JP5352026B1 - 解析システム、解析方法、および解析プログラム - Google Patents

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    • G01H1/00Measuring characteristics of vibrations in solids by using direct conduction to the detector
    • G01H1/003Measuring characteristics of vibrations in solids by using direct conduction to the detector of rotating machines

Abstract

【課題】機関の振動を高速にかつ安定して解析することを目的とする。
【解決手段】一実施形態に係る解析システムは受付部、線形化部、変換部、および算出部を備える。受付部は、静止系の特性マトリクスおよび外力と、該静止系に収容される回転系の特性マトリクスおよび外力とを受け付ける。線形化部は、静止系の運動方程式における軸受力と、回転系の運動方程式における軸受力との双方を線形化する。変換部は、静止系での外力および回転系での外力を共通の周波数領域に変換する。算出部は、これらの線形化処理および変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し、該関係式から静止系および回転系双方の変位ベクトルを求める。
【選択図】図5

Description

本発明の一側面は、回転系および静止系の双方を有する機関の振動を解析するためのシステム、方法、およびプログラムに関する。
従来から、回転系および静止系の双方を有する機関(例えばエンジン)の振動を解析するための手法が知られている。例えば下記非特許文献1には、油膜を考慮した軸受解析と、クランクトレインの強度解析と、パワーユニットおよびドライブトレインの挙動予測とを実行することができるシミュレーション・ソフトウェアが記載されている。
AVL LIST GmbH、「Advanced Simulation Technologies」、[online]、インターネット<URL: https://www.avl.com/web/ast/excite>
上記のソフトウェアなどで実現される従来の手法は時間領域解析であるが、この手法は結果を得るまでに時間を要し、また、計算が収束しない可能性がある。そこで、機関の振動を高速にかつ安定して解析する手法が望まれている。なお、「安定して」とは、確実に解が得られることを意味する。
本発明の一側面に係る解析システムは、静止系の特性マトリクスおよび外力と、該静止系に収容される回転系の特性マトリクスおよび外力とを受け付ける受付部と、静止系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す静止系の運動方程式における軸受力と、回転系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す回転系の運動方程式における軸受力との双方を線形化する線形化部と、静止系での外力および回転系での外力を共通の周波数領域に変換する変換部と、線形化部による線形化処理および変換部による変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し、該関係式から静止系および回転系双方の変位ベクトルを求める算出部とを備える。
本発明の一側面に係る解析方法は、静止系の特性マトリクスおよび外力と、該静止系に収容される回転系の特性マトリクスおよび外力とを受け付ける受付ステップと、静止系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す静止系の運動方程式における軸受力と、回転系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す回転系の運動方程式における軸受力との双方を線形化する線形化ステップと、静止系での外力および回転系での外力を共通の周波数領域に変換する変換ステップと、線形化ステップによる線形化処理および変換ステップにおける変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し、該関係式から静止系および回転系双方の変位ベクトルを求める算出ステップとを含む。
本発明の一側面に係る解析プログラムは、静止系の特性マトリクスおよび外力と、該静止系に収容される回転系の特性マトリクスおよび外力とを受け付ける受付部と、静止系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す静止系の運動方程式における軸受力と、回転系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す回転系の運動方程式における軸受力との双方を線形化する線形化部と、静止系での外力および回転系での外力を共通の周波数領域に変換する変換部と、線形化部による線形化処理および変換部による変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し、該関係式から静止系および回転系双方の変位ベクトルを求める算出部とをコンピュータに実行させる。
このような側面においては、回転系および静止系の運動方程式の双方において軸受力が線形化され、これらの系での外力が共通の周波数領域に変換される。線形化と周波数領域への変換とを行うことで、回転系および静止系が互いに影響を及ぼし合う機関での変位(振動)の計算が簡単になり、その結果、機関の振動を高速にかつ安定して解析することができる。
他の側面に係る解析システムでは、線形化部が、軸受の平衡点からの変位に対する軸受の動剛性を示す定数マトリクスを求め、該定数マトリクスを用いて静止系および回転系の軸受力を線形化してもよい。
他の側面に係る解析システムでは、定数マトリクスを用いて導出される係数マトリクスを[D]とし、周波数領域に変換された静止系および回転系の変位ベクトルを{u}とし、周波数領域に変換された静止系および回転系の外力を{f}とすると、関係式が[D]{u}={f}で表され、係数マトリクスにおいて、対角ブロックが非零成分を含む小行列であり、該対角ブロック以外の成分が非零成分を含んでもよい。
他の側面に係る解析システムでは、関係式が、静止系および回転系の双方が安定していると仮定した場合の軸受の定常応答を示す第1の式であって、軸受の変形によって生じる軸受力の変化を示すマトリクスを含む該第1の式と、静止系および回転系の双方についての変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す第2の式とを含み、算出部が、第1の式を計算することで静止系および回転系の軸受力を求め、該軸受力と受付部により受け付けられた外力とを第2の式に適用することで変位ベクトルを求めてもよい。
他の側面に係る解析システムでは、静止系がエンジン本体であり、回転系がクランクシャフトであってもよい。
本発明の一側面によれば、機関の振動を高速にかつ安定して解析することができる。
解析対象のレシプロエンジンのモデルを示す図である。 解析対象のレシプロエンジンのモデルを示す図である。 解析対象のレシプロエンジンのモデルを示す図である。 実施形態に係る解析システムのハードウェア構成を示す図である。 実施形態に係る解析システムの機能構成を示すブロック図である。 実施形態に係る解析システムの動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る解析プログラムの構成を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、実施形態に係る解析システム10の機能及び構成について説明する。解析システム10は、回転系および静止系の双方を有する機関の振動を解析するコンピュータ・システムである。以下では、解析システム10がいわゆるレシプロエンジン(reciprocating engine)の稼働時の振動を解析する場合を例に説明するが、解析対称はレシプロエンジンに限定されず、解析システムは様々な機関の振動を解析することができる。
図1〜3に示すように、レシプロエンジン90は、エンジン本体91と、このエンジン本体91に収容されるクランクシャフト92とを備える。エンジン本体91は静止系であり、クランクシャフト92は回転系である。クランクシャフト92とエンジン本体91とは軸受93を介して結合する。静止系および回転系のそれぞれには、時間の経過と共に変動する外力が作用する。この外力は運転条件および諸元値から予め求めることができる。外力の例としては、静止系ではピストンのスラスト力FEXthrustなどが挙げられ、回転系ではクランクピンの荷重fEXpinなどが挙げられる。なお、本明細書では静止系および回転系をまとめて「両系」ともいう。
解析システム10の目的は、静止系の運動方程式(1)における変位ベクトルUと、回転系の運動方程式(2)における変位ベクトルuとを求めることである。
Figure 0005352026

