JP4185951B2 - 車両とそのような車両を駆動するエンジンとの最適化を行うための方法 - Google Patents
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Description
前記路上またはローラテストスタンドでの車両の実車運転またはエンジンテストスタンドでのエンジンの実運転による測定の実施と、
前記測定によって得られた測定値に関する予測を計算によって求められるようにするための、車両ないしエンジンを表すシミュレーションモデルのパラメータ値設定と、
経験的に求められた関数に基づいて複数の測定値から得られる、一定の走行状態における車両のドライバビリティを表す少なくとも1つのドライバビリティ指標も計算される、前記シミュレーションモデルを使用した車両のシミュレーションと、
少なくとも1つの前記ドライバビリティ指標(DR)を目的関数とする前記シミュレーションにおける車両(10)のセッティングの最適化と、
からなる方法によって解決される。
さらに、前記課題は、以下のステップ、つまり
路上またはローラテストスタンドでの車両の実車運転またはエンジンテストスタンドでのエンジンの実運転による測定の実施と、
前記測定によって得られた測定値に関する予測を計算によって求められるようにするための、車両ないしエンジンを表すシミュレーションモデルのパラメータ値設定と、
経験的に求められた関数に基づいて複数の前記測定値から得られる、一定の走行状態における車両のドライバビリティを表す少なくとも1つのドライバビリティ指標も計算される、前記シミュレーションモデルを使用した車両のシミュレーションと、
少なくとも1つの前記ドライバビリティ指標(DR)を周辺条件とする前記シミュレーションにおける車両(10)のセッティングの最適化と、
からなる方法によって解決される。
特に信頼度の高い結果は、周辺条件の少なくとも一部がシミュレーション・ランの部分局面、この場合、シミュレーション・ランのすべての部分局面が対象とされる、における車両の挙動を表すドライバビリティ指標である場合に達成される。
車両はローラテストスタンドに配される。この場合、たとえば空力効果はシミュレーションモデルによって表されなければならず、影響量たとえば車輪サスペンション、タイヤなども直接には考慮することができない。
測定のいっそうの簡易化は、車両のエンジンがハイダイナミック・テストスタンドで検査される場合に実現される。この場合、前述した変数に加えてさらに、パワートレインに関連するすべての変数もシミュレートされなければならない。
ただし、特別検査のために個々のサブシステムたとえばエンジン制御装置を別個に検査することもできるが、この場合、制御装置による直接の影響を受けないいっさいの変数はシミュレートされなければならない。
Ui: 環境パラメータたとえば路面状況、気圧。影響を及ぼすことが不可能な、ただしモデルに入力される外部パラメータである。
Ei: セッティングパラメータ:自動車を特徴づけるかつ(少なくとも原理的には)変更することのできる可測量。例:ばね特性曲線、エンジン特性マップ、変速比、車両重量、空気抵抗および車両の揚力係数ないし偏揺係数。
Si: シミュレーションパラメータ:これは、可測変数に対応していない、シミュレーションモデルのセッティングに必要とされる量である。例: タイヤ特性マップ(不明の場合)、パワートレインの弾性(不明の場合)。
Fi(t): ドライバ決定量、たとえばステアリング角、アクセルペダル・ポジション。これらの変数はいうまでもなく時間とともに変化し、したがって時間の関数として表されている。これらのパラメータは車両速度と相関させて位置の関数としても表すことができる。
Mi(t): 車両の挙動を特徴づける、実際に測定可能であると共にシミュレーションモデルによって計算することもできる測定値。例:縦加速度、横加速度、エンジン温度。シミュレーションモデルによって計算される仮想(バーチャル)測定値は、環境パラメータ、セッティングパラメータのシミュレーション、シミュレーションパラメータ、ドライバ決定量ならびにその他の測定値の関数として表すことができる。
Msimi(t)=f(Ui,Ei,Si,Fi(t),Mi(t))
DRi:一定の走行モードおよび/または部分区間に関するドライバビリティ指標。DRiは前以て求められた経験的データに基づいてMi(t)ないしMsimi(t)から計算される。
ここで、図1に示したフローチャートの個々のステップは以下のように説明することができる。
ステップ0: 開始
ステップ1: リアルラップ:所与のセッティングパラメータEi0を有した車両が実際のレース区間またはテストスタンドで運転され、Fi(t)とMi(t)が記録される。さらに環境パラメータUiが観測される。このリアルラップは、先述したように、先行モデルの車両で実施されたものであってもよい。
ステップ2: バーチャルラップ:シミュレーションモデルを用いて計算機でラップがシミュレートされる。シミュレーションモデルにはUiとEi0が所与のものとして入力され、さらに計算はシミュレーションパラメータSij(ここで添字jはそれぞれ、j番目にシミュレートされたラップに基づくシミュレーションパラメータSiのバージョンを表している)を基礎として行われる。これは当初セットのシミュレーションパラメータSi0から開始され、これがその後連続して改善されることを意味している。
変形1: ドライバ決定量Fi(t)はできるだけリアルラップから採用される。
変形2: ドライバモデルはシミュレーションモデルの一部(または補助的なシミュレーションモデル、これは同義である)であり、ドライバ決定量Fi(t)はFsimi(t)として共シミュレート(=計算)される。
シミュレーションの結果はシミュレートされたラップjに関するバーチャル測定値Msimij(t)(および場合によりFsimij(t))のセットである。
