ることができる。
(3)本実施形態では、上記モデル式を、車載エンジン10におけるエンジン特性値の計測結果に基づいて求めているため、精度及び信頼性を高いモデル式を得ることができ、適合値の信頼性を向上することができる。
(4)モデル式の算出に係るエンジン特性値の計測を実験計画法に基づき行うことで、モデル式の精度や信頼性を高く保持しつつも、計測にかかる工数や時間を大幅に短縮することができる。
以上の本実施形態は、次のように変更しても良い。
・要求未達のエンジン特性の重み係数を、その未達度合に応じて可変とするようにしても良い。例えば、大幅に要求を満たしていないときには、重み係数を大きく変更し、あと少しで要求を満たせるようなときには、重み係数を小さくする、といったようにしても良い。このようにすることで、適合処理の更なる早期化や適合精度の更なる向上を図ることができる。
・上記実施形態では、要求未達のエンジン特性の重み係数を増加させることでその更新を行うようにしていたが、要求達成済みのエンジン特性の重み係数を減少させることでも、或いはその双方を同時に行っても、同じことができる。
・上記各エンジン特性値の評価関数は、上記実施形態で示したもの以外の関数としても良い。要は、その関数がエンジン特性値の目標値からのずれ度合を表す値を取るものであれば、評価関数として採用することができる。
・上記実施形態で例示した制御パラメータ以外の任意の制御パラメータを対象として適合を行う構成としても良い。
・上記実施形態で例示したエンジン特性以外の任意のエンジン特性、例えば車載エンジン10の冷却特性、加速特性、走行特性等を、演算マップの適合に係る要求条件として設定するようにしても良い。
・演算マップの適合対象となる車載エンジンの構成は、上記実施形態に例示したものに限らない。
本発明の一実施形態による制御パラメータの適用対象となる車載エンジンの構成を示す模式図。 同車載エンジンに適用される制御パラメータの演算マップの一例を示す図。 演算マップの適合に係る処理手順を示すフローチャート。 エンジン特性計測時の制御パラメータの設定態様を示す図。 複雑な関数の低次のモデル式での近似例を示す図。 車載エンジンの運転領域及び代表点の設定例を示す図。 計測システムの構成を示すブロック図。 各運転状態のモデル式及び最適値に係る処理手順を示すフローチャート。 シミュレーションシステムの構成及びその処理の流れを併せ示すブロック図。 (A)重み係数の更新前、及び(B)更新後の各評価関数と制御パラメータとの関係を各示す図。
符号の説明
10…車載エンジン、11…シリンダ、12…ピストン、13…燃焼室、14…インジェクタ、15…点火プラグ、16…吸気通路、17…排気通路、18…吸気バルブ、19…排気バルブ、20…可変バルブタイミング機構(VVT)、21…スロットルバルブ、22…EGR通路、23…EGRバルブ、24…出力軸、25…回転速度センサ、26…水温センサ、30…電子制御装置(ECU)、30’…試験用ECU、31…ダイナモメータ、32…ダイナモ操作盤、33…自動計測装置、34…パネルチェッカー、35…計測器、40…サーバ、50…解析ツール、51…表示器、52…データベース、53…条件設定ツール、60…操作部、70…シミュレーションシステム(制御パラメータ適合装置、モデル式記憶手段、設定手段、評価手段、更新手段、再実行手段、決定手段)、71…データベース。

Claims (7)

  1. 車載エンジンの複数のエンジン特性のそれぞれが、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たすように各運転状態における制御パラメータを適合させる方法であって、
    前記各運転状態において前記制御パラメータを変化させてエンジン特性値を計測し、この計測したエンジン特性値に基づいて前記各運転状態における前記制御パラメータと前記エンジン特性値との相関関係を表すモデル式を算出する工程と、
    その算出されたモデル式に基づいて、車載エンジン単体での前記各運転状態における制御パラメータの最適値を算出し、前記走行モードでの車両走行状態における車載エンジンの挙動を擬似的に再現するシミュレーションシステムに対して前記算出したモデル式及び前記算出した最適値のそれぞれを組み込み、このシミュレーションシステムによる車載エンジンの評価に用いられる制御パラメータの演算マップの設定として、制御パラメータの適合にあたり最初に行う演算マップの設定についてはこれを前記算出した最適値に基づいて行い、別途の工程にてマップ値の更新がなされたときにはこれに基づいて演算マップの設定を行う工程と、
    記制御パラメータに基づいて前記走行モードで前記車載エンジンを運転したときの各時期における前記エンジン特性値を前記モデル式に基づき算出するとともに、その算出結果に基づいて前記トータルのエンジン特性要求が満たされるか否かを評価する工程、すなわち前記シミュレーションシステムにより前記走行モードで車載エンジンを運転したときの各時期における制御パラメータを前記設定した演算マップに基づいて算出し、この算出した制御パラメータを前記算出したモデル式に代入して前記各時期のエンジン特性値を算出し、この算出したエンジン特性値に基づいてトータルのエンジン特性要求が満たされているか否かを評価する工程と、
    その評価の結果によりトータルのエンジン特性要求が満たされていないことが確認されたときには、前記トータルのエンジン特性要求が満たされていないエンジン特性値の目標値からのずれ度合が小さくなるように、前記演算マップのマップ値を更新する工程と、
    前記評価において前記トータルのエンジン特性要求が前記複数のエンジン特性のすべてについて満たされるまで、前記制御パラメータの設定、前記マップ値の更新及び前記評価を繰返し実行して、各運転状態における前記制御パラメータの適合値を取得する
    ことを特徴とする車載エンジンの制御パラメータ適合方法。
  2. 請求項1に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、
    前記モデル式に基づく前記制御パラメータの設定は、A1,A2,…,Anを各エンジン特
    性値とし、fm(Am)を任意のエンジン特性値Amの目標値からのずれ度合を表す評価関
    数としたとき、