Figure 0005352026
ここで、これらの式の各変数の意味は以下の通りである。
…静止系の質量マトリクス
…静止系の減衰マトリクス
…静止系の剛性マトリクス
…静止系の変位ベクトル
EX…静止系に作用する外力
…静止系に作用する軸受力(内力)
…回転系の質量マトリクス
…回転系の減衰マトリクス
…回転系の剛性マトリクス
…回転系の変位ベクトル
EX…回転系に作用する外力
…回転系に作用する軸受力(内力)
時間領域の解法では上記の運動方程式(1),(2)をそのままの形で解くので、計算のコストが大きくなり、その結果計算時間が長くなってしまう。これに対して、解析システム10は周波数領域の解法を用いることで計算コストを下げる。
解析システム10の典型的なハードウェア構成を図4に示す。解析システム10は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU101と、ROM及びRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードなどで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力装置105と、モニタなどの出力装置106とで構成される。解析システム10の各機能は、CPU101や主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力装置105、出力装置106などを動作させ、主記憶部102や補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102や補助記憶部103内に格納される。
なお、図4では解析システム10が1台のコンピュータで構成されているように示しているが、複数台のコンピュータで解析システム10を構築してもよい。
図5に示すように、解析システム10は機能的構成要素として特性マトリクス算出部(受付部)11、外力算出部(受付部)12、線形化部13、変換部14、および変位算出部15を備えている。
特性マトリクス算出部11は、両系の特性マトリクスを算出する機能要素である。本明細書における特性マトリクスとは、質量マトリクス、減衰マトリクス、および剛性マトリクスを包含する概念である。特性マトリクス算出部11は、静止系の有限要素モデルを生成してそのモデルを解析することで、静止系の質量マトリクスM、減衰マトリクスC、および剛性マトリクスKを算出する。また、特性マトリクス算出部11は回転系についても、静止系と同様に有限要素モデルを生成してそのモデルを解析することで、質量マトリクスm、減衰マトリクスc、および剛性マトリクスkを求める。両系の有限要素モデルの生成に必要なデータはユーザ操作により入力される。特性マトリクス算出部11は、必要な点(例えば、荷重点、軸受の結合点、モニタ点など)の変位自由度のみを保持した縮約モデルを用いて特性マトリクスを求めてもよい。
外力算出部12は、静止系および回転系のそれぞれで作用する外力を算出する機能要素である。本実施形態では、静止系で作用する外力はスラスト力FEXthrustであり(図2参照)、回転系で作用する外力はクランクピンの荷重fEXpinである(図2,3参照)。外力算出部12は、他のシミュレーションから得られるエンジンの燃焼圧FEXpressと(図2参照)、ピストンおよびコンロッドのそれぞれについての寸法および質量と、ピストンおよびコンロッドのそれぞれに作用する燃焼圧および慣性力とから静止系の外力FEXおよび回転系の外力fEXを求める。なお、外力の算出に必要なデータはユーザ操作により入力される。
線形化部13は、静止系の運動方程式(1)における軸受力Fと回転系の運動方程式(2)における軸受力fとの双方を線形化する機能要素である。本実施形態では線形化部13は下記式(3)により静止系の軸受力を線形化するとともに、式(4)を用いて回転系の軸受力を線形化する。
Figure 0005352026