ステップ3: 照会:シミュレーションモデルの精度は十分であるか?これは基本的にMi(t)とMsimij(t)との間(および場合によりFi(t)とFsimij(t)との間)の差から確認される。この場合、一般に、少なくともいくつかの測定値はその他の測定値よりも重大であり、したがって異なった許容差が存在することから、評価関数が生ずるであろう。さらに、DRiの量は精度の計算に援用される。
NOTの場合: ステップ4:新たなセットのシミュレーションパラメータSijの作成とステップ2への復帰。新たなSijの計算は確実に純数学的に行われる(システムの内的関連の知識なしの最適化課題)かあるいは実際の関連に関する知識を使用することが可能である。両者のコンビネーションも可能である。
YESの場合: ステップ5
ステップ5: 車両セッティングのバーチャル変更:当初のセッティングパラメータEi0がEik(ここでkはそれぞれの最適化ステップを表すカウンタである)に変更される。
ステップ6: バーチャル・テストラップ:新たなセッティングパラメータEikを使用。ステップ2と同様に、シミュレートされた測定値 − これはk番目の最適化ステップに基づいて得られることから、ここではMsimik(t)で表されている − が計算される。
変形1: ドライバ決定量Fi(t)はリアルラップからそのまま採用される。
変形2: ドライバモデルはシミュレーションモデルの一部(または補助的なシミュレーションモデル、これは同義である)であり、ドライバ決定量は共シミュレートされる。この場合の特別な利点: ドライバの挙動はDRik − これはドライバビリティ指標である(次のステップ) − をベースとして特に容易かつ実際に近い形で予測することができる。
ステップ7: ドライバビリティ計算:DRikの計算。これはk番目の最適化ステップに基づくドライバビリティ指標である。
ステップ8: 照会:最適化の進展の評価:十分な進展が達成されたか?
NOTの場合: ステップ5に復帰。
YESの場合: 手続きの終了または場合によりステップ1に復帰。
車両最適化(ステップ5から8まで)は、1つの目的関数と複数の周辺条件とによる非線形の最適化課題を表している。
実車10は所定の区間で運転される。測定値を基礎として、シミュレーションモデル11−これは内部において、車両モデル12、ドライバモデル13および区間モデル14に区分される−がパラメータ化される。車両モデル12は再びサブモデル−たとえば走行動特性モデル15、空力特性モデル16およびタイヤモデル17と、必要に応じ、その他のここには不図示のサブモデル−に区分することができる。
V・E = Msim
ここで、Vは前述したメタモデルを表す300行、150列のマトリックスである。このマトリックスの逆行列を用いることにより、容易な方法で、所望のセッティングパラメータ・ベクトルEを以下のようにして得ることができる。
E = V−1Msim
連立方程式の過度の限定性により必ずしもすべての値のMsimが正確に達成されるわけでないことは自明であるが、このことはほとんどの値のMsimは不等式の形で存在する周辺条件であることからして問題ではない。
ところで、この第一の−値Ei1からなる−最適なセッティングパラメータ・ベクトルEはさらなるシミュレーションサイクルに援用され、同サイクルにおいて再び個々のEi1は順次変化させられる。これは十分な精度が達成されるまで反復して行われる。
ラップタイム =83.1s
アンダーステア= 9.36
オーバーステア= 7.21
ただし、この最適化方法は線形メタモデルに制限されるものでもない。2次式の使用はステップごとの演算ニーズを高めるが、必要とされるステップの数を減少させることともなる。
cARBF cARBR
Δラップタイム 0.0000 0.0000
Δオーバーステア 0.0621 −0.0403
Δアンダーステア −0.1216 0.0254
本発明は、シミュレーション法の適用によって車両チューニングを促進すると同時に質的に改善することを可能にする。
Claims (23)
- 車両とそのような車両を駆動するエンジンとの最適化を行うための、以下のステップ、つまり
路上またはローラテストスタンドでの車両(10)の実車運転またはエンジンテストスタンド(19)でのエンジン(21)の実運転による測定の実施と、
前記測定によって得られた測定値に関する予測を計算によって求められるようにするための、車両(10)ないしエンジン(19)を表すシミュレーションモデル(11)のパラメータ値設定と、
経験的に求められた関数に基づいて複数の前記測定値から得られる、一定の走行状態における車両(10)のドライバビリティを表す少なくとも1つのドライバビリティ指標(DR)も計算される、前記シミュレーションモデル(11)を使用した車両(10)のシミュレーションと、
少なくとも1つの前記ドライバビリティ指標(DR)を目的関数とする前記シミュレーションにおける車両(10)のセッティングの最適化と、
からなる方法。 - 車両とそのような車両を駆動するエンジンとの最適化を行うための、以下のステップ、つまり
路上またはローラテストスタンドでの車両(10)の実車運転またはエンジンテストスタンド(19)でのエンジン(21)の実運転による測定の実施と、
前記測定によって得られた測定値に関する予測を計算によって求められるようにするための、車両(10)ないしエンジン(19)を表すシミュレーションモデル(11)のパラメータ値設定と、
経験的に求められた関数に基づいて複数の前記測定値から得られる、一定の走行状態における車両(10)のドライバビリティを表す少なくとも1つのドライバビリティ指標(DR)も計算される、前記シミュレーションモデル(11)を使用した車両(10)のシミュレーションと、
少なくとも1つの前記ドライバビリティ指標(DR)を周辺条件とする前記シミュレーションにおける車両(10)のセッティングの最適化と、