    F(A1,A2,…,An)=f1(A2)+f2(A2)+…+fn(An

    で表される総合評価関数の値が最小となる各運転状態の前記制御パラメータの算出により行われ、
    前記制御パラメータの更新は、前記評価において要求条件の満たされていないエンジン特性値の前記総合評価関数の値に対する反映度合がより大きくなるように、前記評価の結果に応じて前記各エンジン特性値の評価関数を修正することで行われる
    ことを特徴とする車載エンジンの制御パラメータ適合方法。
  3. 請求項2に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、
    mを任意のエンジン特性値Amの前記目標値とし、kmをそのエンジン特性値Amの重み係数としたとき、そのエンジン特性値Amの前記評価関数fm(Am)は、

    m(Am)=km×|Am−Tm

    で表され、
    前記評価関数の修正は、前記トータルのエンジン特性要求を満たしたエンジン特性値の重み係数に対する、前記トータルのエンジン特性要求の満たされていないエンジン特性値の重み係数の比率が大きくなるように各エンジン特性値の重み係数を修正することで行われる
    ことを特徴とする車載エンジンの制御パラメータ適合方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、
    前記エンジン特性値の計測は、実験計画法に基づき計測点を定めて行われる
    ことを特徴とする車載エンジンの制御パラメータ適合方法。
  5. 車載エンジンの複数のエンジン特性のそれぞれが、所定の走行モードでのトータルのエンジン特性要求を満たすように各運転状態における制御パラメータを適合させる車載エンジンの制御パラメータ適合装置において、
    各運転状態における各エンジン特性値と前記制御パラメータとの相関関係を表すモデル式が登録され、記憶されるモデル式記憶手段と、
    前記モデル式に基づいて車載エンジン単体での前記各運転状態における制御パラメータの最適値を設定し、前記走行モードでの車両走行状態における車載エンジンの挙動を擬似的に再現するシミュレーションシステムに対して前記モデル式及び前記最適値のそれぞれを組み込み、このシミュレーションシステムによる車載エンジンの評価に用いられる制御パラメータの演算マップの設定として、制御パラメータの適合にあたり最初に行う演算マップの設定についてはこれを前記最適値に基づいて行い、別途の工程にてマップ値の更新がなされたときにはこれに基づいて演算マップの設定を行う設定手段と、
    前記制御パラメータに基づき前記走行モードで前記車載エンジンを運転したときの各時期における前記エンジン特性値を前記モデル式に基づき算出するとともに、その算出された各時期の前記エンジン特性値に基づいて前記トータルのエンジン特性要求がそれぞれ満たされるか否かを評価する評価手段、すなわち前記シミュレーションシステムにより前記走行モードで車載エンジンを運転したときの各時期における制御パラメータを前記演算マップに基づいて算出し、この算出した制御パラメータを前記モデル式に代入して前記各時期のエンジン特性値を算出し、この算出したエンジン特性値に基づいてトータルのエンジン特性要求が満たされているか否かを評価する評価手段と、
    前記評価手段の評価において前記トータルのエンジン特性要求の少なくとも1つが満たされていないとき、そのエンジン特性要求を満たしていないエンジン特性値の目標値からのずれ度合が小さくなるように、前記設定手段による前記演算マップのマップ値を更新する更新手段と、
    その更新手段による前記演算マップのマップ値の更新がなされたときに、前記設定手段の前記演算マップの設定、及び前記評価手段の評価を再実行させる再実行手段と、
    前記評価手段の評価において前記トータルのエンジン特性要求が前記複数のエンジン特性のすべてについて満たされたとき、そのときの前記制御パラメータを適合値として決定する決定手段とを備える
    ことを特徴とする車載エンジンの制御パラメータ適合装置。
  6. 請求項5に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、
    前記設定手段は、A1,A2,…,Anを各エンジン特性値とし、fm(Am)を任意のエン
    ジン特性値Amの目標値からのずれ度合を表す評価関数としたとき、

    F(A1,A2,…,An)=f1(A1)+f2(A2)+…+fn(An

    で表される総合評価関数の値が最小となるように、各運転状態の前記制御パラメータを前記モデル式に基づき設定し、
    前記更新手段は、前記トータルのエンジン特性要求の満たされていないエンジン特性値の前記総合評価関数の値に対する反映度合がより大きくなるように前記各エンジン特性値の評価関数を修正することで、前記設定態様を更新する
    ことを特徴とする車載エンジンの制御パラメータ適合装置。
  7. 請求項6に記載の車載エンジンの制御パラメータ適合方法において、
    Tmを任意のエンジン特性値Amの前記目標値とし、kmをそのエンジン特性値Amの重み係数としたとき、そのエンジン特性値Amの前記評価関数fm(Am)は、

    m(Am)=km×|Am−Tm

    で表され、
    前記評価関数の修正は、前記トータルのエンジン特性要求を満たしたエンジン特性値の重み係数に対する、前記トータルのエンジン特性要求の満たされていないエンジン特性値の重み係数の比率を大きくする各エンジン特性値の重み係数の修正を通じて行われる
    ことを特徴とする車載エンジンの制御パラメータ適合装置。
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