Figure 0005352026
ここで、
Figure 0005352026

は、軸受の平衡点(クランク軸と軸受との相対変位の時間平均)に対応する静止系での軸受力の平均値であり、
Figure 0005352026

は、その平衡点に対応する回転系での軸受力の平均値である。これらの平均値はReynolds方程式の平衡状態を示す。δF,δfはそれぞれ、軸受の平衡点からの変位を生じさせる軸受力を示す。R=R(t)は回転系から静止系への座標変換のマトリクスであり、その転置行列Rは静止系から回転系への座標変換のマトリクスである。A,B,C,D,E,F,G,Hはそれぞれ、軸受の動剛性を表す定数マトリクスである。
線形化部13は、軸受の諸元値と、エンジン回転数Ωと(図1,2参照)、オイル粘度と、クランクピン荷重fEXpinと、両系の剛性マトリクスK,kとを入力として、軸受の平衡点をReynolds方程式を用いて求める(平衡点の算出)。ここで、軸受の諸元値、エンジン回転数Ω、およびオイル粘度はユーザにより入力される。クランクピン荷重fEXpinは外力算出部12から得られる。剛性マトリクスK,kは特性マトリクス算出部11から得られる。
続いて、線形化部13はその平衡点からの変位に対する軸受の動剛性を示す上記定数マトリクスA〜Hを、Reynolds方程式を線形化して得られる理論式を用いて求める(線形剛性の算出)。なお、その定数マトリクスA〜Hの算出方法はこれに限定されない。線形化部13は算出した定数マトリクスA〜Hを線形化処理の結果として変位算出部15に出力する。
なお、軸受力を線形化する方法については事実上無数のバリエーションがあるので、線形化部13は上記式(3),(4)以外の式を用いて両系の軸受力を線形化してもよい。例えば、上記(3),(4)におけるδF,δfが下記式で表されてもよい。
δF=ARu+BU
δf=RERu+RFU
変換部14は、静止系での外力FEXおよび回転系での外力fEXを共通の周波数領域に変換する機能要素である。
未知量である変位は、エンジン行程の1サイクルを基本周期とするフーリエ級数の形式で、エンジンの回転次数の成分に分解できるものとする。また、外力(および軸受力)も同様に分解できるものとする。これらの仮定に基づくと、下記式(5)〜(10)を用いて周波数領域への変換を行うことができる。式(5)は静止系での変位ベクトルUについての変換式であり、式(6)は回転系での変位ベクトルuについての変換式である。また、式(7)は静止系における外力FEXについての変換式であり、式(8)は回転系における外力fEXについての変換式である。また、式(9)は静止系における軸受力Fについての変換式であり、式(10)は回転系における軸受力fについての変換式である。
Figure 0005352026