からなる方法。 - ドライバの挙動をモデル化して、ドライバによって影響が及ぼされる量(F)を走行状態に応じて計算するドライバモデル(13)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記ドライバモデル(13)に少なくとも1つのドライバビリティ指標(DR)が入力量として組み入れられることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記ドライバモデル(13)は、経験的に求められた関数に基づいて複数の測定値から得られるとともに、一定の走行状態における当該ドライバのドライビング挙動を評価する、少なくとも1つのドライバ評価指標に基づいてパラメータ値設定されることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
- 前記シミュレーションモデル(11)のパラメータ値設定に際し、実運転による測定からも、シミュレーションモデルからも求められる少なくとも1つのドライバビリティ指標(DR)が使用されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 実運転における測定値の取得は前記シミュレーションモデル(11)を一部使用して実施され、その際、いくつかのハードウェア要素は実運転の制御下におかれる一方でその他のハードウェア要素はシミュレーションモデルによって置き換えられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 車両(10)の実車運転による測定が実施された後に車両(10)の変更が決定され、変更された車両(10)をベースとするシミュレーションモデル(11)が作成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 最適化は前記シミュレーションの過程で実施され、当初の設定のセッティングパラメータ(E)から出発して、所定の実質的に同一の走行サイクルが遂行される多数のシミュレーション・ランでシミュレーションサイクルが実施される一方で、セッティングパラメータ(E)は、このセッティングパラメータ(E)が目的関数と周辺条件とに及ぼす影響を求めるために、変化させられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シミュレーションサイクルの結果をベースとして、セッティングパラメータ(E)が目的関数と周辺条件とに及ぼす影響を表す第一のメタモデルが作成され、その後に、このメタモデルをベースとした第一の最適化ステップが実施されることで、第一の最適設定のセッティングパラメータ(E)が決定され、続いて、この第一の最適設定のセッティングパラメータ(E)から出発して少なくともさらに1回のシミュレーションサイクルが実施されることでさらなるメタモデルが作成されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記メタモデルは線形モデルであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- メタモデルは、セッティングパラメータ(E)が目的関数と周辺条件に一部は線形で、一部は2次形式で組み入れられるモデルであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- メタモデルはセッティングパラメータ(E)を考慮して明示的な表現で代数的に作り出
されていることを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。 - 前記目的関数は、車両が所定のコースないしコース部分を完走するために要するラップタイムであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記目的関数としてのドライバビリティ指標は、車両の走行挙動をグローバルに表す総合ドライバビリティ指標であり、当該総合ドライバビリティ指標は複数の個々のドライバビリティ指標から求められることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記目的関数は、車両が所定のコースを完走するために要する燃料量を表す燃費値であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- モデルをベースとした最適化ストラテジーが前記シミュレーションモデル(11)のパラメータ値設定に使用されることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
- 経験に依拠した最適化ストラテジーが前記シミュレーションモデル(11)のパラメータ値設定に使用されることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
- モデルをベースとした最適化ストラテジーが車両(10)のセッティングの最適化に使用されることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
- 経験に依拠した最適化ストラテジーが車両(10)のセッティングの最適化に使用されることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記シミュレーションモデルの初期設定後、車両の実車運転の間に、シミュレーションモデル(11)のパラメータ値設定によりシミュレーションモデル(11)を使用した車両(10)のシミュレーションが連続的に実時間で行われることを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
- 車両(10)のセッティングの最適化が連続的に実時間で行われて、セッティングパラメータの変更が実施されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
- 車両のセッティングパラメータ(E)の変更は自動的に実施されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
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