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これらの変換式におけるn/2はエンジンの回転次数であるが、この回転次数は周波数に比例するので、当該変換式は周波数領域への変換を表していると言える。ここで、式(5)〜(10)は無限級数和を示しているが、実際には、解析システム10は実用上問題がない程度の次数の範囲±Nで計算を打ち切る。
両系の変位ベクトルおよび軸受力は未知量なので、変換部14は、両系の外力の周波数成分FEX(n),fEX(n)のみを周波数領域への変換の結果として変位算出部15に出力する(n=−N〜+N)。
変位算出部15は、線形化部13による線形化処理および変換部14による変換処理に基づいて外力FEX,fEXと変位ベクトルU,uとの関係式を生成し、その関係式から両系の変位ベクトルU,uを算出する機能要素である。以下に、変位ベクトルの計算方法として動剛性法および伝達関数法を示す。
[動剛性法]
変位算出部15は式(3)〜(8)に基づいて、静止系および回転系の運動方程式(1),(2)を展開することで、変位ベクトルの周波数成分(次数成分に分解された変位ベクトル)を未知数とする線形方程式(11)を生成する。
Figure 0005352026
本明細書ではこの式(11)を簡単に
[D]{u}={f}
とも表す。定数マトリクスを用いて導出される係数マトリクス[D]中のすべての成分は定数である。また、係数マトリクス[D]の対角ブロック([DS(+N)]など)は非零成分を含む小行列であり、その行数および列数は有限要素モデルの節点の自由度で決まる。また、係数マトリクス[D]内の*は、対角ブロック以外の成分の少なくとも一部が非零成分であることを示している。
変位算出部15は線形方程式(11)に外力FEX(n),fEX(n)を代入することで、変位ベクトルの周波数成分U(n)およびu(n)(n=−N〜+N)を求め、続いてこの計算結果を式(5),(6)のそれぞれに代入することで変位ベクトルUおよびuを求める。
[伝達関数法]
変位算出部15は方程式(12)を用いて静止系における変位ベクトルの周波数成分U(n)を求め、方程式(13)を用いて回転系における変位ベクトルの周波数成分u(n)を求める(n=−N〜+N)。ここで、n/2はエンジン回転次数である。
Figure 0005352026

Figure 0005352026
これらの方程式(12),(13)の導出について以下に説明する。すなわち、動剛性法で用いた式(11)では現れていない軸受力を、式(1)〜(4)の間の関係に注目して未知の変数に戻すと、式(14)が得られる。この式(14)の左辺の係数マトリクスは対角ブロック以外の成分が零になるが、このことは、各次数の変位同士が非連成になることを示している。
Figure 0005352026
ここで、方程式の自由度数を減らすために下記の伝達関数を導入すると、式(14)の各次数の運動が上記の式(12),(13)で示される。
Figure 0005352026

ここで、HAA(n)は全自由度領域Aに掛かる荷重から全自由度領域Aの変位への伝達マトリクスである。任意の領域C(C⊂A)に掛かる荷重Fから任意の領域B(B⊂A)の変位Uへの伝達マトリクスHBCは、全自由度の伝達マトリクスHAA(n)から、列が自由度Cに対応し、かつ行が自由度Bに対応する成分のみを抽出することで得られる(下記式を参照)。領域B,Cが全自由度領域Aに比べて小さい場合には、伝達関数のマトリクスサイズを大幅に縮小することができる。
Figure 0005352026
各次数の式(12),(13)は以下のようにまとめることができる。
Figure 0005352026
ここで、HsEXは静止系におけるモニタ点についての外力−変位間の伝達マトリクスであり、HrEXは回転系におけるモニタ点についての外力−変位間の伝達マトリクスである。また、HsJは静止系におけるモニタ点についての軸受力−変位間の伝達マトリクスであり、HrJは回転系におけるモニタ点についての軸受力−変位間の伝達マトリクスである。次数分解されたこれらの伝達マトリクスH(n)は、例えば次のように導出される。
n次振動の運動方程式は下記の通りである。
Figure 0005352026

ここで
Figure 0005352026

とすると、左辺の係数マトリクスが次数nを含む成分と次数nを含まない成分との和に分解された次式が成り立つ。
Figure 0005352026

この式を[m]の逆行列を用いて変形すると下記式が導かれる。
Figure 0005352026

ここで、
Figure 0005352026

である。
続いて、AP=PΛなる固有セットP,Λを求め、そのP,Λを用いて下記式を得る。
Figure 0005352026

そして、この式を展開することで伝達マトリクスH(n)を得る。ここで、λは行列Λの対角成分である。
Figure 0005352026
このような計算で得られる伝達マトリクスH(n)を用いて定義される上記式(12),(13)に関して、変位の測定点を軸受内のもののみに限定すれば、それらの式(12),(13)は式(15),(16)として表される。
Figure 0005352026

Figure 0005352026
式(15),(16)は以下のようにまとめることができる。
Figure 0005352026
変位算出部15は、両系の特性マトリクスを用いて、軸受内のモニタ点についての外力−変位間の伝達マトリクスHJEXと、当該モニタ点についての軸受力−変位間の伝達マトリクスHJJとを上記の手法により求める。
続いて、変位算出部15は軸受の変形によって生じる軸受力の変化を示すマトリクスFJJを求める。このマトリクスFJJは、上記式(3),(4)のδF,δfにおける一階微分の項を定常周波数応答に関する下記の2式を用いて消去することで式(17),(18)を得て、その式(17),(18)における係数マトリクスL,M,P,Qをまとめたものである。
Figure 0005352026

Figure 0005352026

Figure 0005352026

Figure 0005352026

ここで、変数iは、n次の軸受力の発生に関与する複数の次数である。変数iを導入する理由は、次数間の連成によりn以外の次数が関係してくるからである。δniはクロネッカーのデルタ(Kronecker delta)である。
続いて、変位算出部15は、両系が安定していると仮定した場合の軸受の定常応答を示す式(19)をLU分解法で解くことで軸受力を求める。式(19)は第1の式に相当する。
Figure 0005352026
ここで、[FJJ]は、n,iのすべての組合せについての[FJJ(n,i)]を一つのマトリクスにまとめたものである。
Figure 0005352026
続いて、変位算出部15は、求めた軸受力と外力算出部12により既に得られている外力とを上記式(12),(13)に代入することで、静止系における変位ベクトルの周波数成分U(n)と回転系における変位ベクトルの周波数成分u(n)(n=−N〜+N)とを求める。そして、変位算出部15はその計算結果を式(5),(6)のそれぞれに代入することで変位ベクトルUおよびuを求める。この場合には、式(12),(13)が第2の式に相当する。
あるいは、変位算出部15は上記運動方程式(1),(2)に特性マトリクス、軸受力、および外力を代入することで両系の変位ベクトルUおよびuを求めてもよい。この場合には、式(1),(2)が第2の式に相当する。
このように両系の変位ベクトルを求める方法は一つに限定されないが、いずれにしても、変位算出部15は求めた変位ベクトルを出力する。なお、出力方法は何ら限定されるものではない。例えば、変位算出部15はその変位ベクトルを数値のままで、または図形に変換して画面上に表示してもよい。あるいは、変位算出部15は変位ベクトルを任意の記憶装置に格納してもよいし、任意の情報処理装置に送信してもよい。
次に、図6を用いて、解析システム10の動作を説明するとともに本実施形態に係る解析方法について説明する。
まず、特性マトリクス算出部11が両系の特性マトリクス(質量マトリクス、減衰マトリクス、および剛性マトリクス)を算出し(ステップS11、受付ステップ)、外力算出部12が両系のそれぞれにおいて作用する外力を算出する(ステップS12、受付ステップ)。続いて、線形化部13が両系の軸受力を線形化する(ステップS13、線形化ステップ)。続いて、変換部14が両系の外力を共通の周波数領域に変換する(ステップS14、変換ステップ)。続いて、変位算出部15がこれらの線形化処理および変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し(ステップS15、算出ステップ)、その関係式を用いて両系の変位ベクトルを算出する(ステップS16、算出ステップ)。上述したように、変位算出部15は動剛性法や伝達関数法などの手法を用いて変位ベクトルを求めることができる。このような一連の処理により機関の稼働時の振動が得られる。
次に、図7を用いて、コンピュータを解析システム10として機能させるための情報提供プログラムを説明する。
解析プログラムP1は、メインモジュールP10、特性マトリクス算出モジュールP11、外力算出モジュールP12、線形化モジュールP13、変換モジュールP14、および変位算出モジュールP15を備えている。
メインモジュールP10は、機関の振動解析機能を統括的に制御する部分である。特性マトリクス算出モジュールP11、外力算出モジュールP12、線形化モジュールP13、変換モジュールP14、および変位算出モジュールP15を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の特性マトリクス算出部11、外力算出部12、線形化部13、変換部14、および変位算出部15の機能と同様である。
解析プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体または半導体メモリに記録された態様で提供される。また、解析プログラムP1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、回転系および静止系の運動方程式の双方において軸受力が線形化され、これらの系での外力が共通の周波数領域に変換される。線形化と周波数領域への変換とを行うことで、回転系および静止系が互いに影響を及ぼし合う機関での変位(振動)の計算が簡単になり、その結果、機関の振動を高速にかつ安定して解析することができる。
また、本実施形態によれば、周波数領域の解法を採用することで、加振次数と応答次数との関係を明確に知ることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
上記実施形態では解析システム10が特性マトリクスおよび外力を算出したが、解析システムはこれらのデータを自システム内で計算せずに、ユーザ入力または他システムからの提供されたデータを受け付けてもよい。この場合には、特性マトリクス算出部11および外力算出部12を省略することができる。
上記実施形態では変位算出部15が動剛性法または伝達関数法を用いて変位ベクトルを算出したが、線形化処理および変換処理の後の変位ベクトルの計算方法はこれらの二手法に限定されず、他の手法を用いてもよい。
10…解析システム、11…特性マトリクス算出部(受付部)、12…外力算出部(受付部)、13…線形化部、14…変換部、15…変位算出部、P1…解析プログラム、P10…メインモジュール、P11…特性マトリクス算出モジュール、P12…外力算出モジュール、P13…線形化モジュール、P14…変換モジュール、P15…変位算出モジュール。

Claims (7)

  1. 静止系の特性マトリクスおよび外力と、該静止系に収容される回転系の特性マトリクスおよび外力とを受け付ける受付部と、
    前記静止系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す静止系の運動方程式における軸受力と、前記回転系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す回転系の運動方程式における軸受力との双方を線形化する線形化部と、
    前記静止系での外力および前記回転系での外力を共通の周波数領域に変換する変換部と、
    前記線形化部による線形化処理および前記変換部による変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し、該関係式から前記静止系および回転系双方の変位ベクトルを求める算出部と
    を備える解析システム。
  2. 前記線形化部が、軸受の平衡点からの変位に対する軸受の動剛性を示す定数マトリクスを求め、該定数マトリクスを用いて前記静止系および回転系の軸受力を線形化する、
    請求項1に記載の解析システム。
  3. 前記定数マトリクスを用いて導出される係数マトリクスを[D]とし、前記周波数領域に変換された前記静止系および回転系の変位ベクトルを{u}とし、前記周波数領域に変換された前記静止系および回転系の外力を{f}とすると、前記関係式が[D]{u}={f}で表され、
    前記係数マトリクスにおいて、対角ブロックが非零成分を含む小行列であり、該対角ブロック以外の成分が非零成分を含む、
    請求項2に記載の解析システム。
  4. 前記関係式が、
    前記静止系および回転系の双方が安定していると仮定した場合の軸受の定常応答を示す第1の式であって、軸受の変形によって生じる軸受力の変化を示すマトリクスを含む該第1の式と、
    前記静止系および回転系の双方についての前記変位ベクトル、前記外力、および前記軸受力の関係を示す第2の式と
    を含み、
    前記算出部が、前記第1の式を計算することで前記静止系および回転系の軸受力を求め、該軸受力と前記受付部により受け付けられた外力とを前記第2の式に適用することで前記変位ベクトルを求める、
    請求項2に記載の解析システム。
  5. 前記静止系がエンジン本体であり、前記回転系がクランクシャフトである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の解析システム。
  6. 静止系の特性マトリクスおよび外力と、該静止系に収容される回転系の特性マトリクスおよび外力とを受け付ける受付ステップと、
    前記静止系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す静止系の運動方程式における軸受力と、前記回転系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す回転系の運動方程式における軸受力との双方を線形化する線形化ステップと、
    前記静止系での外力および前記回転系での外力を共通の周波数領域に変換する変換ステップと、
    前記線形化ステップによる線形化処理および前記変換ステップにおける変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し、該関係式から前記静止系および回転系双方の変位ベクトルを求める算出ステップと
    を含む解析方法。
  7. 静止系の特性マトリクスおよび外力と、該静止系に収容される回転系の特性マトリクスおよび外力とを受け付ける受付部と、
    前記静止系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す静止系の運動方程式における軸受力と、前記回転系の特性マトリクス、変位ベクトル、外力、および軸受力の関係を示す回転系の運動方程式における軸受力との双方を線形化する線形化部と、
    前記静止系での外力および前記回転系での外力を共通の周波数領域に変換する変換部と、
    前記線形化部による線形化処理および前記変換部による変換処理に基づいて外力と変位ベクトルとの関係式を生成し、該関係式から前記静止系および回転系双方の変位ベクトルを求める算出部と
    をコンピュータに実行させる解析プログラム。
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